JP2897117B2 - 周波数可変型誘電体共振器 - Google Patents

周波数可変型誘電体共振器

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JP2897117B2
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P7/00Resonators of the waveguide type
    • H01P7/10Dielectric resonators

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  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】マイクロ波やミリ波帯で使用
される周波数可変型誘電体共振器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、900MHz帯および準マイクロ
波帯の移動体通信システムの需要は急速に増加してお
り、近い将来、使用周波数の不足が懸念されている。ま
た、マルチメディア化に対応するシステムとして、画像
や映像情報を送る通信システムが検討されているが、そ
のためには大容量で高速な通信方式の実現が要求されて
いる。そこで、ほとんど未使用の帯域であり、また広帯
域化、大容量、通信の高速化が容易なミリ波の周波数帯
域の利用が考えられている。
【0003】従来、発振器やフィルタに用いられるマイ
クロ波やミリ波帯の共振器としては、空胴共振器が多く
使用されていた。しかし最近では、高価で大きい空胴共
振器に代わって、円柱形状のTE01δモード誘電体共振
器が広く用いられるようになってきている。このTE
01δモード誘電体共振器は、1975年に、脇野らによ
り温度特性が補償された誘電体を用いて、高い温度安定
性を有するものが実用化された。一般的にTE01δモー
ド誘電体共振器は、温度特性がほとんど共振器材料の温
度特性によって決まるため、キャビティにコバール、イ
ンバー等の高価な金属を使用する必要がないという利点
を持っている。また、最近では、例えば電圧制御発振器
等に用いるために周波数可変型誘電体共振器も検討され
ている。
【0004】図13は、TE01δモード誘電体共振器3
01を用いて構成した従来例の周波数可変型誘電体共振
器の斜視図である。当該周波数可変型誘電体共振器は、
バラクタダイオード304を備えた周波数可変型マイク
ロストリップライン共振器MR350とTE01δモード
誘電体共振器301とからなる。すなわち、下面に接地
導体307が形成された誘電体基板306の上面に、ス
トリップ導体302とストリップ導体303が、ストリ
ップ導体302の一端とストリップ導体303の一端と
が所定の間隔を隔てて対向するように形成される。これ
によって、誘電体基板306を挟設するストリップ導体
302と接地導体307とによってマイクロストリップ
ライン共振器MR302が構成され、誘電体基板306
を挟設するストリップ導体303と接地導体307とに
よってマイクロストリップライン共振器MR303が構
成される。また、バラクタダイオード304は、ストリ
ップ導体302とストリップ導体303との間に直列に
接続される。これによって、マイクロストリップライン
共振器MR302とマイクロストリップライン共振器M
R303とバラクタダイオード304とからなる周波数
可変型マイクロストリップライン共振器MR350が構
成される。
【0005】TE01δモード誘電体共振器301は、誘
電体基板306の上面にストリップ導体302と近接し
て設けられる。これによって、TE01δモード誘電体共
振器301と周波数可変型マイクロストリップライン共
振器MR350とは互いに電磁的に結合して、TE01δ
モード誘電体共振器301と周波数可変型マイクロスト
リップライン共振器MR350とからなる従来例の周波
数可変型誘電体共振器は構成される。また、誘電体基板
306の上面に形成されたストリップ導体305は、T
01δモード誘電体共振器301に近接して設けられ、
これによって、誘電体基板306を挟設するストリップ
導体305と接地導体307とからなり、周波数可変型
誘電体共振器と電磁的に結合するマイクロストリップラ
インM305が構成される。以上のように構成された従
来例の周波数可変型誘電体共振器は、バラクタダイオー
ド304に印加する逆バイアス電圧を変化させてバラク
タダイオード304の静電容量を変化させることによっ
て、共振周波数を変化させることができ、かつマイクロ
ストリップラインM305を介して例えば負性抵抗回路
等の外部回路と接続することができる。
【0006】また、空胴共振器において、キャビティの
一部にバラクタダイオードを設けて共振周波数可変型の
空胴共振器を作成することやキャビティの大きさを変化
させることができるように構成して、共振周波数可変型
の空胴共振器を作成することも可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、TE01δモー
ド誘電体共振器301を用いて構成した従来例の周波数
可変型誘電体共振器は、TE01δモード誘電体共振器3
01と周波数可変型マイクロストリップライン共振器M
R350の2つの共振器を使用するために構造が複雑に
なり高価であるという問題点があった。また、共振周波
数の調整も容易ではないという問題点があった。また、
TE01δモード誘電体共振器301と周波数可変型マイ
クロストリップライン共振器MR350の2つの共振器
を用いて構成しているので、単純な単一モードではな
く、偶モードと奇モードの2つのモードが発生する。こ
のために、従来例の周波数可変型誘電体共振器を発振器
に用いると、所望の共振モードから所望の共振モードと
は異なる共振モードに移動して所望の共振モードとは異
なる共振モードの共振周波数で発振するいわゆるモード
ジャンプが発生し易くなるという問題点があった。ま
た、共振周波数可変型の空胴共振器は、形状が大きくか
つ高価であるという問題点があった。
【0008】本発明の目的は、以上の問題点を解決し、
従来例の周波数可変型誘電体共振器に比較して、共振周
波数の調整が容易で、かつ発振器に用いられた場合にお
いてモードジャンプの発生を少なくでき、しかも安価な
周波数可変型誘電体共振器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の周波数可変型誘電体共振器は、互いに対向する2つ
の導体板の間に設けられ、互いに対向する第1と第2の
面を有する誘電体基板と、上記誘電体基板の第1の面に
形成されかつ上記誘電体基板の第1の面の中央部に所定
の形状の第1の開口部を有する第1の電極と、上記誘電
体基板の第2の面に形成されかつ上記第1の開口部と対
向する位置に第1の開口部と実質的に同一の形状の第2
の開口部を有する第2の電極と、上記第1の電極と上記
第2の電極とによって挟設された上記誘電体基板のうち
の上記第1の開口部と上記第2の開口部によって挟まれ
た共振器形成領域を除いた部分が上記共振周波数と同じ
周波数を有する高周波信号を減衰させるように、上記誘
電体基板と上記各導体板との各間隔と上記誘電体基板の
厚さと誘電率を設定した誘電体共振器であって、上記第
1の開口部又は第2の開口部と連結するように上記第1
の電極と上記第2の電極のうちの少なくとも一方の電極
に形成されたスリットと、第1と第2の電極と絶縁され
るように上記スリットに形成された第3の電極と、上記
第1又は第2の開口部と上記スリットとの連結部の近傍
の上記第1又は第2の電極と、上記第3の電極との間に
接続され、上記第1又は第2の電極と上記第3の電極の
間に印加する電圧の変化に対応して静電容量が変化する
可変容量手段とを備え、上記第1又は第2の電極と上記
第3の電極の間に印加する電圧を変化させることにより
上記誘電体共振器の共振周波数を変化させることを特徴
とする。
【0010】また、請求項2記載の周波数可変型誘電体
共振器は、請求項1記載の周波数可変型誘電体共振器に
おいて、上記可変容量手段は、共に薄膜導体として形成
された固定電極と可動電極とを備え、上記固定電極と上
記可動電極とが絶縁支持台に設けられた空隙部を介して
対向支持されたことを特徴とする。
【0011】さらに、請求項3記載の周波数可変型誘電
体共振器は、請求項1記載の周波数可変型誘電体共振器
において、上記可変容量手段は、バラクタダイオードで
あることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態>図1は、本発明に係る第1の実施形
態の周波数可変型誘電体共振器81の横断面図であり、
また、図2は図1のA−A’線についての縦断面図であ
る。ここで、図1は、バラクタダイオード70と上導体
板211との間における周波数可変型誘電体共振器81
の横断面図である。
【0013】第1の実施形態の周波数可変型誘電体共振
器81は、図1及び図2に示すように、互いに対向する
上導体板211と下導体板212との間に設けられた誘
電体基板3の上面に形成された電極1の中央部に設けら
れた開口部4と、誘電体基板3の下面に形成された電極
2の中央部に設けられた開口部5とによって誘電体基板
3の中央部に形成された共振器形成領域60を備える。
そして、周波数可変型誘電体共振器81は、さらに開口
部4と連結するように電極1に形成されたスリットS1
と、一端が開口部4に突出するようにスリットS1内に
形成されたバイアス電極102と、一端がバイアス電極
102の一端と対向するようにかつ他端が電極1に接続
されてバイアス電極102に近接してそれぞれバイアス
電極102の両側に形成された電極101a,101b
と、電極101aの一端とバイアス電極102の一端と
の間に接続されたバラクタダイオード70と、電極10
1bの一端とバイアス電極102の一端との間に接続さ
れたバラクタダイオード71とを備え、電極101a,
101bとバイアス電極102の間に所定の直流電圧を
印加することによりバラクタダイオード70,71の両
端子間に逆バイアス電圧を印加し、その逆バイアス電圧
を変化させることにより誘電体共振器の共振周波数を変
化させることを特徴とする。
【0014】以下、図面を参照して第1の実施形態の周
波数可変型誘電体共振器81について詳細に説明する。
【0015】図1及び図2に示すように、互いに対向す
る上導体板211と下導体板212との間に設けられた
誘電体基板3の上面に、誘電体基板3の上面の中央部に
直径がdの円形形状の開口部4を有する電極1が形成さ
れる。また、誘電体基板3の下面には、開口部4と同一
形状の開口部5を有する電極2が形成される。ここで、
誘電体基板3は、所定の比誘電率εrを有しかつ一辺の
長さがDの正方形の形状を有する。また、開口部4,5
の直径dは誘電体基板3の一辺より小さく設定され、開
口部4と開口部5は、互いに同軸になるように設けられ
る。これによって、誘電体基板3に円柱形状の共振器形
成領域60が形成される。ここで、共振器形成領域60
は、誘電体基板3の中央部であって、開口部4の上端面
61と、開口部5の下端面62を有する円柱形状の領域
である。また、共振器形成領域60の外周面360は、
誘電体基板3の内部に仮想的に設けられる。また、誘電
体基板3と上導体板211との距離と、誘電体基板3と
下導体板212との距離と、誘電体基板3の比誘電率ε
rと厚さt、及び開口部4,5の直径dとは、共振器形
成領域60に周波数可変型誘電体共振器81の共振周波
数と同じ周波数を有する高周波信号が入力されたときに
定在波を生じるように設定される。
【0016】また、電極1は、誘電体基板3の上面のう
ちの上端面61を除く全面に形成され、電極2は、誘電
体基板3の下面のうちの下端面62を除く全面に形成さ
れる。これによって、共振器形成領域60を除く誘電体
基板3の環状部分は、電極1と電極2によって挟設され
て平行平板導波管を構成し、誘電体基板3の厚さtと誘
電率εrは、当該平行平板導波管の基本伝搬モードであ
るTE01モードの遮断周波数が、周波数可変型誘電体共
振器81の共振周波数より高くなるように設定される。
すなわち、電極1と電極2によって挟設された、共振器
形成領域60を除く誘電体基板3の環状部分は、共振周
波数と同じ周波数を有する高周波信号を減衰させる減衰
領域203を構成する。言い換えれば、当該減衰領域2
03が共振周波数と同じ周波数を有する高周波信号を減
衰させるように、誘電体基板3の比誘電率εrと厚さt
とを設定する。
【0017】さらに、スリットS1は、開口部4と連結
するように電極1に形成される。ここで、スリットS1
は、開口部4に連結された一端から所定の長さの部分で
あって幅に比べて十分長い長さを有するストリップ電極
形成用スリットS1aと、一辺の長さがストリップ電極
形成用スリットS1aの幅より長い略正方形に形成され
た端子電極形成用スリットS1bとからなる。そして、
スリットS1はストリップ電極形成用スリットS1aの
長手方向が開口部4の外周円の法線方向に一致するよう
に形成される。バイアス電極102は、略正方形状であ
ってバイアス導体線(図示せず。)を接続するための端
子電極102bと、端子電極102bより狭い幅と、当
該幅に比べて十分長い長さを有するストリップ電極10
2aとが連結されてなる。ここで、バイアス導体線は、
一端が端子電極102bに接続され他端が例えば高周波
コイル等を介して電圧可変直流電源に接続される。そし
て、バイアス電極102は、端子電極102bがスリッ
トS1の端子電極形成用スリットS1bに位置するよう
にかつストリップ電極102aの長手方向がスリットS
1のストリップ電極形成用スリットS1aの長手方向と
平行になるように電極1と絶縁されてスリットS1に形
成される。ここで、バイアス電極102はストリップ電
極102aの一端が開口部4に突出するように形成され
る。
【0018】電極101a,101bはそれぞれストリ
ップ電極102aの両側に、電極101a,101bの
各一端がストリップ電極102aの一端と対向するよう
にかつストリップ電極102aと平行になるように電極
101a,101bの各他端が、スリットS1と開口部
4の連結部の近傍の電極1に接続されて形成される。バ
ラクタダイオード70,71はそれぞれ、電極101a
の一端とストリップ電極102aの一端との間と、電極
101bの一端とストリップ電極102aの一端との間
に接続される。ここで、バラクタダイオード70のカソ
ード端子はストリップ電極102aに接続され、バラク
タダイオード70のアノード端子は電極101aに接続
される。また、バラクタダイオード71のカソード端子
はストリップ電極102aに接続され、バラクタダイオ
ード71のアノード端子は電極101bに接続される。
【0019】また、電極1と電極2とを備えた誘電体基
板3は、導体ケース11の内部のキャビティ10に以下
のように設けられる。ここで、導体ケース11は、互い
に対向する正方形の上導体板211と下導体板212と
4つの側面導体とによって構成され、導体ケース11の
内部には、一辺の長さがDである正方形の横断面を有し
かつ高さがhである正方柱状のキャビティ10が形成さ
れる。そして、上記キャビティ10の中に、誘電体基板
3は、誘電体基板3の各側面と導体ケース11の各側面
導体が接するようにかつ誘電体基板3の上面と導体ケー
ス11の上導体板211との距離h1と、誘電体基板3
の下面と導体ケース11の下導体板212との距離h1
とが互いに等しくなるように設けられる。ここで、誘電
体基板3の上端面61と対向する部分を除く上導体板2
11と、電極1とによって挟まれた自由空間は平行平板
導波管を構成し、当該平行平板導波管の基本伝搬モード
であるTE01モードの遮断周波数が共振周波数より高く
なるように、距離h1は設定される。すなわち、誘電体
基板3の上端面61と対向する部分を除く上導体板21
1と、電極1とによって挟まれた自由空間は、共振周波
数を有する高周波信号を減衰させる減衰領域201を構
成する。言い換えれば、減衰領域201が共振周波数と
同じ周波数を有する高周波信号を減衰させるように距離
h1を設定する。
【0020】また、同様に、誘電体基板3の下端面62
と対向する部分を除く下導体板212と、電極2とによ
って挟まれた自由空間は平行平板導波管を構成し、当該
平行平板導波管の基本伝搬モードであるTE01モードの
遮断周波数が共振周波数より高くなるように、誘電体基
板3の下面と導体ケース11の下導体板212との距離
h1は設定される。すなわち、誘電体基板3の下端面6
2と対向する部分を除く下導体板212と、電極2とに
よって挟まれた自由空間は、共振周波数を有する高周波
信号を減衰させる減衰領域202を構成する。言い換え
れば、減衰領域202が共振周波数と同じ周波数を有す
る高周波信号を減衰させるように距離h1を設定する。
以上のようにして、第1の実施形態の周波数可変型誘電
体共振器81は構成される。
【0021】次に以上のように構成された第1の実施形
態の周波数可変型誘電体共振器81の動作について説明
する。周波数可変型誘電体共振器81の共振原理は、周
波数可変型誘電体共振器81からスリットS1とバイア
ス電極102と電極101a,101bとバラクタダイ
オード70,71とを除いたTE010モード誘電体共振
器81aの共振原理と同様に説明することができる。従
って、ここではまず、図3乃至図9を用いて、TE010
モード誘電体共振器81aの共振原理を説明し、次いで
周波数可変型誘電体共振器81の共振周波数の可変原理
について説明する。
【0022】図3のTE010モード誘電体共振器81a
において、図1の周波数可変型誘電体共振器81と同様
に、誘電体基板3の中央部には、共振周波数と同じ周波
数を有する高周波信号が入力されたときに定在波を生じ
る共振器形成領域60が形成される一方、共振周波数と
同じ周波数を有する高周波信号を減衰させる減衰領域2
01と減衰領域202と減衰領域203が形成される。
これによって、TE010モード誘電体共振器81aを共
振周波数と同じ周波数を有する高周波信号で励振する
と、TE010モード誘電体共振器81aの電磁界は、図
3に示すように、共振器形成領域60の内部と、共振器
形成領域60の近傍の自由空間に閉じ込められて共振す
る。
【0023】以下にTE010モード誘電体共振器81a
の動作原理をさらに詳細に説明する。図4は、TE010
モード誘電体共振器81aの動作の原理を説明するため
の誘電体基板3の中央部における断面図である。ここ
で、上端面61と下端面62は、近似的に磁気壁と仮定
して表している。このとき共振器形成領域60の内部に
は、共振器形成領域60の軸に向かう方向のみに伝搬ベ
クトルをもつ円筒波のTE00 -モード、または共振器形
成領域60の軸から外周面360に向かう方向のみに伝
搬ベクトルをもつ円筒波のTE00 +モードが伝搬モード
として存在する。ここで、TEの文字の右上に付したプ
ラス(+)とマイナス(−)の符号はそれぞれ、共振器
形成領域60の軸に向かう方向のみに伝搬ベクトルをも
つ円筒波と共振器形成領域60の軸から外周面360に
向かう方向のみに伝搬ベクトルをもつ円筒波を表示す
る。図4において、誘電体基板3の上面と接する電極1
の下面6と、誘電体基板3の下面と接する電極2の上面
7は電気壁である。ここで、円筒波とは、ベッセル関数
やハンケル関数などの円筒関数を用いて表現することが
できる電磁波であって、以降の説明においては共振器形
成領域60の軸方向をz軸とし、共振器形成領域60の
軸から径方向の距離をr、共振器形成領域60の円周方
向の角度をφとする円柱座標を用いる。
【0024】以上のような境界条件のもとでは、TE
0m0モードの電磁界分布は、円柱座標系を用いて次の数
1と数2で表すことができる。ここで、Hzは、円柱形
状の共振器形成領域60の軸方向、すなわちz方向の磁
界であり、Eφは、φ方向の電界を表わす。また、k0
は波長定数であり、ωは角周波数である。さらに、μは
誘電体基板3の透磁率である。
【0025】
【数1】Hz=k0 2
【数2】Eφ=jωμ(∂U/∂r)
【0026】ここで、Uは電磁界スカラーポテンシャル
であり、一般に共振器形成領域60の軸に向かう方向に
のみに伝搬ベクトルをもつ円筒波と、共振器形成領域6
0の軸から外周面360に向かう方向にのみに伝搬ベク
トルをもつ円筒波との重ね合わせで表される。すなわち
定数c1,c2と、0次の第一種ハンケル関数であるH0
(1)(krr)と、0次の第二種ハンケル関数であるH0 (2)
(krr)を用いて次の数3のように表わすことができ
る。ここで、krは、動径方向の境界条件から決まる固
有値である。
【0027】
【数3】U=c10 (1)(krr)+c20 (2)(krr)
【0028】r=0の共振器形成領域の軸上で磁界H
と電界Eφがともに有限であるためにはc1=c2という
完全定在波条件を満足する必要があり、当該条件と次の
数4と数5の関係式を用いると、電磁界スカラーポテン
シャルUは、0次の第一種ベッセル関数であるJ0(kr
r)を用いて次に示す数6で表わすことができる。
【0029】
【数4】H0 (1)(krr)=J0(krr)+jY0(krr)
【数5】H0 (2)(krr)=J0(krr)−jY0(krr)
【数6】U=AJ0(krr) ここで、A=c1+c2
【0030】数1,数2,数6を用いると、磁界Hz
電界Eφはそれぞれ、次の数7と数8で表わすことがで
きる。
【0031】
【数7】Hz=Ak0 20(krr)
【数8】Eφ=jωμkrAJ1(krr)
【0032】また、krの値は、r=r0=d/2である
共振器形成領域60の仮想的な外周面360で、電界E
φがほぼゼロとなるためには次の数9を満足するように
設定する必要がある。
【0033】
【数9】kr0=3.832
【0034】この数9を満足するkrの値を数7と数8
に代入することにより、共振状態にあるTE010モード
の磁界Hzと電界Eφを求めることができる。
【0035】以上のようにして求めた磁界Hzと電界E
φは、r=r0においてEφ=0が成り立つという条件
のもと、すなわち共振器形成領域60の仮想的な外周面
360で電界Eφが0になるという条件のもとで求めた
ものであるが、実際には、電極1と電極2の開口部4,
5の円周面の近傍で高次モードであるTE0n ±モードが
発生し、磁界Hzと電界Eφは、高次モードであるTE
0n ±モードの電磁界と結合するために、磁界Hzと電界
φとに歪みが生じる。ここで、TE0n ±モードにおけ
るnは偶数である。このことを等価回路で表現すると図
5のように表わすことができる。図5において、伝送線
路LN1は、共振器形成領域60の内部における共振器
形成領域60の軸に向かう方向と、共振器形成領域60
の軸から外周面360に向かう方向の伝搬モードである
TE00 ±モードとが伝搬する伝送線路を表示している。
もし、r=r0の外周面360で電界成分が存在しな
い。すなわち、A点から右を見た回路が電気的に短絡さ
れていると考えられる場合には基本波であるTE010
ードのみで共振し、数9を満足することとなる。
【0036】しかし、今回のモデルの場合、r=r0
おいて境界条件が不連続となるために、円筒波は、共振
器形成領域60の内部では、n≧1のときのTE0,2n -
モードのエバネセント波に結合し、また電気壁ではさま
れた減衰領域203ではn≧0のときのTE0,2n+1 +
ードのエバネセント波に結合する。したがって、図5の
等価回路において、インダクタL1は、TE0,2n -モー
ドのエバネセント波の有する磁気エネルギーを表し、イ
ンダクタL2はTE0,2n+1 +モードのエバネセント波の
有する磁気エネルギーを表している。また、インダクタ
L11とインダクタL12はそれぞれの領域におけるエ
バネセント波のもつ磁気エネルギーを表し、互いに誘導
結合している。
【0037】この等価回路によりA点に接続されたイン
ダクタL1やインダクタL12によるリアクタンスの大
きさによりTE010モード誘電体共振器81aの共振周
波数は変化するが、TE00 ±モードの完全定在波条件は
常に満足することが理解できる。
【0038】また、このモデルでは伝搬領域の上下面す
なわち共振器形成領域60の上端面61と下端面62を
磁気壁と仮定したが、実際のモデルでは導体ケース11
の上下導体板の磁界摂動の影響により、共振周波数が磁
界摂動の影響がない場合に比較して、数十パーセント高
くなる。
【0039】次にTE010モード誘電体共振器81aの
電磁界解析を行った結果について説明する。一般的にT
Eモード誘電体共振器の電磁界解析方法としては、変分
法やモード整合法によるものが報告されている。しか
し、TE010モード誘電体共振器81aでは、上述した
ように、開口部4,5を形成する電極1と電極2の内周
面で高次モードのTE0nモード(n:偶数)が発生する
ので、当該内周面の近傍における電磁界解析に変分法や
モード整合法を用いることは困難である。そこで、TE
010モード誘電体共振器81aの電磁界解析には有限要
素法を用いた。また、有限要素法を用いて電磁界解析を
行うにあたっては、計算速度と計算精度を上げるため
に、回転対称の構造を有するものの電磁界解析に適した
二次元の有限要素法を用いた。この方法は、円柱座標系
で表した電界のr方向の成分とz方向の成分の要素境界
辺における接線方向の成分の値及び電界のφ方向の成分
の要素境界辺における値を未知のパラメータとする有限
要素法であって、この方法は、スプリアス解が計算され
にくく、また中心軸付近における電界の特異性による誤
差も解消されるという利点を有する。
【0040】図6(a)の縦断面図に示したTE010
ード誘電体共振器81bは、TE010モード誘電体共振
器81aの電磁界の解析をするために用いたモデルであ
る。また、図6(b)は、図6(a)のB−B’線につ
いての横断面図である。TE010モード誘電体共振器8
1bがTE010モード誘電体共振器81aと比べて異な
る点は、正方形の誘電体基板3に代えて円形の誘電体基
板3aを用い、横断面形状が正方形の導体ケース11に
代えて、横断面形状が円形形状の導体ケース11aを用
いて構成している点である。そして、誘電体基板3aの
上面と下面にはそれぞれ、TE010モード誘電体共振器
81aと同様に、開口部4aを備えた電極1aと開口部
5aを備えた電極2aが形成されて、共振器形成領域6
3が形成される。また、誘電体基板3aは、TE010
ード誘電体共振器81aと同様に、導体ケース11aに
形成されたキャビティ10aの中に設けられる。ここ
で、誘電体基板3aと開口部4a,5a及び円柱形状の
キャビティ10aは、同軸になるように設けられる。以
上のように構成したTE010モード誘電体共振器81b
を用いることにより、上述した二次元の有限要素法を用
いることができる。また、キャビティ10aの直径D1
を共振器形成領域63の直径dに比べて大きい所定の値
に設定することによって、TE010モード誘電体共振器
81aの共振器形成領域60とTE010モード誘電体共
振器81bの共振器形成領域63の電磁界の分布は等し
くなる。従って、TE010モード誘電体共振器81bを
TE010モード誘電体共振器81aの電磁界の解析のモ
デルとして用いることができる。
【0041】図6(a)において、回転対称軸であるz
軸は、共振器形成領域63の軸と一致するように設定
し、またz=0の面は磁気壁を仮定した。ここで、共振
器形成領域63の軸の中心点をz軸のz=0とした。そ
して、各構造パラメータを以下のように設定して、TE
010モード誘電体共振器81bの共振周波数と共振器形
成領域63の上端面64の直径dとの関係を、誘電体基
板3aの厚さtが0.2mm、0.33mm、0.5m
mのそれぞれの場合について計算して、図7のグラフに
示した。 (1)誘電体基板3aの比誘電率εr=9.3、 (2)キャビティ10aの高さh=2.25mm。
【0042】図7から明らかなように、各構造パラメー
タを上述したように設定することにより、TE010モー
ド誘電体共振器81bは、周波数が40GHzから10
0GHzのミリ波帯で共振することがわかる。そして、
共振器形成領域63の上端面64の直径dを同一の直径
に設定した場合には、誘電体基板3aの厚さtが厚い
程、共振周波数は低くなり、誘電体基板3aの厚さtを
同一に設定した場合には、共振器形成領域63の上端面
64の直径dを大きくする程、共振周波数は低くなるこ
とがわかる。
【0043】また、各構造パラメータを上述のように設
定したときの電界Eφの強度分布を、等高線SEを用い
て図8に示し、磁界Hzの強度分布を等高線SHを用い
て図9に示す。図8から明らかなように、電界はφ方向
にトーラス状に強度分布していることがわかる。図9か
ら明らかなように、磁界のz成分は共振器の中心部分が
最大となるように分布していることがわかる。これは従
来例のTE01δ誘電体共振器の電磁界分布にきわめて近
い分布をしていることを示している。しかし、共振器形
成領域63の外側では従来例のTE01δ誘電体共振器に
比べてはるかに強い遮断領域になっているため、電気エ
ネルギーおよび磁気エネルギーは共振器形成領域63の
内部により強く集中していることがわかる。このこと
は、回路素子間の相互作用が少なくでき、これによって
より集積度の高い回路構成が期待できる。
【0044】以上詳述したように、TE010モード誘電
体共振器81aは、直径d等を所定の値に設定すること
により所望の共振周波数で共振させることができる。ま
た、TE010モード誘電体共振器81aにおける共振器
形成領域60近傍の電極1の縁端部には高周波電流であ
る共振電流が流れている。また、第1の実施形態の周波
数可変型誘電体共振器81は、TE010モード誘電体共
振器81aにおいて、高周波電流の流れる電極1の縁端
部に接続された電極101a,101bとスリットS1
に形成されたバイアス電極102との間にバラクタダイ
オード70,71が接続されている。以上のことから周
波数可変型誘電体共振器81の等価回路は、図12に示
すように、TE010モード誘電体共振器81aに対応す
るキャパシタC10及びインダクタL10と、バラクタ
ダイオード70,71の直列接続容量に対応する可変キ
ャパシタC1とを直列に接続して表わすことができる。
従って、電極101とスリットS1に形成されたバイア
ス電極102との間に印加するバイアス電圧を変えてバ
ラクタダイオード70,71の静電容量を変化させるこ
とにより、キャパシタC10と可変キャパシタC1との
直列接続で表される周波数可変型誘電体共振器81の等
価的な静電容量を変化させることができ、周波数可変型
誘電体共振器81の共振周波数を変化させることができ
る。ここで、周波数可変型誘電体共振器81において、
周波数可変型誘電体共振器81の等価的な静電容量を大
きくすると周波数可変型誘電体共振器81の共振周波数
は低くなり、周波数可変型誘電体共振器81の等価的な
静電容量を小さくすると周波数可変型誘電体共振器81
の共振周波数は高くなる。
【0045】以上のように構成された第1の実施形態の
周波数可変型誘電体共振器81は、1つのTE010モー
ド誘電体共振器81aを用いて、TE010モード誘電体
共振器81aの共振周波数を直接可変できるように構成
したいわゆる単一モードの共振器である。従って、周波
数可変型誘電体共振器81を発振器に応用した場合に、
TE010モード以外の共振モードに移動してTE010モー
ドの共振周波数以外の周波数で発振するいわゆるモード
ジャンプの発生を少なくできる。
【0046】また、周波数可変型誘電体共振器81を製
造する場合、スリットS1とバイアス電極102を電極
1と同時に形成することができるので比較的安価に製造
することができる。
【0047】さらに、1枚の誘電体基板を用いて、その
一部分に共振器形成領域60、スリットS1及びバラク
タダイオード等を設け、他の部分に負性抵抗回路や増幅
回路等を設けることにより、周波数可変型誘電体共振器
81と発振回路や増幅回路などの他の回路を1枚の誘電
体基板上に構成することができるので、周波数可変型誘
電体共振器81を含むマイクロ波回路を安価にかつ簡単
に製造することができる。
【0048】また、周波数可変型誘電体共振器81は、
非放射性誘電体線路であるNRD線路との結合が容易で
あり、外部回路との結合を簡単にできる。
【0049】また、第1の実施形態の周波数可変型誘電
体共振器81においては、電極101a,101bを備
えかつストリップ電極102aの一端が開口部4に突出
するように形成している。また、図8に示すように、開
口部4の中心に向かうほど電界は強くなる。すなわち、
電極101a,101b及びストリップ電極102aを
電界の強い開口部4の内部に突出するように形成してい
るので、電極101a,101b及びストリップ電極1
02aを共振時の電界に強く結合させることができ、バ
ラクタダイオード70,71をスリットS1と開口部4
との連結部の近傍で接続した場合に比較して、共振周波
数の変化量を大きくできる。
【0050】また、第1の実施形態の周波数可変型誘電
体共振器81においては、バラクタダイオード70,7
1の各カソード端子はストリップ電極102aに接続さ
れ、バラクタダイオード70,71の各アノード端子は
それぞれ電極101a,101bに接続され、これによ
って、電極1とバイアス電極102との間に、バラクタ
ダイオード70の静電容量とバラクタダイオード71の
静電容量とが並列に接続されているので、並列接続され
た総静電容量は2つの静電容量の和となる。従って、わ
ずかな逆バイアス電圧の変化で総静電容量を大きく変化
させることができるので共振周波数を大きく変化させる
ことができる。
【0051】<第2の実施形態>図10は、本発明に係
る第2の実施形態の周波数可変型誘電体共振器82の横
断面図である。ここで、図10は、可変容量コンデンサ
90a,90bと上導体板211との間における周波数
可変型誘電体共振器82の横断面図である。図10の周
波数可変型誘電体共振器82は、第1の実施形態の周波
数可変型誘電体共振器81と比較して以下の点が異な
る。 (1)図1のスリットS1に代えてスリットS2を設け
ている。ここで、スリットS2は端子電極形成用スリッ
トS2bとストリップ電極形成用スリットS2aとから
なり、ストリップ電極形成用スリットS2aは副スリッ
ト25a,25b,26a,26b,27a,27bを
備える。 (2)図1のバイアス電極102に代えて、ストリップ
電極103a,端子電極103bからなるバイアス電極
103を備える。 (3)図1のバラクタダイオード70に代えて、電極1
03aと電極1とに接続された可変容量コンデンサ90
a,90bを備える。
【0052】図10の周波数可変型誘電体共振器82に
おいて、スリットS2は、開口部4と連結するように電
極1に形成される。ここで、スリットS2は、開口部4
に連結された一端から所定の長さの部分であって幅に比
べて十分長い長さを有するストリップ電極形成用スリッ
トS2aと、一辺の長さがストリップ電極形成用スリッ
トS2aの幅より長い略正方形に形成された端子電極形
成用スリットS2bとからなる。そして、スリットS2
はストリップ電極形成用スリットS2aの長手方向が開
口部4の外周円の法線方向に一致するように形成され
る。
【0053】スリットS2のストリップ電極形成用スリ
ットS2aには、1対の副スリット25a,25bと1
対の副スリット26a,26bと1対の副スリット27
a,27bとが、ストリップ電極形成用スリットS2a
の長手方向に略λg1/4の間隔で電極1に形成され
る。すなわち、副スリット25aは、スリットS2と開
口部4との連結部分からλg1/4の距離に位置するス
トリップ電極形成用スリットS2aの一方の側面に連結
して形成され、副スリット25bは副スリット25aに
対向するようにストリップ電極形成用スリットS2aの
他方の側面に連結して形成される。ここで、λg1はス
トリップ電極形成用スリットS2aとストリップ電極1
02aとを備えて構成されるコプレーナ線路のTE010
モード誘電体共振器81aの共振周波数における伝搬波
長である。副スリット26a,26b及び副スリット2
7a,27bは、副スリット25a25bと同様に構成
される。ここで、副スリット25a,26a,27a,
25b,26b,27bはそれぞれλg2/4の長さと
L字型の形状を有し、ストリップ電極形成用スリットS
2aとの連結部である一端から所定の長さの部分がスト
リップ電極形成用スリットS2aの長手方向に垂直にな
るようにかつ残りの部分がストリップ電極形成用スリッ
トS2aの長手方向に平行になるように開口部4の方向
に直角に曲げられて形成される。ここで、λg2はこれ
らの副スリット25a,26a,27a,25b,26
b,27bで形成されるスロット線路のTE010モード
誘電体共振器81aの共振周波数における伝搬波長であ
る。以上のように形成された副スリット25aは、先端
部25tで短絡された長さλg2/4のスロット線路で
あり、副スリット25aとストリップ電極形成用スリッ
トS2aとの連結部25zでは伝搬波長λg2に対応す
る周波数すなわちTE010モード誘電体共振器81aの
共振周波数において開放端とみなすことができ、トラッ
プ回路となる。また、副スリット25b,26a,26
b,27a,27bにおいても同様に動作し、これによ
って、開口部4の外周における電極1の縁端部に流れる
共振電流をバイアス電極103に流れ込まないようにす
ることができる。第2の実施形態では、副スリット25
a,26a,27a,25b,26b,27bはL字型
に形成したが、本発明はこれに限らず、真すぐに形成し
てもよい。
【0054】また、バイアス電極103は、バイアス導
体線(図示せず。)を接続するための略正方形状の端子
電極103bと、端子電極103bより狭い幅と幅方向
に比べて十分長い長さを有するストリップ電極103a
とが連結されてなる。ここで、バイアス導体線は、一端
が端子電極103bに接続され他端が例えば高周波コイ
ル等を介して電圧可変直流電源に接続される。そして、
バイアス電極103は、端子電極103bが端子電極形
成用スリットS2bに位置するようにかつストリップ電
極103aの長手方向がストリップ電極形成用スリット
S2aの長手方向と平行になるように電極1と絶縁され
てスリットS2に形成される。ここで、バイアス電極1
03はストリップ電極103aの一端が開口部4とスリ
ットS2との連結部分に位置するように形成される。
【0055】さらに、可変容量コンデンサ90a,90
bは同様に構成され、スリットS2と開口部4との連結
部の近傍において、ストリップ電極103aと電極1と
に接続されて設けられる。ここで、可変容量コンデンサ
90aは、ストリップ電極103aの先端部分とストリ
ップ電極103aの先端部分の一方の側面に対向して位
置する電極1との間に接続され、可変容量コンデンサ9
0bは、ストリップ電極103aの先端部分とストリッ
プ電極103aの先端部分の他方の側面に対向して位置
する電極1との間に接続される。このように可変容量コ
ンデンサ90a,90bは、バイアス電極103と電極
1との間に並列に接続される。
【0056】ここで、可変容量コンデンサ90a,90
bは、図11に示すように、共に薄膜導体として形成さ
れた固定電極92と可動電極93とを備え、固定電極9
2と可動電極93とが絶縁支持台94に設けられた空隙
部95を介して対向支持されて構成される。すなわち、
この絶縁支持台94は例えば半導体素子形成用のシリコ
ン基板等からなり、その上面に彫り込み形成された凹部
の底面にはアルミニウムの蒸着などによって形成された
固定電極92が設けられる。また、この凹部の開口部に
は同様にして形成された可動電極93が空隙部95を介
して固定電極92と対向するように浮いた状態で設けら
れる。また、固定電極92及び可動電極93はそれぞ
れ、引き出し形成された端子部(図示せず)を有し、端
子部間にはバイアス電圧が印加されるようになってい
る。なお、固定電極92や可動電極93の平面形状は角
形や円形など自由に選択されるものであり、これらの支
持方法なども自由である。
【0057】以上のように構成された可変容量コンデン
サ90a,90bにおいて、固定電極92と可動電極9
3の間にバイアス電圧を印加すると、固定電極92と空
隙部95を介して対向しかつ浮いた状態で支持された可
動電極93とがクーロン力の作用によって揺れ動くこと
になり、両者間の距離が増減変化することになる。そし
て、このことにより、固定電極92と可動電極93の間
の静電容量が変化することになり、印加したバイアス電
圧に見合った静電容量が得られる。このように、可変容
量コンデンサ90a,90bは、空隙部95を介して対
向した固定電極92と可動電極93とを備え、クーロン
力の作用によって両者間の距離を変化させて静電容量を
変化させている。従って、半導体素子等の損失の比較的
大きい素子を用いていないので、第1の実施形態のバラ
クタダイオード70,71に比較して耐圧及び無負荷Q
を高くすることができる。
【0058】以上のように構成された第2の実施形態の
周波数可変型誘電体共振器82は、高周波電流の流れる
電極1の縁端部とスリットS2に形成されたバイアス電
極103との間に可変容量コンデンサ90a,90bが
並列に接続されている。これによって、周波数可変型誘
電体共振器82の等価回路は、第1の実施形態の場合と
同様、図12のように表わすことができる。すなわち、
TE010モード誘電体共振器81aに対応するキャパシ
タC10及びインダクタL10と、可変容量コンデンサ
90a,90bに対応する可変キャパシタC1とを直列
に接続して表わすことができる。従って、電極1とスリ
ットS2に形成されたバイアス電極103との間に印加
する電圧を変えて可変容量コンデンサ90a,90bの
静電容量を変化させることにより、キャパシタC10と
可変キャパシタC1との直列接続で表される周波数可変
型誘電体共振器82の等価的な静電容量を変化させるこ
とができ、周波数可変型誘電体共振器82の共振周波数
を変化させることができる。ここで、周波数可変型誘電
体共振器82において、周波数可変型誘電体共振器82
の等価的な静電容量を大きくすると周波数可変型誘電体
共振器82の共振周波数は低くなり、周波数可変型誘電
体共振器82の等価的な静電容量を小さくすると周波数
可変型誘電体共振器82の共振周波数は高くなる。
【0059】以上のように構成された第2の実施形態の
周波数可変型誘電体共振器82は、バラクタダイオード
70に比較して無負荷Qの高い可変容量コンデンサ90
a,90bを用いているので、第1の実施形態と同様な
効果を有するとともに第1の実施形態に比較して無負荷
Qを高くできる。
【0060】<変形例>以上の第1と第2の実施形態に
おいては、バラクタダイオード70又は可変容量コンデ
ンサ90a,90bを用いて構成したが、本発明はこれ
に限らず、ピンダイオードなどのバイアス電圧の印加す
る方向によってオン/オフ動作をするスイッチィング素
子を用いて構成してもよい。以上のように構成された周
波数可変型誘電体共振器は、当該スイッチィング素子の
オン/オフ動作に対応させて共振周波数を切り換えるこ
とができ、例えばFSK変調器に使用することができ
る。
【0061】以上の第1と第2の実施形態では、開口部
4,5は円形に形成したが、本発明はこれに限らず、正
方形又は多角形などの他の形状に形成してもよい。以上
のように構成しても第1と第2の実施形態と同様な動作
をし同様の効果を有する。
【0062】以上の第1と第2の実施形態では、導体ケ
ース11を用いて構成したが、本発明はこれに限らず、
上導体板と下導体板のみを用いて構成してもよい。以上
のように構成しても第1と第2の実施形態と同様な動作
をし同様の効果を有する。
【0063】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載の周波数可変
型誘電体共振器は、上記誘電体基板の第1の面に形成さ
れ第1の開口部を有する第1の電極と、上記誘電体基板
の第2の面に形成され開口部を有する第2の電極と、上
記第1の開口部又は第2の開口部と連結するように形成
されたスリットと、上記スリットに形成された第3の電
極と、上記第1又は第2の電極と、上記第3の電極との
間に接続された可変容量手段とを備える。これによっ
て、可変容量手段に印加する電圧を変化させることによ
り共振周波数の調整を容易にできる。また、単一モード
の周波数可変型誘電体共振器を構成することができるの
で、当該周波数可変型誘電体共振器を発振器に応用した
場合に、モードジャンプの発生を少なくできる。さら
に、当該周波数可変型誘電体共振器を製造する場合、上
記スリットと第3の電極を第1又は第2の電極と同時に
形成することができるので比較的安価に製造することが
できる。
【0064】また、請求項2記載の周波数可変型誘電体
共振器は、請求項1記載の周波数可変型誘電体共振器に
おいて、固定電極と可動電極とが絶縁支持台に設けられ
た空隙部を介して対向支持された無負荷Qの高い可変容
量手段を備えているので、当該可変容量手段を備えてい
ない周波数可変型誘電体共振器に比較して、無負荷Qを
高くできる。
【0065】さらに、請求項3記載の周波数可変型誘電
体共振器は、請求項1記載の周波数可変型誘電体共振器
において、上記可変容量手段として安価なバラクタダイ
オードを備えているので安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態の周波数可変型
誘電体共振器81の横断面図である。
【図2】 図1のA−A’線についての縦断面図であ
る。
【図3】 図1の周波数可変型誘電体共振器81の共振
原理を説明するために用いたTE010モード誘電体共振
器81aの縦断面図である。
【図4】 図3のTE010モード誘電体共振器81aの
共振の原理を説明するための誘電体基板3の縦断面図で
ある。
【図5】 図3のTE010モード誘電体共振器81aの
等価回路を示す回路図である。
【図6】 (a)は、図3のTE010モード誘電体共振
器81aの動作を解析するために用いたモデルのTE
010モード誘電体共振器81bの縦断面図であり、
(b)は、(a)のB−B’線についての横断面図であ
る。
【図7】 図3のTE010モード誘電体共振器81aの
共振周波数と共振器形成領域63の直径dとの関係を示
すグラフである。
【図8】 図6(a)の縦断面図における電界強度分布
を示す縦断面図である。
【図9】 図6(a)の縦断面図における磁界強度分布
を示す縦断面図である。
【図10】 第2の実施形態の周波数可変型誘電体共振
器82の平面図である。
【図11】 図10の可変容量コンデンサ90a,90
bの縦断面図である。
【図12】 図1の周波数可変型誘電体共振器81の等
価回路を示す回路図である。
【図13】 従来例の周波数可変型誘電体共振器の斜視
図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,2,2a,101a,101b…電
極、 S1,S2…スリット、 3,3a…誘電体基板、 4,4a,5,5a…開口部、 10,10a…キャビティ、 11,11a…導体ケース、 25a,25b,26a,26b,27a,27b…副
スリット、 60,63…共振器形成領域、 61,64…上端面、 62,65…下端面、 70,71…バラクタダイオード、 81,82…周波数可変型誘電体共振器、 81a,81b…TE010モード誘電体共振器、 90a,90b…可変容量コンデンサ、 92…固定電極、 93…可動電極、 94…絶縁支持台、 95…空隙部、 102,103…バイアス電極、 102a,103a…ストリップ電極、 102b,103b…端子電極、 201,202,203…減衰領域、 211…上導体板、 212…下導体板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯尾 憲一 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 平8−265015(JP,A) 特開 平5−129814(JP,A) 特開 昭58−29204(JP,A) 1995年電子情報通信学会エレクトロニ クスソサエティ大会 C−132 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01P 7/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する2つの導体板の間に設け
    られ、互いに対向する第1と第2の面を有する誘電体基
    板と、 上記誘電体基板の第1の面に形成されかつ上記誘電体基
    板の第1の面の中央部に所定の形状の第1の開口部を有
    する第1の電極と、 上記誘電体基板の第2の面に形成されかつ上記第1の開
    口部と対向する位置に第1の開口部と実質的に同一の形
    状の第2の開口部を有する第2の電極と、 上記第1の電極と上記第2の電極とによって挟設された
    上記誘電体基板のうちの上記第1の開口部と上記第2の
    開口部によって挟まれた共振器形成領域を除いた部分が
    上記共振周波数と同じ周波数を有する高周波信号を減衰
    させるように、上記誘電体基板と上記各導体板との各間
    隔と上記誘電体基板の厚さと誘電率を設定した誘電体共
    振器であって、 上記第1の開口部又は第2の開口部と連結するように上
    記第1の電極と上記第2の電極のうちの少なくとも一方
    の電極に形成されたスリットと、 第1と第2の電極と絶縁されるように上記スリットに形
    成された第3の電極と、 上記第1又は第2の開口部と上記スリットとの連結部の
    近傍の上記第1又は第2の電極と、上記第3の電極との
    間に接続され、上記第1又は第2の電極と上記第3の電
    極の間に印加する電圧の変化に対応して静電容量が変化
    する可変容量手段とを備え、 上記第1又は第2の電極と上記第3の電極の間に印加す
    る電圧を変化させることにより上記誘電体共振器の共振
    周波数を変化させることを特徴とする周波数可変型誘電
    体共振器。
  2. 【請求項2】 上記可変容量手段は、共に薄膜導体とし
    て形成された固定電極と可動電極とを備え、上記固定電
    極と上記可動電極とが絶縁支持台に設けられた空隙部を
    介して対向支持されたことを特徴とする請求項1記載の
    周波数可変型誘電体共振器。
  3. 【請求項3】 上記可変容量手段は、バラクタダイオー
    ドであることを特徴とする請求項1記載の周波数可変型
    誘電体共振器。
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