JPH08265015A - 誘電体共振器及び高周波帯域通過フィルタ装置 - Google Patents

誘電体共振器及び高周波帯域通過フィルタ装置

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JPH08265015A
JPH08265015A JP7062625A JP6262595A JPH08265015A JP H08265015 A JPH08265015 A JP H08265015A JP 7062625 A JP7062625 A JP 7062625A JP 6262595 A JP6262595 A JP 6262595A JP H08265015 A JPH08265015 A JP H08265015A
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resonator
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dielectric resonator
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容平 石川
Toshiro Hiratsuka
敏朗 平塚
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憲一 飯尾
Sadao Yamashita
貞夫 山下
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    • HELECTRICITY
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    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/20Frequency-selective devices, e.g. filters
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    • H01P1/208Cascaded cavities; Cascaded resonators inside a hollow waveguide structure
    • H01P1/2084Cascaded cavities; Cascaded resonators inside a hollow waveguide structure with dielectric resonators
    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ミリ波帯で使用でき、かつ温度の変化に対し
て共振周波数の変化が極めて小さくできる安価な誘電体
共振器と高周波帯域通過フィルタ装置を提供する。 【構成】 誘電体基板3と、誘電体基板3の第1の面に
形成され、かつ第1の開口部を有する第1の電極1と、
誘電体基板の第2の面に形成され、かつ第2の開口部を
有する第2の電極2と、誘電体基板3から所定の間隔だ
け隔てて設けられた第1の導体板211と、誘電体基板
3から所定の間隔だけ隔てて設けられた第2の導体板2
12とを備え所定の共振周波数で共振する誘電体共振器
であって、第1の電極と第2の電極とによって挟設され
た誘電体基板と、第1の電極と第1の導体板の間の自由
空間と、第2の電極と第2の導体板の間の自由空間と
が、共振周波数と同じ周波数を有する高周波信号を減衰
させる遮断領域である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波、ミリ波帯
で使用される誘電体共振器及び高周波帯域通過フィルタ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、900MHz帯および準マイクロ
波帯の移動体通信システムの需要は急速に増加してお
り、近い将来、使用周波数の不足が懸念されている。ま
た、マルチメディア化に対応するシステムとして、画像
や映像情報を送る通信システムが検討されているが、そ
のためには大容量で高速な通信方式の実現が要求されて
いる。そこで、ほとんど未使用の帯域であり、また広帯
域化、大容量、通信の高速化が容易なミリ波の周波数帯
域の利用が考えられている。
【0003】また、ミリ波は大気等による吸収損失が大
きいという特徴をいかして、ピコセルと呼ばれる小さな
セル内での通信に用いることも考えられている。このミ
リ波帯ピコセル移動体通信は無線ゾーンが非常に小さい
ため、従来の準マイクロ波帯以下のシステムに比べ、基
地局の数は桁違いに多くなる。そのため基地局用フィル
タは従来のフィルタ以上に小型でかつ低コストであるこ
とが求められ、大量生産が可能な量産性が要求される。
【0004】従来、マイクロ波やミリ波帯フィルタには
導波管フィルタが多く使用されていた。しかし最近で
は、マイクロ波帯において、高価な導波管フィルタに代
わって、TE01δモード誘電体共振器を用いて構成され
たTE01δモード誘電体フィルタが広く用いられるよう
になってきている。このTE01δモード誘電体フィルタ
は、複数の円柱形状のTE01δモード誘電体共振器を、
当該誘電体共振器の共振周波数より高い遮断周波数を有
する方形導波管の中に所定の間隔で並置して構成され
る。このフィルタは1967年にCohnにより報告さ
れたのが最初であり、その後、放送機器用として実用化
研究が進められ、1975年に、脇野らにより温度特性
が補償された誘電体を用いて、高い温度安定性を有する
ものが実用化された。一般的に誘電体共振器フィルタ
は、温度特性はほとんど共振器材料の温度特性によって
決まるため、キャビティにコバール、インバー等の高価
な金属を使用する必要がないという利点を持っている。
【0005】TE01δ誘電体共振器をミリ波帯で使用し
た例として、入出力を導波管としたものが報告されてい
る。また、より損失を小さくするために米山らが発明し
た非放射性誘電体線路(Nonradiative Dieiectric Wave
guide:以下、NRDガイドという。)を入出力にした
ものも報告されている。これらのフィルタはミリ波帯で
も低損失で良好な特性が得られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、TE01δ誘電
体共振器の共振周波数は、円柱形状の誘電体の寸法によ
って決定され、かつ60GHzでは、円柱形状の寸法が
高さ0.37mm,直径1.6mmと非常に小さくなる
ために、現在量産が可能な加工精度でTE01δ誘電体共
振器を加工すると、共振周波数のバラツキが大きくなる
という問題点があった。
【0007】また、TE01δ誘電体共振器を用いてTE
01δモード誘電体フィルタを構成しようとすると、導波
管の中に、複数のTE01δ誘電体共振器を、高い精度で
所定の間隔に並べて設ける必要があり、実際にはそのよ
うな高い精度で製造することは困難であるという問題が
あった。このためミリ波帯において、所望のフィルタ特
性を有する誘電体フィルタを製造しようとすると、各T
01δ誘電体共振器毎に共振周波数を微調整する共振周
波数の調整手段を設けるとともに、各TE01δ誘電体共
振器間毎に互いの結合量を微調整する結合調整手段を設
ける必要があり極めて高価になるという問題点があっ
た。
【0008】本発明の第1の目的は、以上の問題点を解
決し、ミリ波帯で使用でき、かつ従来例のTE01δ誘電
体共振器に比較して温度の変化に対して共振周波数の変
化がさらに小さくでき、従来例のTE01δ誘電体共振器
に比較して安価な誘電体共振器を提供することにある。
【0009】本発明の第2の目的は、以上の問題点を解
決して、ミリ波帯で使用でき、かつ従来例のTE01δ
ード誘電体フィルタに比較して安価な高周波帯域通過フ
ィルタ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の誘電体共振器は、互いに対向する第1と第2の面を
有する誘電体基板と、上記誘電体基板の第1の面に形成
されかつ上記誘電体基板の第1の面の中央部に所定の形
状の第1の開口部を有する第1の電極と、上記誘電体基
板の第2の面に形成されかつ上記第1の開口部と対向す
る位置に第1の開口部と実質的に同一の形状の第2の開
口部を有する第2の電極と、上記誘電体基板の第1の面
から所定の間隔だけ隔てて上記第1の開口部が第1の導
体板の一部と対向するように設けられた第1の導体板
と、上記誘電体基板の第2の面から所定の間隔だけ隔て
て上記第2の開口部が第2の導体板の一部と対向するよ
うに設けられた第2の導体板とを備え、所定の共振周波
数で共振する誘電体共振器であって、上記第1の電極と
上記第2の電極とによって挟設された上記誘電体基板の
うちの上記第1の開口部と上記第2の開口部によって挟
まれた共振器形成領域を除いた部分が上記共振周波数と
同じ周波数を有する高周波信号を減衰させるように、上
記誘電体基板の厚さと誘電率を設定し、上記第1の電極
と上記第1の導体板の間で、上記共振周波数と同じ周波
数を有する高周波信号を減衰させるように、上記誘電体
基板の第1の面と第1の導体板との間隔を設定し、かつ
上記第2の電極と上記第2の導体板の間で、上記共振周
波数と同じ周波数を有する高周波信号を減衰させるよう
に、上記誘電体基板の第2の面と第2の導体板との間隔
を設定したことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の誘電体共振器は、請求項1
記載の誘電体共振器において、上記第1の電極と上記第
1の導体板の間と、上記第2の電極と上記第2の導体板
の間のうちの少なくとも一方に、誘電体を備えたことを
特徴とする。請求項3記載の誘電体共振器は、請求項1
又は2記載の誘電体共振器において、上記第1と第2の
開口部は、円形であることを特徴とする。
【0012】請求項4記載の誘電体共振器は、請求項
1、2又は3記載の誘電体共振器においてさらに、上記
第1の導体板と第2の導体板とを含んで構成され、上記
誘電体共振器の電磁界をキャビティー内に閉じ込めるた
めのキャビティをさらに備えたことを特徴とする。
【0013】本発明に係る請求項5記載の高周波帯域通
過フィルタ装置は、上記請求項1乃至4記載の誘電体共
振器と、上記誘電体共振器に高周波信号を入力する入力
手段と、上記誘電体共振器から出力される高周波信号を
出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】請求項6記載の誘電体共振器は、請求項5
記載の高周波帯域通過フィルタ装置において、上記入力
手段と上記出力手段のうちの少なくとも一方は、非放射
性誘電体線路であることを特徴とする。
【0015】請求項7記載の高周波帯域通過フィルタ装
置は、互いに所定の間隔を隔てて並置された複数の上記
請求項1乃至4記載の誘電体共振器と、上記誘電体共振
器に高周波信号を入力する入力手段と、上記誘電体共振
器から出力される高周波信号を出力する出力手段とを備
えたことを特徴とする。
【0016】請求項8記載の高周波帯域通過フィルタ装
置は、請求項7記載の高周波帯域通過フィルタ装置にお
いて、上記入力手段と上記出力手段のうちの少なくとも
一方は、非放射性誘電体線路であることを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明に係る請求項1記載の誘電体共振器にお
いては、上記第1と第2の開口部の間に挟まれた誘電体
基板は、共振周波数と同じ周波数を有する高周波信号が
入力されたときに定在波を生じる共振器形成領域を形成
する。そして、上記第1の電極と上記第2の電極とによ
って挟設された、上記共振器形成領域以外の誘電体基板
によって上記共振周波数を有する高周波信号を減衰させ
る遮断領域を形成し、上記第1の電極と上記第1の導体
板との間と、上記第2の電極と上記第2の導体板との間
とがともに上記共振周波数を有する高周波信号を減衰さ
せる遮断領域を形成する。これによって、上記誘電体共
振器を共振周波数と同じ周波数を有する高周波信号で励
振すると、当該高周波信号の電磁界は、上記第1と第2
の開口部の間の共振器形成領域の内部と、上記第1の開
口部と上記第1の導体板の間の自由空間と、上記第2の
開口部と上記第2の導体板の間の自由空間の近傍に分布
して上記誘電体共振器は共振する。
【0018】請求項2記載の誘電体共振器は、請求項1
記載の誘電体共振器において、上記第1の電極と上記第
1の導体板の間と、上記第2の電極と上記第2の導体板
の間のうちの少なくとも一方に、誘電体を備える。請求
項3記載の誘電体共振器は、請求項1又は2記載の誘電
体共振器において、上記第1と第2の開口部は、円形で
ある。
【0019】請求項4記載の誘電体共振器は、請求項
1、2又は3記載の誘電体共振器においてさらに、上記
第1の導体板と第2の導体板とを含んで構成されるキャ
ビティを備える。
【0020】本発明に係る請求項5記載の高周波帯域通
過フィルタ装置は、上記請求項1乃至4記載の誘電体共
振器と、上記入力手段と、上記出力手段とを備える。こ
れによって、上記入力手段から入力された所定の周波数
を有する高周波信号のみが、上記誘電体共振器を通過し
て上記出力手段から出力される。
【0021】請求項6記載の誘電体共振器は、請求項5
記載の高周波帯域通過フィルタ装置において、上記入力
手段と上記出力手段のうちの少なくとも一方は、非放射
性誘電体線路である。
【0022】請求項7記載の高周波帯域通過フィルタ装
置は、所定の間隔で並置された複数の上記請求項1乃至
4記載の誘電体共振器と、上記入力手段と、上記出力手
段とを備える。これによって、上記入力手段から入力さ
れた所定の周波数を有する高周波信号は、上記誘電体共
振器を通過して上記出力手段から出力される。
【0023】請求項8記載の高周波帯域通過フィルタ装
置は、請求項7記載の高周波帯域通過フィルタ装置にお
いて、上記入力手段と上記出力手段のうちの少なくとも
一方は、非放射性誘電体線路である。
【0024】
【実施例】
<第1の実施例>図1は、本発明に係る第1の実施例の
TE010モード誘電体共振器81の縦断面図であり、ま
た、図2は図1のA−A’線についての横断面図であ
る。
【0025】第1の実施例のTE010モード誘電体共振
器81は、中央部に共振器形成領域60が形成された誘
電体基板3と、上導体板211と下導体板212とを備
えた導体ケース11とによって構成され、以下の特徴を
有する。共振器形成領域60は、誘電体基板3の上面に
形成された電極1の中央部に設けられた開口部4と、誘
電体基板3の下面に形成された電極2の中央部に設けら
れた開口部5とによって挟まれた誘電体基板3によって
構成される。
【0026】以下、図面を参照して第1の実施例のTE
010モード誘電体共振器81について詳細に説明する。
【0027】図1に示すように、誘電体基板3の上面
に、誘電体基板3の上面の中央部に直径がdの円形形状
の開口部4を有する電極1が形成される。また、誘電体
基板3の下面には、開口部4と同一形状の開口部5を有
する電極2が形成される。ここで、誘電体基板3は、所
定の比誘電率εrを有しかつ一辺の長さがDの正方形の
形状を有する。また、開口部4,5の直径dは誘電体基
板3の一辺より小さく設定され、開口部4と開口部5
は、互いに同軸になるように設けられる。これによっ
て、誘電体基板3に円柱形状の共振器形成領域60が形
成される。ここで、共振器形成領域60は、誘電体基板
3の中央部であって、開口部4の上端面61と、開口部
5の下端面62を有する円柱形状の領域である。また、
共振器形成領域60の円周面360は、誘電体基板3の
内部に仮想的に設けられる。また、誘電体基板3の比誘
電率εrと厚さt及び開口部4,5の直径dは、共振器
形成領域60にTE010モード誘電体共振器81の共振
周波数と同じ周波数を有する高周波信号が入力されたと
きに定在波を生じるように設定される。
【0028】また、電極1は、誘電体基板3の上面のう
ちの上端面61を除く全面に形成され、電極2は、誘電
体基板3の下面のうちの下端面62を除く全面に形成さ
れる。これによって、共振器形成領域60を除く誘電体
基板3の環状部分は、電極1と電極2によって挟設され
て平行平板導波管を構成し、誘電体基板3の厚さtと誘
電率εrは、当該平行平板導波管の基本伝搬モードであ
るTE01モードの遮断周波数が、TE010モード誘電体
共振器81の共振周波数より高くなるように設定され
る。すなわち、電極1と電極2によって挟設された、共
振器形成領域60を除く誘電体基板3の環状部分は、共
振周波数と同じ周波数を有する高周波信号を減衰させる
減衰領域203を構成する。言い換えれば、当該減衰領
域203が共振周波数と同じ周波数を有する高周波信号
を減衰させるように、誘電体基板3の比誘電率εrと厚
さtとを設定する。
【0029】また、電極1と電極2とを備えた誘電体基
板3は、導体ケース11の内部のキャビティ10に以下
のように設けられる。ここで、導体ケース11は、互い
に対向する正方形の上導体板211と下導体板212と
4つの側面導体とによって構成され、導体ケース11の
内部には、一辺の長さがDである正方形の横断面を有し
かつ高さがhである正方柱状のキャビティ10が形成さ
れる。そして、上記キャビティ10の中に、誘電体基板
3は、誘電体基板3の各側面と導体ケース11の各側面
導体が接するようにかつ誘電体基板3の上面と導体ケー
ス11の上導体板211との距離h1と、誘電体基板3
の下面と導体ケース11の下導体板212との距離h1
とが互いに等しくなるように設けられる。ここで、誘電
体基板3の上端面61と対向する部分を除く上導体板2
11と、電極1とによって挟まれた自由空間は平行平板
導波管を構成し、当該平行平板導波管の基本伝搬モード
であるTE01モードの遮断周波数が共振周波数より高く
なるように、距離h1は設定される。すなわち、誘電体
基板3の上端面61と対向する部分を除く上導体板21
1と、電極1とによって挟まれた自由空間は、共振周波
数を有する高周波信号を減衰させる減衰領域201を構
成する。言い換えれば、減衰領域201が共振周波数と
同じ周波数を有する高周波信号を減衰させるように距離
h1を設定する。
【0030】また、同様に、誘電体基板3の下端面62
と対向する部分を除く下導体板212と、電極2とによ
って挟まれた自由空間は平行平板導波管を構成し、当該
平行平板導波管の基本伝搬モードであるTE01モードの
遮断周波数が共振周波数より高くなるように、誘電体基
板3の下面と導体ケース11の下導体板212との距離
h1は設定される。すなわち、誘電体基板3の下端面6
2と対向する部分を除く下導体板212と、電極2とに
よって挟まれた自由空間は、共振周波数を有する高周波
信号を減衰させる減衰領域202を構成する。言い換え
れば、減衰領域202が共振周波数と同じ周波数を有す
る高周波信号を減衰させるように距離h1を設定する。
【0031】以上のようにして、第1の実施例のTE
010モード誘電体共振器81は構成される。
【0032】以上のように構成された第1の実施例のT
010モード誘電体共振器81において、誘電体基板3
の中央部には、共振周波数と同じ周波数を有する高周波
信号が入力されたときに定在波を生じる共振器形成領域
60が形成される一方、共振周波数と同じ周波数を有す
る高周波信号を減衰させる減衰領域201と減衰領域2
02と減衰領域203が形成される。これによって、第
1の実施例のTE010モード誘電体共振器81を共振周
波数と同じ周波数を有する高周波信号で励振すると、第
1の実施例のTE010モード誘電体共振器81の電磁界
は、図3に示すように、共振器形成領域60の内部と、
共振器形成領域60の近傍の自由空間に閉じ込められて
共振する。
【0033】次に第1の実施例のTE010モード誘電体
共振器81の動作原理を詳細に説明する。図4は、第1
の実施例のTE010モード誘電体共振器81の動作の原
理を説明するための誘電体基板3の中央部における断面
図である。図4において、上端面61と下端面62は、
近似的に磁気壁と仮定して表している。このとき共振器
形成領域60の内部には、共振器形成領域60の軸に向
かう方向のみに伝搬ベクトルをもつ円筒波のTE00 -
ード、または共振器形成領域60の軸から外周面360
に向かう方向のみに伝搬ベクトルをもつ円筒波のTE00
+モードが伝搬モードとして存在する。ここで、TEの
文字の右上に付したプラス(+)とマイナス(−)の符
号はそれぞれ、共振器形成領域60の軸に向かう方向の
みに伝搬ベクトルをもつ円筒波と共振器形成領域60の
軸から外周面360に向かう方向のみに伝搬ベクトルを
もつ円筒波を表示する。図4において、誘電体基板3の
上面と接する電極1の下面6と、誘電体基板3の下面と
接する電極2の上面7は電気壁である。ここで、円筒波
とは、ベッセル関数やハンケル関数などの円筒関数を用
いて表現することができる電磁波であって、以降の説明
においては共振器形成領域60の軸方向をz軸とし、共
振器形成領域60の軸から径方向の距離をr、共振器形
成領域60の円周方向の角度をφとする円柱座標を用い
る。
【0034】以上のような境界条件のもとでは、TE
0m0モードの電磁界分布は、円柱座標系を用いて次の数
1と数2で表すことができる。ここで、Hzは、円柱形
状の共振器形成領域60の軸方向、すなわちz方向の磁
界であり、Eφは、φ方向の電界を表わす。また、k0
は波長定数であり、ωは角周波数である。さらに、μは
誘電体基板3の透磁率である。
【0035】
【数1】Hz=k0 2
【数2】Eφ=jωμ(∂U/∂r)
【0036】ここで、Uは電磁界スカラーポテンシャル
であり、一般に共振器形成領域60の軸に向かう方向に
のみに伝搬ベクトルをもつ円筒波と、共振器形成領域6
0の軸から外周面360に向かう方向にのみに伝搬ベク
トルをもつ円筒波との重ね合わせで表される。すなわち
定数c1,c2と、0次の第一種ハンケル関数であるH0
(1)(・)と、0次の第二種ハンケル関数であるH
0 (2)(・)を用いて次の数3のように表わすことができ
る。ここで、krは、動径方向の境界条件から決まる固
有値である。
【0037】
【数3】 U=c10 (1)(krr)+c20 (2)(kr)
【0038】r=0の共振器形成領域の軸上で磁界H
と電界Eφがともに有限であるためにはc1=c2という
完全定在波条件を満足する必要があり、当該条件と次の
数4と数5の関係式を用いると、電磁界スカラーポテン
シャルUは、0次の第一種ベッセル関数であるJ
0(・)を用いて次に示す数6で表わすことができる。
【0039】
【数4】 H0 (1)(krr)=J0(krr)+jY0(krr)
【数5】 H0 (2)(krr)=J0(krr)−jY0(krr)
【数6】U=AJ0(krr) ここで、A=c1+c2
【0040】数1,数2,数6を用いると、磁界Hz
電界Eφはそれぞれ、次の数7と数8で表わすことがで
きる。
【0041】
【数7】Hz=Ak0 20(krr)
【数8】Eφ=jωμkrAJ1(krr)
【0042】また、krの値は、r=r0=d/2である
共振器形成領域60の仮想的な外周面360で、電界E
φがほぼゼロとなるためには次の数9を満足するように
設定する必要がある。
【0043】
【数9】kr0=3.832
【0044】この数9を満足するkrの値を数7と数8
に代入することにより、共振状態にあるTE010モード
の磁界Hzと電界Eφを求めることができる。
【0045】以上のようにして求めた磁界Hzと電界E
φは、r=r0においてEφ=0が成り立つという条件
のもと、すなわち共振器形成領域60の仮想的な外周面
360で電界Eφが0になるという条件のもとで求めた
ものであるが、実際には、電極1と電極2の開口部4,
5の外周面の近傍で高次モードであるTE0n ±モードが
発生し、磁界Hzと電界Eφは、高次モードであるTE
0n ±モードの電磁界と結合するために、磁界Hzと電界
φとに歪みが生じる。ここで、TE0n ±モードにおけ
るnは偶数である。このことを等価回路で表現すると図
5のように表わすことができる。図5において、伝送線
路LN1は、共振器形成領域60の内部における共振器
形成領域60の軸に向かう方向と、共振器形成領域60
の軸から外周面360に向かう方向の伝搬モードである
TE00 ±モードとが伝搬する伝送線路を表示している。
もし、r=r0の外周面360で電界成分が存在しな
い。すなわち、A点から右を見た回路が電気的に短絡さ
れていると考えられる場合には基本波であるTE010
ードのみで共振し、数9を満足することとなる。
【0046】しかし、今回のモデルの場合、r=r0
おいて境界条件が不連続となるために、円筒波は、共振
器形成領域60の内部では、n≧1のときのTE0,2n -
モードのエバネセント波に結合し、また電気壁ではさま
れた減衰領域203ではn≧0のときのTE0,2n+1 +
ードのエバネセント波に結合する。したがって、図5の
等価回路において、インダクタL1は、TE0,2n -モー
ドのエバネセント波の有する磁気エネルギーを表し、イ
ンダクタL2はTE0,2n+1 +モードのエバネセント波の
有する磁気エネルギーを表している。また、インダクタ
L11とインダクタL12はそれぞれの領域におけるエ
バネセント波のもつ磁気エネルギーを表し、互いに誘導
結合している。
【0047】この等価回路によりA点に接続されたイン
ダクタL1やインダクタL12によるリアクタンスの大
きさによりTE010モード誘電体共振器81の共振周波
数は変化するが、TE00 ±モードの完全定在波条件は常
に満足することが理解できる。
【0048】また、このモデルでは伝搬領域の上下面す
なわち共振器形成領域60の上端面61と下端面62を
磁気壁と仮定したが、実際のモデルでは導体ケース11
の上下導体板の磁界摂動の影響により、共振周波数が磁
界摂動の影響がない場合に比較して、数十パーセント高
くなる。
【0049】次に第1の実施例のTE010モード誘電体
共振器81の電磁界解析を行った結果について説明す
る。一般的にTEモード誘電体共振器の電磁界解析方法
としては、変分法やモード整合法によるものが報告され
ている。しかし第1の実施例のTE010モード誘電体共
振器81では、上述したように、開口部4,5を形成す
る電極1と電極2の内周面で高次モードのTE0nモード
(n:偶数)が発生するので、当該内周面の近傍におけ
る電磁界解析に変分法やモード整合法を用いることは困
難である。そこで、第1の実施例のTE010モード誘電
体共振器81の電磁界解析には有限要素法を用いた。ま
た、有限要素法を用いて電磁界解析を行うにあたって
は、計算速度と計算精度を上げるために、回転対称の構
造を有するものの電磁界解析に適した二次元の有限要素
法を用いた。この方法は、円柱座標系で表した電界のr
方向の成分とz方向の成分の要素境界辺における接線方
向の成分の値及び電界のφ方向の成分の要素境界辺にお
ける値を未知のパラメータとする有限要素法であって、
この方法は、スプリアス解が計算されにくく、また中心
軸付近における電界の特異性による誤差も解消されると
いう利点を有する。
【0050】図6(a)の縦断面図に示したTE010
ード誘電体共振器81aは、第1の実施例のTE010
ード誘電体共振器81の電磁界の解析をするために用い
たモデルである。また、図6(b)は、図6(a)のB
−B’線についての横断面図である。TE010モード誘
電体共振器81aが第1の実施例のTE010モード誘電
体共振器81と比べて異なる点は、第1の実施例の正方
形の誘電体基板3に代えて円形の誘電体基板3aを用
い、横断面形状が正方形の導体ケース11に代えて、横
断面形状が円形形状の導体ケース11aを用いて構成し
ている点である。そして、誘電体基板3aの上面と下面
にはそれぞれ、第1の実施例のTE010モード誘電体共
振器81と同様に、開口部4aを備えた電極1aと開口
部5aを備えた電極2aが形成されて、共振器形成領域
63が形成される。また、誘電体基板3aは、第1の実
施例のTE010モード誘電体共振器81と同様に、導体
ケース11aに形成されたキャビティ10aの中に設け
られる。ここで、誘電体基板3aと開口部4a,5a及
び円柱形状のキャビティ10aは、同軸になるように設
けられる。以上のように構成したTE010モード誘電体
共振器81aを用いることにより、上述した二次元の有
限要素法を用いることができる。また、キャビティ10
aの直径D1を共振器形成領域63の直径dに比べて大
きい所定の値に設定することによって、TE010モード
誘電体共振器81の共振器形成領域60とTE010モー
ド誘電体共振器81aの共振器形成領域63の電磁界の
分布は等しくなる。従って、TE010モード誘電体共振
器81aをTE010モード誘電体共振器81の電磁界の
解析のモデルとして用いることができる。
【0051】図6(a)において、回転対称軸であるz
軸は、共振器形成領域63の軸と一致するように設定
し、またz=0の面は磁気壁を仮定した。ここで、共振
器形成領域63の軸の中心点をz軸のz=0とした。そ
して、各構造パラメータを以下のように設定して、TE
010モード誘電体共振器81aの共振周波数と共振器形
成領域63の上端面64の直径dとの関係を、誘電体基
板3aの厚さtが0.2mm、0.33mm、0.5m
mのそれぞれの場合について計算して、図31のグラフ
に示した。 (1)誘電体基板3aの比誘電率εr=9.3、 (2)キャビティ10aの高さh=2.25mm。
【0052】図31から明らかなように、各構造パラメ
ータを上述したように設定することにより、TE010
ード誘電体共振器81aは、周波数が40GHzから1
00GHzのミリ波帯で共振することがわかる。そし
て、共振器形成領域63の上端面64の直径dを同一の
直径に設定した場合には、誘電体基板3aの厚さtが厚
い程、共振周波数は低くなり、誘電体基板3aの厚さt
を同一に設定した場合には、共振器形成領域63の上端
面64の直径dを大きくする程、共振周波数は低くなる
ことがわかる。
【0053】また、各構造パラメータを上述のように設
定したときの電界Eφの強度分布を、等高線SEを用い
て図7に示し、磁界Hzの強度分布を等高線SHを用い
て図8に示す。図7から明らかなように、電界はφ方向
にトーラス状に強度分布していることがわかる。図8か
ら明らかなように、磁界のz成分は共振器の中心部分が
最大となるように分布していることがわかる。これは従
来例のTE01δ誘電体共振器の電磁界分布にきわめて近
い分布をしていることを示している。しかし、共振器形
成領域63の外側では従来例のTE01δ誘電体共振器に
比べてはるかに強い遮断領域になっているため、電気エ
ネルギーおよび磁気エネルギーは共振器形成領域63の
内部により強く集中していることがわかる。このこと
は、回路素子間の相互作用が少なくでき、これによって
より集積度の高い回路構成が期待できる。
【0054】次にTE010モード誘電体共振器81aの
無負荷Qの解析結果について説明する。TE010モード
誘電体共振器81aの無負荷Qを計算するためには、図
9に示す、電極1a,2a及び導体ケース11aの上導
体板、下導体板の各表面における導体損失による導体Q
cを正確に計算する必要がある。そこで、導体Qcをさら
に、導体Qc wall,導体Qc dia,導体Qc upp,導体Qc
lowに分けて計算した。ここで、導体Qc wallは、導体ケ
ース11aの上導体板の下面111における導体損失に
よる導体Qであり、導体Qc diaは、開口部4aを形成す
る電極1aの内周側面102における導体損失による導
体Qである。また、導体Qc uppは、電極1aの上面10
1における導体損失による導体Qであり、導体Q
c lowは、電極1aの下面6における導体損失による導体
Qである。
【0055】導体Qcは一般的に次に示す数10で与え
られる。以下、数10に基づいて、導体Qc wall,導体
c dia,導体Qc upp,導体Qc lowを計算する。
【0056】
【数10】 Qc=(ω∫V│H│2dV)/(RsS│H│2ds)
【0057】まず、導体Qc diaを計算する。電極1aの
厚さは、サブミクロン程度に設定され、内周面102の
近傍では、磁界はきわめて大きな値を示す。そして、電
極端112ではさらに急激な変化を示す。このため磁界
を正確に計算することは非常に困難である。そこで、電
極1aの厚みをゼロとする簡単な計算モデルを用いて電
磁界解析を行った。電極1aの厚さをゼロとすることに
より構造パラメータを一つ少なくでき、有限要素法のメ
ッシュの形を正三角形に近づけることができるので計算
精度を向上できる。
【0058】また、Kajfez摂動論によれば導体に垂直な
電界が存在しないTEモード共振器のQcは次式で計算
することができる。数11中のDAは、減衰パラメータ
であり、数12で表される。また、dは、共振器形成領
域63の直径である。また、R sは、電極1aの表面抵
抗である。
【0059】
【数11】Qc={(2πf0μ0)/Rs}・(1/DA)
【数12】DA={2(−∂f0/∂d)}/f0
【0060】数11と数12に基づいて、構造パラメー
タを図31の共振周波数の計算に用いた値と同一の値に
設定しかつ電極1aに導電率σ=3.7×107を有す
るアルミニウムを用いたと仮定したときの導体Qc dia
計算すると、導体Qc diaは8700であった。
【0061】次に、以上のようにして計算した導体Qc
diaの計算結果が、電極1aの厚さにほとんど依存しな
いことを確認するために以下の検討を行った。図10
に、以下の検討において、図6のTE010モード誘電体
共振器81aとの比較に用いた誘電体装荷型TE011
ード共振器を示す。図10(a)は、当該誘電体装荷型
TE011モード共振器の縦断面図であり、図10(b)
は、図10(a)のC−C’線についての横断面図であ
る。当該誘電体装荷型TE011モード共振器は、図10
(a),(b)に示すように、直径d31の端面と厚さ
t31の軸方向の長さを有する円柱形状の誘電体31
が、導体ケース21によって形成される円柱形状のキャ
ビティ20の中央部に設けられて構成される。
【0062】そして、図6のTE010モード誘電体共振
器81aの共振周波数と上記誘電体装荷型TE011モー
ド共振器の共振周波数とがともに63GHzになるよう
に、上記TE010モード誘電体共振器81aの各構造パ
ラメータと、誘電体装荷型TE011モード共振器の各構
造パラメータとをそれぞれ、以下に示すように設定し
た。
【0063】1.上記TE010モード誘電体共振器81
aの各構造パラメータの設定値。 (1)共振器形成領域63の直径d=3.26mm、 (2)キャビティ10aの高さh=2.25mm、 (3)誘電体基板3aの比誘電率εr=9.3、 (4)誘電体基板3aの厚さt=0.33mm。
【0064】2.誘電体装荷型TE011モード共振器の
各構造パラメータの設定値。 (1)誘電体31の直径d31=3.49mm、 (2)キャビティ20の高さh31=2.25mm、 (3)誘電体31の比誘電率εr=9.3、 (4)誘電体31の厚さt31=0.33mm。
【0065】以上のように各構造パラメータを設定した
TE010モード誘電体共振器81aと誘電体装荷型TE
011モード共振器とにおいて、共振器形成領域63の直
径dと誘電体31の直径d31とをそれぞれ変化させ
て、その変化量Δd,Δd31に対する共振周波数の変
化量を計算して図11のグラフに示した。図11に示す
ように、TE010モード誘電体共振器81aと誘電体装
荷型TE011モード共振器の共振周波数は、ともに直径
d,d31の変化量Δd,Δd31に比例して変化し、
直径d,d31が増加すると共振周波数は低くなる。ま
た、両者ともほぼ直線にのり、また傾きもほとんど等し
い。摂動論によればこの傾きそのものが導体Qcを与え
る。この傾きから導体Qcを求めたところ、TE010モー
ド誘電体共振器81aの導体Qcが8800であったの
に対し、誘電体装荷型TE011モード共振器の導体Qc
8700であり、両者の導体Qcはほぼ一致することが
分かった。
【0066】また、TE010モード誘電体共振器81a
において、開口部4aを形成する電極1aの内周面10
2の表面積は、誘電体装荷型TE011モード共振器のキ
ャビティ20の側面の表面積に比べる極めて小さいにも
かかわらず両者の導体Qcは、上述のようにほとんど同
程度の導体Qcを示す。このことから電極1aの厚さt
をゼロにした計算モデルが極めて高い近似で有効である
ことが分かる。同時に導体Qc diaはTE010モードの基
本共振モードに対する本質的な導体Qを表していると推
定される。
【0067】次に、導体Qc wallについても同様の摂動
法を用いて計算した。その結果、導体Qc wallは254
00となった。
【0068】次に導体Qc uppと導体Qc lowを計算する。
これらの解析において、電極端112,113において
磁界がきわめて大きな値をとり、導体Qc diaの計算のと
きと同様に高精度な数値計算は困難である。また、上述
のように、導体Qc diaは基本共振モードであるTE010
モードに対する本質的な導体Qであったが、導体Qc upp
と導体Qc lowはTE010モードの共振電磁界に結合する
高次のTE02n+1モードのエバネセント波の磁界が引
きおこす電流損失によるものであり、摂動法による計算
結果から導体Qc uppと導体Qc lowを正確に求める方法は
容易に見いだすことはできない。そこで、TE02n+1
モードのエバネセント波の磁界を用いて、以下のように
して、導体Qc upp,導体Qc lowを計算した。
【0069】そこで、まず、磁界強度分布の解析の結果
が不自然でないかを確認した。図12は、電極1aの下
面6における電極端112の近傍の有限要素法により計
算された磁界強度を示すグラフであり、電極端112か
らの距離lの地点の磁界強度を示している。図12から
明らかなように、l=0の電極端112において磁界強
度の発散がみられる。そこでさらに、電極端112の近
傍のうちで電極端112に極めて近い部分における磁界
分布を把握するために両対数で表示したグラフを図13
に示す。電極端112からの距離が1μm以下では、有
限要素法では明らかに正確に計算できていないことが図
13より読みとることができる。従って、この磁界強度
をそのまま使って導体Qcを計算することはできない。
そこで、距離lが1μmから10μmの間の値の場合に
は、磁界強度が直線的に変化していることから1μm以
下の磁界強度についても同じ傾きで直線的に変化すると
いう仮定の基に1μm以下の磁界強度を補正して、TE
02n+1 +モードのエバネセント波の磁界Hを近似的に次
の数13で表した。そして、数13を用いて導体Q c
次の数14で表した。ここで、数13においてKは定数
である。数14における∫0 10μm2πr[Kl]2dlの
積分は、l=0からl=10μmの範囲で行う。
【0070】
【数13】H=Kl ここで、0≦l≦10μm
【数14】 Qc =(ω∫V│H│2dV)/(RsS │H│2ds) =(ω∫V│H│2dV)/{Rs0 10μm2πr(Kl)2dl}
【0071】図12のグラフを用いて定数Kと定数αの
値を求めたところ、電極1aの上面101において、定
数Kの値は103.683であり、定数αの値は−0.41
80であった。また、電極1aの下面6において、定数
Kの値は103.518であり、定数αの値は−0.460
8であった。そこで定数Kと定数αの値を数14に代入
して、導体Qc upp,導体Qc lowの値を求めたところ47
00および5300となった。以上の結果から、電極1
a,2a及び導体ケースの上導体板と下導体板の各表面
における導体損失を合わせた導体Qc totalは、アルミニ
ウムを用いて電極1aを形成したと仮定すると、180
0となった。表1には以上の結果とあわせて、銀を用い
て電極1aを形成した場合について計算した結果を示
す。
【0072】
【表1】 導体Qcの計算結果(共振周波数を63GHzに設定した場合) ─────────────────────────────────── 計算法 アルミ電極 銀電極 ─────────────────────────────────── Qc dia 摂動法 8700 11230 ─────────────────────────────────── Qc wall 摂動法 25400 45220 ─────────────────────────────────── Qc upp 積分法(電極端112補正) 4700 6070 ─────────────────────────────────── Qc low 積分法(電極端112補正) 5300 6840 ─────────────────────────────────── Qc total 1800 2400 ───────────────────────────────────
【0073】本発明者は、実際に本発明に係る第1の実
施例のTE010モード誘電体共振器81を製造して、そ
の共振周波数と無負荷Qを測定を行った。図14は、T
010モード誘電体共振器81の製造工程のフローチャ
ートである。誘電体基板3には単結晶サファイア基板を
使用した。ここで、単結晶サファイア基板は、上面と下
面がC面すなわちC軸に垂直な面になるように切断され
かつ厚さtは0.33mmになるように形成されてい
る。また、単結晶サファイア基板のC軸に垂直な方向の
比誘電率εrは、9.3である。
【0074】TE010モード誘電体共振器81の製造工
程では、図14に示すように、ステップ1において、多
数の誘電体基板3からなる誘電体基板の両面を鏡面研磨
して、ステップ2において、誘電体基板の両面の全面に
アルミニウムを0.6μmの厚さに蒸着する。そして、
ステップ3において、誘電体基板の両面にレジスト塗付
し、ステップ4において、塗布されたレジストを両面露
光器により露光する。次に、ステップ5において、各誘
電体基板3の共振器形成部60の位置のレジストを除去
してレジストパターンを形成する。さらに、ステップ7
において、ドライエッチングの一手法である反応性イオ
ンエッチングを行って共振器形成部60のアルミニウム
を除去する。そして、電極1,2の上のレジストを除去
した後、ステップ7において、誘電体基板を所定の位置
で切断して、それぞれ電極1,2が形成された誘電体基
板3を作成する。ここで、ステップ6において、反応性
イオンエッチングを用いているので、通常のウエットエ
ッチングを用いた場合に比較して、開口部4,5を形成
する電極1,2の内周面を誘電体基板3の表面に対して
ほぼ垂直に加工することができる。これによって、より
計算値に近い無負荷Qの測定値を得ることができる。こ
こで、製造したTE010モード誘電体共振器81の共振
器形成領域60の上端面61と下端面62の直径dすな
わち開口部4,5の直径dは、3.26mmになるよう
に形成した。
【0075】以上に述べた製造工程に従って製造したT
010モード誘電体共振器81の共振周波数と無負荷Q
を測定した。図15に共振器測定治具の縦断面図を示
す。また、図16に、図15のF−F’線についての横
断面図を示す。当該共振器測定治具は、上導体板12a
と下導体板12bと側面導体13a,13bからなる方
形導波管からなる。そして、当該方形導波管の幅方向の
中央部に、方形柱状の2つの誘電体14a,14bが、
誘電体14aの一方の端面と誘電体14bの一方の端面
とが所定の間隔を隔てて互いに対向するように設けられ
る。ここで、上記誘電体14a,14bはそれぞれ、上
面が上導体板12aの下面に接するようにかつ下面が下
導体板12bの上面に接するように上記導波管12の長
手方向に平行に設けられる。また、導体板12aと導体
板12bの間隔は、2.25mmになるように設定し
た。これによって、TE010モード誘電体共振器81に
高周波信号を入力するための入力NRDガイドLN10
aとTE010モード誘電体共振器81から高周波信号を
出力するための出力NRDガイドLN10bを構成す
る。そして、図示はしていないが、測定器にはネットワ
ークアナライザHP8510Cを使用し、入出力導波管
にはWR−15を使用し、さらに当該導波管のTE01
ードとNRDガイドのLSMモードとの間の変換には変
換ホーンを使用した。
【0076】そして、共振器測定治具の入力NRDガイ
ドLN10aと出力NRDガイドLN10bの間に、製
造した誘電体基板3が上導体板12aと下導体板12b
とに平行になるように、かつ上導体板12aと下導体板
12bとから互いに等しい距離になるように設けられ
る。ここで、入力NRDガイドLN10aの一方の端面
と出力NRDガイドLN10bの一方の端面の間隔は、
誘電体基板3の長手方向の2つの側面がそれぞれ、誘電
体14aの一方の端面と誘電体14bの一方の端面に近
接するように設定される。これによって、共振器測定治
具の上記入力NRDガイドLN10aと出力NRDガイ
ドLN10bの間に、TE010モード誘電体共振器81
が構成される。
【0077】以上のように構成することによって、入力
NRDガイドLN10aはTE010モード誘電体共振器
81と誘導結合し、出力NRDガイドLN10bはTE
010モード誘電体共振器81と誘導結合して、TE010
ード誘電体共振器81の共振周波数と無負荷Qを測定す
ることができる。図15において、磁界H1は、TE
010モード誘電体共振器81の磁界であり、磁界H2
は、入力NRDガイドLN10aと出力NRDガイドL
N10bの磁界である。また、磁界H12は、TE010
モード誘電体共振器81と入力NRDガイドLN10a
とが結合したときの磁界と、TE010モード誘電体共振
器81と出力NRDガイドLN10bとが結合したとき
の磁界である。
【0078】この測定により得られた共振特性を図17
に示す。図17においては周波数に対する出力端伝送係
数S21を用いて共振特性を示している。図17に示した
共振特性によると共振周波数は、63.1GHzであっ
た。これは、有限要素法の計算値63.0GHzにほぼ
一致している。また、無負荷Qは1610の実測値が得
られた。一方、サファイア基板の誘電体損失による誘電
体Qdを20000と仮定すると無負荷Qの計算値は1
660となり実測値とよく一致する。また、上下及び左
右に関して対称構造をとることにより、高次モード共振
も抑圧されている。
【0079】次に、本発明に係るTE010モード誘電体
共振器81の共振周波数の温度特性について説明する。
上述したように、当該TE010モード誘電体共振器81
は、従来例のTE01δモード誘電体共振器と比較して共
振器形成領域60内に多くの電磁界エネルギーが集中す
る。さらに、当該TE010モード誘電体共振器81の電
極1,2は、誘電体基板3の線膨張係数αdと同じ値で
伸縮するために、共振器形成領域60の直径dの温度変
化は誘電体基板3の線膨張係数に等しくなる。このこと
によりさらに良好な温度安定性が期待できる。
【0080】まず、計算によりTE010モード誘電体共
振器81の共振周波数の温度特性とTE01δモード誘電
体共振器の共振周波数の温度特性を比較する。図18に
比較に用いたTE01δモード誘電体共振器を示す。図1
8(a)は、TE01δモード誘電体共振器の横断面図で
あり、図18(b)は、図18(a)のG−G’線につ
いての縦断面図である。図18(a)と図18(b)に
示すように、TE01δモード誘電体共振器は、上端面と
下端面を有する導体ケース41に形成される円柱形状の
キャビティ40の中央部に、円柱形状の誘電体51が設
けられて構成される。ここで、誘電体51は、直径d5
1と軸方向の厚さt51を有する。また、キャビティ4
0は、直径D40と高さh40を有する。
【0081】以下の説明では、計算を簡単にするため
に、TE01δモード誘電体共振器において、誘電体51
の軸の中心とキャビティ40の軸は、温度が変化しても
常に一致していると仮定する。この時のTE010モード
誘電体共振器81の共振周波数の温度特性ηfと比較例
のTE01δモード誘電体共振器の共振周波数の温度特性
ηfはともに次の一般式である数15で表される。ここ
で、温度特性ηfは、温度が1℃変化したときの共振周
波数の変化量を共振周波数で割った値で定義される。
【0082】
【数15】ηf=−A(ηε/2)−Bαd−Cαm
【0083】ここで、数15において、ηεは、誘電体
基板3又は誘電体51の誘電率の温度係数であり、αd
は、誘電体基板3又は誘電体51の線膨張係数である。
また、αmは、導体ケース11,41に用いる導体の線
膨張係数であり、Aは、共振器形成領域60又は誘電体
51内に蓄積される電気エネルギーの全蓄積エネルギー
に対する比である。さらに、B,Cはそれぞれ、共振周
波数の温度特性ηfに対する誘電体基板3又は誘電体5
1の線膨張係数の比例定数と、共振周波数の温度特性η
fに対する導体ケース11,41にもちいる導体の線膨
張係数の比例定数である。そして、比例定数A,B,C
は、有限要素法を用いて固有値計算を行うことにより求
めることができ、求めた結果を数15に代入することに
より、TE010モード誘電体共振器の共振周波数の温度
特性ηf TE010と比較例のTE01δモード誘電体共振器の
共振周波数の温度特性ηf TE01δはそれぞれ、次の数1
6と数17で表わすことができる。
【0084】
【数16】ηf TE010=−0.869(ηε/2)−0.
910αd−0.0735αm
【数17】ηf TE01δ=−0.747(ηε/2)−
0.785αd−0.209αm
【0085】数16と数17から明らかなように、TE
010モード誘電体共振器81の共振周波数の温度特性ηf
TE010における比例定数B=0.0735は、比較例の
TE01δモード誘電体共振器の共振周波数の温度特性η
f TE01δにおける比例定数B=0.209に比較して極
めて小さい値になる。このことから、TE010モード誘
電体共振器81の共振周波数の温度特性ηf TE010は、比
較例のTE01δモード誘電体共振器の共振周波数の温度
特性ηf TE01δに比べて、導体ケース11,41にもち
いる導体の線膨張係数の影響をはるかに受けにくいこと
が分かる。
【0086】今回製造したTE010モード誘電体共振器
81の場合、数16を用いて計算すると、温度特性ηf
TE010=49.8ppm/℃となる。ここで、計算にお
いては、誘電体基板3の温度特性ηεと線膨張係数αd
はそれぞれ、アルミナの特性と等しいηε=100pp
m/℃,αd=5ppm/℃に設定した。また、導体ケ
ース11の線膨張係数は、硬質アルミニウムの特性と等
しいαm=23ppm/℃に設定した。
【0087】次に、TE010モード誘電体共振器81の
温度特性を測定した結果を説明する。図19は温度を1
7℃,44℃とした時の共振特性を出力端伝送係数S21
を用いて示したグラフである。図19のグラフから明ら
かなように、波形に変化は見られない。また、図20は
共振周波数の温度依存性を示すグラフであり、横軸に温
度をとり縦軸に共振周波数をとって示している。図20
のグラフから明らかなように、共振周波数は温度に対し
てリニアに変化し、この結果からηf TE010=48.6p
pm/℃が得られた。この値は上述した理論値のηf
TE010=49.8ppm/℃とほぼ一致する。
【0088】以上の第1の実施例のTE010モード誘電
体共振器81は、導体ケース11の共振周波数に対する
影響を小さくできるので、所定の値の温度特性を有する
誘電体材料を用いることにより、従来のTE01δ誘電体
共振器に比べて温度の変化に対する共振周波数の変動を
小さくすることができる。
【0089】以上の第1の実施例のTE010モード誘電
体共振器81は、開口部4,5をフォトリソグラフィー
技術を用いて高い精度で形成することができる。これに
よって、当該TE010モード誘電体共振器81の共振周
波数を高精度に設定することができる。
【0090】以上の第1の実施例のTE010モード誘電
体共振器81によれば、1枚の誘電体基板に多数の共振
器形成領域60を形成した後に当該誘電体基板を切断す
ることにより、複数個の誘電体基板3を一度にまとめて
製造することができる。これによって、TE010モード
誘電体共振器81を安価に製造することができる。
【0091】以上の第1の実施例のTE010モード誘電
体共振器81によれば、共振器形成領域60が誘電体基
板3に形成されているので、他の平面回路との結合が容
易にできる。
【0092】<第2の実施例>図21は、本発明に係る
第2の実施例の高周波帯域通過フィルタ装置の縦断面図
である。また、図22は、図21のI−I’線について
の横断面図である。当該高周波帯域通過フィルタ装置
は、誘電体基板3cを用いて構成された2つのTE010
モード誘電体共振器と、入力NRDガイドLN2と、出
力NRDガイドLN3とを備えて構成されたことを特徴
とする。
【0093】以下、図面を参照して第2の実施例の高周
波帯域通過フィルタ装置について詳細に説明する。
【0094】図21及び図22に示すように、誘電体基
板3cの上面に、互いに同一の直径を有する円形の2つ
の開口部4cと開口部4dを有する電極1cが形成され
る。また、誘電体基板3の下面には、開口部4c,4d
と同一の円形の開口部5cと開口部5dを有する電極2
cが形成される。ここで、誘電体基板3cは、所定の比
誘電率εrを有しかつ長方形の形状を有する。また、開
口部4cと開口部4dは、所定の間隔を隔てて誘電体基
板3cの上面の長手方向に並置されて形成され、開口部
4cと開口部5cは、互いに同軸になるように対向して
設けられ、開口部4dと開口部5dは、互いに同軸にな
るように対向して設けられる。これによって、誘電体基
板3cに、互いに同一形状を有する2つの円柱形状の共
振器形成領域66と、共振器形成領域69が誘電体基板
3cの長手方向に並置して形成される。ここで、共振器
形成領域66は、誘電体基板3cの一部分であって、開
口部4cの上端面67と、開口部5cの下端面68とを
有する円柱形状の領域である。また、共振器形成領域6
9は、誘電体基板3cの一部分であって、開口部4dの
上端面70と、開口部5dの下端面71とを有する円柱
形状の領域である。ここで、共振器形成領域66と共振
器形成領域69の間隔は、TE010モード誘電体共振器
82とTE010モード誘電体共振器83とが誘導結合す
るように所定の間隔になるように形成される。また、電
極1cは、上端面67と上端面70とを除いた誘電体基
板3cの上面の全面に形成され、電極2cは、下端面6
8と下端面71を除いた誘電体基板3cの下面の全面に
形成される。
【0095】電極1cと電極2cとが形成された誘電体
基板3cは、方形導波管15の中に設けられる。ここ
で、方形導波管15は、上導体板150aと下導体板1
50bと側面導体からなり、所定の長さと所定の管内幅
と所定の管内高さを有する。そして、上導体板150a
の長手方向の中央部には、所定の長さと上導体板150
aの下面から所定の深さを有する凹部151が、管内幅
と同じ幅で形成される。また、凹部151に対向して、
下導体板150bの上面に、凹部151の長さより短い
所定の長さと所定の高さを有する凸部152が、管内幅
と同じ幅で形成される。ここで、面155は方形導波管
15の端面に平行な凸部152の一方の面であり、面1
56は方形導波管15の端面に平行な凸部152の他方
の面である。また、面157は方形導波管15の端面に
平行な凹部151の一方の面であり、面158は方形導
波管15の端面に平行な凹部151の他方の面である。
本実施例においては、凸部152の面155と凹部15
1の面157との距離と、凸部152の面156と凹部
151の面158との距離は互いに等しい所定の値に設
定される。また、入力NRDガイドLN2は、方形導波
管15の長手方向の一方の端面側に設けられ、所定の長
さを有する方形柱形状の誘電体14cが、上導体板15
0aと下導体板150bによって挟設されて構成され
る。ここで、誘電体14cは方形導波管15の幅方向の
中央部にかつ誘電体14cの長手方向が方形導波管15
の長手方向と平行になるように設けられる。また、誘電
体14cは、誘電体14cの一方の端面の一部が凸部1
52の面155に接するよう設けられ、これによって、
誘電体14cは、凹部151の面157から所定の長さ
だけ面158の方向に突出する。また、出力NRDガイ
ドLN3は、方形導波管15の長手方向の他方の端面側
に設けられ、所定の長さを有する方形柱形状の誘電体1
4dが、上導体板150aと下導体板150bに挟設さ
れて構成される。ここで、誘電体14dは方形導波管1
5の幅方向の中央部にかつ誘電体14dの長手方向が方
形導波管15の長手方向と平行になるように設けられ
る。また、誘電体14dの一方の端面の一部が凸部15
2の面156に接するよう設けられ、誘電体14dは、
凹部151の面158から所定の長さだけ面157の方
向に突出する。
【0096】そして、電極1cと電極2cが形成された
誘電体基板3cは、凹部151の面157から突出した
誘電体14cの上面と、凹部151の面158から突出
した誘電体14dの上面に載置されて設けられる。ここ
で、凹部151の深さと凸部152の高さは、電極1c
の上面と凹部151の底面との距離h2と、凸部152
の上面と電極2cの下面との距離h2は互いに等しい所
定の値になるように設定される。これによって、方形導
波管15の中央部に、互いに誘導結合する2つのTE
010モード誘電体共振器82,83が、方形導波管15
の長手方向に並置されて構成される。
【0097】また、誘電体基板3cは、誘電体14cの
上面の一部分が共振器形成領域66の下端面68の一部
分と対向して接するように設けられ、TE010モード誘
電体共振器82の磁界と入力NRDガイドLN2の基本
伝搬モードであるLSM01モードの磁界とが誘導結合す
る。さらに、誘電体14cの上面と接する電極2cに対
向する誘電体14cの下面には凹部17aが設けられ、
その凹部17aの内部に突出するように結合調整ねじ1
6aが設けられる。この結合調整ねじ16aの凹部17
aの内部への突出長が変化すると、TE010モード誘電
体共振器82と入力NRDガイドLN2との誘導結合の
強さが変化するので、結合調整ねじ16aの凹部17a
の内部への突出長を変えることによって、TE010モー
ド誘電体共振器83と入力NRDガイドLN2との誘導
結合の強さを調節することができる。また、誘電体基板
3cは、誘電体14dの上面の一部分が共振器形成領域
69の下端面71の一部分と対向して接するように設け
られ、TE010モード誘電体共振器83の磁界と出力N
RDガイドLN3の基本伝搬モードであるLSM01モー
ドの磁界とが誘導結合する。さらに、誘電体14dの上
面と接する電極2cに対向する誘電体14dの下面には
凹部17bが設けられ、その凹部17bの内部に突出す
るように結合調整ねじ16bが設けられる。この結合調
整ねじ16bの凹部17bの内部への突出長が変化する
と、TE010モード誘電体共振器83と出力NRDガイ
ドLN3との誘導結合の強さが変化するので、結合調整
ねじ16bの凹部17bの内部への突出長を変えること
によって、TE010モード誘電体共振器83と出力NR
DガイドLN3との誘導結合の強さを調節することがで
きる。以上のようにして第2の実施例の高周波帯域通過
フィルタ装置は構成される。
【0098】次に、以上のように構成された第2の実施
例の高周波帯域通過フィルタ装置の等価回路について説
明する。図23は、第2の実施例の高周波帯域通過フィ
ルタ装置の等価回路を示す回路図である。当該等価回路
において、入力NRDガイドLN2は、入力NRDガイ
ドLN2の端部の等価インダクタL20を介して接地さ
れる。TE010モード誘電体共振器82は、インダクタ
L21とキャパシタC2と抵抗R2とインダクタL22
とが直列に接続されて、インダクタL21の一端とイン
ダクタL22の一端が接地されて構成される。ここで、
等価インダクタL20とインダクタL21は誘導結合
し、これによって、入力NRDガイドLN2とTE010
モード誘電体共振器82は誘導結合する。また、TE
010モード誘電体共振器83は、インダクタL31と抵
抗R3とキャパシタC3とインダクタL32とが直列に
接続されて、インダクタL31の一端とインダクタL3
2の一端とが接地されて構成される。ここで、インダク
タL22とインダクタL31とは誘導結合し、これによ
って、TE010モード誘電体共振器82とTE010モード
誘電体共振器83とは誘導結合する。さらに、出力NR
DガイドLN3は、出力NRDガイドLN3の端部の等
価インダクタL30を介して接地されて構成される。ま
た、インダクタL32と等価インダクタL30とは誘導
結合し、これによって、TE010モード誘電体共振器8
3と出力NRDガイドLN3とは誘導結合する。以上の
ようにして、第2の実施例の高周波帯域通過フィルタ装
置の等価回路は構成される。
【0099】以上のように、第2の実施例の高周波帯域
フィルタ装置は、入力NRDガイドLN2と出力NRD
ガイドLN3との間に、2つのTE010モード誘電体共
振器82,83が縦続接続されて構成される。外部回路
から入力NRDガイドLN2に入力された高周波信号
は、TE010モード誘電体共振器82とTE010モード誘
電体共振器83とを介して、出力NRDガイドLN3か
ら外部回路へ出力される。ここで、TE010モード誘電
体共振器82の共振周波数とTE010モード誘電体共振
器83の共振周波数は、一致するように又は僅かにずら
して設定されて、第2の実施例の高周波帯域フィルタ装
置は、所定の周波数を有する高周波信号を通過させる。
【0100】次に、TE010モード誘電体共振器82と
TE010モード誘電体共振器83との間の結合係数の解
析結果について説明する。TE010モード誘電体共振器
81の単体の電磁界解析には、二次元有限要素法を用い
ることができたが、結合係数解析の場合は三次元電磁界
計算が必要となり、現状では正確な解析は困難である。
従って、ここでは、近似的に二次元の導波路問題におき
かえて、TE010モード誘電体共振器82とTE010モー
ド誘電体共振器83の間における結合の原理を定性的に
把握し、実際の結合係数は実験により求めることとし
た。
【0101】図24は、解析に用いた二次元導波路モデ
ルの縦断面図である。図24の二次元導波路モデルは、
第2の実施例の誘電体基板3cが導波管18の中央部に
設けられて構成される。ここで、誘電体基板3cは、導
波管18の高さ方向の中央部に、導波管の側面導体と誘
電体基板3cの側面が接するようかつ導波管18の上下
導体板と誘電体基板3cとが互いに平行になるように設
けられる。図24の縦断面すなわちxy平面は電気壁を
構成し、当該導波路の進行方向はx方向とする。ここ
で、x,y,z方向は、図面の右下に示したように定義
する。また、電界は、導波路の進行方向に対して垂直方
向のみ、すなわちz方向のみの成分を有し、x,y成分
は存在しないものとする。このとき、導波路の進行方向
の幅がほぼ半波長になる周波数でTEモードの共振が生
じる。ここで、導波路の進行方向の幅は、直径d1と等
しい。また、この場合においても電極1c,2cとによ
って挟設された誘電体基板3cのうちの共振器形成領域
66,69を除く部分は、遮断領域すなわち減衰領域で
ある。
【0102】以上のように構成された導波路の縦断面に
おける磁界分布を、TE010モードにおける偶モードと
奇モードのそれぞれについて、図25と図26に示す。
【0103】また、偶モードの共振周波数と奇モードの
共振周波数をそれぞれ、feven,fod dとすると、結合係
数kは次の数18で表わすことができる。
【0104】
【数18】k=2(fodd−feven)/(fodd+feven)
【0105】次に、図24の2次元導波路モデルから導
いた数18を用いて計算した値と実測値との比較を行
う。上導体板と下導体板との間隔h18を2.25mm
に設定したの時の共振器形成領域66,69の間の間隔
sと結合係数kとの関係を図27のグラフを示す。ここ
で、他の構造パラメータは次のように設定した。 (1)共振器形成領域66,69の直径d1=3.26
mm、 (2)誘電体基板3cの比誘電率εr=9.3、 (3)誘電体基板3cの厚さt=0.33。
【0106】図27に示すように、実測値は計算値の約
1/4の値を示すが両者とも傾きはほぼ等しくなり、こ
のモデルが実際の結合状態の傾向を良く表していること
が分かる。さらに強い結合を得るためには上下導体板間
の距離を大きくし共振器間のカットオフ効果を小さくす
れば良い。図28に上下導体板間の間隔h18と結合係
数kの関係を示す。図28において、計算値は、共振器
間の間隔sがそれぞれ、s=0.1mm,s=0.2m
m,s=0.4mmの場合について示し、実測値は、s
=0.2mm,s=0.4mmの場合について示してい
る。図28から明らかなように、上下導体板間の間隔h
18が大きくなるほど、結合係数も大きくなることがわ
かる。
【0107】次に、第2の実施例の高周波帯域通過フィ
ルタ装置を製造して評価した結果について説明する。ま
ず表2に製造した高周波帯域通過フィルタ装置の目標特
性を示す。この製造において比通過帯域幅は、約0.2
%と非常に狭帯域なものに設定した。
【0108】
【表2】 フィルタ装置の目標特性 ──────────────────────────── 中心周波数f0 61.0GHz ──────────────────────────── 通過帯域幅BW 100MHz ──────────────────────────── 挿入損失IL 3.0dB以下 ──────────────────────────── 反射損失RL 15dB以上 ──────────────────────────── 減衰量(f0±1GHzの周波数において) 30dB以上 ────────────────────────────
【0109】表2の目標特性を満足するように設定した
フィルタ装置の各設計パラメータを表3に示す。また、
計算の結果からTE010モード誘電体共振器の無負荷Q
は1000以上必要であることがわかった。ここで、共
振周波数f1,f2はそれぞれ、TE010モード誘電体共
振器82,83の共振周波数であり、結合係数k12は、
TE010モード誘電体共振器82,83の間の結合係数
である。また、外部Qe1,Qe2はそれぞれ、NRDガイ
ドLN2とTE010モード誘電体共振器82の間の外部
Qと、NRDガイドLN3とTE010モード誘電体共振
器83の間の外部Qである。図29に、表3のフィルタ
の設計パラメータに基づいてフィルタ特性をシミュレー
ションにより求めた結果を示す。図29では、フィルタ
特性を周波数に対する出力端伝送係数S21と入力端反射
係数S11によって示している。
【0110】
【表3】 フィルタ装置の設計パラメータ ─────────────────────────────── 中心周波数 f0 61.0GHz ─────────────────────────────── 設計通過帯域幅 200MHz ─────────────────────────────── 設計リップル 0.1dB(チェビシェフ型) ─────────────────────────────── 共振周波数 f1(=f2) 60.5GHz ─────────────────────────────── 結合係数 k12 0.40% ─────────────────────────────── 外部Q Qe1(=Qe2) 305 ───────────────────────────────
【0111】また、上述したTE010モード誘電体共振
器82,83および結合係数の解析結果と表3に示した
フィルタの設計パラメータに基づいて第2の実施例の高
周波帯域通過フィルタ装置の構造パラメータを求め、そ
の結果を表4に示す。
【0112】
【表4】 フィルタ装置の構造パラメータ ──────────────────────────── 共振器形成領域66,69の直径d1 3.26(mm) ──────────────────────────── 共振器形成領域66,69間の間隔s 0.40(mm) ──────────────────────────── 上下導体板間の間隔h18 3.20(mm) ────────────────────────────
【0113】表4に示した構造パラメータに基づいて高
周波帯域通過フィルタ装置を製造して評価した結果につ
いて説明する。製造した高周波帯域通過フィルタ装置の
寸法は、10×11×3.2mmであった。また、図3
0は、フィルタ特性の実測値を示したグラフである。図
30には、周波数に対する出力端伝送係数S21と入力端
反射係数S11によってフィルタ特性を示している。出力
端伝送係数S21で示される減衰曲線は、図29に示した
値とよく一致している。挿入損失については計算値の
2.0dBに対して測定値は2.4dBであった。この
差の原因としては、入出力NRDガイドLN2,LN3
とTE010モード誘電体共振器82,83との強い結合
によって生じるTE010モード誘電体共振器82,83
の周辺における局所的な電流の集中や共振電磁界の基本
共振モード以外のTEMモードとの結合等によってTE
010モード誘電体共振器82,83の無負荷Qが劣化し
たためと考えられる。したがって、入出力NRDガイド
LN2,LN3のLSM01モードとTE010モード誘電
体共振器82,83のTE010モードとの結合部に、電
磁界的に対称になる構造やモードサプレッサー等を採用
して無負荷Qの劣化を防ぐことによって、低損失なフィ
ルタを実現することができる。また広帯域でかつ3段以
上の多段フィルタを設計し、入出力NRDガイドLN
2,LN3と誘導結合する両端のTE010モード誘電体
共振器を除くTE010モード誘電体共振器を、無負荷Q
の高い状態で使用することによって低損失化を図ること
ができる。
【0114】以上の第2の実施例の高周波帯域通過フィ
ルタ装置によれば、開口部4c,4d,5c,5dをフ
ォトリソグラフィ技術を用いて、同一の誘電体基板3c
に形成している。これによって、開口部4c,4d,5
c,5dの直径を高い精度で設定できるので、TE010
モード誘電体共振器82,83の共振周波数を高い精度
に設定することができる。また、開口部4cと開口部4
dの間隔sと、開口部5cと開口部5dの間隔sとを高
い精度で設定することができるので、2つのTE010
ード誘電体共振器82,83の間の結合係数を高い精度
に所望の値に設定することができる。従って、無調整化
が可能な高周波帯域通過フィルタ装置を提供することが
できる。
【0115】以上の第2の実施例の高周波帯域通過フィ
ルタ装置によれば、1枚の誘電体基板に多数の共振器形
成領域66,69を形成した後に当該誘電体基板を切断
することにより、複数個の誘電体基板3cを一度にまと
めて製造することができる。これによって、当該高周波
帯域通過フィルタ装置を安価に製造することができる。
【0116】以上の第2の実施例の高周波帯域通過フィ
ルタ装置は、共振器形成領域66,69が誘電体基板3
cに形成されているので、マイクロ波IC(MIC)や
モノリシックマイクロ波IC(MMIC)等の他の平面
回路との結合が容易にできる。
【0117】<変形例>以上の第1と第2の実施例で
は、開口部4,4c,4d,5,5c,5dは円形に形
成したが、本発明はこれに限らず、正方形又は多角形な
どの他の形状に形成してもよい。以上のように構成して
も第1と第2の実施例と同様な動作をし同様の効果を有
する。
【0118】以上の第1と第2の実施例では、導体ケー
ス11又は方形導波管15を用いて構成したが、本発明
はこれに限らず、上導体板と下導体板のみを用いて構成
してもよい。以上のように構成しても第1と第2の実施
例と同様な動作をし同様の効果を有する。
【0119】以上の第2の実施例の高周波帯域通過フィ
ルタ装置は、入力NRDガイドLN2と出力NRDガイ
ドLN3を用いて構成したが、本発明はこれに限らず、
マイクロストリップ線路、コプレーナ線路や導波管など
の他の伝送線路を用いて構成してもよい。以上のように
構成しても第1と第2の実施例と同様な動作をし同様の
効果を有する。
【0120】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載の誘電体共振
器は、対向する2つの面にそれぞれ互いに対向するよう
に上記第1の開口部を備えた第1の電極と、上記第2の
開口部を備えた第2の電極とが形成された上記誘電体基
板を備えて構成される。そして、上記第1と第2の開口
部は、フォトリソグラフィー技術を用いて高い寸法精度
で形成することができる。これによって、当該誘電体共
振器によれば、ミリ波帯で使用でき、かつ温度の変化に
対して共振周波数の変化が小さくでき、安価な誘電体共
振器を提供することができる。
【0121】請求項2記載の誘電体共振器は、請求項1
記載の誘電体共振器において、上記第1の電極と第1の
導体板の間と、上記第2の電極と第2の導体板の間のう
ちの少なくとも一方に、誘電体を備えている。これによ
って、上記誘電体を備えていない誘電体共振器に比較し
て薄くできる。
【0122】請求項3記載の誘電体共振器は、請求項1
又は2記載の誘電体共振器において、上記第1と第2の
開口部は円形である。これによって、他の形状を有する
開口部を形成する場合に比較して、第1と第2の開口部
の形成を容易にできる。
【0123】請求項4記載の誘電体共振器は、請求項
1、2又は3記載の誘電体共振器においてさらに、上記
第1の導体板と第2の導体板とを含んで構成されるキャ
ビティをさらに備えている。これによって、キャビティ
を備えない場合に比較して、無負荷Qを高くすることが
できるとともに、共振周波数の変動を少なくできる。
【0124】本発明に係る請求項5記載の高周波帯域通
過フィルタ装置は、上記請求項1乃至4記載の誘電体共
振器と、上記入力手段と、上記出力手段とを備えてい
る。これによって、ミリ波帯で使用でき、かつ安価な高
周波帯域通過フィルタ装置を提供することができる。
【0125】請求項6記載の高周波帯域通過フィルタ装
置は、請求項5記載の高周波帯域通過フィルタ装置にお
いて、上記入力手段と上記出力手段のうちの少なくとも
一方は、NRDガイドである。これによって、上記誘電
体共振器とNRDガイドを用いた入力手段又は出力手段
とを容易に誘導結合させることができる。
【0126】請求項7記載の高周波帯域通過フィルタ装
置は、互いに所定の間隔を隔てて並置された複数の上記
請求項1乃至4記載の誘電体共振器を備えている。これ
によって、上記請求項1乃至4記載の誘電体共振器を1
つ備えた高周波帯域通過フィルタ装置に比較して、阻止
帯域における減衰量を大きくすることができる。
【0127】請求項8記載の高周波帯域通過フィルタ装
置は、請求項7記載の高周波帯域通過フィルタ装置にお
いて、上記入力手段と上記出力手段のうちの少なくとも
一方は、NRDガイドである。これによって、上記誘電
体共振器とNRDガイドを用いた入力手段又は出力手段
とを容易に誘導結合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例のTE010モード誘電体共振器
81の縦断面図である。
【図2】 図1のA−A’線についての横断面図であ
る。
【図3】 図1の断面における磁界分布と電界分布を示
す縦断面図である。
【図4】 第1の実施例のTE010モード誘電体共振器
81の共振の原理を説明するための誘電体基板3の縦断
面図である。
【図5】 第1の実施例のTE010モード誘電体共振器
81の等価回路を示す回路図である。
【図6】 (a)は、第1の実施例のTE010モード誘
電体共振器81の動作を解析するために用いたモデルの
TE010モード誘電体共振器81aの縦断面図であり、
(b)は、(a)のB−B’線についての横断面図であ
る。
【図7】 図6(a)の縦断面図における電界強度分布
を示す縦断面図である。
【図8】 図6(a)の縦断面図における磁界強度分布
を示す縦断面図である。
【図9】 図6(a)の一部を拡大して示す縦断面図で
ある。
【図10】 (a)は、比較に用いた誘電体装荷型TE
011モード共振器の縦断面図であり、(b)は、(a)
のC−C’線についての横断面図である。
【図11】 共振周波数の変化量と開口部4の直径d及
び誘電体31の直径d31の変化量△d,△d31との
関係を示すグラフである。
【図12】 電極端112からの距離lの位置における
磁界強度を示したグラフである。
【図13】 図12において距離lが小さいときの電極
端112からの距離lの位置における磁界強度を示した
グラフである。
【図14】 第1の実施例のTE010モード誘電体共振
器81の概略の製造工程を示す工程図である。
【図15】 第1の実施例のTE010モード誘電体共振
器81の測定に用いた共振器測定治具の縦断面図であ
る。
【図16】 図15のF−F’線についての横断面図で
ある。
【図17】 共振周波数付近における第1の実施例のT
010モード誘電体共振器81の出力端伝送係数S21
を示すグラフである。
【図18】 (a)は比較に用いたTE01δ誘電体共振
器の横断面図であり、(b)は、(a)のG−G’線に
ついての縦断面図である。
【図19】 第1の実施例のTE010モード誘電体共振
器81の周囲温度が44度と17度のときにおける出力
端伝送係数S21を示すグラフである。
【図20】 第1の実施例のTE010モード誘電体共振
器81の共振周波数と温度との関係を示すグラフであ
る。
【図21】 第2の実施例の高周波帯域通過フィルタ装
置の縦断面図である。
【図22】 図21のI−I’についての横断面図であ
る。
【図23】 図21の高周波帯域通過フィルタ装置の等
価回路を示す回路図である。
【図24】 第2の実施例の高周波帯域通過フィルタ装
置の動作を解析するために用いたモデルの縦断面図であ
る。
【図25】 第2の実施例の高周波帯域通過フィルタ装
置の偶モードの磁界分布を示す縦断面図である。
【図26】 第2の実施例の高周波帯域通過フィルタ装
置の奇モードの磁界分布を示す縦断面図である。
【図27】 第2の実施例の高周波帯域通過フィルタ装
置におけるTE010モード誘電体共振器82,83の間
の結合係数と共振器形成領域66,69の間の間隔sと
の関係を示すグラフである。
【図28】 第2の実施例の高周波帯域通過フィルタ装
置における結合係数と導波管18の上下導体板間の間隔
h18の関係を示すグラフである。
【図29】 第2の実施例の高周波帯域通過フィルタ装
置の出力端伝送係数S21と入力端反射係数S11の計
算値を示すグラフである。
【図30】 第2の実施例の高周波帯域通過フィルタ装
置の出力端伝送係数S21と入力端反射係数S11との
測定値を示すグラフである。
【図31】 第1の実施例のTE010モード誘電体共振
器81の共振周波数と共振器形成領域63の直径dとの
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1a,1c,2,2a,2c…電極、 3,3a,3c…誘電体基板、 4,4a,4c,4d,5,5a,5c,5d…開口
部、 10,10a…キャビティ、 11,11a…導体ケース、 12a,150a,211…上導体板、 12b,150b,212…下導体板、 13a,13b…側面導体、 14a,14b,14c,14d…誘電体、 15…方形導波管、 16a,16b…結合調整ねじ、 17a,17b,151…凹部、 60,63,66,69…共振器形成領域、 61,64,67,70…上端面、 62,65,68,71…下端面、 81,81a,82,83…TE010モード誘電体共振
器、 LN2,LN10a…入力NRDガイド、 LN3,LN10b…出力NRDガイド、 152…凸部、 201,202,203…減衰領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 貞夫 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する第1と第2の面を有する
    誘電体基板と、 上記誘電体基板の第1の面に形成されかつ上記誘電体基
    板の第1の面の中央部に所定の形状の第1の開口部を有
    する第1の電極と、 上記誘電体基板の第2の面に形成されかつ上記第1の開
    口部と対向する位置に第1の開口部と実質的に同一の形
    状の第2の開口部を有する第2の電極と、 上記誘電体基板の第1の面から所定の間隔だけ隔てて上
    記第1の開口部が第1の導体板の一部と対向するように
    設けられた第1の導体板と、 上記誘電体基板の第2の面から所定の間隔だけ隔てて上
    記第2の開口部が第2の導体板の一部と対向するように
    設けられた第2の導体板とを備え、所定の共振周波数で
    共振する誘電体共振器であって、 上記第1の電極と上記第2の電極とによって挟設された
    上記誘電体基板のうちの上記第1の開口部と上記第2の
    開口部によって挟まれた共振器形成領域を除いた部分が
    上記共振周波数と同じ周波数を有する高周波信号を減衰
    させるように、上記誘電体基板の厚さと誘電率を設定
    し、 上記第1の電極と上記第1の導体板の間で、上記共振周
    波数と同じ周波数を有する高周波信号を減衰させるよう
    に、上記誘電体基板の第1の面と第1の導体板との間隔
    を設定し、 かつ上記第2の電極と上記第2の導体板の間で、上記共
    振周波数と同じ周波数を有する高周波信号を減衰させる
    ように、上記誘電体基板の第2の面と第2の導体板との
    間隔を設定したことを特徴とする誘電体共振器。
  2. 【請求項2】 上記第1の電極と上記第1の導体板の間
    と、上記第2の電極と上記第2の導体板の間のうちの少
    なくとも一方に、誘電体を備えたことを特徴とする請求
    項1記載の誘電体共振器。
  3. 【請求項3】 上記第1と第2の開口部は、円形である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の誘電体共振器。
  4. 【請求項4】 上記第1の導体板と第2の導体板とを含
    んで構成され、上記誘電体共振器の電磁界をキャビティ
    ー内に閉じ込めるためのキャビティをさらに備えたこと
    を特徴とする請求項1、2又は3記載の誘電体共振器。
  5. 【請求項5】 上記請求項1乃至4記載の誘電体共振器
    と、 上記誘電体共振器に高周波信号を入力する入力手段と、 上記誘電体共振器から出力される高周波信号を出力する
    出力手段とを備えたことを特徴とする高周波帯域通過フ
    ィルタ装置。
  6. 【請求項6】 上記入力手段と上記出力手段のうちの少
    なくとも一方は、非放射性誘電体線路であることを特徴
    とする請求項5記載の高周波帯域通過フィルタ装置。
  7. 【請求項7】 互いに所定の間隔を隔てて並置された複
    数の上記請求項1乃至4記載の誘電体共振器と、 上記誘電体共振器に高周波信号を入力する入力手段と、 上記誘電体共振器から出力される高周波信号を出力する
    出力手段とを備えたことを特徴とする高周波帯域通過フ
    ィルタ装置。
  8. 【請求項8】 上記入力手段と上記出力手段のうちの少
    なくとも一方は、非放射性誘電体線路を備えたことを特
    徴とする請求項7記載の高周波帯域通過フィルタ装置。
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