JPH08262286A - 多層被覆 - Google Patents
多層被覆Info
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- JPH08262286A JPH08262286A JP7120195A JP12019595A JPH08262286A JP H08262286 A JPH08262286 A JP H08262286A JP 7120195 A JP7120195 A JP 7120195A JP 12019595 A JP12019595 A JP 12019595A JP H08262286 A JPH08262286 A JP H08262286A
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Abstract
覆層が一度の照射で硬化して得られる基体上の多層被覆
層を提供すること。 【構成】 第1の被覆層、第2の被覆層および基体がこ
の順序で積層されており、第1の被覆層はベンゾフェノ
ン系の光重合開始剤を、第2の被覆層はリン系の光重合
開始剤をそれぞれ含む光硬化性樹脂組成物の硬化層から
なる。
Description
し、詳しくは未硬化の樹脂組成物を基体表面上に多層に
塗布し、外層方向からの光照射によって基体近くの内層
も外層と同じく良好に硬化している基体の多層被覆に関
する。
め、光硬化樹脂による被覆が施され、また光ファイバー
に用いられているガラスファイバーは脆く損傷し易いの
で保護、補強等のため、光硬化樹脂による被覆が施され
ている。
設けられたクラッド層上に1次被覆と2次被覆が施され
るが、生産性向上の観点や、硬化時の揮発成分の発生防
止の観点からも2層に塗布して一回の光照射で硬化させ
ることが望ましい。
を一回の光照射で硬化させる場合、外層の光吸収と内層
の光吸収が適度に異なっていないと、内層の硬化が不十
分になる。そこで現在では、多層に被覆する場合もそれ
ぞれに光照射を行なって硬化させるプロセスが多く取ら
れており、設備の巨大化、生産性の低下等の点で不利で
ある。
に伴い、一回の光照射で内層の硬化が十分となる技術に
対する要求が高まっている。
上に塗布された光硬化性樹脂の複数の被覆層が一度の光
照射により硬化して得られる基体上の多層被覆を提供す
ることにある。
被覆層、第2の被覆層および基体がこの順序に積層され
てなり、(i)第1の被覆層は、下記式(1)
〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜3のアルキルチ
オ基または4−モルホリノ基を示し、R2はヒドロキシ
シクロヘキシル基、1,1−ジアルコキシ−1−フェニ
ルメチル基、1,1−ジアルキル−1−(4−モルホリ
ノ)メチル基、ジアルキルヒドロキシメチル基またはジ
アルキルアミノベンジルアルキルメチル基を示す)で示
される光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物の硬化層
であり、(ii)第2の被覆層は、下記式(2)(式
(1)中、R1は水素原子、炭素数1〜20の1価の炭
化水素基または炭素数1〜3のアルキルチオ基を示し、
R2はヒドロキシシクロヘキシル基、1,1−ジアルコキ
シ−1−フェニルメチル基、1,1−ジアルキル−1−
モルホリノメチル基またはジアルキルヒドロキシメチル
基を示す)で示される光重合開始剤を含む光硬化性樹脂
組成物の硬化層であり、(ii)第2の被覆層は、下記式
(2)
ルキルフェニル基、トリアルコキシフェニル基、ジアル
キルフェニル基またはジアルコキシフェニル基を示し、
R4はフェニル基または炭素数1〜20の1価の炭化水
素基を示し、R5はR4と同一であるかまたはベンゾイル
基、ジアルコキシベンゾイル基、ジアルキルベンゾイル
基、トリアルキルベンゾイル基、トリアルコキシベンゾ
イル基およびアルコキシ基のいずれかを示す)で示され
る光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物の硬化層であ
る、ことを特徴とする基体上の多層被覆が提供されて、
上記本発明の目的が達成される。
明の目的、構成、利点および効果が明らかとなろう。本
発明の多層被覆の第1の被覆層および第2の被覆層を形
成するにあたって用いられる光硬化性樹脂組成物に含有
される光重合開始剤は、上記式(1)で示されるもの
(以下、「化合物I」とする)が第1の被覆層を形成す
るために用いられ、上記式(2)で示されるもの(以
下、「化合物II」とする)が第2の被覆層を形成する
ために用いられる。
て、R1が水素原子、炭素数1〜12の1価の炭化水素
基、メチルチオ基または4−モルホリノ基であるものが
好ましく、なかでもR1が水素原子、メチルチオ基また
は4−モルホリノ基であるものがさらに好ましい。前記
式(1)において、R2が1−ヒドロキシシクロヘキシ
ル基、1,1−ジメトキシ−1−フェニルメチル基、1,
1−ジメチル−1−(4−モルホリノ)メチル基、1,
1−ジメチル−1−ヒドロキシメチル基またはジメチル
アミノベンジルエチルメチル基であるものが好ましい。
せが下記表1の如き化合物I−1〜I−5である。
2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリエチ
ルフェニル基、2,4,6−トリプロピルフェニル基、
2,4,6−トリブチルフェニル基、2,4,6−トリメト
キシフェニル基、2,4,6−トリエトキシフェニル基、
2,6−ジメトキシフェニル基、2,6−ジエトキシフェ
ニル基、2,6−ジプロポキシフェニル基、2,6−ジメ
チルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基または2,
6−ジブチルフェニル基であり、R4がフェニル基また
は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、そしてR
5がR4と同一であるかまたはベンゾイル基、2,6−ジ
メトキシベンゾイル基、2,6−ジエトキシベンゾイル
基、2,6−ジメチルベンゾイル基、2,6−ジエチルベ
ンゾイル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル基、2,
4,6−トリエチルベンゾイル基、2,4,6−トリプロ
ピルベンゾイル基、2,4,6−トリブチルベンゾイル
基、2,4,6−トリメトキシベンゾイル基、2,4,6−
トリエトキシベンゾイル基、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基であるものが好ましく、なか
でもR3がフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル
基または2,6−ジメトキシフェニル基、R4がフェニル
基または炭素数2〜15の1価の炭化水素基であり、そ
してR5がR4と同一であるかまたはベンゾイル基、2,
6−ジメトキシベンゾイル基、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイル基、メトキシ基およびエトキシ基のいずれかで
あるものがより好ましい。
びR5の組合せが下記表2の如き化合物である。
化合物IIは、充分に硬化を行なうことおよび硬化物の
物性を適切に維持する観点から、各々の光硬化性樹脂組
成物中に固形分換算で0.05〜10重量%の割合で含
有されることが好ましく、0.1〜5重量%の割合で含
有されることがより好ましい。
るための光硬化性樹脂組成物は重合性成分としてウレタ
ン(メタ)アクリレートを含むことが、耐久性、高速硬
化性、高い靭性、柔軟性等の点で好ましい。このウレタ
ン(メタ)アクリレートはポリオール、ポリイソシアネ
ートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ
ることにより得られる。
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリ
ヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコー
ルあるいは二種以上のイオン重合性環状化合物を開環共
重合させて得られるポリエーテルジオール等のポリエー
テルジオールが挙げられる。
の原料としてのイオン重合性環状化合物としては、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキ
シド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチル
オキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオ
キシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリ
シジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ア
リルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシ
ド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニ
ルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシ
ド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエ
ーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル
類が挙げられる。
エチレンイミン等の環状イミン類、β−プロピオラクト
ン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸あるいは
ジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させた
ポリエーテルジオールを使用することもできる。
具体的な組み合わせとしては、テトラヒドロフランとプ
ロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテ
トラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテ
トラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキ
シド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン
−1−オキシドとエチレンオキシド、テトラヒドロフラ
ンとブテン−1−オキシドとエチレンオキシド等を挙げ
ることができる。これらのイオン重合性環状化合物の組
合せの開環共重合体はランダムに結合していてもよい
し、ブロック状に結合していてもよい。
PTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学
(株)製)、PPG1000、EXCENOL 2020、10
20(以上、旭オーリン(株)製)、PEG1000、
ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油
脂(株)製)、PPTG2000、PPTG1000、
PTG400、PTGL2000(以上、保土ヶ谷化学
(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−5、P
BG2000A、PBG2000B(以上、第一工業製
薬(株)製)等の市販品として入手することができる。
ール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトン
ジオール等が挙げられる。これらのジオールはポリエー
テルジオールと併用して用いることもできる。
ばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−
メチル−1,8−オクタンジオール等の多価アルコール
とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン
酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等の多塩基酸
とを反応して得られるポリエステルポリオール等を挙げ
ることができる。市販品としてはクラポールP−201
0、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−
2000(以上、(株)クラレ製)等を挙げることがで
きる。
は、例えば1,6−ヘキサンポリカーボネート、ポリテ
トラメチレングリコールポリカーボネート等が挙げら
れ、市販品としてはDN−980、981、982、9
83(以上、日本ポリウレタン(株)製)、PC−80
00(米国PPG(株)製)、PC−THF−CD20
00、PC−THF−CD1000(以上BASF
(株)製)等が挙げられる。
は、ε−カプロラクトンと、例えばエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチ
レングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−ブタンジオール等の2価のジオールとを反
応させて得られるポリカプロラクトンジオールが挙げら
れる。これらのジオールは、プラクセル205、205
AL、212、212AL、220、220AL(以
上、ダイセル(株)製)等が市販品として入手すること
ができる。
クリレートを得るためのポリオールとして、上記ジオー
ルと併用して使用することができる。このようなジオー
ルとしては、例えばエチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフ
ェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、ビスフ
ェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフ
ェノールFのブチレンオキサイド付加ジオール、水添ビ
スフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、水
添ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオー
ル、水添ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジ
オール、水添ビスフェノールFのブチレンオキサイド付
加ジオール、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合
物、トリシクロデカンジメタノール、β−メチル−δ−
バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒド
ロキシ末端水添ポリブタジエン、ヒマシ油変性ポリオー
ル、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポ
リジメチルシロキサンカルビトール変性ポリオール等が
挙げられる。
以外にも、ポリオキシアルキレン構造を有するジオール
とともにジアミンを併用することも可能である。このよ
うなジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、パラフェニレ
ンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン等の
ジアミンやヘテロ原子を含むジアミン、ポリエーテルジ
アミン等が挙げられる。
平均分子量で、好ましくは50〜15,000であり、
特に好ましくは100〜8,000である。これらのジ
オールは一種でも二種以上を併用して用いてもよい。
ば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネー
ト、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3′−ジ
メチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,
3′−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4′
−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジ
イソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ビス
(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
タン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネ
ート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、
ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イ
ソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−
ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート等が挙げられる。これらのポリイソシアネート
は一種でも二種以上を併用して用いてもよい。
は、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォ
スフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートあるい
は下記式(3)
ル基を示し、pは1〜15、好ましくは1〜4の整数で
ある)で示される(メタ)アクリレート等が挙げられ、
さらにはアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジ
ルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリ
シジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応
により得られる化合物も挙げることができる。これらの
うち、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が
好ましい。これらの水酸基含有(メタ)アクリレートは
一種でも二種以上を併用して用いてもよい。
際に、光硬化性樹脂組成物の硬化物のガラスとの密着性
を向上させる目的で下記の化合物を添加して反応に関与
させることができる。このような化合物としては、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリアルコキシシラン等が挙げられる。これら
の化合物のうち、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シランが好ましい。また、これらの化合物の市販品とし
ては、KBM573、803、KBE903(以上、信
越シリコーン(株)製)、A−189、1100、11
20(以上、日本ユニカー(株)製)、SH6020、
6062、SZ6083(以上、東レ・ダウ コーニン
グ・シリコーン(株)製)等が挙げられる。これらの化
合物の添加により分子末端にトリアルコキシシリル基を
有するウレタン(メタ)アクリレートを合成することが
できる。
リレートの好ましい数平均分子量は、350〜20,0
00であり、特に好ましくは400〜15,000であ
る。ウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量が上
記範囲であることにより、光硬化性樹脂組成物の粘度を
適切に調整することができ取扱いが良好であり、しかも
その硬化物の破断伸びおよび靱性がより好ましく維持さ
れ、種々の材料、例えば木材、ポリマーシート、さらに
は光ファイバーの被覆材料として使用した際に期待する
被覆材としての効果がより一層得られる。特に光ファイ
バーの被覆材料として使用すると、伝送損失も少なくな
る。
リレートの合成は、上記のポリオール、ポリイソシアネ
ート、水酸基含有(メタ)アクリレートおよびその他の
任意成分を反応させることにより行われる。この反応で
は、ジイソシアネートのイソシアネート基とジオールの
水酸基および水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基
とがそれぞれ反応するウレタン化反応が主に進行する。
ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、
ラウリル酸ジn−ブチル錫、トリエチルアミン、トリエ
チレンジアミン、2−メチルトリエチレンジアミン等の
ウレタン化触媒を反応物の総量100重量部に対して
0.01〜1重量部用いることができる。なお、反応温
度は0〜90℃、特に10〜80℃が好ましい。
アクリレートの光硬化性樹脂組成物中の割合割合は、固
形分換算で通常1〜90重量%であることが好ましく、
木材、ポリマーシート、光ファイバー等に塗布する際の
塗工性、硬化させた後の被覆層の柔軟性、長期信頼性を
維持するために30〜80重量%とするのが特に好まし
い。
光硬化性樹脂組成物は、前述した成分以外に光硬化性樹
脂組成物の性質を損なわない範囲で重合性希釈剤および
前記光重合開始剤である化合物IおよびII以外の光重
合開始剤を含有し、また必要に応じてその他の添加剤も
含有することができる。
不飽和基を少なくとも1個有する常温で液体あるいは固
体の化合物であり、一般にはエチレン性不飽和基として
(メタ)アクリロイル基を持つ(メタ)アクリレート化
合物またはビニル基を持つ化合物が好適に用いられる。
(メタ)アクリロイル基またはビニル基を有する化合物
には、これらの基を1個有する単官能性化合物と該基を
複数個有する多官能性化合物があり、いずれの化合物も
用いることができる。比較的弾性率の低い硬化物を所望
する場合には主として単官能化合物が用いられ、多官能
化合物を適当な割合で併用することにより硬化物の弾性
率を調節することもできる。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イ
ソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アク
リレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニ
ル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレー
ト、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メ
タ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラ
ウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)ア
クリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラ
ヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチ
ル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシ
エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アク
リレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)ア
クリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシ
クロデカニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、ジ
アセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−
ビニルカプロラクタム、N,N−ジメチル(メタ)アク
リルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7
−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
エチル(メタ)アクリルアミド、N,N′−ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリ
ロイルモルホリン、ヒドロキシブチルビニルエーテル、
ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−
エチルヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類および下記
の式(4)〜(6)で表わされる化合物が挙げられる。
ル基を示し、R8は炭素数2〜6、好ましくは2〜4の
アルキレン基を示し、R9は水素原子または炭素数1〜
12、好ましくは1〜9のアルキル基を示し、qは0〜
12、好ましくは1〜8の整数である。)
であり、R10は炭素数2〜8、好ましくは2〜5のアル
キレン基を示し、rは1〜8、好ましくは1〜4の整数
である。)
(5)のR7、R10およびrと同意であり、複数のR11
は、各々独立に、水素原子またはメチル基を示す。)
は、アロニックスM111、M113、M114、M1
17(以上、東亜合成(株)製)、KAYARAD TC110
S、R629、R644(以上、日本化薬(株)製)、
ビスコート3700(大阪有機化学工業(株)製)等が
挙げられる。
ばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシ
エチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ
(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール
ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシ
ジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポ
キシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、市販
品としては、ユピマーUV、SA1002、SA200
7(以上、三菱化学(株)製)、ビスコート700(大
阪有機化学工業(株)製)、KAYARAD R−604、DP
CA−20、30、60、120、HX−620、D−
310、330(以上、日本化薬(株)製)、アロニッ
クスM−210、215、315、325(以上、東亜
合成(株)製)等が挙げられる。
たはビニル基を有する化合物の分子量は、通常200〜
3,000程度の範囲である。上記のうち特に好ましい
化合物の具体例としては、市販品としてアロニックスM
111、M113、M114、M117(以上、東亜合
成(株)製)、SA1002(三菱化学(株)製)、D
CPA−20、30、60(以上日本化薬(株)製)が
挙げられる。
ル基を有する化合物を用いることで、硬化物の柔軟性を
広い範囲で制御することができる。また、これらの化合
物を二種以上併用することによって、得られる組成物の
硬化速度を向上させることができる。
物中に5〜80重量%、特に20〜70重量%配合する
のが好ましい。
によって、場合によってはさらに加熱することにより硬
化することができる。なお、ここで光とは、赤外線、可
視光線、紫外線を意味する。光硬化性樹脂組成物を光照
射と共に熱硬化も行なわせる場合、光重合開始剤である
化合物IおよびII以外に重合開始剤として、通常の熱
によって分解してラジカルを発生するラジカル重合開始
剤を併用することができ、例えば過酸化物、アゾ化合物
等を挙げることができ、具体例としては、ベンゾイルパ
ーオキサイド、t−ブチル−オキシベンゾエート、アゾ
ビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
場合、化合物IおよびII以外の光重合開始剤および必
要に応じてさらに光増感剤を併用することができる。
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キ
サントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレ
ン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾー
ル、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェ
ノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−
ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン
プロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジ
ルジメチルケタール、チオキサントン、ジエチルチオキ
サントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロ
ロチオキサントン等が挙げられる。
ン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、
エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−
ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安
息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル
等が挙げられ、市販品としてはユベクリルP102、1
03、104、105(以上、UCB(株)製)等が挙
げられる。これら化合物IおよびII以外の重合開始剤
は、光硬化性樹脂組成物中、0.1〜10重量%配合さ
せるのが好ましい。このような配合割合であることによ
り充分な硬化が達成できる。
添加剤を必要に応じて加えてもよい。このような添加剤
としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、シランカップリング剤、老化防止剤、熱重合禁止
剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可そ剤、
滑剤、溶媒、フィラー、着色剤、漏れ性改良剤、塗面改
良剤等が挙げられる。酸化防止剤の市販品としては、Ir
ganox1010、1035、1076、1222(以
上、チバガイギー(株)製)等が挙げられ、紫外線吸収
剤としては、Tinuvin P、234、320、326、3
27、328、213(以上、チバガイギー(株)
製)、Sumisorb110、130、140、220、25
0、300、320、340、350、400(以上、
住友化学工業(株)製)等が挙げられ、光安定剤の市販
品としては、Tinuvin292、144、622LD(以
上、チバガイギー(株)製)、サノールLS−770、
765、292、2626、1114、744(以上、
三共化成工業(株)製)等が挙げられ、シランカップリ
ング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品
としては、SH6062、SZ6030(以上、東レ・
ダウ コーニング・シリコーン(株)製)、KBE90
3、KBM803(以上、信越シリコーン(株)製)等
が挙げられ、老化防止剤の市販品としては、Antigene
W、S、P、3C、6C、RD−G、FR、AW、GA
−80(以上、住友化学工業(株)製)等が挙げられ
る。
加剤としてエポキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリウレタン、ポリブタジエン、クロロプレン、ポ
リエーテル、ポリエステル、ペンタジエン誘導体、スチ
レン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレ
ン/エチレン/ブテン/スチレンブロック共重合体、ス
チレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、石油
樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フッ素系オリゴマ
ー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴ
マー等のポリマーまたはオリゴマーも配合することもで
きる。
記各成分を常法により混合して調製することができる。
このようにして調製される光硬化性樹脂組成物は液状で
あり、その粘度は、好ましくは100〜20,000cps
/25℃、より好ましくは1,500〜15,000cps
/25℃である。
用いて本発明の多層被覆を製造することができる。
は、ガラスファイバー、塩化ビニルシート、ポリカーボ
ネートシート、ガラス板、ポリエチレンフィルム、木
材、アクリルシート、金属板等を挙げることができる。
なかでも、ガラスファイバー、塩化ビニルシート、ポリ
カーボネートシート、木材等が好ましい。
化合物Iを含む光硬化性樹脂組成物(以下、「組成物
I」とする)の硬化層である第1の被覆層および第1の
被覆層よりも基体表面近くに設けられた化合物IIをを
含む光硬化性樹脂組成物(以下、「組成物II」とす
る)の硬化層からなる第2の被覆層から少なくともな
る。
芯線の場合を例として説明すると、コア部およびそれを
覆うクラッド層上に直接第2の被覆層が存在し、さらに
第2の被覆層上に直接第1の被覆層が存在する。
ず組成物IIを塗布し、引き続き組成物Iを塗布した後
紫外線照射をすることにより、一度の紫外線照射によっ
て組成物IおよびIIが硬化して、第1の被覆層および
第2の被覆層からなる多層被覆が形成される。
緩衝層となり低ヤング率であり、その上の第1の被覆層
は光ファイバー芯線の取扱い性向上のための保護層であ
って高ヤング率である。従って、組成物Iおよび組成物
IIを構成する硬化性成分は上述の物性を満足すべく前
述した成分から適宜に選択される。なお、好ましい第1
の被覆層は約1〜100μmの厚さであり、好ましい第
2の被覆層は約1〜100μmの厚さである。
多層被覆する例を挙げることができる。このとき、ポリ
カーボネート表面と接着性の良い層を第1の被覆層と
し、硬度の高い硬化物を与える被覆層を第2の被覆層と
して硬化させることにより、高硬度で傷が付きにくく、
かつ基材に対して密着性の高い被覆層を得ることができ
る。
前述した光ファイバー芯線の他に、塩化ビニル床材、液
晶パネル用のガラス板、ポリカーボネートシート、プラ
スチックレンズ、家具用木材等が挙げられる。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、以下において部と記述してあるのは重量部を
意味する。
3.0部、数平均分子量4,000のエチレンオキシドと
ブテンオキシドとの開環共重合体50.5部、および添
加剤として重合禁止剤である2,6−ジ−t−ブチル−
p−クレゾール0.01部を仕込んだ。そして、これら
を攪拌しながら液温度が10℃以下になるまで氷冷し、
ジブチル錫ジラウレート0.04部を添加した。次い
で、液温度を20〜30℃で制御しながら2時間攪拌し
た。その後にγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン0.3部を加え、30〜40℃で1時間攪拌した。攪
拌後、ヒドロキシエチルアクリレート1.2部を加え、
液温度50〜60℃にて4時間攪拌を継続させ、残留イ
ソシアネートが0.1重量%以下になった時を反応終了
とした。得られたウレタンアクリレートの樹脂液をUA
−1とする。
5.5部、数平均分子量2,000のテトラヒドロフラン
と3−メチルテトラヒドロフランとの開環共重合体4
2.0部および添加剤として重合禁止剤である2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール0.01部を仕込んだ。
そして、これらを攪拌しながら液温度が10℃以下にな
るまで氷冷し、ジブチル錫ジラウレート0.04部を添
加した。次いで、液温度を20〜30℃で制御しながら
2時間攪拌した。その後、ヒドロキシエチルアクリレー
ト2.2部を加え、液温度50℃〜60℃にて4時間攪
拌を継続させ、残留イソシアネートが0.1重量%以下
になった時を反応終了とした。得られたウレタンアクリ
レートの樹脂液をUA−2とする。
性樹脂組成物の調製 表3に示す組成の各成分を攪拌機を備えた反応容器に仕
込み、液温度を50〜60℃に制御しながら3時間攪拌
し、液状光硬化性樹脂組成物を得た。なお、表3中、M
113とM114は東亜合成(株)製のアロニックスM
113、アロニックスM114を表わし、Lucirin は光
重合開始剤であり、下記式(7)
る。BBTPOはビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキ
シドであり、下記式(8)
る。Darocur1173は光重合開始剤であり、下記式
(9)
Irgacure184およびIrgacure369は光重合開始剤で
あり、Irgacure184は下記式(10)、Irgacure36
9は下記式(10')
ト21.0部、ジブチル錫ジラウレート0.06部、2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.015部およ
びトリシクロデカンジメタノールジラウレート11.9
部を仕込み、15℃以下に冷却した。そして、これらを
攪拌しながら液温度が30℃以下に保たれるように冷却
しつつヒドロキシエチルアクリレート15.25部を滴
下した。滴下終了後、30℃で1時間反応させた。次
に、トリシクロデカンジメタノール2.64部、数平均
分子量2,000のテトラヒドロフランと3−メチルテ
トラヒドロフランとの開環共重合体28.5部を加え、
20〜55℃で攪拌し、残留イソシアネートが0.1重
量%以下になった時を反応終了とした。得られたウレタ
ンアクリレートの樹脂液をUA−3とする。
14部、ジブチル錫ジラウレート0.08部、2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール0.02部、N−ビニル
ピロリドン7.7部およびトリシクロデカンジメタノー
ルジラウレート15.5部を仕込み、5〜10℃に冷却
した。次いで、攪拌しながら温度が10℃以下に保たれ
るようにヒドロキシエチルアクリレート5.8部を滴下
した。滴下終了後、30℃で1時間反応させた。次にエ
チレングリコール1.7部および数平均分子量2,000
のポリテトラメチレングリコール54.7部を加え、3
0〜50℃で2時間反応させた。さらにヒドロキシエチ
ルアクリレートを0.5部加え、50〜60℃で反応を
続け、残留イソソアネートが0.1重量%以下になるま
で反応させた。得られたウレタンアクリレートの樹脂液
をUA−4とする。
10.3部、ジブチル錫ジラウレート0.013部、2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.009部およ
びイソボルニルアクリレート13.7部を加え、5〜1
0℃に冷却した。次いで、ヒドロキシエチルアクリレー
ト13.7部を温度が40℃以下になるように滴下した
後、さらに1時間、45〜55℃で反応させた。残留イ
ソシアネートが0.1重量%以下になった時を反応終了
とした。得られたウレタンアクリレートの樹脂液をUA
−5とする。
性樹脂組成物の調製 表4に示す組成の各成分を攪拌機を備えた反応容器に仕
込み、液温度を50〜60℃に制御しながら3時間攪拌
し、液状光硬化性樹脂組成物を得た。なお、表4中、Ir
gacure184、Irgacure369およびDarocur1173
は表3で示したものと同じである。Irgacure907は下
記式(11)で示される構造を有し、化合物Iである。
ールジアクリレートを表わす。
化性樹脂組成物を以下のような方法で硬化させ、試験片
を作製し、下記の如く評価を行なった。この結果を表5
および表6(比較)に示した。
プリケーターバーを用いてガラス板上に下層用の液状光
硬化性樹脂組成物を塗布した。次いで、上層用の液状光
硬化性樹脂組成物を石英板に75ミクロン厚のアプリケ
ーターバーを用いて塗布した。その後、下層用の組成物
が塗布されたガラス板上に1mm厚のアルミブロックを
スペーサーとして置いて、上層用の組成物が塗布された
石英板を乗せた。これを窒素中に置き、上層側から10
mJ/cm2のエネルギーを有する紫外線で照射し硬化
した。上層用および下層用組成物の硬化物それぞれをガ
ラス板から剥し、上層用組成物の硬化物から35ミクロ
ン厚、下層用組成物の硬化物から75ミクロン厚の試験
片を得た。別途、硬化の際に用いる紫外線として50m
J/cm2のエネルギーを有する紫外線を使用する以外
は上記操作を繰返し、上記と同じ厚さの試験片を得た。
以下、上層用組成物の硬化物からの試験片を「上層試験
片」、下層用組成物の硬化物からの試験片を「下層試験
片」と称する。
スレー抽出器でメチルエチルケトンを用いて12時間以
上抽出した。抽出後の試験片は真空下で60℃に6時間
以上乾燥させた。抽出前後の試験片の重量から下記の式
を用いてゲル含率を算出した。
層用の各々の光硬化性組成物にそれぞれ前記式(1)お
よび(2)で示される光重合開始剤を使用した場合にお
いて、10mJ/cm2で照射した場合のゲル含率と5
0mJ/cm2で照射した場合のゲル含率の比が高く、
下層の硬化性樹脂が良好に硬化することが示された。
製)を用いて、ガラスに接触する第2の被覆層に、表3
中に示す組成物L−7(組成物II)、その外層(第1
の被覆層)の上に表4中に示す組成物U−2(組成物
I)を使用して、180m/minの速度でガラスファ
イバーを作成しながら塗布した。形成された被覆はUV
ランプ(HMW−523、3.5KW、オーク製作所
製)を用いて紫外線を照射して硬化させた。このように
して得られた被覆されたガラスファイバーは、ガラス芯
線の直径が125μm、第1層の厚さが30μm、第2
層の厚さは30μmであった。この被覆をガラス芯線よ
り取り除き、多層被覆層全体のゲル含率を前記の方法で
測定した。結果を表7に示す。比較のため、上記と同じ
条件で第1層に表3中に示す組成物L−7、第2層に表
4中に示す組成物U−2を用いて被覆したファイバーを
作成した。同様にして、多層被覆層全体のゲル含率を測
定した。結果を表7に示す。
塗布された光硬化性樹脂組成物の複数の被覆層が、一度
の光照射により硬化して得られるものであるから、生産
性に優れコストが安い。
好ましい態様および本欄に記載されている他の発明を以
下に付記する。 1. 式(1)で示される光重合開始剤が、前記化合物I
−1〜I−4の少なくともいずれかである多層被覆。 2. 式(2)で示される光重合開始剤が、前記化合物I
I−1〜II−3の少なくともいずれかである多層被
覆。 3. 光硬化性樹脂組成物がウレタン(メタ)アクリレー
トを含む多層被覆。 4. 多層被覆が光ファイバー芯線のクラッド層を基体と
してクラッド層を被覆している多層被覆。 5. 基体上に式(2)で示される光重合開始剤を含む光
硬化性樹脂組成物を塗布して塗布層(2)を形成し、さ
らに塗布層(2)上に式(1)で示される光重合開始剤
を含む光硬化性樹脂組成物を塗布して塗布層(1)を形
成した後、光照射して、塗布層(1)および(2)を同
時に硬化させることを特徴とする基体上に多層被覆を形
成する方法。
Claims (1)
- 【請求項1】 第1の被覆層、第2の被覆層および基体
がこの順序に積層されてなり、(i)第1の被覆層は、
下記式(1) 【化1】 (式(1)中、R1は水素原子、炭素数1〜20の1価
の炭化水素基、炭素数1〜3のアルキルチオ基または4
−モルホリノ基を示し、R2はヒドロキシシクロヘキシ
ル基、1,1−ジアルコキシ−1−フェニルメチル基、
1,1−ジアルキル−1−(4−モルホリノ)メチル
基、ジアルキルヒドロキシメチル基またはジアルキルア
ミノベンジルアルキルメチル基を示す)で示される光重
合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物の硬化層であり、
(ii)第2の被覆層は、下記式(2) 【化2】 (式(2)中、R3はフェニル基、トリアルキルフェニ
ル基、トリアルコキシフェニル基、ジアルキルフェニル
基またはジアルコキシフェニル基を示し、R4はフェニ
ル基または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示し、
R5はR4と同一であるかまたはベンゾイル基、ジアルコ
キシベンゾイル基、ジアルキルベンゾイル基、トリアル
キルベンゾイル基、トリアルコキシベンゾイル基および
アルコキシ基のいずれかを示す)で示される光重合開始
剤を含む光硬化性樹脂組成物の硬化層である、ことを特
徴とする基体上の多層被覆。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12019595A JP3607748B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-05-18 | 多層被覆 |
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
JP925995 | 1995-01-24 | ||
JP7-9259 | 1995-01-24 | ||
JP12019595A JP3607748B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-05-18 | 多層被覆 |
Publications (2)
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---|---|
JPH08262286A true JPH08262286A (ja) | 1996-10-11 |
JP3607748B2 JP3607748B2 (ja) | 2005-01-05 |
Family
ID=26343944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP12019595A Expired - Lifetime JP3607748B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-05-18 | 多層被覆 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3607748B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002138127A (ja) * | 2000-11-02 | 2002-05-14 | Jsr Corp | シリコーン化合物、液状硬化性樹脂組成物およびその硬化物 |
JP2003103717A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | Jsr Corp | 多層被覆 |
JP2013501125A (ja) * | 2009-10-09 | 2013-01-10 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | D1452gb光ファイバ用放射線硬化性被覆材 |
-
1995
- 1995-05-18 JP JP12019595A patent/JP3607748B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003103717A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | Jsr Corp | 多層被覆 |
JP2013501125A (ja) * | 2009-10-09 | 2013-01-10 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | D1452gb光ファイバ用放射線硬化性被覆材 |
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