JPH08270325A - 対地震用ドア - Google Patents

対地震用ドア

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JPH08270325A
JPH08270325A JP7099689A JP9968995A JPH08270325A JP H08270325 A JPH08270325 A JP H08270325A JP 7099689 A JP7099689 A JP 7099689A JP 9968995 A JP9968995 A JP 9968995A JP H08270325 A JPH08270325 A JP H08270325A
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door
frame
bolt
opening
wall surface
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Osamu Yasumoto
修 安本
Akiyoshi Yamamichi
章義 山道
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KINKI KOGYO
KINKI KOGYO KK
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KINKI KOGYO
KINKI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地震発生時等の振動や衝撃による影響を回避
し、脱出時に支障なくドアを開けることのできる対地震
用ドアを提供する。 【構成】 建物に開設された出入口15の開口方向に直
交する開口周縁部15aの壁面16aに、ドア2の装着
側が表面となり取り付け側が背面となるドア枠3の背面
側4d,5dを当接して、このドア枠3を前記壁面16
aに取り付けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マンションやホテル等
の建物における玄関、部屋の出入口に設置されるドアの
取付構造に係り、特に、地震時に支障なくドアを開放し
得る対地震用ドアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】マンション等の集合住宅における玄関や
防火区域の出入口には、ドア枠とドアとをセットにして
コンクリート壁の開口部内に設置されるのが一般的な構
造となっている。この種のドア枠は、左右の枠および上
下の枠からなり、各枠の断面が略コ字状で、鋼板により
一体形成されている。
【0003】玄関ドアの場合は、ドア枠から突出させた
アンカを開口部から露出した鉄筋に溶接接合し、この鉄
筋を介して建物の躯体にドア枠を固定するようにしてい
る。そして、このドア枠と躯体との隙間にモルタルコン
クリートを充填して仕上げた後、ドア枠の一側部にドア
本体の一側部を蝶番で取り付けることにより、ドアを開
閉自在に保持する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ようなドア枠の取付構造によると、地震が発生した場合
にドア枠が変形してドアを開けられない事態が生じ、二
次災害を招く恐れがあった。
【0005】すなわち、地震の発生時に強い振動や衝撃
を受けて建物全体が揺れると、建物が大きく歪変形する
ためにコンクリート構造物に対して斜め方向の歪応力が
交互に加わり、この歪応力に耐えられないときに、コン
クリート柱や壁に×状の亀裂が発生する。コンクリート
壁が×状に亀裂すると、この壁に隣接する出入口の開口
部に対しても強い歪応力が作用し、開口部の内周面が凹
凸変形して内方に膨出する状態になる。すると、ドア枠
に押圧力が作用して外周部が変形し、ドアの外周縁に接
触する。
【0006】このような接触時は、ドア枠の内周面とド
アの外端部(見込み部)との面接触となるため、両者間
に適正な間隙が保てなくなってドアを開けられない事態
が生じる。このため、地震の発生後に居住者が室内から
早期に脱出できずあるいは建物内に閉じ込められたまま
となって、余震や火災等による二次災害を受ける問題が
あった。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、地震発生時等の振動や衝撃による影響を回避し、脱
出時に支障なくドアを開けることのできる対地震用ドア
を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1項記載の本発明は、建物に開設された出入
口の開口方向に直交する開口周縁部の壁面に、ドアの装
着側が表面となり取り付け側が背面となるドア枠の背面
側を当接して、このドア枠を前記壁面に取り付けてなる
対地震用ドアである。
【0009】また、請求項2項記載の本発明は、建物に
開設された出入口の開口方向に直交する開口周縁部の壁
面にボルト取付孔を設け、ドアの装着側が表面となり取
り付け側が背面となるドア枠の枠の表面側から背面側に
向けてボルトよりも大径のボルト挿通孔を形成し、この
ボルト挿通孔からボルトを挿通して前記ボルト取付孔に
ボルト端部を締結することにより、前記壁面に背面側を
当接した状態でドア枠を取り付けてなる対地震用ドアで
ある。
【0010】また、請求項3記載の本発明は、建物に開
設された出入口の開口方向に直交する開口周縁部の壁面
にボルト挿通孔を設け、ドアの装着側が表面となり取り
付け側が背面となるドア枠の枠の背面側にボルト取付孔
を形成し、前記ボルト挿通孔からボルトを挿通して前記
ボルト取付孔にボルト端部を締結することにより、壁面
に背面側を当接した状態でドア枠を取り付けてなる対地
震用ドアである。
【0011】また、請求項4項記載の本発明は、建物に
開設された出入口の開口方向に直交する開口周縁部の壁
面にボルト取付孔を設け、ドアの装着側が表面となり取
り付け側が背面となるドア枠の枠の背面側にボルト挿通
孔を形成し、このボルト挿通孔からボルトを挿通して前
記ボルト取付孔にボルト端部を締結することにより、前
記壁面に背面側を当接した状態で取り付け、この背面側
に表面側を接続して中空部を有する枠を形成してなる対
地震用ドアである。
【0012】また、請求項5項記載の本発明は、建物に
開設された出入口の開口方向に直交する開口周縁部の壁
面にボルト取付孔を設け、ドアの装着側が表面となり取
り付け側が背面となるドア枠の枠を幅方向で二分して外
側枠の背面側にボルト挿通孔を形成し、このボルト挿通
孔からボルトを挿通して前記ボルト取付孔にボルト端部
を締結することにより、前記壁面に外側枠の背面側を当
接した状態で取り付ける一方、外側枠の表面側には内側
枠の背面側に平行な押え板を延設し、この押え板内に内
側枠の表面側を配して前記外側枠の表面側との間に緩衝
空間を設けてなる対地震用ドアである。
【0013】
【作用】上記請求項1項記載の本発明においては、建物
に開設された出入口の開口方向に直交する開口周縁部の
壁面にドア枠を取り付けることにより、開口部内にはド
アを設置しない構造としたので、地震の発生時等に建物
が強い振動や衝撃を受けて開口部に対し強い歪応力が作
用しても、この歪応力がドア枠に直接加えられるのが回
避される。よって、このドア枠がほぼ原形に保たれるこ
とから、ドア枠の内周面とドアの外周面との間には、ド
アの開放が可能な間隙が保持される。
【0014】また、上記請求項2項記載の本発明におい
ては、ドア枠の縦枠の表面側から背面側に向けてボルト
よりも大径のボルト挿通孔を形成し、壁面に背面側を当
接した状態でドア枠を取り付けたので、地震の発生時等
に建物が強い振動や衝撃を受けて開口部に対し強い歪応
力が作用した場合、上記の如くこの歪応力がドア枠に直
接加えられるのが回避されるのは勿論、壁面の変形によ
りボルトが開口側に移動しても、ボルト挿通孔が大きい
ために背面側をボルトで押圧するのが防止される。よっ
て、このドア枠がほぼ原形に保たれることから、このド
ア枠の内周面とドアの外周面との間には、ドアの開放に
必要な間隙が保持される。
【0015】また、請求項3項記載の本発明において
は、請求項2による作用と同じ作用を奏するとともに、
開口周縁部の壁面にボルト挿通孔を設け、ドア枠の枠の
背面側から表面側に向けてボルト取付孔を形成し、前記
ボルト挿通孔からボルトを挿通して前記ボルト取付孔に
ボルト端部を締結することにより、壁面に背面側を当接
した状態でドア枠を取り付けてなるから、ドア枠の表面
からボルトがみえないようにできる。
【0016】また、上記請求項4項記載の本発明におい
ては、ドア枠の背面側に表面側を接続して中空部を有す
る縦枠を形成したので、地震の発生時等に建物が強い振
動や衝撃を受けて開口部に対し強い歪応力が作用した場
合、上記と同様にこの歪応力がドア枠に直接加えられる
のが回避されるのは勿論、壁面の変形によりボルトが開
口側に移動しても、中空部および背面側が変形量を吸収
するとともに、変形が著しいときは単なる接続構造の表
面側が外れる。よって、この表面側がほぼ原形に保たれ
ることから、ドア枠の内周面とドアの外周面との間に
は、このドアの開放に必要な間隙が保持される。
【0017】また、上記請求項5項記載の本発明におい
ては、ドア枠の縦枠を横幅方向で二分して外側枠の背面
側を壁面に取り付ける一方、外側枠の表面側には内側枠
の背面側に平行な押え板を延設し、この押え板内に内側
枠の表面側を配して前記外側枠の表面側との間に緩衝空
間を設けたので、地震の発生時等に建物が強い振動や衝
撃を受けて開口部に対し強い歪応力が作用した場合、上
記と同様にこの歪応力がドア枠に直接加えられるのが回
避されるのは勿論、壁面の変形によりボルトが開口側に
移動しても、緩衝空間で外側枠の表面側が押え板にガイ
ドされ、内側枠の表面側に接近することで移動量が吸収
されることにより、両者の接触が回避される。よって、
内側枠の表面側がほぼ原形に保たれることから、ドア枠
の内周面とドアの外周面との間には、このドアの開放に
必要な間隙が保持される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図を参照
しながら説明する。図1は本発明に係る対地震用ドアを
示す横断面図、図2は同対地震用ドアを示す縦断面図、
図3は同対地震用ドアの正面図である。
【0019】この対地震用ドア1は、地震発生時に支障
なくドア2の開放を可能とするもので、主にマンション
やホテルにおける玄関、部屋の出入口等の壁面部分にド
ア枠3を設置する構成となっている。
【0020】ドア2は、断面略コ字状で鉄からなる骨部
材相互を接合して矩形状の骨組を構成し、この骨組の外
側面に鋼板を装着することによりドア本体2aを形成す
るようになっている。このドア本体2aは、一側部2b
が蝶番14によりドア枠3の左外枠4側に開閉自在に取
り付けられ、他側部2cには鍵を設けている。
【0021】この鍵は、ロック装置を備えた一般普及型
であって、ドア枠3の右縦枠5側に設けられた穴に挿入
される可動爪(図示省略)が出没自在に配設されてい
る。なお、この可動爪は、ドア2のノブに連動して作動
する。
【0022】前記ドア枠3は、左右の縦枠4,5および
上下の横枠6,7からなり、鋼板により形成されてい
る。これらの各枠4〜7は断面略コ字状で、前記ドア2
閉鎖時に対面する内側板4a〜7aと壁面16aに固着
される外側板4b〜7bとで閉空間が形成され、縦枠と
上枠に形成される閉空間を軽量コンクリート等の充填領
域Cとしている。なお、本例では、ドア2の装着側を表
面側4c〜7cとする一方、壁面16aへの取り付け側
を背面側4d〜7dと称する。
【0023】このドア枠3は、内側板4a〜7a側に段
差状の当接部を形成し、左右の縦枠4,5の外側板4
b,5b側にボルト挿通孔8,9を設けている。また、
このドア枠3は、左縦枠4側に蝶番14が、右縦枠5側
に錠前(図示省略)がそれぞれ取り付けられるようにな
っている。さらに、下横枠7の外側板7c側には、ドア
枠3を位置決めして躯体Kに保持するための凹部7eを
形成してある。ドア枠3の戸先側の内側板5aは図1の
形状に限らず、図15の形状のもの、すなわち、ドア2
の他側側2cとドア枠3の内側板5aとの間に大きい間
隙を設け、この間隙を地震による躯体の変形量の吸収空
間としたものを使用することができる。
【0024】前記当接部は、ドア2の開閉側である室外
側Oが低く室内側Iが高い隆起状で、ドア2の周縁に対
向する内周縁側を延出して凹状溝4e〜7eを形成して
ある。そして、この凹状溝4e〜7eに合成ゴム材等か
らなる緩衝部材10を嵌着するようになっている。これ
により、ドア2の閉鎖時に周縁が緩衝部材10に当接し
て衝撃が吸収されるとともに、高気密性が保たれるもの
である。
【0025】前記ボルト挿通孔8,9は、左右の縦枠
4,5における表面側4c,5cの上部側に凹所4f,
5fを形成し、この凹所4f,5fの底面にアンカーボ
ルト11よりも大径の挿通孔を穿設する。そして、この
挿通孔から背面側4d,5dに向けて、この挿通孔より
小径でアンカーボルト11よりは略大径のコンクリート
非充填領域を設けることにより、ボルト挿通孔8,9を
形成するものである。
【0026】このドア枠3は、出入口の室外側Oにおけ
る壁面16aに固定するが、取り付け位置は開口部15
の開口方向(図1の矢印A−A方向)に直交する開口周
縁部15aの壁面16aとしている。この取り付けに際
しては、前記ボルト挿通孔8,9に対向する壁面16a
に予めボルト孔を形成しておき、このボルト孔にアンカ
ーボルト11のネジ部11bを埋設しておく。また、床
F側の躯体K上には、前記下枠7の凹部7eに対向する
位置にモルタルコンクリートの隆起部13を設けてお
く。
【0027】そして、このドア枠3を壁面16aに取り
付ける場合は、前記隆起部13上に下枠7の凹部7eを
載置して位置決めし、開口周縁部15aの壁面16aに
背面側4d〜7dを当接する。そして、表面側4c,5
cの挿通孔にワッシャ12を挿入したアンカーボルト1
1を挿通し、前記凹所4f,5fにアンカーボルト11
のヘッド11aを当てた状態でアンカーボルト11のネ
ジ部11bに端部のネジを螺着する。
【0028】この後、ドア枠3に開けてある開口から閉
空間内に軽量コンクリートCを充填する。軽量コンクリ
ートCの充填は予め工場において行ってもよい。床F側
の躯体K上にモルタルコンクリートCの仕上げを施して
から、開口部分にコーキングを行う。これにより、ドア
枠3が出入口の開口方向に直交する開口周縁部5dに取
り付けられた状態になる。
【0029】しかして、地震の発生時に強い振動や衝撃
を受けて建物全体が揺れると、建物が大きく歪変形する
ためにコンクリート構造物に対して斜め方向の歪応力が
交互に加わり、この歪応力に耐えられないときに、コン
クリート柱や壁に×状の亀裂が発生する。図1、図2に
示すコンクリート壁16が×状に亀裂すると、この壁1
6に隣接する出入口の開口部15に対しても強い歪応力
が作用し、開口部15の内周面が凹凸変形して内方に膨
出する部分も生じる。
【0030】上記対地震用ドアは、出入口の開口方向に
直交する開口周縁部15aの壁面16aにドア枠3を取
り付けてあり、開口部15内にはドア2を設置しない構
造となっているので、前記歪応力がドア枠3に直接加え
られるのが回避される。よって、このドア枠3がほぼ原
形に保たれることから、ドア枠3の内周面とドア2の外
周面との間には、ドア2の開放が可能な間隙が保持され
る。したがって、ドア2を支障なく開けることができ、
居住者が室内側Iから室外側Oへ素早く脱出することが
可能となり、余震や火災等による二次災害を未然に防止
できる。上記説明においては、ドア枠の縦枠にボルト挿
通孔を設けた場合を説明したが、ドア枠の上枠にボルト
挿通孔を設けて対応する壁面に取付けてもよい。また、
逆にコンクリート壁16にボルト挿通孔を開けるととも
に、ドア枠にボルト取付孔を設け、コンクリート壁側か
らボルトを挿通してドア枠3をコンクリート壁16に取
り付けてもよい。
【0031】次に、対地震用ドアの第2実施例について
説明する。図4は対地震用ドアの一部を示す横断面図、
図5は同対地震用ドアを示す縦断面図、図6は同対地震
用ドアの正面図である。この対地震用ドア20は、上記
実施例と基本的構成が略同一であるので、同一部分の詳
細な説明は省略する。
【0032】この対地震用ドア20は、ドア枠21を構
成する左右の縦枠が断面略ロ字状で(図4は右縦枠22
側を示している)、下の横枠26を断面略コ字状に形成
している。右縦枠22については、内側板23と外側板
24とが接続構造となっており、この内外両側板23,
24がビスナット27により締結される。
【0033】すなわち、内側板23と外側板24とは、
表面側22aおよび背面側22bとなる各開口端部を略
L字状に折曲して一対の接続耳片23a,23b,24
a,24bを形成し、それぞれにビス挿通孔を穿設して
ある。そして、前記内側板23に緩衝部材10を嵌着す
る凹状溝22cを形成する一方、外側板24には、壁面
16aに固着される背面側22b側にボルト挿通孔を形
成している。
【0034】また、前記上下の横枠25,26は、緩衝
部材10を嵌着する凹状溝25c,26cを形成してい
る。さらに、下横枠26の外側板には、隆起部13に載
置するための凹部26eが形成されている。図5は、上
横枠をアンカーボルト28によって躯体Kに取り付けた
場合を示し、その具体的構造は縦枠を取り付ける場合と
共通する。アンカーボルト28は縦枠のみに使用しても
よいし、上枠のみに使用してもよい。
【0035】この対地震用ドア20の取り付けに際して
は、ボルト挿通孔に対向する壁面16aに予めボルト孔
を形成しておき、このボルト孔にアンカーボルト28の
ネジ部28bを埋設しておく。
【0036】そして、このドア枠21を壁面16aに取
り付ける場合は、前記隆起部13上に下枠26の凹部2
6eを載置し、開口周縁部15aの壁面16aに背面側
22bを当接する。さらに、背面側22bのボルト挿通
孔にワッシャ29を挿入したアンカーボルト28を挿通
し、ヘッド28aを当接した状態でネジ部28bに端部
のネジを螺着する。
【0037】この後、内側板23の接続耳片23a,2
3bに外側板24の各接続耳片24a,24bを当接
し、ビス挿通孔にビスネジ27を挿入してネジ部にナッ
トを螺合することにより、内側板23と外側板24とを
接続する。この内外両側板23,24で囲まれた閉空間
は、コンクリートの非充填領域Eとされ、前述のように
コンクリートCは充填しない。なお、ビスナット27を
締結することで生じる凹所にはコーキングを施す。これ
により、ドア枠21が出入口の開口方向に直交する開口
周縁部5dに取り付けられた状態になる。
【0038】しかして、上記対地震用ドア20は、ドア
枠21の背面側22bに表面側22aを接続し、左縦枠
と同様に中空部を有する右縦枠22を構成したので、地
震の発生時等に建物が強い振動や衝撃を受けて開口部1
5に対し強い歪応力が作用した場合、上記と同様にこの
歪応力がドア枠21に直接加えられるのが回避される。
【0039】また、壁面15aの変形によりアンカーボ
ルト28が開口部15側に移動しても、コンクリートの
非充填領域Eおよび壁面15a側の背面側22bが変形
量を吸収する。よって、ドア枠21の内周面とドア2の
外周面との間には、このドア2の開放に必要な間隙が保
持され、脱出時にドア2を支障なく開けることができ
る。
【0040】次に、対地震用ドアの第3実施例について
説明する。図7は対地震用ドアの一部を示す横断面図で
ある。この対地震用ドア30は、前記右縦枠22側でド
ア2を支持し、この右縦枠22内の背面側22aと表面
側22bとの間に補強部材31を介設したものであり、
他は上記実施例2と同一の構成となっている。
【0041】前記補強部材31は、断面が逆L字状の鉄
骨で、十分な強度を確保するための横幅を有している。
この補強部材31は、蝶番側(吊元側)のみもしくは左
右の縦枠内に複数個が所要の間隔をあけて固着される。
右縦枠22においては、補強部材31の一端31aを接
続耳片23aに溶接し、他端31bは背面側22bの内
面に溶接して固定する。これにより、蝶番14を介して
前記ドア2を支持する右縦枠22側の強度が高められ
る。
【0042】次に、対地震用ドアの第4実施例について
説明する。図8は対地震用ドアの一部を示す横断面図、
図9は同対地震用ドアを示す縦断面図、図10は同対地
震用ドアの正面図である。
【0043】この対地震用ドア40は、ドア枠41の左
右の縦枠を横幅方向で二分したものであり、上記各実施
例と基本的構成が略同一であるので、同一部分の詳細な
説明は省略する。
【0044】この対地震用ドア40は、ドア枠41の表
面側42aおよび背面側42bがそれぞれ二分割される
ように、左右の縦枠を構成する(図8は右縦枠42側を
示す)。右縦枠42については、上下方向に延びる緩衝
空間Gを設けて出入口の開口部15寄りを内側枠42
A、壁16寄りを外側枠42Bとしている。
【0045】この外側枠42Bの内側板43は、壁面1
6aに当接する右縦枠42の背面側42bにボルト挿通
孔を穿設し、一端部に接続耳片43bを形成する一方、
側壁には接続部材43aを固着してある。また、この内
側板43は、表面側42aとなる一端部に押え板43c
を延設している。この押え板43cは、内側枠42Aの
表面側42aを押えて保持するもので、壁面16aと平
行になる方向へ延出させている。外側枠42Bの外側板
44は、各開口端部を略L字状に折曲して接続耳片44
a,44bを形成している。
【0046】一方、内側枠42Aについては、外側板4
6を前記押え板43cの間隔よりも若干幅狭にし、この
押え板43cの内面との間に小間隙が生じるようにして
いる。そして、内側枠42Aの内側板45には、緩衝部
材10を嵌着する凹状溝42cが形成されている。な
お、ドア枠41の上下横枠49,50は、下横枠50を
前記実施例と同形状としているが、上横枠49を前記内
側枠42Aの表面側42aおよび背面側42bに連設す
る構造にしてある。
【0047】この対地震用ドア40は、ドア枠41を壁
面16aに取り付けるに際し、前記隆起部13上に下枠
48の凹部48eを載置し、開口周縁部15aの壁面1
6aに内側枠42Aの背面側42bを当接する。そし
て、外側枠42Bの背面側42bのボルト挿通孔にアン
カーボルト28を挿通し、予め配設した壁面16aのネ
ジ部28bにネジを螺着する。
【0048】この後、内側板43の接続部材43aと接
続耳片43bに外側板44の各接続耳片44a,44b
を当接し、ビス挿通孔にビスネジ27を挿入してネジ部
にナットを螺合することにより、内側板43と外側板4
4とを接続する。これにより、内側板43に延設した押
え板43cが外側板46に当接し、内側枠42Aを外側
枠42Bで押さえる状態となる。すると、外側枠42B
が内側枠42Aを保持して、ドア枠41が倒れることな
く出入口の開口方向に直交する開口周縁部15aに取り
付けられる。
【0049】なお、内外側枠42A,42Bには閉空間
が生じるが、内側枠42Aの閉空間は軽量コンクリート
等Cの充填領域とされる一方、外側枠42Bの閉空間は
コンクリートの非充填領域Eとしている。
【0050】しかして、上記対地震用ドア40は、地震
の発生時等に建物が強い振動や衝撃を受けて壁面15a
が歪み変形することによりアンカーボルト28が開口部
15側に移動することがあっても、内側枠42Aの表面
側42aが押え板43cにガイドされ、緩衝空間G内を
外側枠42Bが内側枠42A側に接近する。このため、
開口部15方向への移動が緩衝空間Gで吸収され、外側
枠42Bと内側枠42Aとが接触しない状態で、内側枠
42Aの表面側42aがほぼ原形に保たれる。よって、
ドア枠41の内周面とドア2の外周面との間には、この
ドア2の開放に必要な間隙が保持され、ドア2を支障な
く開けることができる。
【0051】なお、上記各実施例は、図11の実線3A
に示すように、出入口の開口方向に直交する開口周縁部
15aの室外側Oの壁面16aにドア枠3を取り付けた
が、図11の仮想線3Bに示す如く室内側Iの壁面16
bにドア枠3を取り付けてもよい。また、図12に示す
ように、室外側Oの壁面に段差部16cを形成しておい
て、この段差部16cにドア枠3を取り付けたり、図1
3に示す如く室内側Iの壁面に段差部16dを形成し
て、この段差部16dにドア枠3を取り付けてもよい。
さらに、図14に示すような出入口構造の開口部におけ
る端面16eにドア枠3を取り付ることも可能であり、
何れの場合も開口部内にドア枠3およびドアを設置しな
いので、地震の発生時には支障なくドアを開けられる作
用効果を奏する。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1項記載の
本発明は、建物に開設された出入口の開口方向に直交す
る開口周縁部の壁面にドア枠を取り付けることにより、
開口部内にはドアを設置しない構造としたので、地震の
発生時等に建物が強い振動や衝撃を受けて開口部に対し
強い歪応力が作用しても、この歪応力がドア枠に直接加
えられるのが回避され、このドア枠がほぼ原形に保たれ
ることから、ドア枠の内周面とドアの外周面との間に
は、ドアの開放が可能な間隙が保持される。したがっ
て、ドアを支障なく開けることができ居住者の早期脱出
が可能となって余震や火災等による二次災害を未然に防
止できる効果がある。
【0053】また、上記請求項2項記載の本発明は、ド
ア枠の枠の表面側から背面側に向けてボルトよりも大径
のボルト挿通孔を形成し、壁面に背面側を当接した状態
でドア枠を取り付けたので、地震の発生時等に建物が強
い振動や衝撃を受けて壁面が変形するに伴いボルトが開
口側に移動しても、ボルト挿通孔が大きいために背面側
をボルトで押圧するのが防止され、このドア枠がほぼ原
形に保たれる。したがって、このドア枠の内周面とドア
の外周面との間には、ドアの開放に必要な間隙が保持さ
れ、このドアを支障なく開けることができる。
【0054】また、上記請求項3項記載の本発明は、壁
面にボルト挿通孔を設け、ドア枠にボルト取付孔を形成
し、壁面にドア枠の背面側を当接した状態でドア枠を取
り付けたので、地震の発生時等に建物が強い振動や衝撃
を受けて壁面が変形してもドア枠がほぼ原形に保たれ
る。したがって、このドア枠の内周面とドアの外周面と
の間には、ドアの開放に必要な間隙が保持され、このド
アを支障なく開けることができる。しかも、ドア枠にボ
ルト挿通孔をあけないので、ドア枠の外面が自由の化粧
面とすることができる。
【0055】また、上記請求項4項記載の本発明は、ド
ア枠の背面側に表面側を接続して中空部を有する枠を形
成したので、地震の発生時等に建物が強い振動や衝撃を
受けて開口部に対し強い歪応力が作用した場合、壁面が
変形するに伴いボルトが開口側に移動しても、中空部お
よび壁面側の背面側が変形量を吸収するとともに、変形
が著しいときは単なる接続構造の表面側が外れる。した
がって、この表面側がほぼ原形に保たれることから、ド
ア枠の内周面とドアの外周面との間には、このドアの開
放に必要な間隙が保持され、このドアを支障なく開ける
ことができる
【0056】また、上記請求項5項記載の本発明は、ド
ア枠の枠を幅方向で二分して外側枠の背面側を壁面に取
り付ける一方、外側枠の表面側には内側枠の背面側に平
行な押え板を延設し、この押え板内に内側枠の表面側を
配して前記外側枠の表面側との間に緩衝空間を設けたの
で、地震の発生時等に建物が強い振動や衝撃を受けて開
口部に対し強い歪応力が作用した場合、壁面が変形する
に伴いボルトが開口側に移動しても、緩衝空間で外側枠
の表面側が押え板にガイドされ、内側枠の表面側に接近
することで移動量が吸収されることにより、両者の接触
が回避される。したがって、内側枠の表面側がほぼ原形
に保たれることから、ドア枠の内周面とドアの外周面と
の間には、このドアの開放に必要な間隙が保持され、こ
のドアを支障なく開けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る対地震用ドアを示す横
断面図である。
【図2】同対地震用ドアを示す縦断面図である。
【図3】同対地震用ドアを示す正面図である。
【図4】本発明の実施例2に係る対地震用ドアの一部を
示す横断面図である。
【図5】同対地震用ドアを示す縦断面図である。
【図6】同対地震用ドアを示す正面図である。
【図7】本発明の実施例3に係る対地震用ドアの一部を
示す横断面図である。
【図8】本発明の実施例4に係る対地震用ドアの一部を
示す横断面図である。
【図9】同対地震用ドアを示す縦断面図である。
【図10】同対地震用ドアを示す正面図である。
【図11】対地震用ドアの設置例1を示す説明図であ
る。
【図12】対地震用ドアの設置例2を示す説明図であ
る。
【図13】対地震用ドアの設置例3を示す説明図であ
る。
【図14】対地震用ドアの設置例4を示す説明図であ
る。
【図15】対地震用ドアのドア枠に適用される戸先側の
内側枠の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 ドア 3 ドア枠 4d,5d 背面側 15 出入口 15a 開口周縁部 16a 壁面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物に開設された出入口の開口方向に直
    交する開口周縁部の壁面に、ドアの装着側が表面となり
    取り付け側が背面となるドア枠の背面側を当接して、こ
    のドア枠を前記壁面に取り付けてなる対地震用ドア。
  2. 【請求項2】 建物に開設された出入口の開口方向に直
    交する開口周縁部の壁面にボルト取付孔を設け、ドアの
    装着側が表面となり取り付け側が背面となるドア枠の枠
    の表面側から背面側に向けてボルトよりも大径のボルト
    挿通孔を形成し、このボルト挿通孔からボルトを挿通し
    て前記ボルト取付孔にボルト端部を締結することによ
    り、前記壁面に背面側を当接した状態でドア枠を取り付
    けてなる対地震用ドア。
  3. 【請求項3】 建物に開設された出入口の開口方向に直
    交する開口周縁部の壁面にボルト挿通孔を設け、ドアの
    装着側が表面となり取り付け側が背面となるドア枠の枠
    の背面側にボルト取付孔を形成し、前記ボルト挿通孔か
    らボルトを挿通して前記ボルト取付孔にボルト端部を締
    結することにより、壁面に背面側を当接した状態でドア
    枠を取り付けてなる対地震用ドア。
  4. 【請求項4】 建物に開設された出入口の開口方向に直
    交する開口周縁部の壁面にボルト取付孔を設け、ドアの
    装着側が表面となり取り付け側が背面となるドア枠の枠
    の背面側にボルト挿通孔を形成し、このボルト挿通孔か
    らボルトを挿通して前記ボルト取付孔にボルト端部を締
    結することにより、前記壁面に背面側を当接した状態で
    取り付け、この背面側に表面側を接続して中空部を有す
    る枠を形成してなる対地震用ドア。
  5. 【請求項5】 建物に開設された出入口の開口方向に直
    交する開口周縁部の壁面にボルト取付孔を設け、ドアの
    装着側が表面となり取り付け側が背面となるドア枠の枠
    を幅方向で二分して外側枠と内側枠とし、この外側枠の
    背面側にボルト挿通孔を形成し、このボルト挿通孔から
    ボルトを挿通して前記ボルト取付孔にボルト端部を締結
    することにより、前記壁面に外側枠の背面側を当接した
    状態で取り付ける一方、外側枠の表面側には内側枠の背
    面側に平行な押え板を延設し、この押え板内に内側枠の
    表面側を配してなる対地震用ドア。
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