JPH08267707A - 印刷画像後処理装置 - Google Patents

印刷画像後処理装置

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JPH08267707A
JPH08267707A JP7356695A JP7356695A JPH08267707A JP H08267707 A JPH08267707 A JP H08267707A JP 7356695 A JP7356695 A JP 7356695A JP 7356695 A JP7356695 A JP 7356695A JP H08267707 A JPH08267707 A JP H08267707A
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removing liquid
ink
excess
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JP7356695A
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English (en)
Inventor
Sadanao Okuda
貞直 奥田
Takahito Toshima
隆人 戸島
Ryuji Higa
隆二 比嘉
Takashi Isozaki
貴 磯崎
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Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷画像面の余剰分の印刷インキを取り除く
ことができ、被印刷体を汚すことがなく、余剰インキ除
去液を確実に回収できること。 【構成】 供給ノズルが接触ローラに余剰インキ除去液
を供給する。余剰インキ除去液は印刷インキに相溶せ
ず、表面張力が印刷インキの表面張力よりも低い。接触
ローラ37が被印刷体の印刷画像面に接触する。印刷イ
ンキの余剰分は、被印刷体から接触ローラ37の余剰イ
ンキ除去液に転移し、ブレード45によって接触ローラ
37から除去される。接触ローラ37には、所定角度範
囲でシート状弾性体49が接しており、余剰インキ除去
液がこの面に沿って回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は孔版印刷等の印刷装置に
おいて使用される印刷画像後処理装置に関する。本発明
は、特に印刷物における裏移り、裏抜け対策として有効
である。
【0002】
【従来の技術】液体の印刷インキを使用する印刷におい
ては、印刷直後に被印刷体を重ねた場合に、印刷画像を
形成している印刷インキが一枚上の裏面に付着する裏移
りが発生したり、また印刷直後に印刷画像面が指先など
で軽く擦られただけで印刷画像が崩れる等の不都合が発
生したり、さらに印刷画像を形成している印刷インキが
被印刷体を通過して裏面に滲み出る裏抜けなどの問題が
発生することがある。
【0003】これらの問題は、被印刷体上に印刷画像を
形成する印刷インキの量、即ち着肉量が他の印刷に比し
て多い孔版印刷において特に顕著である。
【0004】従来、この裏移り、裏抜け等の発生を防止
するため、被印刷体に対する着肉量を印刷過程で低減す
る試みがなされている。しかしながら、着肉量の定量的
制御は難しく、着肉量を抑え過ぎると印刷画像の濃度低
下、かすれなどを生じ、印刷画像の品質を低下させる原
因になってしまう。
【0005】また、前述したような問題を回避する手段
として、印刷画像を形成する印刷インキを加熱乾燥する
ことも考えられるが、その場合には相当大きい発熱量を
有するヒーターを使用しなければならない。このように
ヒータ等の乾燥手段によって被印刷物を乾燥させる場合
には、印刷機の印刷速度が高速度化するほど乾燥手段に
課せられる条件は厳しくなる。実際には、裏移り、裏抜
け等の発生を防止する効果が得られるほどの高速で印刷
インキを乾燥させることはできない。
【0006】この他、印刷方式によっては、澱粉、タル
クなどの微粉を印刷画像面に塗布して裏移りを防止する
場合もある。しかしながら、このような微粉の塗布装置
は圧縮空気を使っており、かかる装置を備えた印刷装置
は相当大きな印刷装置となってしまう。
【0007】また印刷完了後の被印刷体を排紙トレイ、
ソータなどへ搬送する場合、印刷画像の保全のために、
被印刷体の印刷画像面には搬送ローラを当てることがで
きない。このため、従来は、被印刷体の裏面(非印刷画
像面)にのみ接触するベルトコンベア等の搬送機構によ
り被印刷体を搬送していた。この種の被印刷体搬送装置
は、例えば特開昭50−88769号公報に示されてい
る。
【0008】しかし、印刷画像面に接触せず、裏面のみ
に接触して被印刷体の搬送を行うと、PPCなどの複写
装置のように複写用紙を両面から挟んで強制的に搬送す
る場合に比べ、排紙トレイ、ソータなどの搬送先で紙揃
えに不良が生じる等、排紙性能が劣る。この傾向は、印
刷速度、換言すれば排紙速度の高速化に伴い顕著なもの
になっている。またこのような問題点は、印刷装置にお
ける排紙搬送路の経路設定の自由度を大きく低減させて
いる。
【0009】この他、印刷画像面上の余剰の印刷インキ
を接触するローラに転移させ、このローラ上に取り除か
れた印刷インキをブレード等によるクリーニング手段に
よって除去するような提案がなされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、印刷の
品位を向上させるために、被印刷体から余剰のインキを
除去する新規な装置を発明した。この装置は、余剰イン
キ除去液を周面に層状に塗布して回転する接触ローラ
と、接触ローラに対向して回転する対向ローラを有し、
接触ローラと対向ローラによって印刷済みの被印刷体を
挟持して搬送する。そして、被印刷体の印刷画像面上の
余剰分の印刷インキを、接触ローラの層状の余剰インキ
除去液に転移させ、この接触ローラ上の余剰のインキは
接触ローラに接触するブレード等のクリーニング手段に
よって除去する。
【0011】前記装置では、印刷インキと相溶せず、且
つ表面張力が印刷インキよりも低い液体を余剰インキ除
去液とし、これを接触ローラに層状に塗布して使用して
いる。この方式では、ブレード等によって接触ローラ表
面のクリーニングを行っており、このクリーニングを行
った印刷インキを含む余剰インキ除去液を回収するのに
シート状弾性体を用いていた。しかしながら、この接触
ローラとシート状弾性体との成す角度によっては、回収
されない場合があったり、このシート状弾性体によっ
て、余剰の印刷インキが転移したローラ上の印刷インキ
を掻き取ることがあった。
【0012】本発明は、上述の如き従来の問題点に着目
し、本願発明者等の提案になる前述した余剰インキを除
去する装置の改良を目指したものであり、印刷された被
印刷体において裏移り・裏抜け等の発生を他の障害を誘
発することなく確実に回避し、印刷画像面の余剰分の印
刷インキを確実に取り除くことができ、取り除いた後に
おいてこれを確実に回収することができる印刷画像後処
理装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された印
刷画像後処理装置は、印刷画像を形成する印刷インキに
相溶せず印刷インキよりも表面張力が低い余剰インキ除
去液が塗布されて回転駆動される接触部材と、前記接触
部材との間に印刷済みの被印刷体を挟んで搬送すること
により被印刷体の印刷面を前記接触部材の余剰インキ除
去液に接触させる対向部材と、前記接触部材に余剰イン
キ除去液を供給する供給手段と、前記接触部材に摺接
し、余剰インキ除去液を掻き取るクリーニング手段と、
前記接触部材の外周面の接線に対して一端が0〜70度
の角度で接し、他端が下方に傾斜して設けられたシート
状の弾性体からなる余剰インキ回収手段と、を具備した
ことを特徴としている。
【0014】また、請求項2記載のように、前記接触部
材は、前記対向部材との間に印刷済みの被印刷体を挟む
接触ローラとすることができる。
【0015】請求項3記載のように、前記接触部材は、
複数個のローラ間に掛け渡された無端ベルトとされても
よい。
【0016】請求項4記載のように、前記余剰インキ回
収手段は、接触部材の回転方向に対しクリーニング手段
より前方位置に設けられた構成とすることができる。
【0017】
【作用】接触部材の周面に付着した余剰インキ除去液
が、被印刷体の印刷画像面に接触する。印刷画像を形成
している印刷インキの余剰分が、接触部材の余剰インキ
除去液に転移し、被印刷体から除去される。余剰インキ
除去液は、印刷画像を形成する印刷インキに相溶せず、
且つ表面張力が前記印刷インキよりも低い液体である。
このため余剰インキ除去液に転移した余剰の印刷インキ
は、余剰インキ除去液の表面に余剰インキ除去液とは物
理的に分離した浮遊状態で存在する。接触部材の表面か
ら浮遊した状態にある余剰の印刷インキは、接触部材の
回転に伴い、接触部材の表面に接触するクリーニング手
段によって余剰インキ除去液と共に接触部材から除去さ
れ、クリーニング手段と接触部材との間に形成された液
溜まりの余剰インキ除去液中に分散される。余剰インキ
除去液は、余剰インキ除去液回収手段で回収される。こ
の回収手段は、シート状弾性体で構成され一端が接触部
材に対し所定角度範囲で接しており、余剰インキ除去液
は、シート上を一端から他端に自然落下して回収され
る。
【0018】
【実施例】図1及び図2を参照して第1実施例の孔版印
刷装置の構造を説明する。原稿画像読み取り部5はイメ
ージスキャナ3を有し、印刷すべき原稿の画像を読み取
る。製版部9は製版デバイス7を有し、原稿読み取り部
5が読み取った原稿画像データに応じて孔版印刷用原紙
Sに穿孔画像を形成する。
【0019】円筒状の印刷ドラム13の外周面には、製
版部9により穿孔された孔版印刷用原紙Sが巻き付けら
れる。印刷ドラム13の内部にはインクのスキージ装置
を含むインク供給装置11があり、印刷ドラム13の内
周面にインクを供給する。印刷ドラム13の下方には上
下動するプレスローラ15がある。プレスローラ15
は、印刷ドラム13とプレスローラ15の間に供給され
る被印刷体Pを印刷ドラム13との間で挟持搬送し、被
印刷体Pに画像を形成させる。
【0020】給紙部23においては、給紙台17上の被
印刷体Pが紙捌きローラ19により1枚ずつ送りださ
れ、給紙タイミングローラ21によってプレスローラ1
5と印刷ドラム13の間に送りこまれる。
【0021】排紙部33においては、剥ぎ取り爪25が
被印刷体を印刷ドラム13から剥がす。剥ぎ取られた被
印刷体Pはベルトコンベア機構の搬送装置27によって
印刷画像後処理装置29に搬送される。印刷画像後処理
装置29は、被印刷体Pの印刷画像から余剰のインクを
除去する処理を行う。処理済みの被印刷体は排紙台31
に排出されて積み重ねられていく。
【0022】印刷が終了した孔版印刷用原紙Sは、排版
部35によって印刷ドラム13から剥ぎ取られて廃棄さ
れる。
【0023】上記の構成における印刷動作を説明する。
印刷ドラム13が不図示の駆動手段により自身の中心軸
線の周りに図中反時計廻り方向に回転駆動される。印刷
ドラム13の回転に同期した所定のタイミングで被印刷
体Pが給紙タイミングローラ21により図にて左方より
右方へ搬送され、印刷ドラム13とプレスローラ15と
の間に供給される。被印刷体Pは、印刷ドラム13の外
周面に巻き付けられている孔版原紙Sに対してプレスロ
ーラ15によって押し付けられ、孔版印刷が施される。
【0024】印刷済みの被印刷体Pは、剥ぎ取り爪25
により印刷ドラム13から剥ぎ取られ、印刷画像面を上
面にして排紙搬送装置27によって印刷画像後処理装置
29へ送られる。被印刷体Pは、印刷画像後処理装置2
9により印刷画像後処理作用を受けつつ排紙台31へ向
けて搬送され、排紙台31上に積み重ねられる。
【0025】次に、前記印刷画像後処理装置29の構成
と作用について説明する。図2に示す如く、印刷画像後
処理装置29は、印刷完了後の被印刷体Pの印刷画像面
(上面)に接触する接触部材としての接触ローラ37
と、接触ローラ37と対向配置された対向部材としての
対向ローラ39とを有する。接触ローラ37と対向ロー
ラ39は、各々軸41,43により互いに平行に且つ回
転可能に支持されている。対向ローラ39は、図示しな
い付勢手段としてのばねにより、図にて上方、即ち接触
ローラ37へ向けて付勢されている。接触ローラ37と
対向ローラ39の間に被印刷体Pがない場合には、接触
ローラ37と対向ローラ39は互いに接触する。
【0026】接触ローラ37の外周面37a(余剰イン
キ除去液塗布面)には、断面略矩形の板状の部材である
ブレード45が接している。ブレード45は、基端部を
板金部材の先端に固定されており、先端部が接触ローラ
37に接している。
【0027】接触ローラ37、対向ローラ39、ブレー
ド45は余剰インキ除去液により膨潤などの変質を来す
ことがない材質のものにより構成する。余剰インキ除去
液の主成分が例えばシリコーン系オイルである場合に
は、接触ローラ37,対向ローラ39,ブレード45は
接触ローラ37との摩擦係数を低くするため、好ましく
はフッ素系材料(ゴム)より構成されているが、フェニ
ル変成シリコーン樹脂(ゴム)など特にその材質が限定
されるものではない。
【0028】ブレード45と接触ローラ37の接触位置
よりも回転方向手前側において、接触ローラ37の外周
面37aの上方には、余剰インキ除去液供給ノズル47
が設けられている。余剰インキ除去液供給ノズル47
は、余剰インキ除去液を前記接触ローラ37の外周面3
7aに供給する供給手段である。余剰インキ除去液は、
印刷画像を形成する印刷インキに相溶せず、表面張力が
印刷インキの表面張力よりも低い液体である。尚、ブレ
ード45への余剰インキ除去液供給量は、接触ローラ3
7へ転移する印刷インキ量よりも多い方が好ましく、余
剰インキ除去液の分散力によって決定される。
【0029】前記余剰インキ除去液供給ノズル47が接
触ローラ37の外周面37aに余剰インキ除去液を供給
すれば、余剰インキ除去液は図示のように前記ブレード
45と接触ローラ37との間に溜まる。接触ローラ37
の回転に伴い、余剰インキ除去液は接触ローラ37とブ
レード45の間を通って接触ローラ37の表面に層を形
成する。この時、ブレード45は、接触ローラ37の外
周面37aに形成される余剰インキ除去液の液量を均一
とする作用を有する。さらに、ブレード45は接触ロー
ラ37の外周面37aの汚れを除去するクリーニング手
段としても作用する。
【0030】本実施例で使用される余剰インキ除去液
は、被印刷体Pの印刷画像面上に印刷画像を形成する印
刷インキと相溶せず、その表面張力が該印刷インキの表
面張力より低い液体である。この条件を満たす液体とし
ては、ジメチルシリコーンオイルと、フェニル、ポリエ
ーテル、フッ素、アミノ、エポキシ、カルボキシル、カ
ルビノール、メタクリル、メルカプト、フェノールなど
の変成シリコーンオイルが例示できる。
【0031】この他、界面活性剤や有機溶剤などを添加
した水溶液を余剰インキ除去液として使用することもで
きる。
【0032】水に添加する界面活性剤としては、アニオ
ン、カチオン、及び両性のイオン系、並びに非イオン系
の界面活性剤があり、この界面活性剤の添加量は余剰イ
ンキ除去液の表面張力が印刷インキの表面張力より低く
なるように決定される。
【0033】水に添加する有機溶剤は、水と相溶する有
機溶剤であり、これには、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、エチ
レングリコール、グリセリンなどがある。
【0034】また、余剰インキ除去液は、接触ローラ3
7の外周面37a上に均一に塗布され、その塗布厚は
0.0001〜1μm程度が好ましい。これを被印刷体
に対する塗布量に換算すれば、0.1〜100mg/B
4判程度となる。
【0035】接触ローラ37の回転方向についてブレー
ド45の手前側には、図3に示すように余剰インキ除去
液の回収手段としてシート状弾性体49が傾斜して設け
られている。シート状弾性体49は所定の弾性を有する
薄い板状の部材である。シート状弾性体49は、接触ロ
ーラ37の外周面37aとの接点dに対する接線に対し
て、0〜70度の範囲で摺接している。好ましくは5〜
20度の範囲である。この接線に対する角度が70度を
越えると、接触ローラ37の外周面37aに転移した余
剰の印刷インキは、このシート状弾性体49によって掻
き取られ、その結果、シート状弾性体49に印刷インキ
が付着し、余剰インキ除去液漏れが発生する。
【0036】シート状弾性体49が接触ローラ37に対
し5〜20度の範囲で摺接することにより、シート状弾
性体49の弾性率を考慮せずとも確実に余剰の印刷イン
キを含む余剰インキ除去液を回収することができる。ま
た、接触ローラ37と接触するシート状弾性体49の接
触面に離型処理を施し、印刷インキの付着性を低下させ
ることも有効である。離型処理剤としては、フッ素系、
シリコーン系等の低表面張力材料が用いられる。このシ
ート状弾性体49の後端部は、前記接点dよりも下方に
配置された余剰インキ除去液の受け皿部材51に固定さ
れている。
【0037】次に、以上のように構成された印刷画像後
処理装置29の作用について説明する。印刷済みの被印
刷体Pが、接触ローラ37と対向ローラ39に挟まれて
搬送される。接触ローラ37の外周面37aに形成され
ている余剰インキ除去液皮膜aが、被印刷体Pの印刷画
像面に接触する。この接触により、被印刷体P上に印刷
画像を形成している印刷インキbのうち、余剰の印刷イ
ンキが、接触ローラ37の余剰インキ除去液皮膜aに転
移し、余剰の印刷インキが被印刷体Pより取り除かれ
る。
【0038】接触ローラ37の余剰インキ除去液皮膜a
に転移した印刷インキcは、接触ローラ37の回転に伴
い、シート状弾性体49と接触ローラ37の摺接部を通
過する。
【0039】本実施例において使用される余剰インキ除
去液は、印刷画像を形成する印刷インキbに対して相溶
せず、その表面張力が印刷インキcの表面張力よりも低
い液体である。従って余剰インキ除去液に転移した余剰
の印刷インキは、余剰インキ除去液の表面に余剰インキ
除去液とは物理的に分離した浮遊状態で存在する。
【0040】接触ローラ37上にある余剰の印刷インキ
cを含んだ余剰インキ除去液皮膜aは、ブレード45に
よって掻き取られる。即ち、接触ローラ37の回転に伴
い、余剰の印刷インキは余剰インキ除去液と共にブレー
ド45によって接触ローラ37から除去される。そして
印刷インキcを含む余剰インキ除去液溜まり部fが、接
触ローラ37の回転方向についてブレード45の手前側
に発生し、ブレード45により接触ローラ37から除去
された印刷インキは余剰インキ除去液溜まり部f中に分
散される。
【0041】そして、前記ブレード45を通過した後の
接触ローラ37の外周面37aには、印刷インキcを含
まない余剰インキ除去液皮膜aが再生される。接触ロー
ラ37は、この余剰インキ除去液皮膜aをもって被印刷
体Pの印刷画像面と再接触するから、被印刷体Pの印刷
画像面が接触ローラ37に転移した印刷インキcにより
汚損されることはない。
【0042】ブレード45と接触ローラ37の外周面3
7aとの接触位置が接触ローラ37の頂点より回転方向
手前側にあるため、前記余剰インキ除去液溜まり部fの
液量がある限度を越えると、接触ローラ37が回転して
いても、余剰インキ除去液溜まり部fの余剰インキ除去
液は自重によって接触ローラ37の回転方向とは逆方向
へ流れ始める。この余剰インキ除去液の流れはシート状
弾性体49の傾斜した上面に案内されて流れ、受け皿5
1内に落下して回収される。
【0043】このように、被印刷体Pは、接触ローラ3
7と対向ローラ39の間を通過することにより、上述の
如く印刷画像を形成している印刷インキbの余剰分は接
触ローラ37の外周面37aより確実に除去される。こ
れにより印刷済みの被印刷体における裏移り、裏抜けの
発生が抑制され、また排紙直後に印刷画像面が指先など
で擦られても印刷画像が崩れ難くなり、さらに印刷画像
を形成している印刷インキbの乾燥が速くなる。
【0044】次に、以上説明した実施例のさらに具体的
な態様である例1〜例6と、比較例1、2を説明する。 (例1)孔版印刷機(登録商標、リソグラフRA205
理想科学工業(株)製)に図2に示す前述した実施例の
装置を設定した。シート状弾性体49と接触ローラ37
の接点dでの接線とのなす角度を0°とした。このシー
ト状弾性体49には、PET(ポリエチレンテレフタレ
ート)フィルムの40(μm)品を用いた。余剰インキ
除去液としてはジメチルシリコーンオイル(信越化学工
業(株)製KF−96)を使用した。
【0045】(例2)例1と同様の装置を用い、シート
状弾性体49と接触ローラ37の接点dでの接線とのな
す角度を5°とした以外は、例1と同様に行った。
【0046】(例3)例1と同様の装置を用い、シート
状弾性体49と接触ローラ37の接点dでの接線とのな
す角度を10°とした以外は、例1と同様に行った。
【0047】(例4)例1と同様の装置を用い、シート
状弾性体49と接触ローラ37の接点dでの接線とのな
す角度を20°とした以外は、例1と同様に行った。
【0048】(例5)例1と同様の装置を用い、シート
状弾性体49と接触ローラ37の接点dでの接線とのな
す角度を45°とした以外は、例1と同様に行った。
【0049】(例6)例1と同様の装置を用い、シート
状弾性体49と接触ローラ37の接点dでの接線とのな
す角度を70°とした以外は、例1と同様に行った。
【0050】(比較例1)例1と同様の装置を用い、シ
ート状弾性体49と接触ローラ37の接点dでの接線と
のなす角度を90°とした以外は、例1と同様に行っ
た。
【0051】(比較例2)例1と同様の装置を用い、シ
ート状弾性体49と接触ローラ37の接点dでの接線と
のなす角度を120°とした以外は、例1と同様に行っ
た。
【0052】上記例1〜6及び比較例1、2における評
価は、シート状弾性体49で余剰分の印刷インキを掻き
取り、シート状弾性体49に印刷インキが付着して段差
ができ、このシート状弾性体49の印刷インキ付着部よ
り余剰インキ除去液が流れ落ちてきた場合を×、シート
状弾性体49が汚れず、余剰インキ除去液を確実に回収
できた場合を○とする評価を行った。この評価結果を表
1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】次に、本発明の他の実施例を図4を参照し
て説明する。図4に於いて、図2に対応する部分には図
2に付した符号と同一の符号を付してその説明を省略す
る。この実施例では、上下に隔置された二つのローラ5
3,55の間に、接触部材として可撓性の無端ベルト5
7が所定の張力を与えられて掛け渡されている。本実施
例によっても、前記実施例と略同様の効果を得ることが
できる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、接触ローラ等の接触部
材がこれの周面に形成された余剰インキ除去液層をもっ
て印刷用紙の印刷画像面と接触し、この接触により印刷
画像面にて印刷画像を形成している印刷インキのうち余
剰の印刷インキが、完全に除去されるから、印刷済みの
被印刷体における裏移り、裏抜けの発生が他の障害を誘
発することなく確実に回避され、また排紙直後に印刷画
像面が指先などで擦られても印刷画像が崩れ難くなる。
余剰インキ除去液は、印刷画像を形成する印刷インキと
相溶せず、且つ表面張力が印刷インキの表面張力よりも
低い液体であることから、余剰インキ除去液層に転移し
た印刷インキは余剰インキ除去液層の表面に余剰インキ
除去液とは物理的に分離した浮遊状態で存在する。この
浮遊状態の印刷インキは、板状のクリーニング手段であ
るブレード部に形成された余剰インキ除去液の液溜まり
部で余剰インキ除去液中に分散される。そして、接触部
材に対し余剰インキ回収手段としてのシート状弾性体を
所定角度範囲で接する構成により、余剰インキ除去液
は、このシート状弾性体を介して確実に回収することが
できる。従って、余剰インキ除去液を掻き取らずとも、
余剰インキ除去液を漏らさず回収することができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】図1における印刷画像後処理装置の構成図であ
る。
【図3】シート状弾性体を示す部分拡大図である。
【図4】印刷画像後処理装置の他の構成例を示す図であ
る。
【符号の説明】
29 印刷画像後処理装置 37 接触部材としての接触ローラ 39 対向部材としての対向ローラ 45 クリーニング手段としてのブレード 47 供給手段としての余剰インキ除去液供給ノズル 49 余剰インキ除去液の回収手段としてのシート状弾
性体 57 接触部材としての無端ベルト P 被印刷体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯崎 貴 東京都港区新橋2丁目20番15号 理想科学 工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷画像を形成する印刷インキに相溶せ
    ず印刷インキよりも表面張力が低い余剰インキ除去液が
    塗布されて回転駆動される接触部材と、 前記接触部材との間に印刷済みの被印刷体を挟んで搬送
    することにより被印刷体の印刷面を前記接触部材の余剰
    インキ除去液に接触させる対向部材と、 前記接触部材に余剰インキ除去液を供給する供給手段
    と、 前記接触部材に摺接し、余剰インキ除去液を掻き取るク
    リーニング手段と、 前記接触部材の外周面の接線に対して一端が0〜70度
    の角度で接し、他端が下方に傾斜して設けられたシート
    状の弾性体からなる余剰インキ回収手段と、を具備した
    ことを特徴とする印刷画像後処理装置。
  2. 【請求項2】 前記接触部材が、前記対向部材との間に
    印刷済みの被印刷体を挟む接触ローラである請求項1記
    載の印刷画像後処理装置。
  3. 【請求項3】 前記接触部材が、複数個のローラ間に掛
    け渡された無端ベルトである請求項1記載の印刷画像後
    処理装置。
  4. 【請求項4】 前記余剰インキ回収手段は、接触部材の
    回転方向に対しクリーニング手段より前方位置に設けら
    れている請求項1〜3のいずれかに記載の印刷画像後処
    理装置。
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