JPH08267319A - 線材皮剥装置 - Google Patents

線材皮剥装置

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JPH08267319A
JPH08267319A JP7547995A JP7547995A JPH08267319A JP H08267319 A JPH08267319 A JP H08267319A JP 7547995 A JP7547995 A JP 7547995A JP 7547995 A JP7547995 A JP 7547995A JP H08267319 A JPH08267319 A JP H08267319A
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JP
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peeling
die
wire rod
wire
cutting tool
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JP7547995A
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Fukuo Shishido
福雄 宍戸
Isamu Matsumoto
勇 松本
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮剥チップ等の異物が残留・侵入しない線材
皮剥装置を提供する。 【構成】 線材1を皮剥ダイス2に通して引き抜くこと
により皮剥すると共にその皮剥チップ3を上記皮剥ダイ
ス2の線材上流で回転する皮剥チップ切断バイト4で切
断する線材皮剥装置において、上記皮剥ダイス2の線材
下流端及び周囲をダイスホルダ8で囲み、そのダイスホ
ルダ8の外周を線材下流方向に向って細くなるようにテ
ーパ状に形成すると共にこのダイスホルダ8の外周肉厚
内に上記皮剥ダイス2を内方に向けて押圧する埋込みボ
ルト9を複数個配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、線材を皮剥ダイスに通
して引き抜く線材皮剥装置に係り、特に、皮剥チップ等
の異物が残留・侵入しない線材皮剥装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】線材を皮剥する目的は、線材の製造過程
で発生する線材表面の微小疵、酸化被膜、異物等の表面
欠陥部を切削除去し品質を安定させることである。線材
を皮剥するには、皮剥ダイスを用いるのが一般的であ
る。
【0003】図6に示した従来の線材皮剥装置は、線材
1を皮剥ダイス71に通して引き抜くことにより皮剥す
ると共に、その皮剥ダイス71での切削によって生じた
皮剥チップ3は、皮剥ダイス71の線材上流に皮剥チッ
プ切断バイト72を配置し、この皮剥チップ切断バイト
72を線材1の周方向に回転させることにより、この回
転する皮剥チップ切断バイト72の刃で切断除去する。
対象となる線材1は主として純銅である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の線材皮剥装
置を用いて純銅以外の線材、例えば銅合金(黄銅、丹
銅、洋白)からなる線材の皮剥加工を行う場合、銅合金
は硬い材質であるため、切削によって生じた皮剥チップ
3が切断されずに連鎖状に連なり、皮剥を中止してこれ
を除去しないと続けて皮剥ができない。
【0005】従来、皮剥ダイス71はダイスホルダ73
に装着し、その上に固定ネジ74を被せてダイスホルダ
73に固定し、これによって皮剥ダイス71を保持させ
ていた。固定ネジ74は皮剥ダイス71を押さえるため
に皮剥ダイス71の線材上流端71aの外周部に被さっ
ていた。皮剥ダイス71の線材上流端71aにはダイス
刃面が形成されているから、固定ネジ74の被さってい
る部分はダイス刃面より線材上流に突き出た段差75を
形成していることになる。この段差75に皮剥ダイス7
1の線材入口より成長してきた皮剥チップ3が当りここ
に残留する。これはチップ詰まりの原因になる。
【0006】皮剥チップ切断バイト72は回転するバイ
ト駆動部76に固定ボルトで固定され、この固定ボルト
調整により皮剥チップ切断バイト72をバイト傾斜軸方
向に位置調整できる。この調整によって皮剥チップ切断
バイト72を線材1に近付けることはできるが、線材直
近まで位置調整した状態のとき必ずしも皮剥チップ切断
バイト72がダイス刃面直近に位置するとは限らない。
従って、ダイス刃面と固定ネジ74と皮剥チップ切断バ
イト72とで囲まれる隙間77に皮剥チップ3が入り込
むことがあり、皮剥チップ切断バイト72の刃先に当ら
なくなる。このため皮剥チップ3が切断されにくくな
る。
【0007】隙間77に入った皮剥チップ3はバイトホ
ルダ78まで達し、逃げ場を失い、滞留する。このよう
にして残留した皮剥チップ3が皮剥チップ切断バイト7
2の回転を阻害するようになる。
【0008】また、皮剥ダイス71の冷却、潤滑を目的
として皮剥ダイス71の線材上流に冷却水を噴射する構
成になっているが、皮剥時に発生する酸化微粉、金属
粉、或いは冷却水が回転機構内に侵入するおそれがあ
る。例えば軸受け部に侵入した金属粉が蓄積されると回
転に支障が生じる。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、皮剥チップ等の異物が残留・侵入しない線材皮剥装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、線材を皮剥ダイスに通して引き抜くことに
より皮剥すると共にその皮剥チップを上記皮剥ダイスの
線材上流で回転する皮剥チップ切断バイトで切断する線
材皮剥装置において、上記皮剥ダイスの線材下流端及び
周囲をダイスホルダで囲み、そのダイスホルダの外周を
線材下流方向に向って細くなるようにテーパ状に形成す
ると共にこのダイスホルダの外周肉厚内に上記皮剥ダイ
スを内方に向けて押圧する埋込みボルトを複数個配置し
たものである。
【0011】また、線材を皮剥ダイスに通して引き抜く
ことにより皮剥すると共にその皮剥チップを上記皮剥ダ
イスの線材上流で回転する皮剥チップ切断バイトで切断
する線材皮剥装置において、上記皮剥ダイスの線材下流
端を隙間調整用スペーサを介してダイスホルダに臨ませ
ると共に、この皮剥ダイスの線材上流端外周に窪んだ段
差を形成し、この段差に掛合するつばを有したダイス固
定ネジをこの皮剥ダイスに被せて上記ダイスホルダに固
定したものである。
【0012】上記皮剥チップ切断バイトを線材上流より
傾斜させて上記皮剥ダイスの線材入口に臨ませると共
に、その一方の刃が上記皮剥ダイスのダイス刃面に対し
て皮剥チップ厚の1/2以下の距離でほぼ平行し、かつ
他方の刃が線材に対して所定範囲の距離でほぼ平行する
ように、それぞれの刃の逃げ面をバイト傾斜軸に対し所
定範囲角度で形成してもよい。
【0013】上記ダイスホルダの回りを回転するバイト
駆動部に上記皮剥チップ切断バイトを保持させると共
に、このバイト駆動部と上記ダイスホルダとの隙間より
線材上流方向に圧縮気体を噴射する噴射手段を設けても
よい。
【0014】上記皮剥チップ切断バイトの回転速度を線
材引抜速度に応じて変化させる速度変化手段を設けても
よい。
【0015】
【作用】上記第1の構成により、皮剥ダイスは埋込みボ
ルトによってダイスホルダに押し付けられ、保持され
る。従来のように皮剥ダイスの線材上流端の外周部に被
さる固定ネジが不要となるため、ダイス刃面より線材上
流に突き出た段差がなくなり、皮剥チップの残留が防止
される。
【0016】上記第2の構成により、皮剥ダイスの線材
上流端外周に窪んだ段差があり、この段差にダイス固定
ネジのつばが掛合することによって皮剥ダイスが保持さ
れる。ダイス刃面より線材上流に突き出た段差がなくな
り、皮剥チップの残留が防止される。また、隙間調整用
スペーサを入れることで皮剥ダイスの線材上流端が線材
上流に位置調整できる。従って、皮剥チップ切断バイト
をダイス刃面直近に位置させることができ、皮剥チップ
が入り込む隙間がなくなる。
【0017】皮剥チップ切断バイトの一方の刃が上記皮
剥ダイスのダイス刃面に対して皮剥チップ厚の1/2以
下の距離でほぼ平行することにより、この隙間に皮剥チ
ップが入り込むことが防止できる。また、線材と刃との
距離が離れていると皮剥チップが連鎖状になりやすい。
他方の刃が線材に対して所定範囲の距離でほぼ平行する
ことにより、皮剥チップが連鎖状になることが防止でき
る。
【0018】圧縮気体を噴射することにより、バイト駆
動部とダイスホルダとの隙間に侵入しようとする皮剥チ
ップを吹き飛ばすことができる。
【0019】線材引抜速度に応じて皮剥チップの発生状
態が異なる。従来は一定であった皮剥チップ切断バイト
の回転速度を変化させることにより、皮剥チップの発生
状態に応じた切断ができるようになり、皮剥チップの切
断不良がなくなる。
【0020】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0021】図1に示されるように、線材皮剥装置は、
線材1を皮剥ダイス2に通して引き抜くことにより皮剥
すると共にその皮剥チップ3を皮剥ダイス2の線材上流
で回転する皮剥チップ切断バイト4で切断するものであ
る。皮剥ダイス2は、ほぼ円柱状に形成され、その軸芯
部に線材1を通す穴が設けられている。皮剥ダイス2の
両端のうち線材の下流に位置する側を線材下流端2bと
呼び、上流に位置する側を線材上流端2aと呼ぶことに
する。線材上流端2aは、線材1の供給装置5に対向
し、ダイス刃面6となっている。ダイス刃面6は中心に
近付くほど線材上流に盛り上がっており、緩い円錐形状
となっている。このダイス刃面6の中心に線材入口7が
形成されている。線材入口7は皮剥ダイス焼結ダイヤで
構成されている。線材入口7の周囲の皮剥ダイス2は、
焼結ダイヤの保護ケース部分と見なすことができる。
【0022】皮剥ダイス2を保持するためのダイスホル
ダ8は、皮剥ダイス2の線材下流端2bを受け止める底
部8bと皮剥ダイス2の周囲を囲む外周部8cとを一体
的に構成したものである。ダイスホルダ8の軸方向の長
さは、外周部8cがダイス刃面6のより線材上流には出
ない長さであり、外周部8cの線材上流端8aが、皮剥
ダイス2の線材上流端2aに滑らかに連なるように構成
されている。また、ダイスホルダ8の外周部8cは、線
材下流方向に向って径が細くなるようにテーパ状に形成
されている。この外周部8cの肉厚内には、径方向内方
に向けたネジ穴8dが複数箇所配置されている。このネ
ジ穴8dには、埋込みボルト9を挿入して径方向に進ま
せることができる。このダイスホルダ8は、線材皮剥装
置の固定部10に凹ませて設けられた円錐台状の嵌め穴
にぴったりと嵌め合わせることができる。図1は嵌め合
わせた状態を示しており、ダイスホルダ8の外周部8c
の線材上流端8aは線材皮剥装置の固定部10の線材上
流端10aと同一面を形成している。
【0023】線材皮剥装置の固定部10の外周にはベア
リング11を介してバイト駆動部12が設けられてい
る。バイト駆動部12は、固定部10の回りを回転する
ことができる。バイト駆動部12には、線材上流に突き
出たバイト保持部材13が取り付けられており、このバ
イト保持部材13にはバイト固定ボルト14を用いて皮
剥チップ切断バイト4が固定されている。バイト保持部
材13は、線材1に近い側が短く、線材1より遠い側が
長く線材上流に突き出されており、皮剥チップ切断バイ
ト4を線材上流より傾斜させて皮剥ダイス2の線材入口
7に臨ませるものである。固定ボルト14を緩めるとこ
のバイト傾斜軸に沿わせて皮剥チップ切断バイト4を位
置調整することができる。皮剥チップ切断バイト4の形
状については後述する。
【0024】次に実施例の作用を述べる。
【0025】図1の線材皮剥装置を使用するに際して
は、線材1の材質、径に合わせた皮剥ダイス2及び皮剥
チップ切断バイト4を準備する。皮剥ダイス2をダイス
ホルダ8に収容し、埋込みボルト9で押圧する。埋込み
ボルト9はダイスホルダ8の肉厚内に入っているので、
ダイスホルダ8はテーパ状が維持される。このダイスホ
ルダ8を線材皮剥装置の固定部10の嵌め穴に嵌め合わ
せる。一方、皮剥チップ切断バイト4は固定ボルト14
の調整によりバイト傾斜軸方向に位置調整し、線材1に
近付けると共に刃がダイス刃面6に添うようにする。
【0026】線材1を皮剥ダイス2に通して引き抜くこ
とにより皮剥すると、その皮剥ダイス2での切削によっ
て皮剥チップ3が生じる。図1にはその皮剥チップ3が
示されている。実際には本発明により皮剥チップ3が図
示のように大きく成長することはない。この皮剥チップ
3は、バイト駆動部12に伴って回転する皮剥チップ切
断バイト4の刃に当って切断除去される。
【0027】このとき、皮剥ダイス2の線材上流端2a
が、ダイスホルダ8の外周部8cの線材上流端8aに滑
らかに連なり、さらにこの線材上流端8aが固定部10
の線材上流端10aと同一面を形成しているため、皮剥
チップ3が当ったり残留したりすることがない。
【0028】次に他の実施例を説明する。
【0029】図2に示される、線材皮剥装置は、線材1
を供給する供給装置5及び皮剥チップ切断バイト4を含
むバイト駆動部12等の回転系について図1の線材皮剥
装置と同じである。
【0030】皮剥ダイス21及びその保持構造は異な
る。その拡大図を図3に示す。まず、皮剥ダイス21
は、ほぼ円柱状に形成され、その軸芯部に線材1を通す
穴が設けられ、緩い円錐形状のダイス刃面6を有し、そ
の中心に線材入口7が形成されている。この実施例で
は、皮剥ダイス21の線材上流端21a外周に窪んだ段
差21eが形成されている。即ち、皮剥ダイス21は段
差21eのところだけ径が小さくなっている。
【0031】この線材皮剥装置は、皮剥ダイス21を保
持するためのダイスホルダ22が線材皮剥装置の固定部
22と一体であり、皮剥ダイス21が嵌め合わせられる
嵌め穴と、ダイス固定ネジ23が螺合して差し込まれる
ネジ穴とが凹ませて設けられている。ダイス固定ネジ2
3はリング状に形成され、その内周が皮剥ダイス21の
外周を覆うと共に、その外周がダイスホルダ22のネジ
穴に螺合するようになっている。また、ダイス固定ネジ
23は、その線材上流端23aに径方向内側に突き出し
たつば23eを有している。このつば23eの内径は皮
剥ダイス21は段差21eの外径にほぼ等しく、つば2
3eと段差21eとが掛合するように構成されている。
つば23eの軸方向の厚みは段差21eの軸方向の深さ
を越えない。皮剥ダイス21をダイスホルダ22に保持
させる際には、ダイス固定ネジ23を皮剥ダイス21に
被せてネジ穴に螺合させつつ差し込む。つば23eが段
差21eに固く掛合したとき、皮剥ダイス21が固定さ
れて線材1からのバックテンションにも対抗できる。し
かも、このときダイス刃面6より線材上流に突き出た段
差が生じない。
【0032】また、このダイスホルダ22の嵌め穴と皮
剥ダイス21の線材下流端21bとの間には、リング状
の薄板からなる隙間調整用スペーサ24が適宜枚数挿入
されている。この隙間調整用スペーサ24は皮剥ダイス
21を線材上流方向へ位置調整するためのものである。
隙間調整用スペーサ24の枚数を加減することにより、
ダイス刃面6を皮剥チップ切断バイト4に接近させるこ
とができる。このときの皮剥チップ切断バイト4の刃と
ダイス刃面6との隙間は、皮剥チップ3厚みの1/2以
下に設定することにより、皮剥チップが入り込むのを防
止する。
【0033】なお、線材1と皮剥チップ切断バイト4の
刃との距離Lは、1.0〜2.0mmの範囲となってお
り、これは皮剥チップ3が連鎖状になるのを防止する好
適な距離である。チップ切断バイト4の一方の刃がダイ
ス刃面6に対して皮剥チップ厚の1/2以下の距離で、
かつ他方の刃が線材1に対して距離Lとなるように位置
合わせするには、チップ切断バイト4をバイト傾斜軸方
向に位置調整するだけでは難しいが、隙間調整用スペー
サ24の枚数を加減することによりダイス刃面6を移動
できるので、容易に位置合わせができる。
【0034】この線材皮剥装置には、圧縮気体を噴射す
る噴射手段が設けられている。図4は、図2の線材皮剥
装置の部分拡大図である。噴射手段41は、線材皮剥装
置の固定部(ダイスホルダ)22の線材下流位置に設け
られた圧縮気体注入口42と、固定部22内を線材上流
方向に通る配管43と、線材上流方向に開口するバイト
駆動部12と固定部22との隙間からなる噴射口44と
により構成されている。圧縮気体注入口42には図示さ
れない圧縮気体源が接続されており、圧縮気体注入口4
2より注入された圧縮気体が配管43を通り、噴射口4
4より線材上流方向に噴射する。これによりバイト駆動
部12とダイスホルダ22との隙間に侵入しようとする
皮剥チップ3を吹き飛ばすことができる。
【0035】この線材皮剥装置には、速度変化手段(図
示せず)が設けられている。速度変化手段は、皮剥チッ
プ切断バイト4の回転速度を線材1の引抜速度に応じて
変化させるものである。従来は750RPMで一定であ
った皮剥チップ切断バイト4の回転速度を0〜1800
RPMに変化させることにより、皮剥チップ3の発生状
態に応じた切断ができるようになり、皮剥チップ3の切
断不良がなくなる。
【0036】次に本発明に適した皮剥チップ切断バイト
4の形状について説明する。
【0037】図5(a)に示される皮剥チップ切断バイ
ト51は、その先端に皮剥チップ切断バイト51の長手
方向(バイト傾斜軸)に対してそれぞれ傾斜し互いに交
わる2つの逃げ面52,53が形成されている。2つの
逃げ面52,53が交わる稜線54はバイト傾斜軸に対
して角度aの傾斜を有する。稜線54に頂部で交差する
逃げ面52,53の辺には、それぞれ刃55,56が形
成されている。刃55はバイト傾斜軸に対して角度θの
傾斜を有し、刃56はバイト傾斜軸に対して角度xの傾
斜を有する。この皮剥チップ切断バイト51は、角度θ
の傾斜を有する刃55がダイス刃面6に平行となるよう
にしたもので、図2、図3で説明したように皮剥チップ
切断バイト4の刃とダイス刃面6との隙間を皮剥チップ
3厚みの1/2以下としたとき、ダイス刃面6の外周方
向へ皮剥チップが入り込むことがいっそうよく防止され
る。
【0038】図5(b)に示される皮剥チップ切断バイ
ト61は、その先端に2つの逃げ面62,63、角度a
の傾斜を有する稜線64、角度θの傾斜を有する刃6
5、角度xの傾斜を有する66が形成されているが、皮
剥チップ切断バイト51に比べ、刃65が短く作られて
いる。これは、図1の線材皮剥装置に適したもので、刃
65が皮剥ダイス焼結ダイヤで構成された線材入口7の
みに沿うようになっている。これは、皮剥ダイス2の飛
び出し防止とダイス刃面6の損傷防止のための構成であ
る。即ち、図1の線材皮剥装置において線材1の引き抜
きを停止したときにバックテンションが生じて線材1が
線材上流に戻ることがあり、これに伴って皮剥ダイス2
が線材上流に移動し、ダイス刃面6が皮剥チップ切断バ
イト4に接触するために保護ケース部分が損傷するおそ
れがあるからである。
【0039】図5(c)は図5(a)の皮剥チップ切断
バイト51の反体面を示しており、は、刃55,56の
反体側に2つのすくい面57,58がそれぞれ傾斜して
設けられている。その傾斜はすくい面57が角度β、す
くい面58が角度γとなっている。また、図5(d)は
図5(b)の皮剥チップ切断バイト51の反体面を示し
ており、刃65,66ともに傾斜したすくい面を持た
ず、刃66の傾斜は、バイト傾斜軸に直交する面との角
度αで示される。
【0040】さて、各傾斜角度は、角度θがダイス刃面
6の傾斜に規定されるほかは任意であって、適宜組み合
わせることができる。即ち、角度θは20°、23°、
25°のいずれかであり、角度a、角度α、角度x、角
度γ、角度βは、線材の材質である銅合金の種別に応
じ、角度a,α=15°〜35°、角度x,γ,β=4
5°〜70°の有効範囲内であればよい。ここでは表1
の中から丸印のものを選択して用いることにした。
【0041】
【表1】
【0042】以上説明したように、本発明の線材皮剥装
置は皮剥チップ等の異物が残留・侵入しないので、チッ
プ詰まりによる皮剥作業停止をなくすることができる。
従来の線材皮剥装置では最大限界の線材引抜速度が50
m/minであり、この限界内でもチップ詰まりが発生
し、連続作業が困難であった。本発明の線材皮剥装置で
は、最大限界の線材引抜速度が200m/minまで増
えた。安全速度として160m/minを採用してもな
お従来の3.2倍の速度であり、作業効率が大きく向上
する。また、バイト駆動部とダイスホルダとの隙間から
の圧縮気体噴射により、微細金属粉、酸化スケール、冷
却水等の侵入を防止したので、ベアリングの寿命が実質
上延長できた。
【0043】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0044】(1)皮剥チップ等の異物が残留しないの
で、皮剥作業停止がなくなると共に線材引抜速度が速く
でき、作業効率が向上する。
【0045】(2)圧縮気体噴射による異物侵入が防止
され、回転機構が保護される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す線材皮剥装置の側断面
図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す線材皮剥装置の側断
面図である。
【図3】図2の線材皮剥装置の皮剥ダイスの拡大図であ
る。
【図4】図2の線材皮剥装置の部分拡大図である。
【図5】本発明に用いる皮剥チップ切断バイトの斜視図
及び側面図である。
【図6】従来例を示す線材皮剥装置の側断面図である。
【符号の説明】
1 線材 2、21 皮剥ダイス 3 皮剥チップ 4 皮剥チップ切断バイト 8、22 ダイスホルダ 9 埋込みボルト 23 ダイス固定ネジ 24 隙間調整用スペーサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線材を皮剥ダイスに通して引き抜くこと
    により皮剥すると共にその皮剥チップを上記皮剥ダイス
    の線材上流で回転する皮剥チップ切断バイトで切断する
    線材皮剥装置において、上記皮剥ダイスの線材下流端及
    び周囲をダイスホルダで囲み、そのダイスホルダの外周
    を線材下流方向に向って細くなるようにテーパ状に形成
    すると共にこのダイスホルダの外周肉厚内に上記皮剥ダ
    イスを内方に向けて押圧する埋込みボルトを複数個配置
    したことを特徴とする線材皮剥装置。
  2. 【請求項2】 線材を皮剥ダイスに通して引き抜くこと
    により皮剥すると共にその皮剥チップを上記皮剥ダイス
    の線材上流で回転する皮剥チップ切断バイトで切断する
    線材皮剥装置において、上記皮剥ダイスの線材下流端を
    隙間調整用スペーサを介してダイスホルダに臨ませると
    共に、この皮剥ダイスの線材上流端外周に窪んだ段差を
    形成し、この段差に掛合するつばを有したダイス固定ネ
    ジをこの皮剥ダイスに被せて上記ダイスホルダに固定し
    たことを特徴とする線材皮剥装置。
  3. 【請求項3】 上記皮剥チップ切断バイトを線材上流よ
    り傾斜させて上記皮剥ダイスの線材入口に臨ませると共
    に、その一方の刃が上記皮剥ダイスのダイス刃面に対し
    て皮剥チップ厚の1/2以下の距離でほぼ平行し、かつ
    他方の刃が線材に対して所定範囲の距離でほぼ平行する
    ように、それぞれの刃の逃げ面をバイト傾斜軸に対し所
    定範囲角度で形成したことを特徴とする請求項1又は2
    記載の線材皮剥装置。
  4. 【請求項4】 上記ダイスホルダの回りを回転するバイ
    ト駆動部に上記皮剥チップ切断バイトを保持させると共
    に、このバイト駆動部と上記ダイスホルダとの隙間より
    線材上流方向に圧縮気体を噴射する噴射手段を設けたこ
    とを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の線材皮剥装
    置。
  5. 【請求項5】 上記皮剥チップ切断バイトの回転速度を
    線材引抜速度に応じて変化させる速度変化手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の線材皮剥
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008290220A (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Daido Steel Co Ltd 皮剥装置
CN103722105A (zh) * 2013-12-18 2014-04-16 大连通发复合线缆科技发展有限公司 金属线表面切削剥离方法
CN105328272A (zh) * 2015-12-15 2016-02-17 苏州富瑞合金科技股份有限公司 一种内外扒皮加工生产线
CN108746226A (zh) * 2018-07-06 2018-11-06 南通汇丰电子科技有限公司 一种金属线材加工设备
CN111230220A (zh) * 2020-03-19 2020-06-05 济南市冶金科学研究所有限责任公司 一种通用型棒材毛坯削棱边装置

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