JPH08271965A - カメラ - Google Patents

カメラ

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Publication number
JPH08271965A
JPH08271965A JP7785095A JP7785095A JPH08271965A JP H08271965 A JPH08271965 A JP H08271965A JP 7785095 A JP7785095 A JP 7785095A JP 7785095 A JP7785095 A JP 7785095A JP H08271965 A JPH08271965 A JP H08271965A
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JP
Japan
Prior art keywords
film
magnetic head
cleaning
camera
bar code
Prior art date
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Pending
Application number
JP7785095A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoyuki Nishino
直行 西納
Akihiko Funaki
昭彦 舟木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujinon Corp
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Fuji Photo Optical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd, Fuji Photo Optical Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP7785095A priority Critical patent/JPH08271965A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な操作でカメラに内蔵した磁気ヘッドの
クリーニングを行う。 【構成】 写真フイルムまたはクリーニングフイルム
は、フイルムの種類等が記されたバーコード板を備えた
カートリッジ本体に収納された状態で、カメラに装填さ
れる。カメラのバーコードセンサで、バーコードが読み
取られ、マイクロコンピュータで装填されたフイルムの
種類が判別される。クリーニングフイルムが装填された
場合には、マイクロコンピュータは、クリーニングフイ
ルムを磁気ヘッドに接触させながら、連続的にフイルム
巻上げを行ってから、フイルム巻戻しを行う。クリーニ
ングフイルムを磁気ヘッドの表面に摺接することによ
り、磁気ヘッドの表面に付着したゴミや汚れが取り除か
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラに関し、さらに
詳しくはフイルムの磁気記録層に磁気記録を行う磁気ヘ
ッドを備えたカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真フイルムに磁気記録層を設け、この
磁気記録層に撮影時のシャッタ速度や絞り値、あるいは
ストロボ発光の有無等の露出制御データや、撮影時にユ
ーザが設定したトリミングデータ等をカメラ側の磁気ヘ
ッドで記録しておき、これらの書き込みデータをプリン
ト処理の際に読み取って、プリント時の露光制御やトリ
ミングに利用する試みがされている。
【0003】このような磁気記録可能な写真フイルム
は、フイルムベースの感光乳剤層と反対側の面に磁性体
が塗布されて透明な磁気記録層が形成されている。ま
た、カメラには、例えば、アパーチャ背後の圧板に磁気
ヘッドが配されており、この磁気ヘッドが写真フイルム
の磁気記録層に接触するようになっている。そして、1
コマの撮影が終了して、写真フイルムが給送されている
間に磁気ヘッドを駆動し、撮影されたコマの磁気記録層
に各種のデータを磁気記録する。
【0004】ところで、磁気記録を正しく行うために
は、磁気ヘッドを写真フイルムの磁気記録層に接触して
おく必要があるが、磁気ヘッドは、写真フイルムに接触
しているために、写真フイルムに付いたゴミや油を拾っ
たり、磁気ヘッド自体で磁気記録層を削った磁性体が付
着する。磁気ヘッドにゴミ等が付着すると、磁気ヘッド
と磁気記録層との間に隙間があいたり、磁気ヘッドの表
面に磁気記録層が均一に接触しなくなったりする。この
ような状態で、磁気記録層に磁気記録を行うと、磁気記
録が正しく行われず、再生時にS/N比の低下,周波数
特性の悪化,再生信号レベルの低下等の問題が生じる。
このため、プリント処理でデータを読み取った際に、記
録されたデータが正しく読み取られず、間違った露光制
御やトリミングがされてしまうことがある。
【0005】磁気ヘッドに付着したゴミを除去するに
は、アルコール等をしめらした布等で直接に磁気ヘッド
を拭き取るのが効果的である。しかし、このような作業
は、面倒であるため、一般のユーザによって行われない
ことがある。また、例えば写真フイルムをドロップイン
ローディグするカメラでは、裏蓋の開き量が少ないため
裏蓋を取り外さなければならない等の技術的な難しさか
ら、一般のユーザに不向きである。そこで、ゴミや汚れ
の除去の作業を簡単にするために、クリーニング機能を
有するフイルム(以下クリーニングフイルムと称する)
が考案されている。このクリーニングフイルムは、例え
ばフイルムベースの片面に研磨剤を塗布したものであっ
て、通常の撮影用の写真フイルムと同様に、このクリー
ニングフイルムをカメラに装填して、巻上げ操作を繰り
返し行うことにより、磁気ヘッドの表面のゴミや汚れを
除去することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
モータを使ってフイルム巻き上げを行うワインダを内蔵
したカメラであっても、レリーズボタンを操作して、シ
ャッタを作動させないと次の巻上げができない。このた
め、クリーニングフイルムによる磁気ヘッドのクリーニ
ングの操作が煩雑になる。また、クリーニングフイルム
が十分に巻き上げられず、磁気ヘッドのクリーニングが
不完全のまま、磁気ヘッドのクリーニングを終わらせて
しまうことが考えられる。
【0007】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、クリーニングフイルムを用いて簡単な操作
でカメラの磁気ヘッドをクリーニングできるようにした
カメラを提供することを目的とする。また、磁気ヘッド
でデータを読み取った再生信号から磁気ヘッドの汚れ状
態や磁気ヘッドのクリーニング指示等を警告することの
できるカメラを提供するとを別の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、装填されたフイルムの種
類を判別するフイルム判別手段と、このフイルム判別手
段によりクリーニングフイルムの装填が判別された時に
は、クリーニングフイルムを前記磁気ヘッドに接触させ
ながら、所定長巻上げてから巻戻すようにフイルム給送
装置を駆動する制御手段を備えたものである。
【0009】請求項2記載の発明では、写真フイルムの
給送中に磁気ヘッドで磁気記録したデータを読み取った
際に得られる再生信号の信号レベルから前記磁気ヘッド
が良好な状態にあるか不良な状態にあるかを判断する判
断手段とを備えたものである。
【0010】請求項3記載の発明では、判断手段によっ
て、磁気ヘッドが不良状態にあると判断された時に、前
記磁気ヘッドのクリーニングを促す手段を設けたもので
ある。
【0011】請求項4記載の発明では、磁気ヘッドで磁
気記録したデータを読み取った際に得られる再生信号の
信号レベルから前記磁気ヘッドが良好な状態にあるか不
良な状態にあるかを判断する判断手段と、前記磁気ヘッ
ドのクリーニングシーケンスを行う制御回路と、前記磁
気ヘッドが異常状態であることを警告する警告手段とを
備え、前記クリーニングシーケンスは、クリーニングフ
イルムを前記磁気ヘッドに接触させながら、所定長巻上
げてから巻戻すようにフイルム給送装置を駆動して前記
磁気ヘッドのクーリニングを行い、このクーニング後に
引き続いて磁気記録層が形成されたフイルムに対して、
前記磁気ヘッドで所定のデータの磁気記録とこの磁気記
録されたデータの読み取りとを行い、この読み取りで得
られた再生信号の信号レベルを基にして前記判断手段で
前記磁気ヘッドの状態を判断し、N(≧1)回目のクリ
ーニングシーケンスで磁気ヘッドが不良状態と判断され
た時にはクリーニングシーケンスを再度行い、(N+
1)回目のクリーニングシーケンスで前記磁気ヘッドが
不良状態と判断された時には、前記警告手段を駆動して
前記磁気ヘッドの修理や調整を促すようにしたものであ
る。
【0012】請求項5記載の発明では、写真フイルム
は、写真フイルムの情報がバーコードで記され、フイル
ムを巻き付けたスプールと一体に回転するバーコード板
が設けられたフイルムカートリッジに収納されて装填さ
れ、クリーニングフイルムは、クリーニングフイルムを
表すバーコードが記されたクリーニング用の前記バーコ
ード板が設られたフイルムカートリッジに収納されて装
填されるようになっており、装填されたフイルムの種類
を判別するフイルム判別手段は、前記バーコード板の回
転中にバーコードを読み取るためのバーコードセンサ
と、バーコードの情報を解読する解読部とを備えたもの
ものである。
【0013】請求項6記載の発明では、磁気ヘッドが良
好な状態にあるか否を判断する判断手段は、良好な状態
の前記磁気ヘッドで磁気記録層に磁気記録した所定のデ
ータを良好な状態の前記磁気ヘッドで読取った際に得ら
れる再生信号の信号レベルが、前記磁気ヘッドの状態の
判断基準となる参照信号レベルとして書き込まれたEE
PROMを備え、この参照信号レベルを基にして前記磁
気ヘッドの状態を判断するようにしたものである。
【0014】
【作用】クリーニングフイルムを装填すると、ユーザが
操作を行うことなくクリーニングフイルムの巻上げと、
巻戻しがカメラによって行われ、磁気ヘッドのクリーニ
ングが行われる。また、写真フイルムの給送時に磁気ヘ
ッドで得られる再生信号から磁気ヘッドの状態が判断さ
れ、例えば、磁気ヘッドが不良の状態であれば、クリー
ニングが必要であることがユーザに知らされる。さら
に、磁気ヘッドのクリーニングの後に、磁気ヘッドの状
態が判断され、必要であれば再び磁気ヘッドのクリーニ
ングを行うことが可能となり、例えば、複数回のクリー
ニングで磁気ヘッドの状態が回復しない時には、ユーザ
に対して磁気ヘッドの修理.調整が必要であることが知
らされる。
【0015】
【実施例】本発明を実施したカメラに用いられる写真用
フイルムカートリッジを図2に示す。写真用フイルムカ
ートリッジ2は、写真フイルム3を巻き付けたスプール
4と、写真フイルム3を光密に収納するカートリッジ本
体5とから構成されている。カートリッジ本体5は、互
いに嵌合される一対のカートリッジシェル6,7からな
り、これらは遮光性のプラスチックでそれぞれ形成され
ている。カートリッジ本体5の外周には、フイルム送出
口8が先端に形成されたポート部9が、カートリッジ本
体5の上面には後述するバーコード板10を外部に露呈
させるための開口11が形成されている。また、カート
リッジ本体5の側面には、写真フイルム3のフイルム感
度,撮影可能コマ数等が記された胴体ラベル12が貼付
されている。
【0016】スプール4の一端には、キー溝4aが形成
されている。このキー溝4aにはカメラ側の駆動軸が係
合され、この駆動軸によってスプール4がフイルム送り
出し方向またはフイルム巻戻し方向に回動される。ポー
ト部9には、フイルム送出口8とカートリッジ本体5の
内部をつなぐフイルム通路が形成されており、このフイ
ルム通路内には、遮光用の蓋部材(図示せず)が設けら
れている。蓋部材は、ポート部9の上面に露呈した係合
部13と一体となっており、この係合部13を回動させ
ることにより、フイルム通路を開閉することができる。
なお、蓋部材の代わりに遮光用のテレンプをフイルム通
路に設けてもよい。
【0017】この写真用フイルムカートリッジ2は、未
使用時には、写真フイルム3の先端がカートリッジ本体
5内に完全に巻き込まれ、フイルム送出口8が蓋部材が
閉じられる。そして、使用時には、蓋部材を回動してフ
イルム送出口8を開いてから、スプール4をフイルム送
り出し方向に回動することにより、フイルム送出口8か
ら写真フイルム3が送り出される。
【0018】写真フイルム3は、既に本出願にから提案
されている新しいフォーマットのものであり、1個の撮
影コマ14その先端側に先端パーフォレーション14
a,後端側に後端パーフォレーション14bが1個ずつ
設けられている。また、第1番目(フイルムの先端側)
の撮影コマ14の先端パーフォレーション14aの近く
でフイルム先端側には、補助パーフォレション14cが
設けられている。この補助パーフォレーション14c
は、第1番目の撮影コマ14をカメラのアパーチャにセ
ットする際に制御用として用いられる。
【0019】写真フイルム3の層構造を示す図3におい
て、写真フイルム3は、フイルムベース3aの一方の面
に周知の感光乳剤層3bが形成されている。また、フイ
ルムベース3aの感光乳剤層3bと反対側の背面には、
その全面に磁性体が塗布されて、透明な磁気記録層3c
が形成されている。この磁気記録層3cには、カメラ側
の磁気ヘッドによって、撮影時のシャッタ速度,絞り
値、スロトロボ発光の有無等の露光制御データが2進コ
ードで磁気記録される。
【0020】図4に一例を示すように、バーコード板1
0は、ドーナッツ状の円板の一部に扇状の切欠きが形成
された形状になっており、スプール4と一体に回転す
る。バーコードは、低い反射率の黒バー16と高い反射
率の白バー(スペース)17とを交互に並べてバーコー
ド板10に記されたデータ部と、バーコード板10の扇
状に切り欠かれた部分からなり、黒バー16よりも低反
射面として検出されるブラッククワイエットゾーン18
とから構成されている。各バー16,17には、幅の広
いものと狭いものがあり、例えば幅の広いバー16,1
7が論理値「1」を表し、幅の狭いものが論理値「0」
を表しており、これらの「0」,「1」の論理値の配列
順序を変えることで各種のデータ値が表現される。ブラ
ッククワイエットゾーン18は、バーコードのデータの
区切りを検知するために使用される。
【0021】データ部は、所定のフォーマットに従って
表現されており、フイルムの種類、フイルム感度、撮影
可能コマ数等のデータは、フォーマットに決められた順
序で配置されている。また、各データは、フイルムの種
類、フイルム感度、撮影可能コマ数に応じてフォーマッ
トによって割り当てられたデータ値(バーのパターン)
で記されている。
【0022】クリーニングフイルムを収納したクリーニ
ング用フイルムカートリッジを図5に示す。なお、クリ
ーニング用フイルムカートリッジ20のカートリッジ本
体の構成部材は、写真用フイルムカートリッジ2と同じ
であり、これらには同符号を付してある。クリーニング
用フイルムカートリッジ20のカートリッジ本体5に
は、これに収納されているフイルムがクリーニング用で
あることを示す胴体ラベル12aが貼付されている。
【0023】クリーニング用フイルムカートリッジ20
のバーコード板10には、写真フイルムカートリッジ2
と同じフォーマットに基づいて、バーコードが記されて
いる。このクリーニング用フイルムカートリッジ20の
バーコードには、クリーニングフイルムに割り当てられ
たデータが、フイルムの種類を表すデータとして記され
ている。
【0024】クリーニング用フイルムカートリッジ20
のカートリッジ本体5には、カメラの磁気ヘッドに付着
したゴミ等を除去するためのクリーニングフイルム22
が収納されている。このクリーニングフイルム22は、
その長さに応じて例えば40個の仮想的な撮影コマ(以
下の説明では、仮想コマと称する)に区分されており、
写真フイルム3と同様に先端パーフォレーション23
a,後端パーフォレーション23b,補助パーフォレー
ション23cが設けられている。仮想コマのコマ数は、
バーコードに撮影可能コマ数として表されている。
【0025】図6には、クリーニングフイルム22の層
構造を示す。クリニーングフイルム22は、フイルムベ
ース22aと研磨剤層22bとの2層からなる。研磨剤
層22bは、フイルムベース22aの背面(写真フイル
ム3の磁気記録層3cと同じ側)の全面に形成されてい
る。研磨剤層22bは、研磨剤をフイルムベース22a
に塗布して形成され、この研磨剤層22bがカメラの磁
気ヘッドの表面と接触しながら移動することにより、磁
気ヘッドの表面に付着したゴミや汚れが除去される。ク
リーニングフイルムとしては、湿式のクリーニングフイ
ルムとしてもよい。
【0026】図7に示すように、本発明を実施したカメ
ラのカメラボディ25には、周知のようにカートリッジ
装填室26が形成されており、その底部26aが開口し
ている。この開口は底蓋27によって開閉される。写真
用フイルムカートリッジ2またはクリーニング用フイル
ムカートリッジ20は、底部26aからカートリッジ装
填室26に挿入され、そして、スプール4のキー溝4a
には駆動軸28が連結し、係合部13には係合軸29が
連結する。この駆動軸28は、後述するようにカメラ内
に内蔵した給送モータ30(図8参照)によって、正逆
両方向に回転される。また、係合軸29は係合部13を
介して蓋部材を回動し、カートリッジ本体5のフイルム
通路を開閉する。
【0027】フイルムの装填直後のフイルム巻上げに際
しては、係合軸29を介して蓋部材が回動され、カート
リッジ本体5のフイルム通路が開かれる。この後に、駆
動軸28を回転し、スプール4をフイルム送り出し方向
に回転する。これにより、初期送りがされ、フイルムの
先端がフイルム送出口8からカートリッジ本体5の外部
に送り出され、カメラのフイルム通路31を通ってカメ
ラの巻取りスプール36(図8参照)に送られる。
【0028】また、カートリッジ装填室26内で、カー
トリッジ本体5の開口11すなわちバーコード板10に
臨む位置には、バーコードを読取るための投光部32a
と受光部32bとからなる反射型のフォトセンサ(以
下、バーコードセンサという)32が設けられている。
なお、バーコードセンサ32が発光する光は、カートリ
ッジ本体5から引き出された写真フイルム3にカブリを
与えないようにするために赤外光とするのがよい。
【0029】図8にカメラの概略を示す。なお、図8で
は写真用フイルムカートリッジ2を装填した状態が示さ
れている。マイクロコンピュータ35は、フイルム巻上
げ,フイルム巻戻し、撮影、磁気記録、磁気ヘッドのク
リーニング等を行うために各部を制御するとともに、バ
ーコードの解読,フイルムの種類の判別等を行う。底蓋
27を閉じると、底蓋閉じ信号がマイクロコンピュータ
35に入力される。マイクロコンピュータ35は、この
底蓋閉じ信号の入力で、カートリッジ本体5の装填を検
知し、各部の制御を開始する。
【0030】フイルムの巻上げと巻戻しを行う給送装置
は、給送モータ30と、駆動伝達機構38、ギア39、
40、41等から構成されている。巻き取りスプール3
6に給送モータ30が内蔵され、この給送モータ30
は、マイクロコンピュータ35からの指示によって給送
モータドライバ37を介して駆動され、正逆の両方向に
回転する。
【0031】駆動伝達機構38は、駆動軸28に給送モ
ータ30の回転を伝達する駆動軸側と、給送モータ30
の回転を巻取りスプール36に伝達する巻取りスプール
側との2つの状態に切り替えられる。駆動伝達機構38
は、駆動軸側の状態では、給送モータ30の回転をギヤ
39から取り出し、下面に駆動軸28が一体に形成され
たギヤ40に伝達する。これにより、給送モータ30が
正回転した場合には、スプール4がフイルム送り出し方
向に回転され、逆回転した場合には、スプール4がフイ
ルム巻戻し方向に回転される。
【0032】フイルムカートリッジの装填後では、最初
にバーコードを読み取るために、スプール4をフイルム
巻戻し方向に回転させる。この後に、初期送りをするた
めに、給送モータ30を正回転して、スプール4をフイ
ルム送り出し方向に回転する。また、フイルム巻戻しを
行う時には、駆動伝達機構38を駆動軸側の状態で、給
送モータ30を逆回転して、スプール4をフイルム巻戻
し方向に回転させる。
【0033】初期送りでフイルムが巻取りスプール36
に達した際には、駆動伝達機構38は、巻取りスプール
側に切り替えられる。このときには、給送モータ30
は、正回転され、この回転がギヤ39,駆動伝達機構3
8,ギア41を介して巻取りスプール36に伝達され
る。これにより、巻取りスプール36が回転して、フイ
ルムが巻取りスプール36の外周に巻き取られる。
【0034】写真フイルム3が装填されている場合に
は、1個の撮影コマ14に対して露光が完了する毎に露
光完了信号がマイクロコンピュータ35に入力される。
マイクロコンピュータ35は、露光完了信号が入力され
ると、写真フイルム3の1コマ巻上げを行う。この1コ
マ巻上げでは、給送モータ30が正回転されて、写真フ
イルム3の露光された部分が巻取りスプール36に巻き
取られ、これと同時に未露光の写真フイルム3の部分が
カートリッジ本体5から引き出され、次の撮影コマ14
がアパーチャ42の背後にセットされる。
【0035】写真フイルム3の1コマ巻上げの制御のた
めに、写真フイルム3の各パーフォレーション14a,
14b,14cを検出するための反射型のフォトセンサ
(以下、パーフォレーションセンサと称する)43がフ
イルム通路に配置されている。パーフォレーションセン
サ43は、フイルムの側部に赤外光を照射する。そし
て、パーフォレーションがパーフォレーションセンサ4
3を通過する瞬間に、PF信号発生回路44からPF信
号が発生する。このPF信号はマイクロコンピュータ3
5に送られる。
【0036】マイクロコンピュータ35は、PF信号に
基づいて、写真フイルム3の搬送位置を検知し、撮影コ
マ14がアパーチャ42の背後にセットされたときに、
給送モータ30を瞬間的に停止させる。図示した実施例
では、先端パーフォレーション14aを検知した時点
で、フイルム巻上げを停止することによって、アパーチ
ャ42の背後に撮影コマ14がセットされる。また、こ
のPF信号は、クリーニングフイルム22の搬送位置を
検知するためにも用いられる。
【0037】なお、各パーフォレーション14a,14
b,14cは、その間隔が規格化されているから、PF
信号の入力間隔(時間)を測定することによって、先端
パーフォレーション3aを検出したか否を判別すること
ができる。また、PF信号の個数をカウントし、その個
数が2個になったときにフイルム巻上げを停止してもよ
い。さらに、現在市販されている135タイプのよう
に、1コマ当たり8個のパーフォレーションが配列され
ているものでは、PF信号の個数が8個になったとき
に、フイルム巻上げを停止すればよい。
【0038】マイクロコンピュータ35は、クリーニン
グフイルム22が装填されている場合には、シャッタ装
置を作動させずに最終の仮想コマがアパーチャ42の背
後を通過するまで連続的にフイルム巻上げを行い、この
後に、クリーニングフイルム22のフイルム巻戻しを行
う。
【0039】コマ数カウンタ45は、マイクロコンピュ
ータ35によってカウント値Cのリセット、インクリメ
ント、デクリメントが行われる。コマ数カウンタ45
は、底蓋閉じ信号がマイクロコンピュータ35に入力さ
れると、カウント値Cが「0」にリセットされ、フイル
ム巻上げ時では、後端パーフォレーション14b,23
bによるPF信号が入力される毎に、そのカウント値C
は「1」ずつインクリメントされる。なお、フイルム巻
戻し時には、先端パーフォレーション14a,23aに
よるPF信号で、カント値Cが「1」ずつデクリメント
される。
【0040】カメラのアパーチャ42の枠外で、例えば
フイルム圧板(図示せず)に、磁気ヘッド46が写真フ
イルム3の背面すなわち磁気記録層3cに接触するよう
に取り付けられている。この磁気ヘッド46は、磁気ヘ
ッドドライバ47で駆動され、フイルム巻上げで移動中
の写真フイルム3の磁気記録層3cにシャッタ速度,絞
り値等の露出制御データを2進コードで磁気記録する。
【0041】マイクロコンピュータ35には、各種の露
出制御データを2進コードとして格納したデータROM
48が接続されており、露光完了時に、このデータRO
M48から撮影時の露光制御データに対応した2進コー
ドが取り出されて、磁気ヘッドドライバ47に送られ
る。そして、磁気ヘッドドライバ47は、この2進コー
ドに基づいて磁気ヘッド46を駆動する。
【0042】給送モータ30の出力軸には、ロータリエ
ンコーダ49が連結され、このロータリエンコーダ49
にはエンコード信号発生回路50が接続されている。ロ
ータリエンコーダ49は、磁気ヘッド46で磁気記録さ
れる2進コードの各ビット長を一定にするために、写真
フイルム3の給送速度を検出するためのものであり、給
送モータ30が一定角度回転する毎に、エンコード信号
発生回路50から写真フイルム3の給送速度に応じた周
期のエンコード信号が出力される。このエンコード信号
はマイクロコンピュータ35に送られ、マイクロコンピ
ュータ35は、このエンコード信号に基づき、磁気ヘッ
ドドライバ47にタイミング信号を送り、磁気ヘッド4
6の駆動タイミングを制御する。
【0043】バーコードセンサ32は、バーコード板1
0からの反射光の強度に応じた信号レベルの光電信号を
マイクロコンピュータ35に送る。マイクロコンピュー
タ35には、所定の第1及び第2基準レベルとが設定さ
れている。マイクロコンピュータ35は、光電信号の信
号レベルと第1及び第2基準レベルとを比較して、バー
コードセンサ32が黒バー16,白バー17,ブラック
クワイエットゾーン18を検出しているのかを判断す
る。
【0044】例えば、第1基準レベルは、黒バー16と
白バー17とを検出した時の各光電信号の信号レベルの
例えば中間値であり、この第1基準レベルよりも光電信
号の信号レベルが高ければ白バー17と判断する。ま
た、第2基準レベルは黒バー16とブラッククワイエッ
トゾーン18とを検出した時の各光電信号の信号レベル
の中間値であり、この基準レベルよりも光電信号の信号
レベルが低ければブラッククワイエットゾーン18と判
断する。そして、第1基準レベルよりも低く、かつ第2
基準レベルよりも高い時には黒バー16と判断する。
【0045】マイクロコンピュータ35は、各バー1
6,17を検出した時の光電信号の幅を測定し、各バー
16,17の論理値を判断する。そして、論理値の配列
からバーコード板10に記されたフイルムの種類、フイ
ルム感度、撮影可能コマ数等を解読する。解読されたフ
イルムの種類,フイルム感度は、露光制御用に用いられ
る。また、撮影可能コマ数は、フイルム巻上げ時にコマ
数コウンタ45のカウント値Cと比較され、この比較結
果から全フイルムが巻上げられたか否かが判断される。
【0046】マイクロコンピュータ35には、バーコー
ドの解読結果を記憶したり、各種の制御に必要なデータ
を一時的に記憶したりするためのRAM51と、制御手
順が書き込まれたプログラムROM52が接続されてい
る。また、マイクロコンピュータ35には、撮影者(ユ
ーザ)に各種の情報の知らせるためのLCD53が接続
されている。
【0047】次に、上記のように構成されたカメラの作
用について図9を参照しながら説明する。まず、写真フ
イルム3を用いて撮影を行う場合について簡単に説明す
る。写真用フイルムカートリッジ2をカートリッジ装填
室26に装填して、底蓋27を閉じると、底蓋閉じ信号
がマイクロコンピュータ35に入力される。この底蓋閉
じ信号を受けると、マイクロコンピュータ35は、バー
コードセンサ32とパーフォレーションセンサ47とを
ONにするとともに、コマ数カウンタ45のカウント値
Cをリセトッして「0」にする。
【0048】次に、マイクロコンピュータ35は、バー
コード読取り処理を開始して、バーコードの読み取りと
解読とを行う。まず、マイクロコンピュータ35は、係
合軸29で蓋部材を回動し、カートリッジ本体5のフイ
ルム通路を開いた状態にする。次に、マイクロコンピュ
ータ35は、駆動伝達機構38を駆動軸側に切り替えて
から、バーコードを読み取るために、給送モータ30を
逆回転させる。これにより、カートリッジ本体5のスプ
ール4がフイルム巻戻し方向に回転され、バーコード板
10がスプール4と一緒に回転する。このバーコード板
10が回転している期間中に、バーコードセンサ32か
らバーコードのデータ部の各バー16,17及びブラッ
ククワイエットゾーン18の反射率に応じた信号レベル
の光電信号がマイクロコンピュータ35に送られる。な
お、このときには、スプール4がフイルム巻戻し方向に
回転するため、写真フイルム3がカートリッジ本体5か
ら送り出されない。
【0049】マイクロコンピュータ35は、光電信号を
第1及び第2基準レベルと比較し、、データ部の黒バー
16,白バー17の信号幅を測定して、論理値を判断す
る。そして、各バー16,17から得られた論理値とそ
の配列から、バーコードに表されたフイルムの種類,フ
イルム感度,撮影可能コマ数を解読してRAM51に記
憶するとともに、露出制御用にこれらのデータをセット
する。バーコードの解読が完了すると、マイクロコンピ
ュータ35は、給送モータ30の逆回転を停止する。
【0050】次に、マイクロコンピュータ35は、解読
されたフイルムの種類から、装填されたフイルムが写真
用であるかクリーニング用であるかを判別する。ここで
は、写真用フイルムカートリッジ2が装填されているか
ら、フイルムの種類を表したデータから、フイルムが例
えばネガタイプであり写真用であると判別され、マイク
ロコンピュータ35は、この判別結果から写真フイルム
3を用いた時の撮影処理の手順を実行する。
【0051】マイクロコンピュータ35は、巻上げ処理
を開始する。最初に初期送りのために、駆動伝達機構3
8を駆動軸側にしたままで、給送モータ30を正回転す
る。これにより、スプール4は、フイルム送り出し方向
に回転される。このスプール4の回転により、写真フイ
ルム3の先端がフイルム送出口8からカートリッジ本体
5の外部に送り出され、カメラのフイルム通路31から
アパーチャ42の背後を通って巻取りスプール36に送
られる。写真フイルム3の先端が巻取りスプール36に
達すると、いったん給送モータ30が停止されて、駆動
伝達機構38が巻取りスプール側に切り替えられる。こ
の後に、再び給送モータ30を正回転し、巻取りスプー
ル36を回転して写真フイルム3の先端を巻取りスプー
ル36に巻き付ける。
【0052】なお、写真フイルム3の先端が巻取りスプ
ール36に達したことを判断するには、例えば、最初に
パーフォレーションセンサ43が、補助パーフォレーシ
ョン14cを検出した時点からの時間をタイマ等で計時
して、所定の時間経過たときに写真フイルム3の先端が
巻取りスプール36に達したと判断すればよい。
【0053】マイクロコンピュータ35は、パーフォレ
ーションセンサ43が第1番目の撮影コマ14の先端パ
ーフォレーション14aを検出してPF信号が発生した
時点で、瞬間的に給送モータ30の回転を停止し、第1
番目の撮影コマ14をアパーチャ42の背後にセットす
る。この後に、撮影者は、シャッタボタンを操作して撮
影を行う。この操作で、シャッタが作動して第1番目の
撮影コマ14に露光が行われる。シャッタが作動が完了
すると、露光完了信号がマイクロコンピュータ35に入
力され、マイクロコンピュータ35は、この撮影時の露
光制御データに応じた2進コードをデータROM48か
ら取り出して、磁気ヘッドドライバ47に送る。次に、
マイクロコンピュータ35は、給送モータ30を正回転
して、写真フイルム3の1コマ巻き上げを行う。これに
より、撮影済の第1番目の撮影コマ14が巻取りスプー
ル36に巻取られ、未露光の2番目の撮影コマ14がカ
ートリッジ本体5から引き出される。
【0054】一方、この1コマ巻上げの期間中に、磁気
ヘッドドライバ47は、予めセットされた2進コードに
応じて磁気ヘッド46を駆動する。これにより、第1番
目の撮影コマ14の下側の磁気記録層3cの部分、すな
わち図8に示す記録トラック60には、露光制御データ
が2進コードで磁気記録される。
【0055】この1 コマ巻上げの開始後に発生するPF
信号、すなわちパーフォレーションセンサ43を第1番
目の撮影コマ14の後端パーフォレーション14bが通
過した時に発生したPF信号で、マイクロコンピュータ
35は、コマ数カウンタ45のカウント値Cをインクリ
メントして「1」にする。この後に、第2番目の撮影コ
マ14の先端パーフォレーション14aによるPF信号
が発生した時に、給送モータ30を停止して、第2番目
の撮影コマをアパーチャ42の背後にセットする。以
下、同様にして、第2番目以降の撮影コマ14の露光,
1コマ巻上げ、磁気記録を行う。
【0056】最終の撮影コマ14の露光終了後に、1コ
マ巻上げ行い、最終の撮影コマ14の磁気記録を行う。
この1コマ巻上げで、最終の撮影コマ14の後端パーフ
ォレーション14bによるPF信号が発生すると、コマ
数カウンタ45のカウント値CがRAM51に記憶され
ている撮影可能コマ数と同じになる。これにより、マイ
クロコンピュータ35は、給送モータ30を停止して駆
動伝達機構38を駆動軸側に切り替えてから、給送モー
タ30を逆回転する。スプール4がフイルム巻戻し方向
に連続的に回転されて、写真フイルム3はスプール4に
巻戻されてカートリッジ本体5に収納される。なお、こ
のフイルム巻戻しでは、先端パーフォレーション14a
によるPF信号の入力毎に、コマ数カウンタ48をカウ
ント値Cを「1」ずつデクリメントする。マイクロコン
ピュータ35は、カウント値Cが「0」になった時点か
ら、所定の時間が経過した時に写真フイルム3が完全に
カートリッジ本体5に収納されたと判断する。
【0057】カートリッジ本体5に写真フイルム3が完
全に収納されると、マイクロコンピュータ35は、給送
モータ30を停止する。この後に、係合軸29を回動し
て蓋部材でカートリッジ本体5のフイルム通路を閉じ、
LCD53にフイルム巻戻しが完了したことを表示し
て、撮影処理の手順を終了する。そして、バーコードセ
ンサ32,パーフォレーション43をOFFとする。ユ
ーザは、底蓋27を開いて、カートリッジ本体5をカー
トリッジ装填室26から取り出し、現像所、写真店等に
現像及びプリントを依頼する。そして、プリント処理に
際して、各撮影コマ14毎に磁気記録されたデータが利
用される。
【0058】ところで、上記のようにして写真フイルム
3の撮影を行い磁気記録を行っていくと、磁気ヘッド4
6を写真フイルム3の磁気記録層3cに接触させながら
フイルム巻上げ(1コマ巻上げ)とフイルム巻戻しを行
うため、写真フイルム3に付着していた油やゴミ、磁気
ヘッド47が磁気記録層3cを削った磁性体等が磁気ヘ
ッド46に付着する。このゴミの付着量は、1本の写真
フイルム3では僅かであるが、撮影した本数が多くなる
とその量が多くなる。付着量が増加すると、磁気ヘッド
46と磁気記録層3cとの間に間隔が生じたり、磁気ヘ
ッド40の表面に磁気記録層3cが均一に接触しなくな
ったりする。このような状態で磁気記録層3cに磁気記
録すると磁化強度が弱くなる。磁化強度が弱くなると、
再生信号の信号レベルが低くなったり、S/N比が低下
したりして、プリント工程等で正しく露光制御データを
復元できず、誤った色補正や露光量の補正が行われ、良
好なプリント写真が作成されなくなる。
【0059】このような不具合を防止するために、カメ
ラのユーザは、撮影した写真フイルム3が所定の本数に
達する毎に、クリーニング用フイルムカートリッジ20
をカメラに装填して、磁気ヘッド46のクリーニングを
行う。磁気ヘッド46のクリーニングを行う場合には、
写真用フイルムカートリッジ2と同様に、カートリッジ
装填室26にクリーニング用フイルムカートリッジ20
を装填し、底蓋27を閉じる。
【0060】底蓋27を閉じて、底蓋閉じ信号が発生す
ると、上述した写真フイルム3を装填した時と同じ手順
で、バーコード板10が回転され、バーコードの各バー
の論理値が読み取られ、バーコードで表されたフイルム
の種類が解読される。また、クリーニングフイルム20
の長さを仮想的に表した撮影可能コマ数が解読される。
【0061】クリーニング用フイルムカートリッジ20
のバーコードには、フイルムの種類としてクリーニング
用のフイルムを示すデータが記されているから、マイク
ロコンピュータ35は、このデータからクリーニングフ
イルム22が装填されたことを判別して、図1に示すク
リーニング処理の手順を開始する。また、撮影可能コマ
数に表された仮想コマの個数、例えば「40」は、RA
M51に書き込まれて、クリーニングフイルム22のフ
イルム終端を検知するために用いられる。
【0062】マイクロコンピュータ35は、バーコード
の解読が終了すると、給送モータ30を停止してから、
フイルム巻上げを行う。まず、給送モータ30を正回転
し、初期送りをし、クリーニングフイルム22を巻取り
スプール36に送る。巻取りスプール36にクリーニン
グフイルム22が達すると、いったん給送モータ30が
停止され、駆動伝達機構38が巻取りスプール側に切り
替えられる。この後に、再び給送モータ30を正回転し
て巻取りスプール36を回転する。クリーニングフイル
ム22は、その先端が巻取りスプール36の外周に巻き
付けられる。そして、この後にも、給送モータ30の回
転は継続され、クリーニングフイルム22のフイルム巻
上げが連続的に行われる。
【0063】一方、この連続的なフイルム巻上げの間
に、パーフォレーションセンサ43は、写真フイルム3
の側部に赤外光を照射している。このクリーニングフイ
ルム22の巻上げでは、各仮想コマの先端パーフォレー
ション23aによるPF信号が発生しても、給送モータ
30の回転は継続され、後端パーフォレーション23b
によるPF信号が発生する毎に、コマ数カウンタ45の
カウント値Cが「1」ずつインクリメントされる。ま
た、このクリーニングフイルム22の巻き上げでは、シ
ャッタ装置を作動させることなく、クリーニングフイル
ム22の巻き上げが連続的に行われる。したがって、ユ
ーザはレリーズ操作を行う必要がない。
【0064】このようにして、連続的にフイルム巻上げ
が行われ、磁気ヘッド46に研磨剤層22bを接触しな
がらクリーニングフイルム22が巻上げられる。そし
て、マイクロコンピュータ35は、コマ数カンウタ45
のカウント値CとRAMに記憶されている撮影可能コマ
数とが一致すると、すなわち最終仮想コマ(第40仮想
コマ)がアパーチャ42の背後を通過した時点で給送モ
ータ30を停止する。
【0065】この後に、マイクロコンピュータ35は、
駆動伝達機構38を駆動軸側に切り替えてから、給送モ
ータ30を逆回転させる。これにより、スプール4がフ
イルム巻戻し方向に回転され、巻取りスプール36に巻
き取られたクリーニングフイルム22がアパーチャ42
の背後を通り、磁気ヘッド46に研磨剤層22bを接触
しながら、スプール4に巻戻される。
【0066】このように、クリーニングフイルム22
は、巻き上げと巻戻しが行われている間に、研磨剤層2
2bを磁気ヘッド46の表面に摺接するから、磁気ヘッ
ド46に付着したゴミや汚れが取り除かれる。これによ
り、磁気ヘッド46は、以降の撮影において、写真フイ
ルム3の磁気記録層3cと正しく接触するようになるた
め、2進コードが正しく磁気記録され、所定の再生出力
レベルが得られるようになる。
【0067】カートリッジ本体5にクリーニングフイル
ム22が完全に収納されると、マイクロコンピュータ3
5は、給送モータ30の回転を停止する。この後に、係
合軸29を回動して蓋部材でカートリッジ本体5のフイ
ルム通路を閉じる。そして、LCD53に磁気ヘッド4
6のクリーニングが完了したことを表示する。ユーザ
は、底蓋27を開いて、カートリッジ本体5をカートリ
ッジ装填室26から取り出す。
【0068】以上のように、クリーニングフイルム22
が収納されたカートリッジ本体5をカメラに装填するだ
けで、磁気ヘッド46のクリーニングが行われるので、
ユーザの操作が簡単になる。また、操作が簡単になるこ
とによって、磁気ヘッドのクリーニングは、複雑で面倒
といったユーザの意識がなくなり、磁気ヘッドのクリー
ニングがクリーニングを必要とする時期に行われるよう
になる。さらに、この磁気ヘッド46のクリーニングで
は、シャッタ装置の動作が行われないので、カメラに内
蔵した電池の消費電力を少なくするとができるととも
に、磁気ヘッド46のクリーニングに要する時間を最小
限に抑えることができる。
【0069】上記のクリーニング処理は、連続的にクリ
ーニングフイルム22のフイルム巻上げ、フイルム巻戻
しを行うものであるが、写真フイルム3と同様に1コマ
毎に間欠的に巻き上げをおこなってもよい。図10に
は、1コマ毎に間欠的にクリーニングフイルム22の巻
き上げを行うクリーニング処理の制御手順を示す。
【0070】この制御手順では、クリーニングフイルム
22の巻上げ時に、先端パーフォレーション23aがパ
ーフォレーションセンサ43を通過して、これによるP
F信号が発生すると、マイクロコンピュータ35は、給
送モータ30の回転を停止して、クリーニングフイルム
22の巻上げを停止する。これと同時に、マイクロコン
ピュータ35は、内蔵したタイマのタイマ値Twを
「0」にリセットしてから、このタイマをスタートさ
せ、給送モータ30を停止してからの時間を計時する。
そして、タイマのタイマ値Twが設定された時間Taに
なると、再び給送モータ30を正回転して、クリーニン
グフイルム22の巻上げを行う。
【0071】この後に、マイクロコンピュータ35は、
後端パーフォレーション23bによるPF信号が発生す
ると、コマ数カウンタ45のカウント値Cを「1」イン
クリメントする。このようにして、仮想コマ毎の巻上げ
を間欠的に繰り返し行う。そして、仮想的な撮影コマが
アパーチャ42を通過すると、給送モータ30が停止さ
れ、駆動伝達機構38が駆動軸側に切り替えられ、この
後に、給送モータ30が連続的に正回転されて、クリー
ニングフイルム22が連続的に巻戻される。このように
しても、磁気ヘッド46のクリーニングを行うことがで
きる。
【0072】なお、クリーニングフイルム22のフイル
ム巻上げ及びフイルム巻戻しの制御としては、例えば、
上述のものを含めて以下のようにしてもよい。 連続的にフイルム巻上げを行い、最終の仮想コマが
アパーチャを通過した時点で、連続的にフイルム巻戻し
を行う(図1の手順)。 仮想コマ毎に1コマ巻上げを停止して間欠的にフイ
ルム巻上げを行い、最終の仮想コマがアパーチャを通過
した時点で、連続的にフイルム巻戻しを行う(図10の
手順)。 部分的に連続的なフイルム巻上げを行い、残りの部
分では仮想コマ毎に間欠的なフイルム巻上げを行い、最
終の仮想コマがアパーチャを通過した時点で、連続的に
フイルム巻戻しを行う。 フイルム巻上げ時には、〜のいすれかのフイル
ム巻上げを行い、フイルム巻戻し時には、仮想コマ毎に
フイルム巻戻しを停止して、間欠的にフイルム巻戻しを
行う。 クリーニングフイルムを所定長巻上げた後に巻戻
す、といった動作を複数回繰り返し行う。 等がある。
【0073】そして、例えば、磁気ヘッド46が研磨剤
層22bとの摩擦熱によって高温になると悪影響が生じ
る場合には、間欠的に巻上げ及び巻戻しを行い、磁気ヘ
ッド43を冷却しながら、磁気ヘッド46のクリーニン
グを行うといったように、磁気ヘッド46のクリーニン
グでは、これらの制御中で、最良な制御を自動的に行う
ようにしておくのが好ましい。
【0074】次に、カメラに磁気ヘッドに対する自己診
断機能を付加した実施例について説明する。図11に磁
気ヘッドに対する自己診断機能を付加したカメラの概略
を示す。なお、上記実施例と同じものには、同符号を付
して説明する。
【0075】磁気ヘッド70は、磁気記録及び再生兼用
のものであり、2進コードを磁気記録層3cに記録する
際には、磁気ヘッドドライバ47で駆動される。また、
2進コードを読み取る際には、給送中の写真フイルム3
の磁気記録層3cに記録された2進コードが磁気ヘッド
70で読み取られ、磁気ヘッドアンプ71から再生信号
がマイクロコンピュータ35に送られる。
【0076】この磁気ヘッド70の再生機能は、例え
ば、写真フイルム3をカメラに装填し、未露光の撮影コ
マ14をアパーチャ42の背後にセットする際に用いら
れるものである。上述した写真用フイルムカートリッジ
2では、全ての撮影コマ14を撮影しきらない状態で、
写真フイル3をカートリッジ本体5に巻戻して、カメラ
から取り出し、他の写真フイルムで撮影してから、再び
この写真用フイルムカートリッジ2を用いて撮影を続行
するといった使い方が試みられている。このような場合
に、撮影済の撮影コマ14の記録トラック60には、露
光制御データが2進コードで書き込まれている。このた
め、未露光の撮影コマ14をアパーチャ42の背後にセ
ットする時には、磁気記録ヘッド70で各撮影コマ14
の記録トラック60を読み取り、2進コードの書き込み
の有無を調べ、磁気トラック60に2進コードの書き込
みがない未露光の撮影コマ14をアパーチャ42の背後
にセットするようにしたものである。
【0077】マイクロコンピュータ35には、EEPR
OM(電気的書換え可能なROM)72が接続されてい
る。このカメラは、例えば製造または出荷時に、通常の
使用条件のもとで、磁気ヘッド70で写真フイルム3に
磁気記録と再生を行がおこなわれる。そして、このとき
の磁気ヘッドアンプ71からの再生信号の信号レベルが
参照信号レベルとして、マイクロコンピュータ35を介
してEEPROM72に書き込まれる。この参照信号レ
ベルは、磁気ヘッド70が最良の状態の場合に、磁気記
録と再生とを行ったときの再生信号の信号レベルであ
り、後述する磁気ヘッド70の自己診断時の比較基準の
信号レベルとして用いられる。
【0078】磁気ヘッド70は、カメラの個体毎に磁気
記録と再生の性能にバラツキがある。このため、ある一
定値を参照信号レベルとして設定するとができない。し
かしながら、このように、製造または出荷時に、通常の
使用条件のもとで、カメラの個体毎の磁気ヘッド70で
写真フイルム3に磁気記録と再生を行って得られた信号
レベルをEEPROM72に書き込むようにしておくこ
とで、簡単に各カメラに搭載された磁気ヘッド70に応
じた参照信号レベルを設定することができる。
【0079】上記カメラに用いられるクリーニング用フ
イルムカートリッジを図12に示す。クリーニング用フ
イルムカートリッジ80は、カートリッジ本体5にクリ
ーニングフイルム81を収納したものである。このクリ
ーニングフイルム81は、その先端側には、例えば10
個分の撮影コマ(以下、先端側から第1テストコマ,第
2テストコマ・・・第10テストコマと称する)に相当
する長さがテストエリア82になっており、残り部分が
例えば30個分の撮影コマ(以下、先端側から第11仮
想コマ,第12仮想コマ・・・最終仮想コマ(第40仮
想コマ)と称する)に相当する長さのクリーニングエリ
ア83になっている。また、このクリーニングフイルム
81には、先端パーフォレーション81a,後端パーフ
ォレーション81bとが各コマ毎に設けられるととも
に、補助パーフォレーション81cが設けられている。
【0080】テストエリア82には、写真フイルム3と
同様にフイルムベースの背面に磁気記録層82aが形成
されており、磁気ヘッド71による磁気記録が可能にさ
れている。また、クリーニングエリア83は、磁気記録
層82aと同じ面側に研磨剤層83aが形成され、磁気
ヘッドのクリーニング機能を有している。
【0081】また、クリーニングフイルム81を収納し
たカートリッジ本体5のバーコード板10には、フイル
ムの種類の領域にテストエリアを有したクリーニングフ
イルムを表すデータと、撮影可能コマ数の領域にテスト
エリア82のテストコマの個数及びクリーニングエリア
83の仮想コマの個数とを表すデータを持ったバーコー
ドが記されている。
【0082】以下に、上記カメラの作用を図13を参照
しながら説明する。クリーニングフイルム81を収納し
たカートリッジ本体5を、カートリッジ室26に装填す
ると、上記実施例同様にして、バーコードが読み取られ
る。そして、テストエリアを有したクリーニングフイル
ム81が装填されたことが判別される。また、テストエ
リア82とクリーニングエリア83のコマ数がそれぞれ
RAM51に書き込まれる。
【0083】クリーニングフイルム81は、初期送りさ
れて、巻取りスプール36に巻き付けられた後に、巻取
りスプール36の回転によって、フイルム巻上げがされ
る。このフイルム巻上げでは、後端パーフォレーション
81bによるPF信号が発生する毎に、コマ数カウンタ
のカウント値Cを「1」ずつインクリメントしながら、
コマ数カウンタ45のカウント値Cが「40」になるま
で、すなわちアパーチャ42の背後を最終(第40)仮
想コマが通過するまで行われる。
【0084】コマ数カウンタ45のカウント値Cが「4
0」になると、マイクロコンピュータ35は、給送モー
タ30の回転を停止し、駆動伝達機構38を駆動軸側に
切り替える。また、データROM35に予め書き込まれ
ているテスト用データの2進コードを磁気ヘッドドライ
バ47に送る。
【0085】次に、給送モータ30を逆回転して、スプ
ール4を巻戻し方向に回転し、クリーニングフイルム8
1のフイルム巻戻しを行う。マイクロコンピュータ35
は、先端パーフォレーション81aによるPF信号が発
生する毎に、コマ数カウンタのカウント値Cを「1」ず
つ減らしていく。なお、クリーニングエリアの巻上げ及
び巻戻しは、連続的でなくてもよく、上記に示した〜
の制御を用いてもよい。
【0086】そして、マイクロコンピュータ35は、テ
ストエリア82の第10テストコマ(クリーニングフイ
ルム81を初めて使用する場合:=第Kテストコマ)の
後端パーフォレーション81bが検出されると、エンコ
ード信号発生回路50からのエンコード信号に基づいた
周期でタイミング信号を磁気ヘッドドライバ47に送
り、磁気ヘッド46を駆動する。これにより、巻戻し中
の第10テストコマの磁気記録層82aには、テスト用
データの2進コードが磁気記録される。この磁気記録
は、次のPF信号が発生するまで、すなわち第10テス
トコマだけに行われる。
【0087】第10テストコマの先端パーフォレーショ
ン81aによるPF信号が発生した瞬間に、給送モータ
30の回転が停止されて、クリーニングフイルム81の
フイルム巻戻しが停止される。次に、マイクロコンピュ
ータ35は、磁気ヘッドアンプ72をONとして、磁気
ヘッド71による2進コードの読み取りが可能な状態と
する。この後に、駆動伝達機構38を巻取りスプール側
に切り替えてから、給送モータ30を正回転し、1コマ
巻上げを行う。クリーニングフイルム81は、巻取りス
プール36の回転で、1コマ分巻上げられる。
【0088】これにより、先の巻戻し中に第10テスト
コマに磁気記録されたテスト用の2進コードが磁気ヘッ
ド70で読み取られる。磁気ヘッドアンプ73からは、
磁気ヘッド70が読み取ったテスト用データの2進コー
ドの記録状態に応じた再生信号が出力され、これがマイ
クロコンピュータ35に送られる。
【0089】ここで、磁気ヘッド70は、クリーニング
フイルム81のクリーニングエリア83の巻上げ及び巻
戻しによって、既にゴミや汚れが取り除かれているはず
である。したがって、参照信号レベルに近い再生信号の
信号レベルが得られることになるが、磁気ヘッド70の
クリーニングが不十分である場合には、再生信号の信号
レベルは、参照信号レベルよりも低くなる。そこで、マ
イクロコンピュータ35は、この第10テストコマから
得られた再生信号の信号レベルと、EEPROM72に
記憶された参照信号レベルとを比較して、磁気ヘッド7
0の状態を判断する。
【0090】この比較では、例えば、磁気ヘッド70の
経年劣化を考慮して、再生信号レベルの信号レベルが参
照信号レベルが90%以上得られたときには、磁気ヘッ
ド70が良好な状態になっているとし、90%未満の時
には、磁気ヘッド70のクリーニングが不完全であると
判断する。なお、再生信号の信号レベルの許容範囲は、
上記値に限られない。
【0091】磁気ヘッド70が良好な状態になっている
と判断された時には、マイクロコンピュータ35は、再
びフイルム巻戻しを行って、クリーニングフイルム80
をカートリッジ本体5に収納し、磁気ヘッド70のクリ
ーニングを終了する。
【0092】一方、磁気ヘッド70のクリーニングが不
十分である場合には、連続的なフイルム巻上げを開始
し、最終仮想コマまでフイルム巻き上げを行った後にフ
イルム巻戻しを行い、クリーニングエリア83で磁気ヘ
ッド70のゴミや汚れを除去する。マイクロコンピュー
タ35は、PF信号に基づいてクリーニングフイルム8
1の搬送位置を監視する。そして、このフイルム巻戻し
においては、既に磁気記録が行われた第10テストコマ
の前の第9テストコマの後端パーフォレーション81b
を検出した時点で、磁気ヘッド70を駆動して、第9コ
マの磁気記録層82cにテスト用データの2進コードを
磁気記録し、第9テストコマの先端パーフォレーション
80aを検出した時点で、磁気記録とフイルム巻戻しを
停止する。次に、マイクロコンピュータ35は、1コマ
巻上げ行い、第9テストコマに磁気記録層82cされた
2進コードを読み取る。上記同様にして、この時に得ら
れる再生信号の信号レベルを参照信号レベルと比較し
て、磁気ヘッド70が良好であるか否かを判断する。
【0093】磁気ヘッド70が良好である場合には、ク
リーニングフイルム81をカートリッジ本体5に収納
し、磁気ヘッド70のクリーニングを終了し、LCD5
3にクリーニングが終了したことを表示する。このよう
に、1回のクリーニングで磁気ヘッド70のクリーニン
グが不十分であっても、もう1回クリーニングが行われ
るので、磁気ヘッド70が不良状態のままになることが
ない。また、この2(=N)回目のクリーニングによっ
ても、再生信号の信号レベルが参照信号レベルの90%
に達しない場合には、磁気ヘッド70になんらかの不具
合が発生していと判断し、クリーニングフイルム81を
磁気ヘッド70の修理,調整が必要であることをLCD
53に表示して警告し、クリーニングフイルム81をカ
ートリッジ本体5に収納して終了する。このようにし
て、磁気ヘッド70の状態がカメラによって自己診断さ
れ、磁気ヘッドの故障を早期に発見することができる。
【0094】なお、次にこのクリーニングフイルム81
をカメラに装填すると、装填直後のフイルム巻上げで磁
気ヘッド70を用いて、各コマの磁気記録の有無が調べ
られる。そして、磁気記録がされていないテストエリア
82のテストコマを用いて、自己診断が行われる。上記
実施例では、磁気ヘッド70になんらかの不具合が発生
していると判断するまでのクリーニングシーケンスの回
数を2回としているが、3回以上であってもよい。ま
た、上記実施例では、テストエリアとクリーニングエリ
アとを設けた1本のクリーニングフイルムを用いている
が、クリーニング用およびテスト用に別々のフイルムを
用いて、自己診断を行うようにしてもよい。さらに、L
CD53に代えてLED等を点灯して磁気ヘッド70の
修理,調整が必要であることを表示してもよい。
【0095】また、上記の自己再生可能なカメラでは、
次のように制御するとにより、クリーニング時期をユー
ザに知らせることができる。マイクロコンピュータ35
は、写真フイルム3の撮影後のフイルム巻戻し中に、磁
気ヘッド70で各撮影コマ14に磁気記録された2進コ
ードを読み取る。そして、この時の再生信号レベルを参
照信号と比較し、所定の再生信号の信号レベルが得られ
ないときに、磁気ヘッド70のクリーニングが必要であ
ることをLCD53に表示する。このようにすることに
より、ユーザが磁気ヘッド70のクリーニングを時期を
知ることができるようになり、必要な時に磁気ヘッド7
0のクリーニングが行われるようにすることができる。
【0096】上記各実施例では、クリーニングフイルム
を判別するために、クリーニングフイルムに割り当てら
れたデータをバーコードに記しているが、バーコードの
フォーマットにクリーニングフイルムに対してのデータ
が割り当てられていない場合には、以下のようにして、
クリーニングフイルムであることを判別してもい。
【0097】(1) バーコードのフイルム感度がフォ
ーマットにないフイルム感度で書き込まれている場合
に、クリーニングフイルムと判別する。 (2) バーコードのフイルム感度が現実的でないフイ
ルム感度(例えば、ISO9999等)が書き込まれて
いる場合に、クリーニングフイルムと判別する。 (3) バーコードが、ランダムになっている場合に、
クリーニングフイルムと判別する。
【0098】また、バーコード板を備えていないフイル
ムカートリッジでは、カートリッジ本体にクリーニング
フイルムを示す突起や凹部を設け、これをカメラ側のセ
ンサで検出したり、フイルムの先端部に磁気記録層を設
け、ここにクリーニングフイルムのデータを磁気記録し
ておき、これを自己再生可能なカメラの磁気ヘッドで読
み取たっりしてフイルムの種類を判別することも可能で
ある。
【0099】なお、上記各実施例では、撮影を行いなが
ら巻上げを行い、全ての撮影コマの撮影が終了した時点
で巻戻しを行っているが、フイルムカートリッジの装填
後に、いったんフイルムを全て巻取りスプールに巻取
り、この後にフイルムを巻戻しながら撮影を行うプレワ
インド方式のカメラについても、本発明を適用するとこ
ができる。また、バーコードの読み取りは、初期送りで
バーコードが回転している時に行ってもよい。
【0100】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
装填されたフイルムが、クリーニングフイルムと判別さ
れたときには、このクリーニングフイルムを磁気ヘッド
に接触させながら、所定長巻上げてから巻戻すようにし
たから、簡単な操作でカメラの磁気ヘッドをクーリーニ
ングして、良好な状態にすることができる。また、カメ
ラに内蔵した磁気ヘッドが磁気記録されたデータを読み
取った時に得られる再生信号レベルから、磁気ヘッドの
状態を判断するようにしたから、磁気ヘッドのクリーニ
ングを行うべきタイミングがわかる。
【0101】さらに、磁気ヘッドのクリーニング毎に、
磁気ヘッドの状態を判断するようにし、磁気ヘッドのク
リーニングが不完全な場合には、さらに磁気ヘッドのク
リーニングを行われるようにしたから、磁気ヘッドを良
好な状態にすることできる。そして、複数回のクリーニ
ングの後に、磁気ヘッドが良好な状態にならない場合に
は、磁気ヘッドの修理や調整を促すようにしたから、磁
気ヘッドの故障の早期発見が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリーニングフイルムの巻上げと巻戻しを連続
的に行う制御手順のフローチャートである。
【図2】写真用フイルムカートリッジの外観図である。
【図3】磁気記録層が形成された写真フイルムの層構造
を示す説明図である。
【図4】バーコードの一例を示す説明図である。
【図5】クリーニング用フイルムカートリッジの外観図
である。
【図6】クリーニングフイルムの層構造を示す説明図で
ある。
【図7】カメラにフイルムカートリッジを装填する状態
を示した破断図である。
【図8】本発明を実施したカメラを示す概略図である。
【図9】同カメラの全体的な制御手順を示すフローチャ
ートである。
【図10】クリーニングフイルムの巻上げを間欠的に行
う制御手順のフローチャートである。
【図11】自己診断機能を付加したカメラを示す概略図
である。
【図12】同カメラに用いるテストエリアとクリーニン
グエリアを有したクリーニングフイルムを示す説明図で
ある。
【図13】同カメラのクリーニングシーケンスを示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
2 写真用フイルムカートリッジ 3 写真フイルム 10 バーコード板 20 クリーニング用フイルムカートリッジ 22,81 クリーニングフイルム 32 バーコードセンサ 35 マイクロコンピュータ 36 給送モータ 38 駆動伝達機構 43 パーフォレーションセンサ 46,70 磁気ヘッド 53 LCD 72 EEPROM

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光乳剤面の裏面側に磁気記録層が形成
    された写真フイルムを用い、給送モータの回転で写真フ
    イルムの巻上げと巻戻しを行うフイルム給送装置と、写
    真フイルムの給送中に前記磁気記録層と接触してデータ
    を磁気記録する磁気ヘッドとを内蔵したカメラにおい
    て、 装填されたフイルムの種類を判別するフイルム判別手段
    と、このフイルム判別手段によりクリーニングフイルム
    の装填が判別された時には、クリーニングフイルムを前
    記磁気ヘッドに接触させながら、所定長巻上げてから巻
    戻すように前記フイルム給送装置を駆動する制御手段を
    備えたことを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 感光乳剤面の裏面側に磁気記録層が形成
    された写真フイルムを用い、給送モータの回転で写真フ
    イルムの巻上げと巻戻しを行うフイルム給送装置と、写
    真フイルムの給送中に前記磁気記録層と接触してデータ
    を磁気記録するとともに磁気記録層に磁気記録されたデ
    ータの読み取りが可能な磁気ヘッドを備えたカメラにお
    いて、 写真フイルムの給送中に前記磁気ヘッドで磁気記録した
    データを読み取った際に得られる再生信号の信号レベル
    から前記磁気ヘッドが良好な状態にあるか不良な状態に
    あるかを判断する判断手段とを備えたことを特徴とする
    カメラ。
  3. 【請求項3】 前記判断手段によって、前記磁気ヘッド
    が不良状態にあると判断された時に、前記磁気ヘッドの
    クリーニングを促す手段を設けたことを特徴とする請求
    項2記載のカメラ。
  4. 【請求項4】 感光乳剤面の裏面側に磁気記録層が形成
    された写真フイルムを用い、給送モータの回転で写真フ
    イルムの巻上げと巻戻しを行うフイルム給送装置と、写
    真フイルムの給送中の前記磁気記録層と接触してデータ
    を磁気記録するとともに磁気記録されたデータの読み取
    りが可能な磁気ヘッドを備えたカメラにおいて、 前記磁気ヘッドで磁気記録したデータを読み取った際に
    得られる再生信号の信号レベルから前記磁気ヘッドが良
    好な状態にあるか不良な状態にあるかを判断する判断手
    段と、前記磁気ヘッドのクリーニングシーケンスを行う
    制御回路と、前記磁気ヘッドが異常状態であることを警
    告する警告手段とを備え、前記クリーニングシーケンス
    は、クリーニングフイルムを前記磁気ヘッドに接触させ
    ながら、所定長巻上げてから巻戻すように前記フイルム
    給送装置を駆動して前記磁気ヘッドのクーリニングを行
    い、このクーニング後に引き続いて磁気記録層が形成さ
    れたフイルムに対して、前記磁気ヘッドで所定のデータ
    の磁気記録とこの磁気記録されたデータの読み取りとを
    行い、この読み取りで得られた再生信号の信号レベルを
    基にして前記判断手段で前記磁気ヘッドの状態を判断
    し、N(≧1)回目のクリーニングシーケンスで磁気ヘ
    ッドが不良状態と判断された時にはクリーニングシーケ
    ンスを再度行い、(N+1)回目のクリーニングシーケ
    ンスで前記磁気ヘッドが不良状態と判断された時には、
    前記警告手段を駆動して前記磁気ヘッドの修理や調整を
    促すようにしたことを特徴とするカメラ。
  5. 【請求項5】 前記写真フイルムは、写真フイルムの情
    報がバーコードで記され、フイルムを巻き付けたスプー
    ルと一体に回転するバーコード板が設けられたフイルム
    カートリッジに収納されて装填され、前記クリーニング
    フイルムは、クリーニングフイルムを表すバーコードが
    記されたクリーニング用の前記バーコード板が設られた
    フイルムカートリッジに収納されて装填されるようにな
    っており、前記フイルム判別手段は、前記バーコード板
    の回転中にバーコードを読み取るためのバーコードセン
    サと、バーコードの情報を解読する解読部とを備えてい
    ることを特徴とする請求項1,2,4のいずれか1つに
    記載のカメラ。
  6. 【請求項6】 前記判断手段は、良好な状態の前記磁気
    ヘッドで磁気記録層に磁気記録した所定のデータを良好
    な状態の前記磁気ヘッドで読取った際に得られる再生信
    号の信号レベルが、前記磁気ヘッドの状態の判断基準と
    なる参照信号レベルとして書き込まれたEEPROMを
    備え、この参照信号レベルを基にして前記磁気ヘッドの
    状態を判断すること特徴とする請求項2または4に記載
    のカメラ。
JP7785095A 1995-04-03 1995-04-03 カメラ Pending JPH08271965A (ja)

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