JPH08264847A - 超伝導発振器 - Google Patents

超伝導発振器

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JPH08264847A
JPH08264847A JP7066109A JP6610995A JPH08264847A JP H08264847 A JPH08264847 A JP H08264847A JP 7066109 A JP7066109 A JP 7066109A JP 6610995 A JP6610995 A JP 6610995A JP H08264847 A JPH08264847 A JP H08264847A
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coupling
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秀隆 東野
Masahiro Sakai
全弘 坂井
Kentaro Setsune
謙太郎 瀬恒
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高出力で、高発振周波数純度の超伝導発振器
を提供する。 【構成】 臨界電流値の異なる複数のジョセフソン接合
を直列接続し、接合部の最近接距離を10μm以下とす
る誘電体結合部を挟んで配置し、互いに異なる電流位相
で強く結合させる構成とし、最小臨界電流密度を有する
接合の両電極間に、並列、かつ、又は、直列に共振回路
要素を接続して構成することにより超伝導発振器を提供
する。結合した複数の接合の周囲を超伝導体からなる反
射壁またはシールド膜で取り囲んで結合を強める構造と
する。超伝導材料として酸化物超伝導体を用いる。 【効果】 以上述べてきたように本願発明の実施によれ
ば、超伝導体を用いた、微少なバイアス電流、低電力
で、周波数純度の良い、高出力の超高周波発振器が提供
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、超高速パルス発振器
や、超伝導ミキサー等の局部発振器等に用いる、超高速
動作可能で、周波数純度の良い超伝導発振器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】超伝導接合素子は凝縮系量子状態を用い
るため、接合電圧印加時に、接合の接する外部電磁場と
コヒーレントに結合を生起することと、低消費電力と高
速動作の特徴を有するためにエレクトロニクス分野で多
様な応用が可能であり、超伝導コンピュータや、超伝導
ミキサー等の応用研究がなされてきた。特に、液体窒素
温度以上の臨界温度を有する酸化物高温超伝導材料が発
明されてからは、冷却装置の小型化やランニングコスト
の低減の観点から精力的に研究が行われ、その研究速度
は加速されてきており現在に至っている。
【0003】従来の超伝導現象を利用した発振器として
は、超伝導ジョセフソン接合素子が代表的である。これ
は、超伝導体、中間体、超伝導体から構成される素子
で、中間体としては絶縁体、半導体、常伝導体、超伝導
体材料等が用いられる。各々の中間体材料により電流−
電圧特性が異なる。ジョセフソン接合の超伝導電極中で
は、その自乗が超伝導粒子数に比例するところの、超伝
導オーダーパラメータは、振幅のみならず位相もほぼ一
定となるが、中間体中では、超伝導オーダーパラメータ
が小さく減衰する。従って、両電極間に電圧Vを印加す
ると、電圧Vは超伝導オーダーパラメータが弱く結合し
た中間体に印加されることとなる。エネルギーの高い方
の超伝導電極中から中間体中に注入された超伝導粒子
は、中間体を通過する際に得ることになる外部印加電圧
分のエネルギーeV(eは素電荷、1.6021892×10
-19C)を、他方の超伝導電極に移動する際に放出す
る。これは、超伝導状態が凝縮状態であり、最低エネル
ギー状態に留まることからくる要請のためである。超伝
導粒子は強いコヒーレント状態にあり波動性を示すの
で、トンネル現象により他方の超伝導電極に遷移後、準
粒子やフォノンとの衝突緩和を行うこと無く、外部電磁
場と直接結合して、フォトンエネルギーを放出、即ち、
電磁波を放射するわけである。逆に、外部から電磁波を
照射すると、電圧印加された中間体部分で、エネルギー
差eVに等しいエネルギーの周波数f=2eV/h(Hz)
(hはプランク定数6.626176×10-34J・s)の電磁波のみ
を共鳴吸収し、ジョセフソン接合を流れる電流がその吸
収されたエネルギーに対応する分だけ増加することにな
る。これらの現象は、交流ジョセフソン効果として公知
の原理である。この原理を利用して、精確に発振周波数
の確定した電磁波を照射し、定電流バイアスしたジョセ
フソン接合素子の端子電圧を一義に決定して電圧標準器
として用いることが広く行われている。この逆に、ジョ
セフソン接合素子に一定電圧バイアスを印加して、発振
器として用いる試みもなされている。
【0004】また、発振出力を高める試みとして、特性
の揃ったジョセフソン接合を直・並列に接続したアレイ
構造に構成することが行われている。この場合には、各
接合間に強い結合が起こらないように、むしろ強い結合
を避けるような素子構成としており、各接合を流れる電
流や、接合外部の発振電磁界等を介して弱く結合した状
態を作り、各素子の発振電圧、電流に互いに位相同期が
かかった状態で使用される。この様な構成とすることに
より、発振電力は素子数分の和となり、高出力化が達成
できる。それと共に、アレイ端子のインピーダンスを大
きくでき、伝送線路や、空間との結合が良くなる。
【0005】これらとは、別の技術として、最近、本願
発明者等は、直列接続した複数の臨界電流値の異なるジ
ョセフソン接合素子を強く結合するように配置した構成
の新構造の超伝導接合素子を発明した(「超伝導接合素
子」特願平06−292894号(平成6年11月28
日出願))。臨界電流値の異なる複数のジョセフソン接
合を、磁気誘導結合、或は、前記各々のジョセフソン接
合から放射される電磁波による電磁界結合により、各々
のジョセフソン接合を流れる交流ジョセフソン電流が相
互に異なる位相となるように結合させた超伝導接合素子
の動作は、基本的には、臨界電流値の異なる2つのジョ
セフソン接合から構成される場合と同様であるので、こ
の構成の超伝導接合素子の構成を用いて、従来技術を説
明する。
【0006】2つのジョセフソン接合を流れる交流ジョ
セフソン電流が相互に異なる位相、例えば、逆相となる
ように結合させると、各々のジョセフソン接合に流れる
電流が他方のジョセフソン接合電流により逆相で変調を
受けることとなる。大きい臨界電流値を有する第1のジ
ョセフソン接合の臨界電流値をIc1、臨界電流値の小さ
い方の第2の接合の臨界電流値をIc2、超伝導接合素子
内を流れる電流をIとし、第1のジョセフソン接合の平
均電圧が零電圧状態から電圧状態へと遷移する時のバイ
アス電流Iの値をIcp1(<Ic1)とする。第2のジョ
セフソン接合は、バイアス電流がI<Icp1の場合、強
い結合による自己正帰還による大振幅のコヒーレントな
非線形ジョセフソン発振が起こり、低周波成分電力スペ
クトル密度の高いジョセフソン電流が流れ、Iが正常抵
抗のみに流れて生ずる電圧よりも過剰な平均電圧が接合
端子間に発生する状態になる。この様な強い結合によ
り、一般に、RSJモデル(このモデルに関しては多々
文献があるが、例えば、A.バローネ、G.パテルノ共
著、菅野卓雄監訳、太田浩、山下努共訳、近代科学社出
版(1988年出版)、頁112-149を参照)で予測され
る端子間電圧よりも大きな端子間電圧となる。
【0007】バイアス電流がI>Icp1の場合には、第
1のジョセフソン接合も平均端子電圧により決まるジョ
セフソン発振周波数を中心とする非線形発振を始める
が、第2接合も、その端子間平均電圧により決まるジョ
セフソン発振周波数を中心とする非線形発振をしている
ので、両接合が互いに強い結合を通じて競合発振する状
態になる。その為に、第2接合の非線形発振電流の周波
数スペクトルは広がり、低周波側のスペクトル電力成分
は減少する。高周波成分電流は、第2接合の浮遊アドミ
タンスによる時定数回路によりバイパスされてしまうた
め、端子間平均電圧の増減には寄与しなくなる。直流電
圧成分の生成に寄与する低周波成分が少なくなることか
ら、第2接合の端子間平均電圧は、電流Iが正常抵抗を
流れる際に発生する電圧が主として観測されることとな
る。従って、バイアス電流がI=I cp1を境として、第
2接合の端子間電圧の平均値(十分低い通過周波数の低
域通過周波数フィルタを通したときの測定値)には、図
8の様に、見かけ上の負性抵抗特性領域が発生すること
を本願発明者等は解明している。
【0008】この素子は、この図で示されるように、一
見、非線形特性、特に負性抵抗領域を有しているように
見える。この負性抵抗特性を利用すれば、ジョセフソン
素子よりは遥かに大きな振幅の、Icn積(数mV程度
の値。ここで、Icは臨界電流値、Rnは正常抵抗を示
す)オーダーの振幅の発振器が、容易に実現出来ると考
えられるが、以下に述べるような技術課題があり、この
素子を用いた発振器は、本願発明を待つまで、実現して
いなかった。
【0009】従来の、半導体素子等で実用されている負
性抵抗素子を用いた発振器は、負性抵抗素子側から見
た、負荷回路を含めた共振回路のコンダクタンス分を、
素子の負性抵抗値で補償する構成とし、これにより、共
振回路が純リアクタンス回路として発振を持続するとい
う原理に基づくものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】超伝導素子を用いた発
振器を実現しようとする際、単一のジョセフソン接合の
交流ジョセフソン効果を利用する場合には、発振周波数
が電圧に比例して変動する為、電圧変動や電圧雑音が、
発振周波数変動、発振出力変動の原因となる。そのた
め、従来のジョセフソン接合や、ジョセフソン接合アレ
イを用いて周波数の安定な発振器を構成するには、精密
標準電圧源を用いた超低インピーダンス駆動が必須とな
り、実用上は実施が困難であるか、または、非常に高価
なものとなる課題があった。更に、接合では、発振出力
の取り出し方法が空間への輻射となり、実用上不便であ
る等という課題があった。また、負荷回路の駆動が可能
な発振器を構成とする場合には、負荷インピーダンス等
を通してバイアス電圧を印加する回路構成となるが、上
記課題に加えて、ジョセフソン発振が、負荷インピーダ
ンスにより接合端子に加わる瞬時電圧に比例する周波数
で非線形発振する為に、その発振周波数純度が低くなる
こと等の問題があった。その為、周波数純度を上げる目
的で高Q値の帯域通過フィルタを通すと発振出力電力が
低下すること等が課題となっていた。
【0011】更に、発振電流の振幅は、非線形振動故
に、バイアス回路と接合の浮遊インピーダンスとで決ま
る、極めて小さな変動分程度しか許容されず、発振出力
電力が10-7W程度以下と極めて小さいことが課題とな
っていた(A.バローネ、G.パテルノ共著、菅野卓雄
監訳、太田浩、山下努共訳、近代科学社出版(1988
年出版)、頁289参照)。加えて、ジョセフソン接合の
インピーダンスが数Ω程度以下と、極めて小さいことか
ら、空間や伝送線路とのインピーダンス整合がとれず、
例えば空間輻射の場合には取り出せる出力が発振出力の
10-3〜10-4倍程度以下となり、極めて小さなものと
なってしまうという課題があった。
【0012】更に、ジョセフソン接合をアレイ化する場
合にも、動作原理から容易に判るように、周波数変動に
関しては単一のジョセフソン接合と同じ課題を有し、発
振の出力結合度を良くする目的でインピーダンスを整合
させるためには、数十固から数百個の特性の揃ったジョ
セフソン接合素子を作り込み結線する必要があり、超伝
導発振器の大型化(大面積化)と製造歩留まりの低下に
つながる、という課題を有していた。
【0013】これらとは全く別の技術である、ジョセフ
ソン接合間を強く結合させるように構成した新構造の超
伝導接合素子(明細書「超伝導接合素子」特願平06−
292894(平成6年11月28日出願))を用いて
発振器を実現する場合には、以下に示す課題があった。
【0014】図8の特性は、前記超伝導接合素子を構成
する2つのジョセフソン接合の内、臨界電流値の小さい
方の接合の両端子間の平均電圧を示しており、高周波領
域での現象は複雑であることが予想され、その詳細な特
性は不明であった。加えて、前記超伝導接合素子の2端
子素子としての端子間の平均電圧には、図8の様な負性
抵抗特性を観測することはあまり無かった。従って、通
常、当業者が想起するように、超伝導接合素子を2端子
の負性抵抗素子とみなして発振器を構成することは容易
に想起できず、入出力の強く結合した新規な特性を有す
る3端子素子としての特別な概念を必要とした。
【0015】加えて、従来の負性抵抗特性を有する素子
を用いて発振器を構成する場合は、素子がその動作周波
数に於てもその負性抵抗特性を有していることが大前提
であり、この場合にのみ実現可能となるということは、
一般に電気回路の教科書の教示するところである。とこ
ろが、前記超伝導接合素子の臨界電流値の小さい方の接
合に於て、零平均電圧値以外の状態では、その電圧に極
めて多くの周波数スペクトルを含むジョセフソン発振電
流、従って、高周波非線形発振電圧が必ず含まれ、その
複雑な現象の総合特性として、その平均電圧が結果的に
図8に示すような特性となって観測されることを、本願
発明者等は解明している。従って、前記超伝導接合素子
の臨界電流値の小さい方の接合の平均端子電圧が、従来
の負性抵抗特性と、一見、同じ様に見えても、実は全く
異なる現象であり、従来の負性抵抗を用いた発振器の概
念が適用できないことが容易に判る。故に、臨界電流値
の小さい方の接合の負性抵抗特性の様なものを用いて発
振器を実現することは、本願発明を待つまで、実施困難
であり課題となっていた。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するために本願発明では、直列に接続した、臨界電流値
の異なる複数の超伝導ジョセフソン接合を、前記接合間
の最近接距離を10μm以下とする、誘電体からなる結
合部を挟んで配置し、相互に強く結合させる構成とした
超伝導接合素子と、前記超伝導接合素子に動作電流を供
給するバイアス回路と、前記接合の中の最も臨界電流値
の小さな接合(以下「最小接合」と略す)の両電極間に
並列、かつ、又は、直列に接続した共振回路要素とから
構成することにより超伝導発振器を提供する。
【0017】また、本願発明の望ましい第1の形態とし
て、前記最小接合の電極、又は、前記共振回路要素に、
静電結合又は電磁結合により帯域通過フィルタを結合さ
せて出力を得る構成とすることにより超伝導発振器を提
供する。
【0018】本願発明の望ましい第2の形態として、1
つのジョセフソン接合を流れるジョセフソン電流と、他
のジョセフソン接合から結合部を介する、磁気誘導結
合、或は、放射される電磁波を媒体とする電磁界結合に
より、前記1つのジョセフソン接合に誘起される電流と
が、互いに異なる位相関係となるように、前記ジョセフ
ソン接合を直列接続する構成とした超伝導接合素子を用
いることにより超伝導発振器を提供する。
【0019】本願発明の望ましい第3の形態として、基
板上に下部電極を形成し、前記下部電極上に、誘電体又
は導電体の障壁層と上部電極とからなる積層型ジョセフ
ソン接合を、結合部を挟んで2組近接させて形成するこ
とにより、前記両ジョセフソン接合のジョセフソン電流
を各々逆相で結合させて直列接続する構成とした超伝導
接合素子を用いることにより超伝導発振器を提供する。
特に、前記超伝導接合素子に、前記結合部を含み、直列
接続された前記2つのジョセフソン接合の周囲を、超伝
導体又は積層ジョセフソン接合からなる反射壁で取り囲
み、前記2つのジョセフソン接合間の結合を強める構造
とする構成とした超伝導接合素子を用いることが、好ま
しい。
【0020】本願発明の望ましい第4の形態として、基
板上に2つの弱結合型ジョセフソン接合を、結合部を挟
んで近接させて形成し、前記両ジョセフソン接合の接合
部を挟んで同じ側にある2つの超伝導電極を接続するこ
とにより前記2つのジョセフソン接合のジョセフソン電
流を逆相で結合させて直列に接続する構成とした超伝導
接合素子を用いることにより超伝導発振器を提供する。
特に、前記超伝導接合素子として、前記基板上に近接し
て配置した、前記2つの弱結合型ジョセフソン接合の、
前記結合部を含み、下面、かつ又は、上面、かつ又は、
側部に、誘電体を挟んで超伝導体よりなる反射壁を設置
して、前記2つのジョセフソン接合のジョセフソン電流
間の結合を強めた構造としたものが、好ましい。
【0021】また、本願発明の望まし第5の形態とし
て、超伝導接合素子の構成要素であるジョセフソン接合
を構成する少なくとも1つの超伝導電極の材料として、
酸化物超伝導体を用いることにより超伝導発振器を提供
する。
【0022】
【作用】臨界電流値の異なる複数のジョセフソン接合
を、磁気誘導結合、或は、前記各々のジョセフソン接合
から放射される電磁波による電磁界結合により、各々の
ジョセフソン接合を流れる交流ジョセフソン電流が相互
に異なる位相となるように結合させた超伝導接合素子
は、従来技術の項で説明したように、最小臨界電流値を
有する接合の平均端子間電圧とバイアス電流特性に、一
見して負性特性のようなものが得られるが、しかし、接
合を流れる電流、端子電圧は非常に高周波で振動してい
る点が従来の負性抵抗素子とは全く原理、現象の異なる
点である。複数のジョセフソン接合から構成される超伝
導素子の特性は、基本的には、臨界電流値の異なる2つ
のジョセフソン接合から構成される場合と同様であるの
で、この構成の超伝導接合素子の構成を用いて、本願発
明の作用を以下に説明する。
【0023】超伝導接合素子の、最小の臨界電流値を有
する、第2接合の両端電極間に並列、かつ、又は、直列
に共振回路要素を接続すると、前記共振回路要素と、第
2接合の静電容量および正常抵抗等とで構成される共振
回路が形成される。ここで、適当なバイアス回路で前記
超伝導接合素子に電流を供給すると、第2接合が帰還さ
れた(逆相結合の場合は、正帰還された)ジョセフソン
効果に基づく発振を行い、共振回路には共振周波数成分
の電圧が、そのQ値に応じて増幅され現われる。従っ
て、共振回路を構成する第2接合の静電容量、即ち、第
2接合の両端電極間には、共振周波数の振動電圧が発生
し、第2接合のジョセフソン電流を共振周波数で変調す
ることとなる。この第2接合の被変調ジョセフソン電流
は、第1接合に結合し、それが、また、第2接合に結合
し、云々と、第2接合の両端電極間電圧が自己無撞着に
決まる。従って、共振回路、または第2接合端子から周
波数純度のよい発振出力が取り出せることになる。
【0024】他方、単一のジョセフソン接合、または、
ジョセフソン接合アレイの両端電極間に、前記のよう
に、並列、かつ、又は、直列に共振回路要素を接続した
場合には、単一周波数での発振が得ることはできない。
これは、ジョセフソン発振が、その端子間電圧に比例す
る瞬時周波数で振動する超伝導オーダーパラメータの位
相差の、正弦値がジョセフソン接合電流となって流れる
という、非線形発振現象に起因する為であり、発振の自
由度が1(例えば、接合端子電圧、又は、両電極間のオ
ーダーパラメータの位相差)であるが故に、共振回路と
接合のジョセフソン発振現象とを独立に切り放すことが
できずに起こる本質的な現象である。
【0025】然るに、本願発明の発振器では、発振の自
由度が2以上ある為(例えば、前記超伝導非線形素子の
第2の接合の端子間電圧と第1の接合の端子間電圧、等
々)、共振回路により発生する第2の接合端子間電圧
と、第2の接合を流れる電流とを独立に切り放すことが
可能となり、発振周波数を共振器の共振周波数にロック
することが可能となる。これは、第2接合がジョセフソ
ン発振により発生する、共振回路の共振周波数以外の非
線形周波数成分を、互いに異なる位相の強い結合を介し
て、第1接合が吸収、補完するとみることができる。こ
の様な発振動作は、どのバイアス電流値でも起こり得る
が、特に、前記超伝導接合素子が競合発振状態に入るバ
イアス状態では、発振電流振幅が大きくできるため、大
振幅の発振出力が得られるという作用がある。
【0026】以上の様に、これらの作用は従来の負性抵
抗素子を用いた発振器と、一見、類似しているようでは
あるが、実は、全く異なった作用原理に基づくものであ
る。従来の負性抵抗素子による発振器は、負性抵抗素子
側から見た、負荷回路を含めた共振回路のコンダクタン
ス分を、素子の負性抵抗値で補償する構成とし、これに
より、共振回路が純リアクタンス回路として発振を持続
するという原理に基づくものであるのに対し、本願発明
の発振器の原理は、複数の非線形ジョセフソン発振器を
強く結合させて相互干渉させることにより、発振器の自
由度を2以上にし、最小の臨界電流値を有する接合の端
子間電圧とジョセフソン発振電流とを独立にする事によ
り、大振幅で、周波数純度の高い発振器を提供すること
を可能とするものである。特に、各強結合した接合間
で、競合発振状態に入った状態では、ダイナミックな大
振幅非線形発振のジョセフソン電流が流れるため、大振
幅発振動作が可能となる。両者の大きな差異は、従来の
負性抵抗素子が負性抵抗領域内でしか動作しないのに対
して、本願発明の超伝導発振器は、見かけの負性抵抗領
域以外でも発振するという点で、大いに作用、原理を異
にするものである。
【0027】また、最小臨界電流値を有する接合の電
極、又は、共振回路要素に、静電結合又は電磁結合した
帯域通過フィルタを接続する場合は、周波数純度の高い
発振器出力を負荷回路に供給することが容易となる。
【0028】超伝導接合素子の構成として、基板上に下
部電極を形成し、前記下部電極上に、誘電体又は導電体
の障壁層と上部電極とからなる積層型ジョセフソン接合
を、結合部を挟んで2組近接させて形成することによ
り、前記両ジョセフソン接合のジョセフソン電流を各々
逆相で結合させて直列接続する構成としたものを用いた
場合は、接合部の高さが揃い、接合間の結合が強くなる
ので、発振が容易となる。特に、結合部を含み、直列接
続された2つの積層型ジョセフソン接合の周囲を、超伝
導体又は積層型ジョセフソン接合からなる反射壁で取り
囲む構成とした場合は、結合を更に強くすることが出来
るため、大振幅の発振出力が可能となり、シールド効果
も期待できる。
【0029】また、超伝導接合素子の構成として、基板
上に2つの弱結合型ジョセフソン接合を、結合部を挟ん
で近接させて形成し、前記両ジョセフソン接合の接合部
を挟んで同じ側にある2つの超伝導電極を接続すること
により前記2つのジョセフソン接合のジョセフソン電流
を逆相で結合させて直列に接続するものを用いた場合
は、平面構造で構成することが出来るため製造が容易と
なる。特に、基板上に近接して配置し、各々のジョセフ
ソン電流を逆相で結合するように直列接続した2つの弱
結合型ジョセフソン接合の、結合部を含み、下面、かつ
又は、上面、かつ又は、側部に、誘電体を挟んで超伝導
体よりなる反射壁を設置する場合は、接合間の結合を強
めることとなり、発振出力が大きくでき、シールド効果
も期待できる。
【0030】これらの、超伝導接合素子に於て、接合を
構成する少なくとも1つの超伝導電極の材料が酸化物超
伝導体であることにより、高い臨界温度と、高いIcn
積を利用する事が可能となり、液体窒素温度(77.3
K)程度以上の程度で動作する、高出力、高周波数純度
の発振器を実現することが可能となる。
【0031】
【実施例】本願発明の超伝導発振器は、超伝導凝縮状態
の基本的な性質を利用したジョセフソン接合の、非線形
発振現象の欠点を補完すべく、発明したものである。本
願発明の基本概念としては、ジョセフソン接合が有して
いた、発振周波数純度が低く、それ故、大振幅の単一周
波数発振出力が得られないといった課題が、発振器とし
ての発振パラメータが1つしかないことに起因して発生
していたということを解明し、これを克服すべく、発振
器の独立な内部発振パラメータを追加して発振の自由度
を増加させ、これと、共振回路とを結合させることによ
り発振器を構成することを着想したものである。この構
成により、共振回路とジョセフソン非線形発振現象とを
両立させることを可能とするものである。
【0032】本願発明に至る当初は、本願発明者等の発
明である、超伝導接合素子(「超伝導接合素子」特願平
06−292894(平成6年11月28日出願))が
有する、端子間電圧の平均値が示す負性抵抗特性を用い
れば、発振器を構成できると安易に想起し、実験を行っ
た。しかし、超伝導接合素子を、その端子間電圧を用い
る2端子の負性抵抗素子とみなして、負性抵抗発振器を
構成した場合には、発振周波数が広がり、出力も単一の
ジョセフソン接合並の小さな出力しか得られなかった。
これらの一連の実験結果を通して、ジョセフソン発振器
の抱える技術課題に想到し、発振の独立なパラメータが
1つしか無いことが、これらの技術課題の原因になって
いたことに想到したのである。即ち、上記の様に2端子
素子として扱った場合には、独立な発振パラメータはや
はり1つしか無く、ジョセフソン発振器と同様な特性に
なることが判明したのである。
【0033】そこで、単一周波数の発振電力を取り出す
回路部分と、そこに発振エネルギーを供給するジョセフ
ソン発振回路部分とを、分離独立させる方策を考案し、
本願発明の超伝導発振器が実現した。この回路機能を分
離させる方法として、複数の臨界電流値の異なるジョセ
フソン接合を、結合部を介して、互いに異なる位相で強
く結合させる構成とした超伝導接合素子の、最も臨界電
流の小さな接合の両端子から電極を取り出すことによ
り、新たに内部発振パラメータを作り出すこと、従っ
て、それにより、共振回路の発振パラメータ(例えば、
共振回路に流入する電流、または、共振回路端子間電
圧)と独立にジョセフソン発振を生起させることが可能
であることを発見し、この原理に基づき、超伝導素子の
最も臨界電流の小さな接合の両端子に共振回路要素を接
続する方法を、本願発明者等は発明した。最小臨界電流
値の接合端子を選択する理由は以下の通りである。この
接合の端子間の平均電圧がバイアス電流を流した時に最
も大きくなる故、その平均電圧Vに相当するジョセフソ
ン周波数f=2eV/h=483.8×V(MHz)(hはプラン
ク定数6.626176×10-34J・s、VはμV単位)を基本とす
る発振電力が最も多くなるので、これを共振回路要素と
組み合わせて高周波発振電力を取り出す方が、最も効率
が良い形態となるからである。
【0034】本願発明を実施例に基づき以下に詳細に説
明する。本願発明の基本構成要素の一つである超伝導接
合素子は、臨界電流値の異なる複数のジョセフソン接合
を、磁気誘導結合、或は、前記各々のジョセフソン接合
から放射される電磁波による電磁界結合により、各々の
ジョセフソン接合を流れる交流ジョセフソン電流が相互
に異なる位相となるように結合させた素子であるが、基
本的には、臨界電流値の異なる2つのジョセフソン接合
から構成される超伝導接合素子のものと同様な機能を有
するので、この構成の超伝導接合素子を用いて、本願発
明の実施例を以下に説明する。
【0035】(実施例1)図1から図3は、本願発明
の、それぞれ、第1から第3の実施例における超伝導発
振器の構成図である。図1における超伝導発振器は、臨
界電流値の異なる2つのジョセフソン接合、第1接合1
aと第2接合1bとが、直列接続され、結合部1cを介
して逆相で結合させる構成とした超伝導接合素子1の、
最小の臨界電流値を有する第2接合1bに直列に共振回
路要素2aが接続され、それに抵抗4と電源5とからな
るバイアス回路によりバイアス電流が供給される構成と
なっている。
【0036】図2は、第2接合1bの両端子電極を取り
出して、並列に共振回路要素2bを接続し、バイアス回
路に接続した構成となっている。
【0037】図3は、第2接合1bの両端子電極を取り
出して、並列に共振回路要素2dを接続し、超伝導接合
素子1の端子側の第2接合1b端子電極に、直列に共振
回路要素2cを接続して、バイアス回路に接続した構成
となっている。
【0038】図1から3のいづれの実施例において、共
振回路要素2a〜2dは、コイル等の誘導性リアクタン
ス、又は、共振点を有するリアクタンスを有するインピ
ーダンス回路等で構成される。更に、具体的には、コイ
ルや、コイルとコンデンサとの直列、かつ、又は、並列
の共振回路等に、直列、並列等の抵抗要素が接続された
ものでも良い。
【0039】以下に、更なる具体的実施例を説明する。 (具体的実施例1)図4には、本願発明の超伝導発振器
の第1の具体的実施例を示す断面図を示す。基板8上
に、超伝導体である下部電極12a,12bが形成さ
れ、各電極上に、絶縁体、半導体または常伝導帯、或は
超伝導体から成る障壁層13を挟んで、超伝導体である
第1上部電極11aと第2上部電極11bとが形成され
て、各々第1接合11aと第2接合11bとを構成す
る。両接合が誘電体からなる結合部11cを挟んで、各
々の下部電極12a,12bにおいて接続電極14で接
続され、これらが総て基板4上に形成された構成で、超
伝導接合素子が構成される。ジョセフソン接合間の顕著
な結合を実現するには、結合部11cの間隔は10μm
以内がよい。なお、当然のことながら、ここでいう誘電
体とは、固体や液体のみならず、真空やガス等も含む。
なお、接続電極14はこの図からは、下部電極12a,
12bと同一の超伝導材料からなるように読み取れる
が、別にこれに限るわけではなく、他の材料の組合せで
もよく、常伝導材料でもよい。電流Iが電源5と抵抗4
とからなるバイアス回路により通電されると、第1接合
1aと第2接合1bとを流れる電流の向きが逆方向とな
るため、結合部11cを介して両者は互いに逆相で結合
する構造が実現されている。この第2下部電極12b
に、接続電極23が接続され、この電極端部と第2上部
電極11bとを、ストリップラインやミアンダライン等
の導体で接続することにより、共振回路要素21を、第
2接合1bの両端部に並列に接続した構成として、超伝
導共振器を構成する。共振回路要素21の接続導体は接
続電極23上に半導体や誘電体薄膜を形成してその上に
這わせて形成しても良いし、エアブリッジのような構造
とすることも可能であることはいうまでもない。
【0040】(具体的実施例2)また、図5には、本願
発明の超伝導発振器の第2の具体的実施例を示す模式図
を示す。この構造においては、図4の構造と類似してい
るが、顕著な相違点は、図4に示す超伝導接合素子の回
りに超伝導体(大面積積層ジョセフソン接合構造でも良
い)からなる反射壁109が形成されて超伝導接合素子
を形成した点と、接続すべき共振回路要素22を、反射
壁109と高いインピーダンスとなるように絶縁層、又
は抵抗層を挟んで、第2接合101bの第2上部電極に
接続する構造とした点である。図5(a)に示すよう
に、本実施例では、共振回路要素22として、ミアンダ
ラインのインダクタを用いた例を示している。また、強
い反磁性材料である超伝導反射壁109で両接合を囲ん
だ構造とすることにより、第1、第2接合間の結合が強
まるため、大きな発振出力が得られる。この反射壁10
9の高さは、各々の接合101a,101bの障壁層1
13の周囲を取り囲んでいればよく、具体的には反射壁
109の上面が障壁層113よりも上に位置すればよ
い。超伝導体からなる反射壁109には、その超伝導性
に起因するシールド効果により、各接合101a,10
1bの接合部、即ち、障壁層113を流れる超伝導電流
が隣接する他の接合に磁気誘導結合する効果を強める働
き、又は、各接合101a,101bの障壁層113か
ら放射されるジョセフソン発振による磁束、又は、電磁
波が反射壁109により反射されて他の接合に入射し、
両接合間の結合度合を強めるといった働きがある。従っ
て、本第2の具体的実施例では第1の具体的実施例の構
造の発振器に比べて、逆相結合が一層強くなり、同じ接
合間のギャップ間隔でも、より大きな発振出力が得られ
る構造である。
【0041】尚、反射壁109は本実施例では接合構造
のものを示したが、これに限るものではなく、超伝導薄
膜だけから構成されても良いのはいうまでもない。反射
壁109に接合を用いる場合には、接合が無バイアス状
態で使用されるため超伝導状態のままであり、接合部に
は結合磁界や放射電磁界が超伝導体自体の侵入深さより
も深く、ジョセフソン進入深さまで侵入するものの、接
合101a,101bの周囲を取り囲む反射壁109の
接合の幅をこの侵入深さよりも大きくすることにより、
第2の実施例と同じく反射壁として機能する。この構造
では、接合101a,101bの形成と、同時に反射壁
109が形成できる利点がある。
【0042】また、上記2つの具体的実施例において、
積層接合構造の接合が対向する構造の超伝導発振器の例
を示したが、この他にも、積層型接合が他の積層型接合
を、内堀を備えた城郭建築のごとく、取り囲んだ構造の
ものでも良いのは、本願発振器の基本概念から当然のこ
とである。
【0043】(具体的実施例における製造方法1)これ
らの積層型超伝導接合素子を用いて超伝導発振器を製造
するプロセスの要点は、以下の通りである。まず、基板
8又は108の材料には酸化マグネシウム、チタン酸ス
トロンチウム或はランタンアルミネート等を用い、この
上に、酸化物超伝導体薄膜を形成する。基板材料はこれ
らに限定されるものではなく、超伝導薄膜との格子整合
性のよい材料で、基板からの拡散による超伝導薄膜の特
性劣化の少ない材料であれば、用いることができるのは
いうまでもない。基板8又は108上にYBCO系超伝
導材料又はBi系超伝導材料等の酸化物超伝導材料を、
スパッタ法やMBE法等の公知の手法を用いて下部電極
3a,3b及び接続電極14、114や、接続電極2
3、123となる下部超伝導薄膜を50〜300nmの
厚みに同時に形成する。次に、清浄な界面を得るために
真空を破らず続けてその上に障壁層13,113を1〜
20nmの厚みに形成する。障壁層13,113の材料
は酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム或はラン
タンアルミネート等の絶縁体や、YBCO系、或はBi
系等の臨界温度の低い超伝導材料等も適す。1例を挙げ
ると、Bi1Sr2Cu1xは転移温度12K程度の超伝
導体相であり、液体窒素温度動作では常伝導体として振
舞う。また、YBCO系やBi系超伝導体では、Feや
Nd等の磁性元素で置換することにより超伝導転移温度
を変えることが出来るので好都合である。この様に障壁
層を形成した上に、真空を破らず続けて上部電極11
a,111a,11b,111bや、接続電極23の上
部となる、超伝導上部薄膜を20〜200nm厚さに形
成する。この超伝導薄膜材料は下部電極の超伝導材料と
同じ様な材料が用いられる。これらのYBCO系超伝導
材料又はBi系超伝導材料の超伝導転移温度は80〜1
10K程度である。この様に作製した3層積層膜をフォ
トプロセスを用いて障壁層13、113が切断分離され
るまでエッチングして(例えば、Arイオンミリング等
を用いて)接合形状と接続電極23、123形状、か
つ、または、反射壁109を削り出す。寸法の一例を述
べると、第1接合の基板面内寸法は10μm□、第2接
合の基板面内寸法は10μm×5μmで、10μmは第
1、第2接合の対向する辺の長さである。第1接合と第
2接合の間の結合部11cの幅は0.1〜10μm程度
である。この結合部の幅は発振器の特性を決定する重要
なパラメータの一つである。この様にして、本願発明の
超伝導発振器を形成する。本素子構造では、接合に多少
のリーク電流が残るような製造プロセスを用いたとして
も、リーク電流を常伝導コンダクタンスとして繰り入れ
て素子の構造設計を行うことにより、超伝導発振器を実
現することができる。この上に、フッ化カルシウムや、
酸化マグネシウムや、二酸化珪素云々といった絶縁物、
或いは、珪素のような半導体材料等を、マスク蒸着や、
薄膜蒸着後のフォトプロセスにより支持体を形成した上
に、共振回路要素22、21を、第2上部電極と接続電
極23、123の間に接続する様に、公知の技術を用い
てパターン形成して超伝導発振器を製造する。
【0044】(具体的実施例3)次に、図6に、本願発
明の超伝導発振器の第3の具体的実施例を示す。同図に
おいて、超伝導発振器の平面図(a)(図(b)のB−
B’部断面図)と、平面図(a)のA−A’部の正面断
面図(b)を示す。基板208上に、下部のシールド膜
210を形成し、絶縁膜206を挟んでその上に、素子
形成層を形成し、更にその上に、絶縁膜207を挟んで
上部のシールド膜209を形成した構造となっている。
【0045】素子形成層は、第1電極211aと弱結合
部213a及び接続電極214とからなる第1接合21
0aと、第2電極211bと弱結合部213b及び接続
電極214とからなる第2接合210bとを、固体の誘
電体材料で充填した結合部211cを挟んで形成し、弱
結合部213aと213bの最近接距離が10μm以下
となるように接近させ、両接合210a,210bを接
続電極214により直列接続した構造となっている。こ
の両接合の臨界電流値を異なるような構造とし、接近し
た弱結合部213a,213bの両者の磁気誘導結合、
もしくは、両接合より放射されるジョセフソン発振によ
る電磁波を介した結合により逆相結合が実現されて、超
伝導接合素子を構成している。超伝導接合素子の臨界電
流値の小さい方の第2接合の端子部、接続電極214
と、第2電極211bに、ミアンダラインからなる誘導
性リアクタンスの共振回路要素202が並列に接続さ
れ、出力端子222が第2電極211bに接続されて、
超伝導発振器が構成されている。
【0046】弱結合部213aと213bの最近接距離
が10μmより大きい場合でも、逆相結合の効果が見ら
れ、発振器としては動作するが、10μm以下である方
が実用上好ましい。
【0047】この実施例では、積層型の非線形特性素子
とは異なり、フォトプロセス行程が主体となる平面構造
の弱結合素子の、製造が容易なプロセスが用いられる点
で製造上有利な構造である。また、弱結合部は図6に示
す構造以外に、デイエム・ブリッジ、膜厚変化型ブリッ
ジ(VTB)(A.バローネ、G.パテルノ共著、菅野
卓雄監訳、太田浩、山下努共訳、近代科学社出版(19
88年出版);p167参照)、近接効果型マイクロブリッ
ジ、段差に形成したステップエッジ型ブリッジ等々の構
造を用いることが出来るのは言うまでもない。
【0048】また、図6では上下にシールド膜206,
207を具備し、これによるシールド効果により、両接
合210a,210b間に大きな逆相結合が実現でき、
強い非線形特性が得られるが、これらのシールド膜は、
逆相結合度合が小さくなるが、そのどちらか一方、或い
は両方とも具備しない構造としてもよいのは明かであ
る。
【0049】尚、結合部211cは、本実施例では、固
体の誘電体材料で充填する例を示したが、空隙であって
も良いのは明かである。
【0050】(具体的実施例における製造方法2)上記
具体的実施例3における平面構造の超伝導発振器の製造
は、積層型に比べて簡単である。前記製造方法1で述べ
た技術等を用いて、超伝導薄膜を形成し、素子形成層部
の加工は、フォトプロセスと,Arイオンミリング等の
エッチングによりパターン加工が可能である。その後、
スパッタ法等の公知の技術を用いて、絶縁膜207、シ
ールド膜209を形成して超伝導発振器を製造する。
【0051】尚、上記第1から第3の具体的実施例にお
いて、最小臨界電流値を有する接合の両端子間に共振回
路要素を並列接続した構造を述べたが、何もこれに限定
することではなく、第2接合の第2上部電極に直列に共
振回路要素を接続してバイアス回路に接続しても良い
し、或いは、図3の実施例のように第2接合の両端子間
に直、並列に共振回路要素を接続しても良いのはいうま
でもない。発振器の出力端子も、図6(a)では最小臨
界電流値を有する接合の最外部側電極に出力端子222
を接続する例を示したが、これに限るものではなく、最
小臨界電流値を有する最小接合の、接合間を直列接続す
る接続電極側から取り出しても良いし、或いは、前記最
小接合の両端子から取り出しても良い。また、トランス
結合による出力取り出し等、公知の技術を用いれば、様
々な出力の取り出し方が可能である。
【0052】また、以上の具体的実施例において、共振
回路要素として、前記、2具体的実施例では、ミアンダ
ラインや、ストリップライン等の誘導性リアクタンスの
例について述べたが、最小臨界電流値の接合の等価イン
ピーダンスと組み合わせて、共振回路を構成できる共振
回路要素であれば何でも良く、インダクタのみならず、
直並列共振タンク回路、負荷抵抗等を用いても良いのは
いうまでもない。
【0053】(特性)上記具体的実施例に示した超伝導
発振器は、いずれも同様な特性を示したが、代表として
図4の超伝導発振器の特性例を以下に示す。
【0054】作製した素子は、第1下部電極12aと第
2下部電極12bの超伝導薄膜材料としてBi2Sr2
1Cu2xを用い、障壁層13の材料としてBi2Sr
2Cu1xを用い、厚みは約50nmとし、第1接合の
基板面内寸法は10μm□、第2接合の基板面内寸法は
10μm×5μmで、第1接合と第2接合の間のギャッ
プは2μmとしたものである。4.2Kの温度での第1
接合と第2接合の臨界電流は各々約1mAと約0.5m
A、常伝導抵抗は各々約1.0Ωと約2.2Ωであた。
共振回路要素21にはストリップライン形状を用い、接
続電極23と合わせて約4nHのインダクタンスとし
た。出力は、第2接合の両端子に50Ωの伝送線路を接
続し、スペクトルアナライザにて測定した。電源5には
可変定電圧電源を用い、負荷抵抗4には10KΩを接続
して測定した。バイアス電流Iを通電すると、共振回路
要素のインダクタンスと第2接合の静電容量約30fF
とで構成される並列共振回路の約14GHzの共振周波
数での周波数純度の良い発振出力が観測された。バイア
ス電流Iが約1mA程度付近の時に最大の発振出力、約
0.1μW程度が得られ、単一のジョセフソン接合によ
る発振出力の数桁大きな出力が得られた。
【0055】次に、この原理をRSJモデルを用いて以
下に説明する。図7には、共振回路要素2aを直列接続
した図1の場合の、RSJモデルを用いた超伝導発振器
の等価回路を示す。第1接合1aは、結合のない場合の
ジョセフソン電流IJ1と、並列に、静電容量C1、コン
ダクタンスG1が接続され、これに第2接合1bからの
結合電流k1・IJ2が並列に流れる。第2接合も図7の
ように同様に記述できる。ここで、結合係数k1、k2
値が負の値をとるとき、逆相結合に相当する。この等価
回路の動作を表わす方程式は(数式1)で与えられる。
【0056】
【数1】
【0057】ここで、第2接合1bに着目すると、ジョ
セフソン電流IJ2と並列に、結合電流k2・IJ1が流れ
ているが、接合のジョセフソン電流IJ2はその端子電圧
2(位相差φ2)の1次従属関数として与えられ、ま
た、その端子電圧V2は、バイアス電流Iを補助パラメ
ータとして、ジョセフソン電流IJ2と、結合電流k2
J 1とにより1義的に決まる。第2接合1aも同様であ
る。もし、ここで、結合電流k1・IJ2と、k2・IJ1
結合係数k1とk2が、正数、または、零(結合零)の場
合には、各接合の端子電圧を介して位相同期がかかる。
従って、単一のジョセフソン接合と同様な発振しか起こ
らないことになってしまう。他方、結合係数k1とk2
正数でない場合には、各接合のジョセフソン電流の位相
と結合電流の位相とは一致しなくなるため、各接合端子
電圧V1とV2は、それぞれ独立な運動を起こすことが可
能となる、即ち、発振回路の独立なパラメータが2つと
なる。従って、この1つの接合、特に最小臨界電流値を
有する接合の端子に共振回路要素を接続することによ
り、静電容量C2、コンダクタンスG2と、共振回路要素
とで構成される共振回路に、第2接合1bより共振周波
数の発振電力が供給される。また、第2接合1bに流れ
る結合電流k2・IJ1が、ジョセフソン電流IJ2と補完
して、共振回路に発振成分電流を供給するので、大きな
共振電力が得られることとなり、また、発振周波数純度
も共振回路や、帯域通過フィルタ等の回路要素により決
まるため、向上する。特に、バイアス電流値Iが、最小
の臨界電流値を有する接合に結合している接合の内の最
小の臨界電流値(2接合で構成される場合は第1接合の
臨界電流値)付近以上の場合には、結合した接合が平均
電圧が発生するので接合自身のジョセフソン発振が生起
し、この結合電流が、最小臨界電流値の接合(第2接
合)に流れて競合発振状態になるため、パルス状の大振
幅合成電流が接合に流れる。このとき、共振回路には大
振幅の発振出力が得られることになる。従って、発振効
率は、この競合発振状態にはいるバイアス電流付近が最
も効率がよい。
【0058】以上が、本願発明の超伝導発振器の基本原
理である。
【0059】
【発明の効果】以上述べてきたように本願発明の実施に
よれば、超伝導体を用いた、微少なバイアス電流、即
ち、低電力で、周波数純度の良い、高出力の超高周波発
振器が提供できる。従来のジョセフソン発振器等では得
られない発振出力能、高周波数純度が得られる、発振器
を提供することができる。
【0060】また、酸化物高温超伝導材料を本願発明の
超伝導共振器の超伝導薄膜材料に用いると、液体窒素温
度以上での動作が可能な、超伝導発振器が容易に製造で
きるという各段の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の超伝導発振器の第1の実施例を示す
模式図
【図2】本願発明の超伝導発振器の第2の実施例を示す
模式図
【図3】本願発明の超伝導発振器の第3の実施例を示す
模式図
【図4】本願発明の超伝導発振器の第1の具体的実施例
を示す断面図
【図5】(a)は本願発明の超伝導発振器の第2の具体
的実施例を示す平面図 (b)は平面図(a)のA−A’部の正面断面図
【図6】(a)は本願発明の超伝導発振器の第3の具体
的実施例の平面図 (b)は平面図(a)のA−A’部の正面断面図
【図7】本願発明の超伝導発振器の動作を説明するRS
Jモデルを用いた等価回路図
【図8】従来の超伝導接合素子の、最小臨界電流を有す
る接合の、両端子間の平均電圧−バイアス電流特性の一
例を示す図
【符号の説明】
1a,101a,210a 第1接合 1b,101b,210b 第2接合 2a,2b,2c,2d,21,22,202 共振回
路要素 11a,111a 第1上部電極 11b,111b 第2上部電極 11c,113 障壁層 12a,12b 下部電極 8,108,208 基板 14,23,114,123,214 接続電極 11c,111c,211c 結合部 109 反射壁 211a 第1電極 211b 第2電極 213a,213b 弱結合部 209,210 シールド膜 206,207 絶縁膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直列に接続した、臨界電流値の異なる複数
    の超伝導ジョセフソン接合を、前記接合間の最近接距離
    を10μm以下とする、誘電体からなる結合部を挟んで
    配置し、相互に強く結合させる構成とした超伝導接合素
    子と、前記超伝導接合素子に動作電流を供給するバイア
    ス回路と、前記接合の中の最も臨界電流値の小さな接合
    の両電極間に並列、又は、直列に接続した共振回路要素
    とから構成されることを特徴とする超伝導発振器。
  2. 【請求項2】最小臨界電流値を有する接合の電極、又
    は、共振回路要素に、静電結合又は電磁結合した帯域通
    過フィルタとから構成されることを特徴とする請求項1
    に記載の超伝導発振器。
  3. 【請求項3】1つのジョセフソン接合を流れるジョセフ
    ソン電流と、他のジョセフソン接合から結合部を介す
    る、磁気誘導結合、或は、放射される電磁波を媒体とす
    る電磁界結合により、前記1つのジョセフソン接合に誘
    起される電流とが、互いに異なる位相関係となるよう
    に、前記ジョセフソン接合を直列接続する構成とした超
    伝導接合素子を用いることを特徴とする請求項1または
    2に記載の超伝導発振器。
  4. 【請求項4】基板上に下部電極を形成し、前記下部電極
    上に、誘電体又は導電体の障壁層と上部電極とからなる
    積層型ジョセフソン接合を、結合部を挟んで2組近接さ
    せて形成することにより、前記両ジョセフソン接合のジ
    ョセフソン電流を各々逆相で結合させて直列接続する構
    成とした超伝導接合素子を用いることを特徴とする請求
    項1、2または3記載の超伝導発振器。
  5. 【請求項5】結合部を含み、直列接続された2つの積層
    型ジョセフソン接合の周囲を、超伝導体又は積層型ジョ
    セフソン接合からなる反射壁で取り囲み、前記2つのジ
    ョセフソン接合間の結合を強める構造とする構成とした
    超伝導接合素子を用いることを特徴とする請求項4に記
    載の超伝導発振器。
  6. 【請求項6】基板上に2つの弱結合型ジョセフソン接合
    を、結合部を挟んで近接させて形成し、前記両ジョセフ
    ソン接合の接合部を挟んで同じ側にある2つの超伝導電
    極を接続することにより前記2つのジョセフソン接合の
    ジョセフソン電流を逆相で結合させて直列に接続する構
    成とした超伝導接合素子を用いることを特徴とする請求
    項1、2または3記載の超伝導発振器。
  7. 【請求項7】基板上に近接して配置し、各々のジョセフ
    ソン電流を逆相で結合するように直列接続した2つの弱
    結合型ジョセフソン接合の、結合部を含み、下面、かつ
    又は、上面、かつ又は、側部に、誘電体を挟んで超伝導
    体よりなる反射壁を設置して、前記2つのジョセフソン
    接合のジョセフソン電流間の結合を強めた構造とするこ
    とを特徴とする請求項6に記載の超伝導発振器。
  8. 【請求項8】ジョセフソン接合を構成する少なくとも1
    つの超伝導電極の材料が酸化物超伝導体であることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の超伝導発振
    器。
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