JPH082669Y2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この考案は画像形成装置に関し、更に詳しくは、複写
機、ファクシミリ等の画像形成装置における原稿読み取
り部に原稿を搬送するための原稿キャリアシートを備え
た画像形成装置に関する。

（ロ）従来の技術及び考案が解決しようとする課題 通常、このような原稿キャリアシートは、原稿の被読
み取り面を支持する方形透明シート部と、原稿の他面を
支持し、上記透明シート部と略同形状のシート部と、こ
れら両シート部の搬送方向先端縁同士を結合する結合部
とからなる画像形成装置用原稿キャリアシートからな
り、通常の原稿書類に加えて、極薄シート、小形シー
ト、特殊な形状のシートのごとき原稿を両シート部に挟
持して、画像形成装置の原稿読み取り部に搬送するのに
用いられる。

しかしながら、このような原稿を、キャリアシートを
用いて搬送する場合は、原稿のみを搬送する場合に比
し、画像形成装置の先端タイミングに差が生じ、形成さ
れた画像の位置がずれるおそれがあった。つまり、原稿
の読み取りは、搬送ローラ近傍に設けられたスイッチに
よって原稿の先端を検知し、その検知から一定時間後か
ら行われるが、原稿のみが搬送される場合はスイッチが
原稿自体の先端を検知するので原稿の所定位置から読み
取りが行われる。しかし原稿を、キャリアシートを用い
て搬送する場合は、スイッチが原稿の先端ではなくキャ
リアシートの先端を検知するので、読み取りが原稿に対
し所定位置から行われず、画像の形成位置がずれるおそ
れがあるわけである。

例えば、第４図に示すキャリアシートcaでは、原稿読
み取りは、キャリアシートcaの先端、つまり両シート部
1a,2aの結合部4aの先端を適宜スイッチにより検知し、
その検知から所定時間後に行われ、従って原稿3aに対し
所定位置から行われないおそれがある。なお、第４図の
6aは結合部4aの逆搬送方向端辺を示し、5a……はキャリ
アシートcaの先端から突出形成された位置ずれ防止用の
突出片にすぎない（実開昭58−170641号公報参照）。

もちろん、上述のような画像形成の位置ずれは、読み
取りが、原稿の先端ではなく、キャリアシートの先端を
検知することから起るものであり、キャリアシートにお
ける両シート部の結合部の深さ（搬送方向の長さ）だ
け、読み取り時期を切換えてずらせることによって可能
になる。しかし、そのためには切換スイッチや制御装置
が別途必要となり、コストが高くなると共に操作が複雑
になる。

更に言えば、このようにキャリアシートを用いた場合
に、原稿の読み取り時期をずらせることができたとして
も、原稿の先端辺が、ぴったり両シート部の結合部の端
辺に当接することは、通常の場合、まれであり、結局、
画像形成の位置ずれ解消は難しい問題であった。

（ハ）課題を解決するための手段及び作用 この考案は、原稿の被読み取り面を支持する方形透明
シート部と、原稿の他面を支持し、上記透明シート部と
略同形状のシート部と、これら両シート部の搬送方向先
端辺同士を結合すると共に搬送方向に延びる固定部とか
らなり、搬送方向先端からの上記固定部の深さより浅い
ところから固定部と両シート部のそれぞれとの境界線を
越えたところにわたって形成され、両シート部間に挟持
される原稿の搬送方向先端を検知するための通孔を有し
てなる原稿キャリアシートと、この原稿キャリアシート
を用いて原稿を原稿読み取り部に搬送するための搬送路
及び搬送手段と、原稿読み取り部より上流側の搬送路中
に設置された先端タイミングスイッチと、原稿読み取り
部からの読み取り情報を顕像化して転写しうる転写手段
と、この転写手段の転写位置に転写紙を搬送しうるレジ
ストローラと、上記原稿キャリアシートが用いられる場
合、先端タイミングスイッチを、同キャリアシートの搬
送方向先端によってオンした後に通孔によってオフし次
いで通孔に露出した原稿の搬送方向先端によって再びオ
ンする時に、レジストローラに作動を指令し、転写のた
めのタイミング調整をしうる制御手段とを備えてなる画
像形成装置を提供する。

ここで、原稿キャリアシートには、搬送方向先端から
の上記固定部の深さより浅いところから固定部と両シー
ト部のそれぞれとの境界線を越えたところにわたって特
有の通孔が形成されている。この通孔によって、両シー
ト部間に挟持される原稿の搬送方向先端をその通孔に露
出させることができる。そして、このような通孔が形成
された原稿キャリアシートを使用する場合に、先端タイ
ミングスイッチを、同キャリアシートの搬送方向先端に
よってオンした時ではなく、同キャリアシートの先端に
よってオンした後に通孔によってオフし次いで通孔に露
出した原稿の搬送方向先端によって再びオンする時に、
初めてレジストローラに作動を指令し、転写のためのタ
イミング調整を行う。具体的には、先端タイミングスイ
ッチを一旦オンした後にオフし次いで再びオンする時
に、初めて転写のためのタイミング調整を行えるよう各
部に作動を指令する特有の制御手段（例えばマイクロコ
ンピューターよりなる制御回路）を採用している。

更に、原稿キャリアシートには、原稿が露出する部分
を固定部の先端から切り欠かずに上記のような通孔を設
けている。したがって、原稿キャリアシートが繰り返し
使用された場合にその腰が特に搬送方向先端において弱
くなるおそれを防止することができる。

（ニ）実施例 以下図に示す実施例に基づいてこの考案を詳述する。
なお、これによってこの考案が限定されるものではな
い。

第１〜２図において、複写機用原稿キャリアシートＣ
は、原稿３の被読み取り面を支持する方形透明シート部
１と、原稿３の他面を支持し、上記シート部１と略同形
状の不透明（白色）シート部２と、これら両シート部の
搬送方向先端縁同士を結合する固定部６とからなる。

而して７はこのキャリアシートＣの搬送方向（Ｈ）先
端からの上記固定部の深さより浅いところから固定部と
両シート部のそれぞれとの境界線を越えたところにわた
って形成された通孔である。従って、通常、方形状の原
稿３を、キャリアシートＣの両シート部1,2間に、原稿
３の先端辺が固定部６の後端辺に当接するよう挟持する
と、原稿３の先端辺の一部（3b,幅方向中央部）が通孔
７から搬送方向に露出することになる。

一方複写機Ｆは、特に第２図（Ｂ）において、原稿及
び原稿キャリアシートＣを原稿読み取り部15に搬送する
ための搬送路24と、搬送手段としての第１搬送ローラ対
9,9b及びこのローラ対から原稿読み取り部15を介して設
けられた第２搬送ローラ対12,12bと、搬送路24上の第１
搬送ローラ対9,9bを介して、上流側の原稿検知スイッチ
14及び下流側の先端タイミングスイッチ８と、転写部と
しての感光体ドラム19及び現像ユニット21と、転写紙22
を搬送するレジストローラ23と、複写機Ｆの各部に作動
を指令するマイクロコンピューターよりなる制御回路20
とから主としてなる。なお、10は原稿台であり、原稿読
み取り部15は光源17、ガラス板16、レンズ18よりなる。

かくして、第１〜第３図において、複写機Ｆの原稿台
10上に挿入（Ｉ、第３図参照以下同様）され載置された
原稿３入りキャリアシートＣは、原稿検知スイッチ14に
よってキャリアシートＣの到達を検知すると（II）、搬
送ローラ9,9bによって搬送方向Ｈへ搬送される（II
I）。この際、先端タイミングスイッチ８のレバー8b
が、まずキャリアシートＣの先端辺４に当接してそのス
イッチ８をオンさせるが（IV）、その際には、制御回路
20から転写のためのタイミング調整の指令は出されず、
一旦先端タイミングスイッチ８を通孔７によりオフして
後（Ｖ）、その通孔７から突出する原稿３の端辺3bに当
接して先端タイミングスイッチ８を作動させ（VI）、そ
れによって制御回路20により、レジストローラ23に作動
が指令され、転写のためのタイミング調整が行われる
（VII）。かくして先端タイミングスイッチ８の２度目
のオンから一定時間後（例えば３秒後）から露光位置25
で原稿３の情報が読み取られ、適宜キャリアシートＣが
第２搬送ローラ対12、12bにより排出される。読み取ら
れた光学的情報は、感光体ドラム19上に静電潜像として
与えられ、更に現像ユニットによってトナー顕像となっ
てレジストローラ23の作動により予め転写位置に待機し
ている転写紙22に転写される。

なお、先端タイミングスイッチ８が一度オンしてその
後オフしないときは、キャリアシートＣの停止の検出信
号、つまり第３図のごとく、ジャムの検出信号が制御回
路20から適宜発せられる（Ｖ）。

以上のごとく、キャリアシートＣは、搬送方向先端か
らの固定部６の深さより浅いところから深い（固定部と
両シート部のそれぞれとの境界線を越えた）ところにわ
たる通孔７を形成しているので、複写機Ｆの先端タイミ
ングスイッチ８及び制御回路20により、キャリアシート
Ｃの先端辺ではなく、原稿３自体の先端辺を検知でき、
それによって原稿３の読み取りが原稿の所定位置から開
始され、転写紙における画像形成の位置のずれを防止で
きる。

またキャリアシートＣは、原稿を保護しうる強度を有
していなければならないが、できるだけ薄く形成するこ
とが、情報の読み取り及び搬送に必要であり、そのシー
トに固定部の先端から切り欠くことなく通孔を形成して
いるので、シートの腰折れなどが防止できる。なお、キ
ャリアシートＣを用いれば、原稿のみを用いる場合と、
先端タイミングの調整が変わってくるので、それを切換
えるための切換スイッチ又は制御装置が必要となる。

この考案においてキャリアシートに形成される通孔
は、キャリアシートの搬送方向先端からの上記固定部の
深さより浅いところから固定部と両シート部のそれぞれ
との境界線を越えたところ−深いところ−にわたって形
成される。具体的には、固定部の深さを例えば20〜30mm
として、その深さよりも好ましくは10〜15mm浅いところ
から好ましくは５〜15mm深いところにわたって形成さ
れ、キャリアシートに原稿を挟む通常の操作でその通孔
から搬送方向に原稿先端辺が必ず突出するように設定さ
れる。また通孔の幅は通常30〜60mmが好ましい。もちろ
ん、このような通孔のキャリアシートでの幅方向位置
は、画像形成装置の原稿先端検知スイッチの横方向位置
に対応して決められ、通常キャリアシートの幅方向中央
に決められる。

なお、この考案において、キャリアシートの固定部
は、別々のシート部を融着又は接着剤層で結合してもよ
いが、両シート部を一枚のシート材で構成し、それを折
り曲げて、折り曲げ部分近傍の対向内面を融着又は接着
剤層を介して張り合わせ結合して形成してもよい。更に
１枚又は別々のシート部の結合部分に別途シートを結合
して固定部としてもよい。

（ホ）考案の効果 この考案によれば、搬送方向先端からの固定部の深さ
より浅いところから固定部と両シート部のそれぞれとの
境界線を越えたところにわたって形成され、両シート部
間に挟持される原稿の搬送方向先端を検知するための通
孔を有してなる原稿キャリアシートと、この原稿キャリ
アシートが用いられる場合、先端タイミングスイッチ
を、同キャリアシートの搬送方向先端によってオンした
後に通孔によってオフし次いで通孔に露出した原稿の搬
送方向先端によって再びオンする時に、レジストローラ
に作動を指令し、転写のためのタイミング調整をしうる
制御手段とを備えているので、原稿キャリアシートの先
端によって先端タイミングスイッチをオンした時ではな
く、通孔に露出した原稿の搬送方向先端で先端タイミン
グスイッチをオンした時に転写のためのタイミング調整
を行うことが可能になり、それによって原稿の読み取り
が原稿の所定位置から開始され、画像形成の位置ずれを
防止することができる。更に、原稿キャリアシートに
は、原稿が露出する部分を固定部の先端から切り欠かず
に上記のような通孔を設けている。したがって、原稿キ
ャリアシートが繰り返し使用された場合にその腰が特に
搬送方向先端において弱くなるおそれを防止することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る画像形成装置の一実施例におけ
る原稿キャリアシートを示す使用状態説明斜視図、第２
図（Ａ）（Ｂ）はその使用状態説明縦断面図、第３図は
その先端タイミングスイッチと制御回路の作動を示すフ
ローチャート、第４図は従来の原稿キャリアシートを示
す斜視図である。 １……方形透明シート部、２……シート部、３……原
稿、６……固定部、７……通孔、８……先端タイミング
スイッチ、15……原稿読み取り部、19……感光体ドラ
ム、20……制御回路、21……現像ユニット、Ｆ……複写
機、Ｃ……キャリアシート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】原稿の被読み取り面を支持する方形透明シ
   ート部と、原稿の他面を支持し、上記透明シート部と略
   同形状のシート部と、これら両シート部の搬送方向先端
   辺同士を結合すると共に搬送方向に延びる固定部とから
   なり、搬送方向先端からの上記固定部の深さより浅いと
   ころから固定部と両シート部のそれぞれとの境界線を越
   えたところにわたって形成され、両シート部間に挟持さ
   れる原稿の搬送方向先端を検知するための通孔を有して
   なる原稿キャリアシートと、 この原稿キャリアシートを用いて原稿を原稿読み取り部
   に搬送するための搬送路及び搬送手段と、 原稿読み取り部より上流側の搬送路中に設置された先端
   タイミングスイッチと、原稿読み取り部からの読み取り
   情報を顕像化して転写しうる転写手段と、 この転写手段の転写位置に転写紙を搬送しうるレジスト
   ローラと、 上記原稿キャリアシートが用いられる場合、先端タイミ
   ングスイッチを、同キャリアシートの搬送方向先端によ
   ってオンした後に通孔によってオフし次いで通孔に露出
   した原稿の搬送方向先端によって再びオンする時に、レ
   ジストローラに作動を指令し、転写のためのタイミング
   調整をしうる制御手段とを備えてなる画像形成装置。