JP7381495B2 - 超伝導回路内において装置をアドレス指定するシステム及び方法。 - Google Patents

超伝導回路内において装置をアドレス指定するシステム及び方法。 Download PDF

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技術分野
本開示は、一般に、超伝導回路内において装置をアドレス指定するシステム及び方法に関し、且つ、更に詳しくは、超伝導集積回路内における超伝導フラックス保存装置及びデジタル-アナログコンバータ(DAC)の共振器アドレス指定のためのシステム及び方法に関する。
背景
周波数多重化共振(FMR:Frequency Multiplexed Resonant)読み出し
超伝導マイクロ波共振器は、限定を伴うことなしに、量子演算及び天文学を含む、様々な分野において使用されている。例えば、量子演算においては、超伝導共振器は、キュービットの状態を検出するべく、使用されている。天文学においては、超伝導マイクロ波共振器は、マイクロ波力学インダクタンス検出器(MKID:Microwave kinetic Inductance Detector)において使用されている。いずれのケースにおいても、多くの共振器(検出器)を共通送信ラインに結合することができると共に、周波数ドメイン多重化を通じて統合することができる。周波数ドメイン多重化(FDM:Frequency Domain Multiplexing)は、通信帯域幅が、いくつかのオーバーラップしてはいないサブ帯域に分割される、技法であり、この場合に、それぞれのサブ帯域は、別個の信号を搬送するべく、使用されている。周波数ドメイン多重化は、本出願においては、周波数多重化及び周波数分割多重化とも呼称されている。
FMR技術を使用することにより、異なる共振周波数の超伝導共振器を複数のキュービットの読み出しのために使用することができる。共振器は、周波数ドメイン多重化を使用することにより、共通マイクロ波送信ラインを共有することができる。
簡潔な概要
超伝導集積回路は、マイクロ波送信ラインと、複合ジョセフソン接合(CJJ:Compound Josephson Junction)によって中断された、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループを有する第1超伝導フラックス保存装置であって、CJJは、それぞれが個々のジョセフソン接合によって中断された、2つの並列電流経路を有する、装置と、第1低周波数アドレスバイアスラインと、第1低周波数バイアスアドレスラインを第1超伝導フラックス保存装置に通信自在に誘導的に結合する第1アドレスインターフェイスと、マイクロ波送信ラインに通信自在に結合された第1超伝導共振器と、第1超伝導共振器を第1超伝導フラックス保存装置に誘導的に通信自在に結合する第1信号インターフェイスであって、第1アドレスインターフェイス及び第1信号インターフェイスは、それぞれ、個々のフラックスバイアスを第1超伝導フラックス保存装置に提供するべく動作自在である、インターフェイスと、を含むものとして要約することができる。
第1超伝導フラックス保存装置は、第1超伝導共振器によって搬送されるマイクロ波信号により、アドレス指定することができる。
超伝導集積回路は、マイクロ波送信ラインに通信自在に結合された第2超伝導共振器と、第2超伝導共振器を第1超伝導フラックス保存装置に誘導的に通信自在に結合する第2信号インターフェイスであって、第1アドレスインターフェイス、第1信号インターフェイス、及び第2信号インターフェイスは、それぞれ、個々のフラックスバイアスを第1超伝導フラックス保存装置に提供するべく動作可能である、インターフェイスと、を更に含むことができる。第1超伝導共振器は、第1軸に沿って延在していてもよく、且つ、第2超伝導共振器は、第2軸に沿って延在しており、この場合に、第2軸は、第1軸に垂直である。第1超伝導フラックス保存装置は、第1超伝導共振器によって搬送される2つのマイクロ波信号の第1のものと、第2超伝導共振器によって搬送される2つのマイクロ波信号の第2のものと、という、2つのマイクロ波信号により、XYアドレス指定することができる。第1及び第2超伝導共振器は、個々の共振周波数を有することができる。第1及び第2超伝導共振器の個々の共振周波数は、ビート信号を結果的にもたらしうる。第1及び第2超伝導共振器の個々の共振周波数は、その間のクロストークの量を低減することができる。
超伝導フラックス保存装置は、ラッチングを実行するべく動作可能である超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC:Digital-to-Analog Converter)を含んでいてもよく、且つ、第1及び第2超伝導共振器は、超伝導DACに通信自在に結合されていてもよく、且つ、超伝導DACは、第1低周波数アドレスバイアスラインによって搬送される低周波数バイアス信号により、且つ、定義されたアドレスラッチングレベルを超過するべく肯定的に組み合わせられる、2つのマイクロ波信号により、プログラミングすることができる。
超伝導集積回路は、複合ジョセフソン接合(CJJ)によって中断された、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループを有する第2超伝導フラックス保存装置であって、CJJは、それぞれが個々のジョセフソン接合によって中断された2つの並列電流経路を有する、装置と、第1低周波数バイアスアドレスラインを第2超伝導フラックス保存装置に誘導的に通信自在に結合する第2アドレスインターフェイスと、第1超伝導共振器を第2超伝導フラックス保存装置に誘導的に通信自在に結合する第2信号インターフェイスであって、第1アドレスインターフェイス及び第1信号インターフェイスは、それぞれ、個々のフラックスバイアスを第1超伝導フラックス保存装置に提供するべく動作可能であり、且つ、第2アドレスインターフェイス及び第2信号インターフェイスは、それぞれ、個々のフラックスバイアスを第2超伝導フラックス保存装置に提供するべく動作可能である、インターフェイスと、を更に含むことができる。
第1超伝導共振器は、少なくとも1つの結合コンデンサと、インダクタンスと、を含んでいてもよく、且つ、インダクタンスは、少なくとも1つの結合コンデンサとの間において電気的に通信自在に直列において結合されていてもよい。少なくとも1つの結合コンデンサは、結合コンデンサのペアを含んでいてもよく、且つ、インダクタンスは、電気的に、結合コンデンサのペアの間において電気的に通信自在に直列において結合されていてもよい。
第1超伝導共振器は、電気接地に対する電気経路を提供するシャントコンデンサを更に含むことができる。第1超伝導共振器は、分散型の超伝導共振器であってよい。第1超伝導共振器は、集中素子超伝導共振器であってよい。
上述の実装のいくつかにおいて、第1超伝導フラックス保存装置は、ラッチングを実行するべく動作可能である超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)を含むことができる。
超伝導集積回路は、マイクロ波送信ラインに通信自在に結合された超伝導共振器のアレイを更に含むことができる。
超伝導集積回路は、マイクロ波送信ラインに通信自在に結合された超伝導共振器のアレイを更に含んでいてもよく、この場合に、マイクロ波送信ラインは、周波数ドメイン多重化信号を超伝導共振器のアレイまで搬送している。
量子プロセッサは、超伝導集積回路を含むことができる。
量子プロセッサ用の制御回路は、上述の超伝導集積回路の様々な実装のうちの1つを含むことができる。
超伝導フラックス保存装置が、複合ジョセフソン接合(CJJ)によって中断された超伝導フラックス保存ループを含んでいる、磁気フラックス量子を超伝導フラックス保存装置にローディングする方法は、電流バイアスラインを第1電流バイアス値に設定することと、低周波数アドレスラインを第1アドレスライン値に設定することと、電流バイアスが超伝導フラックス保存装置に印加されるようにするべく、電流バイアスラインを第2電流バイアスライン値に設定することと、フラックスバイアスが超伝導フラックス保存装置のCJJに印加されるようにするべく、低周波数アドレスラインを第2アドレスライン値に設定することと、フラックス量子が超伝導フラックス保存装置のCJJに追加されるようにするべく、マイクロ波送信ライン及び少なくとも第1超伝導共振器により、第1高周波数パルスを超伝導フラックス保存装置に印加することであって、マイクロ波送信ラインは、第1超伝導共振器に通信自在に結合されており、且つ、第1超伝導共振器は、超伝導フラックス保存装置に通信自在に結合されている、ことと、フラックス量子が超伝導フラックス保存装置の超伝導フラックス保存ループ内にローディングされるようにするべく、低周波数アドレスラインを第3アドレスライン値に設定することと、電流バイアスラインを第1電流バイアスライン値に戻すことと、低周波数アドレスラインを第1アドレスライン値に戻すことであって、マイクロ波送信ライン及び第1超伝導共振器によって第1高周波数パルスを超伝導フラックス保存装置に印加することは、超伝導フラックス保存装置に印加された、組み合わせられた低周波数及び高周波数信号レベルが、既定の上部閾値を超過するようにすることを含む、ことと、を更に含むことができる。
フラックス量子が超伝導フラックス保存装置の超伝導フラックス保存ループ内にローディングされるようにするべく、低周波数アドレスラインを第3アドレスライン値に設定することは、フラックス量子が超伝導DAC内にローディングされるようにするべく、低周波数アドレスラインを第3アドレスライン値に設定することを含むことができる。
マイクロ波送信ライン及び少なくとも第1超伝導共振器によって第1高周波数パルスを超伝導フラックス保存装置に印加することは、周波数ドメイン多重化信号の組を第1超伝導共振器及び少なくとも第2超伝導共振器のそれぞれに印加することを含むことができる。マイクロ波送信ライン及び少なくとも第1超伝導共振器によって第1高周波数パルスを超伝導フラックス保存装置に印加することは、周波数ドメイン多重化信号の組を第1超伝導共振器及び少なくとも第2超伝導共振器のそれぞれに印加することを含むことができる。
方法は、マイクロ波送信ライン及び少なくとも第1超伝導共振器によって第1高周波数パルスを第2超伝導フラックス保存装置に印加することを更に含むことができる。
マイクロ波送信ライン及び少なくとも第1超伝導共振器によって第1高周波数パルスを超伝導フラックス保存装置に印加することは、マイクロ波送信ライン及び第1及び少なくとも第2超伝導共振器によって第1高周波数パルスを超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)に印加することであって、超伝導DACは、ラッチングを実行するべく動作可能である、ことを含むことができる。
方法は、第1低周波数アドレスバイアスラインによって搬送される低周波数バイアス信号により、且つ、閾値アドレスラッチングレベルを超過するべく肯定的に組み合わせられうる、2つのマイクロ波信号により、超伝導DACをプログラミングすることを更に含むことができる。
超伝導フラックス保存装置が、それぞれが個々の複合ジョセフソン接合(CJJ)によって中断された、且つ、2次元アレイにおける行及び列として構成された、個々の超伝導フラックス保存ループを含む、磁気フラックス量子を超伝導フラックス保存装置の2次元アレイにローディングする方法は、1つ又は複数の電流バイアスラインにより、バイアス電流をいくつかの超伝導フラックス保存装置のそれぞれのものの個々の超伝導フラックス保存ループに印加することと、第1低周波数フラックスバイアスをいくつかの超伝導フラックス保存装置のそれぞれのものの個々のCJJに印加することと、第1超伝導共振器により、第1高周波数フラックスバイアスを2次元アレイの第1次元に沿って延在する2次元アレイの行の第1のもの内の超伝導フラックス保存装置の個々のCJJに印加することと、2次元アレイの第2次元に沿って延在する第2超伝導共振器により、第2高周波数フラックスバイアスを2次元アレイの第2次元に沿って延在する2次元アレイの列の第1のもの内の超伝導フラックス保存装置の個々のCJJに印加することであって、第2次元は、第1次元と異なっている、ことと、を含むものとして要約することができる。
第1低周波数フラックスバイアスをいくつかの超伝導フラックス保存装置のそれぞれのものの個々のCJJに印加することは、バイアス誘導インターフェイスに通信自在に結合された、マイクロ波周波数範囲の最低閾値未満の周波数を有する低周波数アドレスにより、第1低周波数バイアスを印加することを含むことができる。第1高周波数フラックスバイアスを2次元アレイの行の第1のものに沿って延在する超伝導フラックス保存装置の個々のCJJに印加することは、第1超伝導共振器に通信自在に結合された、少なくとも1つのマイクロ波送信ラインにより、第1高周波数フラックスバイアスを超伝導フラックス保存装置の個々のCJJに印加することを含むことができる。第1高周波数フラックスバイアスを2次元アレイの行の第1のものに沿って延在する超伝導フラックス保存装置の個々のCJJに印加することは、第1超伝導共振器に通信自在に結合された、少なくとも1つの同軸マイクロ波送信ラインにより、第1高周波数フラックスバイアスを超伝導フラックス保存装置の個々のCJJに印加することを含むことができる。
第2高周波数フラックスバイアスを2次元アレイの列の第1のものに沿って延在する超伝導フラックス保存装置の個々のCJJに印加することは、第2超伝導共振器に通信自在に結合された、少なくとも1つのマイクロ波送信ラインにより、第2高周波数フラックスバイアスを超伝導フラックス保存装置の個々のCJJに印加することを含むことができる。第2高周波数フラックスバイアスを2次元アレイの列の第1のものに沿って延在する超伝導フラックス保存装置の個々のCJJに印加することは、第2超伝導共振器に通信自在に結合された、少なくとも1つの同軸マイクロ波送信ラインにより、第2高周波数フラックスバイアスを超伝導フラックス保存装置の個々のCJJに印加することを含むことができる。
第1高周波数フラックスバイアスを2次元アレイの行の第1のもの内の超伝導フラックス保存装置の個々のCJJに印加することは、2次元アレイの第1次元に沿って延在する第1超伝導共振器により、第1高周波数フラックスバイアスを印加することを含むことができると共に、第2高周波数フラックスバイアスを2次元アレイの列の第1のもの内の超伝導フラックス保存装置の個々のCJJに印加することは、2次元アレイの第2次元に沿って延在する第2超伝導共振器により、第2高周波数フラックスバイアスを印加することを含むことができる。バイアス電流を印加すること、第1低周波数フラックスバイアスを印加すること、第1高周波数フラックスバイアスを印加すること、及び第2高周波数フラックスバイアスを印加することは、組合せにおいて、組み合わせられたアドレス信号レベルが、超伝導フラックス保存装置の1つ用の閾値アドレス信号ラッチングレベルを超過するようにすることができる。超伝導フラックス保存装置は、ラッチングを実行するべく動作可能である個々の超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)を含んでいてもよく、この場合に、それぞれの超伝導DACは、自身に通信自在に結合された超伝導共振器の個々のペアを有しており、且つ、バイアス電流を印加すること、第1低周波数フラックスバイアスを印加すること、第1高周波数フラックスバイアスを印加すること、及び第2高周波数フラックスバイアスを印加することは、組合せにおいて、組み合わせられたアドレス信号レベルが、超伝導DACの1つ用の閾値アドレスラッチングレベルを超過するようにすることができる。
方法は、第1及び第2超伝導共振器に通信自在に結合された単一の同軸ケーブル上において第1高周波数フラックスバイアス及び第2高周波数フラックスバイアスを表す信号を周波数ドメイン多重化することを更に含むことができる。
超伝導フラックス保存装置が、CJJを含む複合ジョセフソン接合(CJJ)ループによって中断された超伝導フラックス保存ループを有する、磁気フラックス量子を超伝導フラックス保存装置にローディングする方法は、電流を超伝導フラックス保存ループに供給することと、グローバルバイアスフラックスバイアスをCJJループに印加することと、印加されたグローバルフラックスバイアス及び印加された1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスを組み合わせる、且つ、フラックス量子がCJJループ内に追加されるようにする、CJJループの組み合わせられたフラックスバイアスを生成するべく、少なくとも第1超伝導共振器により、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスをCJJループに印加することを含むものとして要約することができる。電流を超伝導フラックス保存ループに供給することは、電流を超伝導フラックス保存ループに供給する電流ラインの現時点のレベルを第1レベルに上昇させることを含むことができる。グローバルバイアスフラックスバイアスをCJJループに印加することは、CJJループの組み合わせられたフラックスバイアスが、フラックス量子がCJJループに追加されるようにするべく必要とされる印加された1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスのパワーを低減するべく十分なグローバルバイアスフラックスバイアスを印加することを含むことができる。グローバルバイアスフラックスバイアスをCJJループに提供することは、グローバルフラックスバイアスをCJJループに供給するグローバルアドレスバイアスラインを第1較正レベルに上昇させることを含んでいてもよく、この場合に、第1較正レベルは、CJJループの組み合わせられたフラックスバイアスが、フラックス量子がCJJループ内に追加される第1閾値を超過するようにするべく、較正されている。
方法は、CJJループの組み合わせられたフラックスバイアスが第1閾値を超過するようにするべく必要とされる印加された1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスのパワーを低減するべく十分なものになるように、グローバルバイアスフラックスバイアスを選択することを更に含むことができる。
方法は、グローバルバイアスフラックスバイアス及び1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスによって生成されたフラックスの組合せからのCJJループの組み合わせられたフラックスバイアスが、フラックス量子がCJJループに追加されるようにするように、第1閾値を選択することを更に含むことができる。少なくとも第1超伝導共振器により、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスをCJJループに印加することは、第1超伝導共振器によってのみ、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスをCJJループに印加することを含むことができる。少なくとも第1超伝導共振器により、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスをCJJループに印加することは、第1超伝導共振器により、且つ、少なくとも第2超伝導共振器により、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスをCJJループに印加することを含むことができる。第1超伝導共振器は、第1分散型超伝導共振器であってもよく、且つ、少なくとも第1超伝導共振器により、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスをCJJループに印加することは、第1分散型超伝導共振器により、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスをCJJループに印加することを含むことができる。第1超伝導共振器は、第1集中素子超伝導共振器であってよく、且つ、少なくとも第1超伝導共振器により、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスをCJJループに印加することは、第1集中素子超伝導共振器により、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスをCJJループに印加することを含むことができる。少なくとも第1超伝導共振器により、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスをCJJループに印加することは、送信ラインにより、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスを少なくとも第1超伝導共振器に供給することを含むことができる。少なくとも第1超伝導共振器により、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスをCJJループに印加することは、同軸ケーブルを介して、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスを少なくとも第1超伝導共振器に供給することを含むことができる。少なくとも第1超伝導共振器により、1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスをCJJループに印加することは、周波数ドメイン多重化信号を生成することと、送信ラインを介して、周波数ドメイン多重化信号を少なくとも第1超伝導共振器に供給することと、を含むことができる。
方法は、フラックス量子が、超伝導フラックス保存ループ内に移動するようにするべく、CJJループに対するグローバルバイアスフラックスバイアスを低減することを更に含むことができる。CJJループに対するグローバルバイアスフラックスバイアスを低減することは、CJJループに対するグローバルフラックスバイアスを供給するグローバルアドレスバイアスラインを第2較正レベルに降下させることを含んでいてもよく、この場合に、第2較正レベルは、CJJループの組み合わせられたフラックスバイアスが、フラックス量子が超伝導フラックス保存ループ内に移動する第2閾値未満に低下するようにするべく、較正されている。
方法は、グローバルバイアスフラックスバイアス及び1つ又は複数の高周波数マイクロ波パルスによって生成されたフラックスの組合せからのCJJループの組み合わせられたフラックスバイアスが、フラックス量子が超伝導フラックス保存ループ内に移動するようにするべく、第2閾値を選択することを更に含むことができる。
超伝導集積回路は、マイクロ波送信ラインと、信号ソースと、1つ又は複数の電子フィルタと、温度の範囲内において超伝導性を有する第1超伝導共振器ボディを有する第1超伝導共振器であって、マイクロ波送信ラインに通信自在に結合されている第1超伝導共振器と、温度の範囲内において超伝導性を有する第2超伝導共振器ボディを有する第2超伝導共振器であって、第2超伝導共振器は、マイクロ波送信ラインに通信自在に結合されており、第2超伝導共振器ボディは、第1超伝導共振器ボディとの間において直列において通信自在に結合されており、信号ソースは、1つ又は複数の電子フィルタを含む信号経路により、第1及び第2超伝導共振器にDCバイアスを提供するべく動作可能である、共振器と、を含むものとして要約することができる。
マイクロ波送信ラインは、マイクロストリップ送信ライン、ストリップライン送信ライン、同軸送信ライン、及びコプレーナ導波路送信ラインのうちの1つであってよい。信号ソースは、低周波数及びDC信号のうちの少なくとも1つを提供するべく動作可能であってよい。1つ又は複数の電子フィルタは、低域通過フィルタ、ノッチフィルタ、及び帯域通過フィルタのうちの1つであってよい。
第1及び第2超伝導共振器は、3つ以上の超伝導共振器のアレイのメンバであってよい。第1及び第2超伝導共振器は、マイクロ波送信ラインに容量的に通信自在に結合することができる。
超伝導集積回路は、第1及び第2超伝導共振器のうちの少なくとも1つのもの内における、電気短絡、電気開路、及び予想されていない抵抗値のうちの少なくとも1つのものの存在を識別するべく、極低温よりも高い温度において動作可能であってよい。
超伝導集積回路は、マイクロ波送信ラインと、信号ソースと、電子フィルタと、温度の範囲内において超伝導性を有する超伝導共振器ボディを有する超伝導共振器であって、超伝導共振器は、マイクロ波送信ラインに通信自在に結合されており、超伝導共振器ボディは、電子フィルタにより、信号ソースに通信自在に結合されている、共振器と、超伝導共振器に通信自在に結合された超伝導装置であって、電子フィルタを含む第1信号経路により、信号ソースから少なくともDCバイアスを含むプログラミング信号を受け取るべく動作可能である超伝導装置と、を含むものとして要約することができる。
マイクロ波送信ラインは、マイクロストリップ送信ライン、ストリップライン送信ライン、同軸送信ライン、及びコプレーナ導波路送信ラインのうちの1つであってよい。信号ソースは、低周波数及びDC信号のうちの少なくとも1つを提供するべく動作可能であってよい。電子フィルタは、低域通過フィルタ、ノッチフィルタ、及び帯域通過フィルタのうちの1つである。
超伝導共振器は、2つ以上の超伝導共振器のアレイのメンバであってよい。超伝導共振器は、マイクロ波送信ラインに容量的に通信自在に結合することができる。超伝導共振器ボディは、電子フィルタにより、信号ソースにガルバニックな方式で通信自在に結合することができる。超伝導装置は、超伝導共振器にガルバニックな方式で通信自在に結合することができる。超伝導装置は、超伝導共振器に誘導的に通信自在に結合することができる。
超伝導装置は、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループを含んでいてもよく、この場合に、材料のループは、複合ジョセフソン接合(CJJ)によって中断されている。低周波数バイアスアドレスラインは、フラックスバイアスを超伝導装置の複合ジョセフソン接合に提供するべく動作可能であってよい。
超伝導装置は、超伝導フラックス保存装置であってよい。超伝導フラックス保存装置は、デジタル-アナログコンバータ(DAC)を含むことができる。
プログラミング信号は、マイクロ波送信ラインを含む第2信号経路による高周波数信号を更に含むことができる。
上述の実装のいくつかにおいて、超伝導集積回路は、装置を動的に隔離するべく動作可能であるスイッチを更に含むことができる。スイッチは、直列において超伝導的に電気的に通信自在に結合された複数のカスケード要素を有していてもよく、この場合に、複数のカスケード要素のそれぞれのカスケード要素は、第1アーム内において直列において超伝導的に電気的に通信自在に結合された個々の第1の複数のN個の超電導量子干渉装置(SQUID:Superconducting Quantum Interference Device)であって、第1の複数のSQUIDのそれぞれのSQUIDは、少なくとも1つのジョセフソン接合を有する、SQUIDと、個々のマッチングコンデンサと、マッチングコンデンサとの関係において第1アームの反対側である、第2アーム内において直列において超伝導的に電気的に通信自在に結合された個々の第2の複数のM個のSQUIDであって、第2の複数のSQUIDのそれぞれのSQUIDは、少なくとも1つのジョセフソン接合を有する、SQUIDと、を有する。
いくつかの実装において、第1の複数のN個のSQUIDのうちのSQUIDの合計数Nは、第2の複数のM個SQUIDのうちのSQUIDの合計数Mに等しい。
スイッチは、フラックスバイアスラインと、フラックスバイアスラインに沿った少なくとも1つのフィルタリング要素であって、スイッチが動作速度において動作するようにするべく動作可能であるフィルタリング要素と、を更に含むことができる。少なくとも1つのフィルタリング要素は、受動型フィルタリング要素、誘導チョーク、及び力学インダクタからなる群から選択することができる。
図面のいくつかの図の簡単な説明
図面において、同一の参照符号は、類似の要素又は行為を識別している。図面中の要素のサイズ及び相対的な位置は、必ずしも、正確な縮尺で描画されてはいない。例えば、様々な要素の形状及び角度は、必ずしも、正確な縮尺で描画されてはおらず、且つ、これらの要素のいくつかは、図面の可読性を改善するべく、任意に拡大及び位置決めされている。更には、描画されている要素の特定の形状は、必ずしも、特定の要素の実際の形状に関するなんらかの情報を伝達することを意図したものではなく、且つ、単に、図面における認識の容易性を目的として選択されたものである。
本開示による、超伝導回路へのマイクロ波経路の例示用の一実装を示す概略図である。 本開示による、超伝導回路へのマイクロ波経路の別の例示用の実装を示す概略図である。 本開示による、超伝導半波共振器及び送信ラインを含む、超伝導回路の例示用の一実装の一部分の概略レイアウトである。 図3Aの超伝導半波共振器の結合領域のズームである。 本開示による、超伝導集中素子共振器及び送信ラインを含む、超伝導回路の例示用の一実装の一部分の概略レイアウトである。 図4Aの超伝導集中素子共振器の結合領域の拡大図である。 本開示による、超伝導集中素子共振器及び送信ラインを含む、超伝導回路の例示用の一実装の一部分の断面である。 本開示による、共振器アドレス指定型のデジタル-アナログコンバータ(DAC)を含む、超伝導回路の例示用の一実装を示す概略図である。 本開示による、共振器アドレス指定型のデジタル-アナログコンバータ(DAC)を含む、超伝導回路の別の例示用の実装を示す概略図である。 本開示による、共振器アドレス指定型のデジタル-アナログコンバータ(DAC)のペアを含む、超伝導回路の例示用の一実装を示す概略図である。 本開示による、共振器アドレス指定型のデジタル-アナログコンバータ(DAC)を含む、超伝導回路の別の例示用の実装を示す概略図である。 本開示による、共振器アドレス指定型のデジタル-アナログコンバータ(DAC)と、送信ラインに誘導的に結合された共振器と、を含む、超伝導回路の例示用の一実装を示す概略図である。 本開示による、共振器アドレス指定型のデジタル-アナログコンバータ(DAC)と、送信ラインに誘導的に結合された共振器と、を含む、超伝導回路の別の例示用の実装を示す概略図である。 本開示による、超伝導DACをプログラミングする例示用の方法を示すフローチャートである。 本開示による、単一フラックス量子のローディングのための例示用の時系列を示す概略プロットある。時間の関数として、アドレス信号電流のプロットを示すグラフである。 本開示による、単一フラックス量子のローディングのための例示用の時系列を示す概略プロットある。時間の関数として、パワー信号電流のプロットを示すグラフである。 本開示による、単一フラックス量子のローディングのための例示用の時系列を示す概略プロットある。時間の関数として、超伝導DACの複合ジョセフソン接合(CJJ)ループ内の永久電流のプロットを示すグラフである。 本システム、装置、及び方法による、デジタルコンピュータ及びアナログコンピュータを含む、例示用の演算システムの概略図である。 本開示による、超伝導回路の例示用の一実装を示す概略図である。 本開示による、超伝導回路の別の例示用の実装を示す概略図である。 本開示による、共振器のアレイを含む、超伝導回路の例示用の一実装を示す概略図である。 本開示による、スイッチを含む、超伝導回路の例示用の一実装を示す概略図である。 本開示による、N個のカスケード要素を有する、送信ラインレイアウトの例示用の一実装の概略図である。 本開示による、単一カスケード要素の例示用の一実装の概略図である。
詳細な説明
序文
以下の説明には、様々な開示されている実装及び実施形態の十分な理解を提供するべく、いくつかの特定の詳細が含まれている。但し、当業者は、実施形態が、これらの特定の詳細のうちの1つ又は複数を伴うことなしに、或いは、その他の方法、コンポーネント、材料などを伴って、実施されうることを認識するであろう。その他の例において、超伝導装置及び集積超伝導回路と関連する周知の構造は、本方法の実装又は実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するべく、詳細に図示又は記述されてはいない。本明細書及び添付の請求項の全体を通じて、「要素(element)」及び「要素(elements)」という用語は、限定を伴うことなしに、超伝導回路及び集積超伝導回路と関連する、すべてのこのような構造、システム、及び装置を包含するべく使用されている。
文脈が、そうではない旨を必要としていない限り、本明細書及び添付の請求項の全体を通じて、「有する(comprise)」という用語は、「含む(including)」と同義であり、且つ、包含的又はオープンエンド型である(即ち、更なる、記述されてはいない要素又は行為を排除するものではない)。
「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、「別の実施形態(another embodiment)」、「一例(one example)」、「例(an example)」、「別の例(another example)」、「一実装(one implementation)」、「別の実装(another implementation)」、或いは、これらに類似したものに対する本明細書の全体を通じた参照は、その実施形態、例、又は実装との関連において記述されている特定の対象の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態、例、又は実装において含まれていることを意味している。従って、本明細書の全体を通じた様々な場所における、「一実施形態において(in one embodiment)」、「実施形態において(in an embodiment)」、「別の実施形態(another embodiment)」というフレーズ、或いは、これらに類似したもの、の出現は、必ずしも、そのすべてが、同一の実施形態、例、又は実装を参照しているものではない。更には、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は複数の実施形態、例、又は実装において任意の適切な方式により、組み合わせることができる。
本明細書及び添付の請求項において使用されている、「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という単数形は、文脈がそうではないことを明瞭に命じていない限り、複数の対象物を含むことに留意されたい。従って、例えば、「超伝導共振器(a superconducting resonator)」を含む読み出しシステムに対する参照は、単一の超伝導共振器又は2つ以上の超伝導共振器を含む。また、「又は(or)」という用語は、一般に、文脈がそうではないことを明瞭に命じていない限り、「及び/又は(and/or)」を含む、その意味において、利用されていることにも留意されたい。
本明細書において提供されている見出しは、利便を目的としたものに過ぎず、且つ、実施形態の範囲又は意味を解釈するものではない。
超伝導フラックス保存装置
超伝導フラックス保存装置は、本出願においては、超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)又はフラックスDACとも呼称されている。
単一の又は少量のキュービットは、室温の電子回路によって駆動されている専用のアナログラインにより、正確に制御されうる一方で、単一のチップ上における数ダース超のキュービットの統合は、好ましくは、オンチップ制御回路を使用することにより、実装することができる。超伝導キュービット及びカプラを含む量子プロセッサの一実装においては、6つの制御パラメータ/キュービットと、1つの制御パラメータ/カプラと、が存在しうる。制御パラメータの少なくともいくつかを実現するべく、静的なフラックスバイアスを超伝導ループに選択的に印加することができる。フラックスバイアスの望ましい値は、室温において生成される信号を搬送する、相対的に少ない数の制御ラインを使用することにより、制御装置内にプログラミングすることができる。
いくつかの実装において、制御装置は、永久メモリ及びデジタル-アナログ変換の機能を組み合わせることが可能であり、これらは、本出願において、フラックスDACと呼称されている。例示用の一実装において、それぞれのフラックスDACは、約10μmのサイズを有する。それらのいくつかを単一のキュービットに装着するようにすることにより、下部境界をキュービットサイズにおいて設定することが可能であり、且つ、可能なキュービット形状、ハードウェアグラフトポロジー、及びプロセッサアーキテクチャに対して影響を及ぼすことができる。
フラックスDACのXYZアドレス指定
量子プロセッサの例示用の一実装において、512個のキュービット及び関連する結合装置は、4608個のフラックスDACにより、制御することができる。XYZアドレス指定方式は、56個のラインのみを使用することにより、量子プロセッサを制御することができる。プロセッサは、タイルの8×8アレイとして構成することが可能であり、この場合に、それぞれのタイルは、72個のフラックスDACを有する。それぞれのタイルのフラックスDACは、個々の3-DACプラケットとして構成することができる。3つのライン(本出願において、ADDRラインと呼称されている)うちの1つを使用することにより、3-DACプラケット内の3つのDACのそれぞれの組の1つを選択することが可能であり、この場合に、15個のADDRライン及び5個のTRIGラインを使用している構成においては、タイル内のDACをアドレス指定するべく、すべての3つが、別のライン(本出願においては、TRIGラインと呼称されている)を共有している。タイルの8×8のアレイは、16個のドメイン(本出願においては、PWRドメインと呼称されている)に分割することが可能であり、且つ、4608個のフラックスDACが、合計で30個のADDRライン、10個のTRIGライン、及び16個のPWRラインを使用することにより、アドレス指定されうるように、構成することができる。例えば、Bunyk P. et al.,“ARCHITECTURAL CONSIDERATIONS IN THE DESIGN OF A SUPERCONDUCTING QUANTUM ANNEALING PROCESSOR”, arXiv:1401.5504v1, 21 January 2014を参照されたい。
上述のDACアドレス指定方式の欠点は、実装が多数のワイヤ及び超伝導低域通過フィルタを含む可能性があり、この結果、製造に費用を所要しうる、障害に脆弱でありうる、且つ、内部フィルタ加熱からの高エネルギーフォトンのソースとなりうる、という点にありうる。いくつかの実装において、ワイヤは、ツイストペアであり、且つ、低域通過フィルタは、カスタムメイドの超伝導低域通過フィルタである。本出願において記述されているシステム及び方法は、相対的に大きな帯域幅及び低減された複雑さを提供しうる同軸ケーブルにより、ワイヤを置換することを含む。相対的に大きな帯域幅の利益は、プロセッサ入出力(I/O)速度の改善でありうる。
超伝導共振器
高帯域幅ラインが、プロセッサとの通信のために利用可能である際には、高帯域幅ラインを適切なオンチップ要素に結合することにより、帯域幅の相対的に効率的な使用を実現することができる。高帯域幅送信ラインに結合するのに適した例示用のオンチップ要素は、超伝導共振器である。超伝導共振器を使用する利点の1つは、FMRR又は力学インダクタンス検出器(KID:Kinetic-Inductance Detector)と同様に、これらの装置が、周波数ドメイン多重化と適合しうる、という点にある。共振器のアレイは、それぞれの共振器の共振周波数をチューニングすることにより、周波数ドメイン多重化を使用して単一の送信ラインに結合することができる。共振周波数は、例えば、共振器の長さを調節することにより、或いは、更なる静電容量を追加することにより、チューニングすることができる。一実装において、共振器は、半波超伝導共振器である。共振器がその共振周波数の近傍において駆動された際に、マイクロ波電流を励起することができる。共振器のアレイ内の共振器の組に対応するトーンの組を選択的に送信することにより、アドレス指定を実現することができる。
分散型超伝導共振器
超伝導共振器の一実装は、分散型超伝導共振器である。分散型超伝導共振器の一例は、半波長(λ/2)共振器である。半波長共振器は、一般に、別の装置に結合するために十分な使用可能配線長を提供することができる。半波長共振器の欠点の1つは、基本共振周波数の整数倍における調波の存在が、超伝導共振器のアレイを1つのオクターブの帯域幅に制約しうる、という点にありうる。
更なる欠点は、ピーク値が装置の中心において発生する状態において、電流分布が、配線長に沿って正弦波状に変化しうる、という点にありうる。電流の変動を軽減するための1つの方式は、例えば、電流の変動が、例えば、ピーク値の90%内に留まる、セクションなどの、共振器の長さの1つのセクションのみを使用する、というものである。別の方式は、共振器の長さに沿って結合された装置に対する共振器の結合の強度を変化させる、というものである。更に別の方式は、共振器電流分布について補償するべく、交差している共振器の駆動振幅を調節する、というものである。後者の方式は、例えば、後述するXYアドレス指定方式において使用することができる。いくつかの実装において、共振器は、個々に動作している。いくつかの実装において、共振器は、共振器のグループとして動作している。
分散型超伝導共振器の別の例は、4分の1波長(λ/4)共振器である。4分の1波長共振器のピーク電流は、共振器の一端におけるものである。共振器のボディに沿った電流の変動は、共振器の長さの1つのセクション、具体的には、電流が、例えば、ピーク値の90%以内である、端部における、或いは、その近傍における、セクション、のみを使用することにより、軽減することができる。
集中素子共振器
超伝導共振器の別の実装は、集中素子共振器である。集中素子共振器の利点の1つは、電流分布が集中素子共振器の誘導部分に沿って実質的に均一でありうる、という点にある。更には、集中素子共振器は、コンパクトになることが可能であり、且つ、少なくともいくつかの実装において、1オクターブの帯域幅に制約されてはいない。例示用の一実装において、集中素子共振器は、5GHz~15GHzにおいて動作することが可能であり、且つ、10GHzの帯域幅をもたらしうる。
共振器多重化型のプログラミングシステムの実現可能な電子的帯域幅(本出願においては、システム帯域幅とも呼称されている)の利用に影響を及ぼしうる、いくつかの制約が存在している。同一又は類似の制約は、集中素子共振器以外の超伝導共振器の実装のシステム帯域幅にも影響を及ぼしうる。
第1に、システム帯域幅は、クロストークによって制約されうる。共振が、クロストークを低減するべく、相互に離隔している、いくつかの実装において、効果的なシステム帯域幅が、およそ30%だけ、制限されうる。間隔は、数ライン幅であってよい。例示用の一実装において、システム帯域幅は、4~8GHzであり、且つ、共振器当たりの帯域幅は、システム帯域幅内において共振周波数においてセンタリングされた約30MHzである。
第2に、層厚さの変動などの、製造における変動が、いくつかの実装において、およそ10%だけ、共振周波数をシフトさせうる。
第3に、共振器及び関連する配線のレイアウトが、共振器間周波数シフトを生成しうる。いくつかの実装において、共振器ボディは、共振器間周波数シフトを低減するべく、単一配線層内においてルーティングされている。ビアが使用されている、いくつかの実装においては、共振器のアレイは、共振器長さにおける微分変化(differential changes)、共振器間周波数シフト、及び汚染電子クロストークを回避するべく又は少なくとも低減するべく、アレイ内のすべての共振器について、共振器長さに沿ったほぼ同一の分布を伴って、同一数のビアを使用することができる。
第4に、相対的に高い周波数共振器は、相対的に低い周波数共振器よりも短くすることが可能であり、且つ、いくつかの例においては、共振器のアレイが、DACアドレス指定のために使用されている、プロセッサの幅にわたって延在するには、過剰に短くなりうる。この制約は、いくつかの実装においては、コンデンサのフットプリントを低減するべく、共振器内の平行プレートコンデンサの製造において、薄い誘電体層を使用することにより、軽減することができる。例えば、2018年4月20日付けで出願された、「SYSTEMS AND METHODS FOR FABRICATION OF SUPERCONDUCTING DEVICES」という名称の米国仮特許出願第62/660,719号を参照されたい。
いくつかの実装においては、3つ以下の層を使用することにより、プロセッサファブリック内において高度な隔離を有するマイクロ波信号をルーティングするべく、力学インダクタンス送信ラインが使用されている。例えば、2018年1月31日付けで出願された、「SYSTEMS AND METHODS FOR FABRICATION OF SUPERCONDUCTING INTEGRATED CIRCUITS」という名称の国際特許出願第WO2018US016237号を参照されたい。
高帯域幅ライン
図1は、本開示による、超伝導回路へのマイクロ波経路100の例示用の一実装を示す概略図である。マイクロ波経路100は、極低温冷凍システム内において位置決めされており、且つ、蒸留器102とサンプルホルダ104の間において延在している。極低温冷凍システムは、蒸留器102と、サンプルホルダ104と、混合チャンバ106と、を含む。マイクロ波経路100は、極低温冷凍システムを通じたマイクロ波経路である。蒸留器102、サンプルホルダ104、及び混合チャンバ106は、マイクロ波経路100用のコンテキストを提供するべく、図1においては、破線で示されている。
サンプルホルダ104は、超伝導回路を格納又は保持することができる。いくつかの実装において、超伝導回路は、集積超伝導回路である。いくつかの実装において、集積超伝導回路は、量子プロセッサを含む。いくつかの実装において、量子プロセッサは、複数の超伝導フラックスキュービットを含む。例えば、2009年9月3日付けで出願された(国際特許出願公開第WO2010/028183A2号として公開された)、「SYSTEMS, METHODS AND APPARATUS FOR ACTIVE COMPENSATION OF QUANTUM PROCESSOR ELEMENTS」という名称の国際特許出願第PCT/US2009/055939号を参照されたい。
マイクロ波経路100は、混合チャンバ106を横断している。マイクロ波経路100は、蒸留器102と混合チャンバ106の間において、超伝導同軸ケーブル108を含む。いくつかの実装において、超伝導ケーブル108は、超伝導NbTi同軸ケーブルである。
マイクロ波経路100は、動作帯域用の、帯域通過フィルタ110、パウダーフィルタ112、及びスイッチ114を含む。いくつかの実装において、パウダーフィルタ112は、超伝導パウダーフィルタである。帯域通過フィルタ110は、同軸ケーブル116により、パウダーフィルタ112に通信自在に結合されている。いくつかの実装において、帯域通過フィルタ110は、60GHz未満の周波数の90dB超の範囲外帯域抑圧を有する、GHz帯域通過フィルタである。帯域通過フィルタ110及びパウダーフィルタ112は、組合せにおいて、マイクロ波経路100上の信号のフィルタリングを少なくとも部分的に判定することができる。帯域通過フィルタ110及びパウダーフィルタ112の一方又は両方の使用は、いくつかの実装において、任意選択であってよい。フィルタを含む理由の1つは、量子プロセッサ内における装置などの、プログラミング装置のために使用される高帯域幅ライン上のノイズを低減する、というものである。
ほぼ4Kの温度において動作するいくつかの実装において、スイッチ114は、CMOSスイッチである。約4Kの温度において動作するその他の実装において、スイッチ114は、例えば、クライオトロンなどの、超伝導スイッチである。約10mKの温度において動作するいくつかの実装において、スイッチ114は、例えば、クライオトロンなどの、超伝導スイッチである。更にその他の実装において、スイッチ114は、図11、図12、及び図13を参照して本出願において記述されている広帯域スイッチである。図11、図12、及び図13の広帯域スイッチについては、2019年4月29日付で出願された、「DYNAMICAL ISOLATION OF A CRYOGENIC PROCESSOR」という名称の米国特許出願第16/397,790号において更に記述されている。
いくつかの実装において、同軸ケーブル116は、銅同軸ケーブルである。パウダーフィルタ112は、同軸ケーブル118により、スイッチ114に通信自在に結合される。いくつかの実装において、同軸ケーブル118は、銅同軸ケーブルである。スイッチ114は、同軸ケーブル120により、サンプルホルダ104に通信自在に結合される。いくつかの実装において、同軸ケーブル120は、銅同軸ケーブルである。
図2は、本開示による、超伝導回路へのマイクロ波経路の別の例示用の実装を示す概略図である。マイクロ波経路200は、極低温冷凍システム内において位置決めされており、且つ、蒸留器202とサンプルホルダ204の間において延在している。極低温冷凍システムは、蒸留器202と、サンプルホルダ204と、混合チャンバ206と、を含む。マイクロ波経路200は、極低温冷凍システムを通じたマイクロ波経路である。蒸留器202、サンプルホルダ204、及び混合チャンバ206は、マイクロ波経路200用のコンテキストを提供するべく、図2においては、破線として示されている。
サンプルホルダ204は、超伝導回路を格納又は保持することができる。いくつかの実装において、超伝導回路は、集積超伝導回路である。集積超伝導回路は、1つ又は複数のその他の超伝導プロセッサ又は装置を有する、量子プロセッサを有していてもよく、又は、含んでいてもよく、或いは、量子プロセッサから構成されていてもよい。いくつかの実装において、量子プロセッサは、複数の超伝導フラックスキュービットを含む。
マイクロ波経路200は、混合チャンバ206を横断している。マイクロ波経路200は、蒸留器202と混合チャンバ206の間において、同軸ケーブル208を含む。いくつかの実装において、同軸ケーブル108は、超伝導同軸ケーブルである。いくつかの実装において、同軸ケーブルは、ステンレス鋼同軸ケーブルである。
マイクロ波経路200は、帯域通過フィルタ210と、スイッチ212と、を含む。帯域通過フィルタ210は、同軸ケーブル214により、スイッチ212に通信自在に結合されている。いくつかの実装において、帯域通過フィルタ210は、60GHz未満の周波数の90dB超の範囲外帯域抑圧を有する、GHz帯域通過フィルタである。いくつかの実装において、同軸ケーブル214は、銅同軸ケーブルである。スイッチ212は、同軸ケーブル216により、サンプルホルダ204に通信自在に結合されている。いくつかの実装において、同軸ケーブル216は、銅同軸ケーブルである。
約4Kの温度において動作する、いくつかの実装において、スイッチ212は、CMOSスイッチである。約4Kの温度において動作するその他の実装において、スイッチ212は、例えば、クライオトロンなどの、超伝導スイッチである。約10mKの温度において動作するいくつかの実装において、スイッチ212は、例えば、クライオトロンなどの、超伝導スイッチである。
例示用の集中素子共振器
図3Aは、本開示による、超伝導半波共振器302及び送信ライン304を含む、超伝導回路300の例示用の一実装の一部分の概略レイアウトである。例えば、超伝導半波共振器302は、マイクロストリップ共振器、コプレーナ導波路(CPW:Coplanar Waveguide)共振器、或いは、集中素子共振器であってよい。例えば、送信ライン304は、マイクロストリップ送信ライン、CPW送信ライン、或いは、同軸送信ラインであってよい。
超伝導半波共振器302は、共振器ボディ306を含む。図3Aは、共振器ボディ306の一部分を示す。一実装において、共振器ボディ306は、長さが7mmである。
(図3Aにおいて、ハッチングによって示されている)領域308は、電流が、最大電流の適切な閾値内である、領域である。いくつかの実装において、適切な閾値は、最大電流の90%である。いくつかの実装において、DACへの結合のために使用されてはいない共振器ボディ306の長さは、例えば、超伝導半波共振器302のコンパクトさを向上させるべく、蛇行状の形状においてルーティングされている。
図3Bは、図3Aの超伝導半波共振器302の結合領域310の拡大図である。超伝導半波共振器302は、配線312と、結合コンデンサ314と、を含む。いくつかの実装において、結合コンデンサ314は、平行プレートコンデンサである。いくつかの実装において、結合コンデンサ314は、平行プレートコンデンサ内の誘電体のために、薄膜金属酸化物層を含む。例えば、2018年4月20日付けで出願された、「SYSTEMS AND METHODS FOR FABRICATION OF SUPERCONDUCTING DEVICES」という名称の米国仮特許出願第62/660,719号を参照されたい。一実装において、結合コンデンサ314は、30μm×20μmの寸法を有する。
超伝導回路300は、例えば、送信ライン304と結合コンデンサ314の下部コンデンサプレート(図3Bには、図示されていない)の間において超伝導通信結合を提供するべく、ビア316を含む。
超伝導半波共振器302は、(図3A及び図3Bには示されていない)他端において、接地に対する対称的な結合を有しうる(本出願においては、電気接地とも呼称されている)。いくつかの実装において、配線312及び/又は送信ライン304は、1μmの二酸化ケイ素(SiO2)の誘電体上において、2μmのラインを含んでおり、これは、50Ωに近いインピーダンスを提供しうる。
一実装において、超伝導半波共振器302は、約35MHzの帯域幅を伴って、9.58GHzにおいて共振を有する。
図4Aは、本開示による、超伝導集中素子共振器402及び送信ライン404を含む超伝導回路400aの例示用の一実装の一部分の概略レイアウトである。超伝導集中素子共振器402は、共振器ボディ406を含む。
(図4Aにおいて、ハッチングによって示されている)領域408は、電流が、最大電流の適切な閾値内である、領域である。いくつかの実装において、適切な閾値は、最大電流の90%である。
図4Bは、図4Aの超伝導集中素子共振器402の結合領域410の拡大図である。超伝導集中素子共振器402は、配線412と、結合コンデンサ414と、シャントコンデンサ416と、を含む。いくつかの実装において、結合コンデンサ414は、平行プレートコンデンサである。いくつかの実装において、結合コンデンサ414は、平行プレートコンデンサ内の誘電体のために、薄膜金属酸化物層を含む。一実装において、結合コンデンサ414は、30μm×30μmの寸法を有する。一実装において、シャントコンデンサ416は、100μm×120μmの寸法を有する。
超伝導集中素子共振器302は、他端において、接地に対する対称的な結合を有することができる。いくつかの実装において、配線412及び/又は送信ライン404は、1μmの二酸化ケイ素(SiO2)の誘電体上において、2μmのラインを含んでおり、これは、50Ωに近いインピーダンスを提供しうる。
一実装において、超伝導集中素子共振器402は、約30MHzの帯域幅を伴って、9.62GHzにおいて共振を有する。
図4Cは、本開示による、超伝導集中素子共振器418及び送信ライン420を含む、超伝導回路400cの例示用の一実装の一部分の断面の概略図である。
超伝導回路400cは、多層超伝導集積回路内において実装されている。送信ライン420は、接地プレート422に結合されている。送信ライン420は、超伝導ビア424及び超伝導配線426を介して、(図4Bの結合コンデンサ414などの)結合コンデンサの下部プレート428に超伝導的に通信自在に結合されている。
結合コンデンサの上部プレート430は、共振器ボディ432に、且つ、超伝導集中素子共振器418を接地プレート436に結合するコンデンサの上部プレート434に、超伝導的に通信自在に結合されている。
共振器アドレス指定型のDAC
超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)の共振器アドレス指定は、ラッチングを実行するべく、動作の際に、DACを使用することができる。共振器アドレス指定は、本出願においては、DACの共振器ローディングとも呼称されている。共振器は、DACと統合することができると共に、例えば、ADDRライン及び/又はTRIGラインを置換するべく、使用することができる。
超伝導DACは、フラックスメモリ又はフラックス保存装置である。DACは、デジタル量のフラックスをアナログ装置内において保存されるフラックスに変換することができる。
いくつかの実装において、DACは、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループを含んでおり、この場合に、ループは、1つ又は複数のジョセフソン接合によって中断されている。一実装において、DACは、rf-SQUIDであり、且つ、単一ジョセフソン接合によって中断された超伝導ループを含む。別の実装において、DACは、複合ジョセフソン接合(CJJ)によって中断された超伝導ループである。DACのCJJループは、磁束用の加算要素として振る舞うことができる。ループは、ワイヤ(例えば、ツイストペア)によって提供されたDC電流を共振器によって誘発された電流と組み合わせることができる。いくつかの実装において、ワイヤは、グローバルに共有されており、即ち、プロセッサ内のすべてのDACによって共有されており、且つ、ワイヤは、グローバルなバイアス信号を提供することができる。
フラックスをDAC内において保存することは、フラックスをDACのCJJループに追加することと、DACのCJJループ内のフラックスをDACの保存ループ内に(即ち、DACの超伝導ループ内に)移動させることと、を含む。フラックスは、1つ又は複数の制御信号又はバイアスを使用してCJJ内のジョセフソン接合を抑圧することにより、超伝導DACのCJJループに追加することができる。フラックスは、1つ又は複数の制御信号又はバイアスを使用してCJJループ内の別のジョセフソン接合を抑圧することにより、DAC保存ループ内に移動させることができる。複数のフラックス量子をCJJループを使用して実装された超伝導DAC内において保存することができる。
例えば、集積回路内の超伝導装置を制御するべく動作するフラックスDACの説明については、Johnson M.W. et al.“A scalable control system for a superconducting adiabatic quantum optimization processor”, arXiv:0907.3757v2, 24 March 2010を参照されたい。
共振器のアレイは、アドレス指定を可能にするべく、グローバルバイアス信号と組み合わせられうる1つ又は複数の信号を提供するために使用することができる。
図5Aは、本開示による、共振器アドレス指定型のDAC502を含む、超伝導回路500aの例示用の一実装を示す概略図である。
超伝導回路500a内において、共振器アドレス指定型のDAC502は、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループ504と、CJJ506と、を含む。CJJ506は、それぞれが、それぞれ、ジョセフソン接合508及び510である、ジョセフソン接合によって中断された、2つの並列電流経路を含む。
超伝導回路500aは、共振器512と、送信ライン514と、グローバルフラックスバイアスライン516-1によってグローバルフラックスバイアスを提供するべく動作可能であるインターフェイス516と、を更に含む。共振器512は、結合コンデンサ518及び520と、共振器アドレス指定型のDAC502に対する誘導インターフェイス522と、任意選択のシャントコンデンサ524と、を含む。「誘導インターフェイス」という用語は、本出願においては、結合インダクタンスとも呼称されている。結合インダクタンス522は、例えば、共振器512及び共振器アドレス指定型のDAC502を通信自在に誘導的に結合している。
超伝導回路500aは、電流バイアスを共振器アドレス指定型のDAC502に提供するべく動作可能である電流バイアスライン526を更に含む。
いくつかの実装において、複数の共振器は、単一のDACのCJJループに結合されている。図5Bは、本開示による、共振器アドレス指定型のデジタル-アナログコンバータ(DAC)502を含む、超伝導回路500bの別の例示用の実装を示す概略図である。
図5Bにおいては、図5Aにおいて使用されている同一の参照符号が、同一又は類似の要素を表記するべく、図5Bにおいて使用されている。図5Bの実装における所与の要素の複数が存在している例においては、参照符号は、例えば、「a」又は「b」などの、添え字を有する。
超伝導回路500b内において、共振器アドレス指定型のDAC502は、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループ504と、CJJ506と、を含む。CJJ506は、それぞれが、それぞれ、ジョセフソン接合508及び510である、ジョセフソン接合によって中断された、2つの並列電流経路を含む。
超伝導回路500bは、共振器のペア512a及び512bと、送信ライン514と、グローバルフラックスバイアスライン516-1によってグローバルフラックスバイアスを提供するべく動作可能であるインターフェイス516と、を更に含む。共振器512aは、結合コンデンサ518a及び520aと、共振器アドレス指定型のDAC502に対する誘導インターフェイス522aと、図5Aの任意選択のシャントコンデンサ524のような、任意選択のシャントコンデンサ(図5Bには、わかりやすさを目的として図示されてはいない)と、を含む。共振器512bは、結合コンデンサ518b及び520bと、共振器アドレス指定型のDAC502に対する誘導インターフェイス522bと、図5Aの任意選択のシャントコンデンサ524のような、任意選択のシャントコンデンサ(わかりやすさを目的として、図5Bには、図示されていない)と、を含む。
超伝導回路500bは、電流バイアスを共振器アドレス指定型のDAC502に提供するべく動作可能である電流バイアスライン526を更に含む。
一実装において、共振器512a及び512bは、いずれも、送信ライン514に結合されている。別の実装において、共振器512aは、送信ライン514に結合されており、且つ、共振器512bは、(図5Bには、示されていない)別の送信ラインに結合されている。
2つの共振器が、同一のDACのCJJループに結合されている、一例においては、DACのプログラミングは、低周波数バイアス信号及び2つのマイクロ波信号が、判定されたアドレスラッチングレベルを超過するべく、肯定的に組み合わせられるようにすることにより、実現することができる。この構成は、例えば、以下のように、DACの組用のXYアドレス指定方式を構築するべく、使用することができる。第1に、DC電流バイアスが、本出願においてはパワーライン(PWR)と呼称されている、ラインにより、DACに印加される。次に、(図5A及び図5Bのグローバルフラックスバイアスライン516-1などの)グローバル低周波数バイアスアドレスラインが、DACのCJJループの組のそれぞれのDACのCJJループに結合される。次いで、共振器のアレイが、2次元X-Yグリッド内において、プロセッサに跨って、レイアウトされる。選択されたDACのプログラミングは、DACのCJJループの組を事前バイアスし、且つ、選択されたDACと交差している2つの共振器(本出願においては、アドレス及びトリガ共振器とも呼称されている)を起動することにより、実現することができる。
選択されたDACは、(それぞれ、周波数flo及びfhiにおける)2つのマイクロ波トーンが、選択されたDACにおいて、肯定的に加算される際に、プログラミングすることができる。2つのマイクロ波トーンの間の相対位相は、以下の式によって付与される角周波数ωにおいて変化しうる。
ω=2π(fhi-flo
相対的に高周波数のトーンは、低周波数のトーンとの関係において、(δθ=ω/flo)ラジアン/サイクルだけ、進みうる。低周波数のトーンが最大値に位置するごとに、高周波数のトーンは、δθの角度だけ、進んでいる可能性がある。角度δθは、最大値が1サイクル内においてビート周波数に接近しうる、最接近を表すことが可能であり、且つ、角度δθは、ビート周波数ωに線形で比例しうることから、相対的に小さなビート周波数ωを選択することが望ましくありうる。その一方で、ビート周波数ωが小さいほど、完全な2π回転を完了させるのに所要する時間が長くなる。
共振器が、τ=1/(2πΔf)の数倍以下において充電される状態に残すことが望ましくありうる。この場合に、Δfは、帯域幅/トーンである。通常、共振器を充電及び放電するには、τの数倍を所要しうる。プログラミングは、効率的な帯域幅利用を目的として、ほぼ同一のタイムスケールにおいて完了させることができる。これは、ビート周波数を共振器のライン幅に対してマッチングすることが望ましくありうる、ことを示唆している。
これは、ビート周波数は、ほぼ共振器ライン幅にマッチングされるべきである(ω~2πΔf)-という、妥当な時間内においてプログラミングを完了させるための基準に結び付く。これは、チャネルの間のクロストークを回避又は少なくとも低減するべく、数ライン幅Δfだけ、単一アレイ内の共振を分離するべきである、という選好と一貫性を有する。ビート周波数が判定されたら、一般には、判定されたビート周波数と一貫性を有する相対的に高い周波数となるように、共振器周波数を選択することができる。
図5Cは、本開示による、共振器アドレス指定型のデジタル-アナログコンバータ(DAC)のペア502a及び502bを含む、超伝導回路500cの例示用の一実装を示す概略図である。
図5Cにおいては、図5Aにおいて使用されている、同一の参照符号が、同一又は類似の要素を表記するべく、使用されている。図5Cの実装における所与の要素の複数が存在している例においては、参照符号は、例えば、「a」又は「b」などの、添え字を有する。
超伝導回路500cにおいて、共振器アドレス指定型のDAC502aは、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループ504aと、CJJ506aと、を含む。CJJ506aは、それぞれが、それぞれ、ジョセフソン接合508a及び510aである、ジョセフソン接合によって中断された、2つの並列電流経路を含む。共振器アドレス指定型のDAC502bは、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループ504bと、CJJ506bと、を含む。CJJ506bは、それぞれが、それぞれ、ジョセフソン接合508b及び510bである、ジョセフソン接合によって中断された2つの並列電流経路を含む。
超伝導回路500cは、共振器512と、送信ライン514と、グローバルフラックスバイアスライン516-1によってグローバルフラックスバイアスを提供するべく動作可能であるインターフェイス516a、516bと、を更に含む。共振器512は、結合コンデンサ518及び520と、共振器アドレス指定型のDAC502aに対する誘導インターフェイス522aと、共振器アドレス指定型のDAC502bに対する誘導インターフェイス522bと、任意選択のシャントコンデンサ524と、を含む。
超伝導回路500cは、電流バイアスを共振器アドレス指定型のDAC502aに提供するべく動作可能である電流バイアスライン526aと、電流バイアスを共振器アドレス指定型のDAC502bに提供するべく動作可能である電流バイアスライン526bと、を更に含む。
図5Cの共振器512のボディに沿った電流の変動は、DACのCJJループ502a及び502bに対する共振器512のそれぞれの結合をチューニングすることにより、少なくとも部分的に補償することができる。いくつかの実装において、共振器512は、2つ超のDACのCJJループに結合することが可能であり(図5Cには、2つのDACのCJJループのみが示されている)、且つ、共振器512のボディに沿った電流の変動は、個々のDACのCJJループに対する共振器512の結合をチューニングすることにより、少なくとも部分的に補償することができる。
図5Dは、本開示による、共振器アドレス指定型のデジタル-アナログコンバータ(DAC)502を含む、超伝導回路500dの別の例示用の実装を示す概略図である。
図5Dの共振器512は、DC-SQUID528を含む。DC-SQUID528は、ジョセフソン接合のペア530及び532を含む。超伝導回路500dは、インターフェイス534を含む。インターフェイス534は、例えば、DAC又はアナログラインにより、提供することができる。図5Dの共振器512の共振周波数は、フラックスバイアスをインターフェイス534によってDC-SQUID532に印加することにより、チューニングすることができる。
いくつかの実装において、ジョセフソン接合530及び532のうちの少なくとも1つのものの臨界電流は、大きさにおいて、共振器512内の電流に匹敵している。
結合コンデンサ518により、図5A、図5C、及び図5Dの共振器512を送信ライン514に容量的に通信自在に結合する代わりに、共振器512は、誘導結合により、送信ライン514に通信自在に結合することができる。例えば、共振器512は、共振器512のボディの一部分に対する誘導結合により、送信ライン514に誘導的に通信自在に結合することができる。
同様に、個々の結合コンデンサにより、図5Bの共振器512a及び512bのそれぞれを個々の送信ラインに容量的に通信自在に結合する代わりに、共振器512a及び512bのうちの少なくとも1つは、共振器のボディの一部分に対する誘導結合により、個々の送信ラインに誘導的に通信自在に結合することもできる。
図5Eは、本開示による、共振器アドレス指定型のデジタル-アナログコンバータ(DAC)502と、送信ライン514に誘導的に結合された共振器512と、を含む、超伝導回路500eの例示用の一実装を示す概略図である。図5Eにおいては、図5Aにおいて使用されている、同一の参照符号が、同一又は類似の要素を表記するべく、使用されている。
超伝導回路500eは、送信ラインインダクタンス536と、マッチングコンデンサ538及び540と、を含む。マッチングコンデンサ538及び540は、(例えば、送信ライン514のインピーダンスが、ほぼ50Ωとなるようにするべく)送信ライン514のインピーダンスを少なくとも部分的にチューニングすることができる。
共振器512は、送信ラインインダクタンス536により、送信ライン514に誘導的に通信自在に結合することができる。共振器512は、1つ又は複数のDAC又はその他の超伝導装置をアドレス指定するべく、使用することができる。共振器512は、共振器アドレス指定型のDAC502に対する誘導インターフェイス522を含む第1部分542と、別の共振器アドレス指定型のDACに対する誘導インターフェイス546を含む第2部分544(図5Eには、示されていない)と、を含む。第1部分542は、コンデンサ520を含み、且つ、第2部分544は、コンデンサ548を含む。
図5Fは、本開示による、共振器アドレス指定型のデジタル-アナログコンバータ(DAC)502と、送信ライン514に誘導的に結合された共振器512と、を含む、超伝導回路500fの別の例示用の実装を示す概略図である。図5Fにおいては、図5Aにおいて使用されている、同一の参照符号が、同一又は類似の要素を表記するべく、使用されている。超伝導回路500fは、送信ラインインダクタンス536により、共振器512を送信ライン514に誘導的に通信自在に結合しうる結合インダクタンス550を含む。
図6は、本開示による、DACをプログラミングする例示用の方法600を示すフローチャートである。図6は、標準的な30MHzラインを使用して単一フラックス量子をDAC保存ループ内にローディングするべく使用される電流のシーケンスを示している。方法600は、プログラミングシステムにより、実装することができる。例えば、方法600は、室温において動作している電子回路内において実装することができる。いくつかの実装において、高周波数トーンの位相及び振幅は、例えば、室温において動作している電子回路により、制御可能である。
方法600は、行為602~618を含むが、当業者は、代替実施形態においては、特定の行為が省略されうる及び/又は、更なる行為が追加されうる、ことを理解するであろう。当業者は、図示の行為の順序が、例示を目的として示されているものに過ぎず、且つ、代替実施形態においては、変化しうる、ことを理解するであろう。
方法600は、例えば、DACのプログラミングの開始に応答して、602において始まっている。604において、共振器アドレス指定型のDACへの電流ライン内のDACパワーレベル(図5Aの共振器アドレス指定型のDAC502などの)を事前較正されたレベル又は定義された較正レベルに上昇させている。606において、グローバルアドレスバイアスラインを事前較正されたレベル又は定義された較正レベルに上昇させ、これにより、フラックスバイアスを1つ又は複数の共振器アドレス指定型のDACに印加している。このレベルは、高周波数マイクロ波パルスが(図5Aの送信ライン514などの)送信ライン及び(図5Aの共振器512などの)共振器によって印加された際に、レベルが、既定の又は定義された上部閾値と交差するようにするべく、較正されている。上部閾値は、上部閾値が、グローバルバイアス及び高周波数マイクロ波パルスを印加及び組み合わせることによって超過された際に、フラックス量子がCJJループ内に追加されるようにするべく、選択されている。
608において、例えば、選択された共振器アドレス指定型のDACへ、などのように、選択された装置に、高周波数ADDR及び/又はTRIG(X及び/又はY)マイクロ波パルスを印加している。XYアドレス指定方式において、ADDR(又は、X)ラインによってDACに注入されるフラックスバイアスは、組み合わせられたアドレス信号電流(図7を参照されたい)が、DACをプログラミングするための閾値を超過するようにするべく必要とされるフラックスの半分であり、且つ、TRIG(又は、Y)ラインによってDAC内に注入されるフラックスバイアスも、同様に、組み合わせられたアドレス信号電流がDACをプログラミングするための閾値を超過するようにするべく必要とされるフラックスの半分である。DACは、閾値が、組み合わせられたアドレス信号電流内において超過された際にのみ、プログラミングされている(図7A~図7C及び添付の説明を参照されたい)。本出願において記述されているシステム及び方法は、a)十分なフラックスバイアスがグローバルアドレスバイアスラインによって印加される、且つ、b)ADDR(X)及びTRIG(Y)アドレスライン上にパルスが存在している、際に、閾値が超過されるようにしている。
グローバルフラックスバイアスの使用は、少なくとも以下の2つの理由から有益でありうる。第1に、バイアスが、対称性を破壊しており、且つ、上述の方法が、DACが「デプログラミング」されるようにする可能性を除去している、或いは、これを少なくとも低減している。第2に、バイアスが、高周波数マイクロ波パルスのパワー要件を低減している。
610において、プログラミングシステムは、アドレスラインを降下させる準備が整っているかどうかを判定している。プログラミングシステムが、アドレスラインを降下させる準備が整っていると判定した場合に、方法600は、612に進み、さもなければ、待機を継続する。612において、グローバルアドレスバイアスラインレベルを既定の閾値未満に降下させ、これにより、DACに印加されるグローバルフラックスバイアスを低減している。既定の下部閾値未満にアドレスラインを降下させることにより、フラックス量子がDAC保存ループ内に移動するようにしている。
614において、プログラミングシステムは、プログラミングが完了したかどうかを判定している。プログラミングシステムが、プログラミングが完了していると判定した場合に、方法600は、616に進み、さもなければ、待機を継続する。616において、パワーラインは、その初期レベルに戻している。いくつかの実装において、パワーラインは、ゼロ電流に戻されている。618において、アドレスラインをその初期レベルに戻している。いくつかの実装において、アドレスラインは、ゼロ電流に戻されている。
図7A、図7B、及び図7Cは、本開示による単一フラックス量子のローディングにおける例示用の時系列を示すプロットを示すグラフである。図7Aは、時間の関数としての、組み合わせられたアドレス信号電流702のプロットである。組み合わせられたアドレス信号電流702は、グローバルバイアス704と、高周波数パルス706と、を含む。DACのCJJループ内への単一フラックス量子のローディングをもたらすべく、組み合わせられたアドレス信号電流が、閾値708超に上昇している。
図7Bは、時間の関数としての、パワー信号電流710のプロットである。時点tにおいて、パワー信号電流710が上昇している。時点tにおいて、パワー信号電流710が上昇している。
再度図7Aを参照すれば、組み合わせられたアドレス信号電流は、時点tにおいて閾値708を超過している。時点tにおいて、グローバルバイアス704が降下しており、これにより、組み合わせられたアドレス信号電流702が降下している。
図7Cは、時間の関数としての、DAC保存ループ内の永久電流712のプロットである。永久電流712が、時点tにおいてステップダウンし、且つ、時点tにおいても、再度ステップダウンしている。時点tにおいて、永久電流712は、既定の下部閾値714未満にステップダウンしている。
図7Cに示されている例において、tにおけるDAC永久電流は、ゼロである。tの後に、永久電流712は、DACのCJJループに追加された磁束によって誘発された電流を含む。tにおいて、永久電流712は、DACのCJJループからDAC保存ループ内に移動した磁束によって誘発された電流を含む。tの後に、永久電流712は、DAC内において保存されている1つ又は複数のフラックス量子によって誘発された電流を含む。
DAC内への1つ又は複数のフラックス量子のローディングは、本出願においては、DACのプログラミングとも呼称されている。また、DACのプログラミングは、DAC保存ループから1つ又は複数のフラックス量子を除去することをも含みうる。一実装において、DAC保存ループから1つ又は複数のフラックス量子を除去することは、アドレスライン上において信号を反転させることを含む。
プログラミングが、交差している共振器によって完了されうることを保証するべく、2つの更なる制御インターフェイスを含むことができる。2つの更なる制御インターフェイスは、駆動トーンの位相及び振幅を制御するためのものである(本出願においては、共振周波数とも呼称されている)。駆動トーンの位相及び振幅が、ターゲットDAC用のプログラミングと一貫性を有する状態において調節されうる、範囲を判定するべく、較正を使用することができる。範囲のサイズに応じて、同時に複数の装置をプログラミングすることが可能でありうる。範囲のサイズは、a)共振器の長さにわたる電流振幅の変動、及び/又は、b)それぞれの共振器と個々のCJJループの間の結合における均質性の程度、に少なくとも部分的に依存しうる。
超伝導装置用のアドレス指定技術
図8は、共振器アドレス指定型のDACを含む、本出願において記述されているシステム及び方法を内蔵しうる、デジタルコンピュータ802及び量子コンピュータ804を含む、少なくとも1つの例示用の実装によるハイブリッド演算システム800を示している。
デジタルコンピュータ802は、CPU806と、ユーザーインターフェイス要素808、810、812、及び814と、ディスク816と、コントローラ818と、バス820と、メモリ822と、を有する。メモリ822は、モジュール824、826、828、830、832、及び834を有する。
量子コンピュータ804は、量子プロセッサ836と、読み出し制御システム838と、キュービット制御システム840と、カプラ制御システム842と、を有する。量子コンピュータ804は、(図3Aの超伝導共振器300などの)超伝導共振器を有するFMR技術を内蔵することができる。演算システム800は、図5A~図5Fの共振器アドレス指定型のDAC502などの、共振器アドレス指定型のDACを有することができる。
パワーライン(Z)周波数多重型のフラックスDACアドレス指定
上述のように、例えば、DACなどのフラックス保存装置のような、超伝導装置をアドレス指定するための従来の方式の欠点は、実装が、製造に費用を所要しうる、障害に脆弱でありうる、且つ、内部フィルタ加熱からの高エネルギーフォトンのソースとなりうる、多数のワイヤ及び超伝導低域通過フィルタを含みうる、というものでありうる。いくつかの実装において、ワイヤは、ツイストペアであり、且つ、低域通過フィルタは、カスタムメイドの超伝導低域通過フィルタである。本出願において記述されているシステム及び方法は、相対的に大きな帯域幅及び低減された複雑さを提供しうる同軸ケーブルによってワイヤを置換することを含む。相対的に大きな帯域幅の利益は、プロセッサ入出力(I/O)速度の改善でありうる。
本出願において記述されているシステム及び方法は、マイクロ波ライン上における信号の周波数ドメイン多重化を含む。本出願において記述されているシステム及び方法は、較正された共振器振幅によってパワーライン共振器を起動するための信号を使用することにより、且つ、XYアドレス指定方式を実装するための(本出願において記述されているトリガ及びアドレス信号などの)信号を使用することにより、DAC、或いは、超伝導回路上のその他の適切な超伝導装置、をプログラミングすることを含む。
アドレス指定方式のいくつかの実装において、超伝導装置は、3つの外部バイアス信号の組合せを使用することにより、3次元グリッド上においてアドレス指定可能である。これらの外部バイアス信号のうちの1つは、通常、1つ又は複数の超伝導装置の組に提供されている共通電流バイアスである。共通電流バイアスを提供しているラインは、本出願においては、パワー(PWR)ラインと呼称されている。それぞれのPWRラインは、電流バイアスを1つ又は複数の超伝導装置の個々の組に提供することができる。
その他の2つのバイアス信号は、本出願においては、トリガ(TRIG)及びアドレス(ADDR)バイアスと呼称されている。例えば、本出願における以前のフラックスDACのXYZ-アドレス指定の説明を参照されたい。
図5A~図5F、図6、及び図7A~図7Cを参照して上述したように、2つの超伝導共振器に結合されたDACのプログラミングは、低周波数バイアス信号及び2つのマイクロ波信号が、判定されたアドレスラッチングレベルを超過するべく肯定的に組み合わせられるようにすることにより、実現することができる。この構成は、DACの組用のXY-アドレス指定方式を構築するべく、使用することができる。一実装において、超伝導共振器のアレイは、2次元グリッド内において、超伝導集積回路(例えば、量子プロセッサ)に跨ってレイアウトされている。グローバル低周波数バイアスアドレスラインは、DACのCJJループの組のそれぞれのDACのCJJループに結合されている。選択されたDACのプログラミングは、DACのCJJループの組を事前バイアスし、且つ、選択されたDACと交差している2つの共振器(本出願においては、アドレス及びトリガ共振器とも呼称されている)を起動することにより、実現されている。
いくつかの実装は、XYZアドレス指定方式を利用している。低周波数又はDC電流バイアスは、本出願においては、パワー(PWR)ラインと呼称されている、ラインにより、DACに印加されている。図5A及び図5Bの電流バイアスライン526、並びに、図5Cの電流バイアスライン526a及び526bは、PWRラインの例である。
従来の構成においては、PWRラインは、DCバイアスを提供しており、且つ、一般には、DACのボディにガルバニックな方式で結合されている。DCバイアスは、本出願においては、ドメイン又はパワードメインと呼称されている、DACのアレイに印加することができる。ドメインは、XYZアドレス指定方式においては、Z次元である。量子プロセッサの例示用の一実装において、量子プロセッサは、24個のツイストペアラインによって供給されている24個のドメインを含む。ドメイン内におけるDACのプログラミングは、DCバイアスをドメインに印加することと、(上述の)XY信号をDACのCJJループに印加することと、を含むことができる。
本出願は、超伝導共振器によってPWRバイアスを提供するための技術について記述している。ドメインは、超伝導共振器に結合された1つ又は複数のDACを含みうる。超伝導共振器には、超伝導共振器のボディを通じて、DC電流としてのDCバイアスを供給することができる。DC電流は、複数の共振器に共通したものでありうると共に、例えば、単一のツイストペアにより、供給することができる。ドメインは、共振器内においてマイクロ波電流を励起することにより、(ドメインのZアドレス指定を提供するべく)起動することができる。
PWRラインは、周波数多重化することができる。送信ライン上における周波数多重化は、送信ラインに結合された共振器のアレイのうちの1つを起動するべく、使用することができる。
本出願において記述されている技術のいくつかの実装において、PWRバイアスを提供するべく使用されている超伝導共振器は、マイクロ波送信ラインに通信自在に結合された超伝導共振器であってよい。
本出願において記述されている技術は、低周波数(又は、DC)PWRバイアスが、PWRアドレス指定を提供するべく、共振器ボディに沿って高周波数(例えば、マイクロ波)電流と組み合わせられるようにすることができる。低周波数バイアスは、複数の共振器に印加することができる。低周波数バイアスは、共振器の組に印加されるグローバルバイアスであってよい。
いくつかの実装(例えば、図9A及び図9Bを参照して後述する実装)において、DAC(或いは、その他の適切な超伝導装置又はフラックス保存装置)をプログラミングすることは、共振器ボディ内において低周波数(或いは、DC)及び高周波数(或いは、マイクロ波)電流を加算することを含む。その他の実装(例えば、図5A~図5F、図6、及び図7A~図7Cを参照して記述されている実装)において、低周波数及び高周波数信号は、(図5AのCJJ506などの)CJJ内におけるフラックスの加算により、組み合わせられている。
本出願において記述されている技術は、超伝導共振器をDCラインと統合している。いくつかの実装において、DCラインは、電子フィルタと統合されている。いくつかの実装において、超伝導共振器(或いは、超伝導共振器のアレイ)及びDCラインは、オンチップ状態において統合されている。統合されたコンポーネントは、少なくとも2つの周波数帯域(例えば、マイクロ波及びDC)内において電流を加算することができる。
一般に、超伝導共振器までの低周波数信号経路は、マイクロ波周波数において、高インピーダンスを有することが望ましい。マイクロ波周波数において高インピーダンスを有する理由の1つは、超伝導共振器上の負荷を低減する、というものである。低周波数信号経路内において電子フィルタを包含することにより、低周波数(或いは、DC)ラインが、例えば、超伝導共振器の共振周波数などの、マイクロ波周波数において、高インピーダンスを有するものとして表されるようにすることができる。いくつかの実装(図10を参照して記述されているもの、並びに、超伝導共振器のアレイを含むもの、を含む)において、低周波数信号経路内における電子フィルタの包含は、2つの超伝導共振器のデカプリングをもたらしうる。
図9Aは、本開示による、超伝導回路900aの例示用の一実装を示す概略図である。超伝導回路900aは、超伝導共振器によってアドレス指定される超伝導装置を含む。超伝導装置は、本開示によれば、図9Aの共振器アドレス指定型のDAC902などの、超伝導フラックス保存装置であってよい。
超伝導回路900aは、共振器アドレス指定型のDAC902のZ(パワーライン)アドレス指定を提供することができる。上述のように、DCバイアスを共振器のボディに供給することが可能であり、且つ、マイクロ波送信ラインからの高周波数電流と加算することができる。Z(パワーライン)アドレス指定は、高周波数(マイクロ波)電流を使用してドメインを選択的に起動することにより、実現することができる。
超伝導回路900a内において、共振器アドレス指定型のDAC902は、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループ904と、複合ジョセフソン接合(CJJ)906と、を含む。CJJ906は、それぞれが、それぞれ、ジョセフソン接合908及び910である、ジョセフソン接合によって中断された、2つの並列電流経路を含む。
超伝導回路900aは、共振器912と、送信ライン914と、を更に含む。図9Aの共振器912は、本出願においては、パワー(PWR)ライン共振器と呼称されている。共振器912は、結合コンデンサ916及び918と、共振器アドレス指定型のDAC902までのライン920及び922と、を含む。
ライン920及び922は、電子フィルタ926により、低周波数(或いは、DC)信号ソース924に通信自在に結合されている。電子フィルタ926は、選択された周波数成分を除去するべく、動作可能である。選択された周波数成分は、高周波数成分を含みうる。選択された周波数成分は、超伝導共振器の共振周波数を含みうる。電子フィルタ926は、低域通過フィルタ、ノッチフィルタ、又は帯域通過フィルタであってよい。
共振器912を送信ライン914に結合コンデンサ916によって容量的に通信自在に結合する代わりに、共振器912は、誘導結合により、送信ライン914に通信自在に結合することもできる。例えば、共振器912は、共振器912のボディの一部分に対する誘導結合により、送信ライン914に誘導的に通信自在に結合することができる。例えば、図5E及び図5Fを参照されたい。
いくつかの実装において、複数の共振器は、単一のDACのCJJループに結合されている。例えば、図5Bを参照されたい。
図9Bは、本開示による、超伝導回路900bの別の例示用の実装を示す概略図である。超伝導回路900bは、超伝導共振器によってアドレス指定されている超伝導装置を含む。超伝導装置は、図9Bの共振器アドレス指定型のDAC902などの、超伝導フラックス保存装置であってよい。図9Bにおいては、図9Aにおいて使用されている、同一の参照符号が、同一又は類似の要素を表記するべく、使用されている。
超伝導回路900b内において、共振器アドレス指定型のDAC902は、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループ904と、CJJ906と、を含む。CJJ906は、それぞれが、それぞれ、ジョセフソン接合908及び910である、ジョセフソン接合によって中断された、2つの並列電流経路を含む。
超伝導回路900aは、共振器912と、送信ライン914と、を更に含む。図9Bの共振器912は、本出願においては、XY共振器と呼称されている。共振器912は、結合コンデンサ916及び918と、共振器912までのライン920及び922と、を含む。
ライン920及び922は、電子フィルタ926により、低周波数(又は、DC)信号ソース924に通信自在に結合されている。電子フィルタ926は、選択された周波数成分を除去するべく、動作可能である。選択された周波数成分は、高周波数成分を含みうる。選択された周波数成分は、超伝導共振器の共振周波数を含みうる。電子フィルタ926は、低域通過フィルタ、ノッチフィルタ、又は帯域通過フィルタであってよい。
再度図5Aを参照すれば、超伝導回路500aは、共振器512(本出願においては、本出願において記述されているXYアドレス指定におけるその役割から-XY共振器と呼称されている)と、インターフェイス516と、グローバルフラックスバイアスライン516-1と、を含む。図9Bの超伝導回路900bの実装において、インターフェイス516及びグローバルフラックスバイアスライン516-1は、電子フィルタ926を含む信号経路上において信号ソース924によって図9Bの共振器912のボディに供給されるDC電流バイアスにより、置換されている。
超伝導回路500aとの比較における超伝導回路900bの利益は、インターフェイス516及びグローバルフラックスバイアスライン516-1が、いくつかの実装においては、除去されていてもよく、これにより、例えば、超伝導集積回路上の超伝導回路900bによって占有される面積の低減、などのように、超伝導回路900bのレイアウトに伴う問題が低減される、という点にある。
図9Bの共振器912を結合コンデンサ916によって送信ライン914に容量的に通信自在に結合する代わりに、共振器912は、誘導結合により、送信ライン914に通信自在に結合することもできる。例えば、共振器912は、共振器912のボディの一部分に対する誘導結合により、送信ライン914に誘導的に通信自在に結合することができる。例えば、図5E及び5Fを参照されたい。いくつかの実装においては、複数の共振器が、単一のDACのCJJループに結合されている。例えば、図5Bを参照されたい。
共振器912は、共振器アドレス指定型のDAC902に対する誘導インターフェイス928を更に含む。「誘導インターフェイス」という用語は、本出願においては、結合インダクタンスとも呼称されている。結合インダクタンス928は、例えば、共振器912及び共振器アドレス指定型のDAC902を通信自在に誘導的に結合している。
共振器912は、任意選択のシャントコンデンサ930を更に含む。
容量結合型の超伝導共振器のアレイ用のプロセス制御監視(PCM)ライン
本出願において記述されているように、超伝導共振器のアレイは、単一の送信ラインに結合することが可能であり、且つ、例えば、様々な用途において(例えば、キュービット、力学インダクタンス検出器(KID)、遷移エッジセンサを伴う用途において、且つ、共振装置と統合されうるその他の用途において)周波数ドメイン多重化を可能にするべく、使用することができる。
装置内の共振器ボディ、或いは、回路、が電気短絡又は開路を含んでいるかどうか、或いは、予想されていない抵抗値を有しているかどうか、を判定するべく、室温において(或いは、少なくとも、極低温よりも高い温度において)低周波数又はDC信号を使用して超伝導装置又は超伝導集積回路を精査することが望ましい場合がありうる。電気短絡、開路、又は予想されていない抵抗値は、例えば、臨界寸法の収縮、多層集積回路内の層の厚さの変動、材料の品質問題、及び/又はその他の製造問題により、生成されうる。
製造障害を取り扱うための1つの方式は、歩留まりの損失を単に受け入れる、というものである。いくつかの用途において、例えば、KIDは、撮像のために使用されており、且つ、いくつかの共振器の損失は、撮像アレイ内におけるいくつかのピクセルの損失に対応している。アレイは、ピクセルの損失から生じる消失データを代用するべく、画像エリアにわたってスキャニングされうることから、これは、受け入れ可能でありうる。その他の用途において、周波数多重化された共振読み出しは、量子プロセッサ内におけるキュービット値の読み出しのために、共振器のアレイを使用している。いくつかの共振器の損失は、読み出し速度の比例した低減を結果的にもたらし、且つ、受け入れ可能でありうる。
その他の用途においては、共振器のアレイ内の共振器の少なくとも受け入れ可能な数が得られている、ことを知ることが重要でありうる。共振器のアレイが、量子プロセッサ内の超伝導フラックスDACのアレイをアドレス指定するべく使用されている、用途において、共振器の損失は、動作不能なプロセッサを結果的にもたらしうる。超伝導トランズモンキュービットの大規模アレイが、ゲートモデル量子演算のために使用されている、別の用途においても、共振器の損失は、同様に、動作不能なシステムを結果的にもたらしうる。
少なくともこれらの理由から、システムが極低温に冷却された後に動作不能な共振器に遭遇する尤度を低減するべく、室温における(或いは、少なくとも、極低温よりも高い温度における)共振器のアレイの健全性を計測することが有利でありうる。
本出願において記述されているシステム及び方法は、超伝導共振器のアレイ内の共振器の健全性、或いは、超伝導キュービットのアレイ内のキュービットの健全性、を判定するべく、極低温よりも高い温度における低周波数又はDCラインの使用を含む。いくつかの実装において、超伝導共振器のアレイ内の共振器は、1つ又は複数の送信ライン(例えば、マイクロ波送信ライン)に容量的に通信自在に結合されている。その他の実装において、超伝導共振器のアレイ内の共振器は、1つ又は複数の送信ラインに誘導的に結合されている。
また、いくつかの実装において、PCMラインが、DCバイアスラインとして、超伝導回路の動作の際に、使用されている。DCバイアスラインは、グローバルDCバイアスラインであってもよい。超伝導回路は、容量的に結合された超伝導共振器のアレイを含みうる。
図9A及び図9Bを参照して上述したように、DCバイアスを共振器ボディに追加することができる。図9A及び図9BのDCバイアスは、例えば、室温(約20℃)などの、極低温よりも高い温度において共振器の健全性を精査するべく使用することができる。例えば、DCバイアスは、電気短絡、開路、或いは、予想されていない抵抗値について精査するべく、使用することができる。
図10は、本開示による、N個の共振器1002-1、1002-2、及び1002-Nのアレイ(本出願においては、集合的に、1002と呼称されている)を含む超伝導回路1000の例示用の一実装を示す概略図である。図10には、少なくとも3つの共振器が示されているが、N個の共振器1002のアレイ内の共振器の数Nは、3つ未満又は3つ超であってよい。
N個の共振器1002のアレイは、(本出願において記述されている)XY共振器又はZ共振器であってよい。例えば、図9Aの共振器912(Z共振器)は、図10のN個の共振器1002のアレイによって示されているように、互いに、且つ、送信ラインに、通信自在に結合された共振器のアレイのメンバであってよい。同様に、図9Bの共振器912(XY共振器)も、図10のN個の共振器1002のアレイよって示されているように、互いに、且つ、送信ラインに、通信自在に結合された共振器のアレイのメンバであってよい。
図10は、DC短絡又は開路が、共振器のアレイ内の共振器のボディ内に存在しているかどうかを査定するべく、使用されうる、超伝導回路の例示用の一実装である。共振器のアレイは、超伝導共振器であってよい。超伝導共振器は、温度の範囲内において、或いは、臨界温度未満において、超伝導性を有する共振器ボディを有する共振器である。超伝導共振器は、例えば、マイクロ波送信ラインなどの、送信ラインに、容量的に結合することが可能であり、或いは、誘導的に結合することもできる。マイクロ波送信ラインは、例えば、マイクロストリップ送信ライン、ストリップライン送信ライン、同軸送信ライン、及びコプレーナ導波路送信ラインのうちの1つであってよい。
図10の超伝導回路1000は、共振器のアレイ内の1つ又は複数の共振器を信号ソースに通信自在に結合するDCワイヤを含む。この構成において、共振器ボディは、DCにおいて直列に配線することができる。以下の図10を参照して記述するように、共振器の間のクロストークを少なくとも低減するべく、1つ又は複数の電子フィルタを使用することができる。
図10の例示用の実装は、DACパワーライン共振器用のDCバイアスを含む(上述の図9A及び図9Bを参照されたい)。その他の実装において、DCバイアスは、アドレス及びトリガライン共振器(例えば、本出願において記述されているアドレス及びトリガライン共振器)を目的として、含むことができる。
N個の共振器1002のアレイのそれぞれの共振器は、個々の結合コンデンサ1006-1、1006-2、及び1006-N(本出願においては、集合的に、1006と呼称されている)及び個々の結合容量1008-1、1008-2、及び1008N(本出願においては、集合的に、1008と呼称されている)により、送信ライン1004に容量的に通信自在に結合されている。図10は、送信ライン1004に結合されたN個の共振器1002のアレイのそれぞれの共振器を示しているが、N個の共振器のアレイのうちの少なくとも1つの共振器は、(図10には示されていない)別の送信ラインに結合することができる。
N個の共振器1002のアレイのそれぞれの共振器は、個々のラインのペア及び少なくとも1つの電子フィルタにより、信号ソース1010に通信自在に結合されている。少なくとも1つの電子フィルタは、電子フィルタ1012-1、1012-2、1012-3、及び1012-Mのアレイ(本出願においては、集合的に、1012と呼称されている)に属する。例えば、共振器1002-1は、ライン1014-1a及び1014-1b並びに電子フィルタ1012-1及び1012-2により、通信自在に結合されている。共振器1002-2は、ライン1014-2a及び1014-2b並びに電子フィルタ1012-2及び1012-3により、通信自在に結合されている。共振器1002-Nは、ライン1014-Na及び1014-Nb並びに電子フィルタ1012-Mにより、通信自在に結合されている。
電子フィルタ1012のそれぞれのフィルタは、低域通過フィルタ、ノッチフィルタ、又は帯域通過フィルタであってよい。一般に、電子フィルタ1012のそれぞれのフィルタが、共振器1002の1つ又は複数の共振周波数帯域において信号ソース1010からの信号の成分の大きさを少なくとも低減している、ことが望ましい。
図11は、本開示による、第1広帯域スイッチ1102aを含む超伝導回路1100の例示用の一実装を示す概略図である。いくつかの実装においては、第1広帯域スイッチ1102aと共に、第2広帯域スイッチ1102bを使用することができる。
第1及び第2広帯域スイッチ1102a及び1102bは、図12の広帯域スイッチ1202として実装することができると共に、装置をアドレス指定するべく、超伝導回路の一部分として使用することができる。超伝導回路1100は、共振器アドレス指定型のDAC1104を含む。
超伝導回路1100内において、共振器アドレス指定型のDAC1104は、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループ1106と、複合ジョセフソン接合(CJJ)1108と、を含む。CJJ1108は、それぞれが、それぞれ、ジョセフソン接合1110及び1112である、ジョセフソン接合によって中断された、2つの並列電流経路を含む。
超伝導回路1100は、共振器1114と、送信ライン1116と、クローバルフラックスバイアスライン1118-1によってグローバルフラックスバイアスを提供するべく動作可能であるインターフェイス1118と、を更に含む。共振器1114は、結合コンデンサ1120及び1122と、共振器アドレス指定型のDAC1104に対する誘導インターフェイス1124と、任意選択のシャントコンデンサ1126と、を含む。「誘導インターフェイス」という用語は、本出願においては、結合インダクタンスとも呼称されている。結合インダクタンス1124は、例えば、共振器1114及び共振器アドレス指定型のDAC1104を誘導的に通信自在に結合している。
共振器1114を結合コンデンサ1120によって送信ライン1116に容量的に通信自在に結合する代わりに、共振器1114は、誘導結合により、送信ライン1116に通信自在に結合することもできる。例えば、共振器1114は、共振器1114のボディの一部分に対する誘導結合により、送信ライン1116に誘導的に通信自在に結合することができる。
超伝導回路1100は、電流バイアスを共振器アドレス指定型のDAC1104に提供するべく動作可能である電流バイアスライン1128を更に含む。
図12は、本システム、方法、及び装置による、送信ラインレイアウト1200の例示用の一実装の概略図である。送信ラインレイアウト1200は、超伝導プロセッサなどの、装置を動的に隔離するべく、使用することができる。送信ライン1200は、N個の電気的に直列に結合されたカスケード要素1204_1~1204_N(集合的に、1204)を有する、広帯域スイッチ1202を有する。
それぞれのカスケード要素1204は、図13のカスケード要素1300として実装することができる。当業者には、送信ラインレイアウト1200が、異なる構造を有しうると共に、図12の記述が、一実装に固有のものである、ことが理解されよう。具体的には、広帯域スイッチ1202内のカスケード要素の数Nは、DC-SQUID1310a及び1310bの数と異なっていてもよい。
送信ライン1200は、送信ライン1206、1208、及び1210を有する。送信ライン1210は、それぞれのカスケード要素1204を通過している。送信ライン1206、1208、及び1210の第1端部(図12の図面シートのプレーン内の右手側)は、装置(例えば、図12には示されていない超伝導プロセッサ)に電気的に通信自在に結合されており、且つ、送信ライン1206、1208、及び1210の第2端部(例えば、左手側)は、信号電子回路(例えば、図12には示されていない、読み出しライン)に電気的に通信自在に結合されている。
送信ライン1206、1208、及び1210は、接地に接続するべく、ビア1212及び1214を有しうる。ビア1212及び1214は、送信ライン1206、1208及び1210が、装置の動作サイクルにおいてほぼ同一の電位において留まるようにすることができる。
広帯域スイッチ1202内のそれぞれのカスケード要素1204は、送信ライン1208に対するライン1216_1~1216_N(集合的に、1216)により、接地に対して電気的に接続されている。
広帯域スイッチ1202は、それぞれのカスケード要素1204の状態が抑圧状態から通過状態に、且つ、通過状態から抑圧状態に、変化するようにするべく動作可能である起動ライン1218及び1220及びインダクタンス1218_a及び1220_aを有する。起動ライン1218及び1220は、それぞれ、カスケード要素1204_1及び1204_Nに電気的に結合されている。少なくとも1つの実装において、起動ライン1218及び1220は、電気信号を装置に送信するべく使用される周波数範囲にわたって不良な電気導体であり、且つ、例えば、起動ライン1218及び1220などの、装置から電気信号(例えば、4GHz~8GHz)を受け取ることは、4GHzにおいて、≧4kΩのインピーダンスを提供しうる。通過フェーズにおいて、広帯域スイッチ1202は、信号の送信を許容しており、且つ、抑圧フェーズにおいて、広帯域スイッチ1202は、黒体放射を抑圧している。一実装において、起動ライン1218及び1220は、低周波数ツイストペアとして実装することができる。ライン1222及びインダクタンス1222_a~1222_nは、光子に高インピーダンスを提供し、これにより、装置に対する経路を少なくとも部分的に遮断するべく、連続的なカスケード要素1204(例えば、カスケード要素1204_1~カスケード要素1204_2)を電気的に結合している。
広帯域スイッチ1202が、図13のカスケード要素1300などの、カスケード要素によって実装されている際に、起動ライン1218は、カスケード要素1204_1用の起動ライン1318に対応しており、且つ、ライン1222は、起動ライン1320に対応している。同様に、ライン1222は、起動ライン1318に対応しており、且つ、起動ライン1220は、カスケード要素1204_N用の起動ライン1320に対応している。
少なくとも1つの実装において、フィルタリング要素は、広帯域スイッチ1202が、望ましい動作速度において動作することを許容しつつ、ノイズの導入を少なくとも制限するべく、起動ライン1218及び1220内に統合することができる。例えば、受動型フィルタリング要素又は誘導チョークを使用することができる。これに加えて、フィルタリング要素は、力学インダクタなどの、超電導材料又は要素から製造することもできる。力学インダクタの例は、国際特許出願公開第WO2017192733A2号において詳述されている。
一実装において、広帯域スイッチ1202は、図11を参照して上述した、マイクロ波経路を有する超伝導回路の一部分として使用することができる。
図13は、本システム、方法、及び装置による、単一カスケード要素1300の例示用の一実装の概略図である。カスケード要素1300は、超伝導プロセッサなどの、装置を動的に隔離するための広帯域スイッチの一部分として、複数の要素のカスケードのうちの1つとして使用することができる。例えば、図12及びその添付の記述を参照されたい。
カスケード要素1300は、送信ライン1302を有する。送信ライン1302の第1端部(例えば、図13のページのプレーンにおいて右手側)は、装置(例えば、図13には示されてはいない超伝導プロセッサ)に電気的に接続されており、且つ、送信ライン1302の第2端部(例えば、図13のページのプレーンにおける左手側)は、信号電子回路(例えば、図13には示されてはいない読み出しライン)に電気的に接続されている。読み出し電子回路は、装置の動作温度とは異なる温度を有する外部環境内に位置しうる。読み出し電子回路は、装置の動作温度とは異なる温度を有する外部環境内に位置しうる。
カスケード要素1300は、第1セグメント1304及び第2セグメント1306を有しており、この場合に、第1セグメント1304は、図13の図面シートのプレーン内においてマッチングコンデンサ1308の左手側にあり、且つ、第2セグメント1306は、図13の図面シートのプレーン内においてマッチングコンデンサ1308の右手側にある。第1セグメント1304は、N個の直列状態のDC-SQUID1310a_1~1310a_N(集合的に、1310a)を有し、且つ、第2セグメント1306は、M個の直列状態のDC-SQUID1310b_1~1310b_M(集合的に、1310b)を有する。少なくとも1つの実装において、DC-SQUID1310aの数は、DC-SQUID1310bの数に等しい。いくつかの実装において、カスケード要素1300は、RF-SQUIDを有しうる。
それぞれのDC-SQUID1310a及び1310bは、ジョセフソン接合のペア1312a及び1312b(集合的に1312であり、混乱を低減するべく呼び出された唯一のペアである)を有する。ジョセフソン接合のペア1312のそれぞれのジョセフソン接合は、個々の臨界電流I_cを有する。それぞれのDC-SQUID1310a及び1310bは、それぞれ、インダクタンス1314a_1~1314a_N(集合的に1314aであり、混乱を低減するべく、図13において呼び出された唯一のもの)及び1314b_1~1314b_M(集合的に1314bであり、混乱を低減するべく図13において呼び出された唯一のもの)により、それぞれ、起動ラインループ1316a_1~1316a_N(集合的に、1316a)及び1316b_1~1316b_M(集合的に、1316b)に誘導的に結合されている。
ループ1316aは、起動ライン1318に電気的に結合されており、且つ、ループ1316bは、起動ライン1320に電気的に結合されている。起動ライン1318及び1320は、超伝導プロセッサなどの、装置の動的な隔離のための広帯域スイッチの一部分として使用された際に、カスケード要素1300の状態が抑圧状態から通過状態に、且つ、通過状態から抑圧状態に、変化するようにするべく、動作可能である。
カスケード要素1300は、マッチングコンデンサ1308との関係において対称である。インダクタンス1314a及び1314bは、それぞれ、DC-SQUID1310a及び1310bについて、ほぼ同一であり、且つ、接合1312は、DC_SQUID1310a及び1310bについて、ほぼ同一の臨界電流Iを有する。いくつかの実装においては、構築及び組立の際の小さな変動が、DC-SQUID1310a及び1310bのそれぞれのDC-SQUIDについて、同一ではないインダクタンス1314a及び1314b並びに臨界電流Iの値に結び付きうる。
本出願の様々な実施形態及び実装は、
低周波数フラックスバイアスとの組合せにおける低周波数電流バイアス(本出願においては、YZアドレス指定及び/又はXYZアドレス指定とも呼称されている)、
低周波数フラックスバイアス及び高周波数フラックスバイアスとの組合せにおける低周波数電流バイアス(本出願においては、YZアドレス指定及び/又はXYZアドレス指定とも呼称されており、この場合に、Y及び/又はXは、周波数ドメイン多重化することができる)
高周波数電流バイアス及び低周波数フラックスバイアスとの組合せにおける低周波数電流バイアス(本出願においては、YZアドレス指定及び/又はXYZアドレス指定とも呼称されており、この場合に、Zは、周波数ドメイン多重化することができる)、並びに、
高周波数電流バイアス、低周波数フラックスバイアス、及び高周波数フラックスバイアスとの組合せにおける低周波数電流バイアス(本出願においては、YZ及び/又はXYZアドレス指定とも呼称されており、この場合、X、Y、及び/又はZは、周波数ドメイン多重化することができる)、
を含む、アドレス指定方式について記述している。
上述のアドレス指定方式のそれぞれにおいて、(CJJループに跨る電流バイアス及び/又はCJJループ内へのフラックスバイアスでありうる)高周波数バイアスは、個々の超伝導共振器により、提供することができる。超伝導共振器は、周波数ドメイン多重化を可能にすることができる。
上述の様々な実施形態は、更なる実施形態を提供するべく、組み合わせることができる。本明細書における特定の教示及び定義とは一貫性を有していない場合もあるが、限定を伴うことなしに、2016年5月11日付けで出願された、「FREQUENCY MULTIPLEXED RESONATOR INPUT AND/OR OUTPUT FOR A SUPERCONDUCTING DEVICE」という名称の、国際特許出願国際公開第2016US031885号(国際特許出願公開国際公開第2016183213A1号として公開されている)、2018年1月31日付けで出願された、「SYSTEMS AND METHODS FOR FABRICATION OF SUPERCONDUCTING INTEGRATED CIRCUITS」という名称の、国際特許出願公開国際公開第2018016237号、2018年2月27日付で出願された、「SYSTEMS AND METHODS FOR COUPLING A SUPERCONDUCTING TRANSMISSION LINE TO AN ARRAY OF RESONATORS」という名称の、米国仮特許出願第62/636,043号、2019年2月20日付けで出願された、「SYSTEMS AND METHODS FOR COUPLING A SUPERCONDUCTING TRANSMISSION LINE TO AN ARRAY OF RESONATORS」という名称の、国際特許出願公開第2019/18792号、2019年4月29日付けで出願された、「DYNAMICAL ISOLATION OF A CRYOGENIC PROCESSOR」という名称の、米国特許出願第16/397,790号、2018年12月12日付けで出願された、「DYNAMICAL ISOLATION OF A CRYOGENIC PROCESSOR」という名称の、米国仮特許出願第62/778,643号、2018年6月5日付けで出願された、「DYNAMICAL ISOLATION OF A CRYOGENIC PROCESSOR」という名称の、米国仮特許出願第62/680,824号、2018年6月1日付けで出願された、「SYSTEMS AND METHODS FOR ADDRESSING DEVICES IN A SUPERCONDUCTING CIRCUIT」という名称の、米国仮特許出願第62/679079号、2018年5月16日付けで出願された、「SYSTEMS AND METHODS FOR ADDRESSING DEVICES IN A SUPERCONDUCTING CIRCUIT」という名称の、米国仮特許出願第62/672,392号、並びに、2018年6月11日付けで出願された、「SYSTEMS AND METHODS FOR ADDRESSING DEVICES IN A SUPERCONDUCTING CIRCUIT」という名称の、米国仮特許出願第62/683,253号を含む、本明細書において参照されている、且つ/又は、出願データシートにおいて列挙されている、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、及び非特許文献のすべては、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。実施形態の態様は、適宜、更なる実施形態を提供するべく、様々な特許、出願、及び公開のシステム、回路、及び概念を利用するために、変更することができる。
これらの及びその他の変更は、以上において詳述されている説明に鑑み、実施形態に対して実施することができる。一般に、添付の請求項においては、使用されている用語は、請求項を本明細書及び請求項において開示されている特定の実施形態に限定するものとして解釈してはならず、それらの請求項に付与されている均等物の完全な範囲に伴って、すべての可能な実施形態を含むものと解釈することを要する。従って、請求項は、本開示によって限定されるものではない。

Claims (15)

  1. 超伝導集積回路であって、
    マイクロ波送信ラインと、
    複合ジョセフソン接合(CJJ)によって中断された、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループを有する第1超伝導フラックス保存装置であって、前記CJJは、それぞれが個々のジョセフソン接合によって中断された、2つの並列電流経路を有する、装置と、
    第1低周波数アドレスバイアスラインと、
    前記第1低周波数アドレスバイアスラインを前記第1超伝導フラックス保存装置に誘導的に通信自在に結合する第1アドレスインターフェイスと、
    前記マイクロ波送信回路に通信自在に結合された第1超伝導共振器と、
    前記第1超伝導共振器を前記第1超伝導フラックス保存装置に誘導的に通信自在に結合する第1信号インターフェイスと、
    を有しており、
    前記第1アドレスインターフェイス及び前記第1信号インターフェイスは、それぞれ、個々のフラックスバイアスを前記第1超伝導フラックス保存装置に提供するべく動作可能であ
    前記マイクロ波送信ラインに通信自在に結合された第2超伝導共振器と、
    前記第2超伝導共振器を前記第1超伝導フラックス保存装置に誘導的に通信自在に結合する第2信号インターフェイスと、
    を更に有しており、
    前記第1アドレスインターフェイス、前記第1信号インターフェイス、及び前記第2信号インターフェイスは、それぞれ、個々のフラックスバイアスを前記第1超伝導フラックス保存装置に提供するべく動作可能であり、
    前記第1超伝導フラックス保存装置は、2つのマイクロ波信号により、XYアドレス指定されており、前記2つのマイクロ波信号のうちの第1のものは、前記第1超伝導共振器によって搬送され、且つ、前記2つのマイクロ波信号のうちの第2のものは、前記第2超伝導共振器によって搬送されている、回路。
  2. 前記第1及び第2超伝導共振器は、個々の共振周波数を有する請求項に記載の超伝導集積回路。
  3. 前記超伝導フラックス保存装置は、超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)を有しており、前記超伝導DACは、ラッチングを実行するべく動作可能であり、前記第1及び第2超伝導共振器は、前記超伝導DACに通信自在に結合されており、且つ、前記超伝導DACは、前記第1低周波数アドレスバイアスラインによって搬送される低周波数バイアス信号により、且つ、閾値アドレスラッチングレベルを超過するべく肯定的に組み合わせられる、2つのマイクロ波信号により、プログラミングされている請求項1に記載の超伝導集積回路。
  4. 複合ジョセフソン接合(CJJ)によって中断された、温度の範囲内において超伝導性を有する材料のループを有する第2超伝導フラックス保存装置であって、前記CJJは、それぞれが個々のジョセフソン接合によって中断された、2つの並列電流経路を有する装置と、
    前記第1低周波数アドレスバイアスラインを前記第2超伝導フラックス保存装置に誘導的に通信自在に結合する第2アドレスインターフェイスと、
    前記第1超伝導共振器を前記第2超伝導フラックス保存装置に誘導的に通信自在に結合する第2信号インターフェイスと、
    を更に有しており、
    前記第1アドレスインターフェイス及び前記第1信号インターフェイスは、それぞれ、個々のフラックスバイアスを前記第1超伝導フラックス保存装置に提供するべく動作可能であり、且つ、前記第2アドレスインターフェイス及び前記第2信号インターフェイスは、それぞれ、個々のフラックスバイアスを前記第2超伝導フラックス保存装置に提供するべく動作可能である請求項1に記載の超伝導集積回路。
  5. 前記第1超伝導共振器は、少なくとも1つの結合コンデンサ及びインダクタンスを有しており、前記インダクタンスは、前記少なくとも1つの結合コンデンサと直列において電気的に通信自在に結合されている請求項1乃至のいずれか1項に記載の超伝導集積回路。
  6. 前記少なくとも1つの結合コンデンサは、結合コンデンサのペアを有しており、前記インダクタンスは、前記結合コンデンサのペアの間において直列において電気的に通信自在に結合されている請求項に記載の超伝導集積回路。
  7. 前記第1超伝導共振器は、電気接地に対する電気経路を提供しているシャントコンデンサを更に有する請求項に記載の超伝導集積回路。
  8. 前記第1超伝導共振器は、分散型の超伝導共振器である請求項1乃至のいずれか1項に記載の超伝導集積回路。
  9. 前記第1超伝導共振器は、集中素子超伝導共振器である請求項1乃至のいずれか1項に記載の超伝導集積回路。
  10. 前記第1超伝導フラックス保存装置は、ラッチングを実行するべく動作可能である超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)を有する請求項1乃至のいずれか1項に記載の超伝導集積回路。
  11. 前記マイクロ波送信ラインに通信自在に結合された超伝導共振器のアレイを更に有しており、前記マイクロ波送信ラインは、周波数ドメイン多重化信号を前記超伝導共振器のアレイに搬送している請求項1に記載の超伝導集積回路。
  12. 磁束量子を超伝導フラックス保存装置にローディングする方法であって、前記超伝導フラックス保存装置は、複合ジョセフソン接合(CJJ)によって中断された超伝導フラックス保存ループを有しており、前記方法は、
    電流バイアスラインを第1電流バイアスライン値に設定することと、
    低周波数アドレスラインを第1アドレスライン値に設定することと、
    電流バイアスが前記超伝導フラックス保存装置に印加されるようにするべく、前記電流バイアスラインを第2電流バイアス値に設定することと、
    フラックスバイアスが前記超伝導フラックス保存装置の前記CJJに印加されるようにするべく、前記低周波数アドレスラインを第2アドレスライン値に設定することと、
    マイクロ波送信ライン及び少なくとも第1超伝導共振器により、第1高周波数パルスを前記超伝導フラックス保存装置に印加することであって、前記マイクロ波送信ラインは、前記第1超伝導共振器に通信自在に結合されており、且つ、前記第1超伝導共振器は、フラックス量子が前記超伝導フラックス保存装置の前記CJJに追加されるようにするべく、前記超伝導フラックス保存装置に通信自在に結合されている、ことと、
    前記マイクロ波送信ライン及び前記少なくとも第1超伝導共振器により、前記第1高周波数パルスを第2超伝導フラックス保存装置に印加することと、
    前記フラックス量子が、前記超伝導フラックス保存装置の前記超伝導フラックス保存ループ内にローディングされるようにすべく、前記低周波数アドレスラインを第3アドレスライン値に設定することと、
    前記電流バイアスラインを前記第1電流バイアスライン値に戻すことと、
    前記低周波数アドレスラインを前記第1アドレスライン値に戻すことであって、マイクロ波送信ライン及び第1超伝導共振器により、第1高周波数パルスを前記超伝導フラックス保存装置に印加することは、前記超伝導フラックス保存装置に印加された組み合わせられた低周波数及び高周波数信号レベルが、既定の上部閾値を超過するようにすることを含む、ことと、
    を有する、方法。
  13. 前記フラックス量子が前記超伝導フラックス保存装置の前記超伝導フラックス保存ループ内にローディングされるようにするべく前記低周波数アドレスラインを第3アドレスライン値に設定することは、前記フラックス量子が超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)内にローディングされるようにするべく前記低周波数アドレスラインを第3アドレスライン値に設定することを有する請求項12に記載の方法。
  14. マイクロ波送信ライン及び少なくとも第1超伝導共振器により、第1高周波数パルスを前記超伝導フラックス保存装置に印加することは、前記マイクロ波送信ライン及び第1及び少なくとも第2超伝導共振器により、第1高周波数パルスを超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)に印加することを有しており、前記超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)は、ラッチングを実行するべく動作可能である請求項12に記載の方法。
  15. 前記第1低周波数アドレスバイアスラインによって搬送される低周波数バイアス信号により、且つ、2つのマイクロ波信号により、前記超伝導DACをプログラミングすることを更に有しており、前記低周波数バイアス信号及び前記2つのマイクロ波信号は、閾値アドレスラッチングレベルを超過するべく、肯定的に組み合わせられている請求項14に記載の方法。
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