JP3135847B2 - 発泡成形品の製造方法 - Google Patents
発泡成形品の製造方法Info
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Description
泡原料を発泡させて発泡成形品を一体に成形する発泡成
形品の製造方法に関し、詳しくは、芯材の一部分と表皮
との間で発泡原料を発泡させて発泡成形品を得るものに
係る。
ンシェードなどは、表皮によって芯材の表面が発泡原料
を介して全面的に覆われるようになっている。このよう
なサンシェードは、例えば、特開平5−228943号
公報に開示されるように、芯材をセットした上型と、表
皮をセットした下型と、これら上型および下型の間に挾
持され、発泡体層の端面を形成する中間型とからなる成
形型を用いて成形される。
は、表皮によって芯材の表面が全面的に覆われるものに
は好適であるが、インストルメントパネルなど装飾性お
よび衝突時の衝撃緩和機能などが要求されるものでは、
表皮によって芯材の表面が発泡体層を介して部分的に覆
われるようにすることもある。その場合、上述の如き表
皮によって芯材の表面を全面的に覆うサンシェードなど
の発泡成形品の製造方法を、表皮によって芯材の表面を
部分的に覆うインストルメントパネルなどの発泡成形品
の製造方法として適用することができない。
などの発泡成形品を製造する場合には、例えば、特開平
7−329077号公報に開示されるように、表皮の端
部に設けられたエッジ部が上型側に突出するよう上記表
皮を下型にセットすると共に、芯材の凸部が上記表皮の
エッジ部に対応するよう上記芯材を上型にセットし、こ
の下型に対して上型の移動方向と略平行に出没する支持
部材を突出させて上記表皮のエッジ部を外側方から保持
して位置決めする一方、型締め時に支持部材をエッジ部
の外側面に対して摺動させながら該支持部材を下方に没
入させてエッジ部の位置決めを解除し、型締め時には支
持部材の代わりに芯材の凸部で表皮のエッジ部を外側方
から保持して位置決めした状態で、芯材と表皮との間に
注入された発泡原料を発泡させることにより、表皮によ
って芯材の表面が部分的に覆われたパッド部を有する発
泡成形品を製造する方法が採られている。
を部分的に覆う発泡成形品の製造方法では、支持部材が
エッジ部の外側面に対して摺動しながら没入するため、
その摺動時(没入時)の摩擦によって支持部材の没入に
伴いエッジ部が倒れ方向に引き摺られる。この場合、エ
ッジ部自身が柔らかく可撓性のあるものであるために、
エッジ部が支持部材により倒れ方向に引き摺られると、
エッジ部が撓んだりずれたりする虞がある。このため、
エッジ部の外側に、没入した支持部材に代えて芯材の凸
部を当接させて位置決めする際の精度に狂いが生じ、該
エッジ部の外側に凸部を正確に当接させることができな
いといった不具合などを招いて、エッジ部付近からの発
泡原料の洩れ出しが危惧される。
で、その目的とするところは、下型にスライドコアを設
け、上型の型締め方向への移動に伴いエッジ部の外側面
に対して摩擦を生じさせない方向にスライドコアを後退
させてエッジ部の撓みやずれを確実に防止することに加
え、エッジ部付近からの発泡原料の洩れ出しを確実に防
止せんとするものである。また、上記スライドコアを後
退位置においても利用できるようにして、該スライドコ
アの有効利用を図ることも目的とする。
め、請求項1記載の発明が講じた解決手段は、芯材と表
皮との間で発泡原料を発泡させて発泡成形品を一体に成
形する発泡成形品の製造方法として、表皮の端部に設け
られたエッジ部が上型側に突出するよう上記表皮を下型
にセットし略水平方向に進退可能なスライドコアの前進
位置でその第1当接部を上記表皮のエッジ部に外側方か
ら略垂直方向に当接させて位置決めすると共に、芯材の
凸部が上記表皮のエッジ部に対応するよう上記芯材を上
型にセットする。次いで、上記上型を下降させるととも
に、上記スライドコアを後退させて型締めし、芯材の凸
部で表皮のエッジ部を外側方から当接して位置決めする
とともに、スライドコアの第2当接部と上型とで凸部よ
りも外側方の芯材を挾持する。その後、型開き状態でま
たは型締め後に注入された発泡原料を発泡させることに
より、芯材と表皮との間に発泡体層が一体に成形された
発泡成形品を得るようにしている。
進位置で表皮のエッジ部を外側方から略垂直方向に当接
するスライドコアの第1当接部が、上型の型締め時に水
平方向に移動してエッジ部に対して略垂直方向へ離反す
るので、スライドコアの後退時に第1当接部がエッジ部
(外側面)に対して摩擦などを生じせしめることはな
い。そのため、スライドコアの後退に伴って、柔らかく
可撓性のあるエッジ部が倒れ方向に引き摺られることも
なく、エッジ部が撓んだりずれたりすることが効果的に
防止される。しかも、型締め時にエッジ部に芯材の凸部
を第1当接部に代えて当接させてエッジ部を位置決めす
る際の精度も確保され、該エッジ部の外側に凸部が正確
に当接し、エッジ部付近からの発泡材の洩れ出しが確実
に防止される。
当接部を上型に芯材を介して当接させるので、芯材の保
持が確実なものとなる。このため、単一のスライドコア
は、進出位置で表皮のエッジ部を外側から保持する機能
と、後退位置で芯材を保持する機能とを備えており、ス
ライドコアが有効利用されることになる。
請求項1記載の発明の構成要件に加えて、型締め時、芯
材の凸部を表皮のエッジ部に対して面対向する斜め上方
から当接するように上型を下降させるとともに、スライ
ドコアの第2当接部に弾性材を介して芯材を弾性的に摺
接させるようにしている。
締め時に芯材の凸部がエッジ部に対して面対向する斜め
上方から当接するので、後退したスライドコアの第1当
接部に代えてエッジ部に芯材の凸部を当接させて位置決
めするタイミングに多少の時間差が存在するなどして、
エッジ部が倒れ方向に撓んだりずれたりしていたとして
も、芯材の凸部がエッジ部に確実に当接してエッジ部の
撓みやずれが矯正され、エッジ部付近からの発泡材の洩
れ出しがより確実に防止される。
の第2当接部に弾性材を介して弾性的に摺接するので、
発泡成形品の表面側となる芯材への傷付きが確実に防止
され、発泡成形品の品質が高められる。
に基づいて説明する。
ントパネル(発泡成形品)を成形する場合に用いられる
成形型としての成形用金型を示す。ここでは、図4に示
すように、この成形用金型1(図2に全体が表れる)に
より、芯材Xbと、この芯材Xbの表面を部分的に覆う
表皮材Xa(表皮)との間にウレタンフォームXc(発
泡体層)を一体に介在させたクッション性のあるパッド
部7を上部に備えたインストルメントパネルXを製造す
る場合を例示する。上記成形用金型1は、固定式の下型
3と、該下型3に対して型開き方向(図2に示す矢印a
とは逆方向)または型締め方向(図2に示す矢印a方
向)に昇降移動可能な可動式の上型5と、下型3の一側
部(図では左側)に水平方向に進退可能に支持されたス
ライドコア21とを備えており、以下、この成形用金型
1を用いたインストルメントパネルXの製造方法の一例
を図1ないし図3に基づいて説明する。
に、表皮材Xaの一側端部(図では左側)に設けられた
エッジ部9が上型5側に突出するよう上記表皮材Xa
を、その表面側を下向きにして下型3にセットし、図示
しない真空吸引孔からの負圧により該表皮材Xaを下型
3に対して密着させる。一方、図2に示すように、芯材
Xbの凸部13が上記表皮材Xaのエッジ部9に対応す
るよう上記芯材Xbを、その裏面側を上向きにして上型
5にセットする。ここで、表皮材Xaは、一般的な製法
である真空成形やスラッシュ成形などにより予め成形し
たものが用いられ、芯材Xbも常法である圧縮成形や射
出成形により予め成形したものが用いられる。
ぞれ成形用金型1にセットした状態で、第1当接部とし
ての第1当接面23および第2当接部としての第2当接
面25を有するスライドコア21を前進(図1に示す状
態)させて、その第1当接面23で表皮材Xaのエッジ
部9の外側面を外側方から略垂直方向に当接して位置決
めし、エッジ部9を第1当接面23により外方へ倒れな
いようにしておく。
る成形用金型1内、つまり芯材Xbと表皮材Xaとの間
に、表皮材Xaの露出面(裏面)に対して注入器(図示
せず)により発泡体層であるウレタンフォームXcの原
料(発泡原料)を注入する。尚、ここでは、ウレタンフ
ォームXcの原料を所謂オープン注入法により注入した
が、上型5を下型3に対して閉塞した状態で行うクロー
ズド注入法によりウレタンフォームの原料を注入しても
良い。
a方向に上型5を斜め上方から下降させるとともに、図
2に示すようにスライドコア21を後退させて型締め
(図3に示す状態)し、第1当接面23の代わりに芯材
Xbの凸部13によって表皮材Xaのエッジ部9を外側
方から当接して位置決めするとともに、スライドコア2
1の第2当接面25に設けた弾性材としてのゴムシート
27と上型5とで凸部13よりも外側方の芯材Xbの外
端縁を弾性的に挾持する。
ッジ部9を保持するスライドコア21の第1当接面23
が、上型5の型締め時に該エッジ部9に対して略垂直方
向へ離反するので、スライドコア21の後退時に第1当
接面23がエッジ部9の外側面に対して摩擦などを生じ
せしめることがなく、スライドコア21の後退に伴っ
て、柔らかく可撓性のあるエッジ部9が倒れ方向に引き
摺られることもなくなって、エッジ部9の撓みやずれを
効果的に防止できる。しかも、第3工程では、型締め時
に芯材Xbの凸部13がエッジ部9の外側面に対して面
対向する斜め上方から当接するので、後退したスライド
コア21の第1当接面23に代えてエッジ部9の外側面
に芯材Xbの凸部13の内側面を当接させるタイミング
に多少の時間差が存在するなどして、エッジ部9が倒れ
方向に撓んだりずれたりしていても、芯材Xbの凸部1
3内側面がエッジ部9外側面に確実に当接してエッジ部
9の撓みやずれを矯正し、エッジ部9付近からのウレタ
ンフォームXcの洩れ出しを確実に防止することができ
る。
コア21の第2当接面25に対する芯材Xbの外端縁の
斜め上方からの摺接がゴムシート27により弾性的なも
のとなるので、インストルメントパネルXの表面側とな
る芯材Xbの外端縁への摺接による傷付きを確実に防止
し、インストルメントパネルXの品質を高めることがで
きる。さらに、第3工程では、スライドコア21の後退
位置で第2当接面25を芯材Xbを介して上型5に当接
させるので、芯材Xbの保持が確実なものとなる。この
ため、単一のスライドコア21は、進出位置で表皮材X
aのエッジ部9を外側から保持する機能と、後退位置で
芯材Xbを保持する機能とを備えており、スライドコア
21を有効利用することができる。
態で、成形用金型1の型温により芯材Xbと表皮材Xa
との間でウレタンフォームXcの原料を発泡させて、芯
材Xbと表皮材Xaとの間にウレタンフォームXcを介
在させたパッド部7を部分的(図4に示す最終成形後の
インストルメントパネルXでは上部)に有するインスト
ルメントパネルXを一体成形する。
ものではなく、その他種々の変形例を包含するものであ
る。例えば、上記実施の形態では、表皮材Xaを下型3
にセットした状態でスライドコア21を前進させて、第
1当接面23を表皮材Xaのエッジ部9の外側面に外側
方から略垂直方向に当接させてエッジ部9を位置決めし
たが、先にスライドコアを前進させて前進位置に位置付
けた状態で表皮材を下型にセットして、第1当接面を表
皮材のエッジ部の外側面に外側方から略垂直方向に当接
させてエッジ部が位置決めされるようにしても良い。
してインストルメントパネルXを適用したが、ドアトリ
ムやコンソールボックスなどの内装品に適用しても良い
のは勿論である。
る発泡成形品の製造方法によれば、型締め時にスライド
コアの第1当接部をエッジ部に対して略垂直方向へ離反
させたので、第1当接部の離反時に摩擦などに起因する
エッジ部の倒れ方向への撓みやずれを効果的に防止でき
る上、エッジ部を凸部で正確に位置決めしてエッジ部付
近からの発泡材の洩れ出しを確実に防止することができ
る。しかも、単一のスライドコアに、進出位置でのエッ
ジ部の保持機能と、後退位置での芯材の保持機能とを備
え、スライドコアの有効利用を図ることができる。
製造方法によれば、型締め時に芯材の凸部をエッジ部に
対して面対向する斜め上方から当接させたので、第1当
接部に代えて芯材の凸部でエッジ部を位置決めする際の
多少の時間差などによるエッジ部の倒れ方向への撓みや
ずれを矯正しつつエッジ部を凸部で確実に位置決めで
き、エッジ部付近からの発泡原料の洩れ出しをより確実
に防止できる。しかも、型締め時に芯材を第2当接部に
対して弾性的に摺接させ、芯材への摺接による傷付きを
確実に防止して発泡成形品の品質を高めることができ
る。
図である。
状態に移行する直前状態を示す縦断正面図である。
る。
態の斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 芯材と表皮との間で発泡原料を発泡させ
て発泡成形品を一体に成形する発泡成形品の製造方法で
あって、 表皮の端部に設けられたエッジ部が上型側に突出するよ
う上記表皮を下型にセットし略水平方向に進退可能なス
ライドコアの前進位置でその第1当接部を上記表皮のエ
ッジ部に外側方から略垂直方向に当接させて位置決めす
ると共に、芯材の凸部が上記表皮のエッジ部に対応する
よう上記芯材を上型にセットし、 次いで、上記上型を下降させるとともに、上記スライド
コアを後退させて型締めし、芯材の凸部で表皮のエッジ
部を外側方から当接して位置決めするとともに、スライ
ドコアの第2当接部と上型とで凸部よりも外側方の芯材
を挾持し、 その後、型開き状態でまたは型締め後に注入された発泡
原料を発泡させることにより、芯材と表皮との間に発泡
体層が一体に成形された発泡成形品を得ることを特徴と
する発泡成形品の製造方法。 - 【請求項2】 型締め時、上記上型は、芯材の凸部を表
皮のエッジ部に対して面対向する斜め上方から当接する
ように下降するとともに、 上記芯材は、上記スライドコアの第2当接部に弾性材を
介して弾性的に摺接するようになっている請求項1記載
の発泡成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08226455A JP3135847B2 (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 発泡成形品の製造方法 |
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JP08226455A Expired - Lifetime JP3135847B2 (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 発泡成形品の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20050097466A (ko) * | 2005-08-26 | 2005-10-07 | 덕양산업주식회사 | 발포금형의 코어보정용 슬라이더 |
Families Citing this family (3)
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KR101908426B1 (ko) * | 2017-02-14 | 2018-10-16 | 한화첨단소재(주) | 합성수지 발포체용 금형장치 |
CN110709221B (zh) * | 2017-06-08 | 2021-10-08 | 马瑞利株式会社 | 发泡成型方法、发泡成型品及其制造方法 |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP08226455A patent/JP3135847B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20050097466A (ko) * | 2005-08-26 | 2005-10-07 | 덕양산업주식회사 | 발포금형의 코어보정용 슬라이더 |
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JPH1067022A (ja) | 1998-03-10 |
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