JP2651713B2 - 高次モードによる共振を抑圧した誘電体フィルタ - Google Patents

高次モードによる共振を抑圧した誘電体フィルタ

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、誘電体フィルタの特性改善に関するもので
ある。
従来の技術 マイクロ波、ミリ波帯で誘電体共振器を用いたフィル
タが検討されている。特に、最近開発された高誘電率誘
電体セラミック材料を用いると低損失で小型の共振器を
構成でき、さらに温度特性を調整できるという便利さが
あるので、フィルタの共振器材料として広く用いられて
いる。しかし、一般にはこれらの高誘電率誘電体共振器
を用いたフィルタでは隣接モードによる共振が比較的近
い周波数にあるため、良好な阻止特性を得られる帯域は
あまり広くない、スプリアス特性の点に問題があった。
この問題を解決するため、これまでに、隣接モードを遠
ざけるように共振器の構造や寸法を設計したり、隣接モ
ードが離れているモードを用いてフィルタを構成した
り、あるいはフィルタの初段、終段共振器の励振構造を
工夫して隣接モードの結合を抑える方法等が提案されて
いる。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、構造や寸法の設計だけでは十分に高次
モードを遠ざけることはできないし、隣接モードが離れ
ているモードは、共振器のQ値が低いためフィルタの損
失が大きいという欠点があり、さらに従来提案されてい
る励振構造は構造が複雑で隣接モードの抑圧も十分では
なかった。
本発明の目的は、このような従来の問題点にかんが
み、非常に簡単な構成にて高次モードによる共振を十分
に抑圧し、良好なスプリング特性を有する誘電体フィル
タを提供することである。
課題を解決するための手段 本発明による誘電体フィルタは、遮断平行平板導波管
の間に配置された誘電体共振器と、前記平行平板導波管
に設けた金属側壁を通して前記平行平板導波管の間へ上
下対称に挿入された同軸線路を利用して構成した入出力
励振線とを備えており、前記入出力励振線の同軸外部導
体を前記金属側壁から前記平行平板側に突き出すことに
より得られる前記励振線の帯域阻止特性を利用して、前
記誘電体共振器の高次モードによる共振を十分に抑圧し
ている。さらに、本発明の一実施例によれば、前記誘電
体共振器は、前記励振線の同軸中心導体上にて高次モー
ドの定存波分布が谷の位置に配置される。
実施例 添付図面に基づいて、本発明の実施例について本発明
をより詳細に説明する。
第1図は、本発明の誘電体フィルタ(2段)の構成を
概略的に示す一部破断斜視図である。第1図に概略的に
示されるように、金属平板1および2が距離をおいて配
置された金属側壁3および4によって半波長以下の間隔
で平行に相対されて遮断平行平板導波管が構成されてお
り、それら金属平板1および2の間に2つの円柱型誘電
体セラミック共振器6および7が低誘電率支持台5Aおよ
び5Bで上下から対称に支持されて配置されている。円柱
型誘電体セラミック共振器6および7は、例えば、比誘
電率24.5、直径5.1mm、高さ2.6mmのセラミック円柱体に
よって構成される。支持台A、5Bは、例えば、比誘電率
2.04のテフロン製リングである。第2図は、これら誘電
体共振器部分の拡大図であり、諸寸法の一例を単位mmで
併記している。この第2図に示す支持台5A、5Bの寸法
は、厚さ2.0mm、外径6.8mm、内径4.2mmであるが、内径
の一部を5.1mmとしてセラミック共振器6、7を上下か
ら挟み込み、間隔を6.0mmとして対向させた金属平板平
行1、2に密着させて固定している。このような構造寸
法の共振器では、動作モードTE01δの共振周波数は12.6
GHzとなり、高次モードEH11δ及びEH12δの共振周波数
は、それぞれ15.7GHzおよび18.9GHzとなる。この共振周
波数の励振は、平行平板のスペーサを兼用している金属
側壁3を通して上下対称に金属平板1および2の間へ挿
入した同軸線路を利用して構成した入出力励振線8およ
び9によって行われる。これら入出力励振線8および9
の外端には、同軸回路へ接続するための同軸コネクタ10
および11がそれぞれ接続されている。入出力励振線8お
よび9は、例えば、外径3.0mmのセミリジッドケーブル
によって構成される。ここで注目すべきことは、入出力
励振線8および9としてのセミリジッドケーブルは、第
1図に示されるように、同軸中心導体8Aおよび9Aだけで
なく、同軸外部導体8Bおよび9Bも遮断平行平板導波管内
に突き出されていることである。
次に、これらセミリジッドケーブル8および9の同軸
外部導体8Bおよび9Bを利用して高次モードによるレスポ
ンスを抑制する方法について説明する。
第4図は、金属側壁3から金属平板1、2の間に挿入
した励振用セミリジッドケーブル80、90の同軸外部導体
の長さ1sを2.9mmとし、第3図に略示するように、前記
励振用セミリジッドケーブルの先端にこれらと同じ外径
のセミリジッドケーブル91を中心導体を密着させて接続
してその出力を整合のとれた検波器93にて検波するとい
う方法で周波数−伝送損失特性を測定した結果である。
この測定は、不要モードの影響を除去するために第3図
に示すように検波器側のセミリジッドケーブル91に電波
吸収体92をまきつけて行っているが、この場合は、18.9
GHzを中心とした帯域阻止特性が得られた。前記同軸外
部導体の長さ1sを変えて同様な測定を繰り返し、1sに対
する阻止特性の中心周波数を測定した。その結果を第5
図に帯域阻止特性の中心周波数に対応する波長λで示
す。第5図には、λ=41sの関係も実線で示している
が、両者は比較的よく一致している。このことから、こ
の阻止特性は、同軸外部導体が1/4波長共振器として動
作したために得られたものと考えられる。以上より前記
同軸外部導体の長さ1sを調整して前記帯域阻止特性の中
心周波数を高次モードの共振周波数と一致させることで
高次モードの励振を抑制でき、その結果、フィルタのス
プリアス特性を改善できることがわかる。具体的には、
例えば、前記構造寸法の共振器を用いる場合では、1s
長さを9.2mmとすれば、前記阻止特性の中心周波数が高
次モードEH12δの共振周波数18.9GHzと一致し、その励
振が抑制される。なお、第5図で測定値と実線がわずか
にずれているのは、同軸外部導体端部のリアクタンスの
影響である。
次に、入出力セミリジッドケーブルの中心導体を利用
して高次モードによるレスポンスを抑制する方法につい
て説明する。
第6図は、前記入出力セミリジッドケーブルの長さを
2.9mm、中心導体の長さを13.2mmとした入出力励振線の
中心導体にそって共振器を移動させてEH11δモードの外
部Qを測定した結果である。ここでは、前述の構造寸法
の共振器を用い、共振器のテフロン支持台5A、5Bと励振
線8、9の同軸中心導体8A、9Aの間隔を2.4mmとし、第
6図の挿入図に示す長さ1eを変えて測定している。第6
図には、セミリジッドケーブルに電波吸収体をまき付け
て構成した電界プローブを用いて励振線の定在波を測定
した結果も示してあるが、定在波の谷と外部Qが最大に
なる位置はよく一致しており、前述した構造寸法の共振
器のEH11δモードは、定在波の谷の位置に共振器を置く
ことで、抑制できることがわかる。なお、定在波の測定
は、EH11δモードの共振周波数である15.7GHzで行って
いる。
次に、フィルタの設計に必要な共振器間の結合係数と
初段、終段共振器の外部Qの測定結果を示す。第7図
は、その挿入図に示すようにセラミック共振器6および
7の間の間隔1を変えて結合係数kを測定した結果であ
る。この図に参考のため、間隔1に対する共振器の共振
周波数の変化Δfも示している。
第8図は、挿入図に示すような構造寸法の入出力セミ
リジッドケーブル85と共振器60との配置にて、前述した
方法により励振線の外部導体によりセラミック共振器の
EH12δモードを抑制するため1sを2.9mmとし、共振器はE
H11δモードを抑制できるように長さ13.2mmとした中心
導体の端から3.4mmだけ側壁によった位置に共振器の中
心がくるように設定して外部Qと共振周波数変化Δfを
測定した結果である。
最後に、本発明の誘電体フィルタの効果を確認するた
めに、前述の外部Qと結合係数の測定結果から計算され
る設計寸法に基づきフィルムを試作してみた結果につい
て説明する。
前述した考察に基づき、中心周波数12.6GHz、帯域幅3
3MHzのバターワース特性2段帯域通過フィルタを試作し
た。第9図に設計寸法を若干調整して得られたフィルタ
特性を示しており、第9図(a)は、その狭帯域伝送特
性を示し、第9図(b)は、その広帯域伝送特性を示し
ている。このフィルタの挿入損失は、0.9dBで、無負荷
の測定値7000から計算される値0.7dBより若干大きい
が、これは入出力励振線にスプリアス抑制効果をもたせ
た影響によるものと考えられる。比較のため、外部導体
の長さを1s=0とし、側壁から共振器の中心までの長さ
が励振線の先端までの長さと同じになるように1e=0の
位置に共振器を置いて試作した帯域幅23MHzの2段帯域
通過フィルタの特性を第10図に示している。第9図
(b)の特性と、第10図の特性とを比較すると、本発明
によって入出力励振線を用いることの有効性があきらか
であろう。すなわち、本発明によって、隣接高次モード
でEH11δおよび次隣接高次モードであるEH12δモードの
影響をTE01δモードに比較して47dB以上低いレベルに抑
えることができた。ただ、フィルタの高域側の特性が劣
化しているが、これは励振線の共振によるものと考えら
れる。そこで、この点を改善するため、励振線の一方を
同軸外部導体が3/4波長共振器として動作するように設
定して試作した2段帯域通過フィルタの特性を第12図に
示しており、第12図(a)は、そのフィルタの狭帯域伝
送特性を示し、第12図(b)は、広帯域伝送特性を示し
ている。第12図(a)から明らかなように、左右対称な
特性が得られ、入出力の励振線寸法を変えることで特性
を改善できることが確認できた。
また、同軸外部導体によるスプリアス特性の改善策は
任意の共振モードに対して有効であるので、前述の2つ
の方法によりEH11δモードを抑制したところ、0.2dB挿
入損が増加した第11図に示すように測定系のダイナミッ
クレンジ58dB以上のモード抑制が可能になった。
発明の効果 前述したように、本発明の誘電体フィルタの構成によ
れば、同軸線路を利用して構成した励振線の同軸外部導
体も含めて遮断平行平板間に挿入しただけの簡単な構造
により励振線に帯域阻止特性をもたせて、フィルタの高
次モードによる共振を十分に抑圧することができ、フィ
ルタのスプリアス特性を大幅に改善することができる。
なお、入力側の励振線の同軸外部導体および同軸中心導
体を利用してそれぞれ1つ、合計2つの高次モードを抑
制できるので、入出力両方では合計4つの高次モードを
同時に抑制することも可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の誘電体フィルタの構成を概略的に示
す一部破断斜視図、第2図は、第1図のフィルタにおけ
る誘電体共振器部分の拡大図、第3図は、励振線の帯域
阻止特性の測定方法を説明するための概略図、第4図
は、励振線の帯域阻止特性を示す図、第5図は、同軸外
部導体のλ/4共振の測定結果を示す図、第6図は、EH11
δモード共振器の外部Qと励振線の定在波の測定結果を
示す図、第7図は、外部Qと共振周波数変化の測定結果
を示す図、第8図は、共振器間の結合係数と共振周波数
変化の測定結果を示す図、第9図は、本発明によってス
プリアスを抑制したバターワース特性2段帯域通過フィ
ルタの特性を示す図、第10図は、本発明と比較するため
スプリアスを抑制しない2段帯域通過フィルタの伝送特
性を示す図、第11図は、2つの抑制法で隣接高次モード
を抑制した2段帯域通過フィルタの伝送特性を示す図、
第12図は、励振線の寸法を非対称にして試作した2段帯
域通過フィルタの特性を示す図である。 1、2……金属平板、3、4……金属側壁、5A、5B……
支持台、 6、7……円柱型誘電体セラミック共振器、 8、9……同軸線路入出力励振線、 8A、9A……同軸中心導体、 8B、9B……同軸外部導体、 10、11……同軸コネクタ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遮断平行平板導波管の間に配置された誘電
    体共振器と、前記平行平板導波管に設けた金属側壁を通
    して前記平行平板導波管の間へ上下対称に挿入された同
    軸線路を利用して構成した入出力励振線とを備えてお
    り、前記入出力励振線の同軸外部導体を前記金属側壁か
    ら前記平行平板導波管側に突き出すことにより得られる
    前記励振線の帯域阻止特性を利用して、前記誘電体共振
    器の高次モードによる共振を抑圧したことを特徴とする
    誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】前記誘電体共振器は、前記励振線の同軸中
    心導体上にて高次モードの定在波分布が谷の位置に配置
    された請求項1記載の誘電体フィルタ。
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