JP2019157063A - 藍葉加工産物を含有する着色料 - Google Patents
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Abstract
Description
藍は布製品の染めの原料としてだけでなく、薬用植物として解毒、解熱、消炎のために肌に塗布、貼付したり、あるいは煎じて飲料、食料として服用されてもいる。また、近年の天然食品ブームとあいまって、藍は葉や実自体が食用としても供されている(非特許文献1)。
<藍葉加工産物およびシクロデキストリンを含有する組成物>
[1]
藍葉由来のインジゴを70%以上の濃度で含有する藍葉加工産物、およびシクロデキストリンを含有する組成物。
[2]
シクロデキストリンの量がインジゴに対して1当量から10当量である、[1]記載の組成物。
[3]
粉砕状態にある、[1]または[2]記載の組成物。
[4]
水溶媒に分散している、[1]から[3]のいずれか記載の組成物。
[5]
藍葉加工産物におけるインジゴの一部および/または全部が、シクロデキストリンと包接している包接錯体を含有する、[4]記載の組成物。
[6]
着色料である[1]から[5]のいずれか記載の組成物。
[7]
食品着色料である[6]記載の組成物。
<藍葉加工産物およびシクロデキストリンを含有する組成物の製造方法>
[8]
1)藍葉を水系溶媒中、煮沸し、インジカンを含有する抽出液を入手し、β−グルコシダーゼで処理し、インジゴ含有沈殿物を濾取し、得られたインジゴ含有沈殿物を粉砕し、藍葉由来のインジゴを70%以上の濃度で含有する藍葉加工産物を調製し、次いで
2)得られた藍葉加工産物をシクロデキストリンと混合し、粉砕する、
[1]記載の組成物を製造する方法。
さらには、藍色の天然着色料は、食品や飲料に限らず、日本の伝統色を活かした各種日用品や家具などへの適用も可能である。
本発明は一つの態様として、藍葉由来のインジゴを70%以上の濃度で含有する藍葉加工産物、およびシクロデキストリンを含有する組成物に関する。本発明の組成物は図1中、[E]に相当する。
この様式において、本発明は、別の態様として、水溶媒に分散している本発明の組成物、および水溶媒に分散している本発明の組成物において、藍葉加工産物におけるインジゴの一部および/または全部がシクロデキストリンと包接している包接錯体を含有する本発明の組成物を提供する。
藍葉を水系溶媒中、100℃〜110℃で、10分から20分間煮沸し、インジカンを含有する抽出液[A]を入手し、β−グルコシダーゼで処理し、インジゴ含有沈殿物を濾取し、得られたインジゴ含有沈殿物[CまたはD]を粉砕し、藍葉由来のインジゴを70%以上の濃度で含有する藍葉加工産物を製造する。
1)藍葉を水系溶媒中、100℃〜110℃で10分から20分間煮沸し、インジカンを含有する抽出液を入手し、β−グルコシダーゼで処理し、インジゴ含有沈殿物を濾取し、得られたインジゴ含有沈殿物を粉砕し、藍葉由来のインジゴを70%以上の濃度で含有する藍葉加工産物を製造し、次いで
2)得られた藍葉加工産物をシクロデキストリンと混合し、粉砕する、
工程によって製造される。得られた混合物はボールミルや電動石臼製粉機等により粉砕することが好ましい。
藍葉を100℃〜110℃において10分から20分間の煮沸することにより、藍葉に付着している細菌や酵素を殺菌し失活させ、インジカンを含む可溶性成分[A]を抽出する。インジカンを含有する抽出液[A]を調製する際、所定量の藍葉を耐熱性ネット等に袋詰めし、煮沸すると、藍葉を除去し抽出液を回収するのに便利である。あるいは、所定量の藍葉を、水系溶媒を入れた容器に投入し、容器を熱し、煮沸した液を濾過することで、インジカンを含有する抽出液を調製できる。
使用するβ−グルコシダーゼの量は、インジカン量に対して10から30倍量が望ましい。酵素処理は通常、温度40から60℃、好ましくは約50℃にて、約1時間から2時間行う。酵素処理は通常、溶存酸素濃度を高めるために酸素バブリングを伴い、圧力は0.01から1.0MPaが好ましく、0.1MPaがより好ましい。次に、得られたインジゴ含有沈殿物を濾紙等を用いて濾取し[C]、要すれば、藍葉に含まれるフラボノイド類を除去するため、50%エタノール水、エタノール等のアルコールで洗浄、精製し、次いで乾燥する[D]。通常、アルコール精製後におけるインジゴの濃度は90%前後である。次に、得られたインジゴを、1当量から10当量の、好ましくは1当量から5当量の、さらに好ましくは1当量から3当量の、より好ましくは2当量のα−、β−および/またはγ−シクロデキストリンと、さらにより好ましくは2当量のα−シクロデキストリンと混合し、粉砕することで、本発明の組成物[E]が得られる。粉砕は、ボールミル、超音波、摩砕機、製粉機、等によって行う。
藍色の水溶性着色料の製造
1−1: インジカン水溶液の製造
徳島市多良家町で収穫した藍葉1.5kgを耐熱性ネットに封入後、沸騰水6.25Lに浸し20分間熱水抽出を行う。その後、藍葉を除去し濾液を回収し、高濃度のインジカン抽出液を得た。インジカン量は高速液体クロマトグラフィーにて分析し、8.1gであることが判明した。
1−1にて入手したインジカン抽出液[A]にβ-グルコシダーゼ234gを添加し、約50℃および酸素バブリング(0.1MPa)を行いながら酵素処理を2時間行う。処理後の沈殿物は生産用濾紙・No.26 (アドバンテックトーヨー製)を用いて回収し、回収した沈殿物は50%エタノール水およびエタノールを使用して藍葉に含まれるフラボノイド類を除去した。残った沈殿物を乾燥し純度82%、3.3gの藍葉加工産物を得た。
1−2にて入手した藍葉加工産物を水中で超音波処理し、粒子の微細化を行った。超音波で微細にした藍葉加工産物を凍結乾燥し、微細化した藍葉加工産物を回収した。微細化した藍葉加工産物および1当量、2当量および3当量のそれぞれα、β、γ−シクロデキストリンを、すり鉢を用いて混ぜ合わせることで、9つの組成物を得た。
水溶性着色料の品質評価
実施例1にて調製したα、β、γ−シクロデキストリン1当量、2当量および3当量をそれぞれ含有する9つの組成物および水を用い、藍葉加工産物[実施例1の1−2]が0.005vol%濃度となる量を含む着色液を作製した。混合直後、およびその後一日間静置し、それぞれの沈殿物を目視で確認した。一日静置後の沈殿物は微量であることから実施例1の各組成物は水溶性の着色料であると判断された。得られた結果を示す写真を図2−1、図2−2および図2−3に示す。
図2−3から分かるとおり、2当量のα−シクロデキストリンが最も沈殿物が少なかった。
Claims (8)
- 藍葉由来のインジゴを70%以上の濃度で含有する藍葉加工産物、およびシクロデキストリンを含有する組成物。
- シクロデキストリンの量がインジゴに対して1当量から10当量である、請求項1記載の組成物。
- 粉砕状態にある、請求項1または2記載の組成物。
- 水溶媒に分散している、請求項1から3のいずれか記載の組成物。
- 藍葉加工産物におけるインジゴの一部および/または全部が、シクロデキストリンと包接している包接錯体を含有する、請求項4記載の組成物。
- 着色料である請求項1から5のいずれか記載の組成物。
- 食品着色料である請求項6記載の組成物。
- 1)藍葉を水系溶媒中、煮沸し、インジカンを含有する抽出液を入手し、β−グルコシダーゼで処理し、インジゴ含有沈殿物を濾取し、得られたインジゴ含有沈殿物を粉砕し、藍葉由来のインジゴを70%以上の濃度で含有する藍葉加工産物を調製し、次いで
2)得られた藍葉加工産物をシクロデキストリンと混合し、粉砕する、
請求項1記載の組成物を製造する方法。
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