JPH0826428B2 - 成形用アルミニウム合金板材 - Google Patents

成形用アルミニウム合金板材

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JPH0826428B2
JPH0826428B2 JP62208001A JP20800187A JPH0826428B2 JP H0826428 B2 JPH0826428 B2 JP H0826428B2 JP 62208001 A JP62208001 A JP 62208001A JP 20800187 A JP20800187 A JP 20800187A JP H0826428 B2 JPH0826428 B2 JP H0826428B2
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武宜 土公
啓介 八木
重則 浅見
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は成形用アルミニウム板材に関し、より詳しく
は焼付塗装後の強度の優れた成形用アルミニウム合金板
材に関する。
(従来の技術) 従来、アルミニウム及びアルミニウム合金は成形用と
して広く使用されている。
従来飲料缶、食缶のキャンボディ(缶胴)用等の成形
用アルミニウム合金板材に要求される特性としては絞り
性が良いこと、耳率が低いこと、加工性が良いことなど
成形性、加工性の面での特性のほか、強度が高いこと、
成形後の外観がきれいなことなどが要求され、従来から
これらの要求を満たすための材料の開発が試みられてき
ている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、最近飲料缶、食缶等の金属容器が軽量
化、薄肉化される傾向にあり、そのため缶胴用として従
来使用されてきた例えば加工硬化型の合金では成形加工
終了後に施される脱脂洗浄及び焼付塗装時の加熱処理に
より硬化が生じ構造体としての缶強度が低下することは
避けられない。そのためこれらの既存合金では容器の軽
量化すなわち素材の薄肉化には限界があった。
従って、金属容器、特に飲料缶、食缶の缶胴に使用さ
れる材料として薄肉化傾向に対応し得る強度と成形性に
優れた新たなアルミニウム合金板の開発が急がれてい
た。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは上記問題点を解決するため種々検討を重
ねた結果、Si、Fe、Cu、Mn、Mgを所定量含有したアルミ
ニウム合金の析出粒子の分布と導電率をある特定の範囲
とした場合に、その目的が達成されることを見出した。
本発明はこの知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、Si 0.15〜0.50重量%(以下重量
%を単に%と記す)、Fe 0.30〜0.65%、Cu 0.10〜0.30
%、Mn 0.8〜1.3%及びMg 0.9〜1.4%を含有し、残部が
Alと不可避不純物からなり、粒子径0.1μm未満の析出
相粒子を0.10体積%以下、粒子径0.1〜0.4μmの析出相
粒子を1〜8体積%含有し、かつ、導電率33.0〜38.0%
(IACSによる)を有することを特徴とする成形用アルミ
ニウム合金板材を提供するものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のアルミニウム合金中の各成分の作用及び組成
限定理由は次の通りである。
Siの含有量を0.15〜0.50%とする。SiはMg2Siを形成
し合金を析出硬化させる。Si含有量が0.15%未満ではそ
の量が少なく十分な析出硬化をはかることができず、0.
50%を越えて含有されると加工性が悪くなり、プレス成
形性の劣化をまねく。
Feの含有量を0.30〜0.65%とする。Feは結晶粒を微細
化し、プレス成形性を向上させる。Fe含有量が0.30%未
満ではこの作用が十分でなく、0.65%を越えて含有され
た場合Fe系の晶出物が多く生成し、成形性が低下する。
Cuの含有量を0.10〜0.30%とする。Cuは合金の強度を
向上させる。Cu含有量が0.10%未満ではその作用が十分
でなく、0.30%を越えて含有した場合成形性が低下す
る。
Mn含有量を0.8〜1.3%とする。Mnは晶出物や一定の大
きさ以上の晶出物として存在することで、しごき成形時
の焼付を防止する。Mn含有量が0.8%未満では十分な効
果が得られず、1.3%を越えて含有した場合晶出物の量
が多くなり成形性が低下し、割れが生じやすくなる。
Mgの含有量を0.9〜1.4%とする。MgはMg2Siを形成し
合金の強度を向上させるのに不可欠な元素である。Mgの
含有量が0.9%未満では強度が十分に向上せず、1.4%を
越えて含有した場合成形性が低下する。
他の合金元素は後述する析出相粒子の分布条件及び導
電率条件を満たす限り添加を行うことができる。例えば
鋳造時の結晶粒微細化のためのTiやBなど0.05%以下の
添加を行っても何らさしつかえない。
上述のような理由により合金組成を定めるが、この条
件だけでは優れた強度特性は得られない。合金組成に加
えて析出相粒子の分布状態及び導電率を調整することに
より初めて優れた成形性と強度を有する板材が得られ
る。
すなわち、先ず析出相粒子の分布状態として粒子径0.
1μmの析出相粒子を0.10体積%以下、粒子径0.1〜0.4
μmの析出相粒子を1〜8体積%とする必要がある。そ
の理由は次の通りである。
アルミニウム合金板材の製造にはDC鋳造、均質化処
理、熱間圧延という通常の工程が一般的にとられる。DC
鋳造時に主にMnやFeを含有した金属間化合物が晶出物と
して形成されるが、マトリックスには多くの固溶元素が
含有されている。この固溶元素は主に均質化処理時に不
溶性化合物として析出するが、これら析出相粒子が板材
の強度や成形性に重要な影響を与える。
すなわち、粒子径0.1μm未満の微細析出相粒子が多
すぎると、焼付塗装(ベーキング)の加熱処理時にMg2S
iがマトリックスにでなく微細粒子の析出相上に不均一
析出するために析出硬化せず、強度が向上しない。
粒子径0.1μm未満の析出相粒子を0.1体積%以下とす
ることで微細粒子の個数が析出硬化の効果を阻害しない
程度に減じる。なお、ここで析出相粒子というのは0.01
μm以上の粒子であり、それよりも小さい粒子は固溶し
ていると考えてさしつかえない。
次に粒子径0.1〜0.4μmの析出相粒子は分散強度によ
る強度向上及び成形時の焼付きを防止し、成形性向上の
効果がある。粒子径0.4μmを越える粗大な粒子は分散
強化による強度向上に寄与しない上に高温、長時間の均
質化処理などで多く生じる粗大な析出相粒子はSiを多く
含有した析出相となる傾向があり、マトリックスのSi固
溶量を減じ、ベーキング加熱処理時のMg2Siの析出量を
減じるために強度向上を阻害する。粒子径0.1〜0.4μm
の析出相粒子が1体積%未満では強度及び成形性向上の
効果が得られず、8体積%を越えると析出量が多くな
り、固溶Si量が減り強度向上効果が減ずる。さらに粒子
径0.1〜0.4μmの析出粒子含有量を1〜8体積%とする
ことにより前述の分散強化による強度向上や粒子による
焼付き防止以外に、0.1μm未満や0.4μmを越える大き
さの析出相粒子を、特性に悪影響を与えない量に制限す
ることができる。
本発明においては析出粒子の分布状態を上述のように
するが、さらに材料の導電率を33.0〜38.0%(IACSによ
る)とする。圧延板の導電率の調整は、一般に均質化処
理、熱間圧延、中間焼鈍の条件調整によって行われる
が、導電率が33.0%(IACS)未満の場合析出が不十分と
なり成形性が向上しない。また導電性は材料中の固溶元
素量と相関し、それが38.0%(IACS)を越えると、固溶
元素量が少なすぎ、ベーキング加熱時に析出硬化が十分
に生じず、強度が向上しない。
(実施例) 次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
実施例 第1表に示すA〜Hの組成を持つ合金DC鋳塊(厚さ50
0mm)をそれぞれ2分割し面削後第2表に示す条件で均
質化処理、熱間圧延及び冷間圧延、焼鈍を施し、それぞ
れ0.32mmのアルミニウム合金板材試料を作製した。得ら
れた板材について下記に示す試験を行った。結果を第3
表及び第4表に示す。
(1)導電率(IACSによる、%) 20℃において直流4端子法で測定した。
(2)析出相分布 450℃×20secの処理により転位の除去を行った後、透
過型電子顕微鏡を用い粒子径0.1μm未満及び0.1〜0.4
μmの粒子の体積率を求めた。なお試料の厚さは等厚干
渉縞により決定した。
(3)素板引張強度 L方向に引張試験を行った。
(4)耳率 ブランク径61mmでカップを絞り耳率の測定を行った。
(5)限界絞り比(LDR) ポンチ径36mmで絞り可能な最大ブランク径を求め限界
絞り比を計算した。
(6)素板ベーキング加熱後強度 205℃×10分のベーキング加熱処理後L方向に引張試
験を行った。
(7)しごき加工後強度 深絞り及びしごき加工によりDI缶の胴を成形し、胴の
部分から試験片を切り出し、引張試験を行った。
(8)しごき加工、ベーキング加熱後強度 (7)と同じ方法で調製した試験片に205℃×10分の
ベーキング加熱処理後、引張試験を行った。
第4表の結果から明らかなように実験No.1、3、9は
耳率、限界絞り比で特に悪い値を示しており、さらに実
験No.1、3ではしごき加工中にゴーリングと呼ばれる筋
状の欠陥を発生している。
また実験No.5は耳率、限界絞り比、ベーキング加熱後
の強度で劣っている。
実験No.7、8、10はベーキング加熱後の強度が低い。
実験No.12、14、16はこの場合もベーキング加熱後の
強度が劣る。
これに対し本発明の実験No.2、4、6、11、13及び15
は素板及びしごき加工後の強度及び耳率が優れ、また限
界絞り比も大きく成形性も良い。さらにベーキング加熱
後の強度が素材、しごき加工後とも大きく、加熱強度が
優れる。
(発明の効果) 本発明の成形用アルミニウム合金板材は耳率、成形性
が良好に維持され、かつ強度、特に焼付塗装後の強度が
大幅に向上されているという優れた効果を奏する。した
がってこの合金板材は缶用として好適であり、DI缶の薄
肉化を達成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−264149(JP,A) 特開 昭56−102562(JP,A) 特開 昭51−116105(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si 0.15〜0.50%、Fe 0.30〜0.65%、Cu
    0.10〜0.30%、Mn 0.8〜1.3%及びMg 0.9〜1.4%(以上
    重量%)を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、
    粒子径0.1μm未満の析出相粒子を0.10体積%以下、粒
    子径0.1〜0.4μmの析出相粒子を1〜8体積%含有し、
    かつ導電率(IACSによる)33.0〜38.0%を有することを
    特徴とする成形用アルミニウム合金板材。
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