JPH08258942A

JPH08258942A - ベルトコンベア乗継部の搬送物落下防止支持装置

Info

Publication number: JPH08258942A
Application number: JP9321095A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Niimoto; 剛新本; Kazuhiro Kikuchi; 和弘菊地; Sei Komamura; 聖駒村; Junichi Matsumoto; 順一松本; Atsushi Sato; 佐藤　　淳; Hiroshi Goto; 弘後藤; Shinichi Shibusawa; 進一渋沢; Yoshizumi Kawaguchi; 善澄川口; Shigeru Morishita; 茂森下
Original assignee: Kobe Steel Ltd; Sumitomo Metal Industries Ltd; Kawasaki Steel Corp; NKK Corp; Nippon Kokan Ltd
Current assignee: JFE Steel Corp; Kobe Steel Ltd; JFE Engineering Corp; Nippon Steel Corp
Priority date: 1995-03-28
Filing date: 1995-03-28
Publication date: 1996-10-08
Anticipated expiration: 2014-06-07
Also published as: JP2902322B2

Abstract

(57)【要約】【目的】ベルトコンベアの乗継部では、上流コンベア
からの搬送物を案内する案内シュートと、下流側コンベ
アのベルトを下から支持する支持装置が設けられている
が、この支持装置と下流側ベルトの両端が上方に屈曲す
る屈曲部の近傍では局部磨耗が生じ易かったのでこれを
改善する。【構成】下流側コンベアのベルトの下側を支持する支持
装置において、ベルトの幅方向中央にはキャリアローラ
が配置される。またベルトの屈曲部の近傍は、耐磨耗性
材を有する第一の摺動支持板で支持する。更に、屈曲部
の外側は、平滑性材を有する第二の摺動支持板で支持す
る。耐磨耗性材としては例えば、Ａｌ₂Ｏ₃系またはＡ
ｌ₂Ｏ₃＋ＳｉＣ系のセラミックスチップが用いられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば鉄鉱石や石炭
等の粉状物あるいは塊状ばら物等の搬送物を搬送するベ
ルトコンベアの乗継部で、搬送物がベルトの外部に落下
しないようにベルトコンベアのベルトを支持する支持装
置の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４に従来のベルトコンベアの乗継部を
示す。即ち、上流側コンベア１によって搬送された搬送
物４は、上流側コンベア１の端部から落下し、下方に設
けられている下流側コンベア３に受けられ、乗継がれ
る。

【０００３】この乗継部には、搬送物４がコンベア１、
３の外に飛び散らないように案内する案内シュート２が
設けられる。この案内シュート２の下端のスカート部２
ａは、下流側コンベア３のベルト３ｂ（図中上側のベル
ト）にほとんど接した状態で配置が行われ、スカート部
２ａとコンベア３との間から搬送物が外へ落下するのを
防止している。

【０００４】なお、このキャリアローラ３ａはベルト３
ｂの幅方向（図４（ｂ））において３個設けられる。ベ
ルト３ｂは両端が上方に屈曲した形となっているので、
両端のキャリアローラ３ａもこの屈曲に沿って斜めに配
置される。

【０００５】しかしながら、搬送物４が下流側コンベア
３のベルト３ｂの上に落下した際の衝撃により、このベ
ルト３ｂは下方に撓む。即ち、このベルト３ｂは複数の
キャリアローラ３ａによって支えられているが、キャリ
アローラ３ａとキャリアローラ３ａとの間ではベルト３
ｂは支えられておらず、前記落下の衝撃により撓みが生
じるものである。

【０００６】その結果、スカート部２ａと、ベルト３ｂ
との間に隙間が生じ、この隙間から搬送物４の一部が飛
散してコンベア１、３の外へ落下してしまう。この搬送
物４の落下を放置すると、作業環境を悪化させ更にはコ
ンベア設備の運転にも支障をきたすものにもなる。そこ
で、定期的な落下搬送物の除去作業が必要となる。

【０００７】この問題を解決するために、特開平２−８
６５０２号公報では図５に示すように、下流側コンベア
３のベルト３ｂの下側を支持装置５によって支持する。
この支持装置５は、従来のキャリアローラ３ａに代わっ
て摺動支持板５ｂを複数配置したものである。この摺動
支持板５ｂはベルト３ｂの長手方向に細く伸びる形状を
しており、複数が幅方向に配置され互いの間に溝５ａが
形成される。

【０００８】この配置はベルト３ｂの円弧状の屈曲に合
わせて、円弧状に行われる。摺動支持板５ｂの表面は、
例えばテフロン樹脂や耐熱製ナイロン樹脂等の平滑性材
が覆っている。このような支持装置５によれば、ベルト
３ｂは十分に支持され搬送物４の落下の衝撃に対しても
は撓むことがなく、ベルト３ｂと案内シュート２のスカ
ート部２ａとの間に隙間が生じるのを防止できる。

【０００９】また、実公平２−４００１０号公報では図
６に示すように、摺動支持板５ｂが、弾性体５ｂｂの表
面に高分子ポリエチレン板５ｂａを張り合わせて構成す
ることも提案されている。

【００１０】更に、実開平４−４９１１０号公報では図
７に示すように、下流側コンベア３のベルト３ｂの幅方
向中央にキャリアローラ３ａが配置されると共に、ベル
ト３ｂの幅方向両端には一対の車輪様の傾斜ローラ７が
配置される。また車輪様の傾斜ローラ７を構成する車軸
７ａの両端に軸支された車輪部７ｂの間に、摺動支持板
５ｂが配置されている。

【００１１】このようにベルト３ｂの幅方向中央をキャ
リアローラ３ａで支持することで、搬送物４の落下の衝
撃に対して十分な剛性を持つことができ、同時に摺動支
持板５ｂの働きによりベルト３ｂとスカート部２ａとの
間に隙間が生じるのが防止される。また、車輪様の傾斜
ローラ７とベルト３ｂの滑らかな搬送動作を維持でき
る。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来の支持装置は、次のような問題点を有してい
た。即ち，図５に示す特開平２−８６５０２号公報や図
６の実開平２−４００１０号公報では、摺動支持板５ｂ
のベルト３ｂとの摺動面が高分子系、樹脂系、ゴム系と
いった摩擦抵抗の小さい平滑性材にから成っているた
め、落下する搬送物４が直撃するベルト３ｂ幅方向中央
付近等で特に磨耗が激しく、磨耗した部分を取り替えて
補修をする場合には、摺動支持板５ｂを一式外さなけれ
ばならず、手間と費用がかかるという問題があった。

【００１３】これに対し図７の実開平４−４９１１０号
公報では、ベルト３ｂの幅方向中央にキャリアローラ３
ａを配置することで剛性を持たせ耐磨耗製を向上させて
いる。しかしながら、この図７の支持装置は、ベルト３
ｂの両端が所定の角度で上方に屈曲する屈曲部３ｃを支
持する車輪部７ｂの損傷が激しい。屈曲部３ｃを支持す
る部分は、摺動による局部磨耗が特に激しいためであ
る。

【００１４】また車輪部７ｂを廃止し、屈曲部３ｃも摺
動支持板５ｂで支持することが考えられるが、摺動支持
板５ｂは前記したように摩擦抵抗が小さい材料であるた
めやはり磨耗が激しくなる。

【００１５】この発明は、上記の問題点を解決するため
に成されたもので、落下する搬送物が直撃するベルトの
幅方向中央部分の磨耗のみならず、ベルトの屈曲部近傍
の局部磨耗にも十分に対応し耐久性を向上できるベルト
コンベア乗継部の搬送物落下防止支持装置を提供するこ
とを目的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】この発明は前記目的を達
成するために成されたもので、請求項１の発明は、上流
側コンベアからの搬送物が下流側コンベアに乗継ぐ乗継
部で、搬送物を上流側コンベアから下流側コンベアに案
内する案内シュートが設けられ、この案内シュート下端
のスカート部と下流側コンベアのベルトとの間に隙間が
生じ搬送物が落下するのを防止するために、下流側コン
ベアのベルト直下に設置される支持装置において、ベル
トの幅方向中央に配置されたキャリアローラと、ベルト
の両端が所定の角度で上方に屈曲する屈曲部の近傍を支
持する耐摩耗性材を有する第一の摺動支持板と、屈曲部
のベルト幅方向外側を支持する平滑性材を有する第二の
摺動支持板と、を備えたことを特徴とする。

【００１７】また、請求項２の発明は、更に、耐摩耗性
材がＡｌ₂Ｏ₃系またはＡｌ₂Ｏ₃＋ＳｉＣ系のセラミ
ックスチップであり、平滑性材は超高分子ポリエチレン
または樹脂系またはゴム系の材料であることを特徴とす
る請求項１記載の発明である。

【００１８】

【作用】請求項１または２の発明によれば、落下する搬
送部の直撃を受けるベルトの幅方向中央の部分は、キャ
リアローラによって支持するので、落下衝撃に対して強
い剛性及び耐磨耗性を持つ。また、ベルトの両端が所定
の角度で上方に屈曲する屈曲部の近傍を、耐磨耗性を有
する第一の摺動支持板によって支持するので、屈曲部に
おける局部磨耗に対しても十分な耐磨耗性を有する。

【００１９】更に、屈曲部のベルト幅方向外側を平滑性
材を有する第二の摺動支持板によって支持することで、
ベルトのスムーズな搬送動作を阻害せずに、ベルトと案
内シュートのスカート部との間に隙間が生じるのを防止
し、この隙間から搬送物が落下しないようにできる。ま
た、摺動支持板を第一と第二のものに分割することで、
前記耐磨耗性と平滑性（スムーズさ）を両立できると共
に、摺動支持板の装着作業が容易になり保全性が向上す
る。

【００２０】

【実施例】以下、この発明の実施例を、図１乃至図３に
基づいて説明する。図１はこの発明に係る搬送物落下防
止支持装置の概略斜視図であり、図２は図１の搬送物落
下防止支持装置より支持されたベルト３ｂに対し案内シ
ュート２のスカート部が接している状態を示す断面図で
あり、図３は図２の第一の摺動支持板８ａに用いられる
耐磨耗性材９ａであるセラミックスチップ１０を示す図
である。

【００２１】前記従来技術（図４参照）で説明したよう
にベルトコンベアの乗継部では、上流側コンベア１から
の搬送物４が下流側コンベア３に落下して，乗継がれ
る。この乗継部には、案内シュート２が設けられ、搬送
物４を上流側コンベア１から下流側コンベア３へ案内す
る。この案内シュート２の下端にはスカート部２ａが設
けられ、下流側コンベア３のベルト３ｂとの間に隙間が
生じるのを防止する。

【００２２】この実施例においてスカート部２ａは調節
が可能となっている。また、図２に示すようにベルト３
ｂは平坦ではなく両端が所定の角度（トラフ角）で上方
に屈曲し、屈曲部３ｃを形成する。このように屈曲する
ことで、搬送物４がベルト３ｂの上に保持され易いもの
としている。

【００２３】ベルト３ｂの幅方向中央には、従来と同様
のキャリアローラ３ａが配置されている。キャリアロー
ラ３ａに対しベルト３ｂの幅方向外側には前記屈曲部３
ｃが位置する。この屈曲部３ｃの近傍は、耐磨耗性材９
ａを有する第一の摺動支持板８ａにより支持される。こ
の支持は、落下する搬送物４が下流側コンベア３のベル
ト３ｂを直撃する範囲で行われる。

【００２４】耐磨耗性材９ａとしては、高い耐磨耗性を
有するＡｌ₂Ｏ₃系またはＡｌ₂Ｏ₃＋ＳｉＣ系のセラ
ミックスチップ１０が採用される（図３（ａ））。Ａｌ
₂Ｏ₃系耐磨耗性材としては、例えばＡｌ₂Ｏ₃が９０
ｗｔ％以上で、残部がＮｉ，Ｃａ，Ｍｇ等の酸化物を含
むセラミックスがある。

【００２５】このセラミックスチップ１０は複数枚が平
面的に配置される。ただし、ベルト３ｂの回転動作また
は蛇行動作の異常時において、セラミックスチップ１０
の上面側の角部がベルト３ｂの裏側表面を傷つけること
がないように、セラミックスチップ１０の上面側角部は
滑らかな曲面状に加工されている（図３（ｂ））。

【００２６】ベルト３ｂの屈曲部の更に外側は、平滑性
材９ｂを有する第二の摺動支持板８ｂによって支持され
る。この平滑性材９ｂは、従来と同様にベルト３ｂのス
ムーズな搬送動作を維持できるように、平滑性が高い超
高分子ポリエチレンまたは樹脂系またはゴム系の材料が
採用される。

【００２７】以下、この実施例の作用を説明する。乗継
部において上流側コンベア１から落下する搬送物４が直
撃する衝撃は、キャリアローラ３ａが受ける。従って、
十分な剛性を有し、キャリアローラ３ａがベルト３ｂの
搬送動作と共に回転することで衝撃に対する十分な耐磨
耗性を有する。また、ベルト３ｂの屈曲部３ｃは摺動に
伴い局部的に大きな磨耗が生じ易いが、この屈曲部３ｃ
をセラミックスチップ１０からなる耐磨耗性材９ａを介
して支持するので、この局部摩擦を十分に防止できる。

【００２８】そして、そのような局部摩擦の心配がない
ベルト３ｂの外側は、従来と同様な平滑性材９ａで支持
するので、ベルト３ｂのスムーズな搬送動作を十分に保
つことができる。更に、第一の摺動支持板８ａの耐磨耗
性材９ａと第二の摺動支持板８ｂの平滑性材９ｂはそれ
ぞれ消耗の度合いが異なるので、別々に交換などの保守
を行う必要があるが、摺動支持板８を両摺動支持板８
ａ、８ｂとして別個に設けることで、保全性が向上でき
る。

【００２９】また、セラミックスチップ１０は非常に高
い耐磨耗性を有するので、高速度、高荷重のベルトコン
ベアに対しても屈曲部の局部磨耗を防止でき、優れた搬
送物落下防止支持装置を提供できる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１または２
の発明によれば、ベルト幅方向中央をキャリアローラに
よって支持することで、落下する搬送物の直撃に対して
強い剛性及び耐磨耗性を持つと共に、屈曲部をセラミッ
クスチップなどの耐磨耗性材を有する第一の摺動支持板
によって支持することで、屈曲部との摺動による局部磨
耗に対する耐久性を向上できる。

【００３１】また、ベルトの外側は従来と同様に平滑性
材を有する第二の摺動支持板よって支えることで、ベル
トと案内シュートのスカート部との間に隙間が生じ搬送
物が落下するのを防止できる。また、摺動支持板を第一
のものと第二のものとに分割することで前記したように
耐磨耗性と平滑性を同時に満足できると共に、摺動支持
板の装着作業が容易になり保全性が向上できる。

【００３２】また、請求項２の発明のように耐磨耗性材
にセラミックスチップを用いれば、高い耐磨耗性が得ら
れ、高速度高荷重のベルトコンベアに対しても上記と同
等の効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例に係る搬送物落下防止支持装
置の概略斜視図である。

【図２】図１の装置が実際に使用される状態を示す断面
図である。

【図３】図２の耐磨耗性材に使用されるセラミックスチ
ップを説明する図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は（ａ）
のセラミックスチップ１個の側面図である。

【図４】従来のベルトコンベア乗継部を説明する図で、
（ａ）は乗継部の側面図（ｂ）は（ａ）の下流側コンベ
アのを一部を示す断面図である。

【図５】特開平２−８６５０２号公報で提案された支持
装置の説明図で（ａ）は斜視図（ｂ）正面図である。

【図６】実公平２−４００１０号公報で提案された支持
装置の一部を示す図である。

【図７】実開平４−４９１１０号公報で提案された支持
装置の説明図で（ａ）は斜視図（ｂ）は断面図である。

【符号の説明】

１上流側コンベア２案内シュート２ａスカート部３下流側コンベア３ａキャリアローラ３ｂベルト４搬送物５搬送物落下防止支持装置５ｂ摺動支持板８摺動支持板８ａ第一の摺動支持板８ｂ第二の摺動支持板９ａ耐磨耗性材９ｂ平滑性材１０セラミックスチップ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000002118 住友金属工業株式会社大阪府大阪市中央区北浜４丁目５番33号 (72)発明者新本剛東京都千代田区丸の内一丁目１番２号日本鋼管株式会社内 (72)発明者菊地和弘東京都千代田区丸の内一丁目１番２号日本鋼管株式会社内 (72)発明者駒村聖千葉県千葉市中央区川崎町１番地川崎製鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者松本順一兵庫県加古川市金沢町１番地株式会社神戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者佐藤淳兵庫県加古川市金沢町１番地株式会社神戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者後藤弘兵庫県加古川市金沢町１番地株式会社神戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者渋沢進一茨城県鹿島郡鹿島町大字光３番地住友金属工業株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者川口善澄茨城県鹿島郡鹿島町大字光３番地住友金属工業株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者森下茂和歌山県和歌山市湊1850番地住友金属工業株式会社和歌山製鉄所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）上流側コンベアからの搬送物が下流
側コンベアに乗継ぐ乗継部で、搬送物を上流側コンベア
から下流側コンベアに案内する案内シュートが設けら
れ、この案内シュート下端のスカート部と下流側コンベ
アのベルトとの間に隙間が生じ搬送物が落下するのを防
止するために、下流側コンベアのベルト直下に設置され
る支持装置において、（ｂ）ベルトの幅方向中央に配置されたキャリアローラ
と、ベルトの両端が所定の角度で上方に屈曲する屈曲部
の近傍を支持する耐摩耗性材を有する第一の摺動支持板
と、屈曲部のベルト幅方向外側を支持する平滑性材を有
する第二の摺動支持板とを備えたことを特徴とするベル
トコンベア乗継部の搬送物落下防止支持装置。
【請求項２】前記耐摩耗性材がＡｌ₂Ｏ₃系またはＡｌ
₂Ｏ₃＋ＳｉＣ系のセラミックスチップであり、前記平
滑性材は超高分子ポリエチレンまたは樹脂系またはゴム
系の材料であることを特徴とする請求項１記載のベルト
コンベア乗継部の搬送物落下防止支持装置。