JP2003103717A - 多層被覆 - Google Patents

多層被覆

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JP2003103717A
JP2003103717A JP2001302158A JP2001302158A JP2003103717A JP 2003103717 A JP2003103717 A JP 2003103717A JP 2001302158 A JP2001302158 A JP 2001302158A JP 2001302158 A JP2001302158 A JP 2001302158A JP 2003103717 A JP2003103717 A JP 2003103717A
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meth
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JP2001302158A
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Zen Komiya
全 小宮
Masahito Mase
雅仁 間瀬
Junji Yoshizawa
純司 吉澤
Takashi Ukaji
孝志 宇加地
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光に曝されたとき黄変が少ない多層被覆を提
供する。 【解決手段】 基材上に複数の光硬化性樹脂硬化膜が積
層されてなる多層被覆において、少なくとも隣接する2
つの層には、同一のヒンダードフェノール系酸化防止剤
を含有させた多層被覆とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材上に光硬化性
樹脂組成物を塗布して得られる被覆上に、さらに一回以
上光硬化性樹脂組成物を塗布して得られる多層被覆に関
し、詳しくはヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有
させた光硬化性樹脂組成物の硬化層からなる多層被覆に
関する。
【0002】
【従来の技術】耐汚染性、耐傷性、電気的絶縁性、補
強、耐候性、耐熱・耐寒性、防錆性、耐水・耐油性、帯
電防止、着色、あるいは、光反射防止など種々の特性を
付与することを目的とする樹脂材料による被覆は、今日
様々な工業製品において多用されている技術である。こ
のような目的に用いられる被覆材料は、2層以上の多層
構造をとる場合がある。例えば、基材上に柔らかい層を
被覆し、その上に比較的弾性率の高い硬い層を被覆す
る。このような構造は、外力に対して外層は殻の役割を
果たし、内層は柔らかく保持する役割を果たす。光の反
射状態制御についても、屈折率の異なる層を多層被覆し
て反射率を制御することが一般的である。
【0003】基材上へ被覆を形成する方法としては、塗
料を塗布する方法が一般的であるが、塗布層の乾燥、硬
化に時間がかかる問題がある。光硬化性樹脂組成物から
なる塗料は、組成物の光開始剤その他の条件を選ぶこと
により、極めて短時間、かつ、連続的に塗布層を形成で
きるので、高速で被覆を形成する上で優れた特性を有し
ている。また、被覆層は、被覆された製品の使用期間以
上の長期にわたり、特性変化の少ないことが必要とされ
ている。
【0004】多層被覆された工業製品は、工場で製造さ
れた後、メーカーやユーザーの倉庫などで保管される際
に、あるいは、製品が使用される際に、長期間蛍光灯の
照明下に置かれることが多い。ところが、多層被覆され
た工業製品は、このような条件下で被覆が黄色に変化し
てしまうという問題があった。黄色に変化する原因は、
被覆の熱的安定性を確保するために添加されている酸化
防止剤が、着色物質に変化することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、基材
上に光硬化性樹脂組成物を塗布して得られる被覆上に、
さらに一回以上光硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化して
得られる複数の光硬化性樹脂硬化層からなる多層被覆で
あって、蛍光灯の照明下に長期間置かれても黄色に変化
することが少ない多層被覆を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材上に複数
の光硬化性樹脂硬化膜が積層されてなる多層被覆におい
て、少なくとも隣接する2つの層には、同一のヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする
多層被覆を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の多層被覆を形成するため
の光硬化性樹脂組成物は、特に限定されないが、好まし
くは、ウレタン(メタ)アクリレート、単官能性の不飽
和重合性化合物、多官能性の不飽和重合性化合物、光開
始剤及び酸化防止剤を主要成分として含有する組成物で
ある。本発明で使用する光硬化性樹脂組成物の種類は、
層の数あるが、少なくとも隣接する2つの層を形成する
ための光硬化性樹脂組成物は、同一のヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤を含有するものである。隣接する層の
酸化防止剤が異なる場合には、例えヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤どうしであっても、著しく黄変すること
がある。本発明に使用されるヒンダードフェノール系酸
化防止剤は、フェノール基中のヒドロキシ基が結合した
炭素原子の両側の炭素原子に、アルキル基が結合した構
造を有するヒンダードフェノール基を1以上、好ましく
は6個以下有する化合物である。アルキル基は、通常炭
素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4であって、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基などが挙
げられる。ヒンダードを構成する2つのアルキル基は、
同一でも異なっていてもよいが、好ましくはメチル基、
tert−ブチル基から選ばれ、さらに好ましくは、メ
チル基とtert−ブチル基を一つずつ有するものであ
る。
【0008】ヒンダードフェノール系酸化防止剤として
は、例えば、2,2−チオ−ジエチレンビス−[3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート](IRGANOX 1035)、ベンゼン
プロパン酸−3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)
−4−ヒドロキシ、C7−C9側鎖アルキルエステル
(IRGANOX 1135)、ジエチル[[3,5−ビス(1,1
−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチ
ル]ホスフォネート(IRGANOX 1222)、ヘキサ−te
rt−ブチル−(メシチレン−2,4,6−トリイル)
トリ−p−クレゾール(IRGANOX 1330)、エチレンビ
ス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]
(IRGANOX 245)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−
tert-ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,
3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)
−トリオン(IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−
{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニロキシ}−1,1−ジメチ
ルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン(Sumilizer GA-80)、トリエチ
レングリコール−ビス{3−(3−tert−ブチル−
5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト}、オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(IRGANO
X 1076、Sumilizer BP-76)、ペンタエリスリチルテト
ラキス[3−(5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート](IRGANOX 1010、Sum
ilizer BP-101)等が挙げられる。(上記において、IRG
ANOXは、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)の登
録商標、Sumilizerは、住友化学工業(株)の登録商標で
ある。)
【0009】本発明で用いるヒンダードフェノール系酸
化防止剤は、2価の有機基の両端に、ヒンダードフェノ
ール基をそれぞれ1つ結合した、下記の式(1)で表さ
れる化合物であることが好ましい。
【0010】
【化2】
【0011】(式中Rは、炭素数1〜6のアルキル基を
表し、Qは、炭素数2以上の炭化水素鎖、並びに、エス
テル構造を含む、炭素原子、水素原子および酸素原子か
らなる2価の有機基を表す。)
【0012】上記の化合物の好ましい例として、3,9
−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ}−
1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリ
コール−ビス{3−(3−tert−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,
2−チオ−ジエチレンビス{3−(3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト}が挙げられるが、中でも特に好ましい化合物は、
3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキ
シ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンである。
【0013】ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、熱
的安定性および蛍光灯下での色安定性の点から、本発明
の多層被覆を形成するための光硬化性樹脂組成物中に、
好ましくは0.01〜3重量%(以下、単に%で示
す)、さらに好ましくは0.03〜1%、特に好ましく
は0.05〜0.5%配合する。
【0014】本発明の多層被覆を形成するための光硬化
性樹脂組成物の調製において、好ましく使用されるウレ
タン(メタ)アクリレートは、光硬化性樹脂組成物に高
速硬化性を付与し、また、その硬化物に耐久性、高い靱
性、コントロールされた柔軟性を付与できるなどの利点
があり好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートは、ポ
リオール、ジイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)
アクリレートとを反応させることにより製造される。す
なわち、ジイソシアネートのイソシアネート基を、ポリ
オールの水酸基および水酸基含有(メタ)アクリレート
の水酸基と、それぞれ反応させることにより製造され
る。
【0015】この反応としては、例えば、ポリオール、
ジイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレー
トを、一括に仕込んで反応させる方法;ポリオールおよ
びジイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メ
タ)アクリレートを反応させる方法;ジイソシアネート
および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次
いでポリオールを反応させ、最後に水酸基含有(メタ)
アクリレートを反応させる方法などが挙げられる。
【0016】ここで用いるポリオールとしては、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコー
ル、ポリへプタメチレングリコール、ポリデカメチレン
グリコールのような一種のイオン重合性環状化合物を開
環重合させて得られるポリエーテルジオール、または二
種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得
られるポリエーテルジオールが挙げられる。
【0017】上記ポリエーテルジオールを合成するため
の原料としてのイオン重合性環状化合物としては、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキ
シド、イソブテンオキシド、オキセタン、3,3−ジメ
チルオキセタン、3,3−ビスクロロメチルオキセタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリ
オキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、
スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメ
タクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリ
シジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプ
レンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒ
ドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニル
グリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息
香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられ
る。
【0018】また、上記イオン重合性環状化合物と、エ
チレンイミン等の環状イミン類、β−プロピオラクト
ン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸、あるい
はジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させ
たポリエーテルジオールを使用することもできる。上記
二種以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わ
せとしては、テトラヒドロフランとプロピレンオキシ
ド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラ
ン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラ
ン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレ
ンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシド
とエチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブテン−1
−オキシド、エチレンオキシドの3元重合体等を挙げる
ことができる。これらのイオン重合性環状化合物の開環
共重合体はランダムに結合していてもよいし、ブロック
状の結合をしていてもよい。
【0019】これらのポリエーテルジオールは、例え
ば、PTMG650、PTMG1000、PTMG20
00(以上、三菱化学(株)製)、エクセノール 10
20、2020、3020、プレミノール PML−4
002、PML−5005(以上、旭硝子(株)製)、
ユニセーフ DC1100、DC1800、DCB10
00(以上、日本油脂(株)製)、PPTG1000、
PPTG2000、PPTG4000、PTG400、
PTG650、PTG1000、PTG2000、PT
G−L1000、PTG−L2000(以上、保土谷化
学工業(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−
5、PBG2000(以上、第一工業製薬(株)製)、
Acclaim 2200、2220、3201、32
05、4200、4220、8200、12200(以
上、ライオンデール社製)等の市販品として入手するこ
とができる。
【0020】ポリオールとしては、上記のポリエーテル
ジオールが好ましいが、この他にポリエステルジオー
ル、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジ
オール等も用いることができ、これらのジオールをポリ
エーテルジオールと併用することもできる。これらの構
造単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブ
ロック重合、グラフト重合のいずれであってもよい。
【0021】ここで用いるポリエステルジオールとして
は、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジ
オール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の多
価アルコールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸
等の多塩基酸とを反応して得られるポリエステルポリオ
ール等を挙げることができる。市販品としてはクラポー
ル P−1010、P−2010、F−1010、F−
2010、PMIPA−2000、PKA−A、PKA
−A2、PNA−2000(以上、(株)クラレ製)等
が入手できる。
【0022】また、ポリカーボネートジオールとして
は、例えばポリテトラヒドロフランのポリカーボネー
ト、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネート等が
挙げられる。市販品としては、 ニッポラン980、9
81、982、983(以上、日本ポリウレタン工業
(株)製)、Duracarb 120、122、12
4、140、142(PPG社製)、プラクセル CD
205、208、210、220、205PL、20
8PL、210PL、220PL、205HL、208
HL、210HL、220HL(以上、ダイセル化学工
業(株)製)等が挙げられる。
【0023】さらに、ポリカプロラクトンジオールとし
ては、ε−カプロラクトンと、例えばエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチ
レングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−ブタンジオール等の2価のジオールとを反
応させて得られるポリカプロラクトンジオールが挙げら
れる。これらのジオールは、プラクセル 205、L2
05AL、212、L212AL、220、L220A
L(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が市販品とし
て入手することができる。
【0024】上記以外のジオールも数多く使用すること
ができる。このようなジオールとしては、例えばエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、β−メチル−δ−バレロラクト
ン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水
添ポリブタジエン、ヒマシ油変性ポリオール、ポリジメ
チルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシ
ロキサンカルビトール変性ポリオール等が挙げられる。
【0025】また上記したようなジオールを併用する以
外にも、ポリオキシアルキレン構造を有するジオールと
ともにジアミンを併用することも可能であり、このよう
なジアミンとしてはエチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、パラフェニレンジ
アミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のジア
ミンやヘテロ原子を含むジアミン、ポリエーテルジアミ
ン等が挙げられる。
【0026】また、環構造を有するポリオールとして、
以下に列挙する化合物を用いることができる。例えばビ
スフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオール、
ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加ジオー
ル、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水
添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオー
ル、水添ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加
ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加
ジオール、ナフトハイドロキノンのアルキレンオキサイ
ド付加ジオール、アントラハイドロキノンのアルキレン
オキサイド付加ジオール、1,4−シクロヘキサンジオ
ールおよびそのアルキレンオキサイド付加ジオール、ト
リシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノー
ル、ペンタシクロペンタデカンジオール、ペンタシクロ
ペンタデカンジメタノール等が挙げられ、これらの中
で、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオ
ール、トリシクロデカンジメタノールが好ましい。これ
らのポリオールは、例えばユニオール DA400、D
A700、DA1000、DB400(以上、日本油脂
(株)製)、トリシクロデカンジメタノール(三菱化学
(株)製)等の市販品として入手することもできる。こ
れらのジオールの好ましい分子量は、数平均分子量で通
常60〜15,000であり、特に100〜8,000
である。
【0027】本発明の多層被覆を形成するための光硬化
性樹脂組成物の原料の一であるウレタン(メタ)アクリ
レートの製造用のジイソシアネートとしては、例えば
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネー
ト、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナ
フタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシア
ネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−
ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,
4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メ
チレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6
−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、
4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイ
ソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキ
シリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネ
ートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,
6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.
2.1]ヘプタン等が挙げられ、特に、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロ
ヘキシルイソシアネート)等が好ましい。
【0028】又、ウレタン(メタ)アクリレートの製造
用の水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3
−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,
4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリロイルホスフェート、
4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレート、下記式(2)また
は式(3)
【0029】 CH2=C(R1)-COOCH2CH2-(OCOCH2CH2CH2CH2CH2)n-OH (2) CH2=C(R1)-COOCH2CH(OH)CH2-O-C6H5 (3)
【0030】(式中、R1 は水素原子またはメチル基を
示し、nは1〜15の数を示す)で表される(メタ)アク
リレート等が挙げられる。また、アルキルグリシジルエ
ーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メ
タ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メ
タ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も使
用することができる。これら水酸基含有(メタ)アクリ
レートのうち、特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート等が好ましい。
【0031】ポリオール、ジイソシアネートおよび水酸
基含有(メタ)アクリレートの使用割合は、ポリオール
に含まれる水酸基1当量に対してジイソシアネートに含
まれるイソシアネート基が 1.1〜3当量、水酸基含
有(メタ)アクリレートの水酸基が0.2〜1.5当量
となるようにするが、ポリオールおよびアクリレート中
の水酸基の当量とジイソシアネート中のイソシアネート
基の当量はほぼ等しくするのが好ましい。
【0032】水酸基含有(メタ)アクリレートの一部を
イソシアネート基に付加しうる官能基を持った化合物で
置き換えて用いることもできる。例えば、γ−メルカプ
トトリメトキシシラン、γ−アミノトリメトキシシラン
などを挙げることができる。これらの化合物を使用する
ことにより、ガラス等の基材への密着性を高めることが
できる。
【0033】ウレタン(メタ)アクリレートの合成は、
上記のポリオール、ジイソシアネート、水酸基含有(メ
タ)アクリレートおよびその他の任意成分を反応させる
ことにより行われる。この反応では、ジイソシアネート
のイソシアネート基とジオールの水酸基および水酸基含
有(メタ)アクリレートの水酸基とがそれぞれ反応する
ウレタン化反応が主に進行する。
【0034】これらの化合物の反応においては、通常ナ
フテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ラ
ウリル酸ジ−n−ブチルスズ、トリエチルアミン、1,
4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,6,
7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ〔2.2.
2〕オクタン等のウレタン化触媒を、反応物の総量10
0重量部に対して0.01〜1重量部用いるのが好まし
い。また、反応温度は、通常10〜90℃、特に30〜
80℃で行うのが好ましい。
【0035】このようにして得られるウレタン(メタ)
アクリレートは、光硬化性樹脂組成物中に10〜90重
量%配合されるのが好ましく、光ファイバに被覆する際
の塗工性、硬化させた後の被覆材料の柔軟性および長期
信頼性を維持するためには、20〜70%配合するのが
特に好ましい。
【0036】また、本発明の多層被覆を構成する光硬化
性樹脂組成物には、さらに、ジイソシアネート1モルに
対して水酸基含有(メタ)アクリレート化合物2モルを
反応させたウレタン(メタ)アクリレートを配合するこ
ともできる。かかるウレタン(メタ)アクリレートとし
ては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと
2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネー
トメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの反応
物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,4−
トリレンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートの
反応物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートと
2,4−トリレンジイソシアネートの反応物、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシ
アネートの反応物等が挙げられる。
【0037】本発明の多層被覆を形成するための光硬化
性樹脂組成物の調製において、好ましく使用される単官
能性不飽和重合性化合物としては、例えばN−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有
ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニ
ル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)
アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4
−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリ
ロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジ
ン等が挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペン
チル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリ
レート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イ
ソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、
デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アク
リレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル
(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール
(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)
アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イ
ソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)
アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリ
レート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニル
エーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシル
ビニルエーテル、および下記式(4)
【0038】 CH2=C(R1)-COO(R2O)n-C6H4-R3 (4) (式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2
炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示
し、R3 は水素原子または炭素数1〜12、好ましくは
1〜9のアルキル基を示す。)で表される化合物等が挙
げられる。
【0039】市販品としては、アロニックス M−10
1、M−102、M−111、M−113、M−11
4、M−117(以上、東亜合成(株)製);ビスコー
ト LA、STA、IBXA、2−MTA、#192、
#193(大阪有機化学工業(株)製);NK エステ
ル AMP−10G、AMP−20G、AMP−60G
(以上、新中村化学工業(株)製);ライトアクリレー
ト L−A、S−A、IB−XA、PO−A、PO−2
00A、NP−4EA、NP−8EA(以上、共栄社化
学(株)製);FA−511、FA−512A、FA−
513A(以上、日立化成工業(株)製)等が挙げられ
る。
【0040】本発明の多層被覆を形成するための光硬化
性樹脂組成物の調製において、好ましく使用される多官
能性不飽和重合性化合物としては、例えばトリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)
アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシア
ヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒド
ロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレー
ト、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレ
ート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプ
ロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)ア
クリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジ
ルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキ
シ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビ
ニルエーテル等が挙げられる。
【0041】市販品としては、例えばユピマーUV S
A1002、SA2007(以上、三菱化学(株)
製);ビスコート #195、#215、#230、#
260、#700(大阪有機化学工業(株)製);カヤ
ラッド HDDA(以上、日本化薬(株)製);アロニ
ックス M−210、M−215、M−315(以上、
東亜合成(株)製)等が挙げられる。これらのうち、特
にトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(ユピ
マーUV SA1002)およびビスコート #23
0、#700が好ましい。
【0042】これらの不飽和重合性化合物は、全組成中
に15〜80%、特に20〜70%配合するのが好まし
い。15%未満では組成物の粘度が高くなりすぎて塗工
性が悪くなるばかりでなく、硬化物の靭性が低下し、硬
化収縮率が高くなり、また、80%を超えると硬化速度
が遅くなるので好ましくない。
【0043】本発明の多層被覆を形成するための光硬化
性樹脂組成物の調製において、好ましく使用される光開
始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセ
トフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデ
ヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミ
ン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−ク
ロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェ
ノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケ
トン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチル
エーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソ
プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
パン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチル
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2
−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メ
チルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1
−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベン
ゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィン
オキシド等が挙げられる。これらのうち、ホスフィンオ
キシド系化合物が好ましい。特に、多層被覆した基材の
表面に接して形成される被覆層の光硬化性樹脂に用いら
れる光開始剤が、ホスフィンオキシド系化合物であるこ
とが好ましい。基材がガラス、特にガラスファイバの場
合、その多層被覆は、高い硬化性を確保しながら黄変性
がより低くなり、特に好ましい。
【0044】市販品としては、イルガキュア 184、
261、369、500、651、819、907、1
700、1850、2959、CGI−403、ダロキ
ュア1173、(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)製);ルシリンTPO (BASF社製)等
が挙げられる。これらの中で、イルガキュア 184、
369、651、907、1700、1800、185
0、ルシリン TPOが好ましい。特に、イルガキュア
1700、1800、1850、およびルシリン TP
Oが好ましい。
【0045】光開始剤は、光硬化性樹脂組成物中に0.
01〜10%、特に0.01〜4%配合するのが好まし
い。本発明の多層被覆に用いる光硬化性樹脂組成物に
は、前記の成分以外に、必要に応じて本発明の多層被膜
の特性を損なわない範囲で硬化性の他のオリゴマー、ポ
リマー、反応性希釈剤、その他の添加剤等を配合するこ
とができる。
【0046】硬化性の他のオリゴマー、ポリマーとして
は、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、エポキ
シ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサ
ンポリマー、グリシジルメタアクリレートとそのほかの
ビニルモノマーとの共重合体とアクリル酸を反応させて
得られる反応性ポリマー等が挙げられる。
【0047】また、上記成分以外に各種添加剤、例えば
着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング
剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安
定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、濡れ性改良剤、
塗面改良剤等を必要に応じて配合することができる。
【0048】ここで、紫外線吸収剤としては、例えば
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
n−ドデシロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン
系、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が挙げられ、市販
品としては、例えばTinuvin P、234、32
0、326、327、328、329、213(以上、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、シーソ
ーブ 101、102、103、712、704(以
上、シプロ化成(株)製)、スミソーブ 110、13
0、140(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、シランカップリング剤としては、例えばγ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、市販品として、SH606
2、6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコー
ン(株)製)、KBM 403、503、803、90
3、5103(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げ
られる。
【0049】また本発明の多層被覆を形成するための光
硬化性樹脂組成物の調製において、その他の添加剤とし
てエポキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリ
ウレタン、ポリブタジエン、クロロプレン、ポリエーテ
ル、ポリエステル、ペンタジエン誘導体、スチレン/ブ
タジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/エチ
レン/ブテン/スチレンブロック共重合体、スチレン/
イソプレン/スチレンブロック共重合体、石油樹脂、キ
シレン樹脂、ケトン樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコ
ーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等のポ
リマーまたはオリゴマーも配合することもできる。
【0050】本発明の多層被覆を形成するための光硬化
性樹脂組成物は、前記各成分を常法により混合して調製
することができる。このようにして調製される光硬化性
樹脂組成物は液状であり、その粘度は、通常200〜2
0,000mPa・s/25℃であり、2,000〜1
5,000mPa・s/25℃が好ましい。本発明の光
硬化性樹脂組成物の硬化後のヤング率は0.5〜2,5
00MPaの範囲に調整することが好ましい。
【0051】なお、本発明の多層被覆に用いる光硬化性
樹脂組成物は、光によって硬化されるが、ここで光と
は、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、
β線、γ線等を意味するが、好ましくは紫外線である。
【0052】本発明の多層被覆は、基材表面近くに設け
られた第一の被覆層および第一の被覆よりも基材表面遠
くに設けられた第二の被覆層から少なくともなる。被覆
層の数は、2以上好ましくは5以下であり、特に好まし
くは2〜3である。本発明の多層被覆は、液晶パネル用
の基板、プラスチックレンズ、光ファイバ、ポリカーボ
ネートシート、塩化ビニル床材、家具用木材等の工業製
品の被覆に用いられる。
【0053】本発明の多層被覆は、ガラスファイバに被
覆してなる光ファイバの製造用として特に好ましく利用
できる。光ファイバ母材から溶融されて紡糸されたガラ
スファイバに、まず第一の光硬化性樹脂組成物を塗布
し、紫外線を照射して硬化し、この硬化物面上に引き続
き第二の光硬化性樹脂組成物を塗布し、紫外線を照射す
ることにより、光ファイバ用多層被覆が形成される。ま
た、基材上にまず第一の光硬化性樹脂組成物を塗布し、
引き続き第二の光硬化性樹脂組成物を塗布した後、紫外
線を照射することにより、第一の被覆層と第二の被覆層
とを同時に硬化することも出来る。更に又、第二の被覆
層の表面(最外層)に、光ファイバの識別を目的に、着
色された被覆が形成されることがある。前記の第一の光
硬化性樹脂組成物は、光開始剤としてホスフィンオキシ
ド系化合物を用いたものであることが、その被覆に高い
硬化性を確保でき特に好ましい。
【0054】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0055】1.多層被覆の第一層を構成する光硬化性
樹脂組成物 1.1 ウレタンアクリレートの合成例 1.1.1 合成例1;ウレタンアクリレート(UA−
1) 撹拌機を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネー
ト117.12g、2,6−ジ−tert−ブチル−p
−クレゾール0.24g、フェノチアジン0.08g、
ジブチル錫ジラウレート0.40gを仕込み、反応温度
30℃以下になるように調節しながら、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート37.08gを滴下した。滴下後3
0℃で40分間反応させた。その後、45℃まで昇温さ
せ、さらに1時間反応を継続した。ここに数平均分子量
が2,300のエチレンオキサイドとブチレンオキサイ
ドの開環共重合体ジオール(重量比は25/75)84
4.68gとジブチル錫ジラウレート0.40gを加え
て50℃で1時間反応させた。その後、70℃まで昇温
させ、さらに反応を継続した。残留イソシアネート基濃
度が0.05重量%以下になった時を反応終了とし、ウ
レタンアクリレートを得た(これをUA−1とする)。
【0056】1.1.2 合成例2;ウレタンアクリレ
ート(UA−2) 撹拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が4,000
のポリプロピレングリコール(バイエル社製 Accl
aim 4,200)898.07g、イソホロンジイ
ソシアネート74.76g、2,6−ジ−tert−ブ
チル−p−クレゾール0.24g、フェノチアジン0.
08gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が15℃
となるまで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.80
gを添加した後、攪拌しながら液温度を1時間かけて3
5℃まで徐々に上げた。その後、液温度を50℃に上げ
て反応させた。残留イソシアネート基濃度が0.97重
量%(仕込量に対する割合)以下となった後、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート26.04gを添加し、液温
度約60℃にて撹拌し、反応させた。残留イソシアネー
ト基濃度が0.1重量%以下になった時を反応終了と
し、ウレタンアクリレートを得た(これをUA−2とす
る)。
【0057】1.2 光硬化性樹脂組成物の調製 1.2.1 組成物例1;(p−1) 撹拌機を備えた反応容器に、前記合成例1で得られたウ
レタンアクリレート(UA−1)65重量部、ノニルフ
ェノールEO変性アクリレート(東亞合成(株)製、ア
ロニックス M−113) 26重量部、N−ビニルカ
プロラクタム(ISPジャパン(株)製) 8重量部、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化
学工業(株)製 ビスコート #230) 1重量部、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシド(BASF社製 ルシリン TPO) 1.
2重量部を混合し、50℃で均一な溶液になるまで攪拌
した後に、ジエチルアミン 0.1重量部およびγ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコー
ニングシリコーン(株)製 SH6062) 1.0重
量部を添加した。その後、ヒンダードフェノール系酸化
防止剤;3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
ニロキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,
10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(住友
化学工業(株)製 SumilizerGA−80) 0.3重
量部を添加し、光硬化性樹脂組成物(p−1)を調製し
た。
【0058】1.2.2 組成物例2;(p−2) 撹拌機を備えた反応容器に、前記合成例1で得られたウ
レタンアクリレートオリゴマー(UA−2)63重量
部、ノニルフェノールEO変性アクリレート(東亞合成
(株)製、アロニックス M−113) 12重量部、
N−ビニルカプロラクタム(ISPジャパン(株)製)
8重量部、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学
工業(株) IBXA) 15重量部、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート(大阪有機化学(株)製 ビ
スコート #230) 2重量部、2,4,6−トリメ
チルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BAS
F社製 ルシリン TPO) 1.2重量部、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(シプロ化成
(株)製 シーソーブ 101) 0.15重量部を混
合し、50℃で均一な溶液になるまで攪拌した後に、ジ
エチルアミン 0.1重量部およびγ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン 1.0重量部を添加した。そ
の後、ヒンダードフェノール系酸化防止剤;3,9−ビ
ス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ}−1,1
−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン(住友化学工業(株)製Su
milizer GA−80) 0.3重量部を添加し、光硬
化性樹脂組成物(p−2)を調製した。
【0059】1.2.3 組成物例3;(p−3) 前記の組成物例1(p−2)の調製に使用した2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシ
ドの代わりに、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミ
カルズ(株)製ダロキュア1173)を使用した以外は
組成物例1と同様に調製して、光硬化性樹脂組成物(p
−3)を調製した。
【0060】1.2.4 組成物例4;(p−a) 前記の組成物例1(p−1)の調製に使用したヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤の代りに2,2−チオ−ジエ
チレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGANOX 1035)を使
用した以外は組成物例1と同様に調製して、光硬化性樹
脂組成物(p−a)を調製した。
【0061】1.2.5 組成物例5;(p−b) 前記の組成物例2(p−2)の調製に使用したヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤の代りに2,2−チオ−ジエ
チレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGANOX 1035)を使
用した以外は組成物例2と同様に調製して、光硬化性樹
脂組成物(p−b)を調製した。
【0062】1.2.6 組成物例6;(p−c) 前記の組成物例3(p−3)の調製に使用したヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤の代りに2,2−チオ−ジエ
チレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGANOX 1035)を使
用した以外は組成物例3と同様に調製して、光硬化性樹
脂組成物(p−c)を調製した。組成物例1〜6を表1
にまとめて示す。
【0063】
【表1】
【0064】表の説明;EO変性アクリレート(M-11
3);ノニルフェノールEO変性アクリレート(東亜合
成(株)製 アロニックスM-113) ホスフィンオキシド(ルシリンTPO);2,4,6-トリメ
チルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社
製 ルシリンTPO)
【0065】2. 多層被覆の第二層を構成する光硬化
性樹脂組成物 2.1 ウレタンアクリレートの合成 2.1.1 合成例3;ウレタンアクリレート(UA−
3) 撹拌機を備えた反応容器にトリレンジイソシアネート1
4.5重量%、トリシクロデカンジメタノールジアクリ
レート(三菱化学(株)製 SA1002)11.3重
量%、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.04重量%、
2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.02
重量%を仕込み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながら
温度が10℃以下に保たれるように2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート12.7重量%を滴下した。滴下終了
後、30℃で1時間反応させた。次に、ビスフェノール
Aのエチレンオキシド1モル付加ジオール(日本油脂
(株)製、DA400)7.0重量%と数平均分子量
2,000のポリテトラメチレングリコール22.5重量
%を加え、50〜70℃で2時間反応を続け、残留イソ
シアネートが0.1重量%以下になった時を反応終了と
した。得られたウレタンアクリレートを(UA−3)と
する。
【0066】2.1.2 合成例4;ウレタンアクリレ
ート(UA−4) 撹拌機を備えた反応容器にトリレンジイソシアネート1
8.4重量%、イソボルニルアクリレート(大阪有機化
学工業(株)製 IBOA)10.9重量%、ジラウリ
ル酸ジ−n−ブチル錫0.05重量%、2,6−ジ−te
rt−ブチル−p−クレゾール0.02重量%を仕込
み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながら温度が10℃
以下に保たれるように2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト17.4重量%を滴下した。滴下終了後、30℃で1
時間反応させた。次に数平均分子量1,000のポリプ
ロピレングリコール30.6重量%を加え、50〜70
℃で2時間反応を続け、残留イソシアネートが0.1重
量%以下になった時を反応終了とした。得られたウレタ
ンアクリレートを(UA―4)とする。
【0067】2.2 光硬化性樹脂組成物の調製 2.2.1 組成物例7;(s−1) (UA−3)を67重量%、トリシクロデカンジメタノ
ールジアクリレート(三菱化学(株)製 SA100
2)4.9重量%、N−ビニルピロリドン(ISPジャ
パン製)8.9重量%、イソボルニルアクリレート(大
阪有機化学工業(株)製、IBOA)7.7重量%、ビ
スフェノールAのエチレンオキシド1モル付加ジオール
のジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、Vis
coat700)7.0重量%、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF
社製 ルシリン TPO) 1.5重量%、酸化防止
剤;3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロ
キシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(住友化学
工業(株)製SumilizerGA−80)3.0重量%を添
加して均一溶液になるまで撹拌を継続し、光硬化性樹脂
組成物(s−1)を調製した。
【0068】2.2.2 組成物例8;(s−2) (UA−4)を76重量%、70℃で撹拌しながら、N
−ビニルピロリドン(ISPジャパン製)4.8重量
%、トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有
機化学工業(株)製、Viscoat295)14.7
重量%、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキシド(BASF社製 ルシリン TP
O) 1.5重量%、酸化防止剤;3,9−ビス[2−
{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニロキシ}−1,1−ジメチ
ルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン(住友化学工業(株)製 Sumili
zer GA−80)3.0重量%を添加して均一溶液に
なるまで撹拌を継続し、光硬化性樹脂組成物(s−2)
を調製した。
【0069】2.2.3 組成物例9;(s−a) 前記の組成物例7(s−1)の調製に使用したヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤の代りに2,2−チオ−ジエ
チレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGANOX 1035)を使
用した以外は組成物例5と同様に調製して、光硬化性樹
脂組成物(s−a)を調製した。
【0070】2.2.4 組成物例10;(s−b) 前記の組成物例8(s−2)の調製に使用したヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤の代りに2,2−チオ−ジエ
チレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGANOX 1035)を使
用した以外は組成物例6と同様に調製して、光硬化性樹
脂組成物(s−b)を調製した。
【0071】2.2.5 組成物例11;(s−c) 前記の組成物例7(s−1)の調製に使用した光開始剤
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシド(BASF製 ルシリンTPO)1.5重量
部の代りに、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカ
ルズ(株)製ダロキュア1173)1.5重量部を使用
した以外は組成物例7と同様に調製して、光硬化性樹脂
組成物(s-c)を調製した。組成物例7〜10を表2
にまとめて示す。
【0072】
【表2】
【0073】ジアクリレート(Viscoat700);ビスフェ
ノールAのエチレンオキシド1モル付加ジオールのジア
クリレート トリアクリレート(Viscoat295);トリメチロールプロ
パントリアクリレート ホスフィンオキシド(ルシリンTPO);2,4,6-トリメ
チルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社
製 ルシリンTPO) ダロキュア1173;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケ
ミカルズ(株)製)
【0074】実施例1 第一層用の光硬化性樹脂組成物(p−1)を、254μ
m厚のアプリケーターを用いてスライドガラス上に塗布
し、3.5kWメタルハライドランプ(オーク社製SM
X−3500/F−OS)を用いて窒素雰囲気下で0.
1J/cm2 の紫外線を照射し、厚さ約130μmの硬
化フィルムを得た。硬化フィルムの上にさらに、第二層
用の光硬化性樹脂組成物(s−1)を、254μm厚の
アプリケーターを用いて塗布し、3.5kWメタルハラ
イドランプ(オーク社製SMX−3500/F−OS)
を用いて窒素雰囲気下で0.1J/cm2 の紫外線を照
射し、厚さ約130μmの硬化フィルムを得た。第一層
と第二層を合わせて厚さ約260μmの2層被覆を得
た。
【0075】実施例2〜10、比較例1〜9 第一層用の光硬化性樹脂組成物と第二層用の光硬化性樹
脂組成物との組合せを表3に記載のとおりとし、その他
の条件は実施例1と同様にして、厚さ約260μmの2
層被覆を得た。
【0076】蛍光灯照射による黄変性の評価方法と評価
結果:スライドガラス上の2層被覆を、温度23℃、湿
度50%の環境下において、蛍光灯光を照射した。この
とき蛍光灯管は東芝製FL20SSN/18を使用し、
硬化膜上での照度は1200 lxであった。蛍光灯光
の照射前および一定時間照射後の硬化被覆の黄変度を、
色差計(日本電色工業(株)製SZ−Σ80分光色差
計)を用いて、YI(イエローネスインデックス)で評
価した。YI値が小さいほど黄色度が低く、黄変性が小
さいことを示す。
【0077】表3に実施例、表4に比較例の評価結果を
示す。なお、実施例・比較例の光硬化性樹脂組成物の略
称と含有する酸化防止剤の名称との対照を表5に示し
た。表3の実施例1〜10の結果より、第一の被覆層と
第二の被覆層に、同一のヒンダードフェノール系酸化防
止剤を含有させた多層被覆は、蛍光灯下4日後のYI値
が2〜6と低いものであった。本発明の好ましい実施態
様である3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル基を有する酸化防止剤を第一の被覆層と
第二の被覆層の双方に含有させた実施例1〜4の多層被
覆は、YI値が2〜4とさらに低く、優れたものであっ
た。表4の比較例1〜9の結果より、第一の被覆層と第
二の被覆層に、異なるヒンダードフェノール系酸化防止
剤を含有させた多層被覆は、蛍光灯下4日後のYI値が
8〜18と高く、黄変が著しいものであった。
【0078】ホスフィンオキシド系ではない光開始剤を
用いた光硬化性樹脂組成物である組成物例3(p-3)
をガラスファイバの一層目被覆に用いた実施例9に比較
して、ホスフィンオキシド系光開始剤を一層目と二層目
に同時に用いた実施例1の方がより黄変が少なかった。
また、一層目にホスフィンオキシド系光開始剤を用い、
二層目には用いない実施例10は、実施例9と実施例1
の間に位置する黄変の程度であった。
【0079】硬化速度の評価方法と評価結果 第一層用の光硬化性樹脂組成物を381μm厚のアプリ
ケーターを用いてガラス板上に塗布し、3.5kWメタ
ルハライドランプ(オーク社製SMX−3500/F−
OS)を用いて空気下で20mJ/cm2または500
mJ/cm2の紫外線を照射し、厚さ約200μmの硬
化フィルムを得た。硬化フィルムを6mm幅、長さ約5
cmの短冊状に切り出した。短冊状サンプルを引っ張り
試験器を用いてJIS K 7113に準拠して引っ張
り速度1mm/minで2.5%伸張時のヤング率を測
定した。500mJ/cm2硬化時のヤング率に対する
20mJ/cm2硬化時のヤング率の比を硬化速度とし
た。
【0080】表6に硬化速度の評価結果を示した。表6
の結果より、フォスフィンオキシド系光開始剤を用いた
第一層用光硬化性樹脂組成物が高い硬化速度を示してい
ることがわかる。
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
【発明の効果】本発明の多層被覆は、光に曝されたとき
の耐黄変性に優れ、液晶パネル用の基板、プラスチック
レンズ、光ファイバ、ポリカーボネートシート、塩化ビ
ニル床材、家具用木材等の工業製品の被覆材料として有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉澤 純司 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 宇加地 孝志 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H050 BB02W BB33W 4F100 AG00C BA10A BA10C CA06A CA06B CA30B DA16 DD31 EJ08A EJ08B JB14A JB14B 4H025 AA15 AA17 4J038 FA001 FA111 JA64 KA02 KA03 NA03 PA17 PB08 PC03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光硬化性樹脂硬化層からなる多層
    被覆であって、少なくとも隣接する2つの層には、同一
    のヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有することを
    特徴とする多層被覆。
  2. 【請求項2】 酸化防止剤が、下記式(1)で表される
    化合物であることを特徴とする請求項1に記載の多層被
    覆。 【化1】 (式中Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Qは、
    炭素数2以上の炭化水素鎖、並びに、エステル構造を含
    む、炭素原子、水素原子および酸素原子からなる2価の
    有機基を表す。)
  3. 【請求項3】 前記式(1)のアルキル基Rが、メチル
    基である酸化防止剤を用いることを特徴とする請求項2
    記載の多層被覆。
  4. 【請求項4】 光ファイバ用多層被覆である請求項1〜
    3のいずれかに記載の多層被覆。
  5. 【請求項5】 ガラスファイバに接して被覆される層に
    用いられる光開始剤が、ホスフィンオキシド系化合物で
    あることを特徴とする請求項4に記載の多層被覆。
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