JPH08267480A - 表皮層を有する樹脂製品の吸着装置 - Google Patents

表皮層を有する樹脂製品の吸着装置

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JPH08267480A
JPH08267480A JP7367095A JP7367095A JPH08267480A JP H08267480 A JPH08267480 A JP H08267480A JP 7367095 A JP7367095 A JP 7367095A JP 7367095 A JP7367095 A JP 7367095A JP H08267480 A JPH08267480 A JP H08267480A
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Yasuo Mori
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表皮層のセット時に表皮層をセットする側の金
型内に大流量の吸着エアーを使用し、表皮層を確実に金
型に対して固定する。 【構成】所定形状にすることにより得られた表皮層5に
対して、クッション層8をセットし、このクッション層
8を接合させた表皮層5を金型装置11の摺動コア15
の成形面15aに当接させた状態でセットする。このと
き、摺動コア15は待機位置に位置しており、エア通過
溝27は凹部26と連通されるとともに、成形面12a
側のポット20に開放され、第2の分岐路24を介して
エア吸入通路22と連通され、真空ポンプが作動中であ
る。従って、表皮層5裏面のキャビティ形成面に対し開
放されるため、エア吸入通路22は開放され、大容量の
エアが吸引されている。この結果、表皮層5は吸引によ
り発生した負圧により、摺動コア15に対して吸着固定
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車に装着さ
れるコンソールボックスの蓋(コンソールリッド)、ド
アトリム等の表皮層を有する樹脂製品の吸着装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の表皮層を有する樹脂製品
としては、例えば上述したようにコンソールリッド、ド
アトリム等の自動車用樹脂製品が挙げられる。コンソー
ルリッドを例にとった場合、当該コンソールリッドは、
箱体状の基材と、同基材上に装着されてなる表皮層とを
有している。基材は、例えばフィラーの混入されたポリ
プロピレン(PPF)等の硬質樹脂材料によって形成さ
れている。一方、表皮層は、ポリ塩化ビニル(PVC)
製の外層と、当該外層の内側に取着されてなる発泡ポリ
プロピレン製の内層とから構成されている。
【0003】このように、コンソールリッド等の表皮層
を有する樹脂製品の製造方法としては種々の技術が提案
されている(特開平2−223415号公報、特開平4
−255312号公報等)。
【0004】この製造方法を図7及び図8に従って説明
する。図7は型開きした金型装置であって、固定型及び
第2スライドコアの切断断面図、図8は同じ金型装置を
型締めした状態であって、他の部位にて切断した断面図
である。この金型装置55は、図8に示すように、固定
型51、可動型52、第1スライドコア53及び第2ス
ライドコア54により構成されている。なお、前記固定
型51には真空ポンプに接続されたエア吸入用の吸入孔
51aが形成され、同吸入孔51aは固定型51の成形
面51bに対して開口されている。同開口部には通気性
を有する焼結金属製の蓋51cが嵌入されている。
【0005】まず、図7に示すように第2スライドコア
54の成形面に予めシート剤がトリミングされてなる上
記の表皮層56をセットする。このセット時に表皮層5
6のアンダーカット部56aを第2スライドコア54に
設けた係止溝54aに係止するとともに、前記吸入孔5
1aを介して真空引きをすることにより、表皮層56を
第2スライドコア53に取付けする。この後、可動型5
2、第1スライドコア53を図8に示すように移動し、
固定型51及び第2スライドコア54によって形成され
たポット57内に、可塑化されたPPFをゲート58よ
り注入する。次に、図8に示すように、可動型52、第
1スライドコア53及び第2スライドコア54を図の矢
印方向に移動させる。すると、ポット57内に貯留され
ていたPPFがキャビティ59に充填されるとともに、
PPFと表皮層56とが熱融着により接合する。その
後、PPFが冷却固化することにより基材59が形成さ
れ、基材59及び表皮層56が一体となった成形品を金
型装置55から取出すことによりコンソールリッド(樹
脂製品)60が得られる。
【0006】このようにして得られたコンソールリッド
60によれば、基材59によりその剛性が確保される。
また、表皮層56の外層により意匠性が確保されるとと
もに、内層によりクッション性が確保され、触感の向上
が図られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、表皮層56
のアンダーカット56aは充分に形成できないため、表
皮層56を第2スライドコアにセットする際、金型に対
する固定保持が不安定となり、表皮層セット不良が発生
する問題があった。すなわち、上記のように表皮層56
をセットする際、吸入孔51aを介して真空引きをする
ことにより、表皮層56を第2スライドコア53に取付
けをしているが、吸入孔51aの開口に設けた蓋51c
は通気性はあるものの、その吸着負圧流量は非常に小さ
く、充分な金型固定保持ができないためである。この通
気性の蓋51cを設ける理由は、型締後、ゲート57よ
り注入したPPFの吸入孔51aへの侵入を防止するた
めである。
【0008】又、例えばコンソールリッドの場合、前記
表皮層56内にクッション材を配置した状態で、上記と
同様にPPFを表皮層56の裏面側に冷却固化する場合
もある。この場合は、セット時に前記クッション材が第
2スライドコア53に弾性的に当接するため、表皮層5
6のアンダーカット部56aを第2スライドコア54に
設けた係止溝54aに係止しても、前記弾性により、表
皮層56の第2スライドコア54に対する係止がさらに
困難である。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、表皮層のセット時に表
皮層をセットする側の金型内に大流量の吸着エアーを使
用することができ、そのことによって表皮層を確実に金
型に対して固定することができる表皮層を有する樹脂製
品の吸着装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、上壁と、同上壁
から屈曲して延びる側壁を有し、表面に表皮層を有する
樹脂成形品を成形すべく、成形品裏面のキャビティ形成
面を有する下型と、成形品表面のキャビティ形成面を有
する上型と、及び側壁端面キャビティ形成面を有するス
ライドコアとからキャビティを形成する金型装置であっ
て、前記下型は、第1の下型部材と、同第1の下型部材
に対して待機位置と作動位置との間においてスライド可
能に設けられた前記第2の下型部材とを含み、前記いず
れかの下型部材には、エア吸入駆動源に連結されるエア
吸入通路が設けられ、同エア吸入通路の開口は第2の下
型部材の待機位置においては、開放され、第2の下型部
材の作動位置では閉鎖される位置に形成されたことを特
徴とする表皮層を有する樹脂製品の吸着装置をその要旨
としている。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、開口は第1の開口部と、第2の開口部とにより構成
され、前記吸入通路は第1の下型部材に形成されるとと
もに、第1の開口部は前記第1の下型部材のスライド側
面に設けられたものであり、第2の開口部は第2の下型
部材のスライド面に設けられ、両開口部は互いに対向す
るように配置され、第2の開口部は、第2の下型部材の
待機位置においては、成形品裏面のキャビティ形成面に
対し開放され、第2の下型部材の作動位置においては、
第1の下型部材により閉鎖されることをその要旨として
いる。
【0012】
【作用】上記請求項1に記載の発明によれば、第2の下
型部材を待機位置に位置させた状態で、エア駆動源を駆
動して吸入通路を介して真空引きをする。この状態で
は、吸入通路の開口は開放されているため、大容量のエ
アが吸引されている。この状態で表皮層を下型にセット
すると、表皮層は吸引により発生した負圧により、下型
に対して吸着固定される。この状態で、下型から樹脂を
表皮層に対して射出し、上型等の他の型を型締めする。
このとき、第2の下型部材も作動位置に移動する。第2
の下型部材が作動位置に位置すると、開口が閉鎖、すな
わち、吸入通路が閉鎖され、表皮層の吸着が解除され
る。
【0013】請求項2の発明によれば、第2の下型部材
を待機位置に位置させた状態では、第2の開口部は、成
形品裏面のキャビティ形成面に対し開放され、吸入通路
は開放されているため、大容量のエアが吸引される。そ
して、型締時において、第2の下型部材の作動位置に移
動するため、第2の開口は第1の下型部材により閉鎖さ
れる。このため、表皮層の吸着が解除される。
【0014】
【実施例】以下、本発明を樹脂製品としてのコンソール
ボックス用の蓋(コンソールリッド)1に具体化した一
実施例を図1〜6に基づいて説明する。
【0015】図2は、本実施例におけるコンソールボッ
クス2の配置状態を示す斜視図であり、図1はコンソー
ルリッド1の主要部分を示す一部破断斜視図である。こ
れらの図に示すように、コンソールボックス2は車両室
内における運転席と助手席との間に配設されている。コ
ンソールボックス2は箱状のボックス本体3と、その上
部において所定のヒンジ部を中心に開閉可能に配設され
たコンソールリッド1とを備えている。
【0016】コンソールリッド1は、上壁4aと、上壁
4aから屈曲して延びる側壁4bを有する箱状の基材4
と、基材4を被覆する表皮層5とを備えている。基材4
は、フィラーの混入されたポリプロピレン(PPF)よ
りなり、所定の剛性が確保されている。また、表皮層5
はポリ塩化ビニル(PVC)製で、表面においてシボ加
工の施された外層6と、当該外層6の内側に取着されて
なる発泡ポリプロピレン製の内層7とから構成されてい
る。これらは互いに接着されているとともに、全体とし
て均一の肉厚を有し、その肉厚は比較的小さいものとな
っている。また、内層7を構成する発泡ポリプロピレン
は、基材4を構成するPPFと良好な熱融着性(接着
性)を有している。
【0017】なお、図1では、表皮層5の端縁部分は、
基材4の端縁部分からさらに下方へ延出した状態となっ
ているが、実際の組付時、使用時においては、この表皮
層5の端縁部分は、内側に折り曲げられる。そして、基
材4内側に一体形成されたリブ(図示せず)等に係合さ
れ、さらにインナ基材(図示せず)とよばれる部材が後
に基材4に嵌め込まれることにより、表皮層5の端縁部
分が固定される。その結果、外観品質の向上が図られる
ようになっている。
【0018】さて、本実施例において、前記基材4の上
壁4aと、それに対応する表皮層5との間には、発泡ポ
リウレタンよりなるクッション層8が設けられている。
このクッション層8は、例えば断面略蒲鉾状をなし、端
部側ほどその肉厚は小さいものとなっている。すなわ
ち、このコンソールリッド1には運転者等の肘が掛けら
れる場合があるが、クッション層8においては、かかる
場合に最も肘等が当たりやすい部分が最も厚肉となって
いる。
【0019】次に、上記のように構成されてなるコンソ
ールリッド1を製造するに際し使用される金型装置11
について説明する。図3は型開きした金型装置であっ
て、固定型及び摺動コアの切断断面図、図4乃至6は同
じ金型装置であって、他の部位にて切断した断面図であ
る。
【0020】図3に示すように、金型装置11は、固定
型12、可動型13、スライドコア14及び摺動コア1
5によって構成されている。可動型13、スライドコア
14及び摺動コア15は、それぞれ図示しない油圧シリ
ンダ及びロッド等によって図の左右方向に移動可能とな
っている。
【0021】前記固定型12が第1の下型部材を構成
し、摺動コア15が第2の下型部材を構成し、両部材に
て下型が構成されている。又、可動型13が上型を構成
している。
【0022】本実施例では、可動型13及びスライドコ
ア14の成形面13a,14aによってコンソールリッ
ド1の表面側を形成するようになっている。これに対
し、摺動コア15及び固定型12の成形面15a,12
a(より詳しくは後述する突出部18の先端面)によっ
てコンソールリッド1の裏面側を形成するようになって
いる。基本的には、これら各成形面12a,13a,1
4a,15aによってキャビティ16(図4参照)が形
成されている。摺動コア15には、表皮層5の側壁を係
止するための係止溝15bが形成されている。また、摺
動コア15のほぼ中央部には、透孔17が形成され、固
定型12には突出部18が一体的に形成されている。そ
して、透孔17内には突出部18が摺動可能に配設され
ている。さらに、固定型12、特に突出部18には、前
記キャビティ16内へ開口するゲート19が設けられて
いる(図4参照)。このゲート19は、後記するエア通
過溝27とは接近しない位置に設けられている。すなわ
ち、ゲート19から注入された所定量の樹脂がポット2
0内に貯溜されても、この樹脂がエア通過溝27に侵入
しない位置とされている。
【0023】又、前記突出部18を含む固定型12には
エア吸入通路22が形成され、その基端は図示しない真
空ポンプに連通されている。又、エア吸入通路22の先
端部は突出部18において第1の分岐路23及び第2の
分岐路24とに分岐され、第1の分岐路23はさらに分
岐されて成形面12a側において外部と連通されてい
る。そして、その連通部分23aにおいて、通気性を有
する焼結金属製の蓋25が嵌入されている。前記連通部
分23aが補助吸入路とされている。
【0024】さらに、第2の分岐路24は突出部18の
摺動コア15に対するスライド面にて開放されている。
同突出部18のスライド面において、第2の分岐路24
に対応して第1の開口部としての凹部26が形成されて
いる。又、同凹部26に対応した摺動コア15のスライ
ド面にはスライド方向に沿ってエア通過溝27が形成さ
れている。この実施例では、エア通過溝27の断面積
(スライド方向に対して直交する断面)約100mm2
されている。同エア通過溝27は本発明の第2の開口部
を構成している。前記エア通過溝27は摺動コア15の
待機位置(図3に示す位置)と作動位置(図5に示す位
置)の間の移動中においても凹部26と連通され、すな
わち、第2の分岐路24を介してエア吸入通路22と連
通されている。又、前記エア通過溝27は摺動コア15
の作動位置(図5に示す位置)に位置する直前、すなわ
ち、突出部18の先端がエア通過溝27の左端(図3に
おいて左方)に達するまでは、ポット20に連通されて
いる。そして、突出部18の先端がエア通過溝27の左
端(図3において左方)を越えた時に同突出部18にて
溝27はポット20と隔離されるべく閉塞されるように
なっている。
【0025】次に、上記のコンソールリッド1の製造方
法について説明する。まず、外層6及び内層7が一体的
にシート状となっているものをトリミングし、所定形状
にすることにより得られた表皮層5に対して、クッショ
ン層8をセットしておく。このクッション層8はこの実
施例では両面テープや所定の接着剤等により、表皮層5
の内層6にクッション層8を接合させている。このクッ
ション層8を接合させた表皮層5を金型装置11の摺動
コア15の成形面15aに当接させた状態でセットす
る。このとき、摺動コア15は待機位置に位置してお
り、この状態では、エア通過溝27は凹部26と連通さ
れるとともに、成形面12a側のポット20に開放さ
れ、第2の分岐路24を介してエア吸入通路22と連通
され、図示しない真空ポンプが作動中である。従って、
表皮層5裏面のキャビティ形成面に対し開放され、エア
吸入通路22は開放されているため、大容量のエアが吸
引されている。この結果、表皮層5は吸引により発生し
た負圧により、摺動コア15に対して吸着固定される。
【0026】この後、可動型13、スライドコア14を
図4に示すように移動し、固定型12及び摺動コア15
との間に所定の隙間を設けた状態で、可動型13及びス
ライドコア14を摺動コア15に当接させる。すると、
基材4の形状をなすキャビティ16が形成される。そし
て、ゲート19より、基材4を構成するための可塑化さ
れたPPFを所定量だけ注入する。このとき、固定型1
2及び摺動コア15との間に所定の隙間が形成されてい
ることにより、摺動コア15の透孔17と固定型12の
突出部18とによって所定容量を有するポット20が形
成されている。このため、注入されたPPFは、ポット
20内に貯留される。なお、ゲート19から注入された
所定量の樹脂がポット20内に貯溜されても、エア通過
溝27がゲート19から離間しているため、この樹脂が
エア通過溝27に侵入することはない。
【0027】次に、図5に示すように、可動型13、ス
ライドコア14及び摺動コア15を図の右方、すなわ
ち、固定型12の方へ移動させる。この移動する際に、
突出部18の先端がエア通過溝27の左端(図3におい
て左方)を越えると、同突出部18にて溝27はポット
20と隔離されるべく閉塞されるため、エア吸着が解除
される。さらに、移動すると、同図に示すように、ポッ
ト20が消滅するとともに、それまでポット20内にあ
ったPPFが突出部18によってキャビティ16内に押
し出される。この押出時において、ポット20内が樹脂
に充満するときは、エア通過溝27は既に閉塞されてい
るため、エア通過溝27に樹脂が流れ込むことはない。
【0028】そして、PPFはキャビティ16内を端部
の方へ向かって流動するとともに、やがてキャビティ1
6内に完全に充填される。このとき、両側のクッション
層8の存在しない部分においては、PPFから伝達され
る熱等によりPPFと表皮層5の内層7を構成する発泡
ポリプロピレンとが強固に熱融着する。このため、クッ
ション層8は、自身の周囲が固定されることにより、ず
れたりするのが抑制される。また、クッション層8は、
比較的高融点の発泡ポリウレタンにより構成されている
ため、PPFからの熱によって溶融することがない。従
って、クッション層8が熱により損傷されることによっ
て表皮層5に何らかの影響が及ぶのを確実に回避するこ
とができる。
【0029】その後、PPFが冷却固化することによ
り、基材4が形成されるとともに、その後、図6に示す
ように、型開きして、表皮層5、クッション層8及び基
材4の一体化したものを金型装置11から取り出すこと
により、コンソールリッド1が得られる。この離型に際
して、それまでPPFの注入圧により若干圧縮されてい
たクッション層8が膨張し、元の状態に復元する。そし
て、このようにして得られたコンソールリッド1におい
ては、後に、上述したように、表皮層5の端縁部分が内
側に折り曲げられ、係合固定されて使用に供される。
【0030】以上説明したように、本実施例によれば、
エア通過溝27をゲート19から注入された所定量の樹
脂がポット20内に貯溜されても、エア通過溝27がゲ
ート19から離間しているため、この樹脂がエア通過溝
27に侵入することはない。
【0031】又、この実施例では第1の分岐路23及び
第2の分岐路24においてもエアを吸入するため、より
多量の吸気負圧を得ることができる。なお、本発明は上
記実施例に限定されず、例えば次の如く構成してもよ
い。
【0032】(1)前記実施例では、いわゆるスタンピ
ング成形法に類似した成形法により基材4を成形するよ
うにしたが、その外にも、射出成形法により成形するよ
うにしてもよい。
【0033】(2)前記実施例では、クッション層8を
発泡ポリウレタンにより形成するようにしたが、その他
の軟質材、例えば発泡ゴム等により構成するようにして
もよい。
【0034】(3)前記実施例では、樹脂製品としてコ
ンソールリッド1に具体化したが、その外の樹脂製品、
例えば、ドアトリム、アームレスト及びグローブボック
ス等表皮層を有する樹脂製品用の金型装置であればいか
なるものに具体化してもよい。
【0035】(4)前記実施例では、表皮層5を外層6
及び内層7により構成するようにしたが、クッション層
8を設けたことにより、場合によっては内層7を省略す
ることもできる。かかる場合、著しいコストの低減を図
ることもできる。
【0036】(5)前記実施例では、第1の分岐路23
を設けたが、この分岐路23、蓋25を省略したものに
具体化してもよい。 (6)前記実施例では、エア吸入通路22を固定型13
に設けたが、摺動コア15に設けてもよい。
【0037】特許請求の範囲の各請求項に記載されない
ものであって、上記実施例から把握できる技術的思想に
ついて以下にその効果とともに記載する。 (a)請求項2に記載された吸着装置において、エア吸
入通路には成形品裏面のキャビティ形成面側に開放する
補助吸入路を設け、同補助吸入路にはエアのみを通過の
みを許容する蓋にて閉塞されていることを特徴とする。
かかる構成とすることにより、さらに、大容量のエア吸
入が行え、吸着力を増すことができる。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明
は、表皮層のセット時に表皮層をセットする側の金型内
に大流量の吸着エアーを使用することができ、そのこと
によって表皮層を確実に金型に対して固定することがで
きる。
【0039】請求項2の発明によれば、第2の下型部材
のスライドにより、第2の開口が簡単に開閉され、特別
な弁を容易する必要がなく、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施例のコンソールリッドを示す一部破断
斜視図である。
【図2】 一実施例コンソールボックスの配置状態を示
す斜視図である。
【図3】 コンソールリッドの製造方法を示す金型装置
の断面図である。
【図4】 コンソールリッドの製造方法を示す金型装置
の断面図である。
【図5】 コンソールリッドの製造方法を示す金型装置
の断面図である。
【図6】 コンソールリッドの製造方法を示す金型装置
の断面図である。
【図7】 従来技術のコンソールリッドの製法を示す金
型断面図である。
【図8】 従来技術のコンソールリッドの製法を示す金
型断面図である。
【符号の説明】
1…樹脂製品としてのコンソールリッド、4…基材、5
…表皮層、8…クッション層、11…金型装置、12…
第1の下型部材を構成する固定型、13…上型を構成す
る可動型、15…第2の下型部材を構成する摺動コア、
12a,13a,14a,15a…成形面、16…キャ
ビティ。26…第1の開口部を構成する凹部、27…エ
ア通過溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 105:20 B29L 9:00 31:58

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上壁と、同上壁から屈曲して延びる側壁
    を有し、表面に表皮層を有する樹脂成形品を成形すべ
    く、成形品裏面のキャビティ形成面を有する下型と、成
    形品表面のキャビティ形成面を有する上型と、及び側壁
    端面キャビティ形成面を有するスライドコアとからキャ
    ビティを形成する金型装置であって、 前記下型は、第1の下型部材と、同第1の下型部材に対
    して待機位置と作動位置との間においてスライド可能に
    設けられた前記第2の下型部材とを含み、 前記いずれかの下型部材には、エア吸入駆動源に連結さ
    れるエア吸入通路が設けられ、同エア吸入通路の開口は
    第2の下型部材の待機位置においては、開放され、第2
    の下型部材の作動位置では閉鎖される位置に形成された
    ことを特徴とする表皮層を有する樹脂製品の吸着装置。
  2. 【請求項2】 開口は第1の開口部と、第2の開口部と
    により構成され、前記吸入通路は第1の下型部材に形成
    されるとともに、第1の開口部は前記第1の下型部材の
    スライド側面に設けられたものであり、第2の開口部は
    第2の下型部材のスライド面に設けられ、両開口部は互
    いに対向するように配置され、第2の開口部は、第2の
    下型部材の待機位置においては、成形品裏面のキャビテ
    ィ形成面に対し開放され、第2の下型部材の作動位置に
    おいては、第1の下型部材により閉鎖されることを特徴
    とする請求項1に記載の表皮層を有する樹脂製品の吸着
    装置。
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