JPH08274407A - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

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JPH08274407A
JPH08274407A JP7305673A JP30567395A JPH08274407A JP H08274407 A JPH08274407 A JP H08274407A JP 7305673 A JP7305673 A JP 7305673A JP 30567395 A JP30567395 A JP 30567395A JP H08274407 A JPH08274407 A JP H08274407A
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ingaasp
clad
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良質の結晶が再現性良く得られ、高出力発振
下においても信頼性の高い、発振波長帯0.63〜1.1 μm
の半導体レーザを得る。 【解決手段】 活性層5をInGaAsP系の化合物半
導体から形成し、この活性層5を挟む光導波層4、6
を、V族元素の中でのAsの含有量が2%以上であるI
nGaAsP系の4元の化合物半導体、あるいはV族元
素の中でのAsの含有量が2〜10%であるInGaAl
AsP系の5元の化合物半導体から形成し、クラッド層
3、7を、V族元素の中でのAsの含有量が2〜10%で
ある、InGaAsP系の4元あるいはInGaAlA
sP系の5元の化合物半導体から形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体レーザに関
し、特に詳細には、III −V族化合物半導体からなる発
振波長帯が0.63〜1.1 μmの半導体レーザに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、発振波長が0.7 〜0.85μm帯にあ
る半導体レーザとしては、例えば文献(1) W.T.Tsang:IE
EE Journal of Quantum Electronics (ジャーナル・オ
ブ・クオンタム・エレクトロニクス) QE-20(1984) pp.1
119 〜1132に示されているように、n−GaAs基板に
n−AlGaAsクラッド層、nまたはi−AlGaA
s光導波層、i−AlGaAs活性層、pまたはi−A
lGaAs光導波層、p−AlGaAsクラッド層、お
よびp−GaAsキャップ層を形成してなるものが広く
知られている。
【0003】また、上記発振波長帯の半導体レーザとし
て、文献(2)J.S.Yoo他: JapaneseJournal of Applied
Physics (ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプラ
イド・フィジックス)Vol.31(1992)pp. L1686 〜L1688
に示されているように、n−GaAs基板にn−InG
aPクラッド層、nまたはi−Inx2Ga1-x2As1-y2
y2光導波層、i−Inx1Ga1-x1As1-y1y1活性層
(x1<x2,y1<y2)、pまたはi−Inx2Ga1-x2As
1-y2y2光導波層、p−InGaPクラッド層、および
p−GaAsキャップ層を形成してなるものも提案され
ている。
【0004】また発振波長が0.63〜0.73μm帯にある半
導体レーザとして、例えば文献(3)B.P.Bour他:IEEE Jou
rnal of Quantum Electronics (ジャーナル・オブ・
クオンタム・エレクトロニクス) QE-30(1994)p.593に示
されているように、GaAs基板にn−InGaAlP
クラッド層、i−InGaAlP光導波層、InGaP
引っ張り歪み量子井戸、i−InGaAlP光導波層、
p−InGaAlPクラッド層、p−InGaP障壁減
少層、およびp−GaAsキャップ層を形成してなるも
のが広く知られている。
【0005】さらに発振波長1.03μm帯の半導体レーザ
として、例えば文献(4) G.Zhan他:IEEE Photonics Tech
nology Letters(フォトニクス・テクノロジー・レター
ズ)Vol.6(1994)pp.1 〜4 に示されているように、Ga
As基板にn−InGaPクラッド層、i−InGaA
sP光導波層、InGaAs圧縮歪み量子井戸、i−I
nGaAsP光導波層、p−InGaPクラッド層、お
よびp−GaAsキャップ層を形成してなるものが広く
知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記文献(1)
に示されている構造には、活性層に含まれているAlが
化学的に活性で酸化しやすいため、劈開して形成した共
振器端面が劣化しやすく、高信頼性を得ることが難しい
という問題がある。
【0007】文献(2) に示されている構造はこのような
問題に対処するものであるが、その反面この構造は、文
献(5)H.Hamada 他:IEEE Journal of Quantum Electron
ics(ジャーナル・オブ・クオンタム・エレクトロニク
ス) QE-27(1991)p.1483 に指摘されているように、In
GaPの成長が基板面方位や成長条件に大きく依存する
ため、良質の結晶を再現性良く得るのが難しいという問
題がある。
【0008】また文献(3) 、(4) に示されている構造
も、上記文献(5) に指摘されているように、InGaA
lP系材料の成長が基板面方位や成長条件に大きく依存
するために、良質の結晶を再現性良く得るのが難しいと
いう問題がある。
【0009】さらに上記文献(2) に示されている構造
は、文献(6)J.Hashimoto他:Electronics Letters (エ
レクトロニクス・レターズ)Vol.30(1994)pp.1146〜1147
に指摘されているように、p−InGaPクラッド層の
一部領域以外をエッチングし、該一部領域をリッジ状に
残して光導波路を形成する場合、エッチング深さを制御
するのが困難で、そのため、高出力領域まで基本横モー
ド制御されたレーザを再現性良く作製することが困難と
なっている。
【0010】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、良質の結晶が再現性良く得られ、高出力発振下
においても信頼性の高い、発振波長帯0.63〜1.1 μmの
半導体レーザを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の半導
体レーザは、活性層がInGaAsP系の化合物半導体
からなり、この活性層を挟む光導波層が、V族元素の中
でのAsの含有量が2%以上であるInGaAsP系の
4元の化合物半導体、あるいはV族元素の中でのAsの
含有量が2〜10%であるInGaAlAsP系の5元の
化合物半導体からなり、クラッド層が、V族元素の中で
のAsの含有量が2〜10%である、InGaAsP系の
4元あるいはInGaAlAsP系の5元の化合物半導
体からなることを特徴とするものである。
【0012】また本発明による第2の半導体レーザは、
活性層がInGaAsP系の化合物半導体からなり、こ
の活性層を挟む光導波層が、V族元素の中でのAsの含
有量が2%以上であるInGaAsP系の4元の化合物
半導体、あるいはV族元素の中でのAsの含有量が2〜
10%であるInGaAlAsP系の5元の化合物半導体
からなり、クラッド層が、V族元素の中でのAsの含有
量が2%以上である、InGaAsP系の4元あるいは
InGaAlAsP系の5元の化合物半導体からなり、
基板に近い方のクラッド層を下部クラッド層、基板から
遠い方のクラッド層を上部クラッド層としたとき、上部
クラッド層が、光導波層に接する上部第1クラッド層、
およびその外側に形成されてAs/P比が上部第1クラ
ッド層のAs/P比よりも大である上部第2クラッド層
の2層から構成され、この上部クラッド層の一部領域以
外において、上部第2クラッド層の表面側からほぼ上部
第1クラッド層と上部第2クラッド層の境界部分までエ
ッチングがなされ、上記一部領域がリッジ状に残されて
光導波路が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0013】
【発明の効果】上記構成を有する本発明の第1、第2の
半導体レーザは、活性層に酸化しやすいAlを含まない
ので、また光導波層およびクラッド層においてもAlを
全く含まないか、含む場合でもこれら各層のAsの含有
量が比較的少ないことからAlの含有量を低減できるの
で、共振器端面の劣化を抑えて、高出力発振下において
も高い信頼性を得ることができる。
【0014】さらに本発明の第1、第2の半導体レーザ
は、InGaAlAsP系のIII −V族化合物半導体に
おいて、V族元素としてPのみを含む半導体上にV族元
素としてAsのみを含む半導体を成長させたり、その反
対にV族元素としてAsのみを含む半導体上にV族元素
としてPのみを含む半導体を成長させて得る層構成を持
たないので、そのような層構成のヘテロ界面で起こるA
sとPとの置換による結晶性の劣化も防止できる。そこ
で本発明の半導体レーザは、この点からも、高出力発振
下における信頼性が高いものとなる。
【0015】また本発明の第1、第2の半導体レーザ
は、クラッド層がInGaAsP系あるいはInGaA
lAsP系の材料で形成されているので、このクラッド
層をInGaP系の材料で形成する場合のように結晶成
長が基板面方位や成長条件に大きく依存することがなく
なり、良質の結晶が再現性良く得られるものとなる。
【0016】そして特に本発明の第2の半導体レーザ
は、外側の上部第2クラッド層のAs/P比が内側の上
部第1クラッド層のそれよりも大とされているので、エ
ッチングにより上部クラッド層の一部領域をリッジ状に
残して光導波路を形成する際に、As/P比がより大で
選択的化学エッチングされやすい上部第2クラッド層の
みをエッチングして、上部第1クラッド層と上部第2ク
ラッド層の境界部分でエッチングを停止させることがで
きる。本発明による第2の半導体レーザは、このように
してエッチング深さを正確に制御できるので、常に高出
力領域まで基本横モード制御されたものとなり得る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1の(a)〜(c)は、
本発明の第1実施形態による半導体レーザを作製する工
程を順を追って示すものであり、以下、これらの図を参
照して説明する。
【0018】同図(a)に示されるように、まずn−G
aAs(001 )基板2の上に、有機金属気相成長法(M
OCVD)により、GaAsに格子整合するn−Inx3
(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3下部クラッド層3
(0≦z3≦1,0.9 ≦y3≦0.98,x3≒0.49y3)、nまた
はi−Inx2(Ga1-z2Alz21-x2As1-y2y2下部
光導波層4(0≦z2≦z3,0≦y2≦0.98,x2≒0.49y
2)、i−Inx1Ga1-x1As1-y1y1量子井戸活性層
5(x1≒0.49y1,0≦y1≦0.98)、pまたはi−Inx2
(Ga1-z2Alz21-x2As1-y2y2上部光導波層6、
p−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3上部ク
ラッド層7、p−GaAsコンタクト層8を順次成長さ
せる。
【0019】この際、各層3〜7の組成は、図2に示す
ように屈折率がクラッド層3および7、光導波層4およ
び6、活性層5の順で次第に大きくなり、一方エネルギ
ーギャップは上記の順で次第に小さくなるような組成と
する。
【0020】その後、光導波路を形成するために、図1
の(b)に示すように、通常のリソグラフィーおよびエ
ッチング技術により、両側に溝を有する幅3μm程度の
リッジストライプを設ける。このときのエッチング深さ
は、リッジ構造における屈折率導波が高出力時まで達成
される深さとする。その後、絶縁膜9を形成する。
【0021】次に同図の(c)に示すように、通常のリ
ソグラフィー技術によりリッジ頂上部の領域の絶縁膜9
を除去した後、p側電極10を形成する。また基板2の裏
側にはn側電極1を形成する。以上により、発振波長が
660 〜870 nmの範囲にある半導体レーザが得られる。
なおこの発振波長は、x1≒0.49y1,0≦y1≦0.98の関係
の下にx1およびy1を適当に決定することにより、上記範
囲内で任意に制御することができる。
【0022】次に、図3を参照して本発明の第2実施形
態について説明する。同図の(a)に示すように、まず
n−GaAs(001 )基板22の上に、有機金属気相成長
法(MOCVD)により、GaAsに格子整合するn−
Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3下部クラッ
ド層23、nまたはi−Inx2(Ga1-z2Alz21-x2
1-y2y2下部光導波層24、i−Inx1Ga1-x1As
1-y1y1量子井戸活性層25、pまたはi−Inx2(Ga
1-z2Alz21-x2As1-y2y2上部光導波層26、p−I
x3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3上部クラッド
層27、p−GaAsキャップ層28を順次成長させる。そ
の後、絶縁膜29を形成する。
【0023】なお、上記各層23、24、25、26、27および
28の組成は、第1実施形態の各層3、4、5、6、7お
よび8の組成と同じとする。
【0024】その後、光導波路を形成するために、同図
の(b)に示すように、通常のリソグラフィーおよびエ
ッチング技術により、両側に溝を有する幅3μm程度
の、絶縁膜29をマスクとして備えるリッジストライプを
設ける。このときのリッジの深さは、リッジ構造におけ
る屈折率導波が高出力時まで達成される深さとする。そ
の後、絶縁膜29をマスクとして、GaAsに格子整合す
るn−Inx5(Ga1-z5Alz51-x5As1-y5y5層30
(z3≦z5≦1,0.9 ≦y5≦0.98,x5≒0.49y5)の選択埋
め込みを行なう。この埋め込み層30の組成は、屈折率が
上記p−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3
部クラッド層27よりも小さくなるものとする。
【0025】次に同図の(c)に示すように絶縁膜29を
除去して、p−GaAsコンタクト層31を成長させ、そ
の上にp側電極32を形成する。また基板22の裏側にはn
側電極21を形成する。以上により、発振波長が660 〜87
0 nmの範囲にある半導体レーザが得られる。この場合
の発振波長も、第1実施形態と同様にして、上記範囲内
で任意に制御することができる。
【0026】次に、図4を参照して本発明の第3実施形
態について説明する。図4の(a)〜(c)は、本発明
の第3実施形態による半導体レーザを作製する工程を順
を追って示すものであり、以下、これらの図を参照して
説明する。
【0027】同図(a)に示されるように、まずn−G
aAs(001 )基板102 の上に、有機金属気相成長法
(MOCVD)により、GaAsに格子整合するn−I
x3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3下部クラッド
層103 (0≦z3<1,0.9 ≦y3≦0.98,x3≒0.49y3)、
nまたはi−Inx2(Ga1-z2Alz21-x2As1-y2
y2下部光導波層104 (0≦z2≦z3,0≦y2≦0.98,x2≒
0.49y2)、i−Inx1Ga1-x1As1-y1y1量子井戸活
性層105 (0≦y1≦0.98,x1≒0.49y1)、pまたはi−
Inx2(Ga1-z2Alz21-x2As1-y2y2上部光導波
層106 、p−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3
y3上部第1クラッド層107 、p−Inx4(Ga1-z4Al
z41-x4As1-y4y4上部第2クラッド層108 (0≦z3
<z4,0≦y4≦0.5 ,x4≒0.49y4)、p−GaAsコン
タクト層109 を順次成長させる。
【0028】この際、各層103 〜108 の組成は、図5に
示すように屈折率がクラッド層103、107 および108 、
光導波層104 および106 、活性層105 の順で次第に大き
くなり、一方エネルギーギャップは上記の順で次第に小
さくなるような組成とする。
【0029】その後、光導波路を形成するために、図4
の(b)に示すように、通常のリソグラフィーおよび硫
酸系のウエットエッチング技術により、両側に溝を有す
る幅3μm程度のリッジストライプを設ける。この際、
As/P比が上部第1クラッド層107 よりも大である上
部第2クラッド層108 は硫酸系のエッチング液でエッチ
ングされやすく、上部第1クラッド層107 は硫酸系のエ
ッチング液でエッチングされ難いので、リッジのエッチ
ングをこれら両クラッド層108 、107 の境界近傍で容易
に停止させることができる。なお上部第2クラッド層10
8 の厚さは、リッジ構造における屈折率導波が高出力時
まで達成される厚さとする。その後、絶縁膜110 を形成
する。
【0030】次に同図の(c)に示すように、通常のリ
ソグラフィー技術によりリッジ頂上部の領域の絶縁膜11
0 を除去した後、p側電極111 を形成する。また基板10
2 の裏側にはn側電極101 を形成する。以上により、発
振波長が660 〜870 nmの範囲にある半導体レーザが得
られる。なおこの発振波長は、x1≒0.49y1,0≦y1≦0.
98の関係の下にx1およびy1を適当に決定することによ
り、上記範囲内で任意に制御することができる。
【0031】次に、図6を参照して本発明の第4実施形
態について説明する。同図の(a)に示すように、まず
n−GaAs(001 )基板122 の上に、有機金属気相成
長法(MOCVD)により、GaAsに格子整合するn
−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3下部クラ
ッド層123 、nまたはi−Inx2(Ga1-z2Alz2
1-x2As1-y2y2下部光導波層124 、i−Inx1Ga
1-x1As1-y1y1量子井戸活性層125 、pまたはi−I
x2(Ga1-z2Alz21-x2As1-y2y2上部光導波層
126 、p−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3
上部第1クラッド層127 、p−Inx4(Ga1-z4
z41-x4As1-y4y4上部第2クラッド層128、p−
GaAsキャップ層129 を順次成長させる。その後、絶
縁膜130 を形成する。
【0032】なお、上記各層123 、124 、125 、126 、
127 および128 の組成は、第3実施形態の各層103 、10
4 、105 、106 、107 および108 の組成と同じとする。
【0033】その後、光導波路を形成するために、同図
の(b)に示すように、通常のリソグラフィーおよび硫
酸系のウエットエッチング技術により、両側に溝を有す
る幅3μm程度の、絶縁膜130 をマスクとして備えるリ
ッジストライプを設ける。この際も、As/P比が上部
第1クラッド層127 よりも大である上部第2クラッド層
128 は硫酸系のエッチング液でエッチングされやすく、
上部第1クラッド層127 は硫酸系のエッチング液でエッ
チングされ難いので、リッジのエッチングをこれら両ク
ラッド層128 、127 の境界近傍で容易に停止させること
ができる。なお上部第2クラッド層128 の厚さは、リッ
ジ構造における屈折率導波が高出力時まで達成される厚
さとする。
【0034】その後、絶縁膜130 をマスクとして、Ga
Asに格子整合するn−Inx5(Ga1-z5Alz51-x5
As1-y5y5層131 (0≦z5≦1,0.9 ≦y5≦0.98,x5
≒0.49y5)の選択埋め込みを行なう。この埋め込み層13
1 の組成は、屈折率が上記p−Inx4(Ga1-z4
z41-x4As1-y4y4上部第2クラッド層128 よりも
小さくなるものとする。
【0035】次に同図の(c)に示すように絶縁膜130
を除去して、p−GaAsコンタクト層132 を成長さ
せ、その上にp側電極133 を形成する。また基板122 の
裏側にはn側電極121 を形成する。以上により、発振波
長が660 〜870 nmの範囲にある半導体レーザが得られ
る。この場合の発振波長も、第3実施形態と同様にし
て、上記範囲内で任意に制御することができる。
【0036】なお上記4つの実施形態の構造は、特に量
子井戸が単一で、光導波層組成が一定のSQW−SCH
と呼ばれる構造であるが、SQWの代わりに量子井戸を
複数とするMQW構造に対しても本発明は適用可能であ
る。さらに、光導波層に関しては、GRIN構造(GR
aded−INdex)すなわち屈折率分布構造が考え
られる。
【0037】また上記4つの実施形態ではn型基板を用
いているが、本発明においてはp型基板を用いることも
可能である。さらに活性層には、歪み量子井戸構造を用
いてもよい。活性層が歪み量子井戸の場合は、その歪み
を相殺するような歪みを有する光導波層を用いてもよ
い。そして出射ビームの断面の対称性を確保するため
に、下部クラッド層を上部クラッド層のように2層構造
としてもよい。
【0038】また上記実施形態は、単純なリッジ構造を
有するものであるが、これらの実施形態の構成に通常の
リソグラフィーおよびエッチング技術による加工を施し
て屈折率導波機構付き半導体レーザを形成したり、回折
格子付きの半導体レーザや光集積回路を形成することも
可能である。さらに、電流狭窄機構として3層の埋め込
み成長で形成されるp−n−p構造等が適用されてもよ
い。
【0039】また上記各実施形態は、各層がGaAsに
格子整合する組成を有するものであるので、x1≒0.49y
1,x2≒0.49y2の関係となっているが、各層に歪みがか
かった場合にはこれらの関係は無くなる。
【0040】そして発振波長帯に関しては、活性層をI
x1Ga1-x1As1-y1y1とするものについては前述の
通りであるが、活性層をInx1Ga1-x1As1-y1y1
子井戸としてGaAs基板と格子整合しない歪み量子井
戸構造については、630 〜1100nmの範囲で制御するこ
とができる。
【0041】また結晶成長法として、固体あるいはガス
を原料とする分子線エピタキシャル成長法を採用するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による半導体レーザの層
構成を示す概略図
【図2】第1実施形態の半導体レーザの各層の屈折率と
エネルギーギャップを示す概略図
【図3】本発明の第2実施形態による半導体レーザの層
構成を示す概略図
【図4】本発明の第3実施形態による半導体レーザの層
構成を示す概略図
【図5】第3実施形態の半導体レーザの各層の屈折率と
エネルギーギャップを示す概略図
【図6】本発明の第4実施形態による半導体レーザの層
構成を示す概略図
【符号の説明】
1 n側電極 2 n−GaAs基板 3 n−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3
下部クラッド層 4 nまたはi−Inx2(Ga1-z2Alz21-x2As
1-y2y2下部光導波層 5 i−Inx1Ga1-x1As1-y1y1量子井戸活性層 6 pまたはi−Inx2(Ga1-z2Alz21-x2As
1-y2y2上部光導波層 7 p−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3
上部クラッド層 8 p−GaAsコンタクト層 9 絶縁膜 10 p側電極 21 n側電極 22 n−GaAs基板 23 n−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3
下部クラッド層 24 nまたはi−Inx2(Ga1-z2Alz21-x2As
1-y2y2下部光導波層 25 i−Inx1Ga1-x1As1-y1y1量子井戸活性層 26 pまたはi−Inx2(Ga1-z2Alz21-x2As
1-y2y2上部光導波層 27 p−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3
上部クラッド層 28 p−GaAsキャップ層 29 絶縁膜 30 n−Inx5(Ga1-z5Alz51-x5As1-y5y5
埋め込み層 31 p−GaAsコンタクト層 32 p側電極 101 n側電極 102 n−GaAs基板 103 n−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3
下部クラッド層 104 nまたはi−Inx2(Ga1-z2Alz21-x2As
1-y2y2下部光導波層 105 i−Inx1Ga1-x1As1-y1y1量子井戸活性層 106 pまたはi−Inx2(Ga1-z2Alz21-x2As
1-y2y2上部光導波層 107 p−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3
上部第1クラッド層 108 p−Inx4(Ga1-z4Alz41-x4As1-y4y4
上部第2クラッド層 109 p−GaAsコンタクト層 110 絶縁膜 111 p側電極 121 n側電極 122 n−GaAs基板 123 n−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3
下部クラッド層 124 nまたはi−Inx2(Ga1-z2Alz21-x2As
1-y2y2下部光導波層 125 i−Inx1Ga1-x1As1-y1y1量子井戸活性層 126 pまたはi−Inx2(Ga1-z2Alz21-x2As
1-y2y2上部光導波層 127 p−Inx3(Ga1-z3Alz31-x3As1-y3y3
上部第1クラッド層 128 p−Inx4(Ga1-z4Alz41-x4As1-y4y4
上部第2クラッド層 129 p−GaAsキャップ層 130 絶縁膜 131 n−Inx5(Ga1-z5Alz51-x5As1-y5y5
埋め込み層 132 p−GaAsコンタクト層 133 p側電極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】さらに発振波長1.03μm帯の半導体レーザ
として、例えば文献(4)G.Zhang他:IEEE Photonics Tech
nology Letters(フォトニクス・テクノロジー・レター
ズ)Vol.6(1994)pp.1 〜4 に示されているように、Ga
As基板にn−InGaPクラッド層、i−InGaA
sP光導波層、InGaAs圧縮歪み量子井戸、i−I
nGaAsP光導波層、p−InGaPクラッド層、お
よびp−GaAsキャップ層を形成してなるものが広く
知られている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層がInGaAsP系の化合物半導
    体からなり、 この活性層を挟む光導波層が、V族元素の中でのAsの
    含有量が2%以上であるInGaAsP系の4元の化合
    物半導体、あるいはV族元素の中でのAsの含有量が2
    〜10%であるInGaAlAsP系の5元の化合物半導
    体からなり、 クラッド層が、V族元素の中でのAsの含有量が2〜10
    %である、InGaAsP系の4元あるいはInGaA
    lAsP系の5元の化合物半導体からなることを特徴と
    する半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 前記活性層がInx1Ga1-x1As1-y1
    y1(0≦y1≦0.98)であり、 前記光導波層がInx2(Ga1-z2Alz21-x2As1-y2
    y2(0≦z2≦1,0≦y2≦0.98)であり、 前記クラッド層がGaAsと格子整合するInx3(Ga
    1-z3Alz31-x3As1-y3y3(0≦z2≦z3≦1,0.9
    ≦y3≦0.98,x3≒0.49y3)であることを特徴とする請求
    項1記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 活性層がInGaAsP系の化合物半導
    体からなり、 この活性層を挟む光導波層が、V族元素の中でのAsの
    含有量が2%以上であるInGaAsP系の4元の化合
    物半導体、あるいはV族元素の中でのAsの含有量が2
    〜10%であるInGaAlAsP系の5元の化合物半導
    体からなり、 クラッド層が、V族元素の中でのAsの含有量が2%以
    上である、InGaAsP系の4元あるいはInGaA
    lAsP系の5元の化合物半導体からなり、 基板に近い方のクラッド層を下部クラッド層、基板から
    遠い方のクラッド層を上部クラッド層としたとき、上部
    クラッド層が、光導波層に接する上部第1クラッド層、
    およびその外側に形成されてAs/P比が上部第1クラ
    ッド層のAs/P比よりも大である上部第2クラッド層
    の2層から構成され、 この上部クラッド層の一部領域以外において、上部第2
    クラッド層の表面側からほぼ上部第1クラッド層と上部
    第2クラッド層の境界部分までエッチングがなされ、前
    記一部領域がリッジ状に残されて光導波路が形成されて
    いることを特徴とする半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 前記活性層がInx1Ga1-x1As1-y1
    y1(0≦y1≦0.98)であり、 前記光導波層がInx2(Ga1-z2Alz21-x2As1-y2
    y2(0≦z2≦1,0≦y2≦0.98)であり、 前記下部クラッド層および上部第1クラッド層が、Ga
    Asと格子整合するInx3(Ga1-z3Alz31-x3As
    1-y3y3(0≦z2≦z3≦1,0.9 ≦y3≦0.98,x3≒0.49
    y3)であり、 前記上部第2クラッド層が、GaAsと格子整合するI
    x4(Ga1-z4Alz41-x4As1-y4y4(0≦z3<z
    4,0≦y4≦0.5 ,x4≒0.49y4 )であることを特徴と
    する請求項3記載の半導体レーザ。
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