JP4303286B2 - 超電導量子アンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、請求項1の導入部に記載の電磁波のための能動高感度アンテナに関する。
従来技術
従来の電気受信アンテナの動作モードは、基本的に、入射電磁波によりアンテナにおいて誘起される電圧降下に基づいており、電圧降下は受信電子機器のための入力信号を構成する。しかしながら、誘起される電圧降下は一般に非常に小さいため、共振効果によりまず増幅する必要がある。この場合、従来のアンテナそのものが受信周波数で幾何学的な共振を起こすように設計されているか、あるいは、アンテナが電気平衡回路網を備えていて、アンテナと平衡回路網とが共振回路を形成するようにされているかのどちらかである。
従来のアンテナでは、十分な感度を得るために共振増幅が必要であるために、受信可能な周波数帯域幅は厳しく制限されていて、その帯域幅は一般に共振周波数の20%未満である。より大きな帯域幅を得るには、いわゆる「周波数独立型」対数らせんアンテナを必要とする。しかしながら、この場合でも、アンテナの長さは受信される電磁波の波長にほぼ一致させなくてはならず、このようなアンテナの感度は大体において低い。
原則として、磁気ループアンテナは電気アンテナより広帯域に設計できる。しかしながら、誘導作用及び表皮効果が発生するため、磁気ループアンテナは比較的高い周波数で使用できない。さらに、従来の動作の間、磁気ループアンテナのインピーダンスを従来の電子回路のインピーダンスに適合させるのは難しく、この結果、アンテナ効率は著しく減少する。
従来のアンテナシステムのさらなる問題は、信号強度が非常に低い電磁波を受信する際に起きる。従来のアンテナシステムの入力感度は、原則として、アンテナに続く前置増幅器のノイズにより制限される。アンテナからの入力信号を有効に増幅するためには、その入力信号が前置増幅器のノイズ閾値を超えていなければならない。したがって、非常に小さな信号を受信するためには、従来の受信システムでは、アンテナが電磁界から十分な量のエネルギーを抽出する必要がある。信号強度が非常に小さい場合、従来においては、これは、非常に大きなアンテナ、例えば放物面ミラーアンテナあるいはアンテナアレイ、を使用することによってのみ可能であった。いずれにせよ、これにより、アンテナの空間的範囲は著しく広がる。信号強度が小さい場合の典型例は、衛星信号の受信である。この場合、アンテナの長さは通常約1メートルである。
寸法が大きいために、具体的には、例えば車両、船舶、航空機における可動使用において、アンテナアレイは適当ではなく、もしくは、非常に制限された様式においてのみ適している。
電磁界に含まれる情報を処理するためには、従来のアンテナシステムはその電磁界からエネルギーを抽出しなければならないので、アンテナの伝達範囲は、更に、原則として、任意の伝達力を確保できる数の受信機に制限される。

本発明の目的は、感度及び寸法に関して従来の受信アンテナに課されている制限を取り除くことである。
この目的は請求項1に記載の特徴によって達成される。
本発明により達成される利点は、特に超電導量子干渉フィルタを使用する際の機能原則により、アンテナが電磁界からエネルギーを全く抽出しないかあるいはごく少量のエネルギーしか抽出せず、その結果、アンテナ自身が非常に小さくても非常に小さな信号を受信できることである。直径が約60cmの放物面(パラボラ)アンテナの感度を得るのに、本発明のアンテナであれば一般に1cm×1cm程度の寸法で十分である。さらに、アンテナの設計において、使用される超電導量子干渉フィルタの遮断周波数によってのみアンテナの帯域幅が制限されるようにすることができる。この遮断周波数は、一般に20GHzから100GHzであるので、適当な帯域幅を得ることが可能である。
超電導量子干渉フィルタは、以下の基本的な特徴を備える。
電流ループを形成する閉じた超電導セルを備え、各超電導セルは複数の、好ましくは2つのジョセフソン接合を含み、
少なくとも3つのセルが超電導状態および/または非超電導状態で接続されており、
該少なくとも3つのセルの接合は、時変電圧が1つのセルの少なくとも2つの接合を通って降下し、この電圧の時間平均がゼロにならないよう励磁されることができ、
該少なくとも3つのセルは、磁界が存在するときセルに囲まれた磁束が互いに異なることによって、電圧応答関数の周波数スペクトルが磁束に関して有効なΦ0周期要素を持たないように、あるいは、離散周波数スペクトルが存在する場合には、離散周波数スペクトルのΦ0周期要素の寄与が離散周波数スペクトルの非周期要素と比較して支配的にならないように、幾何学的に異なるよう構成される。
超電導量子干渉フィルタのこれらの基本的な特徴と多様な個々の形態は、ドイツ特許公開公報DE 100 43 657 A1及び対応米国特許US 6,690,162 B1に開示されている。
ここで、対応ドイツ公開特許出願及び米国特許について特に言及する。本願は、以下にSQIFとしても表示される超電導量子干渉フィルタの基本的な形状を記載するのみでなく、以下の記述A1)〜A12)に対応する多様な発展も記載している。
A1)電圧応答関数の周期性に関して、SQIFのための以下の機能的なアプローチを選択することも可能である。すなわち、少なくとも3つのセルは、磁界が存在するときにセルに囲まれる磁束が互いに、ネットワークセル全体を透過する磁束についてのネットワークの電圧応答関数の周期が基本磁束量子の値より大きいかまたは非常に大きくなるような、及び/または、電圧応答がΦ0周期要素を持たないような比率を形成するよう、幾何学的に異なるように構成される。理想的な場合、セルに囲まれる磁束が互いに有理比の関係にないとき、電圧応答関数は周期を持たない。加えて、各セル間の面積における差異が比較的大きいことが好ましい。特にこの場合、超電導状態で接続されたセルは、電圧応答関数が周期を持たないよう重ねられる。
したがって、異なるセルが互いに接続されていることが明白であり、このことは当業者が従来のSQUID配置において常に避けたがっていたことである。このことは例えば、「現代物理学の再考」56巻3号1984年7月431頁〜459頁における、ハンセン ビンスレブ J.、リンデロフ P.E.著「ジョセフソン接合間の静的および動的相互作用」に示されている。434頁の左段、最終パラグラフ、および続いて右段において、この刊行物は、同一のセルと同一の接合とを有するシステムを奨励する一方、非対称性は、この関連で記述されたSQUIDの機能にとって非生産的であるとしている。
超電導量子干渉フィルタは、多数の巨視的な量子干渉の物理的効果を示すことにより、従来のSQUID磁力計およびSQUID勾配計の較正曲線における不明確さを除去する。
超電導量子干渉フィルタにおいては、超電導固体の状態を示す量子力学波動関数が干渉することにより一意的な巨視的な較正曲線
Figure 0004303286
が生成される。理想的な場合、超電導量子干渉フィルタの較正曲線
Figure 0004303286
は、周期Φ0の周期を持たず、特定な測定範囲において単調に上昇する、SQIFの位置にある外部磁界
Figure 0004303286
の絶対値関数である。
較正曲線の固有性及び超電導量子干渉フィルタの高感度は、使用されるジョセフソン接合あるいは弱連結のタイプによって、下限がvext≒0で上限が一般に数百GHz〜THzの連続した周波数範囲の時変電磁界の直接測定を可能にする。この周波数範囲全体に、適切に構成された単一の超電導量子干渉フィルタにより到達することができる。電磁波の検知において、超電導量子干渉フィルタは同時に受信アンテナ、フィルタ及び強力な増幅器として動作する。適切に構成された量子干渉フィルタ固有のノイズはこの場合、従来のSQUID磁力計固有のノイズよりも数桁分小さくなりうる。従来のアンテナ及びフィルタと比較した場合のさらなる利点は、とりわけ、測定原理によっては、周波数範囲が超電導量子干渉フィルタの空間的範囲に左右されないという点である。空間的範囲は感度にのみ影響する。
超電導量子干渉フィルタは、例えば従来のSQUIDの現代の製造において用いられる既知のコスト効率のよい技術的方法を用いて製造されることができる。超電導量子干渉フィルタの空間的範囲は、従来のSQUIDシステムの空間的範囲と実質的に異なる必要がないので、従来のSQUIDシステムのために開発された低温技術をそのまま用いてもよい。低温技術の分野において、特定の開発は必要ない。
A2)上述のセルから構成されるシステムにおいて、1つのセル、好ましくは1番大きなセルに、超電導状態で接続されて電気的に並列に接続された厳密に2つの接合を備えることが好ましい。厳密に2つの接合を備えることによって、既述の効果を比較的簡単かつ効果的に獲得することができる。
A3)しかしながら、1つのセルに2つより多くの接合を設け、その接合が超電導状態の接続により、また電気的に並列に接続されているとき、具体的には個々の接合に並列に接続される接合直列回路方式、あるいは2つの並列接続された接合直列回路方式であるときに、所望の効果をより好ましい方法で得ることも可能である。
A4)しかしながら、本発明による効果はネットワークの少なくとも1つのセルの構造によっても獲得可能である。この構造においては、時間平均がゼロにならない時変電圧が降下する少なくとも2つの接合の基本的な形、具体的には、電気的に並列に接続された2つの接合の基本的な形に加えて、さらに1つあるいは複数の接合が設けられており、これらの接合の接触は直接的には励磁されていないので、これらの接合においては概して電圧降下は起こらない。この場合、各セルにおける全ての接合の接続が超電導であり続ける。このような実施例は、各セルにおいて磁界によって誘起される遮蔽電流が付加的な接合によって低減されるため有利である。したがって、自己インダクタンスおよび相互インダクタンスの影響も低減することができる。
A5)本発明の特に好ましい実施例においては、複数のセルがネットワークあるいはネットワークセクションを形成し、全ての接合が、接合が同一方向に励磁されるよう電気的に並列に接続されている。特に、この接続において、セルが相互に超電導的接続されている場合にこのような配置を用いることにより、磁界の測定のための特に高い感度を獲得することができる。
A6)しかしながら、複数のセルあるいはネットワークセクションは、ネットワークにおける接合が同一の方向に励磁されるよう電気的に直列に接続されてもよい。接合における電圧は直列回路において加算されることから、測定信号の大きさをこの方法で増すことができる。
A7)直列に配置された複数のセルあるいはネットワークセクションを並列接続することによっても特に高い感度が獲得可能である。この例では、ネットワークセクションあるいはセルは、超電導接続、具体的には超電導ツイストペアケーブルを用いて接続されていることが好ましい。超電導量子干渉フィルタの解像度はこの場合aT(10-18テスラ)及びそれ以下の範囲に達してもよい。較正曲線もこのような測定範囲に一意的に保たれ、非常に小さな磁界の絶対量子測定を可能にしている。
A8)ネットワークは、電圧励振あるいは電流励振様式で用いられてもよい。
A9)できる限り理想的なジョセフソン接合を実現するために、接合を点接合として構成することがさらに望ましい。
A10)SQIFの感度を上げるために、セルに流れる電流によって発生する自己磁界を基準にして1つのセルから隣接するセルへの磁力のクロストークを減少させるように、セルの配置の形状を構成してもよい。
A11)さらなる改良では、ネットワーク及び/あるいはネットワークセクションのセルを空間的に、具体的には2次元あるいは3次元空間に配列する。この方法により、磁界の絶対値に加え、個々の磁界要素を決定することが可能になる。よって3次元の空間配置の場合には、磁界の方向が測定可能である。
A12)接合を励振する電流が、具体的には母線レジスタとして構成されたオームレジスタを介して供給及び/あるいは再度導出されるとさらに好ましい。要するに、SQIFの動作は、オームレジスタを介して励振電流を給電することにより実質的に向上するということが測定により示されている。
SQIFのさらなる改良点としては、図1〜8に関する図の説明と併せて、図9a〜20とこれらの図に関する記載を参照されたい。
高温超電導技術を用いて超電導量子干渉フィルタを製造する場合、永久的かつ信頼の置ける動作温度を提供するために小型冷却器を使用してもよい。これらの小型冷却器は、一般に大きさが10cm程度で20W未満の動力しか必要としない。そのため、大部分の変形例においてアンテナの可動使用もまた可能な小型のアンテナシステムを実装することができる。
本発明のアンテナは、複数の巨視的量子干渉の物理現象を利用して感度を強化している。この現象は特定の形状を持つ超電導回路において見られ、超電導量子干渉フィルタの場合、この現象を利用して高性能で低ノイズの広帯域増幅器を実現する。最も単純な場合、この増幅器は一次の受動アンテナ構造に誘導結合されている。電磁波の発生の際に、アンテナ電流がこの一次アンテナ構造に流れて、超電導量子干渉フィルタを透過する磁界を生成する。超電導量子干渉フィルタが適切に電流を供給されて適切な動作点で動作するなら、磁界の強度に依存する電圧、すなわちアンテナ電流の強度に依存する電圧は、超電導量子干渉フィルタを通って降下する。超電導量子干渉フィルタの励磁がいわゆる磁束の量子化の量子力学的拘束により引き起こされるので、この処理の間、一次アンテナ構造から超電導量子干渉フィルタへのエネルギーの移動は全くないかあるいはほんの少しあるだけである。超電導量子干渉フィルタを通って降下する電圧を生成するために必要とされる力は、超電導量子干渉フィルタに動作電流を供給する電流源から引き出される。従来のアンテナとは対照的に、超電導量子干渉フィルタを励磁するために、エネルギーをアンテナから、つまりは入射波から引き出す必要はない。励磁のためには無効電流で十分である。一次アンテナは、超電導量子干渉フィルタへの電磁波に含まれる情報の伝達の間に負荷を受けない。一次アンテナから超電導量子干渉フィルタへ全くエネルギーが流れないので、インピーダンス整合の必要がない。この結果、適当な一次アンテナ構造に使用される場合、非常に高感度で非常に広帯域の受信アンテナを実現することが可能になる。
この場合、一次アンテナ構造を超電導コンダクタ部品または常電導コンダクタ部品から構成することができる。両者の組み合わせも可能である。超電導コンダクタ部品には非常に高いアンテナ電流が流れるという利点があるが、共振時には通例非常に狭帯域である。一般的に、常電導コンダクタ部品には、流れるアンテナ電流がより少ないが、共振はより広帯域である。したがって、その用途と必要な感度に基づいて個々に最適な一次アンテナ構造を設計できる。
アンテナを高感度にするためには、一次アンテナ構造が十分な強度で超電導量子干渉フィルタと結合されていなければならない。最も単純な場合、これは、一次アンテナの超電導量子干渉フィルタに結合されるべき部分が可能な限りしっかりと超電導量子干渉フィルタのループを越えてガイドされ、また可能な限り小さなコンダクタ断面を有するという理由から、一重層構造により達成される。アンテナ電流により生成される磁界はループの位置で最大値をとる。一般的に言って、可能な限り多くの超電導粒子干渉フィルタのループの位置であるいはその近傍で一次アンテナ電流の電流密度分布が非常に大きいかまたは最大である場合に常に、結合は非常に有利になる。時変アンテナ電流が存在する際に超電導量子干渉フィルタを通って降下する電圧振動(アンテナの出力信号)を誘起し、コンシューマ(受信機)にそれを受け渡すためにはデカップル構造を設ける。このデカップル構造は、適当な導波管により、電圧振動をコンシューマに受け渡される電磁波に変換するために使用され、寄生損失を可能な限り小さく保つことができる。
本来備わった堅牢性及び耐障害性のため、超電導量子干渉フィルタは、2次アンテナ構造あるいは統合前置増幅器として非常に適している。超電導量子干渉フィルタは、従来の超電導磁界変圧器に比べて一連の大幅な利点を提供する。具体的には、超電導量子干渉フィルタは、従来のSQUIDsあるいはSQUIDアレイと対照的に独特な特徴を持つ。SQUIDsあるいはSQUIDアレイの場合、その特徴である周期性により、寄生磁界を遮断するために具体的な予防措置を取る必要があるが、超電導量子干渉フィルタには原則としてその必要はない。また、磁界と降下電圧との間の伝達因子は必要とされるあらゆる方法で増幅器の解決されるべき課題に基本的に対応できる。超電導量子干渉フィルタの堅牢性のために、一次アンテナ構造により超電導量子干渉フィルタに結合される磁界は、均質性の条件を満たす必要が全くない。超電導量子干渉フィルタはかなり非均質な磁界によっても電力損失なく励磁されることができる。さらに、パラメータ欠陥に対する本来備わった高い耐性により、超電導量子干渉フィルタは例えばSQUIDアレイよりかなり容易に製造できる。本来備わった耐障害性により、多くの様々な超電導材料を使用することが可能である。
本発明の第1の重要な局面は、少なくとも1つの超電導量子干渉フィルタと、電磁波の入射に際してアンテナ電流が誘起される常電導(通常電導)性及び/または超電導性を有する材料からなる一次アンテナ構造と、超電導量子干渉フィルタを制御するための調整可能な磁界を生成する手段と、超電導量子干渉フィルタに動作電流を供給する手段と、超電導量子干渉フィルタにおける電圧の振動降下を電磁波として導出することができるように構成された手段とから構成される電磁波用アンテナに関する。一次アンテナ構造は、電気的に及び/または磁気的に超電導量子干渉フィルタに接続されていて、電磁波が入射するとアンテナ構造に流れるアンテナ電流が超電導粒子干渉フィルタを励磁させて、アンテナ電流に依存する電圧が超電導量子干渉フィルタを通って降下するように、超電導粒子フィルタに動作電流が供給されて、超電導量子干渉フィルタを制御するための磁界が調整されうる。
本発明の有利な改良において、アンテナは超電導量子干渉フィルタの特徴を踏まえて適当な動作点を励振する付加的な手段(例えば励磁可能な制御線、磁界コイル)を備える。この結果、アンテナは、超電導量子干渉フィルタが信号を最適に増幅する特徴部分で超電導量子干渉フィルタを動作させることが可能になる。さらに、不要な相互変調積を最小化するために、高い直線性を備えた特徴部分を励振できる。超電導量子干渉フィルタを通って降下する電圧の周波数は、そのような動作点におけるアンテナ電流の周波数と同一である。
超電導量子干渉フィルタの出力が、アンテナシステムの従来の電子機器に可能な限り直接的に、つまり最短の長さのリードで接続されていると高周波数の電磁波を受信するのに有利である。このことは、例えばHEMTまたはMOSFETなどの低温トランジスタの利用により達成可能である。HEMTやMOSFETは、アンテナシステムの低温部分、すなわち、超電導量子干渉フィルタを動作できるほど低温な場所で動作させることができる。このような回路は、少なくとも部分的に、例えば、能動または受動冷却素子により動作温度が適当な温度になるよう、少なくとも部分的に真空チャンバに配置されて断熱されなければならない。冷却素子は、例えば液体窒素または液体ヘリウムのような液体ガスによるものでも、例えばスターリング、ジュールトムソン、あるいはパルス管冷却器などの能動冷却器によるものでも適当である。これらの冷却素子は、従来技術から既知の方法により設計されることができ、動作中に一次アンテナ構造の回路及び/または部品の断熱部分から十分な量の熱を抽出することができる。
少なくとも一次アンテナ構造の一箇所の断熱体部分の性質は、所望の周波数の電磁波に対し透過性があることである。アンテナを動作させようとする周波数範囲により、このいわゆる窓は、例えば、テフロン、シリカガラス、酸化アルミニウム、セラミックなどの様々な材料から構成することができる。
超電導量子干渉フィルタ及び低温トランジスタを動作させるために、適切な電気供給及び制御線を設ける。これらの線は、これらの線からの熱入力が大きくなりすぎないように回路の断熱体部分を通るのが好ましい。
さらに、回路から電磁波を導出するための手段を設ける。通常、これは高周波数のために、まずマイクロストリップラインにより、ついで同軸ケーブルあるいはその他の適当な導波管により構成される。しかしながら、断熱体を通して電磁波を通過させるときに、例えば容量性結合器のような、非接触遷移を利用することも可能である。
一次アンテナ構造、超電導量子干渉フィルタ、低温トランジスタを機能的に接続するために、超電導高周波数ラインが設けられるのが好ましい。なぜなら、超電導高周波数ラインは損失の影響を受けないかあるいは最小限受けるだけであるからである。しかしながら、例えば費用の理由で、製造がより簡単な、常電導線または中空導体を使用してもよい。これらの線は回路の断熱部付近に少なくとも部分的に配置されていて非常に低温であるために、常電導線の場合であっても散逸損失に関しては従来の回路に比べかなり有利である。
また、ラインが常電導および超電導であると有利である。超電導ストリップラインが付加的な常電導被膜を備える場合、ラインは過負荷あるいは漏電の場合に常電導部を介して電流が流れ出るように設計され、その結果、超電導体は何ら損害を受けない。
アンテナシステムは通常、非常に高いレベルの動力を有しなければならないので、超電導量子干渉フィルタ及び低温トランジスタを互いに独立して回路の異なる領域で動作させることができるとさらに有利である。超電導量子干渉フィルタが飽和状態になるほど大きな入力信号が与えられた場合、超電導量子干渉フィルタ側の領域を閉ざしてトランジスタの領域のみを動作させることができる。対照的に非常に小さな入力信号が与えられた場合には、超電導量子干渉フィルタを含む回路の領域が使用される。
したがって、低温トランジスタの利点のみを利用して、超電導量子干渉フィルタを全く含まないアンテナシステムを想定することも可能である。
また、常電導高周波数コンダクタあるいは常電導及び超電導高周波数コンダクタから構成されて超電導量子干渉フィルタなしの低温トランジスタからなる部分を含む場合には、アンテナシステムは、使用される超電導体の遷移温度より高い温度で動作することができる。これは、比較的大きな入力信号に対して必要な冷却力がより小さくてすむ点で有利であり、常温で動作するトランジスタと比較してより高い感度が得られる。結果として、アンテナシステムの感度を、例えば能動冷却器を用いることによる問題なしですむよう、様々に調整可能な熱抽出手段を用いることにより、温度によって様々に調整することが可能である。
従来の回路の場合、散逸損失のかなりの部分が電力損失により引き起こされるため、少なくとも一次アンテナ構造からそれぞれの第1能動要素、すなわち超電導量子干渉フィルタまたは低温コンダクタへの高周波数ラインを冷却することもまた有利である。
非常に効率的な断熱形態は、例えば真空にできるチャンバに回路または回路の一部を収納することである。このようなチャンバは真空状態を維持し、その結果長い年月にわたり断熱状態を維持するように設計されることができる。能動冷却器が使用される場合は特に、費用効率がよくかつ場所をとらないように真空チャンバに冷却フィンガーを搭載することができる。
回路または回路の部品の断熱体部分がそれ自身一次アンテナ構造の一部として設計されると有利である。これは、例えば断熱用の(例えばテフロン泡のような)誘電物質を使用して、入射電磁波を超電導量子干渉フィルタまたは別の連結構造に集束できるように、断熱体部分を幾何学的に形成することにより実現できる。また、断熱は金属製の真空チャンバによっても実現できる。金属製の真空チャンバそれ自身を一次アンテナ構造の一部として設計することができる。例えば、金属製の真空チャンバを、導波管あるいは一次開口部から供給される導波管端部として設計することができる。また真空チャンバが、一次開口アンテナとして動作する高周波窓を備えると有利である。
好ましい実施例において、散逸損失全体及びシステム固有のノイズを、超電導量子干渉フィルタ、低温トランジスタ、一次アンテナ構造からなる回路全体の断熱及び冷却により最小化することができる。この結果、装置は最高の性能を発揮する。
特に有利な実施例において、特にGHz周波数範囲について、一次アンテナ構造のデカップル部分は、その内側に向かって細長いアンテナ素子、例えばアンテナピンが突出する中空導体端部として設計される。このアンテナピンが中空導体から電気的に絶縁されているために、特に中空導体端部が低温であるときに電磁波は直接に低損失からデカップルされるかまたは適当なラインにより能動要素の入力に運ばれる。複数の能動要素を直列に接続することにより、回路の低温部分において非常に低いノイズのアンテナ信号を増幅することができる。回路及び中空導体端部の断熱は真空にできるチャンバを用いることにより有利に実現される。
最後の段落に記載の実施例の発展において、中空導体端部は、互いにオフセットされて取り付けられた2つの具体的にはピンの形のアンテナ素子を備える。これは2つの独立した分極を中空導体から互いに別々にデカップルできるという利点を持つ。個々の能動要素への別個の結合により、2つの分極を別々に処理することが可能になる。
アンテナシステムの全体空間を可能な限り小さくする場合、特にGHz周波数範囲において、一次アンテナ構造として開口またはスロットアンテナアレイを使用すると有利である。
超電導量子干渉フィルタが高感度であるために、開口部全体の寸法はアンテナアレイの場合には一般にアンテナシステムの所望の方向特性によってのみ定められる。したがって物理的な開口部を、一次アンテナの1次元、2次元、3次元アレイすべてから構成することができる。アンテナアレイの個々のアンテナの出力信号の集合は、中空導体またはマイクロストリップラインの構造により実行できる。一次アンテナ構造が超電導体から構成される場合、特にアレイの個々のアンテナの出力信号が超電導高周波数ラインにより集合される場合に、特に強力なアンテナシステムが生まれる。例えば方向特性を制御するための移相器などの付加的な能動要素のアレイに使用される場合、これらの部品もまた低温で非常に少ないノイズしか発生せず、より効率的に動作するためにさらに有利である。
アンテナシステムの方向特性を、パッチアンテナアレイとして設計される一次アンテナ構造により非常に効率よく形成することもできる。具体的には、アンテナアレイの個々のアンテナを適切に設計することで、分極の分離を個々のアンテナの平面上で実行できる。
一次アンテナ構造として電磁レンズを使用すると、異なる分極の信号または一時的に変わりやすい分極をもつ信号がアンテナシステムによって同時に受信される場合に有利である。電磁レンズが入射波の分極を維持するために、入射の分極が一時的に変更された場合には一次アンテナ構造の平面上のトラッキングは排除される。
非常に大きな瞬間帯域幅が必要とされる場合には、一次アンテナ構造としてホーンアンテナを使用すると有利である。適切な大きさの中空導体構造により、ホーンアンテナの出力信号を非常に効率的に超電導量子干渉フィルタに結合することができる。
放物面アンテナを使用することにより、非常に大きな瞬間帯域幅を得ることもできる。同じ効率的な開口を与えられることで、そのように設計された量子アンテナは同じ寸法の従来の放物面アンテナの複数倍、特にGHz周波数範囲で、強力になる。さらに、放物面アンテナアレイによりアンテナシステムは非常に高い方向性効果を実現できる。
本発明のさらに有利な改良においては、超電導量子干渉フィルタの電極自身が一次アンテナ構造として設計される。この改良は、これらの構造に流れるアンテナ電流の磁界が直接超電導量子干渉フィルタのループに結合される点で有利である。これにより、アンテナの長さをさらに縮小できる。
超電導量子干渉フィルタが、使用されるジョセフソン接合のタイプにより異なるインピーダンスを有するので、超電導量子干渉フィルタのインピーダンスを、信号を発生する導波管のインピーダンスに変換するインピーダンス変換器を備えたアンテナ回路を装備するとさらに有利である。
超電導量子干渉フィルタが備えるジョセフソン接合は、高周波数振動電流が流れる非線形発振器であることが知られている。そのようなジョセフソン発振器は、外部から照射される波の周波数に同期(ロック)できることも同様に知られている。ジョセフソン関係により、接合を通って降下するDC電圧は、照射波の周波数に厳密に比例する。入射波における受信されるべき情報が周波数(周波数変調)を介してコード化されるなら、接合を通って降下するDC電圧、つまりは超電導量子干渉フィルタを通って降下するDC電圧の時間特性は、入射波の情報内容に対応する。超電導量子干渉フィルタの特徴の固有性により、超電導量子干渉フィルタにおけるジョセフソン振動の周波数を、超電導量子干渉フィルタに供給する動作電流及び制御磁界を適切に選択することにより、非常に正確に調整することができる。超電導量子干渉フィルタが入射波の搬送周波数を確実にロックする一方で、この周波数は非常に容易に変更することができる。
搬送周波数が変調周波数に比べて急速に変動するあらゆる場合において、受信信号は自動的にアンテナのこの動作モードで復調され、さらに直接処理されることができる。したがって、本願の実施例は特に1GHzから100GHzの間の周波数範囲に適しており、従来必要とされていた局所振動器による信号のダウンミキシングが不要になるために非常に有利である。
さらに、製造方法がより単純であるために、一次アンテナ構造と超電導量子干渉フィルタが共通のキャリア(チップ)上に配置されると有利である。これにより、薄膜技術の既知の方法を用いて、集積アンテナチップの製造が可能になる。
しかしながら、特定の波長領域において、また複層技術を許容しない材料を使用した場合には、アンテナの2つの機能要素を異なるキャリアに付与してもよい。これらのキャリアは、電気ワイヤにより結合できる。この配置はまた、一次アンテナ構造を、全体空間のために、外部干渉の縮小のために、あるいはその他の理由により、超電導量子干渉フィルタ以外に対して空間的に配置するときに有利である。さらなる利点は、異なる材料を異なるキャリアに使用することができる点である。
アンテナが非常に高い感度を備えなければならず、かつ複層技術が利用できない場合、2つの機能要素のキャリアの一方を他方の上に直接重ねる、例えば互いに接着することにより、一次アンテナ構造と超電導量子干渉フィルタとの間の効率的な結合を実現することができる。
超電導電子部品の動作温度は非常に低くなければならない。これらの温度を生成かつ維持するために必要な経費は、使用される超電導体の動作温度が低いほど著しく上昇する。原則的に、アンテナには、ジョセフソン接合を生成できる全ての既知の超電導体を使用することができる。しかしながら、動作温度ができるだけ高い材料を使用するのが有利である。これらの既知の材料はいわゆる高温超電導体であり、その動作温度はおよそ−200℃以上であり、液体窒素により経済的に冷却することができる。このような材料からジョセフソン接合を生成する既知の最も単純で最も経済的な方法は粒界接合である。これらの接合は非常に非均質なパラメータを有するために、量子電子回路にはあまり適していないが、超電導量子干渉フィルタの設計に起因する非常に高い耐障害性により、アンテナの場合には問題なく使用できる。
さらに、一次アンテナ構造も高温超電導体からなると有利である。超電導体がその内部で電界が完全に消失するという特徴を有するため、そのような構造においては原則として通常の電導構造より高いアンテナ電流が流れる。これはアンテナの感度を増す。
アンテナが超電導体または超電導体と通常の電導体とから構成される場合、アンテナを能動的に、すなわち冷却器を使用して、冷却液を使用せず動作させることもできる。冷却液の場合には冷却液を定期的に交換せねばならず、またその結果、動作時間が非常に制限されるが、冷却器の場合には永久的かつ確実に必要な動作温度を保つことができる。非常に高いレベルの動力を備える超電導量子干渉フィルタの使用により、冷却器によって起きる電磁干渉はアンテナの性能の損失を引き起こさない。高温超電導体の使用により、冷却器を動作させるのに必要な通常の動力は非常に低く、20W−40Wの範囲内である。このような動力はまた可動使用においても大体において何の問題もなく利用可能である。
冷却器におけるアンテナの動作中、アンテナが、冷却器の冷却フィンガーの上に直接取り付けられるチップ上に配置されるのが好ましい。必要な冷却力は、これによりかなり縮小され、非常に小さな冷却器を使用することが可能になる。必要な冷却力は、熱を余り伝えない導波管により、アンテナの出力信号がアンテナチップから導出されるときに、さらに縮小される。
さらに、アンテナに電気エネルギーを供給するために導波管が同時に使用されると有利である。これにより、熱負荷を増加する余分なケーブルが不要になり、余分なケーブルにより必要となる冷却力も不要となる。
GHz範囲で周波数を受信する場合は特に、一次アンテナ構造が共振設計されていると有利である。これは入射波の波長の約半分の長さのアンテナロッドまたはアレイを使用することにより最も容易に実現される。この場合、アンテナ構造において大きな無効電流が流れ、アンテナの感度が急激に上がる。この場合、寸法が入射波の波長のほぼ半分のパッチアンテナまたはパッチ状のアンテナを使用することもできる。
一次アンテナ構造のインピーダンス整合が不要であるので、一次アンテナ構造として磁気ループアンテナを使用することもできる。超電導量子干渉フィルタのノイズは極端に低いので、このようなループアンテナも非常に高い周波数まで使用できる。ループアンテナの利点は、その寸法が入射波の波長よりかなり小さくてよいことである。重要なのはアンテナ電流だけであるので、開ループアンテナ及び閉ループアンテナ共に使用することができる。
超電導量子干渉フィルタの感度が非常に高いために、単独のアンテナあるいは電気的に小さなアンテナアレイを使用することも可能である。このような一次アンテナの寸法は、入射波の波長より間違いなく小さいが、整合回路なしでも、それらに発生するアンテナ電流は、一般に超電導量子干渉フィルタを十分に励磁可能である。
特別な用途として、特に周波数が非常に高い場合に、一次アンテナ構造として誘電層を使用するのも有利である。このような層においても共振は起き、超電導量子干渉フィルタに結合できる表面電流が流れる。誘電層を導電構造と組み合わせることも可能である。
内部において超電導量子干渉フィルタを最大の磁界強度が得られる適当な場所に取り付けた共振空洞から一次アンテナ構造を構成することもできる。共振空洞内部の超電導量子干渉フィルタの位置によって、特別なモードの選択が可能である。これは、特に分極の分離と感度のさらなる増大のために有利である。
周波数フィルタ要素が付加的に一次アンテナ構造に、あるいは一次アンテナ構造と超電導量子干渉フィルタとの間に取り付けられる場合、適当な周波数帯域を目標とされる様式で選択することができる。これにより、多帯域アンテナを実現することが可能である。これは異なる周波数帯域において同時に、入射波の信号強度に非常に大きな違いがある場合に常に非常に有利となる。これにより、受信されるべき弱い信号を隠してしまう特定の帯域における過度に強い信号は排除される。
付加的な能動及び/または受動電子部品を設置することにより、アンテナの性能を上げることができる。これは特にアンテナの出力信号の従来の受信電子装置への移動が、寄生損失を避けるために超電導量子干渉フィルタの出力部で直接行われる場合である。この結果、特に周波数が非常に高い場合に、伝播時間損失を最小化することができる。アンテナ自身が全体としてほんの少しの空間しか占有しないために、付加的な電子部品を回路の低温部分に収納することができる。したがって、部品を適切に選択することにより、熱ノイズがかなり縮小され、アンテナ及び受信機のシステム全体の感度が向上する。
アンテナアレイに2つ以上の本発明のアンテナを使用することにより、感度も上げることができる。このようなアンテナアレイは冷却器により一緒に冷却されてもよいし、あるいは各アンテナがそれ自身の冷却器を備えてもよい。システム全体の感度が使用されるアンテナの数で急上昇する点で、アンテナアレイは有利である(スーパーゲイン)。さらに、アレイに個々のアンテナを適切に配置することにより、非常に顕著な方向特性を生成することができる(超指向性)。
本発明のアンテナがアンテナアレイに配置されて、個々のアンテナの出力信号が、例えば電気的に制御可能な移相器または遅延ラインのような適当な手段により、位相に敏感であるように重ねられて集合信号を形成する場合、これは受信された電磁波の送信機の空間的位置を非常に正確に決定することができる点でさらに有利である。送信機の位置がわかれば、この方法を利用して、異なる送信機同士を区別することができる。対照的に、本発明のアンテナが電磁界からエネルギーを全く引き出さないかあるいはほんの少しのエネルギーを引き出すだけであるため、本発明のアンテナの位置判定は格別困難である。
回路が既知のマイクロストリップライン技術を使用して設計されるときはいつでも、アンテナの特に経済的かつ効果的な製造方法を利用できる。この技術では、回路の電極及び対極電極は、両方ともキャリア(チップ)の表面に取り付けられるわけではなく、キャリアは、対極電極を形成する基板を備える。電極の電導体トラックのみがキャリアの表面上に配置される。この方法は非常に高い集積密度をキャリア上で可能にし、電界がキャリアの基板にかなり集中するために損失を最小化する。アンテナチップを能動冷却器の冷却フィンガー上で動作させる場合、この冷却フィンガー自体を基板(対極電極)として使用することも可能である。
特に1GHzより小さな周波数では、超電導量子干渉フィルタにフィードバックループを設けると有利である。この場合、超電導量子干渉フィルタの出力信号は、感度を高めるために肯定的に、あるいは動作点を安定化するために否定的に、超電導量子干渉フィルタにフィードバックされる。否定的なフィードバックの場合、超電導量子干渉フィルタの特徴を踏まえて動作点が変わらないように回路を動作させることができる。この場合、フィードバック電流あるいはフィードバック電圧は入射波の情報を含む。
電磁波の受信及び送信の繰り返しにより、電磁波を放射するようにアンテナを設計することもできる。超電導量子干渉フィルタのインピーダンスが一次アンテナ界の放射インピーダンスに変わる場合、超電導量子干渉フィルタは、一次アンテナアレイにその内部に加えられた電圧振動を与える。一次アンテナアレイはその後、電磁波を放射する。アンテナの機能原則により、放射された動力が通常低いのは事実であるが、これは、受信に加えて、例えば互いに空間的に離れて動作するアンテナの同期などの更なるタスクを実行することが目的である場合に有利である。
従来技術に関連して以下の引用文献を挙げる:
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J.オッペンランダー、Ch.ハウシュラー、T.トローブル及びN.ショポール、物理学C368、119(2002)。
V.シュルツ、R.イセルスタイン、H.−G.メイヤー、J.オッペンランダー、Ch.ハウシュラー、及びN.ショポール、IEEE会報、応用超電導13、(2003年6月刊行予定)。

実施形態の説明
複数の実施例が図示されており、更なる利点の詳述とともにより詳細に説明されている。
超電導量子干渉フィルタ(SQIF)の典型的な特性が図1に示されている。SQIFに適当な強さの電流が供給されると、SQIFの周りの磁界によって変化する電圧はSQIFを通って降下する。既知の従来のSQUIDsとは対照的に、当該特性は周期的ではないが、消失磁界B=0における明確な最小値を有する。従来のSQUIDsあるいはSQUIDアレイと同様に、該特性は正弦曲線的ではないため、端部1あるいは1*の直線性は非常に高い。例えば一定の磁界(制御フィールド)を付与することによって作動可能な、適当な作動点2を設定することによって、SQIFは増幅器あるいは電流電圧コンバータとして、高い直線性を伴い作動可能である。
請求項1の特徴を有する典型的なアンテナ回路が図2aに示されている。SQIF3は一次アンテナ4に誘導的に結合されている。電磁波が発生すると、アンテナ電流が一次アンテナ4を流れる。該アンテナは特定の領域においてSQIFに対してしっかりと沿うことで空間的に案内されているため、このアンテナ電流は、SQIFループの位置において磁界を発生させる。SQIFが適当な作動点2において作動されると、方向がアンテナ電流の方向によって変化する電圧が、SQIFを通って降下する。このようにしてSQIFは、アンテナ電流の振動に対応する電圧振動を発生させる。SQIFループ3の数量を適当に選択することにより、SQIFを通って降下する電圧の範囲を所望の範囲に調整することが原理的に可能となる。従って、電流電圧コンバータのダイナミックレンジを所望のダイナミックレンジになるよう選択することが可能となる。SQIFの制御に必要な磁界は、磁場コイル、あるいは適当な電流の負荷が加えられた制御ライン5によって生じられる。このラインは作動点を安定させるために、あるいはSQIFによって発生される電圧信号を、例えば電気抵抗器などを用いて、SQIFにフィードバックするために使用することも可能である。SQIFを通って降下する電圧振動が受信部に伝播可能なように、電極3aおよび3bはSQIFに取り付けられている。これらの電極は、導波管に接続されている。導波管は、各周波数の範囲に適当であり、可能な限り損失がないようにSQIFの出力信号を受信部に伝播させる。
最小限の特徴を有する最も単純な場合では、SQIFは、作動点を制御することなく作動される。この場合、SQIFによって発生される電圧信号は、アンテナ電流の振動周波数の2倍の周波数を有する。特にこのようなアンテナの作動モードにおいては、二相位相のコード化した信号を非常に容易にかつ確実に受信することが可能である。
図2bにおいては、SQIFの電極自体が一次アンテナ構造を構成するよう、平行SQIFが構成されている。適当な分極性をする電磁波が発生すると、アンテナ電流が電極6に誘導される。このアンテナ電流は磁界をSQIFのループ7に直接結合させる。SQIFの出力信号は、電極7aおよび7bによって導かれる。また、電極6は、この場合、閉ループ(実施例図示なし)として構成されてもよい。同じく図示されていない実施例において、各SQIFループ、あるいは一連のループの電極は、それぞれ個々のアンテナロッド、あるいはアンテナ構造として構成される。この実施例においては、個々のアンテナ構造がそれぞれ異なる構成のものでもよく、従ってアンテナの帯域幅を調節することが可能になるという効果が得られる。
図2cは、SQIF8の出力信号がコプラナーストリップライン9を介してデカップルされる場合のアンテナ回路を示す。コプラナーストリップライン9の端部に位置しているのは、SQIFのインピーダンスを有向導波管11のインピーダンスに変化させるコプラナーインピーダンス変成構造10である。これにより、SQIFと導波管あるいはコンシューマ(受信回路)とのインピーダンス整合による損失を防ぐことが可能である。
図2cにおいて一次アンテナ構造は、端部にスパイラル巻線13が取り付けられたアンテナロッド12を備える。該スパイラル巻線13はSQIF14のループに、例えば、多層薄膜技術などの可能な方法で、支障なく直接取り付けられている。アンテナ電流によって発生される磁界は、このような配置のSQIFに非常に効果的に結合される。
図2dに図示されているのは、SQIFおよび一次アンテナ構造が高温超電導体(ここではYBCO)から作製された場合のアンテナ回路である。ジョセフソン接合はここでは粒界接合である。これらの粒界接合は、導体トラック15が粒界16を交差するときに発生する。該接合の構造が単純なため、接合パラメータは非常に分散している。しかし、従来の量子電子回路とは対照的に、このことはSQIFの性能に影響しない。ライン17は一次アンテナ構造の一部であり、SQIFに誘導的に結合されている。
図3はアンテナチップが小型の冷却器において作動される実施例を示す。アンテナ回路18はチップの上に配置される。チップ自体は小型冷却器20の冷却フィンガー19に熱的に結合している。アンテナチップおよび小型冷却器は、熱的に絶縁させるため、真空容器21の中に配置される。真空容器21は電磁波を通す窓22を有する。アンテナの出力信号はアンテナチップから、伝熱性の低い真空導波管23を介して導かれる。SQIFのダイナミックレンジが大きいため、多様な構成の冷却器を用いることが可能である。
図示されていない実施例においては、アンテナチップが配置されている冷却フィンガー自体が一次アンテナ構造として構成されている。どのような場合においても、キャリア(基板)は冷却フィンガーを磁気的におよび電気的にSQIFに結合するので、この実施例には、一次アンテナ構造が必ずしもチップの上に配置される必要がないという利点がある。
図4aにおいて、一次アンテナアレイ24は、長さが受信する電磁波の波長の半分の長さに選択された複数のライン要素25を備える。この実施例は、高い共振無効電流がアンテナ構造を流れるとSQIF26を好適に励磁できるという利点を持つ。それぞれが容易に区別可能な長さを有する複数のアンテナ要素、あるいは容易に区別可能な間隔を相互間に有する複数のアンテナ要素を備えるアンテナアレイを適当に構成することによって、アンテナの感度が特によい周波数帯を形成することが可能である。
図4bは、SQIF27が共振空洞28(一端が開いている導波管)の中に配置されている実施例を示す。感度の強化に加えて、この実施例は、共振空洞に対するSQIFの位置を利用して、例えば分極分離のために、特定の電磁モードを選択することが可能であるという利点を有する。
図示されていない実施例においては、アンテナアレイに数本あるいは多数のアンテナが備えられている。この実施例には、アンテナの数に伴い感度が強化されるということ、スーパーゲイン効果を用いることが可能であるということ、および特定の指向性が形成可能であるという利点がある。
同様に図示されていない実施例においては、このようなアンテナアレイの構成要素は位相制御方式で作動される(位相配列アンテナ)。そのため、異なる位相角を有する様々なアンテナからの出力信号を重ねるために適当な移相器が用いられる。この実施例には、受信した電磁波の伝達装置の空間的位置が選択可能になるという利点がある。具体的には、アンテナアレイにおける複数のアンテナ間の間隔が不統一に選択された場合、アンテナアレイの様々なアンテナからの位相に対する感度の高い出力信号の重ね合わせを用いて、電磁波の伝達装置の空間的位置を決定することが可能である。量子力学的効果と、能動アンテナの非常に高い線形性と、低い作動温度とに基づいた機能原理により、本発明のアンテナの位相ノイズは非常に低い。従来のアンテナと比較して非常に高い感度を有することに加え、位相ノイズが低いことは、本発明のアンテナのさらに大きな利点である。
図4cはマイクロストリップライン技術におけるアンテナの実施例を示す。SQIF29と一次アンテナ構造30は基板31の上面に配置されている。導電性ベースプレート32は対極電極を形成している。励磁によってSQIF29において降下する電圧は、電極33とベースプレート32との間で制限される。電極34は、SQIFへの電力の供給、および/あるいはベースプレートへの接続、という役割を果たす。このことを可能にする基板の場合、ベースプレートにメッキ加工した貫通孔(ビア)を用いることも可能である。多層技術が用いられる場合には、ベースプレート(対極電極)は基板の表面に層構造形成を施すことによっても形成可能である。
能動アンテナあるいはアンテナチップが能動冷却システムにおいて作動される場合、能動アンテナが取り付けられている冷却フィンガー自体が対極電極(ベースプレート)として用いられることも可能である。冷却フィンガーは通常熱を非常に良好に伝導する金属で構成されており、従って一般的に非常に良好な導電体でもある材料で構成されているため、このような構成は生産技術の観点から重要な利点を有する。
図5は高い周波数の電磁波のための実施例を示す。一次アンテナ構造はホーンアンテナ60とアンテナピン54を有する中空導体端部55とを備える。アンテナピン54は中空導体端部からの入射波をデカップルする。該アンテナピン54は超電導量子干渉フィルタ51の入力部に直接接続されている。増幅器として接続されている低温トランジスタ52により信号は更に増幅される。超電導量子干渉フィルタ51とトランジスタ52はマイクロストリップライン53aを介して互いに接続されている。増幅された信号は別のマイクロストリップライン53bを介して導波管56へと供給される。中空導体端部55と、アンテナピン、超電導量子干渉フィルタ、低温トランジスタを備える回路とは、高周波窓59を有する断熱材57の内部に備えられる。導波管56は供給孔56aを介して断熱材57から延出する。前記回路の制御および供給ライン61は供給孔61aを介して案内される。回路51,52,53a,53bは中空導体端部55と熱導体58とを介して低温貯蔵器(図示省略)(受動冷却を行うもの、例えば液体ガスなどによる)あるいは能動冷却器(能動冷却を行うもの、例えばスターリングあるいはパルスチューブクーラ)に接続されている。
アンテナピン54およびマイクロストリップライン53は通常電導および/あるいは超電導構成でもよい。中空導体端部55は、固有のノイズをさらに減少させるために、超電導材料から構成されていてもよい。能動あるいは受動冷却要素は、少なくとも超電導体で構成された構成要素の配置位置において超電導転移温度が得られるよう、当該冷却要素の冷却力に基づいて構成されることが好ましい。
断熱材57は真空チャンバとして構成されてもよい。この場合、高周波窓59は真空窓としても機能し、供給孔56aおよび61aは真空気密供給孔として構成される。真空チャンバは断熱性が非常に良好であるという利点を有し、アンテナが非常に低い温度で作動することを可能にする。
図6は断熱材57が金属真空チャンバ55として構成されている実施例を示す。超電導量子干渉フィルタは、能動冷却器の冷却フィンガー58に取り付けられたチップの上に配置される。超電導量子干渉フィルタはマイクロストリップラインを介して低温トランジスタ52に接続されている。増幅された信号がマイクロストリップライン53を介して導波管56へと供給され、コンシューマへと導かれる。ライン61は回路に動作・制御電流および動作・制御電圧を供給する役割を果たす。真空供給孔61aはグレーズド・ブッシュとして構成されている。
一次アンテナ構造の第1部分は真空窓としての役割も果たす誘電性レンズ59で構成されている。入射波は、超電導量子干渉フィルタに直接接続されているオンチップアンテナ構造に直接集中する。導波管として、そして更に一次アンテナ構造の部分として、真空チャンバの構成が適当なものであれば、寄生モードの伝播を防ぐことが可能である。当該超電導量子干渉フィルタの場合、低温トランジスタを直接一体化させることで、システム固有のノイズが非常に低くなることのほかに、導波管56の真空供給孔56aにおいて必然的に起こる損失が信号対雑音比を悪化させないという更なる利点がある。
図7aは一次アンテナ構造が、一連の開口アンテナ63と、各開口アンテナの信号を集合させる中空導体構造62と、デカップルピン54を有する中空導体端部55とを備える実施例の図である。この構成で必要とされるスペースは通常、図5の実施例で必要とされるスペースよりも実質的に小さい。
図7bにおいては、一次アンテナ構造の一部は、放物面ミラー64として構成されている。放物面ミラーの焦点には、入射波を中空導体端部55に集中させる別の小型のミラー65が配置されている。高周波窓59は放物面ミラー64の中心に配置されている。この実施例によれば、二次的なミラー65によってシェーディングおよび回折効果を非常に小さく保持することが可能であるという効果が得られる。なお、回路および中空導体端部自体が放物面ミラーの焦点に対応する位置に設けられる実施例も可能である。
図8は、一次アンテナ構造が一連のパッチアンテナ66と各パッチアンテナの信号を集合させるマイクロストリップライン67とを備える実施例を示す。集合された信号は、超電導量子干渉フィルタ51へと供給される。超電導量子干渉フィルタ51の出力は2段トランジスタ増幅器52に接続されている。該回路の出力信号は導波管56へと供給される。作動電流および作動電圧は、ライン61とコンデンサと誘導器とを介して能動要素へと供給される。この実施例において、回路全体および一次アンテナ構造全体は断熱材57の中に配置される。冷却貯蔵器への接続は、通常下方から行われる。一方、高周波窓は、アンテナアレイの上方に位置する。
図9に示されるSQIFの実施例が、以下により詳細に説明される。図9aおよび9bによる図は、その形状と検知反応が超電導量子干渉フィルタを構成するジョセフソン接合103,104を有する単純なマルチループネットワーク101,102を物理的に実現したものを示す。ネットワーク101,102は、ジョセフソン接合103、104によって相互に接続された超電導領域105,106を備える。この場合、超電導領域は低温超電導材料と高温超電導材料の両方から構成される。また、ネットワークの操作性はジョセフソン接合の特定の構成には左右されない(例えばブレーク接合、階段接合、マイクロブリッジ等)。実施例の定量データは、例えば、従来技術に一致し従来の超電導体により構成される典型的なジョセフソン接合のパラメータの指定と関係する。例えば、Nb/Al0x/Nb技術などを用いて作製されたジョセフソン接合は、従来のSQUID磁力計に用いられている。このような接合は、約200μAの典型的な臨界電流icと、外部に並列に接続されたオーム抵抗器により規定される例えば約1Ωの通常の抵抗rnと、ピコファラド範囲の幾何分路コンデンサcnとを有する。ネットワークの空間範囲は従来のSQUIDと同等である。このときのネットワークのセルの大きさはμm〜mmの範囲である。しかし、用途によっては、SQIFネットワークはより大きなあるいは小さな面積のセルを有していてもよい。
図9aおよび9bにおいて、超電導量子干渉フィルタは、ジョセフソン接合103,104により形成されたフラットネットワーク101,102により形成され、セル107〜113あるいは107a〜114aを有し、それぞれの場合において電流方向に2つの接合を有する。N=10の接合を有するSQIFと同等の超電導回路の回路図が図10に示されている。ネットワークは、セル101〜109の各領域が異なる大きさであるという点に特徴付けられる。また、いくつかのネットワークセルの表面部分/aj/は互いに有理比の関係にない。114は同等な抵抗器を示す。×印はジョセフソン接合101〜110を印している。ジョセフソン接合の周囲の鎖線の囲みは、超電導形的に接続された領域を示す。この囲みの内側の太線は超電導接続を表している。これらの前提条件下で、特に、ネットワークの各超電導領域の状態を示す量子の力学的な波の機能が、ネットワークに行き渡る磁束が完全に消失したときにのみ構造的に干渉するよう、多重で巨視的な量子干渉の物質的な影響が生じる。ネットワークの巨視的な全体の状態については、ネットワークは一定あるいは時変の超臨界電流I0によって駆動されているという点から読取ることが可能である。結果は、電圧応答関数
Figure 0004303286
であり、当該電圧応答関数は、図11にN=30の接合を有するネットワークの場合が図式的に示されているように、
Figure 0004303286
において大域的な絶対最小値を有し、
Figure 0004303286
の増加とともに単調に増加してほぼ一定である値
Figure 0004303286
に達し
Figure 0004303286
がさらに増加しても前記値は実質的にはそれ以上変化しなくなる。よって超電導量子干渉フィルタの電圧応答関数は、ネットワークの位置に発生している
Figure 0004303286
を有する磁界
Figure 0004303286
に固有である。
Figure 0004303286
の結果はVmax近くで変動する電圧応答であり、Vmaxが電圧応答関数の大域的な絶対最大値であること(図11を比較)から、電圧応答の変化は増加量Nで急激に小さくなる。超電導量子干渉フィルタの測定範囲は、
Figure 0004303286
の局所的な最小値とVmaxとの間隔を示す−ΔVを用いて大域的な最小値
Figure 0004303286
とVmax−ΔVとの間の間隔によって規定される。よって値
Figure 0004303286
は測定範囲の下限を規定し、電圧応答がVmax−ΔVに達する
Figure 0004303286
の値は、測定範囲の上限
Figure 0004303286
を規定する(図11を比較)。ΔVの値はこの場合、ネットワークが有するセルの数、および各ネットワークセルの表面部分の選択、あるいは互いに対する比によって異なる。このことは、続く次の段落における超電導量子干渉フィルタの理論的な説明において詳細に説明されている。
図10bから10fに図示されているのは、各ネットワークセルが、図10aによる機能面から必要とされる2つの接合103に加えて、1つの更なる接合、あるいは複数接合を備えたネットワークの実施例である。接合は×印で示されている。太線は超電導接続を印している。細線は通常電導あるいは超電導であってもよい。この場合付加的な接合を、駆動電流が当該接合を全く流れないあるいはわずかだけ流れるように(励起接合103aには直接流れない)よう、そして概して時変的な電圧降下がないように、各ネットワークセルに設けてもよい。各セルにおいて磁界によって誘導された遮蔽電流は、このような実施例によって減少されることが可能である。更に、自己インダクタンスと相互インダクタンスの影響はこのような実施例によって減少されることが可能である。しかし、付加的な接合は、駆動電流Iが(励起接合103bに直接)流れるように設けられてもよい。また、ネットワークの各セルあるいは複数のセルにおける1つの接合103aあるいは複数の接合103aと一つの接合103bあるいは複数の接合103bとの組合せも可能である。
図12aから12cには、直接比較のため、従来の単一ループSQUIDの電圧応答関数(図12a)、同一サイズの標準セルを有する従来のマルチループSQUID(図12b)の電圧応答関数、および超電導量子干渉フィルタの電圧応答関数(図12c)が示されている。前記の単一ループSQUIDの例は、単一超電導ループあるいは2つのジョセフソン接合を有するセルを備え、マルチループSQUIDはN=30の接合を有するこのような同一の複数の単一ループSQUIDsを平行に配置して(「電導体アレイ」)構成され、超電導量子干渉フィルタは同様にN=30接合を有する。駆動電流I0は、
Figure 0004303286
の場合は接合ごとの電流は値1.1icを有し、電圧範囲Vmax−Vminが3つのアレイ全てに関して同じとなるよう、3つのアレイ全てのために選択される。従来のSQUIDおよびSQIFの電圧応答関数が具体的な実施例を用いて再度図12dに示されている。単一ループSQUIDsおよびマルチループSQUIDsが周期Φ0の周期的電圧応答関数〈V〉を有し、磁界の絶対的測定が不可能であるのに対し、平坦な超電導量子干渉フィルタは固有の電圧応答関数を有する。このSQIFの電圧応答関数により磁界の絶対量測定が可能となる。選択された例において、測定範囲はΦ=0から
Figure 0004303286
の間である。ネットワークセル平均領域
Figure 0004303286
がμm2の範囲であるとき、
Figure 0004303286
Figure 0004303286
から
Figure 0004303286
の間の磁界の強さに一致し、
Figure 0004303286
がmm2の範囲にあるときには
Figure 0004303286
から
Figure 0004303286
間の磁界の強さに一致する。これらの例において、限界感度は10-13Tから10-16Tまでの範囲でもよい。
本発明による装置の測定範囲は、補償回路を用い、既知の強さの磁束をコントロールされた形で超電導量子干渉フィルタに結合することにより、一定の感度に関連して所望の範囲に変えることが可能である。
超電導量子干渉フィルタの電子技術的で理論的な説明は、超電導回路のためのネットワーク理論を考慮した各ジョセフソン接合にRCSJ(RCSJ=抵抗容量分路接合)として知られる接合を行うことによって可能である。RCSJモデルにおいて、各ジョセフソン接合はトンネル障壁を特徴付けるオーム分路抵抗器rnと幾何分路コンデンサcnとに並列に接続された非リニア誘導器によって説明されている。
ジョセフソン接合の巨視的な状態は、各接合の2つの相反する超電導電極における巨視的な量子力学的な位相間の較正−不変差によって説明される。この位相差は、ネットワークの各接合を示すφj、j=1...Nによって示される。ネットワーク動力が基づいている関係は、
Figure 0004303286
によって示される。ここで、Ij
Figure 0004303286
を満たし、指数jの接合を流れる電流であり、Φjは指数jのネットワークセルを貫く磁束を示す。式1はRCSJモデルにおける接合において降下する電流Ijと電圧vj(t)との非リニア関係を記述している。式2は、該接合において降下する電圧vj(t)が位相差φjの時間微分係数∂tφjに直接比例する第2ジョセフソン関係に一致する。式3は、閉じた超電導ループを流れる磁束を量子化する式である。
簡易化のために、理論的説明において、ネットワーク接合は同一のものであると考えられている。つまり、臨界電流Icと並列接続された分路抵抗器rnと分路コンデンサcnは全て、統計的あるいは系統的な分散によるものでもない。しかし、パラメータが分散する典型的な製造誘発型の例が発生しても、超電導量子干渉フィルタの有用性は損なわれない。また、RCSJモデルの枠組みの中での理論的説明は点接合と呼ばれるものに限られている。すなわち、接合が小さく、位相差は接合境界を越えて変化しない。このこともまた、従来のSQUIDsの理論的説明における慣習的な考えである。従来のSQUIDsと比較して、ネットワークセルの数を増加させると、発生する干渉パターンはネットワーク動力に支配され、各接合の特定な形状にはごくわずかにしか左右されないことから、この考えは、特に超電導量子干渉フィルタにおいて正当化される。
Figure 0004303286
電流の維持から得られるネットワーク方程式と式1〜3は、ネットワークの位置にて作動する磁界
Figure 0004303286
と、回路において降下する電圧V(t)での駆動電流I0とを関連づける。ネットワークの周波数との比較によって一定あるいはゆっくりと変化する磁界
Figure 0004303286
のためには、本実施例のSQIFおよび並列に接続されたネットワークセルを備えるSQIFsのためのネットワーク方程式は、測定される1次外部磁界
Figure 0004303286
と、可能であれば、コントロールされた形で発生する2次補償磁界
Figure 0004303286
からなる磁界
Figure 0004303286
を用いた非リニア微分方程式として書くことも可能である。式4にでてくる複合
Figure 0004303286
構造因子
Figure 0004303286
は、N−1のセルで構成された超電導量子干渉フィルタの幾何学的および力学的特性を示している。この構造因子はネットワークの空間および時間的な干渉特性を、測定される磁界の強さの関数として規定する。位相シフトδNは同様に配置の特定の形状によって異なるが、時間平均の電圧応答関数
Figure 0004303286
への影響はない。
複合構造因子
Figure 0004303286
は、
Figure 0004303286
のように規定される。ここで、ベクトル
Figure 0004303286
は、各ネットワークループの向き付けされた表面要素(
Figure 0004303286
=正規曲面、
Figure 0004303286
=m何番目のループの表面領域)を示しており、
Figure 0004303286
である。よって、複合構造因子は、各ネットワークループを通り抜ける磁束を
Figure 0004303286
で保持し、スカラ積が
Figure 0004303286
により任意の2つのベクトル
Figure 0004303286
のために規定される。
磁界
Figure 0004303286
がループの境界を越えて変化する場合、対応する積分表示がこのスカラ積の点で発生する。ネットワークの周期性は、n=0...N−1とした場合、集積された磁束
Figure 0004303286
によって決定される。
1つだけ向き付けされた領域
Figure 0004303286
が存在するN=2における従来の単一ループSQUIDsでは、SNは値
Figure 0004303286
Figure 0004303286
である。同一のループ面
Figure 0004303286
を有する平坦で周期的なマルチループSQUIDsでは、
Figure 0004303286
とすると
Figure 0004303286
であり、それゆえ、
Figure 0004303286
は幾何的な直列であり、結果は
Figure 0004303286
である。よって本技術分野の現在における状況に対応する従来のSQUIDsの構造因子は、接合の数によらない周期的構造因子を有する。これらの周期的構造因子は従来の装置の強力なΦ0周期的電圧応答関数
Figure 0004303286
の要因であり、先行技術に対応するこのような装置を用いて磁界の絶対測定は不可能であるという事実の原因でもある。式6によれば
Figure 0004303286
は非通約的集積磁束αnにより周期的になり得ないため、超電導量子干渉フィルタは、対照的に周期的構造因子を有さない。よって超電導量子干渉フィルタには、周期的電圧応答関数
Figure 0004303286
もなく、当該フィルタは磁界の絶対測定を可能にする。
式3によると、全てのJ=1...Nに対してvj(t)=v1(t)であるネットワークの周波数との比較によって一定あるいはゆっくりと変化する外部磁界が超電導量子干渉フィルタによって保持される。すなわち、vi(t)は超電導量子干渉フィルタにおいて降下するAC電圧を規定する。ネットワーク周波数φは、アインシュタイン関数
Figure 0004303286
を経てこのAC電圧の時間平均、
Figure 0004303286
である電圧応答関数
Figure 0004303286
に関係する。典型的なNb|AlOx|Nbジョセフソン接合には、ネットワーク周波数φは約100GHz、よって外部磁界の周波数φextはφext=0から約20GHzの範囲であってもよい。従来のSQUIDsの場合には、ネットワークにおいて平均で時間経過に伴って降下するDC電圧
Figure 0004303286
は、容易に利用可能な測定された変数となり得る。駆動電流によって生じたインダクタンスと自己磁界の影響は、理解を向上させるために式4と5では無視されている。実際、超電導量子干渉フィルタが適切な構成であれば、コンダクタンスおよび自己磁界は、これらの影響によって有用性が損われないように最小化が可能である。適当な装置が更なる実施例において提示されている。
分路コンデンサcnを無視することは典型的なジョセフソン接合の非常に良好な近似値を正当化することであり、電圧応答関数の解析解が得られる。
Figure 0004303286
図12aに図示のように、この電圧応答関数は、本技術分野の現況に対応する全てのSQUIDsに関し、周期Φ0を有する周期的なものである。対照的に、SQIFsに関しては、電圧応答関数は周期的ではない。この電圧応答関数が図12cに図示されている。超電導量子干渉フィルタの電圧応答関数は、従来のSQUIDsの電圧応答関数同様、Φ=0において最小値を有する。しかし従来のSQUIDsとは対照的に、外部磁界が大きくなっても、この最小値は繰り返し現れない。従って電圧応答はΦ=0のときに独自なものとして識別され、そして構成によっては、この電圧応答関数により、外部磁界の絶対量測定が、直接、あるいはその磁界に適した補償回路を用いて、可能となる。構造因子SNの絶対値は、式8において二次方程式としての特徴をなすため、SQIFsの電圧応答関数は、グラフの上部において値Vmax付近でわずかに変動し、結果はVminとVmaxの間での急激なエッジとなる(図12cを比較)。
超電導量子干渉フィルタの構造因子
Figure 0004303286
は、電圧応答関数
Figure 0004303286
Figure 0004303286
の最大測定範囲を有するよう最適化されてもよい。これが、Vの局所的最小値と最大電圧値Vmaxとの間の間隔ΔVが、求められた総面積
Figure 0004303286
に最小化され(図11も比較)、ネットワーク接合Nの求められた数が作動範囲にあるときの場合である。超電導ネットワークの最大作動範囲はこの場合、獲得可能な最大補償磁界の強さにより規定される。
フラットネットワークには、生産過程によって電導体トラックの最小可能長さ変数l0が発生するという場合がある。ネットワークループの表面領域
Figure 0004303286
は、数qmが正の整数である
Figure 0004303286
によって定義される。最も不利な場合においては、2つの表面要素は生産上の理由により、
Figure 0004303286
の絶対値だけ違っていることがあり得る。このことは、構造因子
Figure 0004303286
および超電導量子干渉フィルタの電圧応答関数
Figure 0004303286
は純粋な理論的な観点から周期的に変化し得るという結果を有する。しかし、発生する可能性のある周期はΦ0を基準として非常に大きく、
Figure 0004303286
に一致する。
Figure 0004303286
においてGGTは平面ネットワークにおける向き付けされた表面要素の絶対値
Figure 0004303286
の最高共通因子であり、AtotはSQIFの総面積を示す(
Figure 0004303286
)。従来技術に対応するl0の典型的な値は、約100nm(ニオビウム過程)である。よって最小の面積差
Figure 0004303286
は、10-2mm2の超電導量子干渉フィルタ用に想定されたネットワークセル領域の場合においては、約10-2μm2のオーダーである。例えば数qmが(異なる)素数の関係で選択されたために、数qm自体が互いに素であるとすれば、電圧応答関数の周期は
Figure 0004303286
で求められる。数千μm2の典型的な総面積Atotには、この周期は実際に適切な測定あるいは作動範囲から大きく外れている。従って特定の用途において求められた作動範囲には、最適な面積、最適な数の接合および関連する構造因子を有する超電導量子干渉フィルタが常にある。
本発明の更なる実施例が図13に示されている。ネットワークセルはここでは、3次元の完全ベクトル基準線が向き付けされた表面要素
Figure 0004303286
から形成されるような方法で、3つのグループに分類される。以下でベクトルSQIFと示されている本発明のこの構造は、測定される一次磁界の強さと方向の両方が適切に構成された補償磁界によって独自に非常に高い精度で決定されることが可能であるという利点を有する。各補償磁界は、例えば、
Figure 0004303286
から形成された各基底ベクトルに平行なコントロール可能な二次磁界を発生させる。この二次磁界の発生が絶対値、方向および位相に関して一次磁界ベクトル
Figure 0004303286
の量的な復元を可能にし、新規的な用途の多様性を可能にしている。例えば、このような2つの配置を用いて、磁界の源を正確に局所化し、その源の強さを決定することも可能である。これには、各検知信号が一時的な電流を備えるときの検知磁界の無線読出しも含まれる。また、電子あるいは磁気データメモリの読出しあるいは処理は、このような配置を用いて、非常に高い一時的な解像度と非常に速い処理速度とで、GHzからTHzの範囲において、非接触的な形式で、実質的に電力を消費あるいは消失させることなくおこなうことが可能である。このようなベクトルSQIFの用途の更なる例として、例えば人間の脳における代謝過程、例えば地質学的調査における地殻上部の核磁気共鳴あるいは磁界の分布における信号の空間的および一時的な高解像度測定が挙げられる。図13における×印は、ジョセフソン接合を表し、母線レジスタは引用番号115で示されている。太線は超電導接続を示している。2本の太線116,117はネットワークの超電導的に接続されている部分を付加的に画定している。
図示されていない実施例において、ベクトルSQIFは、3つの独立したフラットSQIFsで構成される。この3つの独立したフラットSQIFsは、それぞれが独立して作動し、これらのフラットSQIFsの表面の法線は三次元空間のベクトル基底を形成する。この装置には、各フラットSQIFsが、薄膜技術分野の現在の技術での標準的な方法を用いて、何ら問題もなく生産可能であるという利点がある。
量的な測定はここでは、前セクションの実施例に記述したように、外部磁界の3つの構成要素を同時に補償するか、あるいは各SQIFにおいて降下する電圧の直接測定によって行われてもよい。特定の用途には、補償装置が必要ないということから、後者の測定方法の方が、より有利である。
図示されていない更なる2つの実施例において、最後のセクションあるいはその1つ前のセクションに対応したベクトルSQIFは、各SQIFの表面法線あるいは向き付けされた表面要素
Figure 0004303286
が、3次元空間における二次元部分空間の完全なベクトル基底を形成可能なように配置されるよう、構成されている。この構成は、磁界が1つの平面のみにおいて測定される場合、例えば平坦な検知磁界あるいはメモリが関係している場合に有利となり得る。
図14はフラットSQIFの実施例を示している。このフラットSQIFにおいて、補償磁界がネットワークに平行で、駆動電流の方向に対して垂直である2つのコントロールライン118,119によって発生している。本発明によるこのような配置において、電流Ik1,Ik2がコントロールライン118,119の片方あるいは両方を流れるとき、既知の強さを有し、この電流によって非常に正確にコントロールされることが可能な磁束は、SQIFのセルに結合される。この磁束は外部磁界によって発生する磁束を、SQIFにおいて降下する電圧を最小限にするように補償する。この時、この「作動点」は常にSQIFの較正曲線
Figure 0004303286
の絶対最小値に置かれる。コントロールラインとネットワークとの間隔は既知のものであるため、補償電流の値は外部磁界の強さを直接決定するのに用いることが可能である。SQIFの測定範囲内にもうひとつの作動点を選択することも可能である。この構成は、SQIFの作動範囲、すなわちこの装置を用いて測定することができる磁界の強さの範囲が、原則的には、トンネル障壁によって隔てられた超電導が可能な領域間の位相コヒーレンスを破壊する磁界の強さによってのみ上方で境界されるという利点を有する。この構成における更に有利な点は、電圧応答関数が固有となる実際の測定範囲が非常に小さいときでも、この構成においてSQIFは十分に使用可能に作動できるという点である。これは製造公差によって、電圧応答関数に、電圧値が絶対最小値の電圧値とさほど変わらない二次的な最小値が生じるときに起こる。しかし、測定範囲がSQIFの解像限度(一般的には数nV)よりも大きい限り、本発明によればこの装置は補償回路を有する構成において十分に使用可能である。コントロールラインを有する構成の場合の有利な点は、補償回路がチップに備えられており、付加的な生産ステップが不必要であるという点である。現在の先行技術によると、薄膜構造の場合、コントロールラインは層の状態でネットワークの送電線の上あるいは下に備えることが可能である。また、例えば精密な測定のために一時的に変化する補償磁界が静的な補償磁界に重ね合わされるとき、複数のコントロールラインを備えることも有利となり得る。
SQIFは、一時的に変化する補償磁界が使用される作動モードにおいて、最高感度に達する必要がある。また、このようなモードにおいて、測定される磁界の強さと方向の両方を同時に決定することが可能なだけでなく、位相角も同時に決定することが可能である。よって、測定された時変信号を完全に復元し、この信号の同一のコピーを作製することが可能である。この装置の有利な点は、情報を失うことなくこのようなコピーを増幅させ、伝達することが可能であるという点である。
図14中の×印もジョセフソン接合を表している。記号的に図示された母線レジスタは引用番号120で示されている。鎖線はネットワークの必然的な超電導部分の境界を表している。
図示されていない精密な測定のための構成において、補償回路がSQIFの外部に備えられており、1組のコイルを備えている。コイルは、SQIFが1組のコイルの軸に垂直な平面であって、2つのコイル間に置かれるよう、向き付けされている。このような補償回路には、SQIFの位置における補償磁界が非常に高いレベルの均質性を有し、それ故にきわめて正確な測定が可能になるという利点がある。補償が局所的である構成は、すなわち補償がコントロールラインとSQIFの外部に備えられた補償回路によって行われる構成は、ノイズや揺動といった干渉の影響を最小限にするという点においても有利である。例えばコントロールラインという形で補償回路を有するSQIFは、超高速高性能コンピュータのロジックの構成要素(アクチュエータ)としても使用可能である。2つの局所的コントロールラインを有するSQIFは、両方のコントロールラインに全く同一の並列電流が流れているときにのみスイッチするORロジックモジュールを提供することが可能である。この場合、このようなアクチュエータの切り替え時間はネットワーク周波数の領域、すなわちGHzからTHzの範囲である。このようなロジックモジュールの利点は、この場合、どんなに小さなコントロール電流であっても最大電圧応答、今日の典型的なジョセフソン接合では数百μVからmVの最大電圧応答をもたらすことから、同時に増幅器として機能するという利点がある。
本発明による配置の感度あるいはゲインは、図15に図示のような、ジョセフソン接合を含むアクティブコントロールライン121によって互いに結合されたSQIFの直列接続によって増加され得る。×印はジョセフソン接合を表し、記号的に表わされた母線レジスタは、引用記号122で示されている。ネットワーク内側の太線は超電導接続を表わし、ジョセフソン接合を含む超電導領域123を表わす。
アクティブコントロールライン121はこの場合、多数のSQIFセクションやパラメータの不均等性といった強力な逸脱を発生させる構造的な要因がある場合であっても、一次元のSQIFアレイを同期させる。製造公差が低い場合は、状況によってはアクティブコントロールラインがなくてもよい。二次元に構成することも可能である、このようなSQIFアレイの有利な点は、この装置の解像度の限界がSQIFセクション123の数と共に減少し、SQIFセクションの数と共にゲインが大きくなるという点である。動作モードの選択が最適である場合には、磁界測定範囲において、このようなアレイを用い、例えば、従来のSQUIDシステムの解像度の限界より非常に低い解像度の限界を獲得することが可能であるはずである。また、SQIFアレイは、従来の技術に応じた生産方法を用いて、何の問題もなく製造可能である。
階層的に配置されたSQIFアレイにおいて複数のSQIFセクション124が接続された実施例が図16に示されている。ここでは、このような階層的なSQIFアレイの基本要素は、同一の構造要因を有する同一の基本SQIF124である。これらの基本SQIFは、SQIF125として2番目の階層面に配置され、3番目の階層面では新たに基本SQIF125として機能している。3つより多くの階層面を有する配置(k=1,2,3...)も可能である。このような配置の有利な点は、基本SQIFの向き付けされた表面要素と、より高い階層面のSQIFあるいはSQIFsとの関係によって、また様々な面における概して異なった構造要因によって決定されたとおり、様々な面において生じた干渉パターンが再度全体のパターンを形成すべく干渉し、このことが非常に高度な解像度を可能にしているという点である。様々な階層面における向き付けされた表面要素
Figure 0004303286
は異なった配列が可能であるため、その結果である干渉パターンは外部磁界の方向に非常に敏感である。現在の生産技術によると、このような多次元構成のSQIFシステムは、チップには実装不可能である。しかし、薄膜技術の現在の方法を用いて、多次元SQIFシステムの各平面要素を作製し、超電導ツイストペアケーブルを用いて、既述のタイプの総体的なシステムが作製されるよう、前記要素を接続することは可能である。このような超電導ツイストペアケーブルは、この場合、有効磁束が全くケーブルを貫かないという利点を有する。よって、式6において特徴付けられたケーブルは、非常に小さな面積を有する向き付けられた表面要素として特徴付けられるだけであるので、このような超電導ツイストペアケーブルを用いたSQIFシステムにおける様々な部分の接続は、SQIF全体の有用性に全く影響を及ぼさない。
異なるネットワークセル間で作用する誘導結合がどのように最小化され得るかを示すSQIFの実施例が図17aに図示されている。このような誘導結合は、ネットワークが非常に多くのセルを備える場合、この装置の感度を減少させることが可能である。超臨界電流が各接合を流れるため、この場合の派生電流の分配は、状況によっては無視できない自己磁界を発生させる。本発明による例えば図17bに図示の実施例は、自己磁界の影響を急激に減少させるのに用いることが可能である。ネットワークセル126,127の導体トラックは図17a、17bにおいて、短い電導片の磁界が電導片に対して垂直の領域に実質的に限られていることから、ネットワーク接合128を流れる電流が、一つおいた隣のネットワークセルにおいてごく少量の磁束しか誘導しないよう構成されている。これはΦ=0で、各接合に同じ強さの電流が流れ、その場合全てのインダクタンスが消失し、電圧応答関数の全体的な最小値が式8による最小値に一致するからである。給電線および送出線の自己磁界を最小限にするため、先行技術に対応し、ネットワークからの距離が適度に大きくなるよう選択された母線レジスタ129を介して駆動電流I0が供給され案内される。同様に相互の誘導性の影響を最小限にするSQIFのその他の構成が図17cに図示されている。
多数のネットワークセルが直列に接続された実施例が図18aに示されている。向き付けされた表面要素
Figure 0004303286
はここでもネットワークの電圧応答関数が周期的でないように、またはΦ0と比較して非常に大きい周期のみを有するように選択されている。非周期的な電圧応答関数の場合、この電圧応答関数の大域的な絶対最小値は、正確に
Figure 0004303286
である。N=100のネットワークセルa1〜a100の直列回路での非常に大きな周期の典型的な電圧応答関数が図18bに示されている。
このような構成には、直列回路が各ネットワークセルの電圧応答関数を引き起こし、互いを加算するという利点を有する。これにより、非常に大きく、複数のmVあるいはVの範囲にまで及ぶ電圧範囲を有する量子干渉フィルタが作り出される。しかし並列回路とは対照的に、この場合、従来の2接合SQUIDと比較して、
Figure 0004303286
による電圧応答関数の幅(分散)に減少がない。しかし、直列配置における隣接するネットワークループ間の間隔は、量子干渉の状態を侵すことなく、任意に選択されてもよいため、寄生相互インダクタンスをこのような配置を用いて最小化することが可能である。また、直列回路は生産において技術的に調整された利点を有する。具体的には、記録密度を増加させることが可能であり、これは回路をチップ上に一体化させるのに有利となり得る。
直列SQIFは二次元のSQIFアレイのもっとも単純な形を構成しているため、直列SQIFの理論的な説明は式8を用いて行うことができる。同一のネットワーク接合の場合、各ネットワークセルにおける平均的な直流電圧降下は、超臨界駆動電流I0>2icで、
Figure 0004303286
によって求められ、該式において
Figure 0004303286
である。直列のアレイ全体において降下する平均直流電圧〈V〉は、
Figure 0004303286
から求められる。
ネットワークセル
Figure 0004303286
の直列の配置により、並列の配置に関して、構造因子はシーケンス
Figure 0004303286
の適切な選択によって直接規定はできないことは確かに事実であるが、電圧応答関数の形状、および特に測定および/または動作範囲を設定することも可能である。
図18bの実施例において、例えば、向き付けされた表面要素
Figure 0004303286
は演算関係
Figure 0004303286
に一致する平坦な直列アレイにおいて選択される。該式において
Figure 0004303286
であり、aNはNネットワークセルと2N接合とを有する直列SQIFの最大面積を示す。このような選択には、例えば、電圧応答関数における最大値が最小値の直後に続き(図18bを比較)、電圧範囲は最大となるという利点がある。
直列のSQIFに加えて、典型的な結合および制御回路が図示的に図18aに示されている。適切に構成されると、外部磁界および/または電流Iinpにより発生する磁界を補償する補償磁界が、各ネットワークセルの位置に補償電流Icompによって作られる。これが非常に高感度なゼロモードでのSQIFの動作を可能にする。この場合、電流Iinpは、例えばピックアップループあるいは他の信号源の入力電流である。
よって直列のSQIFは、非常に有利であり得る。なぜなら、回路が例えば(電流)増幅器として用いられるときには、回路のバックグランドノイズが
Figure 0004303286
に比例してのみ上昇する一方、電圧範囲はNに比例して上昇するためである。このことは、多数のネットワークセルおよび/あるいはこれらのセルのジョセフソン接合の電圧ノイズが相関関係になく(同質の電流結合)、非干渉的にのみ重ね合わされているからである。従って、直列のSQIFあるいは一般的にSQIFアレイを使用すると、例えば非常に低ノイズの増幅器ができる。SQIFによって提供されるこのような増幅器の典型的な電流−電圧の特徴が、図18cに図示されている。SQIFの構成によっては、この動作モードにおいて非常に小さな電流(<10-12A)を検知および/あるいは増幅することも可能である。このような増幅器の更なる有利な点は、その非常に速い切り替え時間と、このような増幅器は非常に高い周波数まで使用が可能であるという点である。
電圧応答関数の周期的な特徴はSQIFの本質的な特徴である。したがって、磁束に関するSQIFの電圧応答関数の周期スペクトルは、従来のSQUID干渉計とは明確に異なる。SQUIDからの典型的な周波数スペクトル(図19a,19b)およびSQIFからの典型的な周波数スペクトル(図19c,19d)を用いて、この状況が図19aから19dに図示されている。
図19aは、上の図において従来のSQUIDの典型的な電圧応答関数を示している。〈V(Φ)〉曲線は周期Φ0を有する周期的な曲線である。図19aの下の図に示された関連する周波数スペクトルは、1/Φ0で決定的に支配的な振幅である。SQUIDの電圧応答関数は調波ではないものの(式8参照)、2Φ0、3Φ0においてより高い調波モードが生じる。しかしこれらのモードは非常に小さい振幅のみを有する。したがって従来のSQUIDの周波数スペクトルはΦ0の周期の寄与によって支配される。図19bが示すのは、同一のネットワークセルから構成されるマルチループ配列の場合であり、この場合は直列配列であるかあるいは同一のSQUIDループの並列配列であるかは関係がない。パラメータが不完全あるいは幾何学的に不完全である場合には、従来技術による量子干渉計は常にΦ0周期の寄与により支配された離散周波数スペクトルを示している。加えて、不完全な場合は、全て不完全性に由来し、その不完全性のタイプによって決定される付加的で連続的なスペクトルが発生し得る。
対照的に、量子干渉フィルタにはその電圧応答関数の周波数スペクトルにおいて支配的なΦ0周期の寄与がない。この状況は図19c,19dに図示されている。図19a〜19c(下の図)における周波数スペクトルは、直接的な比較が可能なように、それぞれ任意の同一単位で図示されている。周期性を示さない量子干渉フィルタの電圧応答および関連する周波数スペクトルは、図19cに図示されている。スペクトルは実質的に連続し、支配的なスペクトルは存在しない。具体的には、著しいΦ0周期の寄与はない。実質的に連続するスペクトルの振幅は図19a,19dに示された従来の配置の場合よりも2あるいは1階数小さい。図19dに図示されているのは、技術的に誘導された周期性を示す量子干渉フィルタの電圧応答関数および関連するスペクトルである。電圧応答関数は周期がΦ0よりはるかに大きいという特性を有し、周波数スペクトルは周期Φ0で非常に小さな振幅を有する離散的な構成要素を有する。周期Φ0の場合のこの振幅は顕著ではなく、どのような場合にも周波数スペクトルに支配的な寄与をしない。また、離散的なスペクトルは同様に、従来の配置と比較して振幅が1〜2階数小さく、識別される。
量子干渉フィルタの周波数スペクトルは、周波数スペクトルのΦ0周期の寄与に対して堅固である。上記の配置の質的な特徴は、パラメータの不完全性あるいは幾何学的な不完全性によって変化しない。
図20に図示的に示されているのは、超電導ピックアップループを備えたフラットSQIF130の実施例である。このようなピックアップループは、ピックアップループの内側に一次磁界によって発生する磁束を外側に向かって変位させることによって、一次磁界を増幅する。このような装置は、適切な配置によってSQIFの位置において一次磁界を非常に強力に増幅することが可能であるという利点を有する。SQIFの更なる利点は、SQIFの総面積はピックアップループとSQIFとのインピーダンスのミスマッチを最小限にするべく構成が可能であるという点である。SQIFの感度および解像度はこのような装置により実質的に高めることができる。ピックアップループの代わりに、同様に上述の利点をもたらす超電導面(ワッシャーと呼ばれる)を用いることも可能である。傾斜計ループの結合も可能であり、磁界の傾斜の測定において上述の利点をもたらす。適当に構成された超電導ピックアップループは、同時に受信アンテナとしても機能することが可能なため、時変電磁場の検知において同様に有利である。
超電導量子干渉フィルタの典型的な磁界電圧特性および適当な作動点の定義を示した図である。 超電導量子干渉フィルタと結合された一次アンテナ構造とを有する本発明のアンテナの典型的な回路構成を示した図である。 超電導量子干渉フィルタの電極自体が一次アンテナ構造として構成されている場合の本発明のアンテナを示した図である。 アンテナの出力信号がコプラナーインピーダンス変成器を介してデカップルされる場合のアンテナ回路を示した図である。 高温超電導技術を用いて構成された粒界ジョセフソン接合を有するアンテナを示した図である。 能動冷却システムにおける本発明のアンテナの作動を示した概略図である。 幾何学的な共振を有する一次アンテナアレイを示した図である。 一次アンテナ構造が共振空洞として構成された場合の本発明のアンテナを示した図である。 マイクロストリップ技術を用いて構成されたアンテナ回路を示した図である。 高周波の電磁波用のアンテナ構造の極めて概略的な図である。 真空チャンバを有するアンテナ構造の概略図である。 図5の実施例に類似しているが、一連の開口アンテナを有する実施例を示した図である。 放物面ミラーを有するアンテナの実施例を図7aに対応して示した図である。 一連のパッチアンテナを有するアンテナの実施例の概略図である。 並列に接続されたジョセフソン接合のマルチセルSQIFを空間的に配置したものを示した図である。 N=10の接合を有する量子干渉フィルタと同等の超電導回路を示す回路図である。 さらに他の超電導回路を示した回路図である。 N=30の接合を有するSQIFの電圧応答関数を示した図である。 従来のSQUIDの周期的な電圧応答関数を示した図である。 超電導量子干渉フィルタの電圧応答関数を示した図である。 SQUIDおよびSQIFの電圧応答関数を示した図である。 3次元空間のベクトル基底の表示とともに、超電導量子干渉フィルタの空間的な配列を記号的に示した図である。 磁界補償装置を有するフラット超電導量子干渉フィルタを図式的に示した図である。 並列接続のコントロールラインを有する超電導量子干渉フィルタを図示的に示した図である。 SQIFセクションのネットワークを図式的に示した図である。 自己磁界の影響を最小限にするための幾何学的な配置を有するフラット超電導量子干渉フィルタを図式的に示した図である。 直列に接続されたセルから構成されるネットワークを示す図である。 N=100のセルの直列回路の場合における図18aのネットワークの電圧応答関数を示した図である。 図18aのネットワークが補償回路を用いて電流増幅器として動作したときの電流・電圧の特性を示した図である。 上の図は従来のSQUIDの典型的な電圧応答関数を、下の図は関連する周波数スペクトルを示した図である。 上の図は同一のセルで構成されたネットワークの典型的な電圧応答関数を示し、下の図は関連する周波数スペクトルを示す図である。 上の図は周期性のない超電導量子干渉フィルタの電圧応答関数を示し、下の図は関連するスペクトルを示す図である。 技術的に調整された比較的大きな周期性を有する量子干渉フィルタの電圧応答関数を上の図で、関連するスペクトルを下の図で示す図である。 フィルタの位置において一次磁界を増幅する超電導ピックアップループを有するフラット超電導量子干渉フィルタを図示的に示した図である。

Claims (26)

  1. 低温に適応可能な少なくとも1つのトランジスタ(52)を有する通常電導性及び/又は超電導性の一次アンテナ構造としての電気回路と、
    前記回路に電気的エネルギーを供給する手段と、
    前記回路に制御電流および/あるいは制御電圧を供給する手段と、
    前記回路から電磁波を導出する手段と、
    を備える、高周波電磁波用アンテナ(60)であって、
    前記回路の少なくとも一部分から作動中に熱を除去することが可能な冷却要素と、
    前記回路及び前記アンテナ構造の少なくとも一部分を収容し、前記回路及び前記アンテナ構造の少なくとも一部分を外界から熱的に絶縁する真空容器(57)と、
    を備え、
    前記トランジスタは能動要素として動作し、
    真空容器は、該冷却要素の冷却フィンガー(58)を収容し、該冷却フィンガーは、前記一次アンテナ構造の少なくとも1つの通常電導性及び/又は超電導性の中空導体端部と熱的に接続され、
    前記能動要素は、前記冷却フィンガーに熱的に接続されると共に、前記中空導体端部に電磁気的に接続され、
    前記真空容器は、電磁波を透過する窓(59)を有し、該真空容器は、電磁波が前記中空導体端部に導かれることができるような形状とされ、前記冷却要素は、前記回路の少なくとも一部分を、150ケルビンという比較的低い温度を下回るまで冷却するように構成されており、
    少なくとも1つの超電導量子干渉フィルタ(51)を有する通常電導性および/あるいは超電導性の電気回路が設けられ、該超電導量子干渉フィルタが、電流ループを形成する閉じた超電導セル(107〜113,107a〜114a)を備え、それぞれ2つである複数のジョセフソン接合(103,104)を含み、少なくとも3つの該セルが超電導状態および/あるいは非超電導状態で接続されており、前記少なくとも3つのセルの前記接合は、時変電圧がそれぞれ1つのセルの少なくとも2つの接合を通って降下し、該電圧の時間平均がゼロにならないように励磁させることが可能であり、電圧応答関数の周波数スペクトルが、磁界が存在する場合に前記少なくとも3つのセルに囲まれた磁束に関して大きなΦ 0 −周期成分を有しないよう、あるいは離散周波数スペクトルが存在する場合に、該離散周波数スペクトルのΦ 0 −周期成分の寄与が該離散周波数スペクトルの非−Φ 0 −周期成分に比べて支配的にならないよう、前記磁束が互いに異なるように、前記少なくとも3つのセルが異なる形状で構成されており、前記超電導量子干渉フィルタ及びトランジスタは能動要素として機能し、該能動要素は前記冷却フィンガーに熱的に接続され、少なくとも1つの能動要素は、前記中空導体端部に電磁的に接続されている、高周波電磁波用アンテナ。
  2. 前記一次アンテナ構造の一部が中空導体の端部を備え、該中空導体から電気的に絶縁されている、アンテナピン(54)などの少なくとも1つの細長いアンテナ素子が該導体の端部内へと突出しており、
    前記少なくとも1つのアンテナ素子が、少なくとも1つの能動要素の入力部に電気的に接続されており、
    前記回路が、直列に接続されている複数の能動要素を含んでおり、
    前記中空導体の端部及び前記能動要素を含む前記回路の一部分が、真空化できる容器内に位置し、
    前記中空導体の端部及び前記能動要素を含む前記回路の一部分から熱を除去することができることを特徴とする、
    請求項1に記載の装置。
  3. 互いにオフセットするように配置され、前記中空導体の端部から2つの独立した極が導出できるように、それぞれ能動要素の入力部に別々に電気的に接続されている2つのアンテナ素子が、前記中空導体の端部内に突出していることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
  4. 前記一次アンテナ構造の一部が、以下の構造体すなわち、
    通常電導性および/あるいは超電導性を有する開口アンテナアレイ(63)、
    通常電導性および/あるいは超電導性を有するパッチアンテナアレイ(66)、
    1つ以上の電磁レンズ(59)、
    1つ以上のホーンアンテナ(60)、もしくは
    1つ以上のパラボラアンテナ(64)、
    のうちの少なくとも1つを備えており、
    前記構造体の出力信号が、中空導体構造部および/あるいは通常電導性および/あるいは超電導性を有するリード部を介して集められ、前記能動要素のうちの少なくとも1つに連結されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記超電導量子干渉フィルタ自体の電極が、前記一次アンテナ構造として構成されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記超電導量子干渉フィルタが、該超電導量子干渉フィルタのインピーダンスを接続されている導波管あるいは接続されているコンシューマのインピーダンスに変換する、インピーダンス変換器を備えていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の装置。
  7. ジョセフソン関係を有して速く振動する該超電導量子干渉フィルタにおける電圧降下の一部が、入射電磁波の搬送周波数を捕捉して、その結果、該超電導量子干渉フィルタにおける電圧降下が前記入射電磁波の周波数変調信号を含むように、前記超電導量子干渉フィルタが作動されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の装置。
  8. 前記超電導量子干渉フィルタおよび前記一次アンテナ構造が、共通のキャリアに取り付けられていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の装置。
  9. 前記超電導量子干渉フィルタおよび前記一次アンテナ構造が、別々のキャリアに取り付けられていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の装置。
  10. 前記超電導量子干渉フィルタが1つのキャリアに取り付けられ、前記一次アンテナ構造が別のキャリアに取り付けられており、該2つのキャリアが互いに上下に置かれていることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の装置。
  11. 前記超電導量子干渉フィルタが粒界ジョセフソン接合により構成され、前記電極が高温超電導体から成ることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載の装置。
  12. 前記一次アンテナ構造が高温超電導体から成ることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の装置。
  13. 前記アンテナが前記能動型冷却器の冷却フィンガーに取り付けられたチップ上に位置し、前記アンテナ信号が熱伝導性の低い導波管を用いて該アンテナチップから取得されることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の装置。
  14. 前記超電導量子干渉フィルタの動作電流が前記導波管によって供給され、導出されることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれかに記載の装置。
  15. 前記一次アンテナ構造が、前記入射電磁波の波長の半分以内の長さあるいは寸法を有する1つあるいは一連のアンテナロッドもしくは他の導電体から成ることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれかに記載の装置。
  16. 前記一次アンテナ構造が、1つあるいは一連の閉ループアンテナもしくは開ループアンテナから成ることを特徴とする、請求項1ないし15のいずれかに記載の装置。
  17. 前記一次アンテナ構造が、1つ以上の小電力アンテナから成ることを特徴とする、請求項1ないし16のいずれかに記載の装置。
  18. 前記一次アンテナ構造が、誘電材料を含むあるいは誘電材料のみから成ることを特徴とする、請求項1ないし17のいずれかに記載の装置。
  19. 前記アンテナが、適切な位置に間接的あるいは直接的な電磁波の入射に対する開口部を有する共振空洞内において作動されることを特徴とする、請求項1ないし18のいずれかに記載の装置。
  20. 前記一次アンテナ構造が、1つ以上の周波数帯域が選択されるように追加的なフィルタ素子を備えていることを特徴とする、請求項1ないし19のいずれかに記載の装置。
  21. 前記アンテナが追加的な電子的構成要素、具体的には電気抵抗器、コンデンサ、コイル、フィルタ要素、トランジスタあるいは電子増幅器を備えていることを特徴とする、請求項1ないし20のいずれかに記載の装置。
  22. 導電性を有するベースプレートが対極電極を形成するように、前記アンテナがマイクロストリップライン技術によって、基板に取り付けられていることを特徴とする、請求項1ないし21のいずれかに記載の装置。
  23. 前記アンテナが、電子フィードバック制御器を備え、前記超電導量子干渉フィルタの出力信号が該電子フィードバック制御器にフィードバックされることを特徴とする、請求項1ないし22のいずれかに記載の装置。
  24. 前記超電導量子干渉フィルタが、時変アンテナ電流が前記一次アンテナ構造を流れて、該一次アンテナ構造が電磁波を発するように、前記一次アンテナ構造に時変電圧を付与することを特徴とする、請求項1ないし23のいずれかに記載の装置。
  25. 請求項1ないし24のいずれかに記載のアンテナを2つ以上有するアンテナ領域。
  26. 前記アンテナアレイに配置されたアンテナの信号が、集合信号を形成すべく位相敏感方式で重ね合わせられるように用いられる手段を備えている、請求項25に記載のアンテナ領域。
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