JPH08263162A - パーソナルコンピュータ - Google Patents

パーソナルコンピュータ

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JPH08263162A
JPH08263162A JP8002827A JP282796A JPH08263162A JP H08263162 A JPH08263162 A JP H08263162A JP 8002827 A JP8002827 A JP 8002827A JP 282796 A JP282796 A JP 282796A JP H08263162 A JPH08263162 A JP H08263162A
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繁男 大橋
Tadakatsu Nakajima
忠克 中島
Yoshihiro Kondo
義広 近藤
Mitsuru Honma
満 本間
Kenji Onishi
健治 大西
Hiroshi Tsuzaki
寛 津崎
Hitoshi Matsushima
松島  均
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入力装置を備えた偏平な筐体の内部に高発熱素
子が搭載された携帯型のパーソナルコンピュータであっ
ても、発熱素子及びキーボードなどの入力装置の表面温
度を所定の温度以下に冷却する。 【解決手段】キーボードの操作部分背面と電子回路基板
2との間に第一の空間を設け、電子回路基板2上に搭載
された高発熱素子1が搭載された面を、入力装置に対向
する面と異なる面に設置し、電子回路基板2と電子回路
基板3とで形成される第二の空間を設け、第一の空間か
ら第二の空間に冷却風が流れるようにファン4を筐体3
0内部に設置した。入力装置の操作部分の壁面には、吸
気孔8を通して筐体30内に流入した外気を流通する流
路を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯型(ノート
型、ブック型)の電子装置係り、特に、その冷却に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュ−タの主演算素子である
マイクロプロセッサの演算処理速度が飛躍的に増大し、
その大きさも小型化されつつある。そして従来では、大
型コンピュータが行わなければならなかった演算を小型
のコンピュータでも実行することができるようになって
きた。さらに、このような小型高速度のマイクロプロセ
ッサを鞄にいれて持ち運びうる携帯用のノート型/ブッ
ク型と呼ばれるパーソナルコンピュータ(この概念は、
各種ワードプロセッサをも含む)に搭載したものが普及
してきている。
【0003】ところで、このような高速演算処理を行う
マイクロプロセッサは、一般的に、発熱量が大きいとい
う問題がある。このような素子を冷却するために、特開
平5ー304379号公報(以下、文献)には、発熱す
る素子に直接冷却風が当たるように、ファンを設置する
ことが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなパーソナ
ルコンピュータは、携帯可能とするため、筐体の厚みを
薄くする必要があるので、本体筐体には、マイクロプロ
セッサを含む複数の半導体素子を搭載した電子回路基
板、記憶装置であるハードディスク及びフロッピディス
クの読み書き装置等が搭載され、それら装置をキーボー
ド及びパームレストにて覆うように構成されている。そ
して、表示装置(薄型が要求されるため、液晶タイプが
主流である)は、ふたを閉じたときに、キーボード表面
に対向するような位置にふたの一部として形成されてい
る。
【0005】さて、このようなパーソナルコンピュータ
に、上記のような発熱するマイクロプロセッサを組み込
んだ場合、上記文献に記載の技術では、偏平な筐体内に
ファンを内蔵し、マイクロプロセッサ近傍に配置したフ
ァンによって、その素子を冷却するようにしているのみ
である。このため、マイクロプロセッサの発生熱は、入
力装置であるキーボードやパームレスト等の操作者が手
を触れる部材を温めるので操作者が不快感を覚えるとい
う問題があった。
【0006】本発明の目的は、携帯可能なパーソナルコ
ンピュータに搭載された素子を冷却するとともに、操作
者が手をふれる部位の表面温度を不快感を与えない程度
の温度にすることである。
【0007】本発明の他の目的は、上記目的を達成する
ためにパーソナルコンピュータの厚みが厚くならないよ
うにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、筐体表面に
設けられた入力手段と、筐体内部に設けられ、複数の半
導体素子を搭載した電子回路基板とを備えたパーソナル
コンピュータにおいて、前記入力手段の背面部を含む第
一の空間と、前記複数の半導体素子のうち冷却対象とな
る半導体素子を含む第二の空間と、前記第一の空間と前
記筐体外部とを連通する吸気孔と、前記第二の空間と前
記筐体外部とを連通する排気孔と、前記吸気孔から取り
入れた空気を第一の空間及び第二の空間を介して前記排
気孔から排気されるように流す冷却手段を備えることに
より達成される。
【0009】また、上記他の目的は、前記ファンを軸流
型ファンとして、このファン回転軸が筐体底面に平行よ
りも大きな角度で取り付けられることにより達成され
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図1乃至図4
を用いて説明する。図1に示すように、パーソナルコン
ピュータ(上記の同様、本明細書ではワードプロセッ
サ、携帯用電子手帳等をも含む概念とする)は、マイク
ロプロセッサ1a、キャシュメモリ1b、グラフィック
制御用素子1c、及び、その他の半導体素子を含む複数
の電子素子を搭載した複数枚の電子回路基板2及び3、
ハードディスク31、フロッピディスク読み書き装置3
2、ファン4などから構成されており、これらの部品は
筐体30の中に収容されている。また、筐体30のふた
には、液晶表示装置35が配置されている。ふたを開け
た状態における筐体30の上面には、入力手段としての
キ−ボ−ド36、及び、パームレスト37が配置されて
いる。
【0011】図2からもよく理解されるように電子回路
基板3とキ−ボ−ド36との間には空間(間隙)が設け
られ、これが、第一の空間5を形成する。また、電子回
路基板2と3との間にも空間(間隙)が設けられ、これ
が、第二の空間6を形成する。電子回路基板2搭載され
るマイクロプロセッサ1aは、高速化を図るため高集積
化されているので動作時における発熱量が大きい。ま
た、キャシュメモリ1bはマイクロプロセッサ1aに接
続され、高速のマイクロプロセッサ1aに追従するため
動作速度が速く、やはり発熱量は大きい。さらに、グラ
フィック制御用素子1cも高速動作が要求されるため発
熱する素子である。これら発熱量の大きい半導体素子1
a、1b、1cを総称して、以下、高発熱素子ともい
う。そして、図2からも明らかなように、これら高発熱
素子が搭載された面が、第二の空間6を介して互いに対
向するように電子回路基板2及び3が設置されている。
【0012】また、電子回路基板3の一部を切り欠いた
部分にファン4を搭載する。そして、ファン4は、吸込
側が第一の空間5に、吹出側が第二の空間6に面するよ
うに設置されている。第一の空間5には外気の吸気孔8
が筐体3の後面に、第二の空間6には筐体内部空気の排
気孔9が筐体3の側面に設けられている。さらに、第二
の空間6は、隔壁7及び電子回路基板3本体によって第
一の空間5と簡易的に気密分離されている。これは、第
一の空間5に流入した空気が、ファン4を介して第2の
空間に流れ、外部に流出するという流路を確保するため
であり、厳密な気密性は要求されない。
【0013】次に冷却機構について説明する。電子回路
基板2は、信号入出力用のコネクタ22を備えており、
電子回路基板2上に搭載された特に発熱量の大きい半導
体素子であるマイクロプロセッサ1aには、その発熱量
に対応した平板状のフィン21が取り付けられる。筐体
30の底面中央部付近に位置する電子回路基板2の端部
と筐体30との間には目張り23が施されており、ファ
ン4から吹き出される空気が電子回路基板2と筐体30
との間に侵入しないようになっている。これは、風の全
量を冷却対象素子に流すようにするためである。また、
ファン4は、ファン4の回転軸方向が、筐体の厚み方向
と平行もしくは概略平行になるように設置されている。
つまり、ファン4の回転軸方向が筐体30の奥行き方向
に平行になるようにファン4を設置すると、筐体30の
厚さがファン4の直径に規制されてしまい、冷却構造の
ために小型化(薄型化)が阻害される問題が生じる。そ
こで、本実施形態では、上記の如くファン4を設置して
いる。なお、筐体の厚み方向と平行もしくは概略平行に
なるようにファン4を設置することが最も薄型化に寄与
する構造であるが、設計上筐体30の厚さ方向に余裕が
ある場合、筐体30の空間内に収納される範囲でファン
4を傾けて設置しても構わない。
【0014】つぎに、本実施形態における冷却風の流れ
について説明する。上述したように、ファン4の吸込側
が入力装置の操作部分と電子回路基板2との間の第一の
空間5側に向くように設置されているので、吸気孔8か
ら筐体内部の空気よりも冷たい外気24は、第一の空間
5に流入する。この時の外気の流入の仕方は、吸気孔8
からの流入外気の全てが直接ファン4に吸入されるので
はなく、キーボード36の背面やパームレスト37の背
面のほぼ全域に行き渡ってからファン4に吸入される。
一方、ファン4から流出した冷却風は、第2の空間6に
入り、第2の空間6を介して対向配置された素子を冷却
し、排気孔9から排出される。冷却風を流さない場合、
高発熱素子が発生した熱は、電子回路基板3を温め、赤
外線という形態で第一の空間5を介してキーボード36
の背面に到達する。このため、キーボード36やパーム
レスト37の温度が上昇するので、操作者が触れたとき
不快感を覚える。ファン4を動作させて通風すると、第
一の空間5では、外気によってキーボード36及びパー
ムレスト37の背面及び電子回路基板3の背面が冷却さ
れる。電子回路基板3には、比較的発熱量の大きいグラ
フィック制御用素子1cの搭載される面は第一の空間5
に面してなく第2の空間6側に配設されているのでキー
ボード36の温度上昇は抑えられるようになっている。
又、パームレスト37の下部に一般に電子回路基板2、
3の発熱量より小さいディスク装置32などの発熱体が
配置されていても、ファン4によってディスク装置32
の周囲を空気が矢印28で示すように流れるため、パー
ムレスト37の温度上昇も抑えられる。ここで、上記高
発熱素子以外の素子、例えば、メモリやコンデンサ等の
比較的発熱量の小さい素子であれば電子回路基板3の第
一の空間5に面する側に搭載するように構成しても良
い。
【0015】一方、高発熱素子1a、1b、1cは、矢
印25で示すように、ファン4の吹出側空気の直後に配
置されており、吹出側空気25が電子回路基板2と筐体
30との間に侵入しないように構成されているので、フ
ァン4から吹き出す空気が無駄なく有効に発熱素子部に
導かれ、十分冷却される。この時、ファン4の吹出側の
空間とファン4の吸込側の空間とが簡易的に気密分離さ
れており、筐体30面の一部に設けた排気孔9と吸気孔
8とを異なる面に設けているので、温度上昇した排気側
の空気26がファン4の吸込側に回り込むことがなく効
率の良い冷却が行われる。また、ファン4の回転軸方向
を筐体30の厚み方向と平行もしくは概略平行になるよ
うに設置しているので、筐体30の厚さ以上の羽根径の
ファンを搭載することが可能であり、発熱量の大きい素
子が搭載された場合でも搭載するファンの羽根径を大き
くすることによって対応することできる。この結果、筐
体30の内部の発熱素子及び他の発熱部材を所定の温度
に冷却するとともに、操作者が手を触れるキーボード3
6、パームレスト37などの入力装置の表面温度を不快
感を与えない温度以下に保つことができる。
【0016】これまでは、筐体の薄型を保ちつつ、キー
ボード36やパームレスト37の温度を上昇させずに、
冷却対象半導体素子を冷却する点を説明したが、さらに
効率よく冷却対象半導体素子を冷却する点について図3
及び図4を用いて説明する。図3に本実施形態に係るパ
ーソナルコンピュータの側断面を示した。本図は、図2
に示した第二の空間6を拡大して示した図であるが、電
子回路基板2上の複数の高発熱素子であるマイクロコン
ピュータ1aおよびキャッシュメモリ1bがファン4の
近傍に配置されている。発熱はするものの発熱量の低い
素子や装置は、ファン4から比較的離れた領域10に配
置し、さらに、電源回路基板11は、第二の空間6内に
設置する。又、第二の空間6内に冷却風の流路が形成さ
れるように、図3の紙面に対して垂直方向に高さを有す
る板部材12a、12bを電子回路基板2上に搭載され
た発熱素子のレイアウトに応じて設置する。この板部材
12a、12bは、第二の空間6内の風の流れを規制
(規定)する。冷却風を流したい素子或いは装置は、前
述の高発熱素子及び電源回路基板11であるので、これ
らのものにより多くの風を流してやる必要がある。本実
施形態では、ファン4から吹き出された空気を板部材1
2aによって電源回路基板11の方向に流れる空気を矢
印27で示すように発熱素子側に分配し、同様に、板部
材12bは、高発熱素子が搭載されていないファン4の
図3の右側の領域10へ流れる空気を制限している。こ
のように第二の空間6内の風の流れを規制することによ
り、ファン4から吹き出された空気が高発熱素子の搭載
された領域に選択的に無駄なく有効に導くことができる
効果がある。また、マイクロプロセッサ1aに取り付け
られた板状フィン21に、図3の紙面に対して垂直方向
に高さを有する板部材13を接着もしくはフィン21と
一体的に設け、フィン21の端面に対して適当な取付け
角度とすることにより、板部材12a、12bと同様に
風向の規制ができるとともに、板部材13の材質をフィ
ンと同一もしくは高熱伝導率の金属で形成することで、
発熱素子1aの冷却効果を高めることができる。
【0017】ところで、ファン4から排出された冷却風
は直接第二の空間6の底面に到達して第二の空間6内部
を冷却するものである。これでは、冷却風は一旦底部に
当たってから水平方向に流れることになるので流動抵抗
が増大する。そこで、図4(排気孔9は省略してある)
に示すように、ファン4の下部にスカート状部材45を
設けることとした。この構成により、ファン吹き出し口
での圧損を低減でき、ファン4の流量を増大させること
ができる。その結果、第二の空間6における冷却性能が
向上する。なお、スカート状部材45は、筐体に余裕空
間がある場合に設けるのであり、空間に余裕がない場合
は設ける必要がないことはいうまでもない。また、本実
施形態では、ファン下部の空間を確保するためにスカー
ト状部材45をファンの下部の下流側に設けた例を示し
ているが、ファン設置部の形状によっては、ファン下部
全周にわたって設けても良い。
【0018】次に、パーソナルコンピュータに使用して
いる半導体素子の集積度が増加若しくはパーソナルコン
ピュータとしての機能削減などで電子回路基板が1枚で
足りる場合について説明する。図5に示すように、パー
ソナルコンピュータを構成する電子回路基板2が一枚で
構成されている以外は、図1、図2に示した実施形態と
同様に構成されている。電子回路基板2とキ−ボ−ド3
6との間に間隙が設けられて第一の空間5が形成されて
おり、電子回路基板2及び筐体30との間にも間隙が設
けられ、第二の空間6が形成されている。ここで、電子
回路基板2は、特に発熱の大きい半導体素子であるマイ
クロプロセッサ1a、キャッシュメモリ1bを搭載した
面がキ−ボ−ド36側と反対側の面に対向するように設
置されている。これは、電子回路基板2を筐体底面に配
置すると、第一に第一の空間5と第二の空間6を仕切る
ための仕切り板が新たに必要になる問題、及び、第二に
高発熱素子が発生した熱がキーボード36に到達しやす
くなるという問題を解決するためのものである。詰ま
り、筐体底面と電子回路基板2とを対向配置することに
よって、基板自身が仕切り板の役割を果たすこと及び筐
体底面に向かって赤外線が放射されることとなるので比
較的キーボード36を温めることがないという効果があ
る。また、ファン4が、吸込側が第一の空間5に、吹出
側が第二の空間6にそれぞれ開放するように筐体30内
部に設置されている。この時、ファン4の吹出側に面す
る第二の空間6は、隔壁7と電子回路基板2自体とによ
って第一の空間5と簡易的に気密分離されている。電子
回路基板2上に搭載されたマイクロプロセッサ1aに
は、その発熱量に応じて平板状のフィン21が取付けら
れている。また、ファン4は、ファン4の回転軸の方向
が、筐体30の厚み方向と平行もしくは概略平行になる
ように設置されている。本実施形態においても、キーボ
ード36の背面を、吸気孔8を通過して筐体30内に流
入した冷たい外気が第一の空間5を流通するとともに、
電子回路基板2上の高発熱素子1a、1bの搭載された
面がこの流路に面していないため、キーボード36の温
度上昇は抑えられる。又、パームレスト37の下部にデ
ィスク装置32などの発熱体を配置した場合でも、ファ
ン4によってディスク装置32の周囲に流れが生じるの
で、パームレスト37の温度上昇も抑えられる。
【0019】なお、上記したように、マイクロプロセッ
サ1aやキャッシュメモリ1bよりも発熱量の小さい素
子は、電子回路基板2の第一の空間5に面する側の面に
搭載しても良い。一方、高発熱素子1a、1bは、ファ
ン4の矢印25で示す吹出側空気のファン4からあまり
離れていない後流側に配置しているので、高い冷却性能
により十分冷却される。従って、筐体30の内部の発熱
素子及び他の発熱部材を所定の温度以下に冷却できると
ともに、操作者が手を触れるキーボード36、パームレ
スト37などの入力装置の表面温度を不快感を与えない
温度以下に保つことができる。
【0020】以上、本実施形態によれば、パーソナルコ
ンピュータの薄型化を実現しつつ、キーボードなどの操
作者が触れる部分の温度上昇を抑制し、かつ、効果的に
高発熱素子を冷却することができるという効果がある。
【0021】本発明の第二の実施形態を図6により説明
する。図2に示した実施形態と相違する点は、電子回路
基板2と筐体30との間に間隙の空間60を設けるよう
に電子回路基板2を設置し、筐体30の底面に排気孔9
0を設ける点である。ファン4から空間6に吹き出され
た空気の一部は、矢印25aで示すように、電子回路基
板2と筐体30との間隙60にも流れ、排気孔90から
筐体外部に放出される。このため、例えば操作者がこの
パーソナルコンピュータを膝の上に乗せて操作を実行し
たとしても、筐体3の底面が熱くならないので操作者は
不快感を覚えないという第一の実施形態に加えた効果が
ある。但し、この場合、多少高発熱素子の冷却のための
風量は減少する。
【0022】本発明の第3の実施形態を図7と図8に基
づいて説明する。図7は、本実施形態のパーソナルコン
ピュータの縦断面図、図8は図7の変形例を示す部分拡
大縦断面図である。図1、図2に示す実施形態と相違す
る点は、電子回路基板2、3の2枚の基板が搭載されて
おり、電子回路基板2上の高い発熱量の発熱素子1aの
搭載された面を筐体の底面30aに対向して設置し、高
発熱素子1aと筐体の底面30aの壁面との間に高い熱
伝導性を有する柔軟部材40を介在させる点である。こ
の柔軟部材40は、例えば、袋状に成形したフィルム内
にサ−マルコンパウンドを封入したもの、高い熱伝導性
を有するゲル状Siなどで構成されている。図7におい
ては、1つの発熱素子に対して1つの高い熱伝導性を有
する柔軟部材40を用いて介在させた例を示している。
しかし、複数の素子に対して一括して共通の柔軟部材4
0を適用してもよい。
【0023】このように構成されたパーソナルコンピュ
ータにおいて、外気は、吸気孔8を通って筐体30内に
流入し、ファン4からファン4の後流側の空間に吹き出
される。吹き出された空気の一部は、電子回路基板2と
電子回路基板3との間に流れ、残りの空気は、矢印25
bで示すように、電子回路基板2と筐体壁30aとの間
を流れる。ここで、筐体底面部30aもしくは筐体全体
を、特にマグネシウム合金やアルミ合金製の材質の金属
で形成することによって、筐体壁30aそのものが放熱
フィンとして作用するため、または、筐体壁30aに形
成される広い面積を放熱面として利用することができる
ため、高い放熱性能が得られる。そして、これら冷却風
は、電子回路基板2によって分割された第二の空間の夫
々に共通の排気孔9から排気される。
【0024】また、図8に示す例では、電子回路基板2
上の高い発熱量の発熱素子1aの搭載された面を図7に
示す実施形態とは逆向きに設置して、電子回路基板2と
筐体底面30aの壁面との間に高い熱伝導性を有する柔
軟部材40を介在させた例を示している。この場合も、
図7に示す例と同様、熱の一部を筐体壁を通じて直接外
気側に放熱することができるので、より高い冷却性能を
得ることができる。
【0025】本発明の第4の実施形態を図9により説明
する。図9は、本実施形態のパーソナルコンピュータの
縦断面図である。本実施形態は、図7に示す実施形態と
同様に構成されているが、図9に示すように、電子回路
基板2を電子回路基板2上の高発熱素子1aの搭載され
た面を筐体底面30aに対向して設置し、高発熱素子1
aと筐体底面30aの壁面との間に高い熱伝導性を有す
る柔軟部材40を介在させている。又、柔軟構造を有す
る熱伝導部材を介在させた筐体壁の近傍に筐体の開口部
43を設け、開口部43から筐体壁外表面に張り出すガ
イド板41を設けている。外気は、吸気孔8を通過して
筐体内に流入し、ファン4により送風されてファン4の
後流側の空間に吹き出される。吹き出された空気の一部
は、電子回路基板2と電子回路基板3との間に流れ、残
りの空気は、電子回路基板2と筐体壁30aとの間を流
れる。又、吹き出された空気の一部は、ガイド板41に
沿って筐体底部30aと机などのパーソナルコンピュー
タの設置面42との間にも流れる。この場合、筐体底面
部30aもしくは筐体全体を、特にマグネシウム合金や
アルミ合金製の金属で形成することによって、筐体壁3
0aが放熱フィンとして作用するため、又、筐体底面部
30aの壁の両面に空気が流れるため、高い放熱性能が
得られるとともに、筐体底面壁の温度上昇を抑えられ
る。
【0026】以上説明した実施形態に用いられるファン
4はプロペラファンであるが以下に示すように遠心型フ
ァン若しくは貫流ファンでも構成することができる。図
10においては、ファンとして遠心型ファン46を用い
ている。また、図11にでは、ファンとして貫流型ファ
ン48を用いている。ファン4として遠心型ファン46
を用いると、口径、回転数を同じに設定した場合、軸流
型(プロペラ型)ファンに比べ、一般に高い圧力が得ら
れるとともに、矢印47で示すように、周方向に風を吹
き出すことができるので、ファン吹き出し口での圧損を
低減でき、ファンの流量を増大させることができる。そ
の結果、冷却性能が向上する。
【0027】また、図11に示すようにファンとして貫
流型ファン48を設けた場合、貫流型ファン48は細長
形状であるため、設置スペースが狭くても設置すること
ができ、このため、パーソナルコンピュータを小型化す
ることが可能になる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、入力装置の温度上昇を
抑えることができるので操作者に不快感を与えない効果
がある
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるパーソナルコンピュ
ータの斜視図である。
【図2】図1に示すパーソナルコンピュータの縦断面図
である。
【図3】図1に示すパーソナルコンピュータの側断面図
である。
【図4】図3に示すパーソナルコンピュータの縦断面図
である。
【図5】図1に示すパーソナルコンピュータの電子回路
基板が1枚である場合の縦断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態であるパーソナルコンピ
ュータの縦断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態であるパーソナルコンピ
ュータの縦断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態であるパーソナルコンピ
ュータの縦断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態であるパーソナルコンピ
ュータの縦断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態であるパーソナルコン
ピュータの縦断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態であるパーソナルコン
ピュータの縦断面図である。
【符号の説明】
1…発熱素子、2、3…電子回路基板、4…ファン、5
…第一の空間、6…第二の空間、7…隔壁、8…吸気
孔、9…排気孔、12…板部材、21…板状フィン、3
6…キーボード、37…パームレスト、40…高熱伝導
柔軟部材、45…スカート状部材、46…遠心型ファ
ン、48…貫流型ファン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 満 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 大西 健治 神奈川県海老名市下今泉810番地 株式会 社日立製作所オフィスシステム事業部内 (72)発明者 津崎 寛 神奈川県海老名市下今泉810番地 株式会 社日立製作所オフィスシステム事業部内 (72)発明者 松島 均 神奈川県海老名市下今泉810番地 株式会 社日立製作所オフィスシステム事業部内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筐体表面に設けられた入力手段と、筐体内
    部に設けられ、複数の半導体素子を搭載した電子回路基
    板とを備えたパーソナルコンピュータにおいて、前記入
    力手段の背面部を含む第一の空間と、前記複数の半導体
    素子のうち冷却対象となる半導体素子を含む第二の空間
    と、前記第一の空間と前記筐体外部とを連通する吸気孔
    と、前記第二の空間と前記筐体外部とを連通する排気孔
    と、前記吸気孔から取り入れた空気を第一の空間及び第
    二の空間を介して前記排気孔から排気されるように流す
    冷却手段を備えたパーソナルコンピュータ。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記冷却手段は、前記
    第一の空間及び第二の空間との間に設けられ、前記第一
    の空間から前記第二の空間に空気を流通させるファンで
    あるパーソナルコンピュータ。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記ファンは軸流型フ
    ァンであり、このファン回転軸が前記筐体底面に平行よ
    りも大きな角度で取り付けられるパーソナルコンピュー
    タ。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記ファンの前記第二
    の空間への吹き出し側に、冷却風の流れを偏向する部材
    を備えたパーソナルコンピュータ。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記第二の空間に前記
    ファンからの冷却風を規制する仕切り板を備えたパーソ
    ナルコンピュータ。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記吸気孔と前記排気
    孔は前記筐体の異なる面に設けられているパーソナルコ
    ンピュータ。
  7. 【請求項7】筐体表面に設けられた入力手段と、筐体内
    部に設けられ、複数の半導体素子を搭載した電子回路基
    板とを備えたパーソナルコンピュータにおいて、前記入
    力手段の背面部と、前記電子回路基板との間に形成され
    る第一の空間と、この電子回路基板と前記筐体底面との
    間に形成される第二の空間と、前記第一の空間と前記筐
    体外部とを連通する吸気孔と、前記第二の空間と前記筐
    体外部とを連通する排気孔と、前記吸気孔から取り入れ
    た空気を第一の空間及び第二の空間を介して前記排気孔
    から排気されるように流す手段を備えたパーソナルコン
    ピュータ。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記冷却手段は、前記
    第一の空間及び第二の空間との間に設けられ、前記第一
    の空間から前記第二の空間に空気を流通させるファンで
    あるパーソナルコンピュータ。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記ファンは軸流型フ
    ァンであり、このファン回転軸が前記筐体底面に平行よ
    りも大きな角度で取り付けられるパーソナルコンピュー
    タ。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記ファンの前記第
    二の空間への吹き出し側に、冷却風の流れを偏向する部
    材を備えたパーソナルコンピュータ。
  11. 【請求項11】請求項7において、前記第二の空間に前
    記ファンからの冷却風を規制する仕切り板を備えたパー
    ソナルコンピュータ。
  12. 【請求項12】請求項7において、前記吸気孔と前記排
    気孔は前記筐体の異なる面に設けられているパーソナル
    コンピュータ。
  13. 【請求項13】筐体表面に設けられた入力手段と、筐体
    内部に設けられ、複数の半導体素子を搭載した少なくと
    も2枚の電子回路基板とを備えたパーソナルコンピュー
    タにおいて、前記入力手段の背面部と、前記一方の電子
    回路基板の半導体素子搭載面の裏面との間に形成される
    第一の空間と、この電子回路基板の半導体素子搭載面
    と、前記筐体底面及び前記他方の電子回路基板との間に
    形成される第二の空間と、前記第一の空間と前記筐体外
    部とを連通する吸気孔と、前記第二の空間と前記筐体外
    部とを連通する排気孔と、前記吸気孔から取り入れた空
    気を第一の空間及び第二の空間を介して前記排気孔から
    排気されるように流す手段を備えたパーソナルコンピュ
    ータ。
  14. 【請求項14】請求項13において、前記冷却手段は、
    前記第一の空間及び第二の空間との間に設けられ、前記
    第一の空間から前記第二の空間に空気を流通させるファ
    ンであるパーソナルコンピュータ。
  15. 【請求項15】請求項14において、前記ファンは軸流
    型ファンであり、このファン回転軸が前記筐体底面に平
    行よりも大きな角度で取り付けられるパーソナルコンピ
    ュータ。
  16. 【請求項16】請求項15において、前記ファンの前記
    第二の空間への吹き出し側に、冷却風の流れを偏向する
    部材を備えたパーソナルコンピュータ。
  17. 【請求項17】請求項13において、前記第二の空間に
    前記ファンからの冷却風を規制する仕切り板を備えたパ
    ーソナルコンピュータ。
  18. 【請求項18】請求項13において、前記他方の電子回
    路基板の上流側端部と前記筐体底面との間に目張りを施
    したパーソナルコンピュータ。
  19. 【請求項19】請求項13において、前記筐体底面と前
    記他方の電子回路基板との間に形成される第三の空間
    と、この第三の空間と前記筐体外部とを連通する排気孔
    とを備えたパーソナルコンピュータ。
  20. 【請求項20】請求項13において、前記吸気孔と前記
    排気孔は前記筐体の異なる面に設けられているパーソナ
    ルコンピュータ。
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