JPH08259997A - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 泡性状および油汚れに対する洗浄力を同時に
満足する液体洗浄剤組成物を提供することを目的とす
る。 【構成】 （Ａ）脂肪酸又はその塩０．０５〜０．５重
量％（脂肪酸換算で）と、（Ｂ）ノニオン性界面活性剤
０．１〜２重量％と、（Ｃ）アルカノ−ルアミン０．５
〜３重量％と、（Ｄ）溶剤１〜２０重量％と、（Ｅ）残
部水とを含むことを特徴とする液体洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液体洗浄剤組成物に係
り、特に、一般家庭の台所などに生じる油汚れの洗浄に
好適に使用される液体洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般家庭の台所などに生じる油汚れは、
調理の際に用いた油や、食物中に含まれる油が加熱時に
微粒子となって空気中に舞い上がり、台所の壁や台所用
品に付着したものが多い。これらの油は、放置しておく
と、空気中の酸素や熱によって、変性を受ける。この変
性した油を除去するためには、強力な化学的もしくは機
械的な処理が必要となる。このような処理のために用い
られる化学物質としては、水酸化ナトリウムなどの苛性
アルカリやモノエタノールアミンなどの有機アルカリが
知られている。

【０００３】しかしながら、かかる苛性アルカリや有機
アルカリによっては、これらを単独で、又はさらに界面
活性剤と併用して使用しても、あるいはさらにグリコー
ルエーテルなどの溶剤と併用して使用しても、十分な洗
浄力が得られないのが実状である（特公昭５０−４０１
２６号公報、特公昭５６−４５５１９号公報、特公平４
−７３４７８号公報）。

【０００４】また、使い勝手の観点から、トリガースプ
レー容器を用いて液体洗浄剤を噴霧することが行われて
いるが、このようなトリガースプレー容器を用いた場
合、アルカリあるいはこれと界面活性剤、溶剤を組み合
わせた洗浄剤の泡性状（泡の立ち易さ、消えにくさ、垂
れにくさ）は満足できるレベルではなく、特に、垂直面
に対し噴霧した場合には、使い勝手も良好ではない（特
公平４−４９５９９号公報）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このように、実際にト
リガースプレー容器を用いて液体洗浄剤を噴霧すると
き、生じる泡の性状（立ち易さ、消えにくさ、垂れにく
さなど）が良好であって、油汚れの除去に有効であるこ
とが望まれている。従って、本発明の目的は、優れた泡
性状と優れた油汚れ洗浄力とを同時に満足する液体洗浄
剤組成物を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、界面活性剤と
して脂肪酸又はその塩とノニオン性界面活性剤の組み合
わせを用い、アルカリ剤としてアルカノールアミンを用
い、溶剤として親水性の高い溶剤を組合せることによ
り、泡性状および油汚れに対する洗浄力を同時に満足す
ることを見い出だし、発明を完成するに至った。

【０００７】即ち、本発明は、（Ａ）脂肪酸又はその塩
０．０５〜０．５重量％（脂肪酸換算で）と、（Ｂ）ノ
ニオン性界面活性剤０．１〜２重量％と、（Ｃ）下記一
般式（１）で表されるアルカリ性物質０．５〜３重量％
と、（Ｄ）溶剤１〜２０重量％と、（Ｅ）残部水とを含
むことを特徴とする液体洗浄剤組成物を提供する。

【０００８】

【化２】

【０００９】（式中、Ｒ₁ は炭素数１〜４のヒドロキシ
アルキル基、Ｒ₂ は水素又は炭素数１〜４のヒドロキシ
アルキル基、Ｒ₃ は水素又は炭素数１〜４のアルキル基
を表す。） 本発明の液体洗浄剤に用いられる（Ａ）成分の脂肪酸
は、炭素鎖長が８〜２０であればどのようなものでもよ
く、飽和、不飽和、直鎖、分岐によって特に制限される
ことはない。しかし、好ましくは、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸がよい。

【００１０】（Ａ）成分の配合量は、０．０５〜０．５
重量％であり、好ましくは０．１〜０．３重量％であ
る。（Ａ）成分の配合量が０．０５％よりも少ないと、
泡の立ち易さが劣り、０．５％よりも多いと、油汚れ洗
浄力が劣り、好ましくない。

【００１１】脂肪酸の対イオンとしては、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属イオン、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンイ
オンが使用可能である。

【００１２】（Ｂ）成分である非イオン界面活性剤は、
高級アルコール（炭素数８〜２０の第１級又は第２級ア
ルコ−ル）ポリオキシエチレン（５〜３０モル付加）エ
ーテル、高級脂肪酸（炭素数８〜２０）ジエタノールア
ミド、アルキル（炭素数８〜２０）ジメチルアミンオキ
シドが使用可能であるが、好ましくは高級脂肪酸ジエタ
ノールアミド及びアルキルジメチルアミンオキシドが用
いられる。

【００１３】（Ｂ）成分の配合量は、０．１〜２重量％
であり、好ましくは０．５〜１．５重量％である。
（Ｂ）成分の配合量が０．１％より少ないと、泡の立ち
易さが劣り、２％より多く配合しても泡性状の格別な向
上は無く、経済的に好ましくない。

【００１４】（Ｃ）成分であるアルカリ物質としては、
上記一般式（１）で表される１種または２種以上のアル
カノールアミンが用いられる。かかるアルカノールアミ
ンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、Ｎ−メチルエタノールアミン、Ｎ−エチル
エタノールアミン、Ｎ−ブチルモノエタノールアミン、
Ｎ−ブチルジエタノールアミンなどがあげられる。これ
らの中で好ましいアルカノールアミンは、モノエタノー
ルアミン、Ｎ−ブチルモノエタノールアミン、Ｎ−ブチ
ルジエタノールアミンである。

【００１５】（Ｃ）成分の配合量は、０．５〜３重量％
であり、好ましくは１．０〜２．５重量％である。
（Ｃ）成分の配合量が０．５％よりも少ないと、油汚れ
洗浄力が不十分であり、３％より多く配合しても油汚れ
洗浄力の格別な向上は認められず、経済的に好ましくな
い。

【００１６】（Ｄ）成分である溶剤は、特に限定される
ことなく、他の必須成分とともに配合したとき、均一に
溶解するものであれば、どのようなものをも用いること
ができるが、油汚れ洗浄力の点からは、下記一般式
（２）で表されるアルキレングリコール系溶剤が好まし
い。

【００１７】 ＲＯ｛（Ｃ₂ Ｈ₄ Ｏ）m （Ｃ₃ Ｈ₆ Ｏ）n ｝Ｈ （２） （式中、Ｒは炭素数１〜４のアルキル基を示し、ｍ及び
ｎは各々０〜３の数字であって、同時に０になることは
無く、｛｝内はｍ及びｎが０より大きいとき、オキシエ
チレン基とオキシプロピレン基がランダム状及び又はブ
ロック状に結合してなるポリオキシアルキレン鎖であ
る。） かかるアルキレングリコール系溶剤としては、例えば、
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレン
グリコールエチレングリコールモノブチルエーテルなど
を挙げることができる。

【００１８】（Ｄ）成分の配合量は、１〜２０重量％で
あり、好ましくは５〜１５重量％である。（Ｄ）成分の
配合量が１％より少ないと、油汚れ洗浄力が不十分であ
り、２０％より多く配合しても、溶剤臭が強く、使用時
に不快感を与え、好ましくない。

【００１９】（Ｅ）成分である水の量は、全体が１００
重量％になるような量である。本発明の洗浄剤組成物
は、上記必須成分に加え、使用目的に応じて、色素、香
料、金属イオン封鎖剤などの補助成分を配合することも
可能である。

【００２０】

【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例を示し、本
発明についてより具体的に説明する。最初に、実施例及
び比較例で用いた評価方法について説明する。

【００２１】１．泡性状の評価 一般家庭の台所の垂直な壁やガスレンジ台などに付着し
ている油汚れに、トリガースプレー容器を用いて、それ
ぞれの試験試料を泡状に吹き付けた時の、泡の立ち易
さ、消えにくさ、垂れにくさを、下記の基準で総合評価
した。 （評価基準） ○：泡が十分に立ち、消えにくく、垂れにくい △：泡立ちが不十分であり、垂れやすい ２．油汚れ洗浄力の評価 一般家庭の台所の垂直な壁やガスレンジ台などに付着し
ている油汚れに、トリガースプレー容器を用いて、それ
ぞれの試験試料を吹き付け、一定時間後の油汚れの落ち
具合を下記の基準で目視評価した。 （評価基準） ○：油汚れが殆ど除去されている △：除去しきれない油汚れがのこっている 下記表１〜表５に記載の配合組成の２５種の洗浄剤組成
物を調製し、これらの性能を上記評価基準の下に評価し
た。その結果を同表に示す。

【００２２】

【表１】

【００２３】

【表２】

【００２４】

【表３】

【００２５】

【表４】

【００２６】

【表５】

【００２７】上記表から明らかなように、本発明の各必
須成分（Ａ）〜（Ｅ）すべてを所定量含有する本発明の
洗浄剤組成物（実施例１〜１０）は、いずれも優れた性
能を示している。これに対し、Ａ成分を含有しない洗浄
剤組成物（比較例４，７，１０，１２，１３）、Ａ成分
の含有量が少ない洗浄剤組成物（比較例１１，１４）、
及びＢ成分を含有しない洗浄剤組成物（比較例２，６，
８）は、泡性状が劣り、Ａ成分の配合量が多過ぎる洗浄
剤組成物（比較例５）、Ｃ成分を含有しない洗浄剤組成
物（比較例９）、Ｃ成分の含有量が少ない洗浄剤組成物
（比較例１，１０）、Ｃ成分の配合量が多すぎる洗浄剤
組成物（比較例１４）、及びＤ成分の配合量が少ない洗
浄剤組成物（比較例３）は、いずれも油汚れ洗浄力が劣
っていることがわかる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
界面活性剤として脂肪酸とノニオン性界面活性剤の組み
合わせを用い、アルカリ剤としてアルカノールアミンを
用い、溶剤として親水性の高い溶剤を用いることによ
り、泡性状および油汚れに対する洗浄力を同時に満足す
る液体洗浄剤組成物を得ることが可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ１１Ｄ 7:50） (72)発明者 福田 正博 東京都墨田区本所１丁目３番７号 ライオ ン株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（Ａ）脂肪酸又はその塩０．０５〜０．５
   重量％（塩は脂肪酸換算で）と、 （Ｂ）ノニオン性界面活性剤０．１〜２重量％と、 （Ｃ）下記一般式（１）で表されるアルカリ物質０．５
   〜３重量％と、 （Ｄ）溶剤１〜２０重量％と、 （Ｅ）残部水とを含むことを特徴とする液体洗浄剤組成
   物。 【化１】 （式中、Ｒ₁ は炭素数１〜４のヒドロキシアルキル基、
   Ｒ₂ は水素又は炭素数１〜４のヒドロキシアルキル基、
   Ｒ₃ は水素又は炭素数１〜４のアルキル基を表す。）
2. 【請求項２】前記アルカリ物質がモノエタノールアミン
   又はＮ−ブチルモノエタノールアミンであることを特徴
   とする請求項１に記載の液体洗浄剤組成物。
3. 【請求項３】前記脂肪酸が炭素数１２〜１６であること
   を特徴とする請求項１又は２に記載の液体洗浄剤組成
   物。
4. 【請求項４】前記溶剤が下記一般式（２）で表される化
   合物であることを特徴とする請求項１ないし３のいずれ
   か１項に記載の液体洗浄剤組成物。 ＲＯ｛（Ｃ₂ Ｈ₄ Ｏ）m （Ｃ₃ Ｈ₆ Ｏ）n ｝Ｈ （２） （式中、Ｒは炭素数１〜４のアルキル基を示し、ｍ及び
   ｎは各々０〜３の数字であって、同時に０になることは
   無く、｛｝内はｍ及びｎが０より大きいとき、オキシエ
   チレン基とオキシプロピレン基がランダム状及び又はブ
   ロック状に結合してなるポリオキシアルキレン鎖であ
   る。）
5. 【請求項５】ガスレンジ用洗剤である請求項１に記載の
   液体洗浄剤組成物。