JP4180275B2 - 磁界の高精度測定用装置 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の、磁界の高精度測定用、特に、高精度絶対値測定用装置に関する。
先行技術
測定原理は、ジョセフソントンネル接合部、あるいは一般に弱リンクと呼ばれるものによって互いに連結された超電導体からなる閉回路において生じる、巨視的量子干渉の物理的効果に基づく。
【0002】
fT(10-15テスラ)の範囲にまで及ぶ非常に小さい磁界の変化を測定するために、単に、ジョセフソン接合部又は弱リンクを含む超電導閉回路を用いることが可能であることは周知である。先行技術に対応する装置、いわゆる「SQUID」(超電導量子干渉装置)と呼ばれる装置の場合には、通常二つのジョセフソン接合部を含み、個々のアプリケーションにおいてはそれ以上のジョセフソン接合部を含む、閉じた超電導カレントループが用いられている。これらのカレントループが、臨界電流を下回る電流によって駆動された場合、その接合部を渡っても電圧は降下しない。しかしながら、現代のSQUIDにおいては、カレントループは、時間的に一定の超臨界電流によって駆動され、その結果、時間的に急速に変動するAC電圧が、接合部の両側に位置する二つの超電導電極を越えて降下する。このAC電圧の周波数は、駆動電流I0の強さと、ループを貫通する磁束Φ=BFの強さとによる。ここで、Bは、SQUIDの面Fに対して垂直な、磁界ベクトル
【0003】
【数1】
Figure 0004180275
【0004】
の成分を示す。容易に入手可能な測定量として用いることができるのは、カレントループを越えて降下する
【0005】
【数2】
Figure 0004180275
【0006】
によって表されるDC電圧であり、このDC電圧は、一周期以上の周期に渡って急速に変動するAC電圧を時間平均することによって引き出される。そのような典型的な二つの接合部を有するDC(直流)SQUIDの較正曲線
【0007】
【数3】
Figure 0004180275
【0008】
が、図12に示されている。ループを貫通している磁束Φが、基礎磁束量子
【0009】
【数4】
Figure 0004180275
【0010】
の整数倍に対応している時は、較正曲線は最小を示すのに対し、基礎磁束量子Φ0の半整数倍である時には、較正曲線は最大を示す。従来知られている全てのSQUIDシステムの較正曲線は、このような周期性をもっている。カレントループの既知の面積Fに対し、この面積に垂直な、磁気誘導
【0011】
【数5】
Figure 0004180275
【0012】
の成分は、Φ0の整数倍として設定することができる。従って、つまり、ΦmodΦ0のみを測定することが原則として可能である。較正曲線
【0013】
【数6】
Figure 0004180275
【0014】
の周期性のために、従来のSQUIDを用いて磁気誘導
【0015】
【数7】
Figure 0004180275
【0016】
の絶対値量の正確な測定を行うことは不可能である。現在のところ、これは、例えば、光学的にポンプされた磁気計への接続といった、他の物理的測定方法との非常に複雑で高価な組み合わせを必要とする。従って、SQUIDを適用できる商業分野は、例えば、材料試験の際や、生物学上の有機体における代謝過程を調査する際等に生じる空間的又は時間的な相対的フィールドチェンジの検出に限定される。しかしながら、こうした適用の場合でも、測定により、単なる定性的な説明又はラフな概算以上のものが求められる場合には、フィールドチェンジの大きさの次数が、最初から知られていることが必要である。
【0017】
本発明の目的は、特に、時間的に変化する磁界についても、高度に正確な絶対値測定を可能にすると共に、その過程において、従来のSQUIDのために開発された低温技術に十分頼ることができる簡単な装置を創作することである。
本発明は、磁石、特に時間的に変化する磁界の高精度測定用、特に高精度絶対値測定用装置に起因している。上記装置は、以下接合部と呼ばれるジョセフソン効果を示す超電導体間の移行の回路網からなる。この回路網は、以下セルと呼ばれる閉じたメッシュを有し、それぞれのセルは、少なくとも二つの接合部を有し、それらの接合部は、超電導方式で接続されている。そして、これらのセルのうち少なくとも三つは、超電導方式及び/又は非超電導方式で電気的に接続されている。本発明の核は、時間的に異なる電圧が、それぞれ一つのセルの少なくとも二つの接合部を越えて降下するように、上記少なくとも三つのセルの接合部が電圧負荷されるということにある。この時、その電圧の時間的平均値はゼロにならない。又、本発明の核は、磁界が存在する場合、電圧レスポンス関数の周波数スペクトルが磁束に対して重要なΦ0−周期的成分をもたないように、セルによって囲まれた磁束が互いに異なるよう、上記少なくとも三つのセルが、幾何学的に異なるように形成されることにある。あるいは、本発明の核は、離散的周波数スペクトルが存在する場合、離散的周波数スペクトルのΦ0−周期的成分の寄与が、離散的周波数スペクトルの非−Φ0−周期的成分よりも優勢にならないことにある。
【0018】
電圧レスポンス関数の周期性に関しては、以下の機能的方法を選択することも可能である。即ち、上記少なくとも三つのセルを、幾何学的に異なる形で形成することである。この時、磁界が存在する場合には、回路網セルを完全に貫通している磁束に対する回路網の電圧レスポンス関数の周期が、基礎磁束量子の値よりも大きく、又はそれよりも非常に大きくなるように、及び/又は電圧レスポンスが、Φ0−周期的成分をもたないように、セルによって囲まれた磁束が、互いに比率を形成するようにする。本発明は、理想的な場合には、セルによって囲まれた磁束が互いに有理比の関係にない時、電圧レスポンス関数が周期をもたないことを見い出したことに基づいている。更に、個々のセル間の面積の違いが、相対的に大きくなることが好ましい。特に、超電導方式で接続されたセルは、電圧レスポンス関数が周期をもたないように重ね合わされる。
【0019】
結果として、本発明によれば、異なるセルが相互に接続される。これは、当該技術分野の当業者が、従来のSQUID装置に関して常に回避したいと考えてきたことである。これは、例えば、ハンセン、ビンスレブ・ジェイ、リンデロフ・ピー・イーによる刊行物である『ジョセフソン接合部間の静的及び動的相互作用』において記されている。これは、1984年7月に発刊された「現代物理学のレビュー第56巻、第3号」の第431頁〜第459頁に収められており、第434頁左蘭の最終段落から右欄にかけて、この刊行物は、同一のセル及び同一の接合部を有するシステムを支持すると共に、それに対して、非対称については、この点に関して記載されたSQUIDの機能性にとって逆効果であるとしている。
【0020】
これに対して、本発明による装置(以下超電導量子干渉フィルタ若しくはSQIFと呼ぶ)によれば、従来のSQUID磁気計及びSQUIDグラジオメータの較正曲線の曖昧さが取り除かれた形で、複式巨視的量子干渉の物理的効果が表される。
【0021】
超電導量子干渉フィルタにおいて、超電導性固体の状態を示す量子力学的ウェーブ関数は、唯一の巨視的較正曲線
【0022】
【数8】
Figure 0004180275
【0023】
が生成されるように干渉する。理想的な場合には、超電導量子干渉フィルタの較正曲線
【0024】
【数9】
Figure 0004180275
【0025】
は、周期Φ0を有する周期性をもたず、SQIFが存在する場所の外部磁界
【0026】
【数10】
Figure 0004180275
【0027】
の絶対値の関数であって、特定の測定範囲で単調に上昇する関数となる。
較正曲線の唯一性及び超電導量子干渉フィルタの高感度性により、用いられるジョセフソン接合部又は弱リンクのタイプによって、下限が
【0028】
【数11】
Figure 0004180275
【0029】
であると共に、上限が一般に数百GHz〜THzである連続的周波数範囲における、時間的に変化する電磁場の直接的な測定が可能となる。この全周波数範囲は、一つの、適切に設計された超電導量子干渉フィルタを用いて利用可能である。電磁波を検出する際に、超電導量子干渉フィルタは、受信アンテナ、フィルタ、及び強力な増幅器として同時に作動する。この場合、適切に設計された量子干渉フィルタの固有のノイズは、従来のSQUID磁気計に固有のノイズと比べて、大きさを数次数分小さくすることができる。更に、従来のアンテナ及びフィルタと比べた時の利点は、この場合、特に、測定原理によって、周波数範囲が、超電導量子干渉フィルタの空間的範囲の関数ではないことにある。空間的範囲は、感度にのみ影響を及ぼすことができる。
【0030】
超電導量子干渉フィルタの生産は、周知の、費用効果性の高い技術方法を用いて行うことが可能である。それは、例えば、従来のSQUIDの近代的生産において用いられているような方法である。超電導量子干渉フィルタの空間的範囲は、従来のSQUIDシステムの空間的範囲と実質的に異なる必要はないため、従来のSQUIDシステムのために開発された低温テクノロジーを直接取り入れることができる。この低温テクノロジーの分野における特別な開発は必要とされない。
【0031】
上述のセルからなるシステムにおいて、少なくとも一つのセル、好ましくはセルの最大部に対して、超電導方式で接続され、電気的に並列に接続されたまさに二つの接合部をセル毎に設けることが好ましい。上述の効果は、まさに二つの接合部によって、比較的簡単に、また効果的に成し遂げることができる。
【0032】
しかしながら、所望の効果は、超電導方式で接続されると共に、電気的に並列に接続された接合部が、一つのセル中に二つより多く設けられた場合にも、好適な方法で成し遂げることが可能である。この場合、接合部は、特に、個々の接合部に対して並列に接続された直列回路の接合形態で、あるいは並列に接続された二つの直列回路の接合形態で接続される。
【0033】
しかしながら、本発明による効果は、回路網の少なくとも一つのセル構造によっても得られる。この場合、時間的平均値がゼロにならない、時間的に変化する電圧が降下する少なくとも二つの接合部からなる基本形態に加えて、より明確には、電気的に並列に接続された二つの接合部からなる基本形態に加えて、更なる一つの接合部又は更なる複数の接合部が設けられる。これらの接合部は、直接電圧を加えられないため(図2b,2e,2fを参照)、これらの接合部における電圧降下は概して起こらない。この場合、個々のセルにおける全ての接合部の接続部は、超電導であり続ける。このような実施例では、個々のセルにおいて磁界によって誘導されるスクリーニング電流を付加的接合部によって減じることができるため、有利であると言える。それによって、自己インダクタンス及び相互インダクタンスの影響を減じることが可能となる。
【0034】
先行技術に関する文献の中から、以下のものを指定することができる。
A.バロン,G.パテルノ/ジョセフソン効果の物理学と適用/ジョン・ウィレー/1982年。
J.ヒンケン/超電導電子工学/スプリンガー/1988年。
【0035】
K.K.リックハレブ/ジョセフソン接合及び回路の力学/ゴードン・アンド・ブリーチ/ニューヨーク/1991年。
T.P.オーランド,K.A.デリン/応用超電導の基礎/アディソン−ウェスレー/1991年。
【0036】
R.D.パーメンティア,N.F.ペダーセン/非線形超電導装置及び高Tc材料/ワールド・サイエンティフィック/1995年。
C.P.プーレ,H.A.ファラック,R.J.クレスウィック/超電導/アカデミック出版/1995年。
【0037】
J.B.ケッターソン,S.N.ソン/超電導/ケンブリッジ大学出版/1995年。
S.T.ラギエロ,D.A.ラッドマン/超電導装置/アカデミック出版/1990年。
【0038】
J.C.ギャロップ等/SQUID、ジョセフソン効果及び超電導電子工学/ヒルガー/1991年。
T.バンツァー,C.W.ターナー/超電導装置及び回路の原理/エルセビア/1981年。
【0039】
J.オッペンレンダー,W.ガティンガー,T.トリューブル,M.ケック,T.ドデラー,R.P.ヒューベナー/IEEE−トランス−超電導 9,4337/1999年。
J.オッペンレンダー,Ch.ホイスラー,N.ショーポール/J.アプリケーション・フィジックス 86,5775/1999年。
【0040】
H.ウェインストック(編集者)/SQUIDセンサー:原理、製造、応用/クルーワー・アカデミック出版/1996年。
本発明の特に好ましい実施例では、複数のセルが回路網又は回路網部分を形成し、そこでは、接合部に同方向の電圧が加えられるように、全ての接合部が電気的に並列に接続される。特に、この接続において、セルが超電導方式で相互に接続された時、そのような配列によって、磁界測定のためのとりわけ高い感度を実現することができる。
【0041】
しかしながら、回路網における接合部が、同方向に順番に電圧負荷されるように、複数のセル又は回路網部分を、有益な形で電気的に直列に接続することも可能である。接合部での電圧は、直列回路において統合されるので、この方法により測定信号の大きさを増大させることができる。又、特に高い感度は、複数のセル又は回路網部分の直列配置を並列に接続することによっても達成することができる。更に、こうした実施例では、より多数のセルが用いられるため、固有のノイズが著しく減少され、これにより、従来のSQUIDシステムの場合と比較して、強度が数次数分小さい磁界を検出することも可能となる。この実施例では、回路網部分又はセルが、超電導方式で接続されることが好ましく、より具体的には、超電導ツイストペアケーブルを用いて接続されることが好ましい。この場合、超電導量子干渉フィルタの精度は、aT(10-18テスラ)以下の範囲にまで達することができる。そのような測定範囲では、較正曲線も唯一のままであるため、極めて小さい磁界の絶対値の定量的測定が可能となる。
【0042】
回路網は、電圧駆動式又は電流駆動式で用いることができる。
更に、可能な限り理想的なジョセフソン効果を達成するために、接合部を点接触として設計することが提案される。
本発明による装置の感度を増すために、更に、セル配列の幾何学的配列が、セルを流れる電流によって生成される自己磁界に基づいて、一つのセルから隣接するセルへの磁性クロストークを減少させるように設計されることが提案される。
【0043】
本発明を更に有利に改良した実施例では、回路網が、超電導ループ装置及び/又はプレーナ装置を備え、これらの装置は、これらの超電導領域における第一次磁界によって生成された磁束が、回路網のセル内に連結されるように磁界を移動させたり、及び/又は磁界を強めたりする。これは、SQUIDの場合に、その感度を増すための方法として周知である。なぜなら、超電導体の"マイスナー効果"によって、そうしたループ装置は、それらを貫通している磁束をそれらの外部環境へと押しやる特性を持つためである。SQIF又はSQUIDがこれらの外部環境に配設されると、大きく増大された磁界が、このピックアップループによって広がって行く。これは、ループ装置のみでなく、プレーナ超電導領域("ワッシャー")の場合にも当てはまる。これに関して、"磁束集束"という用語を用いることもある。従来のSQUIDと比較して、SQIFが、極めてより効果的にピックアップループに対して連結され得ることが明らかになっている。重要なのは、ピックアップループを備えた従来のSQUIDを用いても、SQUIDの全く異なる有効面積(正式には最大で約50μm×50μm)及びピックアップループの有効面積(正式にはcm×cmの大きさの次数)のために、極めて深刻なインピーダンスの不均衡が生じ、これによって、特に、RF適用の際に、重大な問題が発生してしまうということである。一般に、SQIFの有効(総合)面積は、SQUIDのそれよりも非常に大きいため、SQIFの場合、インピーダンスの不均衡という問題は、大きく減少されるか、あるいは解消される。
【0044】
本発明の更に好ましい実施例では、回路網及び/又は回路網部分のセルが、空間的に、より具体的には、二次元又は三次元の空間内に、一列に配置される。これらの方法によって、磁界の絶対値に加えて、個々の磁界成分を判定することが可能となる。従って、三次元空間における配列の場合に、磁界の方向を判定することが可能となる。
【0045】
更に、接合部を駆動させる電流が、特に、ブスバー抵抗器として設計されたオーム抵抗器によって、回路網に供給され、及び/又はその回路網から再び流出されることが好ましい。オーム抵抗器を介して駆動電流を供給することにより、SQIFの働きを実質的に向上させることが可能であることが測定結果から示されていることが重要である。
【0046】
同様に好ましい発明の実施例では、第一次磁界によって生成された磁束を、個々のセル、回路網部分、又は回路網全体によって制御された形で補正することができるように、個々のセル及び/又は回路網部分及び/又は回路網全体が、第二次磁界を生成するための補正回路を備える。特に、これは、制御可能な静的又は時間的に変化する磁界が、個々のセル及び/又は回路網部分及び/又は回路網全体の存在する場所に生成されるという事実によって実現可能である。それにより、超電導量子干渉フィルタの測定範囲は、原則として任意に選択可能となる。
【0047】
本発明による装置は、例えば、回路網の電圧レスポンスを求めるために、又は補正回路を制御するために、電子コンピュータに接続されることが好ましい。
実施例の記載
本発明の複数の実施例は、図面に示されると共に、更なる利点及び詳細についての記載によって、より詳細に説明される。
【0048】
図1に示された本発明の実施例を、以下でより詳細に説明する。図1a及び1bは、本発明による、その幾何学的配置及び検出反応が超電導量子干渉フィルタを構成するジョセフソン接合部3,4を備えた、簡単なマルチループ回路網1,2の物理的実現形を示している。この回路網1,2は、ジョセフソン接合部3,4によって相互に接続された超電導領域5,6からなる。この場合、超電導領域は、低温超電導材料及び高温超電導材料の両方から構成されることが可能である。ここで再び、本発明によれば、回路網の作動可能性は、(例えば、ブレーク接合、ステップ接合、マイクロブリッジ等)ジョセフソン接合部の具体的な設計によらない。実施例の定量的データは、例えば、従来のSQUID磁気計に用いられているようなNb|A10x|Nb技術を利用して製造されたジョセフソン接合部等、先行技術に対応し、従来の超電導体からなる典型的なジョセフソン接合部のパラメータ規格に関連する。そのような接合部は、約200μAの典型的な臨界電流icと、外部に並列に接続されたオーム抵抗器によって規定される、例えば、約1Ωの通常の抵抗rnと、ピコファラッド範囲の幾何学的シャントコンデンサーCnとを有する。回路網の空間的範囲は、従来のSQUIDに匹敵することができる。そして、回路網のセルの大きさは、μmからmmの範囲である。しかしながら、適用法によっては、本発明の回路網は、それ以上又はそれ以下の大きさを持つセルを備えることも可能である。
【0049】
図1a及び1bにおいて、超電導量子干渉フィルタは、それぞれ電流方向に二つの接合部を有するセル7〜13又は7a〜14aを有するジョセフソン接合部3,4からなる平らな回路網1,2から形成されている。これに匹敵する、N=10の接合部を有するSQIFの超電導回路の回路図が、図2に示されている。この回路網の特徴は、個々のセル面積1〜9が異なる大きさであると共に、種々の回路網セルの表面面積|aj|が、互いに有理比の関係にないことである。14は、等価の抵抗器を示す。×印は、ジョセフソン接合部1〜10を表す。このジョセフソン接合部を取り囲む破線と点で表されたボックスは、超電導方式で接続された領域を示す。このボックス内の太線は、超電導接続を象徴している。これらの必須条件の下で、特に、回路網を貫通している磁束が等しく消滅した場合にのみ、回路網の個々の超電導領域の状態を示す量子力学的ウェーブ関数が建設的に干渉する形となるように、多重巨視的量子干渉の物理的効果が発生する。回路網の巨視的な全体的状態は、回路網が一定の超臨界電流I0で駆動されるという事実によって読み取ることができる。その結果が、電圧レスポンス関数
【0050】
【数12】
Figure 0004180275
【0051】
である。N=30の接合部を有する本発明による回路網を用いた場合が図3において線図で示されているように、この電圧レスポンス関数は、
【0052】
【数13】
Figure 0004180275
【0053】
で唯一の全体的絶対値最小値を有し、最終的に略一定のままである値
【0054】
【数14】
Figure 0004180275
【0055】
に達するまで、
【0056】
【数15】
Figure 0004180275
【0057】
が増加するにつれて単一的に上昇する。上記値は、縦の
【0058】
【数16】
Figure 0004180275
【0059】
が増加し続けても、実質的に変化しない。このように、超電導量子干渉フィルタの電圧レスポンス関数は、回路網の存在する場所に存在する、
【0060】
【数17】
Figure 0004180275
【0061】
である磁界
【0062】
【数18】
Figure 0004180275
【0063】
に対して唯一のものである。
【0064】
【数19】
Figure 0004180275
【0065】
に対する結果は、Vmaxに近接して変動する電圧レスポンスであり、Nが増加するにつれて、その変動は急速に小さくなる。この場合、Vmaxは、電圧レスポンス関数の全体的絶対値最大値である(図3を参照)。超電導量子干渉フィルタの測定範囲は、全体的最小値
【0066】
【数20】
Figure 0004180275
【0067】
とVmax−ΔVとの間の間隔によって決定される。この場合、ΔVは、
【0068】
【数21】
Figure 0004180275
【0069】
の範囲における最も小さい局所的最小値とVmaxとの間の間隔を示す。従って、値
【0070】
【数22】
Figure 0004180275
【0071】
は、測定範囲の下限を規定し、電圧レスポンスが値Vmax−ΔVに達するところの
【0072】
【数23】
Figure 0004180275
【0073】
の値は、測定範囲の上限
【0074】
【数24】
Figure 0004180275
【0075】
を規定する(図3を参照)。この場合、ΔVの値は、回路網が有するセルの数によると同時に、個々の回路網セルの表面面積の選択、又はそれらの互いに対する比率による。これは、次の段落に記載の超電導量子干渉フィルタの理論的説明によって、より詳細に説明される。
【0076】
図2b〜fに示されているのは、個々の回路網セルが、図2aに示された機能的に必要とされる二つの接合部3に加えて、更なる一つの接合部又は更なる複数の接合部を備えた回路網の実施例である。ここで、それらの接合部は、×印で表されている。太線は、超電導接続を表している。細線は、通常電導又は超電導のどちらであってもよい。付加的接合部は、この場合、駆動電流がそれらを通じて全く流れないか、あるいはわずかな駆動電流のみがそれらを通じて流れる(非直接的に電圧がかけられた接合部3a)と共に、時間的に変化する電圧降下も概して発生しないように、個々の回路網セル内に設けられることが可能である。このような実施例によって、個々のセル内の磁界によって誘導されるスクリーン電流を減少させることができる。更に、自己インダクタンス及び相互インダクタンスの影響も、それによって減少させることができる。しかしながら、付加的接合部は、駆動電流Iがそれらを通じて流れるように設けられることも可能である(直接的に電圧がかけられた接合部3b)。回路網の個々のセル又は複数のセルにおいて、一つの接合部3a又は複数の接合部3aと、一つの接合部3b又は複数の接合部3bとを組み合わせても良い。
【0077】
図4a〜4cには、直接比較のために、従来の単一ループSQUID(図4a)、同一サイズの正規の標準セルを有する従来の複数ループSQUID(図4b)、及び超電導量子干渉フィルタ(図4c)について、それぞれの電圧レスポンス関数が示されている。上述の例の単一ループSQUIDは、二つのジョセフソン接合部を有する単一の超電導ループ又はセルを備え、複数ループSQUIDは、そのような同一の単一ループSQUIDを並列に配列("はしご配列")することによって、N=30の接合部を備えるように構成され、超電導量子干渉フィルタは、本発明に基づいて、同じくN=30の接合部を有するように設計されている。
【0078】
【数25】
Figure 0004180275
【0079】
に対して、各接合部に対する電流が1.1icの値をもつように、駆動電流I0が三つの装置全てに関して選択され、その結果、電圧範囲Vmax−Vminは、三つの装置全てに関して同一となる。ここで再び、従来のSQUID及びSQIFの電圧レスポンス関数が、具体的な実施例と共に、図4dにおいて示されている。先行技術による装置(単一ループSQUID及び複数ループSQUID)は、周期がΦ0の周期的電圧レスポンス関数〈V〉を有するために、磁界の絶対値測定が不可能であるのに対し、平らな超電導量子干渉フィルタは、唯一の電圧レスポンス関数を有する。それによって、SQIFのこの電圧レスポンス関数は、磁界の絶対値定量的測定を可能にする。選択された例では、測定範囲がΦ=0と
【0080】
【数26】
Figure 0004180275
【0081】
との間である。平均回路網セル面積
【0082】
【数27】
Figure 0004180275
【0083】
がμm2の範囲であると仮定すると、これは、B=0〜B=10-4Tの磁界の強さに相当し、mm2の範囲における
【0084】
【数28】
Figure 0004180275
【0085】
の場合には、B=0T〜B=10-10Tの磁界の強さに相当する。これらの例では、限界精度が、10-13T〜10-16Tの範囲となる。
本発明による装置の測定範囲は、補正回路を用いて、一定の感度との関連で所望のように変更することができる。この補正回路の補助により、周知の強度を有する磁束が、制御された形で、超電導量子干渉フィルタ内に連結される。対応する装置は、更なる実施例において説明される。
【0086】
超電導量子干渉フィルタの電子技術理論による説明は、超電導回路の回路網理論を考慮に入れて、個々のジョセフソン接合部に対する、RCSJモデル(RCSJ=抵抗上及び容量上分路された接合部)として周知のものを利用することにより成し遂げられる。RCSJモデルでは、個々のジョセフソン接合部は、オームシャント抵抗器rn及びトンネルバリアを特徴付ける幾何学的シャントコンデンサーcnに対して並列に接続された非線形のインダクタンスによって説明される。ジョセフソン接合部の巨視的状態は、それぞれの接合部の対向する二つの超電導電極の巨視的量子力学的位相間のゲージ不変の差によって説明される。この位相の差は、φjによって表され、j=1...Nは、回路網の個々の接合部を示す。そして、回路網が動的に基盤とする関係は、以下の方程式によって表される。
【0087】
【数29】
Figure 0004180275
【0088】
上記方程式において、Ijは、指数jをもつ接合部を通じて流れる、
【0089】
【数30】
Figure 0004180275
【0090】
と表される電流を示し、Φjは、指数jをもつ回路網セルを貫通する磁束を示す。方程式1は、RCSJモデルにおける電流Ijと、接合部を越えて降下する電圧Vj(t)との間の非直線的関係を表す。方程式2は、第2ジョセフソン関係に相当し、この関係に基づいて、接合部を越えて降下する電圧Vj(t)が、位相の差φjの時間的導関数∂tφjに正比例する。方程式3は、閉じられた超電導ループを通じての磁束の量子化を表す。
【0091】
単純化のために、理論上の説明では、回路網接合部が同一である、即ち、臨界電流ic、並列に接続されたシャント抵抗器rn及びシャントコンデンサーcnの全てが、統計的又は体系的散乱にさらされないと想定される。しかしながら、パラメータ散乱が典型的に製造時に誘発されるという事実の発生によって、超電導量子干渉フィルタの有用性が損なわれることはない。更に、RCSJモデルの枠内での理論的説明は、いわゆる点接触、即ち、当該接合部が非常に小さいために接合部バリアの範囲に渡って位相の差が変化しない接合部に限定されている。これも又、従来のSQUIDの理論的説明における習慣的な前提である。この前提は、とりわけ、超電導量子干渉フィルタにおいて正当化される。なぜなら、従来のSQUIDと比べると、より多くの回路網セルを備えることによって、発生する干渉パターンが、回路網の原動力によって支配され、その結果、個々の接合部の特定の幾何学的配置によって、極めてわずかに左右されるに過ぎないからである。
【0092】
電流保存による以下の回路方程式及び方程式1〜3は、回路網が存在する場所で作用する磁界
【0093】
【数31】
Figure 0004180275
【0094】
及び駆動電流I0と、回路を渡って降下する電圧V(t)との関連を表す。静的の、又は回路網周波数と比べてゆっくり変化する磁界
【0095】
【数32】
Figure 0004180275
【0096】
に関して、本実施例のSQIF及び並列接続の回路網セルを備えたSQIF全般に関する回路方程式は、以下の形の非線形微分方程式として表すことができる。
【0097】
【数33】
Figure 0004180275
【0098】
上記式において、磁界
【0099】
【数34】
Figure 0004180275
【0100】
は、測定されるべき第一次外部磁界
【0101】
【数35】
Figure 0004180275
【0102】
と、可能であれば、制御された形で生成される第二次補正磁界
【0103】
【数36】
Figure 0004180275
【0104】
とからなる。方程式4に見られる複素
【0105】
【数37】
Figure 0004180275
【0106】
構造係数
【0107】
【数38】
Figure 0004180275
【0108】
は、N−1のセルからなる超電導量子干渉フィルタの幾何学的及び力学的特性を表す。それは、測定されるべき磁界の強度の関数として、回路網の空間的及び時間的干渉特性を決定する。位相変化δNは、同じく特定の幾何学的配置によるが、時間的平均電圧レスポンス関数
【0109】
【数39】
Figure 0004180275
【0110】
には影響を及ぼさない。
複素構造係数
【0111】
【数40】
Figure 0004180275
【0112】
は、以下の通り規定される。
【0113】
【数41】
Figure 0004180275
【0114】
上記式において、ベクトル
【0115】
【数42】
Figure 0004180275
【0116】
は、個々の回路網ループの有向面素(
【0117】
【数43】
Figure 0004180275
【0118】
=表面基準、
【0119】
【数44】
Figure 0004180275
【0120】
=m番目のループの表面面積)を表し、
【0121】
【数45】
Figure 0004180275
【0122】
である。従って、個々の回路網ループを貫通している磁束に関して、
【0123】
【数46】
Figure 0004180275
【0124】
が有効となり、この場合、任意の二つのベクトル
【0125】
【数47】
Figure 0004180275
【0126】
に対して、スカラ積が
【0127】
【数48】
Figure 0004180275
【0128】
によって規定される。ループが存在する範囲に渡って磁界
【0129】
【数49】
Figure 0004180275
【0130】
が変化した場合、このスカラ積の地点で対応する積分が生じる。回路網の周期性は、以下の累積された磁束によって決定される。
【0131】
【数50】
Figure 0004180275
【0132】
上記式に関して、n=0,...,N−1である。
有向面積
【0133】
【数51】
Figure 0004180275
【0134】
が一つだけ存在する従来の単一ループSQUIDに関して、N=2の場合、SNは、値
【0135】
【数52】
Figure 0004180275
【0136】
及び
【0137】
【数53】
Figure 0004180275
【0138】
とを呈する。
【0139】
【数54】
Figure 0004180275
【0140】
である同一のループ表面
【0141】
【数55】
Figure 0004180275
【0142】
を有する平らな周期的複数ループSQUIDの場合、
【0143】
【数56】
Figure 0004180275
【0144】
は等比級数であり、その結果は
【0145】
【数57】
Figure 0004180275
【0146】
である。従って、当技術分野の現状に対応するそのような従来のSQUIDに関する構造係数は、接合部の数に関係なく、周期的構造係数を有する。これらの周期的構造係数は、そのような装置の同様に強いΦ0−周期的電圧レスポンス関数
【0147】
【数58】
Figure 0004180275
【0148】
の原因となり、そしてこのために、先行技術に対応するそれらの装置を用いても、磁界の絶対値測定が不可能であるという事実の要因となる。これに対して、本発明による超電導量子干渉フィルタは、周期的構造係数をもたない。これは、方程式6による
【0149】
【数59】
Figure 0004180275
【0150】
が、公約数のない累積された磁束αnに対して、周期的になり得ないからである。従って、超電導量子干渉フィルタは、周期的電圧レスポンス関数
【0151】
【数60】
Figure 0004180275
【0152】
ももたないこととなり、その結果、磁界の絶対値測定が可能となる。
式3によれば、静的であるか、あるいは回路網の周波数に比べてゆっくりと変化する外部磁界には、j=1…Nのすべてについてvj(t)=v1(t)が当てはまり、つまりv1(t)が、超電導量子干渉フィルタ全体の交流電圧降下を定義していることになる。回路網の周波数νは、アインシュタイン関数
【0153】
【数61】
Figure 0004180275
【0154】
を介して、T=1/νにおいて、この交流電圧の時間平均、電圧レスポンス関数
【0155】
【数62】
Figure 0004180275
【0156】
と関連している。一般的なNb|AlOX|Nb ジョセフソン接合に関して、回路網の周波数νは約100GHzであるため、外部磁界の周波数νextはνext=0から約20GHzの範囲になり得る。従来のSQUIDの場合、平均超過時間における回路網全体の直流電圧
【0157】
【数63】
Figure 0004180275
【0158】
の降下は、容易に利用可能な実測された変数となり得る。式4および5においては、理解し易くするため、バイアス電流により生じるインダクタンス及び自己磁界の影響は無視する。実際には、適切な超電導量子干渉フィルタが与えられれば、インダクタンス及び自己磁界は最小化することができ、本装置の有用性がこれらの影響により損なわれることはない。別の例示的な実施例において、適当な装置が提示されている。
【0159】
一般的なジョセフソン接合に近似させるため理に適うことであるが、シャントコンデンサcnを無視することにより、電圧レスポンス関数の分析による解が求められる。
【0160】
【数64】
Figure 0004180275
【0161】
図4aに示されているように、この電圧レスポンス関数は、現在の技術の状態に対応する全てのSQUIDについて、周期Φ0を有する周期的なものである。それに対して、本発明によるSQIFについては、電圧レスポンス関数が周期的ではない。これは、図4cに示されている。超電導量子干渉フィルタの電圧レスポンス関数は、従来のSQUIDの電圧レスポンス関数と同様に、Φ=0に対する最小値を有している。しかし、従来のSQUIDとは対照的に、この最小値は外部磁界が増加する場合に繰り返されない。従って、電圧レスポンスはΦ=0に対して一意的に顕著であり、構成次第で、直接的にあるいは磁界に対する適当な補償回路を用いて、外部磁界の絶対値の定量的な測定が可能となる。式8において構造係数SNの絶対値が2次で表れているため、本発明による装置についての電圧レスポンス関数は、グラフの上部において値Vmaxの辺りでごく僅かに変動しており、その結果VminとVmaxの間が明らかに急な線を描いている(図4cを参照)。
超電導量子干渉フィルタの構造係数
【0162】
【数65】
Figure 0004180275
【0163】
は、電圧レスポンス関数
【0164】
【数66】
Figure 0004180275
【0165】

【0166】
【数67】
Figure 0004180275
【0167】
という最大の測定範囲を有するように最適化することができる。これは、Vの最も小さい局部的な最小値と最大電圧値Vmaxとの間隔ΔVが、任意の総面積
【0168】
【数68】
Figure 0004180275
【0169】
(図3を参照)及び動作範囲内にある回路網接合部の任意の数Nについて最小化される場合には、いつも当てはまる。この場合、超電導回路網の最大動作範囲は、達成可能な補償磁界の最大強度により決定される。
平面状の回路網について、伝導体抵抗路のあり得る長さの最小の変動l0が生成過程により引き起こされる場合が生じ得る。回路網ループの表面積
【0170】
【数69】
Figure 0004180275
【0171】

【0172】
【数70】
Figure 0004180275
【0173】
により定義され、qmは正の整数である。従って、最悪の場合には、2つの面素が製造上の理由で、l0 2の絶対値の分だけ異なり得る。これは、構造係数
【0174】
【数71】
Figure 0004180275
【0175】
及び超電導量子干渉フィルタの電圧レスポンス関数
【0176】
【数72】
Figure 0004180275
【0177】
が、純粋に理論的な観点からは周期的に変動し得るという結果になる。しかし、発生し得る周期はΦ0に対して非常に大きく、(Φ0tot)/GCDに対応しているが、ここにおいてGCDは平面状回路網の有向面素の絶対値
【0178】
【数73】
Figure 0004180275
【0179】
の最大公約数であり、Atotは、SQIFの総面積
【0180】
【数74】
Figure 0004180275
【0181】
を表している。従来技術に対応するl0についての一般的な値は、約100nmである(ニオブプロセス)。従って、超電導量子干渉フィルタの回路網セル面積を10-2mm2と仮定した場合、最小の面積差l0 2は、ほぼ10-2μm2程度の大きさである。例えば(異なる)素数に関連して選択されることにより、数qmが互いに素であるとき、電圧レスポンス関数の周期は、
【0182】
【数75】
Figure 0004180275
【0183】
として与えられる。数千μm2という一般的な総面積Atotについて、この周期は、実際的に関わりのある測定あるいは動作範囲をはるかに超えている。従って、具体的な適用例における所与の動作範囲に対して、常に最適な面積、接合部の数及び付随する構造係数を有する超電導量子干渉フィルタが存在する。
【0184】
本発明の別の実施例が図5に示されている。ここでは、有向面素
【0185】
【数76】
Figure 0004180275
【0186】
から3次元空間の完全なベクトル成分が形成されるよう、回路網セルが3つのグループに分かれている。以下でベクトルSQIFとして表されている本発明のこの構成は、例えばそれぞれが、
【0187】
【数77】
Figure 0004180275
【0188】
から形成された各基本ベクトルと平行である制御可能な二次磁界を発生させる、適切に構成された補償磁界によって、測定される一次磁界の強度及び方向の両方が一意的にかつ非常に高い精度で決定されるという利点を有している。これによって、一次磁界ベクトル
【0189】
【数78】
Figure 0004180275
【0190】
の絶対値、方向及び位相に関する一意的な定量的再構成をすることができ、多様な新規の適用が可能となる。例えば、本発明による装置を2つ用いて、磁界の源の位置を特定し、それらの強度を測定することさえ可能である。これは、個々の検出信号が一時電流から成るときに、検出磁界の無線読み出しをすることを含み得る。また、こうした装置を用いれば、非常に高度な時間分解能、従って非常に速い処理速度とともに、GHzからTHzの範囲において電子あるいは磁気データの読み出しあるいは処理をすることも可能であり、それは遠隔操作で実質上電力を消費あるいは浪費することなく行われる。ベクトルSQIFsの更なる適用例は、例えば人の脳における代謝プロセス、核磁気共鳴における信号、あるいは例えば地質学的調査における上層地殻での磁気分布の空間的及び時間的高分解能測定である。図5において×印はジョセフソン接合を表し、ブスバー抵抗器が参照番号15で表されている。太線は超電導接続を表している。2本の太線16、17は、超電導接続された回路網の部分を更に区切っている。
【0191】
図示されていない一実施例では、互いに独立して作動し、その表面法線が3次元空間のベクトル成分を形成している3つの個別の平面状SQIFから、ベクトルSQIFが構成されている。この装置は、個別の平面状SQIFが、薄膜技術の現在の技術状況に応じた一般的な方法によって何ら問題なく製造できるという利点を有する。ここにおいて、定量的測定は、前セクションの実施例におけるように、外部磁界の3つの要素の同時補償によっても、各個別SQIFにかかる電圧降下の直接的測定によっても行うことができる。具体的な適用に関して、後者の測定法は補償装置を必要としないため、こうした装置に更に好都合である。
【0192】
図示されていない2つの別の実施例において、最後あるいは最後から2番目のセクションに対応するベクトルSQIFは、個別のSQIFの表面法線あるいは有向面素
【0193】
【数79】
Figure 0004180275
【0194】
が、3次元空間の2次元の部分空間の完全なベクトル成分を形成するのに用いられるように配置された構成となっている。この構成は、磁界が1つの平面上でのみ測定される場合、例えば平面状の検出磁界あるいはメモリが関係している場合に、利点となり得る。
【0195】
図6は、回路網と平行であり、従って駆動電流の方向と垂直な2本の制御線18、19によって補償磁界が生成される、平面状SQIFの実施例を示している。本発明によるこのような装置において、電流IK1、IK2が制御線18、19の片方あるいは両方に流れている場合、既知の強度であり、この電流により非常に正確に制御できる磁束が、SQIFのセル内に結合される。この磁束は、SQIF全体の電圧降下を最小化するように、外部磁界により生じる磁束を補償することができる。この「動作点」は、常にSQIFの較正曲線
【0196】
【数80】
Figure 0004180275
【0197】
の絶対最小値に位置する。制御線と回路網との間隔は既知であるため、補償電流の値は、外部磁界の強度を直接的に測定するのに用いることができる。SQIFの測定範囲内で、他の動作点を選択することも可能である。この構成は、SQIFの動作範囲すなわちその装置を用いて測定できる磁界強度の範囲が、基本的には前記のように、トンネル障壁により隔てられた、超電導になり得る領域間の位相干渉を壊す磁界強度によってのみ限定されるという利点を有する。他の利点は、この構成においては、実際の測定範囲すなわち電圧レスポンス関数が単射的である範囲が非常に狭い場合であっても、SQIFが十分有効に動作できることである。これは、制作寸法公差のため、電圧レスポンス関数において、電圧値が絶対最小値の電圧値と大きく変わらない二次的な最大値が生じたときに起こり得る。しかし、本発明によれば通常数nVであるSQIFの精度限界より測定範囲が大きい限り、本装置は補償回路を有する構成において十分有用である。また、制御線を有する構成の場合に有利なのは、補償回路がチップ上に設けられ、追加的な製造工程を必要としない点である。現在の技術によれば、薄膜構造の場合、回路網給電線の上あるいは下に位置する層に制御線を設けることができる。また、複数の制御線を設けることは、例えば正確な測定のために、時間により変動する補償磁界を静的な補償磁界に重ねようとする場合にも有用である。
【0198】
本発明によるSQIFは、時間により変動する補償磁界が用いられる動作モードに関して、最大の感度に達するはずである。更に、このようなモードにおいては、測定すべき磁界の強度及び方向を同時に測定するだけでなく、位相角度も測定することができる。これにより、測定された時間により変化する信号を完全に再構成することができ、従ってこの信号と同一な複製を作成することができる。本装置の利点は、そのような複製を、情報を失うことなく増幅し伝達し得る点にある。
【0199】
図6の×印もやはりジョセフソン接合を表している。象徴的に描かれたブスバー抵抗器は、参照番号20により表されている。一点鎖線は、回路網の必然的に超電導となる部分の境界を示している。
図示されていない正確な測定のための構成においては、補償回路がSQIFの外部に設けられているが、この補償回路は1組のコイルを備え、そのコイルは、2つのコイルの間にある1組のコイル全体にとっての軸と垂直な平面にSQIFが含まれるような方向に向けられている。この様な補償回路は、SQIFにおける補償磁界が非常に高レベルの均一性を有しており、そのため非常に正確な測定が可能になるという利点がある。補償が局所的である、すなわち補償が制御線及びSQIFの外部に設けられた補償回路によって行われるという構成は、雑音及び変動等の干渉の影響を最小化する点においても好都合である。例えば制御線の形を取った補償回路を有する本発明によるSQIFは、超高速高性能コンピュータ用のロジック部品(アクチュエータ)としても利用することができる。
2本のローカル制御線を備えたSQIFは、完全に等しい並列電流が両方の制御線に流れているときにのみ切り換わる、ORロジックモジュールを提供することができる。この場合、アクチュエータの切換時間は、回路網周波数の範囲内すなわちGHzからTHzの範囲内にある。この様なロジックモジュールの利点は、非常に少ない制御電流でも、現在の一般的なジョセフソン接合に関して数百μVから数百mVという最大電圧レスポンスをもたらすため、それらが同時に増幅器として働くことにある。
【0200】
本発明による装置の感度あるいは利得は、図7において示されているような、一部にジョセフソン接合を含んでいる能動制御線21によって互いに連結されたSQIFの直列接続により、増加可能である。×印はジョセフソン接合を表している。象徴的に描かれたブスバー抵抗器は、参照番号22により表されている。回路網内部の太線は、超電導接続及びやはりジョセフソン接合を含む超電導領域23を表している。
【0201】
この場合、能動制御線21は、種々のSQIF区域の構造係数における偏差が大きく、パラメータが不均質な場合においても、1次元SQIF列を同期させる。制作寸法公差が低い場合、状況によっては能動制御線なしで済ませることも可能である。2次元で構成することもできるこの様なSQIF列の利点は、装置の精度限界がSQIF区域23の数によって低減し、利得がSQIF区域23の数によって増加する点にある。動作モードの最適な選択をすることにより、磁界測定範囲内において、例えば従来のSQUID装置における精度限界より多い桁数の精度限界を達成するために、こうした装置を使用することができよう。また、SQIF列は、従来技術に応じた製造方法を用いて何ら問題なく製造することができる。
【0202】
複数のSQIF区域24が、階層的に構成されたSQIF列内に接続されている一実施例が、図8に示されている。ここでは、階層的SQIF列の基本要素は、同一の構造係数を有する同一の基本SQIF24である。これらの基本SQIF24は、またSQIF25の形を取って第2の階層面上に配置され、SQIF25は第3の階層面における基本SQIF25となる。3つ以上の階層面(k=1,2,3,…)を有する装置も可能である。こうした装置の利点は、基本SQIFの有向面素とSQIFあるいは上の階層面のSQIFとの関係に応じ、また種々の面上で通常異なっている構造係数により決定されるように、種々の面上で生成される干渉パターンが再び干渉して全体的なパターンを形成することによって、非常に高い分解能が可能となることにある。種々の階層面上における有向面素
【0203】
【数81】
Figure 0004180275
【0204】
は、異なった並べ方であってもよいため、生じる干渉パターンは、更に、外部磁界の方向に対して非常に敏感である。現在の製造技術の状況によると、この様な多次元のSQIF装置はチップ上に設けることはできない。しかし、多次元SQIF装置の個々の平面状部品を、薄膜技術の従来の方法を用いて製造し、超電導ツイストペア線を用いてそれらの部品を接続して、前記のタイプの装置全体を製造することは可能である。この場合、超電導ツイストペア線は、有効な磁束がその線を貫通しないという利点がある。従って、超電導ツイストペア線を用いたSQIF装置の様々な部分の接続は、式6で特徴づけられるケーブルが単にゼロに近い小さな領域の有向面素として表れているため、本発明によるSQIF装置全体の有用性に何ら影響を与えない。
【0205】
異なる回路網セル間で行われる誘導結合をどのようにして最小化し得るかを表す一実施例が、図9aに示されている。こうした誘導結合は、回路網が非常に多くのセルを含んでいる場合、装置の感度を低下させる。超臨界電流が各接合部を流れているため、この場合、派生電流供給が、ある状況下で無視できない自己磁界を生成する。例えば図9bに示された本発明による実施例は、自己磁界の影響を大幅に減少させるために利用することができる。図9a及び9bにおいて、回路網セル26、27の導線軌道は、短い送電用導体の磁界が実質上その導体に垂直な領域に限られるので、回路網接合部28を流れる電流が、それぞれ次の1つの回路網セルだけにごく僅かな磁束のみを誘導するように構成されている。Φ=0について、各接合部には同じ強さの電流が流れるので、この場合インダクタンスがゼロになり、電圧レスポンス関数の全体的最小値が式8による最小値に対応する。給電線及び引出し線の自己磁界を最小化するために、従来技術に対応し、回路網からの距離が十分であるように選択されたブスバー抵抗器29を介して、駆動電流I0が供給及び送出される。同様に相互の誘導的な影響を最小化するSQIFの別の構成が、図9cに示されている。
【0206】
種々の回路網セルが直列に接続された実施例が、図10aに示されている。ここでは、有向面素
【0207】
【数82】
Figure 0004180275
【0208】
も、回路網の電圧レスポンス関数が周期的でないか、あるいはΦ0と比べて非常に大きい周期を有するように選択される。周期的でない電圧レスポンス関数の場合、この電圧レスポンス関数の全体的な絶対最小値は、正確に
【0209】
【数83】
Figure 0004180275
【0210】
となる。N=100の回路網セルa1からa100に対応する直列回路の、非常に大きい周期の電圧レスポンス関数が図10bに示されている。
この様な構成は、直列回路が、個々の回路網セルの電圧レスポンス関数を足し合うようにさせるという利点を有する。これによって、数mVあるいは数Vにも及ぶ、非常に広い電圧の範囲を有する量子干渉フィルタが生み出される。しかし、並列回路と対照すると、この場合には、従来の2接合SQUIDと比較して、
【0211】
【数84】
Figure 0004180275
【0212】
による電圧レスポンス関数の幅の減少(変動)が生じない。しかし、直列に配置された隣接する回路網ループ間の間隔は、量子干渉状態を侵害せず任意に選択できるため、寄生相互インダクタンスはこの様な配列を用いて最小化することができる。更に、直列回路は、製造において技術的な条件付きの利点を有する。具体的には、搭載密度を高めることができるため、チップ上に回路を集積するのに有利である。
【0213】
直列SQIFは、2次元のSQIF列の最も単純に具体化したものを構成しているため、直列SQIFの理論的な説明は、式8を用いて行うことができる。同じ回路網接合について、個々の回路網セルにおける平均直流電圧降下は、超臨界バイアス電流I0>2icに対して、
【0214】
【数85】
Figure 0004180275
【0215】
の状態で、
【0216】
【数86】
Figure 0004180275
【0217】
で与えられる。直列式配列全体における平均直流電圧<V>の降下は、
【0218】
【数87】
Figure 0004180275
【0219】
から導かれる。
回路網セル
【0220】
【数88】
Figure 0004180275
【0221】
の直列式配列のため、並列式配列に関しては、適当な列
【0222】
【数89】
Figure 0004180275
【0223】
の選択によって構造係数を直接定義することができないのは確かであるが、ここで、電圧レスポンス関数の形状、特に測定及び/あるいは動作範囲を設定することも可能である。
図10bの実施例において、例えば有向面素
【0224】
【数90】
Figure 0004180275
【0225】
が算術的関係
【0226】
【数91】
Figure 0004180275
【0227】
に対応する平面状の直列式配列において選択されているが、この場合、
【0228】
【数92】
Figure 0004180275
【0229】
であり、aNは、Nの回路網セル及び2Nの接合部を有する直列SQIFの最大面積を表している。この様な選択は、例えば電圧レスポンス関数における最大値が最小値にすぐ続いている(図10b参照)ので、電圧の範囲が最大になるという利点がある。
【0230】
この直列SQIFに加え、一般的な結合及び制御回路が図10aにおいて概略的に描かれている。適当な構成であれば、外部磁界及び/あるいは電流Iinpにより生成された磁界を補償する補償磁界が、補償電流Icompにより個々の回路網セルの位置に生成される。これによって、SQIFが非常に敏感なゼロモードで動作できる。この場合、電流Iinpは、例えば受信ループあるいは別の信号源の入力電流である。従って直列SQIFは、例えば(電流)増幅器として使用されている場合、回路の暗騒音が
【0231】
【数93】
Figure 0004180275
【0232】
の割合でのみ増大し、電圧の範囲がNの割合で広がるので、非常に有用である。これは、種々の回路網セル及び/あるいはこれらセルのジョセフソン接合の電圧雑音が、相互関係(純粋電流結合)を有していないため、単に脈絡なく重ね合わされていることによる。従って、直列SQIFあるいは一般的にはSQIF列を用いて、例えば非常に低雑音の増幅器を実施することが可能である。SQIFにより実施可能なこうした増幅器の一般的な電流−電圧特性が、図10cに示されている。SQIFの構成次第で、この動作モードにおいて非常に小さな電流(<10-12A)を検出及び/あるいは増幅することも可能である。この様な増幅器の更なる利点は、切換時間が非常に速く、非常に高周波数まで使用できることである。
【0233】
電圧レスポンス関数の周期的特性は、本発明による量子干渉フィルタの重要な特徴である。従って、本発明によるSQIFの電圧レスポンス関数の磁束に関する周波数スペクトルは、従来技術に対応するこれまでのSQUIDの干渉計とは明らかに違いがある。この状況が、従来技術に対応するSQUIDの一般的な周波数スペクトル(図11a及び11b)と、本発明による量子干渉フィルタの一般的な周波数スペクトル(図11c及び11d)とを用いて、図11aから11dに示されている。
【0234】
図11aは、上図において従来のSQUIDの一般的な電圧レスポンス関数を示している。<(V(Φ)>曲線は周期Φ0を有する周期的なものである。従って、図11aの下図における関連した周波数スペクトルは、1Φ0で極めて顕著な振幅を示している。SQUIDの電圧レスポンス関数が調和的でない(式8参照)ため、より高周波の調和的なモードが2Φ0及び3Φ0でも生じているが、それらの振幅は非常に小さい。従って、従来のSQUIDの周波数スペクトルはΦ0−周期の効果が特色となっている。これは、図11bが示しているように、同一の回路網セルから成るマルチループ配列にも当てはまり、同一のSQUIDループが直列式配列であるか並列式配列であるかにはあまり関係がない。パラメータが不完全であるか、幾何学的に不完全である場合にも、従来技術に対応する量子干渉計は、常にΦ0−周期の効果が特色となっている離散的周波数スペクトルを示す。更に、不完全な場合に生じ得るのは、不完全性から派生し、その不完全性のタイプに応じた追加的な連続スペクトルである。
【0235】
これに対して、本発明による量子干渉フィルタは、電圧レスポンス関数の周波数スペクトルにおける顕著なΦ0−周期の効果を有していない。この状況が図11c及び11dに示されている。図11aから11d(下図)における周波数スペクトルは、直接的な比較ができるように、それぞれ同一の任意の単位において突き合わされている。本発明による量子干渉フィルタの電圧レスポンス、及び周期性を提示していない関連する周波数スペクトルが、図11cに示されている。このスペクトルは実質上連続的であり、離散型スペクトルは存在しない。具体的には、顕著なΦ0−周期の効果が存在していない。実質上連続的なスペクトルの振幅は、図11aあるいは図11bによる従来の装置の場合より、大きさが2あるいは1次数分小さい。図11dには、本発明による量子干渉フィルタの電圧レスポンス関数、及び技術的に誘導された周期性を表す関連のスペクトルが示されている。電圧レスポンス関数は周期がΦ0より非常に大きく、周波数スペクトルは、周期Φ0において振幅が非常に小さい離散型の要素を有している。周期Φ0の場合の振幅は著しいものではなく、いかなる場合も周波数スペクトルに顕著な効果を与えはしない。代わりに、離散型のスペクトルは、従来の装置の場合と比べて振幅の大きさが1あるいは2次数分小さいという点が特徴である。
【0236】
本発明による量子干渉フィルタの周波数スペクトルは、周波数スペクトルのΦ0−周期の効果に関して堅固である。パラメータの不完全性あるいは幾何学的不完全性が、本発明による装置の前記の質的特性を変化させることはない。
図13で概略的に表されているのは、超電導の引出しループを備えた平面状SQIF30の一実施例である。この様な引出しループは、一次磁界により内部に生成された磁束を外に向かって移動させることにより、一次磁界を増幅させる。こうした装置は、一次磁界が、適当な装置によってSQIFの位置で非常に強く増幅され得るという利点を有する。SQIFの別の利点は、引出しループとSQIFの間で一致しないインピーダンスを最小化するように、SQIFの全面積を構成し得ることにある。SQIFの感度及び精度は、こうした装置によって大きく向上させることができる。引出しループの代わりに、同様に前記の利点をもたらす超電導平面(ワッシャと呼ばれる)を用いることも可能である。勾配計の結合もまた可能であり、磁界の勾配の測定において、前記の利点にもつながる。適切に構成された超電導引出しループは、同時に受信アンテナとしての役割を果たすことができるため、時間により変動する電磁界の検出において同様に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1a,b】 空間的配列における、並列に接続されたジョセフソン接合部を有する複数セル回路網を示している。
【図2】 N=10の接合部を有する量子干渉フィルタの等価超電導回路の回路図を示している。
【図2a〜f】 本発明による更なる超電導回路の回路図を示している。
【図3】 N=30の接合部を有する回路網の電圧レスポンス関数を示している。
【図4a,b】 従来のSQUIDの周期的電圧レスポンス関数を示している。
【図4c】 本発明による超電導量子干渉フィルタの電圧レスポンス関数を示している。
【図4d】 SQUID及びSQIFの電圧レスポンス関数を示している。
【図5】 三次元空間のベクトル基準を示すと共に、超電導量子干渉フィルタの空間的配列を象徴的に図示したものである。
【図6】 磁界補正装置を備えた、平らな超電導量子干渉フィルタを線図で示したものである。
【図7】 並列に接続された制御ラインを有する超電導量子干渉フィルタを線図で示したものである。
【図8】 SQIF回路網部分を線図で示したものである。
【図9a〜c】 自己磁界の影響を最小にするための幾何学的配列を有する、平らな超電導量子干渉フィルタを線図で示したものである。
【図10a】 直列で接続された回路網セルから作られた回路網を示している。
【図10b】 N=100の回路網セルに対する直列回路の場合の、図10aに示された回路網に対応する電圧レスポンス関数を示している。
【図10c】 補正回路の補助により電流増幅器として作動した際の、図10aに示された回路網の電流−電圧特性を示している。
【図11a】 上図は、従来のSQUIDの典型的な電圧レスポンス関数を示し、下図は、対応する周波数スペクトルを示している。
【図11b】 上図は、同一のセルから作られた回路網の典型的な電圧レスポンス関数を示し、下図は、対応する周波数スペクトルを示している。
【図11c】 上図は、周期性をもたない本発明の干渉フィルタの電圧レスポンス関数を示し、下図は、対応するスペクトルを示している。
【図11d】 上図は、技術的に調節された、比較的大きな周期性を有する量子干渉フィルタの電圧レスポンス関数を示し、下図は、該フィルタの対応するスペクトルを示している。
【図13】 フィルタの存在する場所で第一次磁界を増幅する超電導ピックアップループを備えた、平らな超電導量子干渉フィルタを線図で示したものである。

Claims (11)

  1. 磁界の高精度測定用すなわち磁界の絶対値の定量的測定用の装置であり、
    ジョセフソン効果を表す超電導体(5、6)間の接合部(3、4)の回路網(1、2)を有し、
    前記回路網は、以下においてセルとして示される閉じたメッシュ(7、7aから13、14a)を含み、前記各セルは、超電導の状態に接続された少なくとも2つの接合部(3、4)を有し、
    前記回路網は、少なくとも3つの前記セルを備え、
    一定の超臨界電流が供給されたときに、磁界に依存する電圧は、前記少なくとも3つのセルのそれぞれにおいて降下し、
    前記少なくとも3つのセルは、超電導の状態及び/あるいは非超電導の状態に接続され、
    前記少なくとも3つのセルのそれぞれは、少なくとも1つの隣接する当該セルを有し、
    前記少なくとも3つのセルの前記接合部(3、4)は、電流源及び/あるいは電圧源に電気的に接続されて、
    前記接合部(3、4)が一定の超臨界電流の供給を受ける場合には、前記回路網において電圧が降下し、該電圧が、ゼロにならない時間平均を有するようにされた装置であって、
    前記少なくとも3つのセルは、回路網の存在する場所に磁界が存在する場合に、前記少なくとも3つのセルにより囲まれた磁束が、当該セル間で意図的に異なり、且つ、公約数を有さないように、意図的に幾何学的に異なるように構成されると共に、隣接して配置され、それゆえに、いかなる最大公約数も備えず、
    一定の超臨界電流が供給されたときに、存在する磁束の絶対値が最小のときにのみ、前記回路網において、降下される電圧の直流部は最小となり、それゆえに、前記直流部が磁束に関して周期性を持たない、
    ことを特徴とする装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、
    前記少なくとも3つのセルのそれぞれが、平面状に形成されており、回路網の存在する場所に磁界が存在する場合に、この磁界により貫通される前記少なくとも3つのセルの面積が、当該セル間で異なり、且つ、公約数を有せず、
    それゆえに、最大公約数を有しない
    ことを特徴とする装置。
  3. 請求項1あるいは2に記載の装置において、
    複数のセルが回路網(1、2)あるいは回路網部分(24、25)を形成し、前記接合部が、電流源及び/あるいは電圧源に電気的に接続されうると共に、同方向に電流を供給されうるよう、全ての接合部が並列に電気的に接続されている、
    ことを特徴とする装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の装置において、
    前記回路網の前記接合部が、電流源及び/あるいは電圧源に電気的に接続されうると共に、同方向に電流を供給されうるよう、複数のセルあるいは回路網部分、もしくは、少なくとも1つのセルと1つの回路網部分が、直列に電気的に接続されている、
    ことを特徴とする装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の装置において、
    前記回路網の前記接合部が、電流源及び/あるいは電圧源に電気的に接続されうると共に、同方向に電流を供給されうるよう、セル及び/あるいは回路網部分の複数の直列回路が、超電導のツイストペア線、及び/あるいは他の電気的接続を用いて、並列に電気的に接続されている、
    ことを特徴とする装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の装置において、
    前記接合部(3、4)が点接触として構成されている、
    ことを特徴とする装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の装置において、
    前記回路網に、超電導のループ装置及び/あるいはプレーナ装置が取付けられており、上記の超電導領域における一次磁界により生じた前記磁束が前記回路網の前記セル内に結合されるよう、前記回路網に取り付けられた装置が前記一次磁界を変位及び/あるいは強化させる、
    ことを特徴とする装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の装置において、
    三次元空間における一次磁界の3つのベクトル成分のうち少なくとも2つが回路網内に磁束を誘導することができるよう、前記回路網の前記セル及び/あるいは前記回路網部分が、空間的に異なるように並べられている、
    ことを特徴とする装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の装置において、
    前記接合部を駆動する電流は、具体的にはブスバー抵抗器として構成されたオーム抵抗器により、前記回路網に供給され、及び/あるいはまた前記回路網から送出される、
    ことを特徴とする装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の装置において、
    静的又は時間により変動する制御可能な補償磁界を、回路網に含まれる一部のセルあるいは全てのセルに生成する補償回路を備えた、
    ことを特徴とする装置。
  11. 請求項10に記載の装置において、
    前記補償磁界により前記回路網に含まれる一部のセルあるいは全てのセル内に生じた磁束により、一次磁界により前記回路網に含まれる一部のセルあるいは全てのセル内に生じた磁束が補償される
    ことを特徴とする装置。
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