JPH0825917A - 方向性傾斜溝を有する氷雪上走行用空気入りタイヤ - Google Patents
方向性傾斜溝を有する氷雪上走行用空気入りタイヤInfo
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Abstract
ン性能とコーナリング特性を効果的に両立向上させた氷
雪路走行用パターンを有する空気入りタイヤを提供する
ことである。 【構成】 トレッド幅の7乃至25%の広幅周方向直
線溝と、周方向に対して5乃至40度の小さな傾斜角度
を有する方向性低傾斜溝と、周方向に対して60乃至8
5度の大きな傾斜角度を有する方向性高傾斜溝と、これ
らの溝により区画される各ブロックに周方向に間隔を置
いて3乃至9本配置された複数の折曲状サイプを備えた
トレッド・パターンを有する氷雪路走行用空気入りタイ
ヤ。
Description
イヤに関するもので、特に、雪上走行性能を低下するこ
となく優れた氷上走行性能を備えた空気入りタイヤに関
するものである。
るトレッド・パターンの典型的な従来例を図5に示す。
従来の典型的な氷雪路走行用空気入りタイヤは、図示の
ように、周方向ジグザグ溝および周方向直線溝がタイヤ
幅方向に交互に配置され、周方向に間隔を置いて配置さ
れた多数の横方向溝によってこれらの周方向に連続して
延びる溝が横方向に連結され、周方向溝および横方向溝
により複数のブロック列が形成され、さらに、各ブロッ
クに複数の横方向直線状サイプが形成されたトレッド・
パターンを備えていて、雪上走行にも氷上走行にも一応
の性能を発揮する。
方向に連続して延びるストレート溝または実質的にスト
レートな溝を意味し、周方向ジグザグ溝とは、周方向に
連続してジグザグ状に延びる溝を意味し、方向性傾斜溝
とは、周方向に対して傾斜して延びる溝であって、該溝
の傾斜して延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先に接
地して、赤道面に遠い側が後に接地するように車両に装
着する際のタイヤの回転方向が指定されている、いわゆ
る方向性トレッド・パターンが形成される溝を意味し、
折曲状サイプとは、鋸歯状、ジグザグ状、クランク状ま
たは波状サイプなどの非直線状サイプを意味する。
すると、トレッドの接地幅は広がるが接地長が短くなる
ので、氷雪上でのトラクション性能が低下する傾向にあ
る。そこで、トラクション性能を高めようとして接地長
を長くすると接地幅が狭くなり、コーナリング特性が低
下する。
性能とコーナリング特性を効果的に両立向上させた氷雪
路走行用パターンを有する空気入りタイヤを提供するこ
とである。
めに本発明の空気入りタイヤは、トレッドを左右に区分
する広幅周方向直線溝と、周方向に間隔を置いて配置さ
れた多数の方向性傾斜溝と、該周方向溝および/または
該傾斜溝により区画されるブロックに周方向に間隔を置
いて配置された複数の折曲状サイプを備えたトレッド・
パターンにおいて、(1)該周方向溝の溝幅はトレッド
幅の7乃至25%であり、(2)該方向性傾斜溝は、周
方向に対して5乃至40度の小さな傾斜角度を有する方
向性低傾斜溝と周方向に対して60乃至85度の大きな
傾斜角度を有する方向性高傾斜溝とよりなり、(3)該
方向性低傾斜溝と該方向性高傾斜溝の傾斜の向きが、該
広幅周方向溝により左右に区分された各領域内において
は同方向であり、該広幅周方向溝を挟んで左右の領域間
では逆方向であるように配設され、(4)該サイプは、
該ブロック内に3乃至9本配置され、荷重直下ではサイ
プが閉じてサイプ両側部のブロックが密着する程度に狭
い幅の0.5mm程度以下であり、周方向に対して70
乃至90度の方向に同一ブロック内では互いに平行また
は実質上平行に延び、少なくとも一端が該周方向溝また
は該低傾斜溝に開口したことを特徴とするトレッド・パ
ターンを備えた空気入りタイヤである。
入りタイヤでは、該方向性高傾斜溝の傾斜の向きが、該
広幅周方向直線溝に近接した個所で逆方向に転じて該広
幅周方向直線溝に40乃至90度の角度で開口している
ことが好ましい。ここで、方向性高傾斜溝の傾斜の向き
が逆方向に転じる個所、つまり上記の「広幅周方向直線
溝に近接した個所」とは、方向性高傾斜溝がトレッド両
端部からトレッド中央部に向かって延びて、それぞれト
レッド幅の25%以上内側に入った個所を意味する。
ッド・パターンになっているので、周方向直線溝の溝幅
はトレッド幅の7乃至25%と極めて広幅であって、こ
れによって図6に示されるようにトレッドの接地形状が
左右に区分され、それぞれ周方向に長い楕円形状となっ
ていて、トレッドの接地幅も広くかつ接地長も長いタイ
ヤが得られ、氷雪上でのトラクション性能とコーナリン
グ特性を効果的に両立向上させることが可能となる。従
来の典型的な氷雪路走行用空気入りタイヤでは、トレッ
ドの接地形状が左右に区分されず一体となっていて、ト
レッド中央部近傍で接地圧が最大になるが、本発明の空
気入りタイヤでは接地圧最大個所が左右2ヶ所に区分さ
れ、氷上ブレーキ性能が向上する。トレッドの接地形状
が左右の周方向に長い楕円形状に区分されるためには周
方向直線溝の溝幅はトレッド幅の7%以上であることが
必要で、この溝幅がトレッド幅の25%を超えると左右
の周方向に長い楕円形状のそれぞれの接地幅が狭くなり
コーナリング特性が低下する。
トレッド・パターンになっているので、方向性傾斜溝
は、周方向に対して5乃至40度の小さな傾斜角度を有
する方向性低傾斜溝と周方向に対して60乃至85度の
大きな傾斜角度を有する方向性高傾斜溝とよりなり、タ
イヤ周方向のエッジ成分によるタイヤの横方向へのエッ
ジ効果、つまり横方向のグリップ力の一層の増加をもた
らし、また、周方向直線溝には存在しないタイヤ幅方向
エッジ成分によってタイヤの縦方向へのエッジ効果、つ
まり氷上路面での車両前進・後退方向の制動性能および
トラクション性能の向上をもたらす。本発明の空気入り
タイヤのトレッド・パターンは、周方向に対して5乃至
40度の小さな傾斜角度を有する方向性低傾斜溝を備え
ているので、接地面内を縦断するまたは実質的に縦断す
るような長さの溝が存在することが可能になり、これに
よって接地長を長くする作用をもたらし、かつ濡れた路
面を走行するときの排水性の向上にも寄与する。また、
該方向性低傾斜溝と該方向性高傾斜溝の傾斜の向きが、
該広幅周方向溝により左右に区分された各領域内におい
ては同方向であるように配設されているので、タイヤの
回転方向に向かって鋭角形状のブロックが形成され、換
言すれば踏み込み側のブロック先端形状が鋭角になって
いるので、踏み込み時に雪中に入りやすくなっている。
さらに、溝の傾斜成分が単一方向であると片流れ成分が
強くなり車両の直進性やタイヤの偏摩耗に悪影響を及ぼ
すが、本発明の空気入りタイヤでは該傾斜溝の周方向に
対する傾斜の向きが該広幅周方向溝を挟んで左右の領域
間では逆方向であるように配設されているので、そのよ
うな恐れはない。
乃至9本の鋸歯状、ジグザグ状、クランク状または波状
サイプなどの折曲状サイプが同一ブロック内では互いに
実質上平行に延びているので、直線状のサイプ対比エッ
ヂ長さが増加することによりエッジ効果が大きくなりか
つ前後方向の曲げ剛性も大きくなる。さらに、サイプは
0.5mm程度以下の狭い幅(隙間)であるから、氷雪
路面に接したときに周方向溝および/または傾斜溝への
開口端ならびにサイプ表面を除いてサイプが閉じてサイ
プ両側部のブロックが密着してブロック剛性が高められ
る。上記のような剛性確保の結果、特開昭62−283
001に開示された発泡ゴムのような比較的柔らかいゴ
ムよりなるトレッドを備えた空気入りタイヤでサイプを
多用することが可能となり、発泡ゴムとサイプの相乗効
果によって氷上トラクション性能に優れた空気入りタイ
ヤを提供することができる。
傾斜溝の傾斜の向きが、該広幅周方向直線溝に近接した
個所で逆方向に転じて該広幅周方向直線溝に40乃至9
0度の角度で開口しているので、氷雪上のトラクション
性能が向上する。
説明すると、図1乃至図4は本発明に従う乗用車用空気
入りタイヤの実施例1乃至4のトレッド・パターンであ
って、タイヤ・サイズはいずれも225/50R16で
ある。
りタイヤのトレッド・パターンは、トレッドを左右の領
域(L)と(R)に区分する広幅周方向直線溝(1)
と、周方向に間隔を置いて配置された多数の方向性傾斜
溝(2)および(3)と、該周方向溝および/または該
傾斜溝により区画されるブロックに周方向に間隔を置い
て配置された複数のサイプ(4)を備えていて、ネガテ
ィブ率は47%である。トレッド中央部に設けられた広
幅周方向直線溝(1)は、溝幅が34mmで、これはト
レッド幅(TW=203mm)の約17%に相当する。
て20度の小さな傾斜角度を有する方向性低傾斜溝
(2)と周方向に対して78度の大きな傾斜角度を有す
る方向性高傾斜溝(3)とよりなり、その傾斜の向き
が、該広幅周方向溝により左右に区分された各領域
(L)と(R)内においては同方向であり、該広幅周方
向溝を挟んで左右の領域間では逆方向であるように配設
されている。方向性低傾斜溝(2)は6ブロックにわた
って延びていて、その溝幅は中央部部分の4ブロックは
7.5mmであるが、その前後は2.5mmと狭くなっ
ている。方向性高傾斜溝(3)の溝幅は8mmである。
(6)が5本配置されていて、一部に直線状サイプ
(7)が併用されている。いずれのサイプも、荷重直下
ではサイプが閉じてサイプ両側部のブロックが密着する
程度に狭い幅の0.3mmで、クランク部分以外では周
方向に対して90度の方向に同一ブロック内では互いに
平行に延び、少なくとも一端が周方向溝(1)または方
向性低傾斜溝(2)に開口している。
(2、3)の傾斜して延びる部分のタイヤ赤道面に近い
側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接地するよう
に車両に装着する際のタイヤの回転方向(D)が指定さ
れている、いわゆる方向性トレッド・パターンが形成さ
れる。本実施例では、本発明の好ましい実施態様(請求
項2)に基づき、方向性高傾斜溝(4)の傾斜の向き
が、該広幅周方向溝に近接した個所(4)で逆方向に転
じ(5)て該広幅周方向溝(1)に90度の角度で開口
している。したがって、本実施例では厳密に言えば、こ
の方向性高傾斜溝(4)の傾斜の向きが逆方向に転じて
いるわずかな部分ではタイヤ赤道面に遠い側が先に接地
する。
基本的には図1に示す実施例1の空気入りタイヤと同じ
である。主な相違点は、トレッド中央部に設けられた広
幅周方向直線溝(1)の溝幅が28.5mmでトレッド
幅(TW=210mm)の約13.5%とやや狭くなっ
ていること、方向性低傾斜溝(2)の傾斜角度が18度
となり、方向性低傾斜溝(2)の溝幅も7mmと若干狭
くなり、ネガティブ率は45%へ減少していることおよ
び鋸歯状サイプだけが使用され直線状サイプは使用され
ていないことである。
基本的には図1に示す実施例1の空気入りタイヤと同じ
である。主な相違点は、方向性高傾斜溝(3)の傾斜の
向きが逆方向に転じることなく、そのまま広幅周方向溝
(1)に90度の角度で開口していることである。
基本的には図1に示す実施例1の空気入りタイヤと同じ
である。主な相違点は、方向性高傾斜溝(3)の傾斜の
向きが逆方向に転じることなく、広幅周方向溝(1)に
近接した個所で終了し、広幅周方向溝(1)の両側部に
周方向に連続したリブが形成されていることである。
示のように、タイヤ周方向に連続して延びるジグザグ状
溝および直線状溝をタイヤ幅方向に交互に配置し、これ
らの周方向溝を連結すべく周方向に間隔を置いて配置さ
れた多数の横方向溝と該周方向溝とにより複数のブロッ
ク列を形成し、さらに、各ブロックに複数の直線状横方
向サイプを形成してなるトレッド・パターンを備えてい
る。タイヤ・サイズは225/50R16で、トレッド
幅TWは約165mmである。
従う実施例1、実施例3および実施例4の乗用車用空気
入りタイヤと図5に示す上記従来例の乗用車用空気入り
タイヤについて、雪上フィーリング特性、雪上ブレーキ
性能、氷上フィーリング特性および氷上ブレーキ性能の
評価試験を実施した。テスト条件は前輪のタイヤ内圧
2.3Kg/cm2 、後輪のタイヤ内圧2.5Kg/c
m2 で、雪上フィーリング特性は圧雪路面のテスト・コ
ースにおける制動性、発進性、直進性およびコーナリン
グ性能の総合フィーリング評価で、雪上ブレーキ性能は
圧雪上を40Km/hの速度での走行状態からフル制動
したときの制動距離、氷上フィーリング特性は氷盤路面
のテスト・コースにおける制動性、発進性、直進性およ
びコーナリング性能の総合フィーリング評価で、氷上ブ
レーキ性能は氷盤上を20km/hの速度での走行状態
からフル制動したときの制動距離の評価結果である。評
価結果は従来例の空気入りタイヤの結果を100とした
指数表示で示してあり、数字が大きいほど性能が優れて
いることを示している。評価結果のまとめを表1に示
す。
施例の乗用車用空気入りタイヤは上記従来例の乗用車用
空気入りタイヤに比べて、雪上性能および氷上性能では
るかに優れていることが分かった。
ターンは、広幅周方向直線溝と方向性傾斜溝を的確に組
み合わせることによって、氷雪上でのトラクション性能
とコーナリング特性を効果的に両立向上させた氷雪路走
行用パターンを提供することが可能となった。
ーン図である。
ーン図である。
ーン図である。
ーン図である。
ターン図である。
地形状である。
Claims (2)
- 【請求項1】 トレッドを左右に区分する広幅周方向直
線溝と、周方向に間隔を置いて配置された多数の方向性
傾斜溝と、該周方向溝および/または該傾斜溝により区
画されるブロックに周方向に間隔を置いて配置された複
数の折曲状サイプを備えたトレッド・パターンにおい
て、(1)該周方向溝の溝幅はトレッド幅の7乃至25
%であり、(2)該方向性傾斜溝は、周方向に対して5
乃至40度の小さな傾斜角度を有する方向性低傾斜溝と
周方向に対して60乃至85度の大きな傾斜角度を有す
る方向性高傾斜溝とよりなり、(3)該方向性低傾斜溝
と該方向性高傾斜溝の傾斜の向きが、該広幅周方向溝に
より左右に区分された各領域内においては同方向であ
り、該広幅周方向溝を挟んで左右の領域間では逆方向で
あるように配設され、(4)該サイプは、該ブロック内
に3乃至9本配置され、荷重直下ではサイプが閉じてサ
イプ両側部のブロックが密着する程度に狭い幅の0.5
mm程度以下であり、周方向に対して70乃至90度の
方向に同一ブロック内では互いに平行または実質上平行
に延び、少なくとも一端が該周方向溝または該低傾斜溝
に開口したことを特徴とするトレッド・パターンを備え
た空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 該方向性高傾斜溝の傾斜の向きが、該広
幅周方向溝に近接した個所で逆方向に転じて該広幅周方
向溝に40乃至90度の角度で開口していることを特徴
とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16437494A JP3616135B2 (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 方向性傾斜溝を有する氷雪上走行用空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16437494A JP3616135B2 (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 方向性傾斜溝を有する氷雪上走行用空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0825917A true JPH0825917A (ja) | 1996-01-30 |
JP3616135B2 JP3616135B2 (ja) | 2005-02-02 |
Family
ID=15791925
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16437494A Expired - Fee Related JP3616135B2 (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 方向性傾斜溝を有する氷雪上走行用空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3616135B2 (ja) |
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1994
- 1994-07-15 JP JP16437494A patent/JP3616135B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Also Published As
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