JPH0652841B2 - 共振器装置 - Google Patents

共振器装置

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JPH0652841B2
JPH0652841B2 JP63032327A JP3232788A JPH0652841B2 JP H0652841 B2 JPH0652841 B2 JP H0652841B2 JP 63032327 A JP63032327 A JP 63032327A JP 3232788 A JP3232788 A JP 3232788A JP H0652841 B2 JPH0652841 B2 JP H0652841B2
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waveguide
resonator
dielectric
dielectric resonator
cutoff
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禧夫 小林
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は共振器装置に関し、特にマイクロ波フィルタ
のように遮断導波管内に誘電体共振器を配置した、共振
器装置に関する。
〔従来技術〕
この種の共振器装置の一例が、たとえ19851EEE
−MTT−S,International Microwave Symposium Di
gest(1985年6月4日−6日)の第515ページか
ら第518ページに開示されている。この従来技術は、
TM01遮断導波管の底面に設けられたサブストレート
上に、電磁エネルギの伝搬方向すなわち直角座標系にお
けるZ軸にその軸が直交するように複数のTM01δ
電体共振器を配置し、結合係数を各TM01δ誘電体共
振器間の距離によって調整するようにした、TM01δ
モードのマイクロ波フィルタである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述のマイクロ波フィルタは、TE01δモードのもの
と同程度の無負荷Q(Qu)が得られるという利点はあ
るものの、さらに改善すべき次のような問題点がある。
すなわち、TM01δ誘電体共振器の軸がZ軸に直交し
ているため、TM01δ誘電体共振器の励振のためにた
とえばループ状の入出力結合手段を使わなければなら
ず、したがって入出力手段の構造が複雑になる。さら
に、そのようなループ状の結合手段の存在によってTM
01遮断導波管内の空間に乱れを生じる(対称性を失
う)ため、他のモードも励振されてしまうのでスプリア
ス特性があまりよくない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、無負荷Q(Q
u)が高くかつスプリアス特性のよい、共振器装置を提
供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
第1発明は、遮断導波管、1個の誘導体ブロックに1つ
形成される共振器であって、遮断導波管内に、その軸が
遮断導波管における電磁エネルギの伝搬方向と一致もし
くは実質的に一致するように、支持部材によって固定さ
れた少なくとも1つのTM0ml+δ誘電体共振器(た
だし、m=1,2,・・・、l=1,2,・・・)、お
よび遮断導波管と同軸上に遮断導波管の両端に設けら
れ、対応のTM0ml+δ誘電体共振器と間隔を隔てる
ように固定され、かつ遮断導波管と絶縁された回転対称
性の高い形状の結合導体を含む入出力手段を備える、共
振器装置である。
第2発明は、遮断導波管、1個の誘導体ブロックに1つ
形成される共振器であって、遮断導波管内に、その軸が
遮断導波管における電磁エネルギの伝搬方向と一致もし
くは実質的に一致するように、支持部材によって固定さ
れた少なくとも1つのTM0ml+δ誘電体共振器(た
だし、m=1,2,・・・、l=1,2,・・・)、お
よび遮断導波管の両端に遮断導波管と空間が連続するよ
うに設けられた伝搬導波管を含む入出力手段を備える、
共振器装置である。
〔作用〕
入出力手段の一方から電磁波(マイクロ波)が伝搬され
ると、それに電界結合するTM0ml+δ誘電体共振器
が固有の共振周波数で共振し、同様に結合している入出
力手段の他方によってその電磁波が取り出される。
〔発明の効果〕
この発明によれば、遮断導波管電磁エネルギの伝搬方向
にその軸が一致するようにTM0ml+δ誘電体共振器
が配置されていて、しかもTM0ml+δ誘電体共振器
の周方向に空間を乱す不要なものが存在しないので、T
0ml+δ誘電体共振器のZ軸を中心とした電気力線
の回転対称性の乱れが殆どなく、したがって不要モード
が励振されることがないのでスプリアス特性が改善され
る。
さらに、この発明によれば、TE01δ誘電体共振器に
比べ、TM0ml+δ誘電体共振器内に閉じ込められる
電気エネルギが小さいので、Qd(誘電体共振器の誘電
体損によるQ)が大きくなるとともに、TM0ml+δ
誘電体共振器の磁気エネルギはTE01δ誘電体共振器
と同程度であるためQc(誘電体共振器の周囲に存在す
る導体損によるQ)は差がない。したがって、共振器装
置全体としての無負荷Q(Qu)はより大きくなる。
また、この発明では、入出力結合部分の構造が非常に簡
単になるという利点もある。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点
は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から
一層明らかとなろう。
〔実施例〕
第1図はこの発明の一実施例を示す断面図解図である。
この第1図では、この発明が適用された共振器装置の一
例として、4段のマイクロ波フィルタ10が図示され
る。しかしながら、この発明は、たとえば内蔵される誘
電体共振器が1個だけの場合のような、任意の他の形式
ないし種類の共振器装置に同様に適用できるものである
ことを、予め指摘しておく。
マイクロ波フィゥタ10はTM01遮断円形導波管12
を含み、このTM01遮断円形導波管12の内部には、
複数の(実施例では4つの)TM01δ誘電体共振器1
4が、TM01遮断円形導波管12における電磁エネル
ギの伝搬方向と一致する軸上に、適宜の間隔を隔てて同
軸的に配置されている。
TM01遮断円形導波管12は、たとえば黄銅によって
形成され、その内面には銅めっきが施される。このTM
01遮断円形導波管12の導電率は90%であった。な
お、TM01遮断円形導波管12は、たとえばセラミッ
クなどによって形成してその内面に同じように良導体膜
を付与したものであってよい。
また、この実施例では、工作精度のよい製造を可能にす
るために、TM01遮断円形導波管12を3つの分割部
材12a,12bおよび12cによって構成した。分割
部材12aおよび12cの一方端には、それぞれフラン
ジ12dおよび12gが形成されるとともに、分割部材
12bの両端にフランジ12eおよび12fが形成され
る。そして、分割部材12aのフランジ12dと分割部
材12bの一方のフランジ12eとが、また分割部材1
2bの他方のフランジ12fと分割部材12cのフラン
ジ12gとが、それぞれ接合されてねじ16で締着さ
れ、一体的なTM01遮断円形導波管12が構成され
る。しかしながら、このような分割部材12a,12b
および12cを用いるのは単に製造の容易性のためであ
るので、より多くの分割部材が用いられてもよく、また
TM01遮断円形導波管12を単一部材のものとして構
成してもよいことはいうまでもない。
TM01δ誘電体共振器14は円柱状に形成され、それ
ぞれの中心軸がTM01遮断導波管12の中心軸と一致
するように、すなわち同軸的に、それぞれ支持リング1
8によって、TM01遮断導波管12内に固定的に支持
される。TM01δ誘電体共振器14は、低損失セラミ
ック、たとえばBa(Zn,Mg,Sb,Ta)O
よって形成され得る。この低損失セラミックは、たとえ
ば12GHzにおいて、ε=24、tanδ=4×10-5
特性を有する。支持リング18の材料としては、たとえ
ばε=1.031、tanδ=4×10-5のような、低誘電率の
材料たとえば発泡ポリスチレンが用いられ得る。
TM01遮断円形導波管12の両端には、それと同じよ
うな材料の円板20が、それぞれたとえばねじ構造によ
って固着され、それぞれの円板20には同軸コネクタ2
2が取り付けられる。すなわち、円板20の周側面には
雄ねじが形成され、TM01遮断円形導波管12の両端
内周面には雌ねじが形成され、円板20の中心部には同
軸コネクタ22を挿通するための孔が設けられる。した
がって、孔に同軸コネクタ22を固定した状態で円板2
0の雄ねじをTM01遮断円形導波管12の雌ねじに螺
合させることによって、同軸コネクタ22がTM01
断円形導波管12の両端にそれぞれ固着される。
同軸コネクタ22の中心導体24は、TM01δ誘電体
共振器14の中心軸上に配置されるとともに、電界結合
のためのプローブとして作用するように、同軸コネクタ
22の端面より内方(誘電体共振器14側)に突出され
る。なお、同軸コネクタ22の外部導体26は円板20
を介してTM01遮断円形導波管12と電気的に接続さ
れる。
TM01遮断円形導波管12の側面には、その中に配置
された4つのTM01δ誘電体共振器14のそれぞれの
端面付近に、周波数微調整用の誘電体ねじ28が設けら
れる。誘電体ねじ28は、TM01遮断円形導波管12
の側壁を貫通するように固着されたそれぞれのスリーブ
30に螺合する。この誘電体ねじ28による各TM
01δ誘電体共振器14の共振周波数fの変化量は約
0.2%程度である。
このようにして、たとえば放送衛星搭載合波器(13チ
ャネル)用の帯域通過マイクロ波フィルタ10が構成さ
れる。したがって、この実施例では、マイクロ波フィル
タ10は、その中心周波数が11.958GHzであり、3d
B比帯域幅が0.3 %のチェビシェフ特性4段帯域通過フ
ィルタ(BPF)である。
この実施例において、一方のプローブすなわち同軸コネ
クタ22の中心導体24からマイクロ波が放射される
と、4つのTM01δ誘電体共振器14によって設定さ
れた周波数帯域成分が他方のプローブすなわち同軸コネ
クタ22の中心導体24によって取り出される。この実
施例の透過特性と反射特性すなわちフィルタ特性が第2
図に示される。
また、この実施例では、プローブすなわち中心導体24
がともにTM01δ誘電体共振器14の中心軸上に配置
されているので、TM01遮断円形導波管12内の電気
力線はTM01δ誘電体共振器14の中心軸、すなわち
Z軸に対してほぼ回転対称となる。このため対称性の乱
れに起因するスプリアスモードの励振が抑制され、この
実施例のマイクロ波フィルタ10のスプリアス特性は、
第3図に示すように、非常に良好である。
以下、この実施例に基づいて、TM01δ誘電体共振器
14の共振周波数foと無負荷Qおよび共振器14間の
結合係数kをモード展開法により解析し、高い無負荷Q
(Qu)の共振器装置が実現できることを明らかにす
る。
従来、誘電体共振器間の結合は、相互誘導結合によるL
C等価回路として表されていた。しかしながら、この発
明では、TMモードの電界結合を利用するので、容量結
合によるLC等価回路を考える必要がある。
相互誘導結合の場合、結合共振回路におけるT面短絡の
ときの共振周波数fshおよびT面開放のときの共振周波
数fopは、結合が強くなるにつれて単一共振器の共振周
波数fを中心としてほぼ対称的に分離し、fsh>fop
の関係がある。
一方、容量結合の場合、結合が強くなると共振周波数f
shは低下するが、共振周波数fopは共振周波数fのま
ま変化せずfop>fshの関係がある。
フィルタ設計に必要な結合係数|k|は、共振周波数f
shおよび共振周波数fopを用いると次式で表される。
したがって、(1)式の結合係数kの解析は共振周波数fs
hおよびfopを求める問題に帰着する。
そこで、まず、第4図に示すような円筒座標系を想定し
て、共振周波数fshおよびfopをモード展開法により厳
密に解析する。
円柱状のTM01δ誘電体共振器14においては、比誘
電率がε、直径がD(=2R)、長さLであり、この
ようなTM01δ誘電体共振器14が、比誘電率がε
(<ε)、長さがLの支持リング18によって、直径
がd(=2a)のTM01遮断円形導波管12内に、距
離2Mを隔てて、配置されている。
そして、TM01遮断円形導波管12内の空気領域の比
誘電率をε=1、各媒質の比透磁率をμr=1とす
る。一方、誘電体および導体は無損失とする。この場
合、(1)式のfshおよびfopは対称面Tが短絡面および
開放面となる場合の共振周波数に対応する。T面におけ
る対称性を利用して、Z軸方向の距離z≧−(L/2+
M)となる領域のみを考える。これを第4図に示すよう
に、4つの媒質(I)〜(IV)に分け、以下の説明では
それらにおける諸量に添字1〜4を付加して区別する。
いま、TM0ml+δモードのみを考慮するので、電気
的ヘルツベクトルのz成分のπを考えればよい。各媒
質のπは、導体面およびT面の境界条件を考慮する
と、次のように固有モードで展開される。
ただし、 ・▲β2 p▼=▲k2 0▼εr−▲k2 1▼p=▲k2 0▼εb
▲k2 2▼p ▲α2 p▼=▲k2 q▼−▲k2 0▼=(joq/a)2−▲k2
0▼ J(joq)=0 ko=2πfo/C ・・・
(3) (2)式中における中括弧{ }内の上式および下式はそ
れぞれT面短絡およびT面開放の場合を表す。Jn
(x)およびNn(x)は第一種および第二種のベッセ
ル関数であり、In(x)およびKn(x)は第一種お
よび第二種の変形ベッセル関数である。また、(2)式に
おいては、時間因子 exp(jωt);ω=2πf(f
は共振周波数)は省略され、kおよびCは真空中の
波数および光速を表し、さらにAp,Bp,Cq,Dq
およびφpは境界条件より決定されるべき展開係数であ
る。
TM01遮断円形導波管12のTM01モードが非伝搬
域にある条件は次式で与えられる。
このとき、αqはすべてのq値に対して実数となる。
各媒質の電磁界成分は、(2)式を次のマクスウェルの方
程式に代入することにより得られる。
ただし、kは各媒質の波数である。
第4図において媒質IおよびIIの境界面r=Rにおける
EzおよびHθは、電界および磁界の連続性により ただし、 (7)式において、uおよびvは(6)式のp番目の根で
あり、u<u+1(p=1,2,・・・)である。
次に、Z軸方向の距離z=L/2とz=−L/2におけ
るErとHθの連続性の式にベッセル関数の直交性を適
用すると、展開係数に関する連立同次方程式を得る。こ
れが、有意な解をもつには係数の行列式の値が零となる
必要がある。これより、共振周波数を求める次のような
特性方程式を得る。
detH(f0;δr,εb,d,D,L,M)=0 ・・・(8) ただし、N行N列の正方行列の要素は、p,q=1,
2,・・・、N/2として次式で与えられる。
さらに、 (8)式において、M=∞とすると単一のTM01δ誘電
体共振器14の共振周波数が求められる。この場合の行
列要素Hp,qは、p,q=1,2,・・・、Nとして
次式で表される。
円柱形のTM01δ誘電体共振器14の無負荷Q(Q
u)は次式で与えられる。
1/Qu=1/Qd+1/Qdb+1/Qc
・・・(12) ここで、QdおよびQdbはそれぞれ媒質IおよびIIの
誘電体損によるQ値であり、摂動法を用いて次式で表さ
れる。
ただし、 tanδおよび tanδbはそれぞれ媒質Iおよび
IIの誘電正接である。また、Qcは導体損によるQであ
り、TM01δ誘電体共振器14の蓄積エネルギとTM
01遮断円形導波管12の導体損とを計算することによ
って求められる。
実際の数値計算では行列数Nが大きいほど真の解に近づ
くので、解が必要な精度に収束するNの値で行う。フィ
ルタ構成に必要な精度(0.1 %)を得るための行列数を
N=30(固有値数15)と決定するとともに、単一のT
01δ誘電体共振器の共振周波数に関する必要行列数
をN=15(固有値数15)と決定した。
次に、このTM01δ誘電体共振器の高Q設計について
述べる。着目するTM01δモードの共振周波数を
、その隣接モードの共振周波数をfとし、共振周
波数比をF=f/fと定義する。Qdは主に tan
δにより決まるので、高いQuを得るにはQcを高くす
ればよい。そこでTE01δモードを用いた高Q誘電体
リング状共振器の設計で得られたF=1.14を一定にし
て、Qcが最大となる寸法比S=d/DおよびX=D/
Lを決定することにより行う。
Qcは、第5図に示す導体空洞の中に置かれたTM
01δ誘電体共振器14に対するエネルギ計算法により
求めた。この場合、円筒導体空洞の導体損によって低下
するQをQcy、端板の導体損によて低下するQをQc
eすると、Qc=1/Qcy+1/Qceで与えられ
る。計算ではC=M/D=2.0 とすれば、Qceを無視
し得る程大きくすることができる。たとえば、S=1.5
およびX=1.8 に対する計算では、Qcyδ/λ
2.7 に対して、Qceδ/λ=49は無視できる。以
上の結果、最適寸法比としてS゜=1.5 およびX゜=1.
8 を決定した。この寸法比付近のモードチャートε
(D/λおよびTM01δモードの規格化Q値
を、第6A図および第6B図にそれぞれ示す。
このようにして得たF=1.14、f=11.958GHz、
ε=24、 tanδ=4 ×10-5、ε=1.031 、 tanδ
=4 ×10-5および=0.9 における誘電体共振器のQの
計算値を、次表に、円柱形TM01δ誘電体共振器とリ
ング形TE01δ誘電体共振器とを対比して表す。
この表から、Fが同じであれば、円柱形の誘電体共振
器のTMモードはTEモードより高いQuをもつことが
明らかにされた。実施例に用いたTM01δ誘電体共振
器に対する測定値はQu=21,000であった。
上述の寸法比をもつTM01δ誘電体共振器14を同軸
上に2個配列したときのfsh,fopおよびkの計算結果
と測定結果が、第7図に示されている。fsh>fopより
TM01δモードの結合は電界結合であることがわかる。
測定値は計算値に対して、fshおよびfopの場合は0.4
%以内で一致し、kの場合は2%以内で一致した。第1
図実施例のような狭帯域フィルタの場合のようにk<6
×10-3であれば、中心周波数fokと共振周波数fとの
差は0.02%以内で無視できる。しかし、広帯域フィルタ
を構成する場合はfokの補正が必要である。
次に、励振方法について説明する。第1図に示すマイク
ロ波フィルタ10において、円板20の内面から中心導
体24の先端までの距離lpをパラメータにとり、TM
01δ誘電体共振器14と中心導体24との間の距離l
dに対する外部Q(Qe)を、反射法により、またその
ときの共振周波数foeを透過法によりそれぞれ測定し
た。その結果を第8図に示す。この第8図より、lp=
6.6 mmのとき最も低いQeが得られ、しかもld値を変
えてもfoeが変化しないためにフィルタ構成に好都合な
特性が得られた。foeが変化しない理由は、中心導体2
4が共振状態にあるため、TM01δ誘電体共振器14
側からみたインピーダンス純抵抗であるからであると考
えられる。
第1図実施例のマイクロ波フィルタ10の設計仕様は次
のように定めた。f=11.958GHz、15dB帯域幅
Δf15dB=50MHz、リップル帯域幅ΔfRW=27M
Hz、リップル幅RW=0.04dBである。これにより算
出した設計値は、k12=k34=2.1 ×10-3、k23=1.
6 ×10-3、Qe=390 である。ここで、ki,i+1
(i=1,2,3,4)は、i番目とi+1番目の共振
器間結合係数である。以上の結果、第7図より2M=1
1.0,11.8mmと決定し、第8図よりld=5.7 mmと決定
した。
このようにして得られた第1図のマイクロ波フィルタ1
0の透過特性と反射特性が前述の第2図に示される。測
定結果は、計算結果とよく一致し、中心周波数は0.1 %
以内の誤差で、また、帯域幅は3%以内の誤差で、設計
値と一致した。
なお、測定値Qu=21,000は挿入損ILo=0.4 dBに
相当し、測定したILo=0.5 dBはQu=18,000に相
当する。このようなQu劣化の原因は励振線、すなわち
中心導体24のものと考えられる。
第1図のマイクロ波フィルタ10の帯域外特性の測定値
が第3図に示される。なお、第3図の上部には、単一共
振器の各共振モードの共振周波数が併せて図示されてい
る。TM01δ誘電体共振器14の励振を同軸コネクタ
22の中心導体24の電界プローブによって行った結
果、第3図から明らかなように、正規のモードTM
01δの他、TM02δモード以外はすべて40dB以上
減衰され、良好なスプリアス特性が実現できた。
なお、第1図実施例および上述の説明では、入出励振手
段として中心導体24による電界プローブを用いた場合
を述べた。この中心導体24の先端に結合容量を大きく
とるための大径の円板状ないし円柱状部分を形成しても
よい。この場合、この円板状ないし円柱状部分は導体ま
たは誘電体で構成することが考えられる。しかしなが
ら、この入出力手段としては、第9図および第10図に
示すように導波管を用いることも可能である。
第9図を参照すると、TM01遮断円形導波管12の端
部には第1図図示の同軸コネクタ22に代わって、入出
力用の円形TM0n(たとえば円形TM01)伝搬導波
管32が接合されている。
第10図を参照すると、TM01遮断円形導波管12の
端部には第1図図示の同軸コネクタ22に代わって、入
出力用のTE01導波管34が接合される。そして、こ
のTE01導波管34には、TM01δ誘電体共振器1
4の中心軸すなわちZ軸の延長上に開口36が形成され
る。したがって、TM01遮断円形導波管12の内部空
間とTE01導波管34の内部空間とは開口36を介し
て連続する。TE01導波管34はTM01δ誘電体共
振器14の軸に平行な電界分布を有する。したがって、
その開口36を通して電気力線がTM01遮断円形導波
管12内に達することによって、TE01導波管34が
TM01誘電体共振器14と結合する。
なお、開口36の中心とTE01導波管34の閉塞面と
の距離はλ/4に設定される。また、TE01導波管3
4とTM01誘電体共振器14との結合係数は、開口3
6の大きさや距離lによって調整される。
この第9図および第10図実施例においても、第1図実
施例と同様に、電気力線の乱れが生じないので、スプリ
アス特性がよい。
なお、TM0lm+δ誘電体共振器およびこれを収容し
た遮断導波管の横断面形状は第11図ないし第13図に
例示するように種々の組合せが考えられる。つまり、第
11図は方形導波管12′と円柱状共振器14との組合
せの例を、第12図は方形導波管12′と角柱形共振器
14′との組合せの例を、第13図は円形導波管12と
角柱形共振器14′との組合せの例をそれぞれ示す。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す断面図解図である。 第2図は第1図実施例のフィルタ特性を示すグラフであ
る。 第3図は第1図実施例のスプリアス特性を示すグラフで
ある。 第4図は第1図実施例を解析するために参照される、T
01誘電体共振器とTM01遮断円形導波管との関係
を示す図解図である。 第5図は導体空洞の中に配置された円柱形誘電体共振器
を示す図解図である。 第6A図および第6B図は第4図に示す誘電体共振器の
寸法比付近におけるモードチャートおよびTM01δ
ードの規格化Q値を示すグラフである。 第7図は第4図に示す誘電体共振器間の距離2Mに対す
る各共振周波数fsh,fopおよび結合係数kの関係を示
すグラフである。 第8図は第1図に示す長さldに対する共振周波数foe
および外部Q(Qe)の関係を示すグラフである。 第9図および第10図はいずれもこの発明の他の実施例
を示す要部断面図解図である。 第11図ないし第13図はそれぞれ異なる遮断導波管と
誘電体共振器との組合せの例における横断面形状を示す
図解図である。 図において、10はマイクロ波フィルタ、12はTM
01遮断導波管、14はTM01δ誘電体共振器、18
は支持リング、24は中心導体、32は円形TM01
波管、34はTE01導波管、36は開口を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遮断導波管、 1個の誘電体ブロックに1つ形成される共振器であっ
    て、前記遮断導波管内に、その軸が前記遮断導波管にお
    ける電磁エネルギの伝搬方向と一致もしくは実質的に一
    致するように、支持部材によって固定された少なくとも
    1つのTM0ml+δ誘電体共振器(ただし、m=1,
    2,・・・、l=1,2,・・・)、および 前記遮断導波管と同軸上に前記遮断導波管の両端に設け
    られ、対応の前記TM0ml+δ誘電体共振器と間隔を
    隔てるように固定され、かつ前記遮断導波管と絶縁され
    た回転対称性の高い形状の結合導体を含む入出力手段を
    備える、共振器装置。
  2. 【請求項2】前記結合導体は前記遮断導波管と同軸上に
    設けられた棒状導体を含む、請求項1記載の共振器装
    置。
  3. 【請求項3】遮断導波管、 1個の誘電体ブロックに1つ形成される共振器であっ
    て、前記遮断導波管内に、その軸が前記遮断導波管にお
    ける電磁エネルギの伝搬方向と一致もしくは実質的に一
    致するように、支持部材によって固定された少なくとも
    1つのTM0ml+δ誘電体共振器(ただし、m=1,
    2,・・・、l=1,2,・・・)、および 前記遮断導波管の両端に前記遮断導波管と空間が連続す
    るように設けられた伝搬導波管を含む入出力手段を備え
    る、共振器装置。
  4. 【請求項4】前記伝搬導波管は、前記遮断導波管の軸と
    交差する電磁エネルギの伝搬方向を有し、前記TM
    0ml+δ誘電体共振器と結合する伝搬導波管を含む、
    請求項3記載の共振器装置。
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