JPH08262913A - 定着ロール - Google Patents

定着ロール

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JPH08262913A
JPH08262913A JP6440095A JP6440095A JPH08262913A JP H08262913 A JPH08262913 A JP H08262913A JP 6440095 A JP6440095 A JP 6440095A JP 6440095 A JP6440095 A JP 6440095A JP H08262913 A JPH08262913 A JP H08262913A
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JP
Japan
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layer
oil
swelling
fixing roll
outer periphery
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JP6440095A
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English (en)
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Hirobumi Okuda
博文 奥田
Yasuhito Suzuki
康仁 鈴木
Kazunori Toyama
和徳 遠山
Koji Yamaguchi
浩二 山口
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低コストで、トナー離型性および耐久性に優
れ、高画質の画像が得られる定着ロールを提供する。 【構成】円筒状の軸体1の外周に熱伝導性付与層2が形
成され、この熱伝導性付与層2の外周にオイルバリア層
3が形成され、このオイルバリア層3の外周にオイル膨
潤層4が形成された定着ロールである。そして、上記オ
イル膨潤層4におけるシリコーンオイルの膨潤量が1〜
8重量%に設定され、しかもこのオイル膨潤層4が、フ
ロロシリコーンゴム(A成分)と、パーオキサイド系架
橋剤(B成分)と、充填剤(C成分)を含有するマトリ
ックス材料によって形成された最外層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真複写機,プ
リンター等に用いられる定着ロールに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写方式による複写機におい
て、複写紙に転写されたトナー像を定着させる方式とし
て、例えばつぎのような熱ロール定着方式によるトナー
の定着が行われている。すなわち、感光ドラムの外周面
上に形成された静電潜像にトナーを吸着させ、このトナ
ーを複写紙面上に転写させる。ついで、図2に示すよう
に、各々その内部に熱源となるハロゲンランプ16a,
16bを備えた一対の定着ロール6と加圧ロール7の間
に、矢印方向に、上記トナー14が転写された複写紙1
3を通して上記トナー14を加熱溶融させるとともに上
記一対のロール6,7間の圧力によりトナー14を複写
紙13に浸透させてトナー15(定着像)を定着させる
ことが行われている。図2において、10は入口側ガイ
ド、11は出口側ガイド、12は分離爪である。
【0003】このような定着ロール6としては、つぎに
示すような構造のものがあげられる。芯金の外周に、
シリコーンゴムからなる弾性体層が形成され、この弾性
体層の外周にフッ素ゴムからなる離型層が形成された定
着ロール(2層構造)があげられる。また、芯金の外
周に、シリコーンゴムからなる弾性体層が形成され、こ
の弾性体層の外周にフッ素ゴム層が形成され、さらにこ
のフッ素ゴム層の外周にシリコーンゴム層が形成された
定着ロール(3層構造)があげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、特に、フルカラ
ー複写機では、画像再現性を向上させるために、定着部
でのトナー溶融性を高めており、その結果、定着ロール
表面にトナーが付着し鮮明な画像が得られ難いという問
題が発生している。そのため、従来から、定着ロール表
面に離型性をもたせるために、シリコーンオイルを塗布
し、定着ロール表面へのトナーの付着防止が図られてい
る。例えば、上記の定着ロールでは、ロールの最外層
がフッ素ゴムにより形成されていることから、ジメチル
シリコーンオイル等の通常のシリコーンオイルでは、オ
イルがはじかれてしまい、最外層に対して濡れ性が悪
い。このことから、この濡れ性を改良するために、変性
シリコーンオイルが用いられる。が、この変性シリコー
ンオイルは高価であることからコストが高くなり、しか
も、上記変性シリコーンオイルの変性基が熱劣化するた
め、離型作用が低下するという問題が生じる。また、上
記の定着ロールは、中間層にシリコーンオイルのバリ
ア層となるフッ素ゴム層を形成することによりシリコー
ンオイルによる膨潤を最外層のシリコーンゴム層に限定
して、ロール全体の寸法安定性を確保したものである。
しかし、最外層のシリコーンゴム層にシリコーンオイル
の濡れ膜が形成されるとともに、余分なシリコーンオイ
ルがシリコーンゴム層内に浸入してシリコーンゴム層自
身が膨潤することから、耐摩耗性に乏しく摩耗劣化によ
るロールの耐久性に問題が生じる。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、低コストで、トナー離型性および耐久性に優
れ、高画質の画像が得られる定着ロールの提供をその目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の定着ロールは、軸体の外周に熱伝導性付
与層が形成され、この熱伝導性付与層の外周にオイルバ
リア層が形成され、このオイルバリア層の外周にオイル
膨潤層が形成された定着ロールであって、上記オイル膨
潤層におけるシリコーンオイルの膨潤量が1〜8重量%
に設定され、かつ上記オイル膨潤層が、下記の(A)〜
(C)成分を含有するマトリックス材料によって形成さ
れているという構成をとる。 (A)フロロシリコーンゴム。 (B)パーオキサイド系架橋剤。 (C)充填剤。
【0007】
【作用】すなわち、本発明者らは、耐久性の低下を防止
するとともにトナー離型性に優れた定着ロールを得るた
めに一連の研究を重ねた。その結果、ロールの最外層
に、フロロシリコーンゴム〔(A)成分〕を主とするマ
トリックス材料により形成されたオイル膨潤層を形成
し、このオイル膨潤層のシリコーンオイルの膨潤量を特
定の範囲に設定すると、適度なシリコーンオイルの膨潤
により、トナー離型性が付与されるとともに、耐久性の
低下を防止することも可能となることを見出しこの発明
に到達した。
【0008】つぎに、この発明を詳細に説明する。
【0009】この発明の定着ロールは、軸体と、上記軸
体の外周に形成される熱伝導性付与層と、この熱伝導性
付与層の外周に形成されるオイルバリア層と、このオイ
ルバリア層の外周に形成されるオイル膨潤層とから構成
される。
【0010】上記軸体としては、通常、内部を中空にく
り抜いた金属製の略円筒体が用いられる。
【0011】上記軸体の外周に形成される熱伝導性付与
層は、一般に、定着ロールが加熱圧着による定着方式に
用いられるため、その耐熱性、高熱伝導性および柔軟性
を有するという観点からシリコーンゴムを主成分とする
形成材料を用いて形成される。
【0012】上記シリコーンゴムとしては、特に限定す
るものではなく従来公知のものが用いられる。なかでも
HTV型シリコーンゴム(高温架橋型シリコーンゴム)
を用いることが好ましく、例えばメチルビニルシリコー
ンゴム,フェニルメチルシリコーンゴム等があげられ
る。
【0013】また、上記熱伝導性付与層形成材料には、
上記シリコーンゴム以外に、必要に応じてエチレン−プ
ロピレンゴム,アクリルゴム,フロロシリコーンゴム等
の耐熱性ゴムを併用することができる。
【0014】上記熱伝導性付与層形成材料には、上記主
成分であるシリコーンゴム以外に、架橋剤,充填剤,触
媒等を必要に応じて適宜に配合することができる。
【0015】上記熱伝導性付与層の外周に形成されるオ
イルバリア層は、最外層を通過して浸入するシリコーン
オイルに対して内層である熱伝導性付与層への浸入およ
び膨潤を防止するために設けられるものである。このた
め、上記オイルバリア層は、シリコーンオイルに対する
バリア特性を有する材料、例えば、フッ素ゴムを主成分
とする形成材料によって形成される。
【0016】上記フッ素ゴム(A成分)としては、2元
フッ化ビニリデン系ゴム,3元フッ化ビニリデン系ゴ
ム,テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム,フル
オロホスファゼン系ゴム等があげられ、これらは単独で
もしくは2種以上併せて用いられる。特に、耐熱性,耐
シリコーンオイル性,コストの点から、2元フッ化ビニ
リデン系ゴムまたは3元フッ化ビニリデン系ゴムを用い
ることが好ましい。また、2種以上併用して用いる場合
の好適な組み合わせは、2元フッ化ビニリデン系ゴムと
3元フッ化ビニリデン系ゴムの併用である。
【0017】また、上記フッ素ゴム以外に、シリコーン
オイルによって膨潤しないフロロシリコーンゴムが用い
られる。このようなフロロシリコーンゴムは、下記の一
般式(1)で表されるタイプのフロロシリコーンゴムで
ある。
【0018】
【化1】
【0019】上記オイルバリア層形成材料には、上記主
成分であるフッ素ゴム以外に、架橋剤,充填剤,触媒等
を必要に応じて適宜に配合することができる。
【0020】上記架橋剤としては、特に限定するもので
はなく従来公知のものが用いられる。例えば、ヘキサメ
チレンジアミンカルバメート、N,N′−ジシンナミリ
デン−1,6−ヘキサンジアミン等のアミン系架橋剤、
ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド等のパーオキサイド系
架橋剤、ビスフェノールAF系のポリオール系架橋剤が
あげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用
いられる。なかでも、架橋性、接着性という観点からベ
ンゾイルパーオキサイドを用いることが好ましい。
【0021】上記オイルバリア層の外周に形成されるオ
イル膨潤層は、フロロシリコーンゴム(A成分)と、パ
ーオキサイド系架橋剤(B成分)と、充填剤(C成分)
を含有するマトリックス材料によって形成される。
【0022】上記フロロシリコーンゴム(A成分)は、
熱架橋型のものであって、例えば、下記の(2)に示す
繰り返し単位を有するフロロシリコーンゴムがあげられ
る。このようなフロロシリコーンゴムとしては、重量平
均分子量としては、1×10 5 〜8×105 の範囲のも
のを用いることが好ましい。
【0023】
【化2】
【0024】また、上記フロロシリコーンゴム以外に、
下記の(3)に示す繰り返し単位を有する共重合フロロ
シリコーンゴムがあげられる。このような共重合フロロ
シリコーンゴムとしては、重量平均分子量としては、1
×105 〜8×105 の範囲のものを用いることが好ま
しい。
【0025】
【化3】
【0026】さらに、オイル膨潤層は、ジメチルシリコ
ーンオイル等のシリコーンオイルの吸収、膨潤による重
量変化として、160℃で24時間の条件でシリコーン
オイルに浸漬した時の膨潤量が、初期に対して1〜8重
量%(以下「%」と略す)の範囲の増加量となるよう設
定される。この膨潤量(ΔW)は、下記の式により算出
される。
【0027】膨潤量(%)=〔(浸漬後の重量−初期の
重量)/初期の重量〕×100
【0028】上記膨潤量に設定することにより、最外層
であるオイル膨潤層に離型オイルであるシリコーンオイ
ルを含有させて、良好なトナー離型性を確保することが
可能になると同時に、耐摩耗性も向上するようになる。
そして、上記膨潤量が8%を超えて大きくなると、逆に
耐摩耗性が劣化し、耐久性が悪くなる傾向がみられる。
【0029】上記A成分とともに用いられるパーオキサ
イド系架橋剤(B成分)は、前記オイルバリア層の形成
材料となる架橋剤と同様のものがあげられ、特に限定す
るものではなく従来公知のものが用いられる。例えば、
ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイド、m−トルオイル−ベンゾイル
パーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルペロキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオ
キサイド系架橋剤があげられる。これらは単独でもしく
は2種以上併せて用いられる。なかでも、架橋性、接着
性という観点からベンゾイルパーオキサイドを用いるこ
とが好ましい。このように、架橋剤としてパーオキサイ
ド系架橋剤(B成分)を用いることにより、後述のオイ
ル膨潤層形成時に、コーティング液を調製する際、液安
定性が良好で、可使期間が長く、ロールの製造作業性が
向上する。また、ゲル化等による形成材料の無駄が生じ
ず、コスト低減につながる。これは、上記パーオキサイ
ド系架橋剤が、室温近傍での反応性が低く、スコーチが
抑制されるためである。
【0030】さらに、上記A成分およびB成分とともに
用いられる充填剤(C成分)としては、例えば、シリカ
粉末、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタン、ケイ酸
カルシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック等があげられ
る。特に、補強性の点からシリカ粉末を用いることが好
ましい。また、この充填剤(C成分)の配合量は、オイ
ル膨潤層形成材料であるマトリックス材料全体の20〜
80重量%(以下「%」と略す)の範囲に設定すること
が好ましい。特に好ましくは30〜50%である。すな
わち、充填剤の配合量が20%未満では、強度が低下し
て、摩耗劣化が著しくなり、80%を超えると、ロール
表面での充填剤の露出が多くなり、トナー離型性が低下
する傾向がみられるからである。
【0031】上記オイル膨潤層形成材料には、上記主成
分であるフロロシリコーンゴム(A成分)、パーオキサ
イド系架橋剤(B成分)、充填剤(C成分)以外に、分
散助剤等を必要に応じて適宜に配合することができる。
【0032】この発明の定着ロールは、例えばつぎのよ
うにして作製することができる。すなわち、まず、オイ
ルバリア層形成用およびオイル膨潤層形成用の各コーテ
ィング液をそれぞれ調製する。
【0033】上記オイルバリア層形成用およびオイル膨
潤層形成用の各コーティング液は、つぎのようにして調
製される。すなわち、各形成材料の構成成分を適宜に配
合し、ロール,ニーダー等で混練し、この混合物に有機
溶媒を加えて混合,攪拌することにより調製される。そ
して、このようにして調製された各コーティング液の濃
度は、例えば、それぞれ10〜50%の範囲に設定する
ことが好ましい。特に好ましくは15〜30%である。
すなわち、各コーティング液の濃度が10%未満では、
目的とする所定の膜厚が得られ難くなる。また、液たれ
等塗布工程での不具合が発生する。逆に、50%を超え
ると、粘度が高くなり作業(塗布)性が悪化する。ま
た、上記と同様膜厚が厚くなり所定の膜厚が得られなく
なる傾向がみられるからである。
【0034】そして、上記各成分を配合してコーティン
グ液を作製する際に用いられる上記有機溶媒としては、
特に限定するものではなく従来公知のものが用いられ
る。例えば、アセトン、メチルエチルケトン(ME
K)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン
類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラ
ヒドロフラン(THF)、酢酸エチル等の極性溶媒等が
あげられる。
【0035】上記のようにして各コーティング液を調製
するとともに、一方で、金属製の軸体の外周に、熱伝導
性付与層形成材料を用いて押出成形して型加硫を行うこ
とにより熱伝導性付与層を形成する。そして、上記各コ
ーティング液を用いて、まず、オイルバリア層形成用の
コーティング液を上記熱伝導性付与層外周面に均一に塗
工する。ついで、上記オイルバリア層の外周に、オイル
膨潤層形成用のコーティング液を均一に塗工して乾燥さ
せた後、加熱架橋し、オイルバリア層およびオイル膨潤
層を形成する。このようにして目的の図1に示すような
定着ロール(3層構造)を作製することができる。図1
において、1は内部が中空の略円筒状の軸体(中空芯
金)、2は熱伝導性付与層、3はオイルバリア層、4は
オイル膨潤層である。
【0036】上記オイルバリア層形成用およびオイル膨
潤層形成用の各コーティング液の塗工方法としては、特
に限定するものではなく従来公知の塗工方法、例えば、
ディッピング法,スプレーコーティング法,ロールコー
ト法等があげられる。
【0037】そして、上記定着ロールにおいて、各層の
厚みはつぎのように設定することが好ましい。まず、熱
伝導性付与層2の厚みは、0.5〜5mmの範囲に設定
することが好ましく、特に好ましくは厚み1〜3mmで
ある。また、オイルバリア層3の厚みは、5〜50μm
の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは厚み
10〜20μmである。さらに、最外層であるオイル膨
潤層4の厚みは、10〜50μmの範囲に設定すること
が好ましく、特に好ましくは20〜30μmである。す
なわち、定着ロールを用いてトナーを複写紙に定着させ
る方法として、通常、加熱加圧圧着による方式が採用さ
れるがこの加熱加圧圧着の際の熱伝導性の見地より、最
外層となるオイル膨潤層4は薄膜層に形成することが好
ましい。
【0038】
【発明の効果】以上のように、この発明の定着ロール
は、熱導電性付与層の外周に、オイルバリア層が形成さ
れ、さらにこのオイルバリア層の外周に、最外層である
オイル膨潤層が形成され、しかも、このオイル膨潤層
が、フロロシリコーンゴム(A成分)、パーオキサイド
系架橋剤(B成分)、充填剤(C成分)を含有したマト
リックス形成材料を用いて形成され、かつ特定範囲の膨
潤量となるよう設定されたものである。このため、上記
オイル膨潤層が、適度なシリコーンオイルの吸収により
膨潤して、トナー離型性が付与されるとともに、適正な
膨潤設定が可能となることから耐摩耗性が向上して耐久
性の低下を防止することができる。
【0039】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0040】
【実施例1〜5、比較例1,2】 〔熱伝導性付与層の形成〕軸体としてアルミニウム製軸
体(円筒体)を用いた。このアルミニウム製軸体の外周
面に、下記の表1に示す各成分からなる熱伝導性付与層
形成材料を用い、これを押出成形して型加硫を行った。
この結果、厚み3mmの熱伝導性付与層を形成した。
【0041】
【表1】 *1:XE20−A7016、東芝シリコーン社製 *2:TC−8、東芝シリコーン社製
【0042】〔オイルバリア層の形成〕つぎに、下記の
表2に示す各成分を同表に示す配合割合で配合しロール
を用いて混練した。ついで、この混合物に、15%の濃
度となるよう有機溶媒としてメチルエチルケトンを加
え、混合,攪拌してオイルバリア層形成材料であるコー
ティング液を調製した。そして、上記熱伝導性付与層の
外周面に、ディッピング法により、上記コーティング液
を塗工して、厚み15μmのオイルバリア層を形成し
た。
【0043】
【表2】 *:バイトンGBC−900、昭和電工デュポン社製
【0044】〔オイル膨潤層の形成〕つぎに、下記の表
3に示す各成分を同表に示す配合割合で配合しロールを
用いて混練した。ついで、この混合物に、15%の濃度
となるよう有機溶媒としてメチルエチルケトンを加え、
混合,攪拌してオイル膨潤層形成材料であるコーティン
グ液を調製した。そして、上記オイルバリア層の外周面
に、ディッピング法により、上記コーティング液を塗工
した後、熱オーブンによる加熱により、架橋させて(条
件:150℃×1時間)して、厚み25μmのオイル膨
潤層を形成した。
【0045】
【表3】
【0046】このようにして得られた各実施例品および
比較例品である定着ロールについて、その架橋度、シリ
コーンオイルの膨潤量、画質、耐摩耗性、耐久性を下記
の方法に従って測定し評価した。その結果を後記の表4
に併せて示した。
【0047】〔定着ロールの最外層の架橋度〕各定着ロ
ール表面を、メチルエチルケトンを含ませた布で拭き、
最外層となるオイル膨潤層の溶解の度合いを目視により
評価した。その結果、全く溶解しなかったものを○、拭
き跡が残ったものを△、溶解したものを×として表示し
た。
【0048】〔シリコーンオイルの膨潤量〕各定着ロー
ルを、ジメチルシリコーンオイル(TSF451−35
0、東芝シリコーン社製)中に160℃×24時間の条
件で浸漬した。その結果、下記の式によりその膨潤量
(ΔW)を算出した。
【0049】膨潤量(%)=〔(浸漬後の重量−初期の
重量)/初期の重量〕×100
【0050】〔画質〕電子写真複写機に各定着ロールを
組み込み、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)用
シートを送紙して、目視によりその巻き付き性を観察し
た。その結果、ロールに巻きついたものを×、巻きつか
なかったものを○として表示した。
【0051】〔耐摩耗性〕電子写真複写機に各定着ロー
ルを組み込み、ロール面に分離爪を押し当て、シリコー
ンオイルを供給しない状態(摩耗促進状態)で、表面層
の削れにより内層の露出に要する時間を測定した。そし
て、露出に要する時間が5時間以内のものを×、5時間
を超えたものを○として表示した。
【0052】〔耐久性〕電子写真複写機に各定着ロール
を組み込み、複写紙を用いて複写を行い、オフセット
(溶融トナーが一部ロールに付着して、この付着した溶
融トナーが、つぎの複写時に汚れとして転写される現
象)が生起するまでの複写紙の枚数を測定しオフセット
耐久枚数として表示した。
【0053】
【表4】
【0054】上記表4の結果から、全ての実施例品は、
適度なシリコーンオイルの膨潤量に設定されており、画
質、耐摩耗性および耐久性の全てにおいて良好な結果が
得られた。しかも、架橋度においても問題がなく充分な
架橋がなされた定着ロールが得られたことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の定着ロールの一例を示す断面図であ
る。
【図2】電子写真複写機内の熱ロール定着方式による定
着構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 軸体 2 熱伝導性付与層 3 オイルバリア層 4 オイル膨潤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 浩二 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600 東海 ゴム工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体の外周に熱伝導性付与層が形成さ
    れ、この熱伝導性付与層の外周にオイルバリア層が形成
    され、このオイルバリア層の外周にオイル膨潤層が形成
    された定着ロールであって、上記オイル膨潤層における
    シリコーンオイルの膨潤量が1〜8重量%に設定され、
    かつ上記オイル膨潤層が、下記の(A)〜(C)成分を
    含有するマトリックス材料によって形成されていること
    を特徴とする定着ロール。 (A)フロロシリコーンゴム。 (B)パーオキサイド系架橋剤。 (C)充填剤。
JP6440095A 1995-03-23 1995-03-23 定着ロール Pending JPH08262913A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010198924A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Sharp Corp 加熱装置およびこの加熱装置を備えた被処理物加熱処理装置
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