JPH08261582A - 極低温膨張機 - Google Patents

極低温膨張機

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JPH08261582A
JPH08261582A JP6768195A JP6768195A JPH08261582A JP H08261582 A JPH08261582 A JP H08261582A JP 6768195 A JP6768195 A JP 6768195A JP 6768195 A JP6768195 A JP 6768195A JP H08261582 A JPH08261582 A JP H08261582A
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JP
Japan
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seal ring
cylinder
displacer
ring
sliding range
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Withdrawn
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JP6768195A
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English (en)
Inventor
Hirotoshi Torii
宏年 鳥居
Hiroyuki Morishita
弘之 森下
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】無端型のシールリング6を使用しながら、シー
ルリング6の極低温による収縮を軽減して、内部機器類
の破損を招いたりすることなく、取付作業やメンテナン
ス作業が簡単で、常に優れたシール性能を発揮できるよ
うにする。 【構成】作動流体を給排するシリンダ1に、シールリン
グ6をもつディスプレーサ2を往復摺動自由に内装す
る。シリンダ1におけるシールリング6の摺動範囲外の
肉厚を、該シールリング6の摺動範囲における肉厚より
薄くして、シリンダ1の摺動範囲の温度を高温に保持
し、シールリング6の収縮を軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば超電導マグネッ
トを備えた医療用機器など各種極低温機器の冷却に用い
られる極低温膨張機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種極低温膨張機にあって
は、図4に示すように、シリンダAにディスプレーサB
を往復動自由に内装して、このディスプレーサBの往復
動に伴いシリンダA内に導入されたヘリウムガスの膨張
を繰り返すことにより、膨張時に起こる冷却作用で前記
ディスプレーサB内に収容した蓄冷材Cに蓄冷して、前
記シリンダAの先端側に設けるヒートステージDを冷却
するようにしている。
【0003】また、前記シリンダAとディスプレーサB
との間、及び、前記シリンダAと前記ディスプレーサB
を往復動させる駆動部材Eとの間の隙間には、シールリ
ングFを介装させて、該シールリングFで前記シリンダ
Aの先端側からヘリウムガス導入側への低温ガスのガス
漏れを防止している。
【0004】このシールリングFは、図5に示すよう
に、フッ素樹脂等の合成樹脂から成る有端型のリング形
状とされ、その両遊端部の肉厚をそれぞれ薄くして互い
に重ね合わせることにより、リング径を径方向内外に伸
縮可能としている。
【0005】そして、以上のシールリングFを取付ける
にあたっては、図4のように、前記ディスプレーサB及
び駆動部材Eの外周部に環状溝Gをそれぞれ形成して、
この環状溝Gの内部で外周側に前記シールリングFを、
かつ、内周側に金属から成るコイルスプリング等の付勢
体Hを介入させて、該付勢体Hの付勢力で前記シールリ
ングFを拡径してシリンダAの内面側に常時圧接させる
ことにより、このシリンダAと前記ディスプレーサB及
び駆動部材Eとの間のシールを行うようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上の有端
型シールリングFは、その両遊端部を重ね合わせてはい
るものの、このリングFは拡径可能とするために切断さ
れているので、その切れ目からガス漏れが発生する不具
合があった。
【0007】以上の不具合を解決するため、図6に示す
ように、フッ素樹脂などの合成樹脂で成形され、内外周
部位に連続した内,外リップF1,F2をもつ断面略U
字状とされた無端型のシールリングFを使用し、このシ
ールリングFを例えば前記ディスプレーサB側に設けた
環状溝G内に介装させると共に、前記シールリングFの
各リップF1,F2間にはコイルスプリング等のインナ
ー付勢体Hを介入させて、該付勢体Hの付勢力で前記各
リップF1,F2を内外方向に弾性変形させ、これら各
リップF1,F2を前記シリンダAの内面及びディスプ
レーサBの外面側に弾接させてシールすることにより、
有端型のシールリングFで生じていたガス漏れを防止し
ようとしたものが提案されている。
【0008】ところで、近年、ディスプレーサB内に収
容する蓄冷材Cとして希土類の金属を用いることにより
極低温膨張機における冷凍能力が向上し、特に、二段式
の膨張機においては、二段目のヒートステージDを絶対
温度4乃至5K(カルビン)の極低温に冷却できるまで
に至っている。
【0009】しかして、膨張機の冷却能力が向上する
と、前記シールリングFをフッ素樹脂などの合成樹脂で
成形した場合、極低温下では収縮が発生することから、
たとえ前記シールリングFを無端型として各リップF
1,F2間に付勢体Hを介入させても、該シールリング
Fの収縮によりその外リップF2と前記シリンダAの内
面との間に隙間が生じてシール効果を損なうことにな
る。
【0010】また、特に、以上のように、前記シールリ
ングFをディスプレーサB側に取付ける場合、前記シー
ルリングFがディスプレーサBと共に摺動するため、そ
の摺動面側に隙間が生じることとなって、前述した有端
型とする場合よりもかえってガス漏れ量が多くなる不具
合が発生する。
【0011】そこで、特開平7−19638号公報に記
載され、かつ、図7に示すように、前述したものと同様
な無端型のシールリングFを用い、また、前記シリンダ
Aの内面側に取付凹部Jを形成して、この凹部Jに前記
シールリングFを取付けることにより、該シールリング
Fを極低温下において径方向内方側に収縮させ、その内
リップF1を前記ディスプレーサB側に弾接させて、そ
の摺動面側をシールするようにしたものが提案されてい
る。また、同公報のものでは、前記取付凹部Jの外方側
に前記シールリングFの抜止用としてシールストッパリ
ングKと環状止め輪Lとを取付けている。
【0012】以上の構成によれば、前記シールリングF
が極低温下で収縮を起しても、その内周側リップF1が
径方向内方に収縮して前記ディスプレーサB側に弾接さ
れることになるため、その摺動面側のシールを確実に行
ってガス漏れの低減化は可能となるが、一方前記シール
リングFを前記取付凹部Jに取付けるときには、その外
方側に前記シールストッパリングKや止め輪Lを装着す
る必要があって取付作業が複雑となり、その上、メンテ
ナンス作業を行う場合で前記シールリングFを取り替え
るようなときには、前記シールストッパリングK及び止
め輪Lの両者をそれぞれ取外す必要があり、しかも、前
記シールリングFの環状凹部Jからの取外しも面倒であ
ることから、該シールリングFの取替作業が非常に困難
となる問題があった。
【0013】さらに、前記シールリングFが極低温下で
収縮を起すと、その各リップF1,F2内に設けられた
コイルスプリングから成る付勢体Hが、前記各リップF
1,F2の壁部一部に食込み、この食込部分における各
リップF1,F2の有効厚みが小となり、しかも、前記
ディスプレーサBの往復動時には、該ディスプレーサB
に弾接される前記シールリングFの内リップF1が摩耗
することから、このリップF1が摩耗されることと前記
付勢体Hの食込みに伴い有効厚みが小とされることとに
より、該付勢体Hが早期に外部露出され、この付勢体H
が前記ディスプレーサBに接触して、該ディスプレーサ
Bを損傷したりする虞れもあった。
【0014】本発明は、以上の実情に鑑みて開発したも
のであって、目的とするところは、無端型のシールリン
グを使用しながら、内部機器類の破損を招いたりするこ
となく、取付作業やメンテナンス作業が簡単で、常に優
れたシール性能を発揮できるようにする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
作動流体を給排するシリンダ1に、環状部にシールリン
グ6をもつディスプレーサ2を往復摺動自由に内装した
極低温膨張機であって、前記シリンダ1における前記シ
ールリング6の摺動範囲外の肉厚を、該シールリング6
の摺動範囲における肉厚より薄くしたのである。
【0016】請求項2記載の発明では、前記シールリン
グ6を樹脂材料で形成したのである。
【0017】請求項3記載の発明で、前記シールリング
6を、無端シールリングで、かつ、インナー付勢体64
で離反方向に付勢される内リップ61と外リップ62と
をもつ断面略U字形に形成したのである。
【0018】
【作用】請求項1記載の発明によれば、前記シリンダ1
における前記シールリング6の摺動範囲外の肉厚を、該
シールリング6の摺動範囲における肉厚より薄くしたか
ら、シールリング6の摺動による摩擦熱で、このシリン
ダ1の前記摺動範囲における温度が上昇しても、この熱
を逃がすための前記シリンダ1の摺動範囲外の厚みが薄
いので抵抗を受けて逃げにくくなり、その結果、前記シ
リンダ1の摺動範囲内で熱が蓄えられて高温に保持され
ることになり、この摺動範囲で往復動される前記シール
リング6が極低温下で収縮するのを緩和できて、シール
効果を高めることができる。
【0019】従って、前記シールリング6をディスプレ
ーサ2側に取付けて、このディスプレーサ2と共にシー
ルリング6を摺動させても、該シールリング6の収縮を
軽減できるので、その摺動面側に隙間が発生するのを抑
制してガス漏れ量を軽減できながら、前記シールリング
6をディスプレーサ2側に取付けることにより、従来の
ようにシリンダに設けた取付凹部内に取付ける場合と較
べ、前記シールリング6の取付作業やメンテナンス作業
を行う場合でシールリング6の取替作業を簡単に行うこ
ともできる。
【0020】請求項2記載の発明によれば、前記シール
リング6を樹脂材料で形成しているので、金属製のもの
に較べ収縮が大きいが、該シールリング6の摺動範囲の
温度を高温にできるので、シールリング6の収縮を緩和
できることから効果的に使用できながら、樹脂材料で形
成することにより、このシールリング6を容易に成形す
ることができ、かつ、シリンダ1の損傷も防止できるの
である。
【0021】請求項3記載の発明によれば、前記シール
リング6を、周方向に連続する無端シールリングと成
し、かつ、内リップ61と外リップ62とをもつ断面略
U字形に形成し、該各リップ61,62間にインナー付
勢体64を介装しているため、この付勢体64で各リッ
プ61,62を互いに離反する径方向内外方に弾性変形
させて、該各リップ61,62をディスプレーサ2の外
面とシリンダ1の内面とに弾接させることにより、シー
ル効果を一層高めることができながら、周方向に切れ目
がないので、この切れ目からのガス漏れも阻止できる。
【0022】しかも、前記シールリング6は、前記ディ
スプレーサ2側でシリンダ1の厚肉部との対向個所に取
付けられ、極低温下での収縮が起り難いために、従来の
ように、収縮に伴い前記付勢体64が各リップ61,6
2の壁部一部に食込むのを阻止して、これら各リップ6
1,62の有効厚みを付勢体6が食込む場合に較べ大と
することができ、従って、前記ディスプレーサ2の往復
動に伴い前記シリンダ1の内面側に弾接される外リップ
62が若干摩耗されることがあっても、前記付勢体64
の外部側への露出によって前記シリンダ1の内面が損傷
されたりするのを防止できる。
【0023】
【実施例】図3に示した極低温膨張機は、一側に第1ヒ
ートステーションS1をもつ大径部11と第2ヒートス
テーションS2をもつ小径部12とから成る段付シリン
ダ1と、該シリンダ1の大,小径部11,12に内装さ
れる第1及び第2ディスプレーサ21,22から成るデ
ィスプレーサ2とを備え、前記シリンダ1の大径部11
内に、スラックピストン3と第1ディスプレーサ21と
を往復動自由に内装すると共に、前記小径部12内に、
カップリング棒41及び互いに直交する連結ピン42,
43から成るユニバーサルジョイント4を介して前記第
1ディスプレーサ21側に連結される第2ディスプレー
サ22を内装する一方、前記スラックピストン3と前記
第1ディスプレーサ21のスラックピストン側及び前記
第2ディスプレーサ22の第1ディスプレーサ側との環
状外周部に、それぞれ環状凹部51,52,53を形成
して、これら各環状凹部51,52,53に、それぞれ
前記シリンダ1の内周面に摺接するシールリング6を介
装し、前記シリンダ1内に、スラックピストン側空室1
3と前記第1ディスプレーサ21の高温側膨張空間14
及び前記第2ディスプレーサ22の低温側膨張空間15
とを気密状に形成した2段式の極低温膨張機である。
【0024】また、前記シリンダ1のスラックピストン
側には、モータ71と、このモータ71の駆動で高圧ガ
ス通路72と低圧ガス通路73とを切換える切換弁74
と、前記スラックピストン3内に高圧ガスを導入した
り、該スラックピストン3内から低圧ガスを排出したり
する給排通路75をもつ通路体76とを備えた切換弁装
置7を設けており、この切換弁装置7における高圧ガス
通路72の入口部及び低圧ガス通路73の出口部には、
図示していないが例えばヘリウム圧縮ユニットから延び
る高圧ガス管16及び低圧ガス管17を接続している。
【0025】さらに、前記切換弁装置7には、中間圧室
77を設け、この中間圧室77を、前記通路体76に設
けるオリフィス78を介して前記スラックピストン3の
背面室31に連通させ、この背面室31を中間圧力に保
持するようにしている。
【0026】また、前記第1及び第2ディスプレーサ2
1,22の内部には、それぞれ蓄冷材を収容しており、
前記第1ディスプレーサ21側には、仕切材23を内装
し、この仕切材23の高温側、即ち、スラックピストン
側に銅メッシュから成る蓄冷材24を、また、前記仕切
材23の低温側、即ち、第1ヒートステーション側に主
として小さい球状から成る蓄冷材25を内装すると共
に、前記第2ディスプレーサ22の内部には、主として
小さい球状から成る蓄冷材25を内装している。
【0027】前記球状の蓄冷材25としては、希土類の
金属を使用し、特に好ましくはEr3Niが用いられ
る。尚、前記第1ディスプレーサ21の背面側、即ちス
ラックピストン側には、前記スラックピストン3に係合
する連動ピン32を設けている。
【0028】そして、通路体76に設ける給排通路75
を、モータ71に連動する切換弁74の切換えで、外部
のヘリウム圧縮機から延びる高圧ガス通路72に連通
し、シリンダ1の内部に高圧ガスを導入することによ
り、高圧となる前記スラックピストン側空室13と、オ
リフィス78を介して中間圧室77に通じる背圧室31
との間の差圧により、スラックピストン3並びに各ディ
スプレーサー21,22をモータ側に移動させ、次に、
前記給排通路75をヘリウム圧縮機に至る低圧ガス通路
73に切換えて連通させることにより、低圧となるスラ
ックピストン側空室13と中間圧の背圧室31との差圧
により、スラックピストン3並びに各ディスプレーサー
21,22をヒートステーション側に移動させるように
している。
【0029】こうして、各ディスプレーサー21,22
の往復動の繰り返しにより、各蓄冷材24,25に冷熱
を蓄え、前記シリンダ1の第1ヒートステーションS1
に、絶対温度40乃至50K程度の極低温を、前記第2
ヒートステーションS2に4K程度の極低温を得て、各
ヒートステーションS1,S2に接続するヒートシール
ドパネル等の冷却に供するようにしている。
【0030】また、前記シールリング6は、主としてP
TFE等のフッ素樹脂から成り、前記スラックピストン
3に設ける環状凹部51に配設するシールリング6は、
有端型のもので、その内側に付勢バネ66を配設してシ
リンダの内面に圧接するようにしている。
【0031】また、各ディスプレーサー21,22に設
ける環状凹部52,53に配設するシールリング6,6
は、図1及び図3に示すように、内リップ61及び外リ
ップ62をもつ断面U字形の無端型リング材により構成
するのであって、これら各リップ61,62間に形成さ
れる凹陥部63内には、該各リップ61,62を径方向
内外方に向かって互いに離反方向に付勢するインナー付
勢体64としてコイルスプリングを介装させ、該コイル
スプリング64の付勢力により、前記内リップ61を前
記ディスプレーサ21,22に設けた環状凹部52,5
3の内面側に、かつ、前記外リップ62を前記シリンダ
1の内壁面側にそれぞれ弾接させている。
【0032】さらに、前記各ディスプレーサ21,22
におけるシールリング6の取付外方位置でその凹陥部6
3の開放側に、C形スナップリング65を取付けてお
り、斯かるスナップリング65を設けることにより、前
記シールリング6の環状凹部52,53からの脱落と、
前記付勢体64のシールリング6における凹陥部63か
らの脱落とを共に阻止することができる。
【0033】そして、以上の構成において、前記シリン
ダ1における大,小径部11,12の壁部を、前記スラ
ックピストン3と第1及び第2ディスプレーサ21,2
2との環状外周部に取付けた各シールリング6の摺動範
囲内とこの範囲外とにおいてそれぞれ異なる厚みとな
し、これら各シールリング6の摺動範囲内に位置される
前記大,小径部11,12の外周部位に厚肉部1aを、
また、各シールリング6の摺動範囲外に位置される大,
小径部11,12の外周部位に薄肉部1bをそれぞれ形
成する。
【0034】更に詳述すると、前記シリンダ1の小径部
12側を拡大して示す図1で明らかなように、前記ディ
スプレーサ2の摺動ストロークをLとしたとき、該スト
ロークLの範囲で前記シールリング6がディスプレーサ
2に追従して摺動されることから、前記小径部12の前
記ストロークLとの対向部位に厚肉部1aを、また、前
記小径部12の前記ストロークLとの非対向部位には薄
肉部1bをそれぞれ形成する。
【0035】以上のように、前記小径部12の前記スト
ロークLとの対向部位に厚肉部1aを、前記小径部12
の前記ストロークLとの非対向部位には薄肉部1bをそ
れぞれ形成することにより、前記シールリング6の摺動
による摩擦熱で、このシリンダ1の前記摺動範囲となる
前記厚肉部1aにおける温度が上昇しても、この熱を逃
がすための前記シリンダ1の摺動範囲外となる薄肉部1
bの厚みが薄いので抵抗を受けて逃げにくくなり、その
結果、前記シリンダ1の摺動範囲内で熱が蓄えられて高
温に保持されることになり、この摺動範囲で往復動され
る前記シールリング6が極低温下で収縮するのを緩和で
きて、シール効果を高めることができる。
【0036】従って、以上のように、前記シールリング
6を前記ディスプレーサ2側に取付けて、該ディスプレ
ーサ2と共にシールリング6を摺動させても、該シール
リング6の極低温下での収縮を軽減できるので、その摺
動面側に隙間が発生するのを抑制し、前記低温側膨張空
間15から高温側膨張空間14へのガス漏れ量を軽減で
きて、前記第2ヒートステージS2でより低い極低温を
得ることができる。
【0037】しかも、前記シールリング6をディスプレ
ーサ2側に取付けることにより、従来のようにシリンダ
の取付凹部内に取付ける場合と較べ、前記シールリング
6の取付作業やメンテナンス作業を行う場合でシールリ
ング6の取替作業を簡単に行うこともできる。
【0038】尚、以上の厚肉部1a及び薄肉部1bは、
図3に示すように、前記シリンダ1における大径部11
の外周部位で前記スラックピストン3と第1ディスプレ
ーサ21との対向部位にも形成するのであって、斯かる
厚肉部a及び薄肉部1bを形成することにより、前記ス
ラックピストン3と第1ディスプレーサ21との各環状
凹部51,52に取付けられる各シールリング6の極低
温下での収縮を軽減して、該各シールリング6によるシ
ール効果を高めることができ、これに伴い前記高温側膨
張空間14からスラックピストン側空室13へのガス漏
れ、及び、該空室13から前記背面室31側へのガス漏
れを軽減でき、前記第1ヒートステージS1においても
より低い極低温を得ることができるのである。
【0039】また、前記シールリング6をフッ素樹脂で
形成することにより、金属製のシールリングを使用した
場合に較べ収縮が大きいが、該シールリング6の摺動範
囲の温度を高温にできるので、シールリング6の収縮を
緩和できることから効果的に使用できながら、樹脂材料
で形成することにより、このシールリング6を容易に成
形することができ、かつ、材質が金属に比べて軟質なの
でシリンダ1の損傷も防止できるのである。
【0040】さらに、以上のように、無端型で、内,外
リップ61,62をもつ断面略U字形のシールリング6
を使用し、これら内,外リップ61,62間の凹陥部6
3内にコイルスプリング64を介装させるときには、該
コイルスプリング64で前記各リップ61,62を互い
に離反する径方向内外方に弾性変形させて、これら各リ
ップ61,62を、それぞれ前記ディスプレーサ2に設
けた各環状凹部51〜53の内面側と前記シリンダ1の
内壁面側とに弾接させることができるため、前記各シー
ルリング6によるシール効果を一層高めることができな
がら、周方向に切れ目がないので、この切れ目からのガ
ス漏れも阻止できる。
【0041】しかも、前記シールリング6は、前記ディ
スプレーサ2側でシリンダ1の厚肉部1aとの対向個所
に取付けられ、極低温下での収縮が起り難いため、従来
のように、収縮に伴い前記コイルスプリング64の外周
一部が各リップ61,62の壁部一部に食込んだりする
のを阻止して、これら各リップ61,62の有効厚みを
コイルスプリング64が食込む場合に較べ大とすること
ができ、従って、前記ディスプレーサ2の往復動に伴い
前記シリンダ1の内面に弾接する外リップ62が若干摩
耗されることがあっても、前記付勢体64の外部側への
露出によって前記シリンダ1の内壁面が損傷されたりす
るのを防止できる。
【0042】また、前記シールリング6の各リップ6
1,62間に介装させる付勢体64としては、図2に示
すように、板状部材を螺旋状に巻回させた巻ばねを用い
ることもでき、斯かる板状部材から成る巻ばね64を使
用するときには、該巻ばね64が前記各リップ61,6
2に面接触されることになるため、前記コイルスプリン
グを用いる場合のように、その外周一部が前記各リップ
61,62に食込んだりするのを阻止できて、これら各
リップ61,62が前記巻ばね64が破損されたりする
のを確実に防止できる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、前記シリンダ1における前記シールリング
6の摺動範囲外の肉厚を、該シールリング6の摺動範囲
における肉厚より薄くしたから、シールリング6の摺動
による摩擦熱で、このシリンダ1の前記摺動範囲におけ
る温度が上昇しても、この熱を逃がすための前記シリン
ダ1の摺動範囲外の厚みが薄いので抵抗を受けて逃げに
くくなり、その結果、前記シリンダ1の摺動範囲内で熱
が蓄えられて高温に保持されることになり、この摺動範
囲で往復動される前記シールリング6が極低温下で収縮
するのを緩和できて、シール効果を高めることができ
る。
【0044】従って、前記シールリング6をディスプレ
ーサ2側に取付けて、このディスプレーサ2と共にシー
ルリング6を摺動させても、該シールリング6の収縮を
軽減できるので、その摺動面側に隙間が発生するのを抑
制してガス漏れ量を軽減できながら、前記シールリング
6をディスプレーサ2側に取付けることにより、従来の
ようにシリンダに設けた取付凹部内に取付ける場合と較
べ、前記シールリング6の取付作業やメンテナンス作業
を行う場合でシールリング6の取替作業を簡単に行うこ
ともできる。
【0045】請求項2記載の発明によれば、前記シール
リング6を樹脂材料で形成しているので、金属製のもの
に較べ収縮が大きいが、該シールリング6の摺動範囲の
温度を高温にできるので、シールリング6の収縮を緩和
できることから効果的に使用できながら、樹脂材料で形
成することにより、このシールリング6を容易に成形す
ることができ、かつ、シリンダ1の損傷も防止できるの
である。
【0046】請求項3記載の発明によれば、前記シール
リング6を、周方向に連続する無端シールリングと成
し、かつ、内リップ61と外リップ62とをもつ断面略
U字形に形成し、該各リップ61,62間にインナー付
勢体64を介装しているため、この付勢体64で各リッ
プ61,62を互いに離反する径方向内外方に弾性変形
させて、該各リップ61,62をディスプレーサ2の外
面とシリンダ1の内面とに弾接させることにより、シー
ル効果を一層高めることができながら、周方向に切れ目
がないので、この切れ目からのガス漏れも阻止できる。
【0047】しかも、前記シールリング6は、前記ディ
スプレーサ2側でシリンダ1の厚肉部との対向個所に取
付けられ、極低温下での収縮が起り難いために、従来の
ように、収縮に伴い前記付勢体64が各リップ61,6
2の壁部一部に食込むのを阻止して、これら各リップ6
1,62の有効厚みを付勢体6が食込む場合に較べ大と
することができ、従って、前記ディスプレーサ2の往復
動に伴い前記シリンダ1の内面側に弾接される外リップ
62が若干摩耗されることがあっても、前記付勢体64
の外部側への露出によって前記シリンダ1の内面が損傷
されたりするのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる極低温膨張機の要部を示す断
面図。
【図2】 付勢体の他実施例を示す断面図。
【図3】 極低温膨張機の全体構造を示す断面図。
【図4】 一般的な極低温膨張機の全体を示す断面図。
【図5】 同膨張機に使用されるシールリングの斜視
図。
【図6】 従来の他のシール手段を示す要部の断面図。
【図7】 従来の他のシール手段を示す要部の断面図。
【符号の説明】
1……シリンダ 2……ディスプレーサ 6……シールリング 61…内リップ 62…外リップ 64…インナー付勢体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動流体を給排するシリンダ(1)に、環
    状部にシールリング(6)をもつディスプレーサ(2)
    を往復摺動自由に内装した極低温膨張機であって、前記
    シリンダ(1)における前記シールリング(6)の摺動
    範囲外の肉厚を、該シールリング(6)の摺動範囲にお
    ける肉厚より薄くしていることを特徴とする極低温膨張
    機。
  2. 【請求項2】シールリング(6)が、樹脂材料から成る
    請求項1記載の極低温膨張機。
  3. 【請求項3】シールリング(6)が、無端シールリング
    から成り、インナー付勢体(64)で離反方向に付勢す
    る内リップ(61)及び外リップ(62)をもつ断面略
    U字形を呈する請求項2記載の極低温膨張機。
JP6768195A 1995-03-27 1995-03-27 極低温膨張機 Withdrawn JPH08261582A (ja)

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