JPH0827137A - シクロヘキセンオキサイドの製造方法 - Google Patents

シクロヘキセンオキサイドの製造方法

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JPH0827137A
JPH0827137A JP16650294A JP16650294A JPH0827137A JP H0827137 A JPH0827137 A JP H0827137A JP 16650294 A JP16650294 A JP 16650294A JP 16650294 A JP16650294 A JP 16650294A JP H0827137 A JPH0827137 A JP H0827137A
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chlorine
water
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cyclohexene oxide
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JP16650294A
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Masahisa Yokota
昌久 横田
Yuichi Sakai
裕一 酒井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D303/00Compounds containing three-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D303/02Compounds containing oxirane rings
    • C07D303/04Compounds containing oxirane rings containing only hydrogen and carbon atoms in addition to the ring oxygen atoms

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  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 シクロヘキセンからシクロヘキセンオキサイ
ドを製造する方法で、0.1〜1.0Nのアルカリを含
有した水溶液に塩素を反応させつつ、PHを7以下に調
節して得た塩素水に有効塩素のモル数の1.05倍以上
に相当する量のシクロヘキセンを反応させ、シクロヘキ
センクロルヒドリンを製造する第一工程、アルカリを添
加して反応させる第二工程、第二工程の反応液中の有機
成分を抽出する第三工程、第三工程の抽出液からシクロ
ヘキセンオキサイドを蒸留により分離、回収を行う第四
工程からなる方法で製造する。 【効果】 農薬等の中間体として有用なシクロヘキセン
オキサイドを、高い選択率で工業的に有利に製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農薬の中間体等に有用
なシクロヘキセンオキサイドの製造方法に関する。さら
に詳しくは、シクロヘキセンからシクロヘキセンオキサ
イドを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シクロヘキセンオキサイドの
製造方法に関しても多くの提案がなされており、例えば
シクロヘキセンの自動酸化による方法、シクロヘキセン
と酸化剤と金属ポルフィリン等の触媒とから合成する方
法について、近年数多くの提案がなされている。しかし
ながら前者は、シクロヘキセンオキサイドとともに工業
的に利用価値のない副生物が多く生成するという欠点が
あり、また後者は選択率はよいけれども、用いる触媒が
高価で安定性にかけるという欠点があり、ともに工業的
な見地からは採用し難いものといえる。
【0003】一方、シクロヘキセンからシクロヘキセン
クロルヒドリンを経由してシクロヘキセンオキサイドを
製造する方法は、古くから知られており、Org.Syn.Col.
vol.1,pp.158-159,John Wiley & Sons Inc.,N.Y.(1951)
及びOrg.Syn.Col.vol.1,pp.185-186,John Wiley & Sons
Inc.(1951)に示されている。しかしながら、この方法
では収率が、各工程とも70%程度と低く満足できるも
のではない。その他、シクロヘキセンクロルヒドリンの
製法としては、英国特許761、213号に、シクロヘ
キセンと塩素とからシクロヘキセンクロルヒドリンを製
造する際に界面活性剤を使用し、且つ強撹拌により水と
シクロヘキセンのエマルジョンを形成し、vibrom
ixer、ultrasonicsといった特殊な装置
を用いて塩素、水を添加し反応させる方法が開示されて
いる。この方法は装置が特殊で高価であるという欠点に
加え、使用した界面活性剤が例えば蒸留、抽出といった
後工程での発泡などのトラブルの原因となることが懸念
されるし、最終的に処理が必要となるなどの不便さは免
れない。また、特公昭48−43881号公報には−3
0〜10℃という低温でMEK等のケトンで抽出したH
OCl溶液と水とシクロヘキセンを反応させてシクロヘ
キセンクロルヒドリンを製造する方法が開示されてい
る。しかしながらこの方法は低温の状態を作り出すの
に、膨大なエネルギーが必要であり工業的にはきわめて
不利なばかりか、必ずしもシクロヘキセンクロルヒドリ
ンの収率も満足できるものとはいい難い。このように満
足できるシクロヘキセンからシクロヘキセンクロルヒド
リンを経由してシクロヘキセンオキサイドを製造する方
法は見いだされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の欠点を
克服し、シクロヘキセンオキサイドを工業的に有利に製
造する方法を提供することが本発明の目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはまず、シク
ロヘキセンクロルヒドリンの合成に関して、現在工業的
に実施されているプロピレンや塩化アリルのクロルヒド
リンの製造方法を参考に、撹拌した水にシクロヘキセン
と塩素をほぼ当量ずつ添加する方法を試みたが、ジクロ
ロシクロヘキサン、2,2’−ジクロロシクロヘキシル
エーテル等の副生物が大量に発生した。原因を追求した
ところ、第一にはシクロヘキセンは沸点が83.2℃、
水への溶解度が室温で0.02%程度であり、プロピレ
ン(沸点−47.7℃、水への室温での溶解度0.04
%)やアリルクロライド(沸点45.0℃、水への室温
での溶解度0.33%)に較べて水との共存下で油相を
形成し易く、またプロピレンやアリルクロライドのクロ
ルヒドリンは水に対する溶解度が高い(プロピレンのク
ロルヒドリンは任意に溶解し、アリルクロライドのクロ
ルヒドリンは10wt%)のに対して、シクロヘキセン
のクロルヒドリンは3wt%程度と低いため、クロルヒ
ドリン自身が油相を生じ易い。このような原料、生成物
の物性の違いから、反応中に油相を生じ、この油相に塩
素ガスが吸収され副生物の生成が加速されたものと判明
した。もちろん生成物の100倍といったオーダーの大
量の水を用い、油相を生じない範囲で実施すれば副生物
の生成は最小限に押さえられるが、工業的な見地からは
極めて大きな不利益を生じ好ましい方法とはいいがた
い。
【0006】本発明者らは鋭意研究し、0.1〜1.0
Nのアルカリを含有した水溶液もしくは懸濁水と塩素を
反応させ、PHを7以下に調節した塩素水に、これに含
まれる有効塩素のモル数の1.05倍以上に相当する量
のシクロヘキセンを反応させる事が好適であることを見
いだし、また、本発明者らは、シクロヘキセンクロルヒ
ドリンとアルカリとの反応を基礎的に解析し、鋭意検討
を重ね本発明をなすに至った。すなわち、本発明はシク
ロヘキセンからシクロヘキセンオキサイドを製造する方
法において、(1)0.1〜1.0Nのアルカリを含有
した水溶液もしくは懸濁水に塩素を反応させつつい、P
Hを7以下に調節して得た塩素水に、これに含まれる有
効塩素のモル数の1.05倍以上に相当する量のシクロ
ヘキセンを反応させ、シクロヘキセンクロルヒドリンを
含有する反応液を得る第一工程、(2)第一工程の反応
液にアルカリを添加して反応させ、シクロヘキセンオキ
サイドを含有する反応液を得る第二工程、(3)第二工
程の反応液中の有機成分を抽出する第三工程、(4)第
三工程の抽出液からシクロヘキセンオキサイドを蒸留に
より分離、回収を行う第四工程、からなるシクロヘキセ
ンオキサイドの製造方法である。
【0007】以下、本発明の方法を詳細に説明する。本
発明の方法において、塩素水は所定量のアルカリを含有
した水に塩素ガスを接触させる方法で通常製造される。
装置は撹拌槽や、化学工学協会編「化学工学便覧改訂五
版」495〜535頁に示されたような吸収装置が通常
用いられる。操作は連続式、回分式いずれでもよい。操
作温度は特に制限はないが、0〜100℃の範囲が通常
用いられる。製造された塩素水は、通常引き続いてシク
ロヘキセンと反応させるが、一端中間貯槽に貯める等の
ことを実施してもよい。次亜塩素酸は比較的不安定であ
り、特に高温ではその傾向が著しいので、製造された塩
素水を冷却する等の方法を採用することも好ましい態様
の一つではあるが必須ではない。
【0008】また、塩素水とシクロヘキセンは混合状態
下に反応させることが望ましく、混合撹拌状態がよい程
見かけの反応速度が良好になる。そのための方法として
は、化学工学協会編「化学工学便覧改訂五版」538〜
589、888〜919、988〜1183頁に示され
たような液液の混合装置が例示できるが、通常の撹拌槽
で充分実施可能であり、前出の英国特許の如き特殊な反
応装置や、界面活性剤の助けはなくとも高い選択率での
製造が可能である。実施は回分式、例えばシクロヘキセ
ンに塩素水をフィードしていく方法、連続式両方が可能
である。反応温度は0℃以上であれば特に制限はない
が、通常0〜100℃で実施される。反応時間は温度、
濃度、撹拌状態等によって異なるが、通常数秒から数時
間の間で実施される。
【0009】なお、0.1〜1.0Nのアルカリを含有
した水溶液もしくは懸濁水に塩素を反応させつつ、PH
を7以下、更に好ましくは6.5以下に調節して得た塩
素水を塩素源として用いることにより、クロルヒドリン
の生成に寄与する有効塩素の水中濃度を上げることがで
き、水の使用量を減らせられるという利点とともに、P
Hをコントロールする事で高い選択率でクロルヒドリン
を生成することができるが、上記のPHの範囲を越える
場合には、著しく反応性、選択性が悪化する。また、上
記の範囲を越える量のアルカリを用いるとジクロライド
等の副生が著しくなったり、塩素水中の有効塩素の分解
が激しくなる等の不都合を生じるため好ましくない。こ
の範囲以下では水の使用量が大きくなるため、できれば
避けるべきである。PHの下限は特に無いが、余り低い
PHでは、有効塩素の含有量が小さくなるので、通常は
1.0以上で行われる。尚、ここで言う有効塩素とは塩
素水に過剰のヨウ化カリウムを加え、遊離したヨウ素を
チオ硫酸ナトリウムで滴定するヨウ素滴定法により求め
られるものを言う。(丸善刊「分析化学便覧改訂三版」
(1981年)191〜194頁) さらに、水中の有効塩素と反応させるシクロヘキセンの
量はクロルヒドリンの選択率に大きな影響をもたらし、
用いる塩素水中の有効塩素のモル数の1.05倍以上、
更に好ましくは1.10倍以上のシクロヘキセンを用い
ると副生成物が最小限に抑えられる。この範囲より少な
いときは、ジクロロシクロヘキサン、2,2’−ジクロ
ロシクロヘキシルエーテル等の副生物が多く発生する。
過剰のシクロヘキセンを用いることは、その溶解度から
考えて明らかに油相を形成するため、従来のプロピレン
やアリルクロライドの技術で言及されてきたことから考
えると、選択率をさげることになると予想されるがシク
ロヘキセンの場合には、結果は予想に反して良好な選択
率を示したのである。但し、過剰量を増加していって
も、その効果の差は小さい。従って、余りに過剰な量を
用いることは、工業的な見地からみて未反応シクロヘキ
センの回収等に多大なエネルギーを使用することとなる
ため好ましくはなく、通常用いる塩素水中の有効塩素の
モル数の10倍以下範囲で実施される。本発明の方法で
は、第一工程において未反応のシクロヘキセンが残存せ
しめられ、主として油相に存在した状態で第二工程の反
応が実施される。第二工程で、シクロヘキセンクロルヒ
ドリンよりシクロヘキセンオキサイドを製造する際の副
反応として、生成物であるシクロヘキセンオキサイドが
二次的に水と反応して1、2シクロヘキサンジオールと
なる反応がある。
【0010】本発明者らによれば、主として油相に存在
した状態で第二工程の反応が実施されることがこの工程
での反応収率の向上に寄与し、高選択率・高収率が実施
可能になったが、これは本発明者らの推測では、油相に
シクロヘキセンが存在することにより油相の極性が低下
し、油相での副反応が抑制される効果や、油相にシクロ
ヘキセンが存在することにより、水相へのシクロヘキセ
ンオキサイド分配が小さくなり、シクロヘキセンオキサ
イドの水相濃度が下がるため水相でのジオール化の速度
を抑える効果などが理由として考えられる。
【0011】第二工程において生成したシクロヘキセン
オキサイドは、反応液中の油相、水相両方に分配してお
り、前出のOrg.Syn.Col.vol.1,pp.185-186,John Wiley
& Sons Inc.(1951)に記載されているように、単に油相
を分離して回収するだけではロスが大きい。現在工業的
に実施されているエチレンオキサイドやプロピレンオキ
サイドの製造プロセスにおいては、反応と同時にオキサ
イドを蒸留回収する方法が採用されているがこの方式を
シクロヘキセンオキサイドに適用しようとすると、シク
ロヘキセンオキサイドの沸点が水より高いので系内の水
を全量蒸留除去することが必須となり、大きなエネルギ
ーが必要なばかりか、本発明者らの検討によれば操作中
にオキサイドの水和が進行することが判明した。そこ
で、本発明では第三の工程として第二工程の反応液か
ら、油水分離し、水相からは溶剤を用いて、有機成分を
抽出し、これを油相と混合して、反応液から有機成分を
抽出する。そして、第四の工程で、抽出して得られた有
機成分を含む抽出液から、通常の蒸留により、シクロヘ
キセン、シクロヘキセンオキサイド、溶剤等に分離、回
収する。
【0012】本発明の方法の第一工程において、用いる
アルカリはアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化
物、炭酸塩、酸化物等が好ましく、例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カルシウム等が例示できる。本発明の方法の
第二工程において、用いるアルカリはアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、酸化物等が好まし
く、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、酸化
カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等が例示
でき、単独あるいは二種類以上を併せて用いられる。ア
ルカリは水溶液、懸濁水、固体何れの形態で反応に供し
てもよい。用いる量に特に制限はないが、第一工程で用
いた有効塩素量に較べ余りに少ない量を用いる場合、未
反応のシクロヘキセンクロルヒドリンが残存することと
なるから、通常第一工程で用いた有効塩素量に対し0.
9倍等量以上で実施する。反応は通常0〜100℃の範
囲で行われる。第二工程の反応は水相、油相、場合によ
ってはアルカリの固体が共存して行われるので良好な混
合状態下に反応させることが望ましく、そのための方法
としては、化学工学協会編「化学工学便覧改訂五版」5
38〜589、888〜919、988〜1183頁に
示されたような液液の混合装置が例示できる。反応時間
は、反応条件や撹拌状態によっても異なるが、数分〜数
時間の間で行われる。しかしながら、必要以上に長時間
反応条件下におくことは、生成物であるシクロヘキセン
オキサイドの水和等の不所望の副反応を助長し、結果的
に目的物の収率・選択率を低下させる結果となるので、
その条件で適切な反応時間が選択されるべきである。ま
た、第二工程では通常、第一工程の反応液をそのまま導
入するが、例えばシクロヘキセンを添加したり、一部を
蒸留などの方法で除去したりすること、水の添加除去等
の処置をしてから第二工程へ導入することも本発明の方
法に包含される。
【0013】本発明の方法の第三工程においては、油水
分離し、水相からは溶剤を用いて、有機成分を抽出し、
これを油相と混合して、反応液から有機成分を抽出す
る。ここで溶剤を用いて、水相中の有機成分を抽出する
ことにより水相中のシクロヘキセンオキサイドを含む有
機成分の回収が行われるが、その溶剤としては例えば、
ヘプタン、ノナン等の脂肪族炭化水素及びこれらのハロ
ゲン化物、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環族
炭化水素及びこれらのハロゲン化物、ベンゼン、トルエ
ン等の芳香族炭化水素及びこれらのハロゲン化物、アニ
ソール等のエーテル及びこれらのハロゲン化物、メチル
イソブチルケトン等のケトン類、安息香酸エチル等のエ
ステル類等が挙げられ、これらの単独もしくは二種類以
上を混合して用いることが出来る。特に好ましくはシク
ロヘキセンを用いることにより、第四の工程での溶剤の
分離にかかる負担を減らすことができる。抽出に用いる
装置は一般に知られた装置でよく、例えば化学工学協会
編「化学工学便覧改訂五版」537〜583頁に示され
たようなものが例示できる。
【0014】第四工程は通常の蒸留による分離、回収が
行われ、用いる溶剤等により蒸留塔等が設計されるべき
である。また、この工程で分離、回収されたシクロヘキ
セン、溶剤は、通常再利用される。本発明の第一から四
の各工程は回分式でも連続式でもよく、また、各工程を
つなげて連続的に製造を行うことも可能である。
【0015】本発明を図1に示したフローにより操作を
説明すると、Aは第一工程における塩素水を調整する工
程であり、塩素とアルカリを含有する水をPHを調節し
ながら混合し塩素水を調整し、この塩素水とシクロヘキ
センをクロルヒドリン合成を行うBに導入する。Bでは
油相、水相を混合を行ってクロルヒドリン化反応を行
い、この反応液は第二工程Cに導入される。同時にCに
はアルカリが導入され、撹拌・混合下、オキサイドの合
成が行われる。この反応液の水相と油相を分離後水相を
第三工程Dに導入し、溶剤により抽出を行い、油相と共
に第四工程Eに送り、シクロヘキセン、シクロヘキセン
オキサイド、溶剤等を分取する。
【0016】
【実施例】以下実施例により、本発明を更に詳しく説明
する。但し、本発明は実施例に何等束縛されるものでは
ない。
【0017】
【実施例1】本実施例を図2に示した工程にしたがって
行った。ガス吸収塔をbを備えた1.6Lの撹拌機のつ
いた反応器aに、1.85wt%の水酸化カルシウムを
含有する懸濁水約10Kg/Hrの割合で、また同時に
塩素ガスを0.365Kg/Hrの割合で連続的に供給
し、PHを5.0に保ち35℃で反応させた。0.48
mol/Kgの有効塩素を含むこの反応液を連続的に抜
き出し、シクロヘキセン0.83Kg/Hr(対有効塩
素モル比2.03)と混合しながら、撹拌器のついた2
Lの反応器cに連続的に供給し、60℃で反応させた。
この反応液を連続的に抜き出し、撹拌器のついた反応器
を2槽直列(各槽1.8L)につないだ反応装置cに、
12wt%の水酸化カルシウム懸濁水1.61Kg/H
rとともに供給し、60℃で反応させた。この反応液を
分析したところ、消費したシクロヘキセンに対するシク
ロヘキセンオキサイドの収率は91.1%であった。こ
の反応液はdで油水分離後、水相を向流式の連続抽出装
置eにより0.42Kg/Hrのシクロヘキセンを用い
て抽出を行った。抽出された油相は、dで分離された油
相とともに第一蒸留塔fに連続的に供給し、塔頂よりシ
クロヘキセンを回収した(0.83Kg/Hr)。さら
に、塔底液は第二蒸留塔gに連続的に供給し、塔上部よ
りシクロヘキセンオキサイドを回収した(0.441K
g/Hr)。塔底からはシクロヘキサンジクロライド等
の副生物や少量のシクロヘキセンオキサイド等の混合物
を連続的に排出した。また、eより排出された水相中に
は、約0.02wt%のシクロヘキセンオキサイドと約
0.01wt%のシクロヘキセンが検出された。
【0018】
【実施例2】反応器bに供給するシクロヘキセンの量を
0.53Kg/Hr(対塩素モル比1.26)とした以
外は実施例1同様に操作を行った。反応装置cから排出
された反応液を分析したところ、消費されたシクロヘキ
センに対するシクロヘキセンオキサイドの収率は90.
9%であった。第二蒸留塔g上部より回収したシクロヘ
キセンオキサイドは0.440Kg/Hrであった。塔
底からはシクロヘキサンジクロライド等の副生物や少量
のシクロヘキセンオキサイド等の混合物を連続的に排出
した。また、eより排出された水相中には、約0.02
wt%のシクロヘキセンオキサイドと約0.01wt%
のシクロヘキセンが検出された。
【0019】
【比較例1】反応器bに供給するシクロヘキセンの量を
0.42Kg/Hr(対塩素モル比1.02)とした以
外は実施例1同様に操作を行った。反応装置cから排出
された反応液を分析したところ、消費されたシクロヘキ
センに対するシクロヘキセンオキサイドの収率は82%
であった。収率の低下が大きいことが判る。
【0020】
【比較例2】反応器aのPHを8.0とした以外は実施
例1同様に操作を行った。反応装置cから排出された反
応液を分析したところ、消費されたシクロヘキセンに対
するシクロヘキセンオキサイドの収率は40%であっ
た。収率の低下が大きいことが判る。
【0021】
【比較例3】dで油水分離後、連続抽出装置eによる抽
出を行わず、dで分離された油相のみを蒸留を行った以
外は実施例1と同様に操作を行った。第二蒸留塔g上部
より回収したシクロヘキセンオキサイドは0.344K
g/Hrであり、実施例1に較べ収量が大きく減少し
た。dで分離した水相を蒸留により、水の除去に続い
て、シクロヘキセンオキサイドの回収を試みたが、大部
分が水和してジオール化し、シクロヘキセンオキサイド
の回収はできなかった。
【0022】
【実施例3】dで油水分離後、連続抽出装置eによる抽
出において抽剤としてシクロヘキセン90wt%、シク
ロヘキサン5wt%,ベンゼン5wt%の混合液0.4
7Kg/Hrを用いた以外は実施例1と同様に操作を行
った。第二蒸留塔g上部より回収したシクロヘキセンオ
キサイドは0.440Kg/Hrであり、実施例1と同
等の成績が得られた。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法により、シクロヘキセンと
塩素とアルカリとから、農薬の中間体等に有用なシクロ
ヘキセンオキサイドを高い選択率で工業的に有利に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を模式的に示す図面であ
る。
【図2】本発明の一実施例のフロー図である。
【符号の説明】
A:第一工程(塩素水調製) B:第一工程(クロルヒドリン製造) C:第二工程(オキサイド製造) D:第三工程(抽出) E:第四工程(分離) 1:アルカリ/水 2:塩素 3:シクロヘキセン 4:アルカリ/水 5:油相 6:水相 7:溶剤 8:油相 9:水相 10:シクロヘキセン 11:溶剤 12:シクロヘキセンオキサイド 13:副生物 a:塩素水調製反応器 b:吸収塔 c:クロルヒドリン化反応器 d:オキサイド化反応器 e:向流抽出器 f,g:蒸留塔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロヘキセンからシクロヘキセンオキサ
    イドを製造する方法において、(1)0.1〜1.0N
    のアルカリを含有した水溶液もしくは懸濁水に塩素を反
    応させつつ、PHを7以下に調節して得た塩素水に、こ
    れに含まれる有効塩素のモル数の1.05倍以上に相当
    する量のシクロヘキセンを反応させ、シクロヘキセンク
    ロルヒドリンを含有する反応液を得る第一工程、(2)
    第一工程の反応液にアルカリを添加して反応させ、シク
    ロヘキセンオキサイドを含有する反応液を得る第二工
    程、(3)第二工程の反応液中の有機成分を抽出する第
    三工程、(4)第三工程の抽出液からシクロヘキセンオ
    キサイドを蒸留により分離、回収を行う第四工程、から
    なるシクロヘキセンオキサイドの製造方法。
JP16650294A 1994-07-19 1994-07-19 シクロヘキセンオキサイドの製造方法 Withdrawn JPH0827137A (ja)

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