JPH08281909A - 印刷装置及び印刷画像後処理装置 - Google Patents

印刷装置及び印刷画像後処理装置

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JPH08281909A
JPH08281909A JP8389295A JP8389295A JPH08281909A JP H08281909 A JPH08281909 A JP H08281909A JP 8389295 A JP8389295 A JP 8389295A JP 8389295 A JP8389295 A JP 8389295A JP H08281909 A JPH08281909 A JP H08281909A
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JP8389295A
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English (en)
Inventor
Ryuji Higa
隆二 比嘉
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Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】接触ローラ37と対向ローラ39で印刷済みの被印
刷体Pを搬送し、接触ローラに余剰インキを転移させ、
被印刷体の画像から余剰分の印刷インキを取り除く装置
において、被印刷体の印字率に係わらず適切な余剰イン
キ除去を行う。 【構成】供給ノズル47が接触ローラ37に余剰インキ除去
液を供給する。余剰インキ除去液は印刷インキに相溶せ
ず、表面張力が印刷インキの表面張力よりも低い。接触
ローラ37の余剰インキ除去液が被印刷体の印刷画像面に
接触する。印刷インキの余剰分cは、被印刷体Pから接
触ローラ37の余剰インキ除去液に転移し、接触ローラ37
の回転に伴いブレード45によって接触ローラ37から除去
される。被印刷体の印字率が高い時は接触ローラの回転
速度を小さくして転移するインクの量を増やし、被印刷
体の印字率が低い時は接触ローラの回転速度を大きくし
て転移するインクの量を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は孔版印刷等の印刷装置に
おいて使用される印刷画像後処理装置に関する。本発明
は、特に印刷物における裏移り、裏抜け対策として有効
である。
【0002】
【従来の技術】液体の印刷インキを使用する印刷におい
ては、印刷直後に被印刷体を重ねた場合に、印刷画像を
形成している印刷インキが一枚上の裏面に付着する裏移
りが発生したり、また印刷直後に印刷画像面が指先など
で軽く擦られただけで印刷画像が崩れる等の不都合が発
生したり、さらに印刷画像を形成している印刷インキが
被印刷体を通過して裏面に滲み出る裏抜けなどの問題が
発生することがある。
【0003】これらの問題は、被印刷体上に印刷画像を
形成する印刷インキの量、即ち着肉量が他の印刷に比し
て多い孔版印刷において特に顕著である。
【0004】従来、この裏移り、裏抜け等の発生を防止
するため、被印刷体に対する着肉量を印刷過程で低減す
る試みがなされている。しかしながら、着肉量の定量的
制御は難しく、着肉量を抑え過ぎると印刷画像の濃度低
下、かすれなどを生じ、印刷画像の品質を低下させる原
因になってしまう。
【0005】また、前述したような問題を回避する手段
として、印刷画像を形成する印刷インキを加熱乾燥する
ことも考えられるが、その場合には相当大きい発熱量を
有するヒーターを使用しなければならない。このように
ヒータ等の乾燥手段によって被印刷物を乾燥させる場合
には、印刷機の印刷速度が高速度化するほど乾燥手段に
課せられる条件は厳しくなる。実際には、裏移り、裏抜
け等の発生を防止する効果が得られるほどの高速で印刷
インキを乾燥させることはできない。
【0006】この他、印刷方式によっては、澱粉、タル
クなどの微粉を印刷画像面に塗布して裏移りを防止する
場合もある。しかしながら、このような微粉の塗布装置
は圧縮空気を使っており、かかる装置を備えた印刷装置
は相当大きな印刷装置となってしまう。
【0007】また印刷完了後の被印刷体を排紙トレイ、
ソータなどへ搬送する場合、印刷画像の保全のために、
被印刷体の印刷画像面には搬送ローラを当てることがで
きない。このため、従来は、被印刷体の裏面(非印刷画
像面)にのみ接触するベルトコンベア等の搬送機構によ
り被印刷体を搬送していた。この種の被印刷体搬送装置
は、例えば特開昭50−88769号公報に示されてい
る。
【0008】しかし、印刷画像面に接触せず、裏面のみ
に接触して被印刷体の搬送を行うと、PPCなどの複写
装置のように複写用紙を両面から挟んで強制的に搬送す
る場合に比べ、排紙トレイ、ソータなどの搬送先で紙揃
えに不良が生じる等、排紙性能が劣る。この傾向は、印
刷速度、換言すれば排紙速度の高速化に伴い顕著なもの
になっている。またこのような問題点は、印刷装置にお
ける排紙搬送路の経路設定の自由度を大きく低減させて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、印刷の
品位を向上させるために、被印刷体から余剰のインキを
除去する新規な装置を発明した。この装置は、余剰イン
キ除去液を周面に層状に塗布して回転する接触ローラ
と、接触ローラに対向して回転する対向ローラを有し、
接触ローラと対向ローラによって印刷済みの被印刷体を
挟持して搬送する。そして、被印刷体の印刷画像面上の
余剰分の印刷インキを、接触ローラの層状の余剰インキ
除去液に転移させ、この接触ローラ上の余剰のインキは
接触ローラに接触するブレード等のクリーニング手段に
よって除去する。
【0010】しかしながら、被印刷体の余剰のインキ量
は被印刷体の種類や印字率等によって異なるので、被印
刷体に接触して余剰のインキを接触ローラに転移させる
前述した装置において、あらゆる種類乃至印字率の被印
刷体から余剰の印刷インキを適切に除去して完全に裏移
り等の問題を無くすことは実際には困難であった。
【0011】本発明は、上述の如き従来の問題点に着目
し、本願発明者等の提案になる前述した余剰インキを除
去する装置の改良を目指したものであり、印刷された被
印刷体において裏移り・裏抜け等の発生を他の障害を誘
発することなく確実に回避し、印刷画像面の余剰分の印
刷インキを確実に取り除くことができる印刷画像後処理
装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決する為の手段】請求項1に記載された印刷
画像後処理装置は、印刷画像を形成する印刷インキに相
溶せず印刷インキよりも表面張力が低い余剰インキ除去
液が塗布されて回転する接触部材と、前記接触部材との
間に挟まれて搬送される印刷済みの被印刷体の印刷面が
前記接触部材の余剰インキ除去液に接触するように前記
接触部材に対向配置されて回転する対向部材と、前記接
触部材と前記対向部材を駆動する駆動手段と、前記接触
部材に余剰インキ除去液を供給する供給手段と、前記余
剰インキを余剰インキ除去液と共に除去するクリーニン
グ手段と、被印刷体の印刷面の余剰インキが前記接触部
材に転移する量を制御するために前記駆動手段の駆動速
度を制御する制御手段とを有している。
【0013】請求項2に記載された印刷画像後処理装置
は、請求項1記載の印刷画像後処理装置において、前記
制御手段が、被印刷体の種類に応じて前記駆動手段の駆
動速度を制御することを特徴としている。
【0014】請求項3に記載された印刷画像後処理装置
は、請求項1記載の印刷画像後処理装置において、前記
制御手段が、被印刷体の印字率に応じて前記駆動手段の
駆動速度を制御することを特徴としている。
【0015】請求項4に記載された印刷装置は、まず被
印刷体に印刷を施す印刷機と、印刷済みの被印刷体の余
剰インキを除去する印刷画像後処理部とを有している。
印刷画像後処理部は、印刷画像を形成する印刷インキに
相溶せず印刷インキよりも表面張力が低い余剰インキ除
去液が塗布されて回転する接触部材と、前記接触部材と
の間に挟まれて搬送される印刷済みの被印刷体の印刷面
が前記接触部材の余剰インキ除去液に接触するように前
記接触部材に対向配置されて回転する対向部材と、前記
接触部材と前記対向部材を駆動する駆動手段と、前記接
触部材に余剰インキ除去液を供給する供給手段と、前記
余剰インキを余剰インキ除去液と共に除去するクリーニ
ング手段と、被印刷体の印刷面の余剰インキが前記接触
部材に転移する量を制御するために前記駆動手段の駆動
速度を制御する第1制御手段とを有している。さらに、
この印刷装置は、前記印刷画像後処理部の第1制御手段
による駆動手段の制御に応じて前記印刷機における印刷
の速度を制御する第2制御手段とを有している。
【0016】
【作用】接触部材の周面に付着した余剰インキ除去液
が、被印刷体の印刷画像面に接触する。印刷画像を形成
している印刷インキの余剰分が、接触部材の余剰インキ
除去液に転移し、被印刷体から除去される。余剰インキ
除去液は、印刷画像を形成する印刷インキに相溶せず、
且つ表面張力が前記印刷インキよりも低い液体である。
このため余剰インキ除去液に転移した余剰の印刷インキ
は、余剰インキ除去液の表面に余剰インキ除去液とは物
理的に分離した浮遊状態で存在する。接触部材の表面か
ら浮遊した状態にある余剰の印刷インキは、接触部材の
回転に伴い、接触部材の表面に接触するクリーニング手
段によって余剰インキ除去液と共に接触部材から除去さ
れる。ここで、被印刷体を挟持して搬送する接触部材と
対向部材の駆動速度を制御手段によって制御すれば、被
印刷体の印刷面の余剰インキが前記接触部材に転移する
量を制御することができる。
【0017】接触部材と対向部材による被印刷体の搬送
速度と、被印刷体から接触部材に転移する余剰インキの
量とは反比例する。また、接触部材と対向部材による被
印刷体の搬送速度が一定の場合、被印刷体から接触部材
に転移する余剰インキの量は、被印刷体の種類によって
定まる印刷インキの浸透速度や、被印刷体の印字率によ
って異なる。従って被印刷体の種類や印字率に応じて接
触部材の回転速度を変化させれば、接触部材に転移する
余剰の印刷インキ量を制御できるので、更に効果的な余
剰の印刷インキの除去が可能となる。
【0018】上述したような印刷画像後処理機能を有す
る印刷装置においては、被印刷体の種類や印字率に応じ
て制御される接触部材の駆動に対応し、印刷の速度を制
御して被印刷体が適切な速度で印刷画像後処理部に送ら
れるようにすることができる。
【0019】
【実施例】図1及び図2を参照して第1実施例の印刷装
置の構造を説明する。この印刷装置は、孔版式の印刷機
と、印刷機で印刷された被印刷体から余剰の印刷インキ
を除去する印刷画像後処理部である印刷画像後処理装置
29とを有している。
【0020】印刷機の原稿画像読み取り部5はイメージ
スキャナ3を有し、印刷すべき原稿の画像を読み取る。
製版部9は製版デバイス7を有し、原稿読み取り部5が
読み取った原稿画像データに応じて孔版印刷用原紙Sに
穿孔画像を形成する。
【0021】円筒状の印刷ドラム13の外周面には、製
版部9により穿孔された孔版印刷用原紙Sが巻き付けら
れる。印刷ドラム13の内部にはインクのスキージ装置
を含むインク供給装置11があり、印刷ドラム13の内
周面にインクを供給する。印刷ドラム13の下方には上
下動するプレスローラ15がある。プレスローラ15
は、印刷ドラム13とプレスローラ15の間に供給され
る被印刷体Pを印刷ドラム13との間で挟持搬送し、被
印刷体Pに画像を形成させる。
【0022】給紙部23においては、給紙台17上の被
印刷体Pが紙捌きローラ19により1枚ずつ送りださ
れ、給紙タイミングローラ21によってプレスローラ1
5と印刷ドラム13の間に送りこまれる。
【0023】排紙部33においては、剥ぎ取り爪25が
被印刷体を印刷ドラム13から剥がす。剥ぎ取られた被
印刷体Pはベルトコンベア機構の搬送装置27によって
印刷画像後処理装置29に搬送される。印刷画像後処理
装置29は、被印刷体Pの印刷画像から余剰のインクを
除去する処理を行う。処理済みの被印刷体は排紙台31
に排出されて積み重ねられていく。
【0024】印刷が終了した孔版印刷用原紙Sは、排版
部35によって印刷ドラム13から剥ぎ取られて廃棄さ
れる。
【0025】上記の構成における印刷動作を説明する。
印刷ドラム13が不図示の駆動手段により自身の中心軸
線の周りに図中反時計廻り方向に回転駆動される。印刷
ドラム13の回転に同期した所定のタイミングで被印刷
体Pが給紙タイミングローラ21により図にて左方より
右方へ搬送され、印刷ドラム13とプレスローラ15と
の間に供給される。被印刷体Pは、印刷ドラム13の外
周面に巻き付けられている孔版原紙Sに対してプレスロ
ーラ15によって押し付けられ、孔版印刷が施される。
【0026】印刷済みの被印刷体Pは、剥ぎ取り爪25
により印刷ドラム13から剥ぎ取られ、印刷画像面を上
面にして排紙搬送装置27によって印刷画像後処理装置
29へ送られる。被印刷体Pは、印刷画像後処理装置2
9により印刷画像後処理作用を受けつつ排紙台31へ向
けて搬送され、排紙台31上に積み重ねられる。
【0027】次に、前記印刷画像後処理装置29の構成
と作用について説明する。図2に示す如く、印刷画像後
処理装置29は、印刷完了後の被印刷体Pの印刷画像面
(上面)に接触する接触部材としての接触ローラ37
と、接触ローラ37と対向配置された対向部材としての
対向ローラ39とを有する。接触ローラ37と対向ロー
ラ39は、各々軸41,43により互いに平行に且つ回
転可能に支持されている。対向ローラ39は、図示しな
い付勢手段としてのばねにより、図にて上方、即ち接触
ローラ37へ向けて付勢されている。接触ローラ37と
対向ローラ39の間に被印刷体Pがない場合には、接触
ローラ37と対向ローラ39は互いに接触する。
【0028】接触ローラ37の外周面37a(余剰イン
キ除去液塗布面)には、断面略矩形の板状の部材である
ブレード45が接している。ブレード45は、基端部を
板金部材の先端に固定されており、先端部が接触ローラ
37に接している。ブレード45は、接触ローラ37の
頂点の上方に傾斜した姿勢で設けられており、その先端
部の下側角部が、接触ローラ37の頂点よりも回転方手
前側において、接触ローラ37の外周面37aに接触し
ている。
【0029】ブレード45と接触ローラ37の接触位置
よりも回転方向手前側において、接触ローラ37の外周
面37aの上方には、余剰インキ除去液供給ノズル47
が設けられている。余剰インキ除去液供給ノズル47
は、余剰インキ除去液を前記接触ローラ37の外周面3
7aに供給する供給手段である。余剰インキ除去液は、
印刷画像を形成する印刷インキに相溶せず、表面張力が
印刷インキの表面張力よりも低い。
【0030】前記余剰インキ除去液供給ノズル47が接
触ローラ37の外周面37aに余剰インキ除去液を供給
すれば、余剰インキ除去液は図示のように前記ブレード
45と接触ローラ37との間に溜まる。接触ローラ37
の回転に伴い、余剰インキ除去液は接触ローラ37とブ
レード45の間を通って接触ローラ37の表面に層を形
成する。この時、ブレード45は、接触ローラ37の外
周面37aに形成される余剰インキ除去液の液量を均一
とする作用を有する。さらに、ブレード45は接触ロー
ラ37の外周面37aの汚れを除去するクリーニング手
段としても作用する。
【0031】接触ローラ37の回転方向についてブレー
ド45の手前側には、余剰インキ除去液の回収手段とし
てシート状弾性体49が設けられている。シート状弾性
体49は所定の弾性を有する薄い板状の部材である。ブ
レード45と接触ローラ37の接触位置よりも接触ロー
ラ37の回転方向の手前側に位置する接点dにおいて、
シート状弾性体49の先端部は接触ローラ37の外周面
37aに接触している。さらに、シート状弾性体49
は、前記接点dにおける接触ローラ37の接線eよりも
接触ローラ37に近接した位置に配置され、その後端部
は先端部よりも低い位置にある。従って、シート状弾性
体49の先端部付近の一部分は接触ローラ37の外周面
37aに対して所定の長さを以て密着し、従って当該部
分のシート状弾性体49は接触ローラ37の外周面37
aの形状に倣って弾性変形している。
【0032】シート状弾性体49の後端部は、前記接点
dよりも下方に配置された余剰インキ除去液の受け皿部
材51に固定されている。シート状弾性体49の先端部
は自由端であり、上述したように接触ローラ37に接触
している。このように、シート状弾性体49は、自由端
である先端部が接触ローラ37に接触し、固定された後
端部が下方に位置するように傾斜して配置されている。
【0033】本実施例で使用される余剰インキ除去液
は、被印刷体Pの印刷画像面上に印刷画像を形成する印
刷インキと相溶せず、その表面張力が該印刷インキの表
面張力より低い液体である。この条件を満たす液体とし
ては、ジメチルシリコーンオイルと、フェニル、ポリエ
ーテル、フッ素、アミノ、エポキシ、カルボキシル、カ
ルビノール、メタクリル、メルカプト、フェノールなど
の変成シリコーンオイルが例示できる。
【0034】この他、界面活性剤や有機溶剤などを添加
した水溶液を余剰インキ除去液として使用することもで
きる。
【0035】水に添加する界面活性剤としては、アニオ
ン、カチオン、及び両性のイオン系、並びに非イオン系
の界面活性剤があり、この界面活性剤の添加量は余剰イ
ンキ除去液の表面張力が印刷インキの表面張力より低く
なるように決定される。
【0036】水に添加する有機溶剤は、水と相溶する有
機溶剤であり、これには、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、エチ
レングリコール、グリセリンなどがある。
【0037】また、余剰インキ除去液は、接触ローラ3
7の外周面37a上に均一に塗布され、その塗布厚は
0.0001〜1μm程度が好ましい。これを被印刷体
に対する塗布量に換算すれば、0.1〜100mg/B
4判程度となる。
【0038】接触ローラ37、対向ローラ39、ブレー
ド45は余剰インキ除去液により膨潤などの変質を来す
ことがない材質のものにより構成する。余剰インキ除去
液の主成分が例えばシリコーンオイルである場合には、
接触ローラ37、対向ローラ39、ブレード45は、フ
ッ素系樹脂(ゴム)、フェニル変成シリコーン樹脂(ゴ
ム)、ウレタンゴムなどにより構成するのが好ましい。
【0039】次に、前述した孔版式の印刷機と印刷画像
後処理装置29を制御するための制御手段等の構成につ
いて図3を参照して説明する。印刷機は制御手段として
のCPU100を有している。CPU100は、モータ
ドライバ104を介して印刷機の印刷ドラム13を駆動
するモータ105の駆動を制御する。
【0040】前記印刷機には、印刷機において印刷され
た被印刷体の印字率を読み取るスキャナ101が設けら
れており、該スキャナ101からの情報はCPU100
に入力される。RAM102には、印字率と接触ローラ
37の回転数と転移するインキの量との関係に関するデ
ータが格納され、ROM103には被印刷体の種類・大
きさ・印字率に応じて印刷画像後処理装置29の接触ロ
ーラの回転数を制御する手順が格納されている。CPU
100は、スキャナ101が読み取った被印刷体の印字
率に応じ、RAM102のデータを参照しながらROM
103の手順に従って、印刷画像後処理装置29の側に
接触ローラの回転数を制御するための信号を送る。
【0041】印刷画像後処理装置29は制御手段として
のCPU200を有している。CPU200は、モータ
ドライバ201を介して、モータ202の駆動を制御す
る。モータ202は、印刷画像後処理装置29の接触ロ
ーラ37又は対向ローラ39を駆動する駆動手段であ
る。
【0042】前記印刷画像後処理装置29には、送り込
まれてくる被印刷体の大きさを検知するセンサ203が
設けられており、該センサ203からの情報はCPU2
00に入力される。CPU200は、センサ203が検
知した被印刷体の大きさ乃至種類の情報と、前記CPU
100から供給される接触ローラの回転数を制御するた
めの情報に応じ、モータ202の回転数を制御する。
【0043】センサ203で被印刷体の大きさを読み取
る代わりに、入力手段で操作者が外部から必要な情報を
入力する構成としてもよい。また、図示しないが、本装
置には被印刷体の種類(例えば紙質の異なる印刷用紙の
種類)を設定する手段が設けられている。設定された被
印刷体の種類に応じてCPU200は印刷画像後処理装
置29の制御を行う。また、被印刷体の種類の設定は、
被印刷体の種類を検知するセンサで行ってもよい。
【0044】次に、以上のように構成された印刷画像後
処理装置29の作用について説明する。印刷済みの被印
刷体Pが、接触ローラ37と対向ローラ39に挟まれて
搬送される。接触ローラ37の外周面37aに形成され
ている余剰インキ除去液皮膜aが、被印刷体Pの印刷画
像面に接触する。この接触により、被印刷体P上に印刷
画像を形成している印刷インキbのうち、余剰の印刷イ
ンキが、接触ローラ37の余剰インキ除去液皮膜aに転
移し、余剰の印刷インキが被印刷体Pより取り除かれ
る。
【0045】接触ローラ37の余剰インキ除去液皮膜a
に転移した印刷インキcは、接触ローラ37の回転に伴
い、シート状弾性体49と接触ローラ37の摺接部を通
過する。
【0046】本実施例において使用される余剰インキ除
去液は、印刷画像を形成する印刷インキbに対して相溶
せず、その表面張力が印刷インキcの表面張力よりも低
い液体である。従って余剰インキ除去液に転移した余剰
の印刷インキは、余剰インキ除去液の表面に余剰インキ
除去液とは物理的に分離した浮遊状態で存在する。
【0047】接触ローラ37上にある余剰の印刷インキ
cを含んだ余剰インキ除去液皮膜aは、ブレード45に
よって掻き取られる。即ち、接触部材の回転に伴い、余
剰の印刷インキは余剰インキ除去液と共にブレード45
によって接触ローラ37から除去される。接触ローラ3
7の表面に付着した余剰インキ除去液の粘度は1〜50
000(cP)の範囲に設定されているので、余剰の印
刷インキを含む余剰インキ除去液はブレード45によっ
て完全に接触ローラ37から除去することができる。そ
して印刷インキcを含む余剰インキ除去液溜まり部f
が、接触ローラ37の回転方向についてブレード45の
手前側に発生する。
【0048】このブレード45を通過した後の接触ロー
ラ37の外周面37aには、印刷インキcを含まない余
剰インキ除去液皮膜aが再生される。接触ローラ37
は、この余剰インキ除去液皮膜aをもって被印刷体Pの
印刷画像面と再接触するから、被印刷体Pの印刷画像面
が接触ローラ37に転移した印刷インキcにより汚損さ
れることはない。
【0049】ブレード45と接触ローラ37の外周面3
7aとの接触位置が接触ローラ37の頂点より回転方向
手前側にあるため、前記余剰インキ除去液溜まり部fの
液量がある限度を越えると、接触ローラ37が回転して
いても、余剰インキ除去液溜まり部fの余剰インキ除去
液は自重によって接触ローラ37の回転方向とは逆方向
へ流れ始める。この余剰インキ除去液の流れはシート状
弾性体49の傾斜した上面に案内されて流れ、受け皿5
1内に落下して回収される。
【0050】このように、被印刷体Pは、接触ローラ3
7と対向ローラ39の間を通過することにより、上述の
如く印刷画像を形成している印刷インキbの余剰分は接
触ローラ37の外周面37aより確実に除去される。こ
れにより印刷済みの被印刷体における裏移り、裏抜けの
発生が抑制され、また排紙直後に印刷画像面が指先など
で擦られても印刷画像が崩れ難くなり、さらに印刷画像
を形成している印刷インキbの乾燥が速くなる。
【0051】図4に示すように、上述した印刷画像後処
理装置29の作用において、接触ローラ37の回転速度
と接触ローラ37に転移する余剰分の印刷インキの量と
は反比例の関係にある。即ち、接触ローラ37の回転数
を大きくして被印刷体を早く搬送すると、転移するイン
キの量が少なく、接触ローラ37の回転数を小さくして
被印刷体を遅く搬送すると、転移するインキの量が多く
なる。
【0052】この関係を利用し、本実施例の印刷装置に
おいては、被印刷体の種類・大きさ・印字率に応じて接
触ローラ37の回転数を制御し、常に適当な量のインキ
が被印刷体から除去されるようになっている。また、接
触ローラ37の回転数が小さくなって印刷の後処理の速
度が遅くなった場合には、印刷機の印刷速度を遅くして
被印刷体が印刷画像後処理装置29に送りこまれてくる
速度を小さくしている。
【0053】即ち、図3に示したCPU100,200
が所定の手順に従って本印刷装置を制御する。操作者の
入力により、被印刷体の種類が定められ、印刷が開始さ
れる。被印刷体の種類ごとに用意されている図5に示す
ような速度制御の手順がROM103から選択され、印
刷機と印刷画像後処理装置29の速度制御が開始され
る。(S1)まず、印刷された被印刷体が印刷画像後処
理装置29に送り込まれると、センサ203が被印刷体
の大きさを検知する。本実施例では、S2に示すように
葉書よりも大きいか小さいかが判断される。
【0054】葉書よりも大きい場合には、S3に示すよ
うに、印字率が30%を越えるか否かが判断される。印
字率が30%を越える場合には、S4に示すように印刷
機の速度を低速にして被印刷体が印刷画像後処理装置2
9に送り込まれてくる速度を小さくし、S5に示すよう
に印刷画像後処理装置29の速度も低速にする。即ち、
接触ローラ37の回転速度を遅くして、印字率の高い被
印刷体から十分な量の余剰インキが接触ローラ37側に
転移するようにする。
【0055】S3において印字率が30%を下回ると判
断された場合には、S6に示すように印刷機の速度を中
速とし、S7に示すように印刷画像後処理装置29の速
度を高速にする。即ち、被印刷体の印字率が低いので、
接触ローラ37の回転速度を速くしても余剰インキの転
移は適切に行われ、比較的早い速度で印刷しても印刷画
像の後処理が滞ることはない。
【0056】S2において、被印刷体が葉書よりも小さ
いと判断された場合には、S8に示すように印刷機側の
速度制御は行わない。本実施例では、被印刷体が葉書よ
りも小さい場合には、印刷速度が速くても印刷画像後処
理装置29はこれに対応して後処理を行うことができ
る。
【0057】S9に示すように、印字率が30%を越え
るか否かが判断される。印字率が30%を越える場合に
は、S10に示すように印刷画像後処理装置29の速度
を低速にする。即ち、接触ローラ37の回転速度を遅く
して、印字率の高い被印刷体から十分な量の余剰インキ
が接触ローラ37側に転移するようにする。
【0058】S9において印字率が30%を下回ると判
断された場合には、S11に示すように印刷画像後処理
装置29の速度を高速にする。即ち、被印刷体の印字率
が低いので、接触ローラ37の回転速度を速くしても余
剰インキの転移は適切に行われる。
【0059】次に、本発明の他の実施例を図6を参照し
て説明する。図6に於いて、図2に対応する部分には図
2に付した符号と同一の符号を付してその説明を省略す
る。この実施例では、上下に隔置された二つのローラ5
3,55の間に、接触部材として可撓性の無端ベルト5
7が所定の張力を与えられて掛け渡されている。本実施
例における印刷機の構成、印刷機と印刷画像後処理装置
の関係、制御手段等の構成と機能は前記実施例と同様で
ある。本実施例によっても、前記実施例と略同様の効果
を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、被印刷体は対向部材に
よって接触部材に押しつけられ、その印刷画像面を接触
部材の表面の余剰インキ除去液に接触させる。この接触
により、被印刷体上で印刷画像を形成している印刷イン
キの余剰分が確実に除去される。従って、印刷済みの被
印刷体における裏移り、裏抜けの発生が他の障害を誘発
することなく確実に回避され、また印刷直後に印刷画像
面が指先などで擦られても印刷画像が崩れ難くなる。
【0061】余剰インキ除去液は、印刷画像を形成する
印刷インキと相溶せず、且つ表面張力が印刷インキの表
面張力よりも低い液体であることから、余剰インキ除去
液層に転移した印刷インキは余剰インキ除去液層の表面
に余剰インキ除去液とは物理的に分離した浮遊状態で存
在する。このことから、接触ローラの周面に接して掻き
取り作用を行うブレードなどのクリーニング手段で余剰
インキ除去液に浮遊した余剰インキを取り除くことがで
きる。接触部材の表面には、印刷インキを含まない洗浄
された接触ローラが再生される。
【0062】また、被印刷体が異なる場合や、被印刷体
の印字率が異なる場合には、接触部材に転移する被印刷
体上の余剰分の印刷インキ量も異なるが、これらの因子
に応じて接触部材の駆動速度を制御することにより接触
部材に転移する余剰分の印刷インキ量を調節することが
できるので、余剰分の印刷インキの除去が一層的確に行
われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の印刷装置の概略構成図。
【図2】一実施例の印刷装置における印刷画像後処理装
置の概略構成図。
【図3】印刷画像後処理装置におけ制御手段のブロック
図。
【図4】接触ローラの回転速度と接触ローラに転移する
余剰分の印刷インキ量との関係を示すグラフ。
【図5】本装置における印刷画像後処理装置と印刷機の
速度制御のフローチャート。
【図6】印刷画像後処理装置の他の実施例を示す概略構
成図。
【符号の説明】
29 印刷画像後処理装置 37 接触部材としての接触ローラ 39 対向部材としての対向ローラ 45 クリーニング手段としてのブレード 47 供給手段としての余剰インキ除去液供給ノズル 57 接触部材としての無端ベルト 100,200 制御手段 P 被印刷体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷画像を形成する印刷インキに相溶せ
    ず印刷インキよりも表面張力が低い余剰インキ除去液が
    塗布されて回転する接触部材と、前記接触部材との間に
    挟まれて搬送される印刷済みの被印刷体の印刷面が前記
    接触部材の余剰インキ除去液に接触するように前記接触
    部材に対向配置されて回転する対向部材と、前記接触部
    材と前記対向部材を駆動する駆動手段と、前記接触部材
    に余剰インキ除去液を供給する供給手段と、前記余剰イ
    ンキを余剰インキ除去液と共に除去するクリーニング手
    段と、被印刷体の印刷面の余剰インキが前記接触部材に
    転移する量を制御するために前記駆動手段の駆動速度を
    制御する制御手段とを有する印刷画像後処理装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段が、被印刷体の種類に応じ
    て前記駆動手段の駆動速度を制御する請求項1記載の印
    刷画像後処理装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段が、被印刷体の印字率に応
    じて前記駆動手段の駆動速度を制御する請求項1記載の
    印刷画像後処理装置。
  4. 【請求項4】 被印刷体に印刷を施す印刷機と、 印刷画像を形成する印刷インキに相溶せず印刷インキよ
    りも表面張力が低い余剰インキ除去液が塗布されて回転
    する接触部材と、前記接触部材との間に挟まれて搬送さ
    れる印刷済みの被印刷体の印刷面が前記接触部材の余剰
    インキ除去液に接触するように前記接触部材に対向配置
    されて回転する対向部材と、前記接触部材と前記対向部
    材を駆動する駆動手段と、前記接触部材に余剰インキ除
    去液を供給する供給手段と、前記余剰インキを余剰イン
    キ除去液と共に除去するクリーニング手段と、被印刷体
    の印刷面の余剰インキが前記接触部材に転移する量を制
    御するために前記駆動手段の駆動速度を制御する第1制
    御手段とを有する印刷画像後処理部と、 前記印刷画像後処理部の第1制御手段による駆動手段の
    制御に応じて前記印刷機における印刷の速度を制御する
    第2制御手段とを有することを特徴とする印刷装置。
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