JP3677808B2 - 表皮層を有する樹脂製品の金型装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば自動車に装着されるコンソールボックスの蓋(コンソールリッド)、ドアトリム等の表皮層を有する樹脂製品の金型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の表皮層を有する樹脂製品としては、例えば上述したようにコンソールリッド、ドアトリム等の自動車用樹脂製品が挙げられる。コンソールリッドを例にとった場合、当該コンソールリッドは、箱体状の基材と、同基材上に装着されてなる表皮層とを有している。基材は、例えばフィラーの混入されたポリプロピレン(PPF)等の硬質樹脂材料によって形成されている。一方、表皮層は、ポリ塩化ビニル(PVC)製の外層と、当該外層の内側に取着されてなる発泡ポリプロピレン製の内層とから構成されている。
【0003】
このように、コンソールリッド等の表皮層を有する樹脂製品の製造方法としては種々の技術が提案されている(特開平2−223415号公報、特開平4−255312号公報等)。
【0004】
この製造方法を図7及び図8に従って説明する。図7は型開きした金型装置であって、固定型及び第2スライドコアの切断断面図、図8は同じ金型装置を型締めした状態であって、他の部位にて切断した断面図である。この金型装置55は、図8に示すように、固定型51、可動型52、第1スライドコア53及び第2スライドコア54により構成されている。なお、前記固定型51には真空ポンプに接続されたエア吸入用の吸入孔51aが形成され、同吸入孔51aは固定型51の成形面51bに対して開口されている。同開口部には通気性を有する焼結金属製の蓋51cが嵌入されている。
【0005】
まず、図7に示すように第2スライドコア54の成形面に予めシート剤がトリミングされてなる上記の表皮層56をセットする。このセット時に表皮層56のアンダーカット部56aを第2スライドコア54に設けた係止溝54aに係止するとともに、前記吸入孔51aを介して真空引きをすることにより、表皮層56を第1スライドコア53に取付けする。この後、可動型52、第1スライドコア53を図8に示すように移動し、固定型51及び第2スライドコア54によって形成されたポット57内に、可塑化されたPPFをゲート58より注入する。次に、図8に示すように、可動型52、第1スライドコア53及び第2スライドコア54を図の矢印方向に移動させる。すると、ポット57内に貯留されていたPPFがキャビティ59に充填されるとともに、PPFと表皮層56とが熱融着により接合する。その後、PPFが冷却固化することにより基材が形成され、基材及び表皮層56が一体となった成形品を金型装置55から取出すことによりコンソールリッド(樹脂製品)60が得られる。
【0006】
このようにして得られたコンソールリッド60によれば、基材によりその剛性が確保される。また、表皮層56の外層により意匠性が確保されるとともに、内層によりクッション性が確保され、触感の向上が図られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、表皮層56のアンダーカット56aは充分に形成できないため、表皮層56を第2スライドコア54にセットする際、金型に対する固定保持が不安定となり、表皮層セット不良が発生する問題があった。すなわち、上記のように表皮層56をセットする際、吸入孔51aを介して真空引きをすることにより、表皮層56を第1スライドコア53に取付けをしているが、吸入孔51aの開口に設けた蓋51cは通気性はあるものの、その吸着負圧流量は非常に小さく、充分な金型固定保持ができないためである。この通気性の蓋51cを設ける理由は、型締後、ゲート58より注入したPPFの吸入孔51aへの侵入を防止するためである。
【0008】
又、例えばコンソールリッドの場合、前記表皮層56内にクッション材を配置した状態で、上記と同様にPPFを表皮層56の裏面側に冷却固化する場合もある。この場合は、セット時に前記クッション材が第1スライドコア53に弾性的に当接するため、表皮層56のアンダーカット部56aを第2スライドコア54に設けた係止溝54aに係止しても、前記弾性により、表皮層56の第2スライドコア54に対する係止がさらに困難である。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、表皮層のセット時に表皮層をセットする側の金型内に大流量の吸着エアーを使用することができ、そのことによって表皮層を確実に金型に対して固定することができる表皮層を有する樹脂製品の吸着装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、上壁と、同上壁から屈曲して延びる側壁を有し、表面に表皮層を有する樹脂成形品を成形すべく、成形品裏面のキャビティ形成面を有する下型と、成形品表面のキャビティ形成面を有する上型と、及び側壁端面キャビティ形成面を有するスライドコアとからキャビティを形成する金型装置であって、前記下型は、第1の下型部材と、同第1の下型部材に対して待機位置と作動位置との間においてスライド可能に設けられた第2の下型部材とを含み、前記第1の下型部材にはエア吸入通路が設けられ、同エア吸入通路の一端はエア吸入駆動源に連結されるとともに、他端は第1の下型部材のスライド側面に形成した第1の開口部に連結され、同第1の開口部と第2の下型部材のスライド面に形成した第2の開口部とは互いに対向するように配置されて前記下型のキャビティ形成面側に連通されるエア吸入通路の開口を形成し、前記表皮層を第2の下型部材のキャビティ形成面にセットした状態では、第2の下型部材の待機位置において、前記エア吸入通路の開口は成形品裏面のキャビティ形成面に対し開放され、第2の下型部材の作動位置において、前記エア吸入通路の開口は第1の下型部材により閉鎖されることを特徴とする表皮層を有する樹脂製品の金型装置をその要旨としている。
【0012】
【作用】
上記請求項1に記載の発明によれば、表皮層を第2の下型部材のキャビティ形成面にセットし、第2の下型部材を待機位置に位置させた状態で、エア駆動源を駆動してエア吸入通路を介して真空引きをする。この状態では、エア吸入通路の開口は下型のキャビティ形成面側に連通されるように開放されているため、大容量のエアが吸引されて表皮層は吸引により発生した負圧により、下型に対して吸着固定される。この状態で、下型から樹脂を表皮層に対して射出し、上型等の他の型を型締めする。このとき、第2の下型部材も作動位置に移動する。第2の下型部材が作動位置に位置すると、エア吸入通路の開口が閉鎖、すなわち、エア吸入通路が閉鎖され、表皮層の吸着が解除される。
【0013】
なお、第2の下型部材を待機位置に位置させた状態では、エア吸入通路の開口は、成形品裏面のキャビティ形成面に対し開放され、エア吸入通路は開放されているため、大容量のエアが吸引される。そして、型締時において、第2の下型部材の作動位置に移動するため、エア吸入通路の開口は第1の下型部材により閉鎖される。このため、表皮層の吸着が解除される。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を樹脂製品としてのコンソールボックス用の蓋(コンソールリッド)1に具体化した一実施例を図1〜6に基づいて説明する。
【0015】
図2は、本実施例におけるコンソールボックス2の配置状態を示す斜視図であり、図1はコンソールリッド1の主要部分を示す一部破断斜視図である。これらの図に示すように、コンソールボックス2は車両室内における運転席と助手席との間に配設されている。コンソールボックス2は箱状のボックス本体3と、その上部において所定のヒンジ部を中心に開閉可能に配設されたコンソールリッド1とを備えている。
【0016】
コンソールリッド1は、上壁4aと、上壁4aから屈曲して延びる側壁4bを有する箱状の基材4と、基材4を被覆する表皮層5とを備えている。基材4は、フィラーの混入されたポリプロピレン(PPF)よりなり、所定の剛性が確保されている。また、表皮層5はポリ塩化ビニル(PVC)製で、表面においてシボ加工の施された外層6と、当該外層6の内側に取着されてなる発泡ポリプロピレン製の内層7とから構成されている。これらは互いに接着されているとともに、全体として均一の肉厚を有し、その肉厚は比較的小さいものとなっている。また、内層7を構成する発泡ポリプロピレンは、基材4を構成するPPFと良好な熱融着性(接着性)を有している。
【0017】
なお、図1では、表皮層5の端縁部分は、基材4の端縁部分からさらに下方へ延出した状態となっているが、実際の組付時、使用時においては、この表皮層5の端縁部分は、内側に折り曲げられる。そして、基材4内側に一体形成されたリブ(図示せず)等に係合され、さらにインナ基材(図示せず)とよばれる部材が後に基材4に嵌め込まれることにより、表皮層5の端縁部分が固定される。その結果、外観品質の向上が図られるようになっている。
【0018】
さて、本実施例において、前記基材4の上壁4aと、それに対応する表皮層5との間には、発泡ポリウレタンよりなるクッション層8が設けられている。このクッション層8は、例えば断面略蒲鉾状をなし、端部側ほどその肉厚は小さいものとなっている。すなわち、このコンソールリッド1には運転者等の肘が掛けられる場合があるが、クッション層8においては、かかる場合に最も肘等が当たりやすい部分が最も厚肉となっている。
【0019】
次に、上記のように構成されてなるコンソールリッド1を製造するに際し使用される金型装置11について説明する。
図3は型開きした金型装置であって、固定型及び摺動コアの切断断面図、図4乃至6は同じ金型装置であって、他の部位にて切断した断面図である。
【0020】
図3に示すように、金型装置11は、固定型12、可動型13、スライドコア14及び摺動コア15によって構成されている。可動型13、スライドコア14及び摺動コア15は、それぞれ図示しない油圧シリンダ及びロッド等によって図の左右方向に移動可能となっている。
【0021】
前記固定型12が第1の下型部材を構成し、摺動コア15が第2の下型部材を構成し、両部材にて下型が構成されている。又、可動型13が上型を構成している。
【0022】
本実施例では、可動型13及びスライドコア14の成形面13a,14aによってコンソールリッド1の表面側を形成するようになっている。これに対し、摺動コア15及び固定型12の成形面15a,12a(より詳しくは後述する突出部18の先端面)によってコンソールリッド1の裏面側を形成するようになっている。基本的には、これら各成形面12a,13a,14a,15aによってキャビティ16(図4参照)が形成されている。摺動コア15には、表皮層5の側壁を係止するための係止溝15bが形成されている。また、摺動コア15のほぼ中央部には、透孔17が形成され、固定型12には突出部18が一体的に形成されている。そして、透孔17内には突出部18が摺動可能に配設されている。さらに、固定型12、特に突出部18には、前記キャビティ16内へ開口するゲート19が設けられている(図4参照)。このゲート19は、後記するエア通過溝27とは接近しない位置に設けられている。すなわち、ゲート19から注入された所定量の樹脂がポット20内に貯溜されても、この樹脂がエア通過溝27に侵入しない位置とされている。
【0023】
又、前記突出部18を含む固定型12にはエア吸入通路22が形成され、その基端は図示しない真空ポンプに連通されている。又、エア吸入通路22の先端部は突出部18において第1の分岐路23及び第2の分岐路24とに分岐され、第1の分岐路23はさらに分岐されて成形面12a側において外部と連通されている。そして、その連通部分23aにおいて、通気性を有する焼結金属製の蓋25が嵌入されている。前記連通部分23aが補助吸入路とされている。
【0024】
さらに、第2の分岐路24は突出部18の摺動コア15に対するスライド面にて開放されている。同突出部18のスライド面において、第2の分岐路24に対応して第1の開口部としての凹部26が形成されている。又、同凹部26に対応した摺動コア15のスライド面にはスライド方向に沿ってエア通過溝27が形成されている。この実施例では、エア通過溝27の断面積(スライド方向に対して直交する断面)約100mm2 とされている。同エア通過溝27は本発明の第2の開口部を構成している。前記エア通過溝27は摺動コア15の待機位置(図3に示す位置)と作動位置(図5に示す位置)の間の移動中においても凹部26と連通され、すなわち、第2の分岐路24を介してエア吸入通路22と連通されている。又、前記エア通過溝27は摺動コア15の作動位置(図5に示す位置)に位置する直前、すなわち、突出部18の先端がエア通過溝27の左端(図3において左方)に達するまでは、ポット20に連通されている。そして、突出部18の先端がエア通過溝27の左端(図3において左方)を越えた時に同突出部18にて溝27はポット20と隔離されるべく閉塞されるようになっている。
【0025】
次に、上記のコンソールリッド1の製造方法について説明する。
まず、外層6及び内層7が一体的にシート状となっているものをトリミングし、所定形状にすることにより得られた表皮層5に対して、クッション層8をセットしておく。このクッション層8はこの実施例では両面テープや所定の接着剤等により、表皮層5の内層6にクッション層8を接合させている。このクッション層8を接合させた表皮層5を金型装置11の摺動コア15の成形面15aに当接させた状態でセットする。このとき、摺動コア15は待機位置に位置しており、この状態では、エア通過溝27は凹部26と連通されるとともに、成形面12a側のポット20に開放され、第2の分岐路24を介してエア吸入通路22と連通され、図示しない真空ポンプが作動中である。従って、表皮層5裏面のキャビティ形成面に対し開放され、エア吸入通路22は開放されているため、大容量のエアが吸引されている。この結果、表皮層5は吸引により発生した負圧により、摺動コア15に対して吸着固定される。
【0026】
この後、可動型13、スライドコア14を図4に示すように移動し、固定型12及び摺動コア15との間に所定の隙間を設けた状態で、可動型13及びスライドコア14を摺動コア15に当接させる。すると、基材4の形状をなすキャビティ16が形成される。そして、ゲート19より、基材4を構成するための可塑化されたPPFを所定量だけ注入する。このとき、固定型12及び摺動コア15との間に所定の隙間が形成されていることにより、摺動コア15の透孔17と固定型12の突出部18とによって所定容量を有するポット20が形成されている。このため、注入されたPPFは、ポット20内に貯留される。なお、ゲート19から注入された所定量の樹脂がポット20内に貯溜されても、エア通過溝27がゲート19から離間しているため、この樹脂がエア通過溝27に侵入することはない。
【0027】
次に、図5に示すように、可動型13、スライドコア14及び摺動コア15を図の右方、すなわち、固定型12の方へ移動させる。この移動する際に、突出部18の先端がエア通過溝27の左端(図3において左方)を越えると、同突出部18にて溝27はポット20と隔離されるべく閉塞されるため、エア吸着が解除される。さらに、移動すると、同図に示すように、ポット20が消滅するとともに、それまでポット20内にあったPPFが突出部18によってキャビティ16内に押し出される。この押出時において、ポット20内が樹脂に充満するときは、エア通過溝27は既に閉塞されているため、エア通過溝27に樹脂が流れ込むことはない。
【0028】
そして、PPFはキャビティ16内を端部の方へ向かって流動するとともに、やがてキャビティ16内に完全に充填される。このとき、両側のクッション層8の存在しない部分においては、PPFから伝達される熱等によりPPFと表皮層5の内層7を構成する発泡ポリプロピレンとが強固に熱融着する。このため、クッション層8は、自身の周囲が固定されることにより、ずれたりするのが抑制される。また、クッション層8は、比較的高融点の発泡ポリウレタンにより構成されているため、PPFからの熱によって溶融することがない。従って、クッション層8が熱により損傷されることによって表皮層5に何らかの影響が及ぶのを確実に回避することができる。
【0029】
その後、PPFが冷却固化することにより、基材4が形成されるとともに、その後、図6に示すように、型開きして、表皮層5、クッション層8及び基材4の一体化したものを金型装置11から取り出すことにより、コンソールリッド1が得られる。この離型に際して、それまでPPFの注入圧により若干圧縮されていたクッション層8が膨張し、元の状態に復元する。そして、このようにして得られたコンソールリッド1においては、後に、上述したように、表皮層5の端縁部分が内側に折り曲げられ、係合固定されて使用に供される。
【0030】
以上説明したように、本実施例によれば、エア通過溝27をゲート19から注入された所定量の樹脂がポット20内に貯溜されても、エア通過溝27がゲート19から離間しているため、この樹脂がエア通過溝27に侵入することはない。
【0031】
又、この実施例では第1の分岐路23及び第2の分岐路24においてもエアを吸入するため、より多量の吸気負圧を得ることができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されず、例えば次の如く構成してもよい。
【0032】
(1)前記実施例では、いわゆるスタンピング成形法に類似した成形法により基材4を成形するようにしたが、その外にも、射出成形法により成形するようにしてもよい。
【0033】
(2)前記実施例では、クッション層8を発泡ポリウレタンにより形成するようにしたが、その他の軟質材、例えば発泡ゴム等により構成するようにしてもよい。
【0034】
(3)前記実施例では、樹脂製品としてコンソールリッド1に具体化したが、その外の樹脂製品、例えば、ドアトリム、アームレスト及びグローブボックス等表皮層を有する樹脂製品用の金型装置であればいかなるものに具体化してもよい。
【0035】
(4)前記実施例では、表皮層5を外層6及び内層7により構成するようにしたが、クッション層8を設けたことにより、場合によっては内層7を省略することもできる。かかる場合、著しいコストの低減を図ることもできる。
【0036】
(5)前記実施例では、第1の分岐路23を設けたが、この分岐路23、蓋25を省略したものに具体化してもよい。
(6)前記実施例では、エア吸入通路22を固定型12に設けたが、摺動コア15に設けてもよい。
【0037】
特許請求の範囲の各請求項に記載されないものであって、上記実施例から把握できる技術的思想について以下にその効果とともに記載する。
(a)請求項1に記載された表皮層を有する樹脂製品の金型装置において、エア吸入通路には成形品裏面のキャビティ形成面側に開放する補助吸入路を設け、同補助吸入路にはエアのみを通過のみを許容する蓋にて閉塞されていることを特徴とする。かかる構成とすることにより、さらに、大容量のエア吸入が行え、吸着力を増すことができる。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明は、表皮層のセット時に表皮層をセットする側の金型内に大流量の吸着エアーを使用することができ、そのことによって表皮層を確実に金型に対して固定することができる。
【0039】
また、第2の下型部材のスライドにより、エア吸入通路の開口が簡単に開閉され、特別な弁を用意する必要がなく、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施例のコンソールリッドを示す一部破断斜視図である。
【図2】 一実施例コンソールボックスの配置状態を示す斜視図である。
【図3】 コンソールリッドの製造方法を示す金型装置の断面図である。
【図4】 コンソールリッドの製造方法を示す金型装置の断面図である。
【図5】 コンソールリッドの製造方法を示す金型装置の断面図である。
【図6】 コンソールリッドの製造方法を示す金型装置の断面図である。
【図7】 従来技術のコンソールリッドの製法を示す金型断面図である。
【図8】 従来技術のコンソールリッドの製法を示す金型断面図である。
【符号の説明】
1…樹脂製品としてのコンソールリッド、4…基材、5…表皮層、8…クッション層、11…金型装置、12…第1の下型部材を構成する固定型、13…上型を構成する可動型、15…第2の下型部材を構成する摺動コア、12a,13a,14a,15a…成形面、16…キャビティ。26…第1の開口部を構成する凹部、27…エア通過溝。
Claims (1)
- 上壁と、同上壁から屈曲して延びる側壁を有し、表面に表皮層を有する樹脂成形品を成形すべく、成形品裏面のキャビティ形成面を有する下型と、成形品表面のキャビティ形成面を有する上型と、及び側壁端面キャビティ形成面を有するスライドコアとからキャビティを形成する金型装置であって、
前記下型は、第1の下型部材と、同第1の下型部材に対して待機位置と作動位置との間においてスライド可能に設けられた第2の下型部材とを含み、
前記第1の下型部材にはエア吸入通路が設けられ、同エア吸入通路の一端はエア吸入駆動源に連結されるとともに、他端は第1の下型部材のスライド側面に形成した第1の開口部に連結され、同第1の開口部と第2の下型部材のスライド面に形成した第2の開口部とは互いに対向するように配置されて前記下型のキャビティ形成面側に連通されるエア吸入通路の開口を形成し、
前記表皮層を第2の下型部材のキャビティ形成面にセットした状態では、第2の下型部材の待機位置において、前記エア吸入通路の開口は成形品裏面のキャビティ形成面に対し開放され、第2の下型部材の作動位置において、前記エア吸入通路の開口は第1の下型部材により閉鎖されることを特徴とする表皮層を有する樹脂製品の金型装置。
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