JP5103667B2 - バンド間位相差ソリトンの発生方法と検出方法,及びバンド間位相差ソリトン回路 - Google Patents

バンド間位相差ソリトンの発生方法と検出方法,及びバンド間位相差ソリトン回路 Download PDF

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Description

本発明は超伝導回路の一つであるバンド間位相差ソリトン回路において当該ソリトンを発生させる方法と検出する方法,及びその方法を実現するに好適なバンド間位相差ソリトン回路に関する。
多バンド超伝導体を用いて複数の超伝導成分の位相差を利用した超伝導エレクトロニクスは、例えば本件発明者等も関与した下記特許文献1及び2に開示されている。
特開2003-209301号公報 特開2005-085971号公報
これらにおいて演算の基本要素となるビットはバンド間位相差ソリトン(以下、単にソリトン)を利用して構成されており、効率的なソリトンの発生、検出方法の開発はこれらのエレクトロニクスの基本となる技術である。
しかるに、発生に関しては、上記の特許文献1,2及び下記非特許文献1に開示されているように、ソリトンが発生するための境界条件を磁場によって作りだす方法や、下記非特許文献2に開示されているように、超伝導体に非平衡な電流を流し込み、電流と一緒にソリトンを作り出す方法が提案されている。
"Soliton in Two-Band Superconductor", Y.Tanaka, Physical Review Letters, Vol.88, Number 1, 017002 "Interband Phase Modes and Nonequilibrium Soliton Structures in Two-Gap Superconductors", A.Gurevich and V.M.Vinokur, Physical Review Letters, Vol.90, Number 4, 047004
一方、検出に関しては、上記特許文献1,2及び非特許文献1に開示のように、ソリトンが作り出す中途半端な磁束量子(Fractional Flux)の発生を検出する方法と、上記非特許文献2に認められるように、ソリトンと反ソリトンの対消滅による電圧の発生や、ソリトンが電流導入端子において作り出されるときに発生する電圧でソリトンを検出する方法が開示されている。
しかし、磁場による境界条件を使ってソリトンを発生させる方法は、ソリトンと磁場を直接相互作用させるために環境外場の影響を受けやすい欠点があった。また、そもそもソリトンは磁場と相互作用しない性質を持ち、これが量子コンピュータへの応用において有利な点と認められていたのであるから、磁場による境界条件の設定を必要とする手法はこの利点を損なう因となる。
さらに、境界条件を作り出すためにソリトンは閉回路中で生成させるが、この時には、閉回路中を流れる自発電流とソリトンとが重畳している。そこで、ソリトンのみを純粋に取り出すためには、閉回路の一部の線路にスイッチ部を構築し、このスイッチを切ることにより開回路を作らなければならないが、このようなスイッチ部の形成は簡単ではない。
一方、非平衡な電流の外部からの注入によってソリトンを発生した場合にも、ソリトンを電流と切り離す方法が必要となるが、その方法は従来、知られていなかった。
ソリトンの検出に関しても種々の問題があり、中途半端な磁束量子を検出する方法を採るときには高度な磁場測定技術が要求される。単位量子磁束より小さい磁束の測定に有力な手段としては、下記非特許文献3に開示されているようなSQUID顕微鏡があるが、磁束の測定に時間がかかり、測定が終わらないうちにソリトンが消滅することもある。欠陥がない理想的な試料中でソリトンが静止している場合には、ソリトンは位相幾何学的に安定であるが、試料に不完全性がある場合にはソリトンは寿命を持つ。特にソリトンの運動エネルギが大きい場合にはソリトンの寿命は短くなる。従って、高速エレクトロニクスを可能にするためにも、中途半端な磁束量子を測定する手法以外の検出手法が求めらる。
"SQUID顕微鏡",師岡利光、茅根一夫、応用物理 第70巻第一号(2001年),50頁〜52頁.
一方、上記非特許文献2に開示されているように、ソリトンと反ソリトンの対消滅による電圧の発生を検出する手法は、ソリトン検出のための有力な手法の一つと言えるかもしれない。しかしこれは、非平衡な電流の外部からの注入によるソリトンの発生における事例であり、ソリトンの走行する超伝導体線路中では電流とソリトン流が混ざった状態であることを考えると、ソリトンによる電圧と電流による電圧とが重畳して発生するため、両者の区別が困難となる。非平衡電流注入電極におけるソリトンの発生による電圧信号の識別も同様に難しい。
ソリトンと反ソリトンの対消滅による電圧の発生という概念を単体のソリトンの検出に適用するためには、どこからか反ソリトンを流し込む必要があるが、この方法もこれまでは知られていなかった。
詰まる所、ソリトン流と電流を合理的にして確実に切り離す方法がない限り、電流の影響を大きく受けて、ソリトン消滅に伴う電圧信号の識別は難しい。また、こうしたソリトン発生,検出技術における困難は、バンド間位相差ソリトンを使ったエレクトロニクスを実現できる超伝導体材料の探索自体も非常に難しくしている。つまり、この超伝導体材料はソリトン回路に用い得るか否かを試験したい,と言うような場合にも、そのための確実にして簡単な試験方法がなかったのである。
本発明はこのような従来の実情に鑑みて成されたもので、磁束に頼ることなくソリトンを発生させたり検出する際にも簡素な構成でその目的を達成でき、また、超伝導体線路中にて電流とソリトンを確実に分離でき、ソリトン検出時にも電流の影響を受けないで済むようにするための方法及び回路を提供せんとするものである。
本発明は上記目的を達成するため、まず基本的に、
多バンド超伝導体線路の一部の長さ部分を電流源の発生する電流が流れる閉回路の一部である閉回路線路部とする一方;
多バンド超伝導体線路の当該閉回路線路部に連続して伸びる線路部分を電流源に関しては開回路となる開回路線路部とし;
多バンド超伝導体線路をその超伝導臨界温度よりも低い臨界ソリトン温度以下の温度環境下におき、上記の電流源から多バンド超伝導体線路の閉回路線路部に非平衡電流を注入することでソリトンを発生させ;
発生させたソリトンを電流とは分離した形で多バンド超伝導体線路の開回路線路部に送り出し、当該開回路線路部を走行させること;
を特徴とするソリトン発生方法を提案する。
また、そのようにして発生させ、電流とは分離した形で多バンド超伝導体の開回路線路部に走行させるようにしたソリトンを検出するには、
当該開回路線路部にジョセフソン接合を設け;
このジョセフソン接合に到達したソリトンをそこで消滅させ、その際に交流ジョセフソン効果により発生する電圧を検出することでソリトンを検出すること;
を特徴とするソリトン検出方法を提案する。
本発明は装置構成としても定義できる。すなわち、
長さを持つ多バンド超伝導体線路と;
この多バンド超伝導体の当該長さの一部に互いに離間して設けられた一対の電極と;
これら一対の電極に接続した電流源と;
多バンド超伝導体の長さの一部であって上記の電流源に関し閉回路の一部となる閉回路線路部に連続して設けられ、当該電流源に関しては開回路となる開回路線路部と;
この開回路線路部に設けられたジョセフソン接合と;
このジョセフソン接合に発生する電圧を検出する電圧検出手段と;
多バンド超伝導体線路をその超伝導臨界温度よりも低い臨界ソリトン温度以下にまで冷却する手段と;
を有して成るソリトン回路を提案できる。
本発明によると、実質的には極めて簡単な構造的工夫により、ソリトンを発生させるために多バンド超伝導体線路に流し込んだ電流とは完全に分離した形でソリトンを取り出すことができる。これまでの困難は本発明により一挙に解消され、磁場の影響もなく、完全なる環境外場からソリトン走行部分を切り離すことが出来る。発生させたソリトンの検出に関しても、電流とは既に分離されているので、単に多バンド超伝導体線路の開回路線路部にジョセフソン接合を設けておいてそれに生じ得る電圧を検出すれば良いだけとなり、極めて簡単な構造の割に高精度な検出結果が得られる。従来におけるように種々複雑な手間や困難な磁場計測等を行う必要は一切なくなる。
また、このようにしてソリトンを確実に検出できるということは、逆に言えば、用いた多バンド超伝導体線路が、確かにソリトンを発生させるに適した材料であるか否かの判断にも効率良く使えると言うことである。多バンド超伝導体線路として如何なる材料を用い得るのかの検討、すなわち多バンド超伝導体線路の材料の“探索”も重要な研究課題であるが、そのための探索手段としても、本発明は極めて有効に利用できる。
本発明により提供されるソリトン回路は、将来に向けて極めて実践的な基本回路構造となり得、この種の技術分野に貢献する所、甚だ大なるものがある。
図1には本発明の適用されたソリトン回路の一つの基本的な回路装置構成例が示されている。上段は平面図を示しており、下段は側面端面図を示している。まずは長さを持つ多バンド超伝導体線路10がある。この線路10は後述のようにして発生させるソリトンSo(既述の約束に従い単に「ソリトン」と略称して行くが、正しくは「バンド間位相差ソリトン」のことである)が存在し得る材料製でなければならないが、既に本発明者等の研究によってもそれに適当なる材料例は提供されており、例えば下記特許文献3に開示の技術を利用して薄膜化した多層型高温超伝導体の一種であるTl(BaxSr1-x)2Ca2Cu3Oy(“Tl-1223”と呼ばれて周知)を用いることができる。
特許第2923530号
この多バンド超伝導体線路10の長さの一部には、互いに離間して一対の電極11-1,11-2が設けられており、これらの間に電流源12が接続されている。従って、多バンド超伝導体線路10にあって一対の電極11-1,11-2間の部分は電流源12に関して閉回路の一部を構成する閉回路線路部Rcとなり、電流源12からの電流Ioはかくして閉成された閉回路中を流れることができる。ここでは電流源12の発生する電流Ioは図中で右手に位置する電極11-2から多バンド超伝導体線路10の閉回路線路部Rc中に流れ込み、当該閉回路線路部Rcを経由した後、他方の電極11-1から電流源12に環流して行く模様が示されている。
一方、図中では多バンド超伝導体線路10の中間部分に位置している電極11-1より左手側の線路部分は電流源12に関しては開回路となる開回路線路部Roである。つまり、閉回路線路部Rcに連続する形で電流源12の発生する電流Ioに関しては無意味な開回路線路部Roが備えられているのである。
そして、この開回路線路部Roにはジョセフソン接合15が設けられており、ここに選択的に発生する電圧を検出する検出手段も設けられている。図示の場合の電圧検出手段はジョセフソン接合15を挟んで開回路線路部Roに設けられた一対の電極14-1,14-2と、それらに接続する電圧検出装置13とで成っており、微小電圧検出装置は既に公知のものでも種々存在するので、適当なるものを使用可能である。
さらに、図示はされていないが、少なくとも多バンド超伝導体線路10の部分は当該多バンド超伝導体線路10の超伝導臨界温度Tcよりも低く、ソリトンSoが安定に存在し得る臨界ソリトン温度Tc2(<Tc)以下にまで冷却する手段により冷却される。臨界ソリトン温度Tc2についてのさらに詳しい言及は後に回す。
このような回路装置構成における本発明に従っての動作につき説明するに、電流源12から供給される電流が多バンド超伝導体線路10に流れ込んだり流出する部分、すなわち一対の電極11-1,11-2の部分では、その接触抵抗により電圧が生じる。電極として適当なる材料は限定的ではないものの、例えば金であり、図示の場合は当該金の電極11-1,11-2は多バンド超伝導体線路10の閉回路線路部Rcの両端の各端部にてそれぞれ多バンド超伝導体線路10の一表面に接触する形で設けられている。
こうした電極部分では、上述の接触抵抗により電圧が生じ、この電圧によって高いエネルギをもつ準粒子が多バンド超伝導体線路10に注入され、この注入された準粒子がソリトンSoを生成する。詳しくは既掲の非特許文献2に記載されているが、準粒子が第一のバンドと第二のバンドの間のキャリアの比を平衡値からずらすため、このずれを平衡値に戻そうとしてバンド間にバンド間電流(非平衡電流)が流れる。このバンド間電流の値がある一定の値を超えるとソリトンSoが遊離し、多バンド超伝導体線路10の内部に侵入する。
生成したソリトンは電流の向きに応じて右回りにも左回りにもなり得るし、走行方向も図中に即して言えば左から右方向Ffにもその逆方向Frにもなり得る。ただ、図示のように、右方向Frに向かったソリトンSoは、多バンド超伝導体線路10の端部で反射し、左方向Ffに戻ってくる。
この生成されたソリトンSoは、特徴的なことに、安定に連続している多バンド超伝導体線路10であれば、図示の場合、左方向Ffに進むとき、電流Ioが流れ得ない電流に関しての開回路線路部Roにまで、そのまま進入して行くことができる。このときに電流源12の接続されている一方の電極11-1を通過するが、ソリトンSoは多バンド超伝導体線路以外の金属電極等には進入できないため、この下をそのまま通過して行く。一方で、当然のことながら、電流Ioは多バンド超伝導体線路10の閉回路線路部Rcと電極11-1,11-2を含む閉回路電路に流れることはできるが、開回路線路部Ro中を流れることはできない。
結局、図示のような簡単な回路装置上の工夫により、ソリトン流を電流Ioから確実に分離することができる。
なお、左右の電極11-1,11-2の多バンド超伝導体線路10に対する接触抵抗を電極面積を変えることによって非等価にするべく図ると、どちらか一方の電極部分においてのみしかソリトンSoが発生しないように制御することもできる。また、多バンド超伝導体線路10と電極の間に非オーミックなバリアを形成すると、僅かな電流値でも大きな電圧を発生させることができるので、当該発生部の超伝導体の超伝導特性を保ったままソリトンSoを効率良く確実に発生することができる。
さらに、電極部分での接触抵抗を下げることで発生部の超伝導体の超伝導特性を潰すこともできるので、例えば左電極11-1のみでソリトンSoを発生するように制御することもできるし、電極構造を工夫することでも非平衡電流注入型のソリトンSoを発生する電極を選択することができる。
発生させられたソリトンSoの検出は、本回路装置の場合、次のような構成に基づいてなされる。
ソリトンSoは臨界ソリトン温度Tc2以下の温度環境下にある限り、位相幾何学的には安定な状態である。そこで開回路線路部Ro中にジョセフソン接合15を設けておき、そこにソリトンSoを衝突させる。すると、ソリトンSoは当該ジョセフソン接合15にエネルギを注入し、交流ジョセフソン効果により電圧を発生させながら消滅する。
交流ジョセフソン効果による電圧発生の機構をジョセフソン接合15の等価回路であるRCSJ(Resistively and Capacitively shunted junction)モデルを使い説明してみよう。通常のRCSJモデルとそのダイナミクスに関しては既に研究されており、例えば下記非特許文献4を参考にできる。
"Introduction to Superconductivity", Second Edition, Michael Tinkham, McGraw-Hill, Inc. 6.3節。
図2(A) にはエネルギ・ダイアグラムを掲げたが、余弦波で書いてあるのはジョセフソン相互作用によるジョセフソン接合のポテンシャルエネルギU(γ)で、横軸はジョセフソン接合における位相差(γ)であるが、式で示せば、ポテンシャルエネルギU(γ)は下式(1)にて表される。hはプランクの定数、EJはジョセフソン接合における相互作用の定数、Iはバイアス電流、eは素電荷である。
U(γ) = -EJcos(γ)-(hI/4πe)γ ........(1)
しかるに、準粒子注入で生成したソリトンSoのエネルギは、図2(A) 中に黒丸印で示しているように、ソリトンSoの静止エネルギE0とソリトンの運動エネルギEKの和である。ソリトンSoがジョセフソン接合15の上で潰れると、ジョセフソン接合15上にソリトンSoが持つ位相差Θsolitonを転写すると共に、ジョセフソン接合15にエネルギを注入する。
RCSJモデルでは、ジョセフソン接合における位相のダイナミクスをジョセフソン結合の作る余弦波型ポテンシャルの上を運動する質点の運動と等価と考える。そして、このモデルは洗濯板モデル(washboard model)と呼ばれる。通常の洗濯板モデルでは“洗濯板”はバイアス電流によって傾いている(傾いた洗濯板モデル:tilted-washboard model)。しかし、今はバイアス電流がゼロなので、洗濯板は傾いていない。いわば「傾いていない洗濯板モデル」(Horizontal-washboard model)となる。
洗濯板モデルでは、ジョセフソン接合に注入したエネルギがジョセフソンの結合エネルギより大きいと、その分がジョセフソン接合における位相差の運動エネルギ{E0+EK-U(ネsoliton)}となり、この運動エネルギを使い、ジョセフソン接合における位相差がぐるぐると回り始める。これを図2(B) に矢印Ftで模式的に示した。
この位相差が交流ジョセフソン接合に関する下式(2)により電圧に変換されると、それを電圧検出装置13で測定できるようになる。
dγ/dt = 4πeV/h ..........(2)
また、ジョセフソン接合の瞬間的な“運動エネルギ”は下式(3)で示される。
(1/2)CV2 ..........(3)
これは、ジョセフソン接合部分におけるコンデンサ成分に、充放電が繰り返されていることに相当している。また、最初に位相が増える方向にいくか、減る方向に行くかは、ジョセフソン接合に寄生しているダイオード成分により決まる。ダイオード成分によってジョセフソン接合の右側に電荷がより貯まりやすければ、そちらにまず貯まり始める形で位相が動き始める。
ジョセフソン接合における位相差の運動エネルギは、このように接合のコンデンサ成分による電荷の注入に相当するので、この電圧は直流モードでも平均的な電圧として観測することができる。
但し、ジョセフソン接合15としては、意図的に制作されたものではなくとも、試料に自然に内在する粒界をジョセフソン接合15として利用することもできる。本発明で言うジョセフソン接合とはそうした場合も含んでいる。例えば下記非特許文献5の図43には、高温超伝導体の場合、粒界ジョセフソン接合のコンデンサ成分の容量は臨界電流値が大きい程、大きくなることが示されている。従って電圧測定の場合には、臨界電流値が大きくなる自然の粒界を利用することが寧ろ有利である。
"Grain boundaries in high- Tc superconductors", H. Hilgenkamp, J. Mannhart, REVIEWS OF MODERN PHYSICS, VOLUME 74,(2002)485-549.
しかるに、上述してきた本発明の原理が有効に機能するためには、少なくとも多バンド超伝導体線路10の部分は、ソリトンSoが発生、存在しているときにも安定な超伝導状態を保っていなければならない。そのためには、当該多バンド超伝導体線路10の超伝導材料の超伝導臨界温度Tc以下に冷却温度を留めれば良いという温度条件だけではなく、それよりも低い、ソリトンSoの中央部分での超伝導性が保たれる臨界ソリトン温度Tc2以下にまで、少なくとも当該多バンド超伝導体線路10の部分は図示していない冷却装置により冷却されていなければならない。そうでなければソリトン回路は安定に動作しない。
臨界ソリトン温度Tc2については既に本発明者により既掲の特許文献1等にて検討されているが、本書でも簡単に説明しておくと、ソリトンSoの存在している部分はソリトンのない所よりもエネルギ密度が高くなる。従って、このエネルギ密度があまり高いと超伝導性が壊れてしまう。換言すると、ソリトンによるエネルギ密度の増加分が超伝導凝集エネルギ密度を超えるとソリトンは不安定になり、ソリトンデバイスの構成が難しくなる。なお、「超伝導凝集エネルギ密度」とは(「常伝導状態のエネルギ」−「超伝導状態のエネルギ」)と定義できる。そして、ソリトンになると、超伝導の基底状態より少しエネルギが高くなるので、その分がソリトンによる「エネルギ密度」の増加分と定義できる。
ソリトンの中央部分が一番、エネルギ密度の高い部分となるので、この中央部分の「エネルギ密度」が「超伝導凝集エネルギ密度」より小さくなる温度が「臨界ソリトン温度Tc2」であり、無磁場ではTl-1223の場合、80K程度迄に留まり、これはソリトンの存在を考えないで良い材料固有の超伝導臨界温度Tc(100K以上)よりも随分と低くなる。本発明の適用要件上は、少なくともこのように、多バンド超伝導体線路が臨界ソリトン温度Tc2以下に置かれることが必須であるが、実際にはさらに、より確実にソリトンの安定なる存在を保証するため、実験等を通じ、それよりも低めの環境温度に設定すると良い場合が多い。例えばこの材料を用いての本発明者の実験は、77Kにて行われた。
なお、臨界ソリトン温度Tc2にまでは下げることが無く、すなわちソリトンが発生し得ることはなく、材料の超伝導臨界温度Tc近傍に留まる限りにおいての温度条件下では、装置構造上は良く似ていると思われる実験も下記非特許文献6,7に認められる。
"Nonlocal In-Plane Resistance due to Vortex-Antivortex Dynamics in High-Tc Superconducting Films", Y. Kopelevich他, Physical Review Letters, Vol.80, May 4, 1998 4048-4051 "Excess voltage in the vicinity of the superconducting transition in inhomogeneous YBa2Cu3O7 thin films", F. Mrowk他, Physica C 399 (2003) 22-42
しかし、上述の説明から最早顕かかと思われるが、こうした非特許文献6,7の実験条件ではソリトンは安定に存在し得ず、実際、これについての何らの説明もなされておらないばかりか、結論自体、はっきりしていない。本発明に従うソリトンSoの存在に伴う確実にして信頼性の高い回路動作は到底、得られない。
さて、図1に示す回路装置に関し、さらに細かな配慮にまで言及してみると、図1図示の回路の場合、電圧検出装置13に接続する電極14-1,14-2も、やはり金等の適当なる金属製で作製し、要すればさらに適当なリード線を介して電極と電圧検出装置13とを結ぶことを想定している。ここで、実際には電極やリード線部分を多バンド超伝導体線路10そのものの幾何形状を工夫することで、図3(A) に示すような櫛の歯形状の線路10t1,10t2として構成することも考えられないではない。多バンド超伝導体線路10の開回路線路部をFf方向に走行してきたソリトンSoがそれら一対の櫛の歯形状線路10t1,10t2の間に設けられたジョセフソン接合15に至るような構造を想定するのである。
しかしこの場合、図示されているように、当該櫛の歯形状線路10t1,10t2の線路幅を多バンド超伝導体線路10のソリトン走行線路部分より太くすると問題が生じるので気を付けねばならない。例えば図3(A) のように多バンド超伝導体線路10をFf方向に走行してきたソリトンSoが最初の櫛の歯形状線路10t1にまで至ったとしよう。もし、それ以上左側にソリトンSoが進もうとすると、ソリトンSoはその性質上、図3(B) に模式的に符号So1,So2で示すように、ジョセフソン接合15の設けてある線路に向かう仮想線方向Ff1と電極14-1に向かう仮想線方向Ff2の双方に分かれて侵入しなければならない。
ところが、ソリトンSoの静止エネルギは線路の断面積に比例するので、もし、ソリトンSoの全運動エネルギ(静止エネルギ+運動エネルギ)が、図3(B) に示されている二つのソリトンSo1,So2の静止エネルギ和に満たないと、最早ジョセフソン接合15に向けて左側にさらに進むことはできず、図3(C)に示すように右側に反射して矢印Fr方向に戻って行ってしまう。従って、こうした幾何形状構造は避けねばならない。
逆に、生成したソリトンSoを積極的に左側に送り込むためには、図4に示されているように、ソリトンSoを集めたい方向を細くすることは有効である。このようにすると、ソリトンSoの静止エネルギは左側の方が小さくなるので、ソリトンSoはだんだん左側に寄っていこうとする。そして、細い部分に入ると、太い線路部分にあったときときとの断面積の差の分のソリトンSoの静止エネルギと運動エネルギがそのまま、細い線路部分における運動エネルギに加算される。ソリトン部分での平均的なエネルギ密度が超伝導の凝縮エネルギ密度を大きく越えるとソリトンは崩壊しやすくなるので、このような幾何形状上の工夫は電圧検出にも有利な構造であり、任意に採用し得る構造である。
以下、図5,6に即し、実験例につき説明してみよう。まず、図5(A) に示されている実験用多バンド超伝導体線路10は、0.5mm厚のSrTiO3基板上にTl(Ba,Sr)2Ca2Cu3Oy(Tl-1223)を薄膜化して形成することで構成した。線路の厚みは400nm程度である。この線路上に、複数の金電極T1〜T8をスパッタ法により貼り付けた。多バンド超伝導体線路幅は2mm、長さは10mmである。金電極T1〜T8の幅は各0.5mm、間隔はT3-T4,T4-T5,T5-T6,T6-T7間が0.8mmで、他は0.4mm間隔である。また、図示していないがジョセフソン接合は試料に自然に存在している粒界結合を利用した。
この回路装置を直接液体窒素中に沈めて(当然、臨界ソリトン温度Tc2以下となる)電極T1とT2の間に電流源12を接続し、電極T2,T7間の電圧を見ながら臨界電流を測定した所、その結果は図5(B) のようになり、この多バンド超伝導体線路10が超伝導状態になっていることを確認した。
次に、本発明の回路装置を検証するべく、図6(A) に示すように電極T7,T8を図1中における電極11-1,11-2とし、ここに電流源12を接続する一方、電極T1,T6を同じく電極14-2,14-1として、ここに電圧検出装置13を接続し、電流源12からの非平衡電流注入によりソリトンによる電圧の発生有無を確かめた。その結果、図6(B) に示すように、仮にソリトン流がなければ電圧が出る筈のない所で電圧を観測した。電圧は直流電圧計による平均の発生電圧によって確認した。すなわち、本発明の回路装置は、確かに有効なソリトン回路として機能することが実証された。
なお、図1に示す回路構成においては、電流源12を接続する一方の電極11-2は多バンド超伝導体線路10の長さの一端部と同じ位置に設けられており、換言すれば図中でその電極11-2の設けられているよりもさらに右側には多バンド超伝導体線路がないが、別に端部に設けねばならないことはなく、第二電極11-2も多バンド超伝導体線路10の長さの途中にあっても良い。この場合、開回路線路部Roが回路線路部Rcの両側に存在することになるが、別にそうであっても構わない。電圧検出装置13はどちらか一方の開回路線路部に設ければ良く、反対側の開回路線路部に進入したソリトンも反射して戻って来る。もちろん、その他にも、本発明の要旨構成に即する限り、任意の改変は自由である。
本発明ソリトン回路の望ましい一実施形態における概略的な構成図である。 本発明の基本原理に関する説明図である。 本発明のソリトン回路を構築する際の配慮事項に関する説明図である。 本発明のソリトン回路を構成する際の一つの望ましい多バンド超伝導体線路形状の説明図である。 本発明の実験に用いた多バンド超伝導体線路の超伝導性を確かめるための説明図である。 本発明に従うソリトン回路の動作を検証した説明図である。
符号の説明
10 多バンド超伝導体線路
11-1,11-2 電極
12 電流源
13 電圧検出装置
14-1,14-2 電極
15 ジョセフソン接合
Io 注入される非平衡電流
Rc 閉回路線路部
Ro 開回路線路部
So バンド間位相差ソリトン

Claims (3)

  1. 多バンド超伝導体線路の一部の長さ部分を電流源の発生する電流が流れる閉回路の一部である閉回路線路部とする一方;
    該多バンド超伝導体線路の上記閉回路線路部に連続して伸びる線路部分を上記電流源に関しては開回路となる開回路線路部とし;
    該多バンド超伝導体線路を該多バンド超伝導体線路の超伝導臨界温度よりも低い臨界ソリトン温度以下の温度環境下におき、上記電流源から上記多バンド超伝導体線路の上記閉回路線路部に非平衡電流を注入することでバンド間位相差ソリトンを発生させ;
    該発生させた該バンド間位相差ソリトンを上記電流とは分離した形で上記多バンド超伝導体線路の上記開回路線路部に送り出し、該開回路線路部を走行させること;
    を特徴とするバンド間位相差ソリトンの発生方法。
  2. 多バンド超伝導体線路の一部の長さ部分を電流源の発生する電流が流れる閉回路の一部である閉回路線路部とする一方;
    該多バンド超伝導体線路の上記閉回路線路部に連続して伸びる線路部分を上記電流源に関しては開回路となる開回路線路部とし;
    該多バンド超伝導体線路を該多バンド超伝導体線路の超伝導臨界温度よりも低い臨界ソリトン温度以下の温度環境下におき、上記電流源から上記多バンド超伝導体線路の上記閉回路線路部に非平衡電流を注入することでバンド間位相差ソリトンを発生させ;
    該発生させた該バンド間位相差ソリトンを上記電流とは分離した形で上記多バンド超伝導体線路の上記開回路線路部に送り出し、該開回路線路部を走行させるように構成して成るバンド間位相差ソリトン回路において;
    上記開回路線路部にはジョセフソン接合を設け;
    該ジョセフソン接合に到達した上記バンド間位相差ソリトンをそこで消滅させ、その際に交流ジョセフソン効果により発生する電圧を検出することで該バンド間位相差ソリトンを検出すること;
    を特徴とするバンド間位相差ソリトンの検出方法。
  3. 長さを持つ多バンド超伝導体線路と;
    上記多バンド超伝導体線路の上記長さの一部に互いに離間して設けられた一対の電極と;
    該一対の電極に接続した電流源と;
    上記多バンド超伝導体線路の該長さの一部であって上記電流源に関し閉回路の一部となる閉回路線路部に連続して設けられ、上記電流源に関しては開回路となる開回路線路部と;
    該開回路線路部に設けられたジョセフソン接合と;
    該ジョセフソン接合に発生する電圧を検出する電圧検出手段と;
    該多バンド超伝導体線路をその超伝導臨界温度よりも低い臨界ソリトン温度以下にまで冷却する手段と;
    を有して成るバンド間位相差ソリトン回路。
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