JPH08259270A - 防曇性能を有する光学物品 - Google Patents

防曇性能を有する光学物品

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JPH08259270A
JPH08259270A JP7059144A JP5914495A JPH08259270A JP H08259270 A JPH08259270 A JP H08259270A JP 7059144 A JP7059144 A JP 7059144A JP 5914495 A JP5914495 A JP 5914495A JP H08259270 A JPH08259270 A JP H08259270A
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surfactant
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silane coupling
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reactive
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JP7059144A
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Etsuo Okanoe
悦男 岡上
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Seiko Epson Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/3405Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of organic materials

Abstract

(57)【要約】 【目的】眼鏡レンズ・窓ガラスなどの光学物品に対し、
その表面硬度、反射防止などの光学特性を損なうことな
く、持続性に優れた防曇効果と防汚染性、防水ヤケ性を
もたせる。 【構成】表面に酸化ケイ素を含む光学物品の表面を反応
性基を含むシランカップリング剤で処理した後、光グラ
フト重合法、放射線グラフト重合法、水溶液中でのグラ
フト重合法等により、側鎖及び疎水性基中間部に反応性
基を持つ反応性界面活性剤を反応させる。 【効果】この様な操作を行うと、酸化ケイ素を含む表面
にシランカップリング剤が強固に結合し、さらにこのシ
ランカップリング剤に、反応基を側鎖に持った界面活性
剤が結合する為、最表面には親水部、疎水部の位置が動
く界面活性剤が存在し、その親水性によって防曇効果
が、その疎水部によって防汚染性、防水ヤケ性が達成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防曇性能を有するメガ
ネ・カメラ等のレンズ、または窓ガラス、車のフロント
ガラス、ヘルメットのシールド、水中メガネ等の光学物
品、または浴室内で使用する鏡等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学物品に防曇性能を付与する方法とし
て、従来から次に述べる様な種々の方法がとられてい
る。
【0003】合成樹脂基材自体に界面活性剤を練り込ん
だり、親水性の単量体を共重合して合成樹脂基材を形成
して防曇性能を付与する方法は、特開昭51−1078
41,特開昭55−102632,特公昭57−317
35,特開昭58−160325,特開昭60−141
727,特開昭61−114201,特開昭61−11
4202,特開昭62−2202,特開昭62−220
3などに開示されている。
【0004】光学物品に防曇性能を有するコーティング
を施す方法も良く知られ、特公昭45−18972,特
公昭50−1710,特開昭52−146791,特開
昭53−39347,特開昭55−99930,特開昭
55−750,特開昭55−148283,特開昭57
−119973,特公昭58−1688,特開昭59−
15473,特公昭62−28986,特開平1−24
9818,特開平2−18048,特開平2−1730
78,などに開示されている。
【0005】以上に示した方法は、基材自体、あるいは
厚いコーティング層に、親水性と吸水性を付与して防曇
性能を達成しようとするものである。
【0006】吸水性の悪いガラスなどの無機質に、直接
防曇性能を付与する方法として、最表面を処理して親水
性または疎水性を持たせる方法や、無機質を多孔性にし
て吸水性を持たせる方法が知られ、特公昭52−113
21,特開昭53−56177,特開昭54−1051
20,特開昭60−210641,特開昭62−574
84,特公平1−58481,特開平2−22341,
などに開示されている。
【0007】表面改質の方法としてのグラフト重合は、
特開平1−230644,特開平2−38431,特開
平4−225301に開示されている。
【0008】以上に示した方法も含め、光学物品に防曇
性能を付与するには、1)基材に吸水性を持たせる。
2)基材表面を親水性にする。3)基材表面を疎水性に
する。4)光学物品の表面温度を高くし、空気中の水分
が表面で凝結しない様にする。の4点の方法が過去から
提案され、色々な試みがなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では次に述べる様な問題点を有していた。
【0010】基材自体やコーティング層に防曇性能を付
与する方法は、防曇性能としては十分な性能が得られる
が、親水性・吸水性を持つ樹脂は吸水すると柔らかくな
り、非常に傷がつき易いものとなっていた。これでは眼
鏡レンズなど耐摩耗性が要求される部分に使用した場
合、傷によって光学特性が劣化し、実用に耐えられな
い。さらに、空気中の汚れ、例えばタバコの煙なども吸
着し易く、光学物品が着色してしまうなどの欠点もあっ
た。
【0011】さらに、これらの方法の最大の欠点は、反
射防止層などの光学的特性を向上する為の表面処理を施
すことができないことである。現在広く使用されいて、
性能の良い反射防止膜は、無機物からなる反射防止膜で
あり、酸化ケイ素などの無機物に防曇性能を持たせなけ
ればならない。
【0012】ガラス表面や無機物表面に防曇性能を付与
する方法としては、一般に用いられている界面活性剤を
表面に塗布する方法があるが、持続性に問題があり、水
によって界面活性剤が容易に脱落してしまう。
【0013】そのほかに、ガラス表面や無機物表面に親
水性、疎水性の物質を用いて薄膜を形成し、防曇性能を
達成する方法があるが、従来技術に従うとそれらの物質
と表面との結合が弱く、簡単にそれらの物質が脱落して
長期間防曇性能が維持できなかった。さらに、従来の様
に水酸基を露出させることによって親水性を付与した場
合、耐水ヤケ性との両立が難しい。
【0014】逆に疎水性を付与する場合、表面に付着し
た水滴を脱落させるには、水に対する接触角180゜近
く必要である。このような物質としてフッ化グラファイ
トと金属の複合体が知られているが、防曇には今のとこ
ろ利用できていない。
【0015】以上に述べた課題を解決する為に、表面を
シランカップリング剤で処理した後、反応性界面活性剤
を反応させる方法も提案されているが、反応性界面活性
剤の構造によっては十分な防曇効果が得られなかった
り、水ヤケ防止との両立が難しかった。
【0016】そこで、本発明は以上の様な問題点を解決
し、光学物品の光学特性、耐摩耗性を低下させることな
く、持続性、防汚染性、耐水ヤケ性に優れた防曇性能を
有する光学物品を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の防曇性能を有す
る光学物品は、酸化ケイ素を主として含む物質の表面を
シランカップリング剤で処理した後、側鎖及び疎水性基
中間部に反応性基を持つ反応性界面活性剤を表面に反応
させたことを特徴とする。
【0018】酸化ケイ素を主成分とするガラスの光学物
品の場合、耐摩耗性に大きな問題はないが、合成樹脂か
らなる光学物品は傷がつき易く、耐摩耗性を向上させな
ければならない。合成樹脂の耐摩耗性を向上させる為に
は、ハードコート処理が良く行われる。特に、コロイダ
ルシリカを含むハードコートが有効で広く用いられてい
る。眼鏡レンズなどの場合、その光学特性を向上させる
ために無機物質から構成される反射防止膜が表面に形成
される。反射防止膜の最上層には、低屈折率層が形成さ
れるが、耐久性、取扱易さの点で二酸化ケイ素が広く用
いられている。この様に、耐摩耗性の向上や反射防止膜
には、酸化ケイ素が多く用いられており、酸化ケイ素が
表面に存在している場合が無機ガラスに限らず合成樹脂
製の光学物品についても多い。反射防止膜として有機物
からなる膜を利用する場合でも最上層にコロイダルシリ
カが含まれれば、表面に酸化ケイ素が存在することにな
る。
【0019】本発明は、酸化ケイ素を主成分とするガラ
スの光学物品、コロイダルシリカを含むハードコートを
表面に塗布した合成樹脂製光学物品、最上層に酸化ケイ
素を用いた反射防止膜を有する光学物品、いずれの場合
でも表面に酸化ケイ素が存在する物品に対して適用でき
る。
【0020】本発明では、反応性末端基を持つシランカ
ップリング剤で酸化ケイ素の存在する光学物品表面を処
理する。反応性末端基としてはビニル基、アクリル基、
メタクリル基、アリル基、エポキシ基、メルカプト基、
シアノ基、イソシアノ基、アミノ基等を選択することが
できる。最表層に存在する酸化ケイ素との反応は、クロ
ルシランやアルコキシシラン、シラザンの様なシラノー
ルと反応する基を持つシランカップリング剤を用いるこ
とにより表面の酸化ケイ素の持つシラノールとの反応が
実現できる。これは一般的に用いられている方法であ
る。この様に反応性末端基とシラノールと反応する基を
持つシランカップリング剤で酸化ケイ素を含む表面を処
理した場合、反応性末端基が表面に存在することにな
る。
【0021】シランカップリング剤と酸化ケイ素の反応
性を高める為に、プラズマ処理、アルカリ処理を予め表
面に存在する酸化ケイ素に施すと効果がある。
【0022】次に本発明では、上記の様に処理した表面
に側鎖及び疎水性基中間部に反応性基を持つ反応性界面
活性剤を反応させる。反応性基としてはビニル基、アク
リル基、メタクリル基、グリシジル基、アリル基、エポ
キシ基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、アミ
ノ基等が挙げられる。この様な反応性基とスルホン基、
水酸基、アンモニウムクロライド、カルボオキシル基、
などの親水性部分及び、アルキル基などの疎水性部分を
持つ反応性界面活性剤を用いることによって親水性表面
が達成される。
【0023】このようにしてできた表面と、疎水性部分
末端に反応性基が存在する反応性界面活性剤を用いた場
合を図1、図2を用いて比較すると、図1の側鎖及び疎
水性基中間部に反応性基を持つ反応性界面活性剤を用い
た場合は親水性部と疎水性部が動き易くなっているのに
対し、図2の疎水性部分末端に反応性基が存在する反応
性界面活性剤を用いた場合は、分子の動きが剛直で親水
部が表面に並ぶのが判る。
【0024】反応性界面活性剤をシランカップリング剤
の反応性末端基と反応させるには、光グラフト重合法、
レドックス重合法、熱重合法、放射線グラフト重合法な
どを用いることができる。グラフト重合の際、予めシラ
ンカップリング剤で処理した表面を紫外線照射、放射線
照射、コロナ放電などで処理して反応性界面活性剤をグ
ラフト重合させると、グラフト率が高くなり、防曇効果
も向上する。形成された処理層は、反射防止層の反射率
特性に悪影響を与えない程度の薄膜であることが大切
で、300Å以下が望ましいが、薄膜の屈折率を考慮し
て膜厚を決め、反射防止として界面活性剤からなる薄膜
を組み込むことも可能である。反応後、水洗、あるいは
有機溶剤で洗浄することにより、光学物品表面と結合し
ていない余分な物質を除去する。
【0025】以上の操作により酸化ケイ素が表面に存在
する光学物品の表面には、界面活性剤がシランカップリ
ング剤を介して表面と結合して存在する状態になる。防
曇性能を得る為には、水に対する静止接触角が10゜以
下であることが望ましいが、十分な性能を得るためには
5゜以下が必要となる。これは表面の活性点を増やし、
反応性界面活性剤のグラフト率を高め、側鎖及び疎水性
基中間部に反応性基を持つ反応性界面活性剤を用いるこ
とで達成できる。
【0026】本発明によって得られる防曇性能を有する
光学物品は、耐摩耗性に優れ、反射防止などの光学特性
にも優れており、眼鏡レンズ、カメラレンズ、浴室内の
鏡、水中眼鏡、窓ガラス、電子レンジの窓、車の窓ガラ
ス、望遠鏡のレンズ、スキーのゴーグル、湿気の多い所
で使用する光学機器のレンズ、ミラーなどに適用するこ
とが可能である。
【0027】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0028】
【実施例】
〔実施例1〕予め水酸化ナトリウム溶液(0.1N) に
浸漬し、よく水洗、乾燥したジエチレングリコールビス
アリルカーボネート製レンズに以下に示すコーティング
液をディッピング法で、膜厚が2.5μm になる様塗布
し、130℃で2時間加熱硬化した。
【0029】(コーティング液の調整)攪拌装置を備え
た、反応容器中に、エタノール206g,エタノール分
散コロイダルシリカ396g(触媒化成工業株式会社製
“オスカル1232”固形分30%),γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物312
g,フローコントロール剤0.2g (日本ユニカー
(株)製“L−7604”)及び0.05N酢酸水溶液
86g を加え、室温で3時間攪をし、コーティング液
とした。
【0030】以上のようにして得られたレンズを真空槽
内にセットし、真空蒸着法により、基板温度50℃で、
樹脂表面に反射防止処理を行った。膜構成は、光学膜厚
でレンズ側から、二酸化ケイ素層がλ/4,酸化ジルコ
ニウム層と二酸化ケイ素層の合成膜厚が、λ/4,酸化
ジルコニウム層がλ/4,最上層の二酸化ケイ素層がλ
/4とした。(ここでλは520nm)次にこのレンズを
メタノールで洗浄し、十分乾燥させた後、3−メタクリ
ロオキシプロピルメチルジクロロシラン液中に浸漬し、
相対湿度50%、温度30℃雰囲気中に取り出し、5分
間放置した。その後、アセトンにより洗浄した。
【0031】洗浄後のレンズの外観・反射防止の特性に
大きな変化は見られなかった。
【0032】次に洗浄後のレンズに高圧水銀灯(4k
w)により、光源直下15cmで両面に2秒紫外線を照射
した後、以下に示す反応性界面活性剤溶液に浸漬し、引
き上げ、塗布した。
【0033】(反応性界面活性剤液の調整)メタノール
250gに反応性界面活性剤として一般式
【0034】
【化1】
【0035】で表される反応性界面活性剤を25g溶解
し、光開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製“ダロキュ
アー1173”)を0.8g添加し、光を遮断した状態
で、30分間攪拌した。
【0036】上記反応性界面活性剤溶液を塗布した後、
メタノールが蒸発するのを待って、高圧水銀灯(4k
w)により、光源直下15cmでレンズの両面に10秒紫
外線の照射を行い、高圧水銀灯装置より取り出し、純水
によって洗浄を行った。洗浄後のレンズの外観、反射防
止の特性に大きな変化は見られなかった。
【0037】得られた光学物品の防曇性評価方法は“J
IS−S4030 眼鏡用くもり止め剤試験方法”の低
温部くもり止め性に従って1〜4級で評価した。(1級
が一番防曇性能が良く、4級が一番悪い。)一方、表面
の水に対する接触角もそれぞれ、シランカップリング剤
処理前、シランカップリング剤処理後、反応性界面活性
剤反応後で各々測定し、表面親水性の目安とした。表面
に形成された薄膜の耐久性については、さらし布で荷重
500g・荷重面積2平方センチメートルで摩擦し、防
曇性試験等級が2級になったところの往復摩擦回数で評
価した。尚、摩擦時には水を滴下し、湿った状態で摩擦
を行った。摩擦終了後、乾燥させ、低温部くもり試験を
行い、防曇性の試験等級とした。
【0038】防汚染性・耐水ヤケ性の評価は、水道水を
レンズ表面に垂らした後、水分を蒸発させて表面に残っ
た残渣をティシュペーパーで拭き取り、残渣の残り具合
を目視で評価した。完全に残渣が拭き取れた場合をA、
少し残った場合をB、拭き取れない場合をCとした。
【0039】それぞれの結果は表1にまとめて示した。
【0040】上述のような構成によれば、界面活性剤部
分が動き易くなるため、防曇性能・耐水ヤケ性が向上す
る。
【0041】〔実施例2〕実施例−1で用意したシラン
カップリング剤処理をする前の反射防止膜を施したレン
ズにジビニルジクロロシランによって処理を行った。処
理後、コロナ放電を10秒行い、表面を活性化した。こ
のレンズを以下に示す反応性界面活性剤処理液に浸漬し
て、30分間脱泡を行い、溶存酸素量を少なくし、窒素
パージを行って35℃90分間放置した。その後、レン
ズを取り出して水洗を行い、乾燥させて処理レンズとし
た。水洗後のレンズの外観・反射防止の特性に大きな変
化は見られなかった。
【0042】(反応性界面活性剤の調整)水500gに
一般式
【0043】
【化2】
【0044】で表される反応性界面活性剤を100g溶
解し、モール塩1.2gを加えて処理液とした。
【0045】〔実施例3〕通常のソーダガラス板表面
を、出力400WのArプラズマで処理を行った後、以
下に示すシランカップリング剤溶液をスピンナーで(2
000回転,5秒)塗布し、150℃1時間加熱乾燥し
た。これはガラス板表裏それぞれについて同様に処理を
行った。
【0046】(シランカップリング剤処理液の調整)メ
チルセロソルブ294.76g に、3−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン4.16gを加え、
0.05NのHClを1.09g 加えたものをシランカ
ップリング剤処理液とした。
【0047】上記のようにして得られたソーダガラス板
に、以下に示す反応性界面活性剤処理液をスピンナー
(2000回転、5秒)で両面に塗布した後、両面それ
ぞれに高圧水銀灯(4kw)光源直下15cmで紫外線を
10秒照射し、水洗後アセトンにより拭き、処理ガラス
とした。アセトン拭き後のガラスの外観に大きな変化は
見られなかった。
【0048】(反応性界面活性剤処理液の調整)一般式
【0049】
【化1】
【0050】で表される反応性界面活性剤20gをメタ
ノール280gに溶解し、光開始剤として2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メ
ルク社製 ダロキュアー1173)を0.8g添加し、光
を遮断した状態で30分攪拌した。
【0051】〔比較例1〕実施例1で用意したシランカ
ップリング剤で処理をする前の反射防止膜付レンズに、
実施例−3で調整した界面活性剤として一般式
【0052】
【化1】
【0053】で表される反応性界面活性剤の処理液を塗
布し、両面それぞれに高圧水銀灯(4kw)光源直下1
5cmで紫外線を10秒照射したものを比較例1とした。
【0054】〔比較例2〕実施例1で使用した一般式
【0055】
【化1】
【0056】で表される反応性界面活性剤のかわりに2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンサルフォニック
アシッドを用いた以外は、実施例−1と同様にジエチレ
ングリコールビスアリルカーボネート製レンズを処理し
た。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、酸化ケイ
素が存在する硬度の十分ある表面に界面活性剤を反応・
固定させることが可能となり、かつ防曇処理層が薄い
為、表面硬度、防曇の持続性にも優れ、表面の反射防止
膜に光学的影響を与えない防曇性能を有する光学物品が
製造可能となった。さらに疎水部と親水部が自由に動け
る界面活性剤の存在により、単に水酸基だけを付与した
親水性表面や、直鎖の反応性界面活性剤を反応させて親
水部を表面に露出させた表面とは異なり、防汚染性、耐
水ヤケ性についても優れたものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応性界面活性剤を用いた場合のモデ
ル図。
【図2】従来の反応性界面活性剤を用いた場合のモデル
図。
【符号の説明】
1.光学物品 2.シランカップリング剤 3.界面活性剤疎水部 4.界面活性剤親水部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化ケイ素を主として含む物質の表面をシ
    ランカップリング剤で処理した後、側鎖または疎水性基
    中間部に反応性基を持つ反応性界面活性剤を表面に反応
    させたことを特徴とする防曇性能を有する光学物品。
JP7059144A 1995-03-17 1995-03-17 防曇性能を有する光学物品 Pending JPH08259270A (ja)

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