JPH08259497A - アニオン交換樹脂を用いたアナカルド酸の分離精製方法 - Google Patents

アニオン交換樹脂を用いたアナカルド酸の分離精製方法

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JPH08259497A
JPH08259497A JP7062290A JP6229095A JPH08259497A JP H08259497 A JPH08259497 A JP H08259497A JP 7062290 A JP7062290 A JP 7062290A JP 6229095 A JP6229095 A JP 6229095A JP H08259497 A JPH08259497 A JP H08259497A
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anacardic acid
group
exchange resin
anion exchange
acid
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Tsunetaro Kuwata
恒太郎 桑田
Mitsuo Konishi
満月男 小西
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カシュー油に含まれるアナカルド酸を高純
度、高収率で分離精製することを目的とする。 【構成】 カシュー油に、特定の交換基を有するアニオ
ン交換樹脂を使用して吸着処理、溶出液による溶離を行
うことにより、アナカルド酸を分離、精製することを特
徴とする。 【効果】 操作が容易で、工業的規模でカシュー油から
アナカルド酸を高純度、高収率で分離、精製することが
できる。また、低温での精製であるので熱的に不安定な
アナカルド酸の精製に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カシュー油中に含まれ
るアナカルド酸を高純度、高収率で分離精製する方法に
関する。アナカルド酸は、種々の生理活性が見出されて
いる有用化合物であり、にきび治療剤、虫歯予防剤、食
品及び化粧料の酸化防止剤、口腔用抗菌剤、抗肥満症
剤、抗潰瘍剤、皮膚劣化防止剤等、主に医薬品としての
利用が期待されている。
【0002】
【従来の技術】カシュー油はカシューナッツの殻から種
々の方法によって採取されている。これらのカシュー油
のうち熱処理をしていないいわゆる天然カシュー油は、
アナカルド酸を主成分として含み、その他にカルドー
ル、カルダノールなどを含んでいる。その含有量はカシ
ュー油の産地により若干差があるが、例えばインド産の
天然カシュー油はアナカルド酸約70%、カルドール約
25%、カルダノール及び2−メチルカルドールを数%
ずつ含有している。
【0003】アナカルド酸は、下記一般式(3)
【0004】
【化1】
【0005】(式中、Rは下記式(4)で表される基で
ある。)
【0006】
【化2】
【0007】で表される6位に炭素数15のアルキル基
またはアルケニル基を有するサリチル酸誘導体である。
しかし、下記に示したように、カルドール(一般式
(5))、カルダノール(一般式(6))、2−メチル
カルドール(一般式(7))
【0008】
【化3】
【0009】(式(5)〜(7)中、Rは一般式(3)
と同じ基である。)と構造が極めて類似している。ま
た、アナカルド酸は蒸気圧が低く、また200℃付近で
脱炭酸するなど熱的に不安定であるため、蒸留法等の熱
的な分離法を用いることはできない。このため、これま
でカシュー油から高純度のアナカルド酸を工業的規模で
分離精製する方法はなかった。
【0010】これまでに報告されているカシュー油から
のアナカルド酸の代表的な分離精製法としては、鉛等の
金属とアナカルド酸金属錯体を形成させ、分離する金属
塩法(J.Am.Chem.Soc.,70,367
5,1948)、シリカゲルクロマトグラフィーなどの
吸着剤を用いて分離する方法(特開平2−104530
号公報)、炭酸ナトリウム等を用いたアルカリ抽出法
(特開平4−36238号公報)等がある。
【0011】しかし、金属塩法では抽出後のアナカルド
酸中に金属が残留するため、医薬品や食料品として利用
する場合、この残留金属が問題となる。また、アルカリ
抽出法では、アナカルド酸の他にカルドールやカルダノ
ールも抽出され、アナカルド酸の純度が低い。シリカゲ
ルクロマトグラフィーによる分離では少量のアナカルド
酸を高純度で得るためには有効な精製法であるが、工業
的に多量のアナカルド酸を分離精製する方法としては適
さない。
【0012】また、イオン交換樹脂によるアナカルド酸
の分離精製法については、4級アンモニウム基を交換基
に持つゲル型スチレン系強塩基性アニオン交換樹脂(オ
ルガノ社製アンバーライトIRA−400)を用いる方
法が報告されている(J.Sci.Ind.Res.,
193,367,1960)が、イオン交換能が強いた
め、アナカルド酸だけでなく同時にカルドールやカルダ
ノールも吸着され、アナカルド酸のみを高純度で分離精
製することはできない。
【0013】このような背景から、工業的規模でカシュ
ー油からアナカルド酸を高純度、高収率で分離精製する
方法の開発が望まれていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カシュー油
に含まれるアナカルド酸を高純度、高収率で分離精製す
る方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本研究者は上記課題に対
して鋭意研究を行った結果、アナカルド酸を含有するカ
シュー油から、アニオン交換樹脂を使用した吸着処理、
溶出液による溶離を行うことにより、アナカルド酸を高
純度、高収率で分離精製することができることを見い出
し、本発明に至ったものである。
【0016】すなわち、本発明は、〔1〕アナカルド酸
を含有するカシュー油から、見掛けのpK値が3〜11
の交換基を有するアニオン交換樹脂を使用した吸着処
理、溶出液による溶離を行って、アナカルド酸を分離、
精製することを特徴とするアナカルド酸の分離精製方
法、〔2〕該アニオン交換樹脂の交換基の構造が、下記
一般式(1) −NR1 2 (1) (式中、R1 、R2 は水素、炭化水素基、アミノ炭化水
素基であり、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
である〔1〕記載のアナカルド酸の分離精製方法、
〔3〕該アニオン交換樹脂の交換基の構造が、下記一般
式(2) −N{(CH2 m CH3 2 −NH(CH2 m CH3 (2) −NH{(CH2 n NH}o H (式中、mは0〜5、nは1〜5、oは0〜5の整数で
ある。)である〔1〕記載のアナカルド酸の分離精製方
法、〔4〕該アニオン交換樹脂がスチレン系架橋重合体
または(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体である
〔1〕記載のアナカルド酸の分離精製方法、〔5〕該吸
着処理に用いる溶媒が、水あるいは親水性溶媒およびそ
の水溶液である〔1〕記載のアナカルド酸の分離精製方
法、〔6〕該吸着処理に供する吸着液中のアナカルド酸
の含有量が、該アニオン交換樹脂の吸着容量以上である
ことを特徴とする〔1〕記載のアナカルド酸の分離精製
方法、に関する。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
は、アナカルド酸を含有するカシュー油の溶液とアニオ
ン交換樹脂を接触させてアナカルド酸を吸着させ、溶出
液でアナカルド酸を溶離して、アナカルド酸の分離精製
を行う。イオン交換樹脂の交換基は、イオン状に解離し
て初めてイオン交換を行うことができる。弱塩基性イオ
ン交換樹脂は解離できるpH範囲に制限があり、この解
離可能なpH範囲に限ってイオン交換に使用できる。従
って、交換基の解離性はイオン交換を行う上で非常に重
要なファクターである。この解離性を表す尺度にpK値
(pK=−logK、K:解離定数)があり、塩基性基
はそのpK値よりも低いpHで解離する。イオン交換樹
脂の交換基の正確なpK値は測定できないが、見掛けの
pK値は下記式(8) pK=pH−log〔Cl- 〕+log(〔X〕/2) (8) (式中、〔X〕は樹脂中の交換基の濃度である。交換基
の濃度は、例えば弱塩基性アニオン交換樹脂の場合に
は、水酸化ナトリウム等のアルカリや塩酸等の酸を樹脂
に吸着させ、その吸着量を滴定することにより求めるこ
とができる。)から、樹脂のpH滴定曲線を測定するこ
とにより算出できる。具体的には、交換基がアミノ基の
場合にはpKは7〜9、アニリノ基の場合には5〜6の
値をとる。また、4級アンモニウム基の場合、pK値は
13以上である。
【0018】本発明で使用するアニオン交換樹脂は、見
掛けのpK値が3〜11の交換基を有する。なかでも、
一般式(1) −NR1 2 (1) (式中、R1 、R2 は水素、炭化水素基、アミノ炭化水
素基であり、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
の構造をもつものが好ましい。さらに下記一般式(2) −N{(CH2 m CH3 2 −NH(CH2 m CH3 (2) −NH{(CH2 n NH}o H (式中、mは0〜5、nは1〜5、oは0〜5の整数で
ある。)の構造をもつものがより好ましい。具体的に
は、−NH2 、−NHCH3 、−N(CH3 2 、−N
HCH2 CH2 NH2 、−NH(CH2 CH2 NH)2
H、−NH(CH2 CH2 NH)3 H等が挙げられる。
【0019】また本発明では、スチレン系架橋重合体ま
たは(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体からなる
アニオン交換樹脂を用いることが好ましい。スチレン系
架橋重合体としては、例えばスチレン−ジビニルベンゼ
ン(以下、DVBと略す。)の架橋重合体などが挙げら
れる。その樹脂構造は、スチレンとDVBを単純に重合
してできるゲル型でも良いし、多孔性で樹脂の表面積が
ゲル型よりもはるかに大きいポーラス型、ハイポーラス
型でも良い。
【0020】これらの樹脂の有効径に特に制限はない
が、0.1〜1.0mmの有効径を有しているものが使
用できる。有効径が小さくなると充填率は高くなり、分
離能が大きくなる。しかし、有効径が著しく小さくなる
と、流速抵抗が大きくなる傾向がある。反対に、有効径
が大きくなると充填率は低くなり、分離能が低下する。
これらの点から、イオン交換樹脂の有効径は0.1〜
1.0mmが好ましい。ここでいう有効径とは、篩別か
ら測定される各篩の残留分累計(%)と、篩目の径(m
m)を対数プロットすることにより求められる。
【0021】このように吸着容量に大きな影響を与える
上記樹脂物性の種々の組み合わせにより、個別的な樹脂
銘柄が特定される。さて、弱塩基性アニオン交換樹脂の
交換基は中性水中、もしくは親水性溶媒中では、下記式
(9)のように水を解離しており、平衡はほとんど左に
片寄っている。
【0022】
【化4】
【0023】(式中、R1 、R2 は一般式(1)と同じ
基である。)ここで、水分子よりも結合力の強いアナカ
ルド酸分子、カルドール分子、カルダノール分子が存在
すると、アナカルド酸分子等が吸着され、式(9)の平
衡状態が右に移行する。さらに、カルドール分子、カル
ダノール分子の結合力は、水分子よりも強いが、アナカ
ルド酸分子よりも弱いので、アナカルド酸のみが選択的
に樹脂に吸着される。
【0024】本発明において、吸着処理に用いられる溶
媒としては、水または親水性溶媒およびその水溶液が好
ましい。ここで親水性溶媒とは、水に対して無限大の溶
解度を有する溶媒を意味する。例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、アセトン、アセトニトリル、
テトラヒドロフラン等である。なかでもメタノール、エ
タノール、アセトニトリルなどが好ましい。用いる溶媒
の量には特に制限はないが、カシュー油10重量部に対
して10〜1000重量部が好ましく、50〜500重
量部が特に好ましい。
【0025】また、吸着処理に供される吸着液中のアナ
カルド酸の含有量にかかわらず、アナカルド酸のみが選
択的にアニオン交換樹脂に吸着される。しかし、アニオ
ン交換樹脂の吸着容量以上に、吸着液中にアナカルド酸
が含まれている方が、アナカルド酸の押出し効果によっ
て、より高純度のアナカルド酸を得ることができるの
で、好ましい。ここでいう吸着容量とは、単位容積あた
りのイオン交換樹脂に吸着されている被吸着化合物の限
界吸着量のことであり、この値は樹脂、樹脂量、被吸着
化合物、吸着処理の条件などを特定することによって、
再現よく測定される。
【0026】以上の操作により、アナカルド酸の吸着処
理は完了する。次に、吸着処理に用いたものと同様の溶
媒で樹脂中の非吸着成分を十分に洗い流した後、溶離を
行うが、アナカルド酸よりも強い酸、例えば、塩酸や硫
酸、酢酸等、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリにより容易に溶出することができる。溶離
に酸を使用した場合には、フリーのアナカルド酸が得ら
れ、アルカリを用いた場合には、アルカリ塩が得られ
る。例えば、アルカリとして水酸化ナトリウムを使用す
ると、アナカルド酸ナトリウムが得られる。溶離には吸
着処理と同様の溶媒を使用することができる。
【0027】また、イオン交換樹脂の交換基が式(9)
のように解離した状態にあるとき、対イオンとしては、
塩素イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、水酸化物イオン
等があるが、特に水酸化物イオンが好ましく、塩素イオ
ン、硫酸イオン、酢酸イオンではアナカルド酸の濃縮効
果は小さい。このためカシュー油をイオン交換樹脂によ
り精製する前に、樹脂をアルカリ水酸化物溶液で処理し
て対イオンを水酸化物イオンにするとアナカルド酸を効
率的に濃縮することができる。
【0028】さらに、溶離に酸を使用した場合、例えば
塩酸を使用した場合には、対イオンは塩素イオンになっ
ているので、アルカリ水酸化物溶液で処理することによ
り水酸化物イオンに交換する必要がある。一方、溶離に
アルカリを用いた場合には、対イオンはすでに水酸化物
イオンになっているので樹脂の再生処理は必要ない。本
発明におけるアナカルド酸の場合には、吸着樹脂が非常
に大きな吸着容量を有するため、吸着・溶出による操作
で被吸着液中のアナカルド酸濃度に対して大きな濃縮効
果を得ることができる。
【0029】カシュー油の溶液を樹脂と接触させ、アナ
カルド酸を分離する方法としては、バッチ法でも良い
し、カラム法でも良いが、より効率よく分離するために
はカラム法による方法が好ましい。また、精製時の温度
には特に制限がないが、溶出時に塩酸、硫酸等の酸を用
いた場合には、側鎖の二重結合が、塩酸等の酸性触媒に
より、反応性の高いトリエンの二重結合からアリルカル
ボニウムイオンの生成を経て重合が容易に進むため、0
〜60℃が好ましい。
【0030】
【実施例】次に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0031】
【参考例1】インド産の天然カシュー油5.0gをn−
ヘキサン50mlに溶解し、アナカルド酸の含有率を液
体クロマトグラフィーで測定した。結果を表1に示し
た。
【0032】
【実施例1】有効径0.36〜0.50mm、交換基が
−N(CH3 2 であるアクリル酸エステル系架橋重合
体からなるゲル型弱塩基性アニオン交換樹脂(アンバー
ライトIRA−68)50mlを、半径10mmのジャ
ケット付きカラムに充填した後、エタノールで十分に洗
浄した。ジャケット部には15℃の冷媒を循環し、カラ
ムを一定温度に保った。
【0033】参考例1のカシュー油10gをエタノール
250mlに溶解し、上記カラムにSV=1.0(50
ml/Hr)で通液した。次に、エタノール300ml
をSV=1.0で通液して樹脂に吸着されなかった成分
を洗い流した後、31%塩酸を5%含有したエタノール
300mlをSV=1.0で通液して、樹脂に吸着され
たアナカルド酸を溶出させた。
【0034】通液開始後、2.0〜5.0CVを集めて
濃縮し、n−ヘキサン150mlでアナカルド酸を抽出
した。n−ヘキサン層を蒸留水で中性になるまで洗浄
し、溶媒を減圧留去して、淡黄色透明な粘性液体を得
た。このときIRA−68樹脂50mlに対するアナカ
ルド酸の吸着量は6.4gであった。得られたアナカル
ド酸の収率及び純度を表1に示した。
【0035】
【実施例2】有効径0.41〜0.51mm、交換基が
−N(CH3 2 であるスチレン系架橋重合体からなる
ポーラス型弱塩基性アニオン交換樹脂(アンバーライト
IRA−93ZU)を使用した以外は実施例1と同様に
して、アナカルド酸の分離精製を行った。
【0036】得られたアナカルド酸の収率及び純度を表
1に示した。
【0037】
【実施例3】有効径0.40〜0.50mm、交換基が
−N(CH3 2 であるスチレン系架橋重合体からなる
ポーラス型弱塩基性アニオン交換樹脂(アンバーライト
IRA−94S)を使用した以外は実施例1と同様にし
て、アナカルド酸の分離精製を行った。
【0038】得られたアナカルド酸の収率及び純度を表
1に示した。
【0039】
【実施例4】有効径0.36〜0.46mm、交換基が
ポリアミンであるアクリル酸エステル系架橋重合体から
なるゲル型弱塩基性アニオン交換樹脂(アンバーライト
IRA−60E)を使用した以外は実施例1と同様にし
て、アナカルド酸の分離精製を行った。
【0040】得られたアナカルド酸の収率及び純度を表
1に示した。
【0041】
【実施例5】有効径0.36〜0.50mm、交換基が
−N(CH3 2 であるアクリル酸エステル系架橋重合
体からなるポーラス型弱塩基性アニオン交換樹脂(アン
バーライトIRA−35)を使用した以外は実施例1と
同様にして、アナカルド酸の分離精製を行った。
【0042】得られたアナカルド酸の収率及び純度を表
1に示した。
【0043】
【実施例6】有効径0.40〜0.60mm、交換基が
−NH(CH2 CH2 NH)n H(n=2〜3)である
スチレン系架橋重合体からなるポーラス型弱塩基性アニ
オン交換樹脂(ダイヤイオンWA−20)を使用した以
外は実施例1と同様にして、アナカルド酸の分離精製を
行った。
【0044】得られたアナカルド酸の収率及び純度を表
1に示した。
【0045】
【実施例7】有効径0.40〜0.60mm、交換基が
−N(CH3 2 であるスチレン系架橋重合体からなる
ハイポーラス型弱塩基性アニオン交換樹脂(ダイヤイオ
ンWA−30)を使用した以外は実施例1と同様にし
て、アナカルド酸の分離精製を行った。
【0046】得られたアナカルド酸の収率及び純度を表
1に示した。
【0047】
【比較例1】有効径0.40〜0.53mm、交換基が
−N≡(CH3 3 ・X(X:塩素イオン)であるスチ
レン系架橋重合体からなるゲル型最強塩基性アニオン交
換樹脂(アンバーライトIRA−35)50mlを、半
径10mmのジャケット付きカラムに充填した後、0.
05mol/l水酸化カリウム溶液エタノール性にて交
換基の対イオンを塩素イオンから水酸化物イオンに交換
し、エタノールで十分に洗浄した。ジャケット部には1
5℃に温調された冷媒を循環し、カラムを一定温度に保
っておいた。
【0048】参考例1のカシュー油10gをエタノール
250mlに溶解し、上記カラムにSV=1.0(50
ml/Hr)で通液した。次に、エタノール300ml
をSV=1.0で通液し、樹脂に吸着されなかった成分
を洗い流した後、31%塩酸を5%含有したエタノール
300mlをSV=1.0で通液して、樹脂に吸着され
たアナカルド酸を溶出させた。
【0049】通液開始後、2.0〜4.0CVを集めて
濃縮し、n−ヘキサン150mlでアナカルド酸を抽出
した。n−ヘキサン層を蒸留水で中性になるまで洗浄
し、溶媒を減圧留去して、淡黄色透明な粘性液体を得
た。得られたアナカルド酸の収率及び純度を表1に示し
た。
【0050】
【比較例2】有効径0.38〜0.58mm、交換基が
−N≡(CH3 3 ・X(X:塩素イオン)であるアク
リル酸エステル系架橋重合体からなるゲル型最強塩基性
アニオン交換樹脂(アンバーライトIRA−458)を
使用した以外は比較例1と同様にして、アナカルド酸の
分離精製を行った。
【0051】得られたアナカルド酸の収率及び純度を表
1に示した。
【0052】
【比較例3】参考例1のカシュー油7g(アナカルド酸
含有量4.8g)をエタノール250mlに溶解したも
のを被吸着液として通液した以外は、実施例1と同様に
して、アナカルド酸の分離精製を行った。得られたアナ
カルド酸の収率及び純度を表1に示した。
【0053】この比較例により、樹脂の吸着容量以下の
アナカルド酸を吸着した場合、アナカルド酸純度の低下
が見られた。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明の弱塩基性アニオン交換樹脂によ
る精製は、操作が容易で、工業的規模でカシュー油から
アナカルド酸を高収率、高純度で分離精製することがで
きる。また、低温での精製であるので熱的に不安定なア
ナカルド酸の精製に適している。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナカルド酸を含有するカシュー油か
    ら、見掛けのpK値が3〜11の交換基を有するアニオ
    ン交換樹脂を使用した吸着処理、溶出液による溶離を行
    って、アナカルド酸を分離、精製することを特徴とする
    アナカルド酸の分離精製方法。
  2. 【請求項2】 該アニオン交換樹脂の交換基の構造が、
    下記一般式(1) −NR1 2 (1) (式中、R1 、R2 は水素、炭化水素基、アミノ炭化水
    素基であり、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
    である請求項1記載のアナカルド酸の分離精製方法。
  3. 【請求項3】 該アニオン交換樹脂の交換基の構造が、
    下記一般式(2) −N{(CH2 m CH3 2 −NH(CH2 m CH3 (2) −NH{(CH2 n NH}o H (式中、mは0〜5、nは1〜5、oは0〜5の整数で
    ある。)である請求項1記載のアナカルド酸の分離精製
    方法。
  4. 【請求項4】 該アニオン交換樹脂がスチレン系架橋重
    合体または(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体よ
    りなる請求項1記載のアナカルド酸の分離精製方法。
  5. 【請求項5】 該吸着処理に用いる溶媒が、水あるいは
    親水性溶媒およびその水溶液である請求項1記載のアナ
    カルド酸の分離精製方法。
  6. 【請求項6】 該吸着処理に供する吸着液中のアナカル
    ド酸の含有量が、該アニオン交換樹脂の吸着容量以上で
    あることを特徴とする請求項1記載のアナカルド酸の分
    離精製方法。
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JP2006083270A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Asahi Denka Kogyo Kk 界面活性剤組成物
CN112129856A (zh) * 2020-09-23 2020-12-25 安徽德仁生物科技有限公司 一种五倍子来源鞣花酸的鉴定方法

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