JPH08258391A - 孔版印刷機用インクユニット - Google Patents

孔版印刷機用インクユニット

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JPH08258391A
JPH08258391A JP6364095A JP6364095A JPH08258391A JP H08258391 A JPH08258391 A JP H08258391A JP 6364095 A JP6364095 A JP 6364095A JP 6364095 A JP6364095 A JP 6364095A JP H08258391 A JPH08258391 A JP H08258391A
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ink
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Tetsuo Watanabe
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 孔版印刷用に用いられ安定した高画質が得ら
れ、交換可能なインクユニットにする。 【構成】 印刷に必要な面積をもった平らなスポンジ状
体とシート状体とを積層してインクを含浸したインク保
持体8を、前記シート状体と同様のシート材からなる外
袋6と7とに作られた袋体に内包し、外袋6と7の外周
A部を接合し高い剛性を有し平坦な面をもつインクユニ
ット11とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、孔版印刷機用インクユ
ニットに関し、より詳細には、インクを含浸保持するイ
ンク保持部材を有し、交換可能にした孔版印刷機用のイ
ンクユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷機は、印刷する画像と同じ画像
を形成するための多くの微細な穴を穿孔した孔版を用い
て印刷する方式の印刷機であり、印刷時に、印刷用紙に
孔版を載せ、その上からインクを押し出し、該インクに
よる微細穴に従った画像を印刷用紙に印刷するものであ
る。これに対してオフセット印刷機では版面に付着した
インクをゴムローラに転写し、このゴムローラを介して
印刷用紙に印刷する方式であり、孔版印刷機に対して操
作が複雑であるのに対し、孔版印刷機は操作が簡単で、
しかも多量の印刷物が得られることから従来より広く使
用されている。
【0003】しかし、従来の孔版印刷機では、謄写印刷
やスクリーン印刷機にみられるように、孔版上にインク
スキージやローラ等によりインクを押し出すため、操作
者の手などにインクが付着して汚したり、孔版上に残っ
たインクが無駄に捨てられるなどの欠点があった。この
ような孔版印刷機の欠点を解決するため、本出願人は、
先に、転写用のインクを含浸材に含浸させて、これと印
刷用紙との間に孔版をサンドイッチ状に挾んで加圧転写
する「孔版を用いた印刷機」を提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、転写用のイン
クを単に含浸材に含浸させ、これと印刷用紙との間に孔
版をサンドイッチした場合、含浸材が孔版に直接接触す
るので含浸材の表面凹凸がインク押し出し圧力に変化を
もたらし、結果的に印刷画面に濃度むらが生じ、画質の
悪いまだら状の印刷がなされる。また、孔版は、例え
ば、薄い和紙とポリエステルフィルムとをラミネートし
た接着物であるため、インク側の表面にある程度の剛性
がないと、孔版を印刷機にセットするとき皺が発生した
り破れたりする不都合があった。更に、含浸材に含浸さ
れたインクが押し出されるとき、インクの粘性抵抗が必
ずしも一定でなく、粘性抵抗が小さい場合、印刷時にイ
ンクが滲み出す等の課題があった。
【0005】更に、また、含浸材にインクを含浸したイ
ンクユニットを未使用のまま長期保存すると、インクが
乾燥し粘度変化や色調変化が生じたりすることにより画
質が悪化したり、また、印刷機へのインクユニット取付
時に装置を汚したり、インクの無駄があるなどの課題が
あった。
【0006】本発明は、孔版印刷機に使用されるインク
を含浸したインク保持体をシート状体で作られた袋内に
内包して交換可能なインクユニットとすることを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)インク浸透性材料で形成され、必
要な印刷面積を包括する大きさの平らな袋状部材と、イ
ンクを浸透させた平板状のインク保持部材とからなり、
該インク保持部材を前記袋状部材に内包して平板状に一
体構成したこと、更には、(2)前記(1)において、
印刷に使用される孔版と前記インク保持部材の間に、前
記孔版印刷用インクユニットから滲み出すインク量を抑
制するインク制御層を設けたこと、更には、(3)前記
(1)又は(2)において、不使用時には前記孔版印刷
機用インクユニットを収納して外気との間を遮断し、使
用時には前記孔版印刷用インクユニットを取り出し空気
との遮断を解除する遮断機構を設けたこと、更には、
(4)前記(1)乃至(4)の何れかにおいて、前記孔
版印刷機用インクユニットを前記孔版印刷機に交換して
使用可能とする剛性のある基板を前記孔版印刷機用イン
クユニットに着脱自在に取り付けたことを特徴とする。
【0008】
【作用】インクをスポンジ状とシート状の保持体に含浸
させて、これを複数属積層して、シート状の保持体と同
様の多孔質のシートの袋状体に内包して孔版に対し適度
の接触性と剛性をもった平板状の一体形状のインクユニ
ットとする。更に、印刷時にインクが滲み出さないよう
にインクの流れに抵抗を与えて流れを制御するインク制
御層を設け、更に、また、非使用時、インクユニットが
空気に接触して蒸発や乾燥により変質するのを防ぐため
にインクユニットを出し入れ可能とする遮断機構を設
け、更に、また、インクユニットを剛性基板に着脱自在
に取り付け容易に交換できるようにする。
【0009】
【実施例】まず、本発明のインクユニットが適用される
孔版印刷の基本原理を説明する。
【0010】図1は、孔版印刷の基本原理を説明するた
めの図であり、図中、1は加圧板、2はインク保持材、
3は孔版、4は印刷用紙(プリント用紙)、5は受台で
ある。
【0011】図中、孔版3は印刷目的の画像に従って、
走査される光信号を光電変換し、出力された電気信号を
熱変換する光−熱変換手段又はスキャナー付サーマルヘ
ッドプリンタ等により製版される。この孔版3の上方側
の面には、インク保持材2,加圧板1が載せられ、孔版
3の下方側の面にはプリント用紙4が対向しており、プ
リント用紙4は受台5の上に載せられている。印刷時に
は、矢印に示すように、孔版3側かプリント用紙4側か
何れかの方向に加圧力を作用させることによりインク保
持材2のインクが、孔版3を透過してプリント用紙4に
付着転写される。
【0012】実施例1(請求項1に対応) 図2は、本発明による孔版印刷機用インクユニットを説
明するための図で、図中、6,7は外袋、8はインク保
持体(インクが含浸されている)、11はインクユニッ
トである。
【0013】外袋6,7は、合成樹脂からなるシート状
の不織布などで作られ、例えば、(株)ユニチカ製ユニ
チカマリックス90503KS0が用いられる。また、
インク保持体8は、スポンジ状体とシート状体とを2〜
4枚重ね、その中にインクを平塗りして重ね合せたもの
である。スポンジ状体としては、例えば、ブリヂストン
社製「BSエバーライト」、シート状体としては、前記
ユニチカマリックス90503KS0が用いられる。
【0014】インクは、例えば、エマルジョンインク
で、黒色のエマルジョンインクの場合は、予めオイルと
カーボン、乳化剤、安定剤等を混合して充分に分散さ
せ、次に増粘材、凍結防止材等を溶解した水性材料を添
加後、充分に分散することによりエマルジョンを形成
し、更にローラミル等により粉砕され微細粒子をもつエ
マルジョンインクとされる。
【0015】以上のように構成されたインク保持体8
は、例えば平らな外袋6と凹材の外袋7からなる袋体内
に内包される。このとき、外袋6と7との外周面は接合
部Aで加熱融着又は接着等により接合され袋体が形成さ
れる。なお、この接合作業は、インクユニット11の組
立工程中で行なわれる。このインクユニット11は印刷
時、外袋7の面で孔版3と加圧接合させる部分である
が、外袋7の厚さは一定の厚さであるから、加圧転写、
温度条件、インク性状によってはインク滲みが生ずるこ
とがある。
【0016】実施例2(請求項2に対応) 図3は、本発明によるインクユニットのインク量制御手
段を説明するための図で、図中、10は滲み出し量制御
部材である。図2と同様の作用をする部分には、図2と
同じ参照番号が付されてある。
【0017】滲み出し量制御材料10は、加圧転写時の
インクの流出をコントロールするための板状体で、含性
樹脂の不織布等からなり、例えば、カネボウサヴィーナ
ミニマックスMX200が用いられる。滲み出し量制御
材料10を図3(a)は、インクユニット内部でインク
保持体8と外袋7との間に内包した場合の図であり、図
3(b)はインクユニットの外袋7の外側に配置した場
合の図であり、何れの場合も加圧転写時にインクの流出
をコントロールする効果は同様である。なお、含浸させ
るインクの量が比較的少ないような場合は、外袋7を直
接、滲み出し制御材料と同じ材料(カネボウサヴィーナ
ミニマックスMX200)を使用しても滲み出し防止の
効果が得られる。
【0018】実施例3(請求項3に対応) 図4は、本発明によるインクユニット保管用空気接触遮
断機構を説明するための図で、図3(a)は、遮断機構
(シールケース)がビニール袋の形態、図3(b)は薄
型ケースの形態を示し、図中12はビニール袋、13は
薄型ケース、14は蓋である。
【0019】実施例3の発明は、インクユニット11が
長期間使用されず、気温や湿気の変化のある空気に接触
した状態ではインクが蒸発あるいは乾燥し、印刷時の特
性変化を与える可能性があるので、これを防止するため
のものである。
【0020】図4(a)の遮断機構は、インクユニット
11をシール部12aを有するビニール袋12に収納し
た例を示すもので、非使用時にはシール部12aにより
シールし、使用時にはシール部を開けてインクユニット
11aを取り出す。図4(b)の遮断機構はインクユニ
ット11を凸部13aを有する薄型ケース13内に蓋1
4を被せて収納する例を示すもので、薄型ケース13に
は平板状の蓋14を穿内に被せる摺動溝13bが設けら
れ、何れの場合も使用時にインクユニット11を取し非
使用時には空気を遮断され品質低下を防げる。
【0021】実施例4(請求項4に対応) 実施例4の発明はインクユニット11の外周に剛性のあ
る枠体を着脱可能に取り付けて全体剛性を持たせ、これ
を転動加圧装置又は全面加圧装置で構成される装置本体
にインクユニット11を交換できるように取り付けるも
のである。
【0022】図5は、本発明によるインクユニットを装
置に着脱可能にする構造の一例を説明するための図で、
図5(a)は動可圧装置用、図5(b)は、全面加圧装
置であり、図中、15は枠体、16はローラ、17は枠
であり、図2と同様の作用する部分には図2の場合と同
じ参照番号が付してある。
【0023】図5(a)に示したインクユニット11
は、インクユニット11の全周に、インクユニット11
を着脱可能とする大きさの枠体15だけを有している場
合のもので、枠体15の材料としては、インクユニット
11より剛性のあるプラスチック成型品又はフルミニウ
ム等の軽金属が使用される。印刷時においては、枠体1
5内に形成された保護膜15aを有する矩形空間をロー
ル16で転動させることにより、インクユニット11か
らのインクを押し出して、加圧転写を可能にしている。
これに対し、図5(b)に示したインクユニット11の
枠体17は、インクユニット11の外周を挿入できるよ
うにした外枠部17aとインクユニット11の背面全体
に接する背面部17bを有し、外枠部17aと背面部1
7bとを一体に形成したもので、印刷時には前記ローラ
転動のかわり全面加圧により転写が行われる。
【0024】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、下記の効果がある。 (請求項1に対応する効果)インクを含浸させたシート
状の布材料又はスポンジ材料を積層してインク浸透性の
袋状材料で包み込む事により、孔版を面で接触させる時
の適当な接触性と表面粗さを得る事が出来る。この結
果、色むら等のない安定した高画質の画が得られ、ま
た、版セット時に皺の発生や破れる等の不都合がなくな
る。 (請求項2に対応する効果)インク滲み出し量の制御材
料を請求項1の袋状材料とスポンジ材料の間に、あるい
は袋状材料と孔版との中間に設けている事により、印刷
の待機時あるいは加圧印刷時にインクの滲み出しを制御
する事が可能となり、つぶれのない高解像で安定した転
写が得られる。 (請求項3に対応する効果)請求項1,2に記載するイ
ンクユニットの使用前に於ける(あるいは流通時の)イ
ンク乾燥防止の遮断機構(シールケース)を提供する事
によってインクユニットの特性が持続される。同様の効
果を装置セット時にも行なえる様にして印刷途中の保管
も行なう事が出来る。 (請求項4に対応する効果)上記インクユニットを交換
できるように装置に着脱自在に取り付けられる構造にし
ている事で、インクの無駄や装置の汚れがなくなるの
で、操作者の操作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 孔版印刷の基本原理を説明するための図であ
る。
【図2】 本発明による孔版印刷機用インクユニットを
説明するための図である。
【図3】 本発明によるインクユニットのインク量制御
手段を説明するための図である。
【図4】 本発明によるインクユニット保管用空気接触
遮断機構を説明するための図である。
【図5】 本発明によるインクユニットを装置に着脱可
能にする構造の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…加圧板、2…インク保持材、3…孔版、4…印刷用
紙(プリント用紙)、5…受台、6,7…外袋、8…イ
ンク保持体、10…滲み出し量制御部材、12…ビニー
ル袋、13…薄型ケース、14…蓋、15…枠体、16
…ローラ、17…枠。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク浸透性材料で形成され、必要な印
    刷面積を包括する大きさの平らな袋状部材と、インクを
    浸透させた平板状のインク保持部材とからなり、該イン
    ク保持部材を前記袋状部材に内包して平板状に一体構成
    したことを特徴とする孔版印刷機用インクユニット。
  2. 【請求項2】 印刷に使用される孔版と前記インク保持
    部材の間に、前記該孔版印刷用インクユニットから滲み
    出すインク量を抑制するインク制御層を設けたことを特
    徴とする請求項1に記載の孔版印刷機用インクユニッ
    ト。
  3. 【請求項3】 不使用時には前記孔版印刷機用インクユ
    ニットを収納して外気との間を遮断し、使用時には前記
    孔版印刷用インクユニットを取り出し空気との遮断を解
    除する遮断機構を設けたことを特徴とする請求項1又は
    2に記載の孔版印刷機用インクユニット。
  4. 【請求項4】 前記孔版印刷機用インクユニットを前記
    孔版印刷機に交換して使用可能とする剛性のある基板を
    前記孔版印刷機用インクユニットに着脱自在に取り付け
    たことを特徴とする請求項1又は2に記載の孔版印刷機
    用インクユニット。
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