JP2005006606A - 色調変化防止剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビタミンB2またはその誘導体を配合することを特徴とするキノン系色素の色調変化防止剤であり、その色調変化防止剤を含有するものの形態は、液剤または固形剤であってもよく、液剤であれば、ドリンク、シロップなど、固形剤であれば、顆粒、細粒または錠剤などである。さらに、ビタミンB2またはその誘導体を配合することによりキノン系色素の色調変化が防止された組成物であり、その組成物を含有するものの形態は、液剤または固形剤であってもよく、液剤であれば、ドリンク、シロップなど、固形剤であれば、顆粒、細粒または錠剤などである。その組成物は、医薬品、医薬部外品、健康食品、食品、飲料、飼料などである。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビタミンB2またはその誘導体を含有することにより、キノン系色素の色調変化が防止された組成物、飲食品、医薬品等に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食品の嗜好性を高めるために、古くから様々な色素が用いられてきたが、最近では特に天然色素に対する消費者ニーズが高まってきている。現在、天然色素として用いられているものは、カロチノイド系、キノン系、フラボノイド系、ポルフィリン系、ジケトン系、ベタシアニン系、アザフィロン系、その他に大きく分けられる。
【0003】
一般に、天然色素は、不安定なものが多く、熱、光、pHなどにより、酸化、分解されやすく、容易に退色・変色するため、その使用に際しては制限がある。また、比較的光に安定であるといわれるキノン系色素についても、本願発明者の実験により光安定性が十分でないことが判明した。
【0004】
このキノン系色素はビタミンB2の組み合わせは、好適な色が得られるとして、特開2001−31886に開示されている。しかし、このキノン系色素が光に不安定であり、その色調変化防止については、何らの示唆も無い。
【0005】
キノン系色素を含む天然色素の安定化については、特開2001−294768にマルトオリゴ糖を適量含有させることが開示されている。しかし、近年の健康志向の高まりから、より低カロリーな物により安定化されることが望まれている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−31886号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2001−294768号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術が抱える問題点を踏まえ、安全性及び経済性を備え、より健康的な素材を用いて飲食品中のキノン系色素の色調変化を効果的に防止する色調変化防止剤、及びそれを用いた飲食品の色調変化防止法、更には、保存性がよく、色調変化しにくい着色用組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、キノン系色素にビタミンB2を含有させると、その光安定性が向上することを見出し、本願発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本願発明の第一の実施形態は、ビタミンB2またはその誘導体を配合することを特徴とするキノン系色素の色調変化防止剤であり、その色調変化防止剤を含有するものの形態は、液剤または固形剤であってもよく、液剤であれば、ドリンク、シロップなど、固形剤であれば、顆粒、細粒または錠剤などである。
【0011】
さらに、本願発明の第二の実施形態は、ビタミンB2またはその誘導体を配合することによりキノン系色素の色調変化が防止された組成物であり、その組成物を含有するものの形態は、液剤または固形剤であってもよく、液剤であれば、ドリンク、シロップなど、固形剤であれば、顆粒、細粒または錠剤などである。本発明における組成物は、医薬品、医薬部外品、健康食品、食品、飲料、飼料などである。
【0012】
また、本願発明を糖衣錠について実施する場合は、第一の実施形態の色調変化防止剤、または、第二の実施形態の組成物を糖衣層に含有した糖衣錠である。
【0013】
本願発明におけるキノン系色素は、アントラキノン系色素とナフトキン(シコニン)系色素が含まれ、アントラキノン系色素は、コチニール、コチニールレーキ(カルミン)、カルミン酸及びラッカイン酸の中から選ばれる1種または2種以上の組み合わせであってよい。
【0014】
コチニールは、メキシコ、中央アメリカ、南アメリカに産するサボテン科の植物に寄生するエンジムシ(カイガラムシ科)の雌虫を乾燥した虫体又は粉末にした紅色無臭の動物染料である。コチニールの主成分はカルミン酸約10%、脂肪約10%、ロウ2%、水分4乃至8%、灰分3乃至6%を含む。コチニールの用途は、染料、水彩絵の具、アルカリ滴定用の指示薬、食用色素等である。
【0015】
コチニールレーキとは、カルミン酸を主成分とするコチニール色素から作られる赤色ないし紫色の顔料である。本発明におけるコチニールまたはコチニールレーキとは上記の他にカルミン酸又はカルミン酸レーキを含むものである。
【0016】
また、本願発明におけるビタミンB2は、リボフラビンとも呼ばれ融点292℃の黄褐色の結晶である。ビタミンB2誘導体とは、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、酪酸リボフラビン等を意味する。
【0017】
本願発明におけるビタミンB2またはその誘導体のキノン系色素に対する添加量(量比)は特に限定されるものではないが、添加量が多いほど色調変化防止効果が得られると考えられる。一方、ビタミンB2またはその誘導体は色を有する為に、キノン系色素と混合するとその混合量比に応じた色が生じるので、所望の色によって添加量(量比)が変化する。
【0018】
その意味からも、添加量比は限定されるものではないが、キノン系色素の色調変化防止効果の面からは、キノン系色素1重量部に対し、ビタミンB2またはその誘導体0.1重量部以上、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1重量部以上である。
【0019】
本願発明において、キノン系色素とビタミンB2またはその誘導体は、水に分散または溶解させた状態でも適用でき、単に混合することによっても効果が得られる。
【0020】
【実施例】
カルミン1gに表1に示したビタミンB2(0.5、1.0、2.0g)をそれぞれ添加し、乳鉢を用いて均一に混合した(実施例1,2,3)。混合粉体は0.7gずつガラスシャーレに秤量して均一に広げ、Xeランプを用いて露光試験を実施した(60万Lux/30hr、蛍光灯を用いて1000Luxの露光試験1ヶ月相当)。さらに、対照品としてカルミン及びビタミンB2のみの検体も同一条件にて露光試験を実施した(対照例1,2)。露光試験終了後、色差計(SZ−Σ90、日本電色工業(株)製)を用いて色調の変化度(△E値)を算出した(n=3実施)。なお、△E値は、表の同一添加量の露光試験未実施品を用いて算出した。
【0021】
【0022】
表の結果より、ビタミンB2量の増加に伴い△E値が小さくなることが示された(△E値は、値が大きくなるにつれ変色の度合いが大きくなることを意味する)。なお、△E値が3以下では、目視による官能評価にて「変化が認められないレベル」である。
【0023】
以上の結果より、ビタミンB2は露光によるカルミンの退色(色調変化)を抑制する働きを有することが示された。
Claims (7)
- ビタミンB2またはその誘導体を配合することを特徴とするキノン系色素の色調変化防止剤
- ビタミンB2またはその誘導体を配合することによりキノン系色素の色調変化が防止された組成物
- キノン系色素がアントラキノン系色素である請求項1記載の色調変化防止剤または請求項2記載の組成物
- 組成物が液剤または固形剤である請求項2または請求項3記載の組成物
- 液剤がドリンク、シロップである請求項4記載の組成物
- 固形剤が顆粒、細粒または錠剤である請求項4記載の組成物
- 糖衣層に請求項1記載の色調変化防止剤または請求項2記載の組成物を含有することを特徴とする糖衣錠
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US8018509B2 (en) | 2007-05-18 | 2011-09-13 | Sony Corporation | Image input processing apparatus and method |
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2003
- 2003-06-23 JP JP2003177413A patent/JP2005006606A/ja active Pending
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JP2012197266A (ja) * | 2011-03-04 | 2012-10-18 | Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd | セチリジン塩酸塩を含有する医薬組成物 |
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