JPH08259691A - 共重合ポリアミドの製造法 - Google Patents

共重合ポリアミドの製造法

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JPH08259691A
JPH08259691A JP6406295A JP6406295A JPH08259691A JP H08259691 A JPH08259691 A JP H08259691A JP 6406295 A JP6406295 A JP 6406295A JP 6406295 A JP6406295 A JP 6406295A JP H08259691 A JPH08259691 A JP H08259691A
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泰夫 稲場
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、メタキシリレンジアミンお
よびパラキシリレンジアミンからなる混合ジアミンと、
アジピン酸およびテレフタル酸からなる混合ジカルボン
酸を共重合する共重合ポリアミドの経済的な製造方法を
提供することにある。 【構成】 メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジ
アミンからなる混合ジアミンと、アジピン酸とテレフタ
ル酸からなる混合ジカルボン酸とを重縮合反応させる共
重合ポリアミドの製造方法であって、 一定温度に加熱した混合ジカルボン酸中に混合ジアミ
ンの滴下を開始して継続的に滴下を続け、混合ジカルボ
ン酸の反応率が〔混合ジカルボン酸中のアジピン酸含有
率(モル%)−5〕モル%に達する以前に、反応系の温
度を最終的に生成する共重合ポリアミドの融点よりも3
0℃低い温度よりも高い温度に昇温し、ジカルボン酸に
対するジアミンのモル比が、0.97〜1.03となる
までジアミンの滴下を行い、ジアミンの滴下終了時の反
応系の温度を、最終的に生成する共重合ポリアミドの融
点以上の温度に制御する共重合ポリアミドの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常圧下に混合ジアミン
と混合ジカルボン酸とを直接重縮合させる共重合ポリア
ミドの製造法に関する。さらに詳しくは、メタキシリレ
ンジアミンおよびパラキシリレンジアミンからなる混合
ジアミンと、アジピン酸およびテレフタル酸からなる混
合ジカルボン酸を共重合する共重合ポリアミドの経済的
な製造方法を提供する。上記反応で得られた共重合ポリ
アミドは、高耐熱性で結晶性である。
【0002】
【従来の技術】ジカルボン酸とジアミンとを直接混合
し、常圧下で重縮合反応を行うに当たり、反応開始温度
をジカルボン酸の融点以上とし、原料混合物を含む反応
系を実質的に均一溶融状態に保ち得るように昇温しつつ
反応を進行させ、反応率が95%に達する以前に反応系
の温度を生成するポリアミドの融点より30℃低い温度
以上に昇温し、系内が流動性を失うことなく、均一系で
反応を進め得るように反応温度を制御することを特徴と
するポリアミドの製造法(特公平1−14925公報)
が開示されている。この製造法によれば、生成するオリ
ゴアミド/ポリアミドを含む反応系を均一溶融状態に保
ちつつ、ジアミンを反応系に連続的に添加する方法が採
用されている。
【0003】上記製造法では、重縮合反応装置は、耐圧
容器であることを要しないため、極めて安価に設置でき
る。加えて、この方法では加圧および降圧などの操作に
要する時間、および公知の水溶液法の場合に必要な溶媒
である水の留去に要する時間を全く必要としないため、
重縮合に必要な時間を著しく短縮することができ、さら
には、従来加圧法では水溶液濃縮に必要であった熱量を
全く必要としない上、一回の反応に仕込み得る量を多く
とることができて生産性が高められ、ポリアミドの製造
法として極めて経済的な方法が提供される。しかしなが
ら、この常圧直接重縮合法では、脂肪族ジカルボン酸と
芳香族ジカマボン酸の反応性の差から反応系を均一な状
態に保つことが困難であったため、芳香族ジカルボン酸
を含む耐熱性ポリアミド、特に高温での剛性保持性に優
れた共重合ポリアミドを製造するには至っていなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ジカルボン酸成分中に
芳香族ジカルボン酸を用いたポリアミドがこれまで種々
開発されており、金属代替を主な用途とする有用な材料
として市場が広がりつつある。これらのポリアミドは、
一般的に、ナイロン塩からの加圧水溶液法で製造されて
おり、前述したように経済的にも生成ポリアミドの品質
の点からも多くの問題点を抱えている。また、既存の常
圧直接重縮合法では、パラキシリレンジアミンとメタキ
シリレンジアミンを主成分とするジアミンと、アジピン
酸およびテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸とか
ら得られる共重合ポリアミドを合成しようとすると、生
成ポリアミドを含む反応系を均一溶融状態に保ち得るこ
とが困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、混合ジカルボン酸と混合ジアミンとを直接重
縮合させる際、反応度を段階的に制御することにより、
共重合ポリアミドを好適に製造する方法を見い出し本発
明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、メタキシリレンジア
ミン35〜70モル%とパラキシリレンジアミン30〜
65モル%からなる混合ジアミンと、アジピン酸40〜
80モル%とテレフタル酸20〜60モル%からなる混
合ジカルボン酸とを重縮合反応させる共重合ポリアミド
の製造方法であって、 該混合ジカルボン酸をアジピン酸の融点以上でかつ生
成する共重合ポリアミドの融点より更に30℃低い温度
よりも低い温度に加熱し、 加熱した混合ジカルボン酸中に混合ジアミンの滴下を
開始して継続的に滴下を続け、 混合ジカルボン酸の反応率が〔混合ジカルボン酸中の
アジピン酸含有率(モル%)−5〕モル%に達する以前
に、反応系の温度を最終的に生成する共重合ポリアミド
の融点よりも30℃低い温度よりも高い温度に昇温し、 ジカルボン酸に対するジアミンのモル比が、0.97
〜1.03となるまでジアミンの滴下を行い、 ジアミンの滴下終了時の反応系の温度を、最終的に生
成する共重合ポリアミドの融点以上の温度に制御するこ
とを特徴とする共重合ポリアミドの製造法関する発明で
ある。
【0007】本発明において、下記の混合ジアミンおよ
び混合ジカルボン酸を使用する。 (1)混合ジアミン 混合ジアミンは、35〜70モル%のメタキシリレンジ
アミンと30〜65モル%のパラキシリレンジアミンを
含有する混合ジアミンを使用する。ここで、混合ジアミ
ンのメタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミン
の濃度はそれぞれ上記濃度範囲であればよい。混合ジア
ミン中のパラキシリレンジアミン含有率が30モル%未
満では、得られる共重合ポリアミドの結晶性が低下して
しまう。混合ジアミン中のパラキシリレンジアミン含有
率が65モル%を超えると得られる共重合ポリアミドの
融点が300℃を超えてしまう場合があり、成形性が著
しく低下してしまう。
【0008】尚、本発明において、上記該混合キシリレ
ンジアミン中に、更に、他のジアミンとして、テトラメ
チレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン等の脂肪族ジアミン、パラフェニレンジアミン
等の芳香族ジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロ
ヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン等
の脂環族ジアミン類等を全ジアミン中に20モル%以下
の範囲で使用することができる。
【0009】(2)混合ジカルボン酸 混合ジカルボン酸は、40〜80モル%のアジピン酸と
20〜60モル%のテレフタル酸を含有する混合ジカル
ボン酸を使用する。混合ジカルボン酸中のアジピン酸の
含有率が40モル%未満であると、ジアミン滴下開始以
前に混合ジカルボン酸の流動性を確保することが困難に
なるため、好ましくない
【0010】混合ジカルボン酸中のテレフタル酸含有率
が20モル%未満であると、得られる共重合ポリアミド
の耐熱性、特に高温での剛性保持性が低下し、好ましく
ない。混合ジカルボン酸中のテレフタル酸含有率が60
モル%を超えると、生成する共重合ポリアミドは反応中
にゴム状物や固化物等の三次元化物を含み、均一な製品
を製造することが困難になるので、好ましくない。本発
明の製造法によれば、溶媒を使用することなく、また反
応圧力にも特に制約を受けず、混合ジアミンと混合ジカ
ルボン酸とから直接共重合ポリアミドを製造することが
可能である。しかし、装置の製作上及び操作上、常圧下
または減圧下で行うことが望ましい。
【0011】尚、本発明の製造法を実施するに際し、次
の装置を使用し、及び操作条件で行うことが望ましい。 (A)反応缶は攪拌機及び分縮器を備えたものを使用す
る。 (B)着色のない均一な共重合ポリアミドを製造するた
めには、反応缶へジカルボン酸を仕込むのに先立って、
反応缶内を予め不活性ガスで十分に置換する。 本発明の共重合ポリアミドの製造に際し、反応缶内にジ
カルボン酸を仕込んだ後、下記の条件下に共重合ポリア
ミドの製造を行う。
【0012】該混合ジカルボン酸をアジピン酸の融点
以上でかつ生成する共重合ポリアミドの融点より更に3
0℃低い温度よりも低い温度に加熱し、 加熱した混合ジカルボン酸中に混合ジアミンの滴下を
開始して継続的に滴下を続け、 混合ジカルボン酸の反応率が〔混合ジカルボン酸中の
アジピン酸含有率(モル%)−5〕モル%に達する以前
に、反応系の温度を最終的に生成する共重合ポリアミド
の融点よりも30℃低い温度よりも高い温度に昇温し、 ジカルボン酸に対するジアミンのモル比が、0.97
〜1.03となるまでジアミンの滴下を行い、 ジアミンの滴下終了時の反応系の温度を、最終的に生
成する共重合ポリアミドの融点以上の温度に制御する。 以下に上記各工程について、説明する。
【0013】工程 該混合ジカルボン酸をアジピン酸の融点以上でかつ生成
する共重合ポリアミドの融点より更に30℃低い温度よ
りも低い温度に加熱し、すなわち、反応温度をアジピン
酸の融点以上でかつ反応系が終始流動状態を保持するた
め、アジピン酸の融点以上でかつ生成する共重合ポリア
ミドの融点より更に30℃低い温度以下に加熱する。こ
の場合、反応系の流動状態を保持し得るため、必ずしも
ジカルボン酸を全て溶融状態とする必要はなく、スラリ
ー状態であっても良い。
【0014】工程 加熱した混合ジカルボン酸中に混合ジアミンの滴下を開
始して継続的に滴下を続ける。すなわち、上記混合ジア
ミンの滴下により、混合ジアミンと混合ジカルボン酸と
が混合され、アジピン酸の融点以上の温度に保たれて、
重縮合反応を開始するが、実質的にアミド化反応が生起
するためには160℃以上の温度に昇温されることが望
ましく、かつ中間体として生成するオリゴアミド及び/
またはポリアミドが溶融状態となって反応系全体が均一
な流動状態を保持し得る温度に設定されていることが望
ましい。好ましい重合操作として、反応缶中で溶融また
はスラリー状態にあるジカルボン酸を攪拌し、これに混
合ジアミンを常圧下に添加し、反応混合物を生成するオ
リゴアミド及び/またはポリアミドの融点以上の温度に
保持することによって行われる。
【0015】ここで、混合ジアミンの添加速度は、アミ
ド化反応の生成熱、縮合生成水の留去に消費される熱
量、縮合生成水と原料化合物とを分離する分縮器及び冷
却器の構造等を勘案し、所定の反応温度、すなわち、原
料化合物を含有する反応系を均一な流動状態に保持し得
る温度を考慮して選定される。通常、混合ジアミンの滴
下に要する時間は、反応缶の規模によって変化するが、
0.5時間から10時間の範囲内である。この間、反応
の進行と共に生成する縮合水は、塔頂部の蒸気の温度が
100〜120℃の温度に制御されている分縮器と冷却
器を通して反応系外に留去される。飛散するジアミン、
ジカルボン酸等の原料は、分縮器で回収され、反応缶に
再度戻される。
【0016】工程 混合ジカルボン酸の反応率が〔ジカルボン酸中のアジピ
ン酸含有率(モル%)−5〕(モル%)に達する以前
に、反応系の温度を最終的に生成するポリアミドの融点
よりも30℃低い温度以上に昇温する。 すなわち、重
縮合反応において生成するオリゴアミドまたはポリアミ
ドは、反応の進行に伴い分子量が高くなると、反応生成
物の融点が高くなり、反応混合物の粘度が上昇して内容
物の昇温が妨げられ、結果として反応混合物は固化し易
くなる。従って、反応温度は、反応の進行に合わせて昇
温するように制御し、反応系、すなわち反応生成物を常
に均一な流動状態にしなければならない。
【0017】本発明の方法においては、この温度制御は
反応原料の反応率が、〔ジカルボン酸中のアジピン酸含
有率(モル%)−5〕(モル%)に達する以前に反応系
の温度を最終的に生成する共重合ポリアミドの融点より
30℃低い温度以上に昇温するように実施される。ここ
で反応率は、最初に存在した官能基の内反応を起こした
ものの割合で表される。反応率は重縮合反応により生成
する水の量で確認することができる。また、反応率が
〔ジカルボン酸中のアジピン酸含有率(モル%)−5〕
(モル%)以下では、添加されたジアミンは反応系で短
時間の内に反応するので、実質的には、反応率はジアミ
ンの滴下割合からも推定できる。
【0018】制御されるべき反応系の温度の上限は、特
に限定される必要はないが、生成物に与える熱履歴を考
慮すると、最終的に生成するポリアミドの融点より50
℃を超えない温度が望ましい。反応率が〔ジカルボン酸
中のアジピン酸含有率(モル%)−5〕(モル%)を超
えてから反応温度を上記所定の温度に設定すると、昇温
前に反応生成物であるポリアミドは一部結晶化を見せ始
め、反応生成物を均一な流動状態にすることを極めて困
難にする。反応生成物に生ずる固化現象は、反応系の増
粘、熱伝導性低下を招き、時として反応生成物全体を固
化させる危険すら有り、このような条件下では、工業的
規模でポリアミドを製造することは実質的に不可能であ
る。
【0019】工程 ジカルボン酸に対するジアミンのモル比が、0.97〜
1.03となるまでジアミンの滴下を行い、ジアミンの
滴下終了時に、反応系の温度を、最終的に生成するポリ
アミドの融点以上の温度に制御する。すなわち、反応率
が〔ジカルボン酸中のアジピン酸含有率(モル%)−
5〕(モル%)を超え、上記本発明で規定する温度以上
に昇温した反応系を、反応が完結するまでの間、ポリア
ミドを含む反応生成物が均一な流動状態を保ち得るよう
に、逐次昇温していく。
【0020】前述のごとく、反応は、原料ジカルボン酸
であるアジピン酸の融点以上であって、アミド化が生起
する160℃以上の温度で開始するが、反応開始時から
最終的に生成するポリアミドの融点より30℃低い温度
以上に反応系を昇温しておくことも可能である。しか
し、熱経済的見地からも、あるいは反応生成物の熱履歴
の点からも、反応初期から反応系を高温に保持すること
は必ずしも好ましくなく、従って、通常、反応率が〔ジ
カルボン酸中のアジピン酸含有率(モル%)−5〕(モ
ル%)を超えてから、本発明の最終的に生成するポリア
ミドの融点より30℃低い温度以上に反応系を保持する
のが好ましい。
【0021】工程 ジアミンの滴下終了時の反応系の温度を、最終的に生成
する共重合ポリアミドの融点以上の温度に制御する。す
なわち、反応率が〔ジカルボン酸中のアジピン酸含有率
(モル%)−5〕(モル%)を越え、上記本発明で規定
する温度以上に昇温した反応系を反応が完結するまでの
間、共重合ポリアミドを含む反応生成物が実質的に均一
な流動状態を保ち得るように逐次昇温していく。
【0022】本発明の方法を実施した場合、従来公知の
水溶液加圧法の場合と同様に、ジアミンの反応系外への
留出は避け難く、従って、重縮合反応装置には分縮器を
備えることが必要である。分縮器を備えることにより、
反応中にジアミンの留出を効果的に防ぎ得、その結果、
アジピン酸を含むジカルボン酸に対するジアミンの仕込
みモル比を、到達分子量を考慮した上で、0.97〜
1.03の範囲に設定することにより、再現性よく、一
定の分子量を有するポリアミドを製造することができ
る。
【0023】本発明の方法で用いられる重縮合反応装置
は、耐圧容器であることを要しないため、極めて安価に
設置できる。加えて、本発明の方法では加圧及び降圧な
どの操作に要する時間、及び公知の水溶液法の場合に必
要な溶媒である水の留去に要する時間を全く必要としな
いため、重縮合に必要な時間を著しく短縮することがで
き、更に、従来法では水溶液濃縮に必要であった熱量を
全く必要としない上、一回の反応に仕込み得る量を多く
とることができて生産性が高められ、ポリアミドの製造
法として極めて経済的な方法が提供される。
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。 実施例1 攪拌機、分縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管を備えた内容積3リットルのフラスコに、精秤した
アジピン酸252.5gおよびテレフタル酸71.8g
を入れ、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流化に1
70℃でアジピン酸を溶解させ均一な流動状態とした。
これに、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジア
ミンとの混合キシリレンジアミン(モル比7/3)22
5.0gを攪拌下に39分を要して滴下した。この間、
内温を連続的に228℃まで昇温させた。引き続き、混
合キシリレンジアミン35.4gを攪拌下6分で連続的
に滴下した。この間、内温を連続的に237℃まで昇温
させた。さらに引き続き、混合キシリレンジアミン3
9.6gを攪拌下10分で連続的に滴下した。
【0025】この間、反応温度を237℃から254℃
に連続的に昇温させた。混合キシリレンジアミンの滴下
とともに留出する水は分縮器および冷却器を通して系外
に除いた。混合キシリレンジアミン滴下終了後、内温を
270℃まで昇温し、20分間反応を継続した。反応の
全過程で、生成するオリゴマーまたはポリアミドが固
化、析出して、反応系が均一な流動状態を失う現象は全
く認められなかった。得られたポリアミドの相対粘度
(96%硫酸溶液1g/100mL)は1.96、融点
は245℃であった。
【0026】実施例2 攪拌機、分縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管を備えた内容積3リットルのフラスコに、精秤した
アジピン酸220.9gおよびテレフタル酸107.6
gを入れ、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流化に
170℃でアジピン酸を溶解させ均一な流動状態とし
た。これに、メタキシリレンジアミンとパラキシリレン
ジアミンとの混合キシリレンジアミン(モル比7/3)
195.0gを攪拌下に23分を要して滴下した。この
間、内温を連続的に223℃まで昇温させた。引き続
き、混合キシリレンジアミン56.0gを攪拌下に7分
を要して滴下した。この間、内温を連続的に239℃ま
で昇温させた。さらに引き続き、混合キシリレンジアミ
ン49.0gを攪拌下10分で連続的に滴下した。この
間、反応温度を239℃から253℃に連続的に昇温さ
せた。
【0027】混合キシリレンジアミンの滴下とともに留
出する水は分縮器および冷却器を通して系外に除いた。
混合キシリレンジアミン滴下終了後、内温を270℃ま
で昇温し、45分間反応を継続した。反応の全過程で、
生成するオリゴマーまたはポリアミドが固化、析出し
て、反応系が均一な流動状態を失う現象は全く認められ
なかった。得られたポリアミドの相対粘度(96%硫酸
溶液1g/100mL)は2.24、融点は247℃で
あった。
【0028】実施例3 攪拌機、分縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管を備えた内容積50Lの反応缶に、精秤したアジピ
ン酸3.500kgおよびテレフタル酸1.705kg
を入れ、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流化に1
70℃でアジピン酸を溶解させ均一な流動状態とした。
これに、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジア
ミンとの混合キシリレンジアミン(モル比7/3)2.
969kgを攪拌下に80分を要して滴下した。この
間、内温を連続的に227℃まで昇温させた。
【0029】引き続き、混合キシリレンジアミン0.9
66kgを攪拌下に26分を要して滴下した。この間、
内温を連続的に245℃まで昇温させた。さらに引き続
き、混合キシリレンジアミン0.632kgを攪拌下4
0分で連続的に滴下した。この間、反応温度を245℃
から255℃に連続的に昇温させた。混合キシリレンジ
アミンの滴下とともに留出する水は分縮器および冷却器
を通して系外に除いた。
【0030】混合キシリレンジアミン滴下終了後、内温
を連続的に260℃まで昇温し、34分間反応を継続し
た。その後、反応系内圧を600mmHgまで10分間
で連続的に減圧し、その後、44分間反応を継続した。
この間、反応温度を260℃から270℃まで連続的に
昇温させた。反応の全過程で、生成するオリゴマーまた
はポリアミドが固化、析出して、反応系が均一な流動状
態を失う現象は全く認められなかった。得られたポリア
ミドの相対粘度(96%硫酸溶液1g/100mL)は
1.74、融点は246℃であった。
【0031】実施例4 攪拌機、分縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管を備えた内容積50リットルの反応缶に、精秤した
アジピン酸7.000kgおよびテレフタル酸3.41
0kgを入れ、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流
化に170℃でアジピン酸を溶解させ均一な流動状態と
した。これに、メタキシリレンジアミンとパラキシリレ
ンジアミンとの混合キシリレンジアミン(モル比6/
4)5.967kgを攪拌下に79分を要して滴下し
た。この間、内温を連続的に239℃まで昇温させた。
【0032】引き続き、混合キシリレンジアミン1.9
28kgを攪拌下に25分を要して滴下した。この間、
内温を連続的に261℃まで昇温させた。さらに引き続
き、混合キシリレンジアミン1.285kgを攪拌下6
0分で連続的に滴下した。この間、反応温度を261℃
から267℃に連続的に昇温させた。混合キシリレンジ
アミンの滴下とともに留出する水は分縮器および冷却器
を通して系外に除いた。混合キシリレンジアミン滴下終
了後、内温を連続的に271℃まで昇温し、40分間反
応を継続した。その後、反応系内圧を600mmHgま
で10分間で連続的に減圧し、その後、43分間反応を
継続した。この間、反応温度を271℃から275℃ま
で連続的に昇温させた。反応の全過程で、生成するオリ
ゴマーまたはポリアミドが固化、析出して、反応系が均
一な流動状態を失う現象は認められなかった得られたポ
リアミドの主成分の相対粘度(96%硫酸溶液1g/1
00mL)は2.03、融点は257℃であった。
【0033】比較例1 攪拌機、分縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管を備えた内容積3リットルのフラスコに、精秤した
アジピン酸96.7gおよびテレフタル酸256.1g
を入れ、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流化に1
70℃でアジピン酸を溶解させたが、均一な流動状態と
はならなかった。これに、メタキシリレンジアミンとパ
ラキシリレンジアミンとの混合キシリレンジアミン(モ
ル比7/3)75.0gを攪拌下に23分を要して滴下
した。この間、内温を連続的に255℃まで昇温させ
た。
【0034】引き続き、混合キシリレンジアミン16
5.0gを攪拌下に50分を要して滴下した。この間、
内温を連続的に264℃まで昇温させた。引き続き、混
合キシリレンジアミン60.0gを攪拌下19分で連続
的に滴下した。 この間、反応温度を264℃から27
0℃に連続的に昇温させた。混合キシリレンジアミンの
滴下とともに留出する水は分縮器および冷却器を通して
系外に除いた。混合キシリレンジアミン滴下終了後、内
温を290℃まで昇温し、21分間反応を継続した。こ
の間、生成ポリアミドの粘度の増大が激しくなり、内容
物の攪拌ができなくなった。内容物を96%硫酸に溶解
させようと試みたが、不溶分が多かった。
【0035】比較例2 攪拌機、分縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管を備えた内容積3リットルのフラスコに、精秤した
アジピン酸220.9gおよびテレフタル酸107.6
gを入れ、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流化に
170℃でアジピン酸を溶解させ均一な流動状態とし
た。これに、メタキシリレンジアミンとパラキシリレン
ジアミンとの混合キシリレンジアミン(モル比7/3)
195.0gを攪拌下に26分を要して滴下した。
【0036】この間、内温を連続的に208℃まで昇温
させた。引き続き、混合キシリレンジアミン56.0g
を攪拌下に15分を要して滴下した。この間、内温を連
続的に239℃まで昇温させた。この過程で、反応液中
に固化物が生成し、反応系が均一な流動状態ではなくな
った。さらに引き続き、混合キシリレンジアミン49.
0gを攪拌下10分で連続的に滴下した。この間、反応
温度を239℃から253℃に連続的に昇温させた。混
合キシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は分縮
器および冷却器を通して系外に除いた。混合キシリレン
ジアミン滴下終了後、内温を270℃まで昇温し、45
分間反応を継続した。得られたポリアミドを96%硫酸
に溶解させようと試みたが、不溶分が多かった。
【0037】
【発明の効果】メタキシリレンジアミンおよびパラキシ
リレンジアミンと、アジピン酸及びテレフタル酸を主に
使用して共重合ポリアミドを製造する際、本発明の製造
法を採用することにより、結晶性で優れた耐熱性を有
し、かつ着色のない均質な共重合ポリアミドを得ること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタキシリレンジアミン35〜70モル
    %とパラキシリレンジアミン30〜65モル%からなる
    混合ジアミンと、アジピン酸40〜80モル%とテレフ
    タル酸20〜60モル%からなる混合ジカルボン酸とを
    重縮合反応させる共重合ポリアミドの製造方法であっ
    て、 該混合ジカルボン酸をアジピン酸の融点以上でかつ生
    成する共重合ポリアミドの融点より更に30℃低い温度
    よりも低い温度に加熱し、 加熱した混合ジカルボン酸中に混合ジアミンの滴下を
    開始して継続的に滴下を続け、 混合ジカルボン酸の反応率が〔混合ジカルボン酸中の
    アジピン酸含有率(モル%)−5〕モル%に達する以前
    に、反応系の温度を最終的に生成する共重合ポリアミド
    の融点よりも30℃低い温度よりも高い温度に昇温し、 ジカルボン酸に対するジアミンのモル比が、0.97
    〜1.03となるまでジアミンの滴下を行い、 ジアミンの滴下終了時の反応系の温度を、最終的に生
    成する共重合ポリアミドの融点以上の温度に制御するこ
    とを特徴とする共重合ポリアミドの製造法。
  2. 【請求項2】 混合ジアミンと混合ジカルボン酸とを常
    圧下または加圧下に反応させることを特徴とする請求項
    1に記載の共重合ポリアミドの製造法。
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