JPH08261581A - 極低温膨張機のシール装置 - Google Patents

極低温膨張機のシール装置

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JPH08261581A
JPH08261581A JP6651995A JP6651995A JPH08261581A JP H08261581 A JPH08261581 A JP H08261581A JP 6651995 A JP6651995 A JP 6651995A JP 6651995 A JP6651995 A JP 6651995A JP H08261581 A JPH08261581 A JP H08261581A
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JP
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seal ring
thin plate
urging
endless
lip
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JP6651995A
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English (en)
Inventor
Hirotoshi Torii
宏年 鳥居
Hiroyuki Morishita
弘之 森下
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シールリングの極低温下の収縮を防止して、
ディスプレーサーとシリンダとの間のシール性を保持で
きるようにする。 【構成】 ディスプレーサー31,32の外周部に、イ
ンナー付勢体8で離反方向に付勢する内リップ61及び
外リップ62をもつ断面略U字形の無端シールリング6
を取付ける。無端シールリング6とインナー付勢体8と
の間の付勢面部に、無端シールリング6の材質より硬
い、低温下で低収縮率の薄板9を介在させて、この薄板
9でシールリング6の収縮を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、極低温膨張機における
シリンダと、該シリンダ内に往復動自由に内装したディ
スプレーサーとの間をシールするシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の極低温膨張機にあって
は、図10に示すように、シリンダA内に往復動自由に
ディスプレーサーBを内装して、このディスプレーサー
Bの往復動でシリンダA内に導入するヘリウムガスの膨
張を繰り返すことにより、膨張時に起こる冷却作用で、
膨張時、前記ディスプレーサーB内部に収容した蓄冷材
Cに蓄冷して前記シリンダA先端側に設けるヒートステ
ージDを冷却するようにしている。
【0003】さらに、前記シリンダAとディスプレーサ
ーBとの間、及び、前記シリンダAと前記ディスプレー
サーBを往復動させる駆動部材Eとの間の隙間をシール
リングFでシールしてシリンダAの先端側からヘリウム
ガス導入側への低温ガスのガス漏れを防止するようにし
ていた。
【0004】このシールリングFは、図11に示されて
いるように、フッ素樹脂等の合成樹脂から成る有端型の
リング状のもので、図10のように、ディスプレーサー
Bに環状溝Gを形成して、該環状溝G内に、コイルスプ
リング等の付勢体Hを介して前記シールリングFを取付
けており、該付勢体Hの付勢力で前記シールリングFを
シリンダA内面に圧接させることによりシールを行って
いる。また、前記シールリングFは、有端型にし、リン
グ両端部の肉厚を薄くして重ね合わせることによりリン
グ径を調整できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、有端型のシ
ールリングFは、その両端部を重ね合わせてはいるが、
リングは切断されているので、その切れ目からどうして
もガスが漏れてしまう不具合があった。
【0006】そこで、図12に示すように、断面略U字
状をした無端型のシールリングFを使用して、このシー
ルリングFの凹陥部内にコイルスプリング等の付勢体H
を介在させて、この付勢体Hの付勢力でリングシールを
シリンダAの内面及びディスプレーサーBの外面に向か
って押圧させてシールすることにより、有端型のシール
リングFで生じていた漏れを防止しようとしたものが提
案されている。
【0007】ところで、近年、ディスプレーサーB内に
収容する蓄冷材Cとして希土類の金属を用いることによ
り極低温膨張機における冷凍能力が向上し、二段式の膨
張機においては、二段目のヒートステージDにおける温
度を絶対温度4乃至5K(カルビン)にすることができ
るまでに至っている。
【0008】このように、膨張機の冷却能力が向上する
と、前記シールリングFがフッ素樹脂などの合成樹脂で
成形しているために極低温下で大きな収縮が生じ、該シ
ールリングFを無端型とする場合、極低温下での収縮で
前記シールリングFとシリンダAの内面との間に大きな
隙間が生じてしまい、前記シールリングFをディスプレ
ーサーBに取付ける場合、シールリングFがディスプレ
ーサーBと共に摺動するため、摺動面に隙間が生じるこ
ととなって、却って有端型のときよりも漏れ量が多くな
り、冷却能力が低下する不具合が生じていた。特に、二
段目のヒートステージDの温度が非常に低いので、わず
かな漏れでも能力の低下が著しいのである。
【0009】そこで、特開平7−19638号公報に記
載され、かつ、図13に示すように、無端型のシールリ
ングFをシリンダAの内面に形成した取付け凹部Jに取
付けることにより、シールリングFが収縮したとき、こ
のシールリングFを、摺動面であるディスプレーサーB
に圧接させてシールするようにしたものが提案されてい
る。
【0010】しかしながら、無端型のシールリングFを
シリンダA側に取付ける場合、漏れの低減は図れるが、
シリンダA内面に形成する前記環状凹部Jに前記シール
リングFを取付けるため、メンテナンス時に該シールリ
ングFを取り替える時、この取替え作業が非常に困難と
なる不具合があった。
【0011】さらに、前記シールリングFの収縮で、前
記付勢体Hが、前記シールリングFの凹陥部内面に食い
込み、食い込み部分のシールリングFの厚みが薄くなる
ので、前記シールリングFの摩耗により、前記付勢体H
が外部に露出し易くなって、前記ディスプレーサーBの
往復動時、前記付勢体HがシリンダA内面に接触して、
該シリンダAが損傷する不具合も生じていた。
【0012】本発明は以上の実情に鑑みて開発したもの
であって、目的とするところは、前記無端型のシールリ
ングを使用しながら、取付け簡単で、常に優れたシール
性能を期待することのできる極低温膨張機のシール装置
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ディスプレーサー31,32の外周部に、インナー付勢
体8で離反方向に付勢する内リップ61及び外リップ6
2をもつ断面略U字形の無端シールリング6を取付けた
極低温膨張機のシール装置において、前記無端シールリ
ング6と前記インナー付勢体8との間の付勢面部に、前
記無端シールリング6の材質より硬い、低温下で低収縮
率の薄板9を介在させたのである。
【0014】請求項2記載の発明は、前記薄板9を内リ
ップ61とインナー付勢体8との間の付勢面部に介在さ
せたのである。
【0015】請求項3記載の発明は、前記薄板9を外リ
ップ62とインナー付勢体8との間の付勢面部に介在さ
せたのである。
【0016】請求項4記載の発明は、前記薄板9を内リ
ップ61とインナー付勢体8との間の付勢面部及び外リ
ップ62とインナー付勢体8との間の付勢面部に介在さ
せたのである。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、前記薄板9を、内リップ側薄板片91と外
リップ側薄板片92とを連続させた断面U字形を呈する
ように形成したのである。
【0018】請求項6記載の発明は、前記薄板9を銅か
ら形成したのである。
【0019】
【作用】請求項1記載の発明では、前記無端シールリン
グ6と前記インナー付勢体8との間の付勢面部に、前記
無端シールリング6の材質より硬い、低温下で低収縮率
の薄板9を介在させたから、前記無端シールリング6が
極低温下で収縮しても、前記薄板9でこの収縮を受けら
れるので、該薄板9により無端シールリング6の径方向
内方への収縮を軽減して、前記無端シールリング6によ
るシール性を保持できるのである。
【0020】請求項2記載の発明では、前記薄板9を内
リップ61とインナー付勢体8との間の付勢面部に介在
させることにより、前記薄板9で、少なくとも前記外リ
ップ62が収縮するのを防止できるので、前記無端シー
ルリング6の外リップ62によるシール性を簡単な構成
で保持できる。
【0021】請求項3記載の発明では、前記薄板9を外
リップ62とインナー付勢体8との間の付勢面部に介在
させることにより、無端シールリング6の収縮しようと
しても、前記薄板9により、前記外リップ62が収縮す
るのを防止して、該外リップ62によるシール性を保持
できながら、前記無端シールリング6の収縮作用で、該
無端シールリング6の外リップ62に前記インナー付勢
体8が食い込んで前記無端シールリング6の肉厚が薄く
なるのも防止して、前記無端シールリング6の摩耗によ
る前記インナー付勢体8の露出を防止することにより、
前記インナー付勢体8によりシリンダの損傷を防止でき
るのである。
【0022】請求項4記載の発明では、前記薄板9を内
リップ61とインナー付勢体8との間の付勢面部及び外
リップ62とインナー付勢体8との間の付勢面部に介在
させたから、無端シールリング6の収縮を確実に防止し
て、シール性をより良好に保持できながら、前記内リッ
プ61及び外リップ62の双方の前記インナー付勢体8
の喰いこみを防止できるので、前記無端シールリング6
の摩耗によるインナー付勢体8の露出による前記シリン
ダの損傷も良好に防止できるのである。
【0023】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
発明において、前記薄板9を、内リップ側薄板片91と
外リップ側薄板片92とを連続させた断面U字形を呈す
るように形成したから、該薄板9及びインナー付勢体8
の前記無端シールリング6への組付けを容易に行え、か
つ、前記薄板9の前記無端シールリング6からの抜けも
防止できるのである。
【0024】請求項6記載の発明では、前記無端シール
リング6の材質よりも硬く、低温下での収縮率も低く、
しかも、鉄に比べ軟らかい銅により前記薄板9を形成し
たから、シールを良好に行えながら、前記薄板9の成形
加工を良好に行えるのである。
【0025】
【実施例】図1に示した極低温膨張機は、一側に第1ヒ
ートステーション11をもった大径部と第2ヒートステ
ーション12をもった小径部とから成る段付シリンダ1
の大径部内にスラックピストン2と第1ディスプレーサ
ー31とを往復動自由に内装すると共に、前記小径部内
に、カップリング棒13及び互いに直交する連結ピン1
4,14から成るユニバーサルジョイント15を介して
前記第1ディスプレーサー31と連結する第2ディスプ
レーサー32を内装した2段式の極低温膨張機である。
【0026】そして、前記スラックピストン2の外周部
と前記第1ディスプレーサー31のスラックピストン側
外周部及び前記第2ディスプレーサー32の第1ディス
プレーサ側外周部とに、それぞれ環状凹部4,4,4を
設けて、これら環状凹部4,4,4に、前記シリンダ1
の内周面に摺接するシールリング5,6,6を介装し、
前記シリンダ1内に、スラックピストン側空室16と前
記第1ディスプレーサー31の高温側膨張空間17及び
前記第2ディスプレーサー32の低温側膨張空間18と
を気密状に形成している。
【0027】尚、前記シリンダ1のスラックピストン側
には、モータ71と、このモータ71の駆動で高圧ガス
通路72と低圧ガス通路73とを切換える切換弁74
と、前記スラックピストン2内に高圧ガスを導入した
り、該スラックピストン2内から低圧ガスを排出したり
する給排通路75をもつ通路体76とを備えた切換弁装
置7を設けており、この切換弁装置7の高圧ガス通路7
2の入口部及び低圧ガス通路73の出口部には、図示し
ていないが例えばヘリウム圧縮ユニットから延びる高圧
ガス管77及び低圧ガス管78を接続するようにしてい
る。
【0028】また、前記切換弁装置7には、中間圧室7
9を設けて、この中間圧室79を、前記通路体76に設
けるオリフィス76aを介して前記スラックピストン2
の背圧室21に連通させ、この背圧室21を中間圧力に
保持するようにしている。
【0029】また、前記第1及び第2ディスプレーサー
31,32の内部には、それぞれ蓄冷材19を収容して
おり、前記第1ディスプレーサー31は、仕切材19a
を内装して、この仕切材19aの高温側、即ち、スラッ
クピストン側に銅メッシュから成る蓄冷材19を、ま
た、前記仕切材19aの低温側、即ち、第1ヒートステ
ーション側に主として小さい球状から成る蓄冷材19を
内装すると共に、前記第2ディスプレーサー32の内部
には、主として小さい球状から成る蓄冷材19を内装し
ている。
【0030】前記球状の蓄冷材19としては、希土類の
金属を使用し、特に好ましくは、Er3Niを用いてい
る。
【0031】そして、前記第1ディスプレーサー31の
背面側、即ち、スラックピストン側には、前記スラック
ピストン2に係合する連動ピン31aを設けている。
【0032】更に、前記シールリング5,6,6は、主
としてPTFE等のフッ素樹脂から成り、前記スラック
ピストン2に設ける環状凹部4に配設するシールリング
5は、有端型のもので、その内側にC型バネ51を配設
してシリンダの内面に圧接するようにしている。
【0033】また、各ディスプレーサー31,32に設
ける環状凹部4に配設するシールリング6,6は、図2
及び図3に示すように、内リップ61及び外リップ62
をもつ断面U字形の無端型リング材により構成してお
り、これらシールリング6,6の凹陥部63内に、該無
端型シールリング6,6を径方向に向かって前記内リッ
プ61及び外リップ62を離反方向に付勢するコイルス
プリングからなるインナー付勢体8を収容して、該イン
ナー付勢体8の付勢力により前記内リップ61を前記各
ディスプレーサー31,32の内面に、また、前記外リ
ップ62を前記シリンダ1の内壁面に押し付けて、前記
各シールリング6,6のシール性を高めている。
【0034】さらに、第1及び第2ディスプレーサー3
1,32に形成する環状凹部4は、該各ディスプレーサ
ー31,32のスラックピストン側に小径部41を形成
し、該小径部41を環状凹部4と成しており、この小径
部41に、前記無端型シールリング6及びインナー付勢
体8を挿通した後、該小径部41に形成する環状溝42
内にC型リング43を固定して、該C型リング43と小
径部41により形成される前記環状凹部4の壁面で前記
無端型シールリング6及びインナー付勢体8が軸方向に
移動するのを阻止するようにしている。
【0035】そして、通路体76に設ける給排通路75
を、モータ71に連動する切換弁74の切換えで、外部
のヘリウム圧縮機から延びる高圧ガス通路72に連通
し、シリンダ1の内部に高圧ガスを導入することによ
り、高圧となる前記スラックピストン側空室16と、オ
リフィス76aを介して中間圧室79に通じる背圧室2
1との間の差圧により、スラックピストン2並びに各デ
ィスプレーサー31,32を上昇させ、次に、前記給排
通路75をヘリウム圧縮機に至る低圧ガス通路73に切
換えて連通させることにより、低圧となるスラックピス
トン側空室16と中間圧の背圧室21との差圧により、
スラックピストン2並びに各ディスプレーサー31,3
2を下降させるようにしている。
【0036】こうして、各ディスプレーサー31,32
の上下動の繰り返しにより、各蓄冷材19に冷熱を蓄
え、前記シリンダ1の第1ヒートステーション11に、
絶対温度40乃至50K程度の極低温を、前記第2ヒー
トステーション12に4K程度の極低温を得て、各ヒー
トステージ11,12に接続するヒートシールドパネル
等の冷却に供するようにしている。
【0037】しかして、図1乃至図3に示した第1実施
例では、以上の構成において、前記無端型シールリング
6と前記インナー付勢体8との間に、極低温下で収縮率
が小さく、前記無端型シールリング6の材質より硬い金
属からなる薄板9を介在させたのである。
【0038】第1実施例では、図4に示すように、フッ
素樹脂より硬い銅からなる前記薄板9を有端型のリング
部材から構成し、前記無端シールリング6の内リップ6
1と前記インナー付勢体8との間の付勢面部に介在させ
たのである。
【0039】以上のように、第1実施例では、前記無端
シールリング6と前記インナー付勢体8との間の付勢面
部に、前記無端シールリング6の材質より硬い、低温下
で低収縮率の薄板9を介在させたから、前記無端シール
リング6が極低温下で収縮しても、前記薄板9でこの収
縮を受けられるので、該薄板9により無端シールリング
6の径方向内方への収縮を軽減して、前記無端シールリ
ング6によるシール性を保持できるのである。
【0040】さらに、第1実施例では、前記薄板9を内
リップ61とインナー付勢体8との間の付勢面部に介在
させることにより、前記薄板9で、少なくとも前記外リ
ップ62が収縮するのを防止できるので、前記無端シー
ルリング6の外リップ62によるシール性を簡単な構成
で保持できる。
【0041】また、前記無端シールリング6の材質より
も硬く、低温下での収縮率も低く、しかも、鉄に比べ軟
らかい銅により前記薄板9を形成したから、シールを良
好に行えながら、前記薄板9の成形加工を良好に行える
のである。
【0042】次に本発明の第2実施例を図5に基づいて
説明する。この第2実施例は、第1同様の銅から成り有
端型リング部材から成る前記薄板9を前記無端シールリ
ング6の外リップ62と前記インナー付勢体8との間の
付勢面部に介在させたものである。
【0043】そして、第1実施例では、前記無端シール
リング6とインナー付勢体8との軸方向移動をC型リン
グ43で阻止するようにしたが、第2実施例では、図5
に示すように、前記各ディスプレーサー31,32に形
成する小径部41に止め輪44を嵌合して、該止め輪4
4をピン45により前記ディスプレーサー31,32に
固定するようにしている。
【0044】第2実施例では、前記薄板9を外リップ6
2とインナー付勢体8との間の付勢面部に介在させるこ
とにより、無端シールリング6の収縮しようとしても、
前記薄板9により、前記外リップ62が収縮するのを防
止して、該外リップ62によるシール性を保持できなが
ら、前記無端シールリング6の収縮作用で、該無端シー
ルリング6の外リップ62に前記インナー付勢体8が食
い込んで前記無端シールリング6の肉厚が薄くなるのも
防止して、前記無端シールリング6の摩耗による前記イ
ンナー付勢体8の露出を防止することにより、前記イン
ナー付勢体8によりシリンダ1の損傷を防止できるので
ある。
【0045】図6は、第3実施例を示しており、該第3
実施例は、前記薄板9を内リップ61とインナー付勢体
8との間の付勢面部及び外リップ62とインナー付勢体
8との間の付勢面部に介在させたもので、銅から形成
し、かつ、前記薄板9を内リップ側薄板片91と外リッ
プ側薄板片92とを連続させた前記無端型シールリング
6の凹陥部63に沿う断面U字形に形成している。
【0046】前記薄板9は、前記無端シールリング6と
同様の無端型リングに形成して前記無端シールリング6
の凹陥部63全面を覆うようにしてもよいし、複数のU
字片を前記無端シールリング6の凹陥部63に配設する
ようにしてもよい。前記凹陥部63の全面を覆う場合に
は、銅を蒸着させてもよい。
【0047】さらに、前記無端シールリング6を各ディ
スプレーサー31,32に固定するために、前記無端シ
ールリング6における内リップ61の各ディスプレーサ
ー31,32との対向面に環状の係合突起64を一体形
成し、前記各ディスプレーサー31,32の小径部41
に前記係合突起64に係合する係合凹部46を形成し
て、前記係合突起64の係合凹部46への係合により前
記無端シールリング6を前記C型リング43や止め輪4
4を用いることなく軸方向移動を阻止できるようにして
いる。
【0048】以上のように、第3実施例では、前記薄板
9を内リップ61とインナー付勢体8との間の付勢面部
及び外リップ62とインナー付勢体8との間の付勢面部
に介在させたから、前記無端シールリング6の収縮を確
実に防止して、シール性をより良好に保持できながら、
前記内リップ61及び外リップ62の双方の前記インナ
ー付勢体8の喰いこみを防止できるので、前記無端シー
ルリング6の摩耗によるインナー付勢体8の露出による
前記シリンダ1の損傷も防止でき、たとえ前記無端シー
ルリング6の摩耗により前記薄板9が露出しても、該薄
板9は、前記シリンダ1の材質より軟らかいので、前記
シリンダ1の損傷を防止できるのである。
【0049】さらに、前記薄板9を、内リップ側薄板片
91と外リップ側薄板片92とを連続させた断面U字形
を呈するように形成したから、該薄板9及びインナー付
勢体8の前記無端シールリング6への組付けを容易に行
え、かつ、前記薄板9の前記無端シールリング6からの
抜けも前記インナー付勢体8により防止できるのであ
る。
【0050】しかも、前記薄板9を無端リング部材とす
る場合には、前記無端シールリング6の摩耗により前記
薄板9が露出しても、該薄板9により、シール性を保持
できるのである。
【0051】また、図7に示す第4実施例のように、内
リップ側薄板片91と外リップ側薄板片92とを連続さ
せた断面U字形を呈する前記薄板9を介在させた無端シ
ールリング6を各閉鎖面が対向するように二段に配設す
るようにしてもよい。この時、各無端シールリング6,
6の間に前記C型リング43を介在させて、図7の下部
側のシールリング6の軸方向移動を阻止し、上部側のシ
ールリング6より上方にさらにC型リング43を固定し
て、前記上部側シールリング6の軸方向移動を阻止する
ようにしている。
【0052】斯くするときは、前記シールリング6,6
とシリンダ1との摺動面のシール性を保持しながら、各
ディスプレーサー31,32が下方に移動するときは、
上部側のシールリング6と下部側の前記C型リング43
との間で摺動方向のシールを、上方に移動するときに
は、下部側のシールリング6と下部側の前記C型リング
43との間で摺動方向のシールを確実なものとすること
ができる。
【0053】さらに、図8に示す第5実施例のように、
前記無端型シールリング6に径方向内方に延びるフラン
ジ部65を形成すると共に、各ディスプレーサー31,
32の小径部41に螺子を形成し、前記小径部41に前
記シールリング6を挿通して、前記フランジ部65を弾
性部材47を介して筒状の固定部材48の螺子締めによ
る下方への押し付けでディスプレーサー31,32に固
定するようにしてもよい。
【0054】第5実施例は、前記無端シールリング6を
二段に配設しており、各シールリング6,6をそれぞれ
前記固定部材48,48で固定している。
【0055】第5実施例では、前記フランジ部65を挟
持することにより前記シールリング6,6をディスプレ
ーサー31,32に固定できるので、該各シールリング
6,6の固定をより確実なものとすることができる。
【0056】また、前記無端型シールリング6に径方向
内方に延びるフランジ部65を形成する場合、図9に示
す第6実施例のように、各シールリング6,6の閉鎖面
を突き合わせた状態で配設し、重ね合わせた前記各フラ
ンジ部65,65を弾性部材47を介して一つの固定部
材48の螺子締めによる押し付けでディスプレーサー3
1,32に固定するようにしてもよい。
【0057】斯くすることにより、各シールリング6,
6の固定を確実なものとできながら、第4実施例と同様
に摺動方向のシールも良好に行えるのである。
【0058】尚、以上の実施例では、前記インナー付勢
体8としてコイルスプリングを使用したが、該コイルス
プリングに限らず、断面U字形状のバネ板片を複数配設
する場合にも、本発明は適用できる。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、前記無端
シールリング6と前記インナー付勢体8との間の付勢面
部に、前記無端シールリング6の材質より硬い、低温下
で低収縮率の薄板9を介在させたから、前記無端シール
リング6が極低温下で収縮しても、前記薄板9でこの収
縮を受けられるので、該薄板9により無端シールリング
6の径方向内方への収縮を軽減して、前記無端シールリ
ング6によるシール性を保持できるのである。
【0060】請求項2記載の発明によれば、前記薄板9
を内リップ61とインナー付勢体8との間の付勢面部に
介在させることにより、前記薄板9で、少なくとも前記
外リップ62が収縮するのを防止できるので、前記無端
シールリング6の外リップ62によるシール性を簡単な
構成で保持できる。
【0061】請求項3記載の発明によれば、前記薄板9
を外リップ62とインナー付勢体8との間の付勢面部に
介在させることにより、無端シールリング6の収縮しよ
うとしても、前記薄板9により、前記外リップ62が収
縮するのを防止して、該外リップ62によるシール性を
保持できながら、前記無端シールリング6の収縮作用
で、該無端シールリング6の外リップ62に前記インナ
ー付勢体8が食い込んで前記無端シールリング6の肉厚
が薄くなるのも防止して、前記無端シールリング6の摩
耗による前記インナー付勢体8の露出を防止することに
より、前記インナー付勢体8によりシリンダ1の損傷を
防止できるのである。
【0062】請求項4記載の発明によれば、前記薄板9
を内リップ61とインナー付勢体8との間の付勢面部及
び外リップ62とインナー付勢体8との間の付勢面部に
介在させたから、無端シールリング6の収縮を確実に防
止して、シール性をより良好に保持できながら、前記内
リップ61及び外リップ62の双方の前記インナー付勢
体8の喰いこみを防止できるので、前記無端シールリン
グ6の摩耗によるインナー付勢体8の露出による前記シ
リンダ1の損傷も防止できるのである。
【0063】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の発明において、前記薄板9を、内リップ側薄板片9
1と外リップ側薄板片92とを連続させた断面U字形を
呈するように形成したから、該薄板9及びインナー付勢
体8の前記無端シールリング6への組付けを容易に行
え、かつ、前記薄板9の前記無端シールリング6からの
抜けも防止できるのである。
【0064】請求項6記載の発明によれば、前記無端シ
ールリング6の材質よりも硬く、低温下での収縮率も低
く、しかも、鉄に比べ軟らかい銅により前記薄板9を形
成したから、シールを良好に行えながら、前記薄板9の
成形加工を良好に行えるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 極低温膨張機のシール装置の第1実施例を示
す極低温膨張機の一部省略断面図。
【図2】 同第1実施例におけるシールリングを取付け
た極低温膨張機の要部の拡大断面図。
【図3】 図1のX−X線における横断面図。
【図4】 本発明の薄板を示す斜視図。
【図5】 第2実施例におけるシールリングを取付けた
極低温膨張機の要部の拡大断面図。
【図6】 第3実施例におけるシールリングを取付けた
極低温膨張機の要部の拡大断面図。
【図7】 第4実施例におけるシールリングを取付けた
極低温膨張機の要部の拡大断面図。
【図8】 第5実施例におけるシールリングを取付けた
極低温膨張機の要部の拡大断面図。
【図9】 第6実施例におけるシールリングを取付けた
極低温膨張機の要部の拡大断面図。
【図10】 従来の極低温膨張機の概略断面図。
【図11】 従来のシールリングの斜視図。
【図12】 従来の他のシールリングを組付けた極低温
膨張機の要部の拡大断面図。
【図13】 従来の他のシールリングを組付けた極低温
膨張機の要部の拡大断面図。
【符号の説明】
31,32 ディスプレーサー 6 シールリング(無端型) 61 内リップ 62 外リップ 8 インナー付勢体 9 薄板 91 内リップ側薄板片 92 外リップ側薄板片

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスプレーサー(31)(32)の外周
    部に、インナー付勢体(8)で離反方向に付勢する内リ
    ップ(61)及び外リップ(62)をもつ断面略U字形
    の無端シールリング(6)を取付けた極低温膨張機のシ
    ール装置であって、前記無端シールリング(6)と前記
    インナー付勢体(8)との間の付勢面部に、前記無端シ
    ールリング(6)の材質より硬い、低温下で低収縮率の
    薄板(9)を介在させていることを特徴とする極低温膨
    張機のシール装置。
  2. 【請求項2】薄板(9)を内リップ(61)とインナー
    付勢体(8)との間の付勢面部に介在させている請求項
    1記載の極低温膨張機のシール装置。
  3. 【請求項3】薄板(9)を外リップ(62)とインナー
    付勢体(8)との間の付勢面部に介在させている請求項
    1記載の極低温膨張機のシール装置。
  4. 【請求項4】薄板(9)を内リップ(61)とインナー
    付勢体(8)との間の付勢面部及び外リップ(62)と
    インナー付勢体(8)との間の付勢面部に介在させてい
    る請求項1記載の極低温膨張機のシール装置。
  5. 【請求項5】薄板(9)が、内リップ側薄板片(91)
    と外リップ側薄板片(92)とを連続させた断面U字形
    を呈する請求項4記載の極低温膨張機のシール装置。
  6. 【請求項6】 薄板(9)が銅からなる請求項1乃至請
    求項5の何れか一記載の極低温膨張機のシール装置。
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