JPH08259829A - 水溶性リコピン製剤 - Google Patents
水溶性リコピン製剤Info
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Abstract
に、十分な溶解性と安定性をもって配合することが可能
な水溶性リコピン製剤及び水系組成物中においてリコピ
ンを溶解させ十分に安定化させる方法を提供する。 【構成】 リコピンをγ−サイクロデキストリンに包接
させて水系組成物に添加すると共に、グルテン及び/又
はアスコルビン酸を水系組成物に添加することで水系組
成物中におけるリコピンの安定化を図り、また、リコピ
ン製剤を、γ−サイクロデキストリンに、好ましくは2
00〜100000倍量(モル)のγ−サイクロデキス
トリンに包接されたリコピンと、リコピンの等重量以上
のグルテン及び/又はアスコルビン酸とを含有する構成
とした。
Description
び水系組成物中におけるリコピンの安定化方法に関し、
詳しくは各種水系組成物に簡便に、十分な溶解性と安定
性をもって配合することが可能な水溶性リコピン製剤及
び水系組成物中においてリコピンを十分に安定化させる
方法に関する。
果実に多量に存在するカロチノイドの一種であり、天然
の褐赤色色素として、天然着色や生理活性付与の目的
で、食品、化粧品、医薬品等に広く用いられている。リ
コピンを初めとするカロチノイド類は一般に水不溶性で
あり、従って、上記各種組成物が水系である場合これら
組成物にリコピンを配合する際には、乳化剤等を用いて
分散系にして配合することがよく行われている。しか
し、この方法では、苦味を感じる、リコピン本来の赤色
がでない等の問題があった。
熱、光等の影響を受けて酸化され易く、これらを上記各
種組成物中に安定に存在させることは、非常に難しいこ
とであった。
いで十分に分散あるいは溶解でき、且つ組成物に配合し
たときにリコピンが安定して存在できるようなリコピン
の安定化方法及び、水系組成物に配合して上記特性を有
する様な水溶性リコピン製剤の開発が望まれていた。
溶化については、種々研究されており、例えば、β−カ
ロチンに関しては、サイクロデキストリンに包接して水
溶化する方法(特開昭62−267261号公報、特開
平4−244059号公報等)が、また、特にカロチノ
イドの種類を限定してはいないが、カロチノイドとアラ
ビアゴムとサイクロデキストリン等の添加剤を混合粉砕
させて水分散性のカロチノイド製剤を得る方法(特開昭
57−3861号公報)等が知られている。
るために、サイクロデキストリンを用いる報告(特開平
1−218573号公報、特開平3−266951号公
報等)や、ハマメリスの抽出物を用いる報告(特公平7
−785号公報)等がある。
ら上記の各方法を用いたのでは、例えば、通常のサイク
ロデキストリンに包接させただけでは、水溶性はある程
度まで得られるものの、安定性が十分には得られなかっ
た。
なされたものであって、各種水系組成物に、乳化剤等を
用いずに簡便に、十分な溶解性と安定性をもって配合す
ることが可能な水溶性リコピン製剤及び水系組成物中に
おいてリコピンを溶解させ十分に安定化させる方法を提
供することを課題とする。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、リコピンをγ−
サイクロデキストリンに包接させ、更にこれにグルテン
及び/又はアスコルビン酸を添加することで、リコピン
に十分な水溶性と安定性を付与することができることを
見出し、本発明を完成させた。
リンに包接されたリコピンと、グルテン及び/又はアス
コルビン酸とを含有する水溶性リコピン製剤及び水系組
成物中におけるリコピンの安定化方法において、リコピ
ンをγ−サイクロデキストリンに包接させて水系組成物
に添加すると共に、グルテン及び/又はアスコルビン酸
を水系組成物に添加することを特徴とする水系組成物中
におけるリコピンの安定化方法である。
リンに包接されたリコピンと、グルテン及び/又はアス
コルビン酸とを含有する。
ロデキストリンに包接させて配合するが、これは、後述
のようにγ−サイクロデキストリン包接物におけるリコ
ピンの安定性が、α−サイクロデキストリン包接物、β
−サイクロデキストリン包接物におけるリコピンの安定
性に比べてよいからである。また、常温における100
mLの水に対する各サイクロデキストリン包接物の溶解
重量を比較すると、α−サイクロデキストリン包接物が
14.5g、β−サイクロデキストリン包接物が1.8
5g、γ−サイクロデキストリン包接物が23.2g
と、γ−サイクロデキストリン包接物が最も水溶性に優
れている。
接させる際のリコピンとγ−サイクロデキストリンとの
混合比は、モル比で1:200〜1:100000の範
囲であることが好ましい。図1にリコピンに対するγ−
サイクロデキストリンの混合割合(モル)とγ−サイク
ロデキストリンのリコピン包接率の関係(横軸:γ−サ
イクロデキストリンの量/リコピンの量(モル)、縦
軸:包接率)を示すが、このグラフからもわかるよう
に、リコピンに対するγ−サイクロデキストリンの量が
上記範囲より少ないとリコピンを十分に包接できないこ
とがあり、また、上記範囲を越える多量のγ−サイクロ
デキストリンを用いると、得られるγ−サイクロデキス
トリン包接物の水に対する溶解性に問題が生じることが
ある。
接させる方法は、一般にサイクロデキストリンに化合物
を包接させる方法と同様の方法、例えば、混練法や飽和
水溶液法、ホモミキサー等を用いた高速撹拌法をとれば
よい。混練法を用いた具体例をあげると、リコピンとγ
−サイクロデキストリンとを混合し、これに水を加え乳
鉢で10〜50℃の温度で、1時間〜5時間程度混練し
た後、これを10〜50℃、遮光下で乾燥させることに
よりγ−サイクロデキストリンのリコピン包接物が得ら
れる。リコピンは、不安定な化合物であるため、50℃
を越える環境下では崩壊することがあり、上記包接工程
において温度は常に50℃を越えないことが好ましい。
また、上記包接方法において水を用いる替わりに、メタ
ノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類
や、アセトン等のケトン類等のリコピンを溶解しない有
機溶媒を用いることも可能である。水を含めたこれらの
溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、あるいは2種以
上を混合して用いてもよい。
して得られるγ−サイクロデキストリンのリコピン包接
物の他に、必須成分としてグルテン及び/又はアスコル
ビン酸を含有する。リコピンをγ−サイクロデキストリ
ンに包接することで、ある程度の安定性が得られるがま
だ十分とは言えず、この様なγ−サイクロデキストリン
のリコピン包接物に、更にグルテン及び/又はアスコル
ビン酸を加えることで、リコピンの安定性が増大し使用
に十分耐え得るまでの安定性を付与することができる。
量であるが、製剤中のリコピンに対するグルテン及び/
又はアスコルビン酸の重量比が1以上であることが好ま
しい。製剤中のリコピンの重量よりもグルテン及び/又
はアスコルビン酸の重量が少ないとリコピンに十分な安
定性を付与できないことがある。
リコピン包接物とグルテンを配合する場合には、リコピ
ンに対するグルテンの重量比が100以下であることが
好ましく、リコピン重量の100倍量を越える多量のグ
ルテンを用いると、得られるリコピン製剤の水溶液が白
濁することがある。製剤にγ−サイクロデキストリンの
リコピン包接物とアスコルビン酸を配合する場合には、
リコピンに対するアスコルビン酸の重量比が1000以
下となるように配合することが好ましく、アスコルビン
酸をリコピン重量の1000倍量を越えて用いると、食
品等にした場合に味の面で問題が起こることがある。更
に、本発明の水溶性リコピン製剤においては、必要応じ
てリコピンの水溶性や安定性を妨げない範囲で、上記以
外の各種成分を配合することも可能である。
ピンの安定化方法 本発明の水系組成物中におけるリコピンの安定化方法に
おいては、まず上記本発明の水溶性リコピン製剤と同様
にしてリコピンをγ−サイクロデキストリンに包接させ
る。本発明の安定化方法では、この様にして得られたγ
−サイクロデキストリンのリコピン包接物を水系組成物
に添加すると共に、グルテン及び/又はアスコルビン酸
を添加する。
アスコルビン酸の量については、添加される水系組成物
により異なるが、少なくとも添加するリコピンと等重量
で添加することが好ましい。添加するグルテン及び/又
はアスコルビン酸の重量がリコピンの重量より少ないと
十分な安定性が得られないことがある。また、グルテン
やアスコルビン酸の添加量の上限に関しては、上記本発
明の水溶性リコピン製剤での記載と同様である。
イクロデキストリン(東京化成製、CD36)60mg
を混ぜ、1.0mLの水を加えて乳鉢で室温下、3時間
混練した。その後、室温、遮光下で乾燥させることによ
り、γ−サイクロデキストリンのリコピン包接物を得
た。このリコピン包接物にグルテン(和光純薬工業製)
30mgを添加混合し、本発明の水溶性リコピン製剤を
得た。
イクロデキストリンのリコピン包接物に、アスコルビン
酸(和光純薬工業製)30mgを添加混合し、本発明の
水溶性リコピン製剤を得た。
リコピン包接物を作製したのと同様にして、γ−サイク
ロデキストリンのリコピン包接物(比較例1のリコピン
製剤)を作製した。また、γ−サイクロデキストリンの
替わりに、α−サイクロデキストリン(東京化成製、α
−サイクロデキストリン)を用いた以外は全く同様にし
てα−サイクロデキストリンのリコピン包接物(比較例
2のリコピン製剤)を得た。更に、これと同様にしてβ
−サイクロデキストリン(東京化成製、β−サイクロデ
キストリン)を用いて、β−サイクロデキストリンのリ
コピン包接物(比較例3のリコピン製剤)を得た。
記各実施例及び各比較例で得られたリコピン製剤につい
て、安定性の評価を行った。
たリコピン製剤145.3mgを加え、これが溶解する
までよく撹拌した。この水溶液を5本の試験管に1.0
mLずつ入れ、室温15℃の実験室で、4000ルック
スの蛍光灯の照射光を当てながら10日間放置した。こ
の時の水溶液中のリコピン含量を経時的に測定した。こ
れと同様の試験を、上記実施例1で得られたリコピン製
剤の替わりにリコピンを用いて、また、他の実施例及び
各比較例で得られたリコピン製剤を用いて行った。尚、
上記実験におけるリコピン含量の計測は、高速液体クロ
マトグラフ法で行った。
ピン含量(開始時のリコピン含量を100%としたとき
の百分率(%)))に示す。ここで、図2中、○はコン
トロール(リコピンのみ)について、●は比較例2のリ
コピン製剤(α−サイクロデキストリンのリコピン包接
物)について、■は比較例3のリコピン製剤(β−サイ
クロデキストリンのリコピン包接物)について、◆は比
較例1のリコピン製剤(γ−サイクロデキストリンのリ
コピン包接物)について、□は実施例2のリコピン製剤
について、△は実施例1のリコピン製剤について、それ
ぞれ試験管5本の測定平均値のプロットを示す。
検定を行った結果、比較例の3つのリコピン包接物で
は、(α−サイクロデキストリンのリコピン包接物、β
−サイクロデキストリンのリコピン包接物、γ−サイク
ロデキストリンのリコピン包接物)γ−サイクロデキス
トリンのリコピン包接物が、他の2種類のリコピン包接
物に対して危険率5%未満で有意であり、更に、本発明
の実施例1、2のリコピン製剤は共に、比較例1のリコ
ピン製剤(γ−サイクロデキストリンのリコピン包接
物)に比べ危険率0.1%未満で有意であることがわか
った。
溶性リコピン製剤は、比較例のリコピン製剤に比べて、
水溶液中において安定性が非常によい。
溶解性を有し、各種水系組成物に乳化剤等を用いずに簡
便に配合することが可能であり、更に、得られる水系組
成物中におけるリコピンの安定性にも優れる。また、本
発明の方法によれば、水系組成物中においてリコピンを
溶解させ十分に安定化することが可能である。
の混合割合(モル)とγ−サイクロデキストリンのリコ
ピン包接率の関係を示す図。
におけるリコピンの安定性を示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 γ−サイクロデキストリンに包接された
リコピンと、グルテン及び/又はアスコルビン酸とを含
有する水溶性リコピン製剤。 - 【請求項2】 製剤中のリコピンとγ−サイクロデキス
トリンとのモル比が1:200〜1:100000であ
る請求項1に記載の水溶性リコピン製剤。 - 【請求項3】 製剤中のリコピンに対するグルテン及び
/又はアスコルビン酸の重量比が1以上である請求項1
に記載の水溶性リコピン製剤。 - 【請求項4】 水系組成物中におけるリコピンの安定化
方法において、リコピンをγ−サイクロデキストリンに
包接させて水系組成物に添加すると共に、グルテン及び
/又はアスコルビン酸を水系組成物に添加することを特
徴とする水系組成物中におけるリコピンの安定化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7068037A JP2838051B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 水溶性リコピン製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08259829A true JPH08259829A (ja) | 1996-10-08 |
JP2838051B2 JP2838051B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=13362206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7068037A Expired - Lifetime JP2838051B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 水溶性リコピン製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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- 1995-03-27 JP JP7068037A patent/JP2838051B2/ja not_active Expired - Lifetime
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