JPH08258244A - 印刷画像後処理装置 - Google Patents

印刷画像後処理装置

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JPH08258244A
JPH08258244A JP6611995A JP6611995A JPH08258244A JP H08258244 A JPH08258244 A JP H08258244A JP 6611995 A JP6611995 A JP 6611995A JP 6611995 A JP6611995 A JP 6611995A JP H08258244 A JPH08258244 A JP H08258244A
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JP6611995A
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English (en)
Inventor
Takashi Isozaki
貴 磯崎
Sadanao Okuda
貞直 奥田
Takahito Toshima
隆人 戸島
Ryuji Higa
隆二 比嘉
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Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】余剰インキ除去液を塗布した接触ローラ37と対
向ローラ39で印刷済みの被印刷体Pを搬送し、接触ロー
ラに余剰インキを転移させ、被印刷体の画像から余剰分
の印刷インキを取り除く。 【構成】供給ノズル47が接触ローラ37に余剰インキ除去
液を供給する。余剰インキ除去液は印刷インキに相溶せ
ず、表面張力が印刷インキの表面張力よりも低い。接触
ローラ37が被印刷体の印刷画像面に接触する。印刷イン
キの余剰分cは、被印刷体Pから接触ローラ37の余剰イ
ンキ除去液に転移し、ブレード45によって接触ローラ37
から除去される。接触ローラ37の表面の温度は25〜250
℃に保持されているので、接触ローラ37に転移する余剰
インキ量はほぼ一定となり、被印刷体からは余剰分の印
刷インキが殆ど取り除かれる。被印刷体である印刷用紙
等を手で擦っても印刷画像を崩すことがない。被印刷体
P上の余剰インキは接触ローラ37へ転移する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は孔版印刷等の印刷装置に
おいて使用される印刷画像後処理装置に関する。本発明
は、特に印刷物における裏移り、裏抜け対策として有効
である。
【0002】
【従来の技術】液体の印刷インキを使用する印刷におい
ては、印刷直後に被印刷体を重ねた場合に、印刷画像を
形成している印刷インキが一枚上の裏面に付着する裏移
りが発生したり、また印刷直後に印刷画像面が指先など
で軽く擦られただけで印刷画像が崩れる等の不都合が発
生したり、さらに印刷画像を形成している印刷インキが
被印刷体を通過して裏面に滲み出る裏抜けなどの問題が
発生することがある。
【0003】これらの問題は、被印刷体上に印刷画像を
形成する印刷インキの量、即ち着肉量が他の印刷に比し
て多い孔版印刷において特に顕著である。
【0004】従来、この裏移り、裏抜け等の発生を防止
するため、被印刷体に対する着肉量を印刷過程で低減す
る試みがなされている。しかしながら、着肉量の定量的
制御は難しく、着肉量を抑え過ぎると印刷画像の濃度低
下、かすれなどを生じ、印刷画像の品質を低下させる原
因になってしまう。
【0005】また、前述したような問題を回避する手段
として、印刷画像を形成する印刷インキを加熱乾燥する
ことも考えられるが、その場合には相当大きい発熱量を
有するヒーターを使用しなければならない。このように
ヒータ等の乾燥手段によって被印刷物を乾燥させる場合
には、印刷機の印刷速度が高速度化するほど乾燥手段に
課せられる条件は厳しくなる。実際には、裏移り、裏抜
け等の発生を防止する効果が得られるほどの高速で印刷
インキを乾燥させることはできない。
【0006】この他、印刷方式によっては、澱粉、タル
クなどの微粉を印刷画像面に塗布して裏移りを防止する
場合もある。しかしながら、このような微粉の塗布装置
は圧縮空気を使っており、かかる装置を備えた印刷装置
は相当大きな印刷装置となってしまう。
【0007】また印刷完了後の被印刷体を排紙トレイ、
ソータなどへ搬送する場合、印刷画像の保全のために、
被印刷体の印刷画像面には搬送ローラを当てることがで
きない。このため、従来は、被印刷体の裏面(非印刷画
像面)にのみ接触するベルトコンベア等の搬送機構によ
り被印刷体を搬送していた。この種の被印刷体搬送装置
は、例えば特開昭50−88769号公報に示されてい
る。
【0008】しかし、印刷画像面に接触せず、裏面のみ
に接触して被印刷体の搬送を行うと、PPCなどの複写
装置のように複写用紙を両面から挟んで強制的に搬送す
る場合に比べ、排紙トレイ、ソータなどの搬送先で紙揃
えに不良が生じる等、排紙性能が劣る。この傾向は、印
刷速度、換言すれば排紙速度の高速化に伴い顕著なもの
になっている。またこのような問題点は、印刷装置にお
ける排紙搬送路の経路設定の自由度を大きく低減させて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、印刷の
品位を向上させるために、被印刷体から余剰のインキを
除去する新規な装置を発明した。この装置は、余剰イン
キ除去液を周面に層状に塗布して回転する接触ローラ
と、接触ローラに対向して回転する対向ローラを有し、
接触ローラと対向ローラによって印刷済みの被印刷体を
挟持して搬送する。そして、被印刷体の印刷画像面上の
余剰分の印刷インキを、接触ローラの層状の余剰インキ
除去液に転移させ、この接触ローラ上の余剰のインキは
接触ローラに接触するブレード等のクリーニング手段に
よって除去する。
【0010】前記装置では、印刷インキと相溶せず、且
つ表面張力が印刷インキよりも低い液体を余剰インキ除
去液とし、これを接触ローラに層状に塗布して使用す
る。しかし、被印刷体上の余剰の印刷インキが接触ロー
ラに転移する転移率は、接触ローラの表面温度によって
変化するので、被印刷体から余剰の印刷インキを完全に
接触ローラに転移させて除去することは非常に困難であ
った。
【0011】本発明は、上述の如き従来の問題点に着目
し、本願発明者等の提案になる前述した余剰インキを除
去する装置の改良を目指したものであり、印刷された被
印刷体において裏移り・裏抜け等の発生を他の障害を誘
発することなく確実に回避し、印刷画像面の余剰分の印
刷インキを確実に取り除くことができる印刷画像後処理
装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された印
刷画像後処理装置は、印刷画像を形成する印刷インキに
相溶せず印刷インキよりも表面張力が低い余剰インキ除
去液が塗布されて回転駆動される接触部材と、前記接触
部材との間に印刷済みの被印刷体を挟んで搬送すること
により被印刷体の印刷面を前記接触部材の余剰インキ除
去液に接触させる対向部材と、前記接触部材に余剰イン
キ除去液を供給する供給手段と、前記余剰インキを余剰
インキ除去液と共に掻き取るクリーニング手段とを有す
る印刷画像後処理装置において、前記接触部材の表面温
度が25〜250℃以内の温度範囲に制御されているこ
とを特徴とする。
【0013】請求項2に記載された印刷画像後処理装置
は、請求項1記載の印刷画像後処理装置において、前記
接触部材が、複数個のローラ間に掛け渡された無端ベル
トであることを特徴としている。
【0014】請求項3に記載された印刷画像後処理装置
は、請求項1記載の印刷画像後処理装置において、前記
接触部材が、前記対向部材との間に印刷済みの被印刷体
を挟む接触ローラであることを特徴としている。
【0015】
【作用】接触部材の周面に付着した余剰インキ除去液
が、被印刷体の印刷画像面に接触する。印刷画像を形成
している印刷インキの余剰分が、接触部材の余剰インキ
除去液に転移し、被印刷体から除去される。余剰インキ
除去液層は、印刷画像を形成する印刷インキに相溶せ
ず、且つ表面張力が前記印刷インキよりも低い液体であ
る。このため余剰インキ除去液層に転移した余剰の印刷
インキは、余剰インキ除去液の表面に余剰インキ除去液
層とは物理的に分離した浮遊状態で存在する。接触部材
の表面から浮遊した状態にある余剰の印刷インキは、接
触部材の回転に伴い、接触部材の表面に接触するクリー
ニング手段によって余剰インキ除去液と共に接触部材か
ら除去される。この接触部材の表面温度が25〜250
℃の時には、接触部材に転移する余剰の印刷インキ量は
ほぼ一定となり、被印刷体上の余剰インキはほぼ完全に
接触部材に転移し、余剰分の印刷インキは被印刷体上に
は殆ど存在しなくなる。その結果、裏移り、裏抜けを低
減することができる。また、被印刷体上には、余剰分の
印刷インキが存在しないため、印刷直後、直ぐに手で触
っても擦れない印刷画像を提供できる。
【0016】
【実施例】図1及び図2を参照して第1実施例の孔版印
刷装置の構造を説明する。原稿画像読み取り部5はイメ
ージスキャナ3を有し、印刷すべき原稿の画像を読み取
る。製版部9は製版デバイス7を有し、原稿読み取り部
5が読み取った原稿画像データに応じて孔版印刷用原紙
Sに穿孔画像を形成する。
【0017】円筒状の印刷ドラム13の外周面には、製
版部9により穿孔された孔版印刷用原紙Sが巻き付けら
れる。印刷ドラム13の内部にはインキのスキージ装置
を含むインキ供給装置11があり、印刷ドラム13の内
周面にインキを供給する。印刷ドラム13の下方には上
下動するプレスローラ15がある。プレスローラ15
は、印刷ドラム13とプレスローラ15の間に供給され
る被印刷体Pを印刷ドラム13との間で挟持搬送し、被
印刷体Pに画像を形成させる。
【0018】給紙部23においては、給紙台17上の被
印刷体Pが紙捌きローラ19により1枚ずつ送りださ
れ、給紙タイミングローラ21によってプレスローラ1
5と印刷ドラム13の間に送りこまれる。
【0019】排紙部33においては、剥ぎ取り爪25が
被印刷体を印刷ドラム13から剥がす。剥ぎ取られた被
印刷体Pはベルトコンベア機構の搬送装置27によって
印刷画像後処理装置29に搬送される。印刷画像後処理
装置29は、被印刷体Pの印刷画像から余剰のインキを
除去する処理を行う。処理済みの被印刷体は排紙台31
に排出されて積み重ねられていく。
【0020】印刷が終了した孔版印刷用原紙Sは、排版
部35によって印刷ドラム13から剥ぎ取られて廃棄さ
れる。
【0021】上記の構成における印刷動作を説明する。
印刷ドラム13が不図示の駆動手段により自身の中心軸
線の周りに図中反時計廻り方向に回転駆動される。印刷
ドラム13の回転に同期した所定のタイミングで被印刷
体Pが給紙タイミングローラ21により図にて左方より
右方へ搬送され、印刷ドラム13とプレスローラ15と
の間に供給される。被印刷体Pは、印刷ドラム13の外
周面に巻き付けられている孔版原紙Sに対してプレスロ
ーラ15によって押し付けられ、孔版印刷が施される。
【0022】印刷済みの被印刷体Pは、剥ぎ取り爪25
により印刷ドラム13から剥ぎ取られ、印刷画像面を上
面にして排紙搬送装置27によって印刷画像後処理装置
29へ送られる。被印刷体Pは、印刷画像後処理装置2
9により印刷画像後処理作用を受けつつ排紙台31へ向
けて搬送され、排紙台31上に積み重ねられる。
【0023】次に、前記印刷画像後処理装置29の構成
と作用について説明する。図2に示す如く、印刷画像後
処理装置29は、印刷完了後の被印刷体Pの印刷画像面
(上面)に接触する接触部材としての接触ローラ37
と、接触ローラ37と対向配置された対向部材としての
対向ローラ39とを有する。接触ローラ37と対向ロー
ラ39は、各々軸41,43により互いに平行に且つ回
転可能に支持されている。対向ローラ39は、図示しな
い付勢手段としてのばねにより、図にて上方、即ち接触
ローラ37へ向けて付勢されている。接触ローラ37と
対向ローラ39の間に被印刷体Pがない場合には、接触
ローラ37と対向ローラ39は互いに接触する。
【0024】接触ローラ37の外周面37a(余剰イン
キ除去液塗布面)には、断面略矩形の板状の部材である
ブレード45が接している。ブレード45は、基端部を
板金部材の先端に固定されており、先端部が接触ローラ
37に接している。ブレード45は、接触ローラ37の
頂点の上方に傾斜した姿勢で設けられており、その先端
部の下側角部が、接触ローラ37の頂点よりも回転方手
前側において、接触ローラ37の外周面37aに接触し
ている。
【0025】ブレード45と接触ローラ37の接触位置
よりも回転方向手前側において、接触ローラ37の外周
面37aの上方には、余剰インキ除去液供給ノズル47
が設けられている。余剰インキ除去液供給ノズル47
は、余剰インキ除去液を前記接触ローラ37の外周面3
7aに供給する供給手段である。余剰インキ除去液は、
印刷画像を形成する印刷インキに相溶せず、表面張力が
印刷インキの表面張力よりも低い液体である。
【0026】前記余剰インキ除去液供給ノズル47が接
触ローラ37の外周面37aに余剰インキ除去液を供給
すれば、余剰インキ除去液は図示のように前記ブレード
45と接触ローラ37との間に溜まる。接触ローラ37
の回転に伴い、余剰インキ除去液は接触ローラ37とブ
レード45の間を通って接触ローラ37の表面に層を形
成する。この時、ブレード45は、接触ローラ37の外
周面37aに形成される余剰インキ除去液の液量を均一
とする作用を有する。さらに、ブレード45は接触ロー
ラ37の外周面37aの汚れを除去するクリーニング手
段としても作用する。
【0027】接触ローラ37の回転方向についてブレー
ド45の手前側には、余剰インキ除去液の回収手段とし
てシート状弾性体49が設けられている。シート状弾性
体49は所定の弾性を有する薄い板状の部材である。ブ
レード45と接触ローラ37の接触位置よりも接触ロー
ラ37の回転方向の手前側に位置する接点dにおいて、
シート状弾性体49の先端部は接触ローラ37の外周面
37aに接触している。さらに、シート状弾性体49
は、前記接点dにおける接触ローラ37の接線eよりも
接触ローラ37に近接した位置に配置され、その後端部
は先端部よりも低い位置にある。従って、シート状弾性
体49の先端部付近の一部分は接触ローラ37の外周面
37aに対して所定の長さを以て密着し、従って当該部
分のシート状弾性体49は接触ローラ37の外周面37
aの形状に倣って弾性変形している。
【0028】シート状弾性体49の後端部は、前記接点
dよりも下方に配置された余剰インキ除去液の受け皿部
材51に固定されている。シート状弾性体49の先端部
は自由端であり、上述したように接触ローラ37に接触
している。このように、シート状弾性体49は、自由端
である先端部が接触ローラ37に接触し、固定された後
端部が下方に位置するように傾斜して配置されている。
【0029】本実施例で使用される余剰インキ除去液
は、被印刷体Pの印刷画像面上に印刷画像を形成する印
刷インキと相溶せず、その表面張力が該印刷インキの表
面張力より低い液体である。この条件を満たす液体とし
ては、ジメチルシリコーンオイルと、フェニル、ポリエ
ーテル、フッ素、アミノ、エポキシ、カルボキシル、カ
ルビノール、メタクリル、メルカプト、フェノールなど
の変成シリコーンオイルが例示できる。
【0030】この他、界面活性剤や有機溶剤などを添加
した水溶液を余剰インキ除去液として使用することもで
きる。
【0031】水に添加する界面活性剤としては、アニオ
ン、カチオン、及び両性のイオン系、並びに非イオン系
の界面活性剤があり、この界面活性剤の添加量は余剰イ
ンキ除去液の表面張力が印刷インキの表面張力より低く
なるように決定される。
【0032】水に添加する有機溶剤は、水と相溶する有
機溶剤であり、これには、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、エチ
レングリコール、グリセリンなどがある。
【0033】また、余剰インキ除去液は、接触ローラ3
7の外周面37a上に均一に塗布され、その塗布厚は
0.0001〜1μm程度が好ましい。これを被印刷体
に対する塗布量に換算すれば、0.1〜100mg/B
4判程度となる。接触ローラ37に対する塗布厚さをこ
の程度にするには、前述した通り余剰インキ除去液の粘
度を50000cPより小さくしておく必要がある。
【0034】接触ローラ37、対向ローラ39、ブレー
ド45は余剰インキ除去液により膨潤などの変質を来す
ことがない材質のものにより構成する。余剰インキ除去
液の主成分が例えばシリコーンオイルである場合には、
接触ローラ37、対向ローラ39、ブレード45は、フ
ッ素系樹脂(ゴム)、フェニル変成シリコーン樹脂(ゴ
ム)、ウレタンゴムなどにより構成するのが好ましい。
【0035】余剰の印刷インキが印刷用紙Pから接触ロ
ーラ37に転移して印刷用紙Pから取り除かれる作用
は、接触ローラ37の表面温度によって影響を受ける。
そこで、本実施例の接触ローラ37の内部には、加熱手
段としての熱線ヒータ59が組み込まれている。熱線ヒ
ータ59によって設定される接触ローラ37の温度は、
以下に説明する余剰の印刷インキの除去(接触ローラ3
7への転移)に最適な温度範囲に保持される。
【0036】熱線ヒータ59によって設定される接触ロ
ーラ37の温度は、25〜250℃の範囲が好ましく、
更に好ましくは40℃〜100℃の範囲である。接触ロ
ーラ37の温度が25℃よりも低いと、接触ローラ37
に転移する余剰インキ量が少なくなり、余剰分の印刷イ
ンキが被印刷体の上に残ってしまう。接触ローラ37の
温度が250℃を越えると、被印刷体が紙である場合
に、カールが多く発生し、排紙できない場合がある。ま
た、250℃を越える温度に対して十分な耐熱性のある
接触ローラ37及び対向ローラ39の材料がなく、これ
らの部材に高温度による変形が発生する場合がある。図
4は、実施例の印刷画像後処理装置における接触ローラ
の表面温度と、被印刷体の余剰インキの除去率との関係
を示すグラフである。このグラフからわかるように、接
触ローラの表面の温度をある一定の温度以上に上げて
も、インキ除去率はそれ以上は高くならない。
【0037】この他、接触ローラ37を加熱(加温)す
る方法として、接触ローラ37とブレード45との摩擦
熱を利用してもよい。また、接触ローラ37の外周面付
近に熱源を設定してもよいし、対向ローラ39内に熱源
を設置してもよい。
【0038】次に、以上のように構成された印刷画像後
処理装置29の作用について説明する。印刷済みの被印
刷体Pが、接触ローラ37と対向ローラ39に挟まれて
搬送される。接触ローラ37の外周面37aに形成され
ている余剰インキ除去液皮膜aが、被印刷体Pの印刷画
像面に接触する。この接触により、被印刷体P上に印刷
画像を形成している印刷インキbのうち、余剰の印刷イ
ンキが、接触ローラ37の余剰インキ除去液皮膜aに転
移し、余剰の印刷インキが被印刷体Pより取り除かれ
る。接触ローラ37の表面は、余剰の印刷インキの転移
に好ましい25〜250℃の温度範囲に保たれているの
で、被印刷体P上の余剰の印刷インキは接触ローラに転
移し、被印刷体P上には余剰の印刷インキは残らない。
【0039】接触ローラ37の余剰インキ除去液皮膜a
に転移した印刷インキcは、接触ローラ37の回転に伴
い、シート状弾性体49と接触ローラ37の摺接部を通
過する。
【0040】本実施例において使用される余剰インキ除
去液は、印刷画像を形成する印刷インキbに対して相溶
せず、その表面張力が印刷インキcの表面張力よりも低
い液体である。従って余剰インキ除去液に転移した余剰
の印刷インキは、余剰インキ除去液の表面に余剰インキ
除去液とは物理的に分離した浮遊状態で存在する。
【0041】接触ローラ37上にある余剰の印刷インキ
cを含んだ余剰インキ除去液皮膜aは、ブレード45に
よって掻き取られる。即ち、接触部材の回転に伴い、余
剰の印刷インキは余剰インキ除去液と共にブレード45
によって接触ローラ37から除去される。余剰の印刷イ
ンキを含む余剰インキ除去液はブレード45によって接
触ローラ37から除去することができる。そして印刷イ
ンキcを含む余剰インキ除去液溜まり部fが、接触ロー
ラ37の回転方向についてブレード45の手前側に発生
する。
【0042】このブレード45を通過した後の接触ロー
ラ37の外周面37aには、印刷インキcを含まない余
剰インキ除去液皮膜aが再生される。接触ローラ37
は、この余剰インキ除去液皮膜aをもって被印刷体Pの
印刷画像面と再接触するから、被印刷体Pの印刷画像面
が接触ローラ37に転移した印刷インキcにより汚損さ
れることはない。
【0043】ブレード45と接触ローラ37の外周面3
7aとの接触位置が接触ローラ37の頂点より回転方向
手前側にあるため、前記余剰インキ除去液溜まり部fの
液量がある限度を越えると、接触ローラ37が回転して
いても、余剰インキ除去液溜まり部fの余剰インキ除去
液は自重によって接触ローラ37の回転方向とは逆方向
へ流れ始める。この余剰インキ除去液の流れはシート状
弾性体49の傾斜した上面に案内されて流れ、受け皿5
1内に落下して回収される。
【0044】このように、被印刷体Pは、接触ローラ3
7と対向ローラ39の間を通過することにより、上述の
如く印刷画像を形成している印刷インキbの余剰分は接
触ローラ37の外周面37aより確実に除去される。こ
れにより印刷済みの被印刷体における裏移り、裏抜けの
発生が抑制され、また排紙直後に印刷画像面が指先など
で擦られても印刷画像が崩れ難くなり、さらに印刷画像
を形成している印刷インキbの乾燥が速くなる。
【0045】次に、以上説明した実施例のさらに具体的
な態様である例1〜例3と、比較例1、2を説明する。 (例1)孔版印刷機(登録商標、リソグラフRA205
理想科学工業(株)製)に図2に示す前述した実施例の
装置を設定した。接触ローラにはアルミローラ表面上を
P.T.F.E.(4フッ化エチレン)による焼き付け
を行った後、研磨処理を行ったものを使用し、この接触
ローラの表面温度を45℃とした。
【0046】余剰インキ除去液としてはジメチルシリコ
ーンオイル(信越化学工業(株)製KF−96、粘度:
100(cps))を使用し、余剰インキ除去液塗布量
が1(mg/B4)となるよう、ドクターブレードの設
定条件を調整して孔版印刷を行った。
【0047】(例2)実施例1と同様の装置を用い、接
触ローラの表面温度を60℃とした以外は、実施例1と
同様に行った。
【0048】(例3)実施例1と同様の装置を用い、接
触ローラの表面温度を100℃とした以外は、実施例1
と同様に行った。
【0049】(比較例1)実施例1と同様の装置を用
い、接触ローラの表面温度を20℃とした以外は、実施
例1と同様に行った。
【0050】(比較例2)実施例1と同様の装置を用
い、接触ローラの表面温度を300℃とした以外は、実
施例1と同様に行った。
【0051】上記例1〜3及び比較例1、2における評
価は、図2に示す実施例の装置を通過させた後に、手で
擦って印刷画像が崩れるか否か(擦れ性)の評価と、実
施例の装置を通過させたことで印刷用紙にカールが生じ
るか否か(紙のカール性)で評価を行った。この評価結
果を表1に示す。
【0052】〔評価基準〕 ●印刷画像の崩れ(擦れ性) ○:本発明装置が通過させた後、印刷画像面を指で擦っ
ても印刷画像が崩れず、且つ指に印刷インキが殆ど付か
ない。 ×:本発明装置を通過させた後、印刷画像面を指で擦っ
たら印刷画像が崩れ、且つ指に印刷インキが付いた。 ●紙カール性 ○:紙カールが殆ど発生せず、排紙直後に丸まることも
なかった。 ×:紙にカールが発生し、排紙直後に丸まったり、円筒
状になった。
【0053】
【表1】
【0054】次に、本発明の他の実施例を図3を参照し
て説明する。図3に於いて、図2に対応する部分には図
2に付した符号と同一の符号を付してその説明を省略す
る。この実施例では、上下に隔置された二つのローラ5
3,55の間に、接触部材として可撓性の無端ベルト5
7が所定の張力を与えられて掛け渡されている。本実施
例によっても、前記実施例と略同様の効果を得ることが
できる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、被印刷体は対向部材に
よって接触部材に押しつけられ、その印刷画像面を接触
部材の表面の余剰インキ除去液に接触させる。この接触
により、被印刷体上で印刷画像を形成している印刷イン
キの余剰分が除去される。従って、印刷済みの被印刷体
における裏移り、裏抜けの発生が他の障害を誘発するこ
となく確実に回避され、また印刷直後に印刷画像面が指
先などで擦られても印刷画像が崩れ難くなる。
【0056】余剰インキ除去液は、印刷画像を形成する
印刷インキと相溶せず、且つ表面張力が印刷インキの表
面張力よりも低い液体であることから、余剰インキ除去
液層に転移した印刷インキは余剰インキ除去液層の表面
に余剰インキ除去液とは物理的に分離した浮遊状態で存
在する。このことから、接触ローラの周面に接して掻き
取り作用を行うブレードなどのクリーニング手段で余剰
インキ除去液に浮遊した余剰インキを取り除くことがで
きる。
【0057】また、接触部材の表面温度が25〜250
℃の範囲にあるため、接触部材に転移する余剰分の印刷
インキ量は、ほぼ一定となり、且つ、被印刷体上からは
余剰分の印刷インキが殆ど取り除かれ、被印刷体である
印刷用紙等を手で擦っても印刷画像を崩すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】図1における印刷画像後処理装置の拡大図であ
る。
【図3】本発明における印刷画像後処理装置の他の構成
例を示す図である。
【図4】本発明の実施例の印刷画像後処理装置における
接触ローラの表面温度と、被印刷体の余剰インキの除去
率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
29 印刷画像後処理装置 37 接触部材としての接触ローラ 39 対向部材としての対向ローラ 45 クリーニング手段としてのブレード 47 供給手段としての余剰インキ除去液供給ノズル 57 接触部材としての無端ベルト 59 加熱手段としての熱線ヒータ59 P 被印刷体
フロントページの続き (72)発明者 比嘉 隆二 東京都港区新橋2丁目20番15号 理想科学 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷画像を形成する印刷インキに相溶せ
    ず印刷インキよりも表面張力が低い余剰インキ除去液が
    塗布されて回転駆動される接触部材と、前記接触部材と
    の間に印刷済みの被印刷体を挟んで搬送することにより
    被印刷体の印刷面を前記接触部材の余剰インキ除去液に
    接触させる対向部材と、前記接触部材に余剰インキ除去
    液を供給する供給手段と、前記余剰インキを余剰インキ
    除去液と共に除去するクリーニング手段とを有する印刷
    画像後処理装置において、前記接触部材の表面温度が2
    5〜250℃以内の温度範囲に制御されていることを特
    徴とする印刷画像後処理装置。
  2. 【請求項2】 前記接触部材が、複数個のローラ間に掛
    け渡された無端ベルトである請求項1記載の印刷画像後
    処理装置。
  3. 【請求項3】 前記接触部材が、前記対向部材との間に
    印刷済みの被印刷体を挟む接触ローラである請求項1記
    載の印刷画像後処理装置。
JP6611995A 1995-03-24 1995-03-24 印刷画像後処理装置 Pending JPH08258244A (ja)

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