JPH0825838B2 - エピタキシヤル成長用黒鉛材料 - Google Patents

エピタキシヤル成長用黒鉛材料

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JPH0825838B2
JPH0825838B2 JP61222481A JP22248186A JPH0825838B2 JP H0825838 B2 JPH0825838 B2 JP H0825838B2 JP 61222481 A JP61222481 A JP 61222481A JP 22248186 A JP22248186 A JP 22248186A JP H0825838 B2 JPH0825838 B2 JP H0825838B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は半導体等のエピタキシャル成長を行うに際し
使用される黒鉛材料に関し、更に詳しくは、例えばサセ
プター、ボート又はルツボ等エピタキシャル成長に際し
使用される黒鉛治具に関する。
〔従来の技術〕
半導体等の製造の為のエピタキシャル成長プロセスに
於いて、Si、GaAs等の半導体金属のウェハーの上に、Si
3N4、SiO2等の他の材料の薄膜を一層或いは多層蒸着せ
しめるに際し、従来から黒鉛サセプター、ボート、ルツ
ボ等が使用されている。
このエピタキシャル成長方法には大きく分けて気相成
長、液相成長、固相成長の3種類があるが、これ等の中
で通常気相成長が最もよく用いられる。更に気相成長は
物理的蒸着(以下PVDという)と化学気相成長(CVDとい
う)の二つに分けられる。そのCVD法の中でも減圧下で
放電を行わせ、ガスを化学的活性種にして、通常の熱励
起で困難な化学反応により膜を形成する方法であるプラ
ズマCVD法が多く用いられている。
この様なプロセスに於いて用いらえる黒鉛材料は電気
伝導性であるばかりでなく極めて高い耐熱性を持ち、化
学的に不活性であって処理される半導体ウェハーの有害
な汚染を防ぐ為に極めて高い純度をもつものでなければ
ならない。
しかるに従来の黒鉛材料には次の様な欠点があった。
即ち(i)表面の黒鉛結晶微粒子が容易に脱落しやす
く、特にプラズマ照射した際にはスパッタリングによ
り、いちだんと黒鉛結晶微粒子が離脱しやすくなり、離
脱物がその上に搭載されている製品に付着し汚染する。
(ii)黒鉛は本質的には多孔質であり、微量の不純物元
素が存在しても熱により極めて容易に表面に拡散し、そ
の結果搭載している製品を汚染する欠点がある。(ii
i)液相成長に於いて使用するルツボ内部に溶融金属が
浸入して、黒鉛ルツボが膨張したり、割れを生じたりす
ることがあった。
従ってこれ等の欠点が特に問題になる場合には、他の
材料を使用せざるを得ない状態にあり、例えばシリコン
カーバイドで被覆した黒鉛材料を用いたりしている。こ
のSiC被覆黒鉛は、カーボン粉が浮遊、飛散せず、耐酸
化性である等の優れた特徴をもっているが、SiC自体特
に耐熱衝撃性が特に大きくなくまたSiCと黒鉛の熱膨張
係数(以下CTEと表記する)の間に極めて大きな不一致
が存在し、クラックがしばしば発生し、それに加えて液
相成長の場合、Ga等の溶融金属とSiCが反応して溶融金
属中に混入されてしまう等、SiC自体大きな汚染源とな
る欠点をもっていた。
〔発明の目的並びに概要〕
本発明者は従来のエピタキシャル成長用黒鉛材料の上
記難点を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、等方性で
しかも高純度の黒鉛基材の表面上に炭化水素ガスもしく
は炭化水素化合物等を熱分解させ、熱分解炭素(以下Py
Cと表記する)の被膜を形成せしめるか、又は/及び前
記基材の内部にPyCを浸透せしめる時は、高純度で低ス
パッタリング性、不浸透性の特長を有し、しかも溶融金
属に濡れにくく、カーボン微粉を飛散しないエピタキシ
ャル成長用黒鉛材料が得られることを見出しここに本発
明を完成するに至った。即ち本発明は高純度の等方性黒
鉛基材の表面上に、高純度且つ不浸透性の緻密なPyCを
被覆して被膜を形成せしめるか、又は/及び前記基材の
内部に前記PyCを浸透せしめて成るエピタキシャル成長
用黒鉛材料に係るものである。
〔発明の効果〕 本発明に於いては等方性高純度黒鉛基材の表面上に、
密度1.99g/cm3以上の緻密でしかも高純度なPyCを、好ま
しくはその膜厚を5〜250μmで形成させて又は/及び
基材内部に好ましくは100μm以上浸透させることによ
り、後記実施例で示した様に高純度で、低スパッタリン
グ性、不浸透性の特長を有し、しかも溶融金属に濡れに
くく、カーボン粉が飛散付着しない等優れた効果を発揮
する事実を見出した。また、このことにより反覆作用に
も長時間耐え、且つ高い耐久性を有するものであると言
える。また、本来、黒鉛は金属との濡れ性に関して優れ
ているものの、更にいくつかの欠点が有り、PyC被覆せ
しめることによりその性能が更に向上することを見出
し、その欠点をことごとく解決出来たことは驚く程であ
った。
〔発明の構成〕
本発明のエピタキシャル成長用黒鉛材料は、従来の等
方性黒鉛を高純度化処理(全灰分量が20ppm以下)し、
その黒鉛基材の表面上にPyCを好ましくは5〜250μmの
膜厚で形成させて又は/及び基材内部に好ましくは100
μm以上浸透させて成るものである。そしてこの際のPy
C膜は特に高純度で且つ、不浸透性の緻密で高純度なも
のであることが必要である。ここで、不浸透性とは水銀
圧入法で測定した平均細孔半径が0.1μmを越えないこ
とを意味し、また高純度とは全灰分量が20ppm以下であ
ることを意味する。
本発明に於いてはPyC膜は上記の要件を共に具備する
必要があり、これ等のいずれの要件の一つでも満足しな
い時は所期の効果が充分に達成され難い。その膜厚は5
〜250μm程度が適当である。
尚、本発明者が先に出願した特願昭60−98291号に於
いては黒鉛基材のCTEが0.5〜3.0×10-6/℃の範囲内であ
り、且つPyC被覆の膜厚が20〜250μmが好ましいもので
あるが、その後更に鋭意研究を重ねた結果、黒鉛基材の
CTEが3.0〜6.0×10-6/℃の範囲のものについてPyC被覆
せしめてもPyC膜と黒鉛基材とのCTEの差によるPyC膜の
亀裂もしくは剥離を緩和することが可能なものであるこ
とを見出したものである。更に詳しく述べれば本発明に
於いては比較的低温低圧つまり1300℃以下及び50Torr以
下で緩徐にPyCを生成せしめることにより、黒鉛基材内
部に深くPyCを含浸させることが出来、且つその上にPyC
被膜を形成せしめることにより、黒鉛基材とPyC被膜の
機械的かみ合わせが強固になり、黒鉛基材とPyC膜とのC
TE差によるPyC膜の亀裂及び剥離を抑制出来る重要な技
術を見出したものである。またPyCが黒鉛基材内部に含
浸されることにより黒鉛基材表面が緻密になり、機械的
強度並びに耐衝撃性に優れ、カーボン粉の離脱を抑え得
ることが出来、著しく耐久性が向上するものである。
而して本発明に於ける黒鉛基材のCTEの範囲としては
0.5〜6.0×10-6/℃が好ましく、この範囲内ではPyCの基
材への浸透、表面被覆が完全となる。通常黒鉛のCTEが
低くなる程異方性が漸増し、機械的強度が減少すること
が認められており、0.5×10-6/℃よりも低いCTEをもつ
黒鉛ではエピタキシャル成長用黒鉛材料に適した機械的
強度が得られ難い。逆にCTEが6.0×10-6/℃よりも大き
くなりすぎると、黒鉛基材が緻密になり、結果として黒
鉛基材の細孔が少なく、PyCの浸入が難しくなり、それ
に伴い上記で述べた黒鉛基材とPyC被膜との機械的かみ
合わせが弱くなり加熱−冷却のサイクル間に黒鉛基材と
PyC膜とのCT差によりPyC膜の亀裂及び剥離が発生し保護
作用が低下する傾向が現れる。
一方特公昭47−1003号により黒鉛サセプターに関する
発明が提案されており、また特公昭51−13754号に「熱
分解グラファイトで物品を被覆する方法」が開示されて
いる。しかし乍らこれ等上記2つの発明に於いてはいず
れも所謂含浸工程の際には黒鉛基材内部への含浸だけを
行うことは不可能であり、通常含浸反応と同時にPyC被
膜形成に関与する反応が起こる為、結果的には生成温度
の違うPyC膜が積層することになる。即ち実質的に生成
温度の異なるPyC膜が積層された構造を有するものであ
る。このような生成温度の異なるPyC膜が積層された構
造ではPyC膜どうしのCTE差によりPyC膜の亀裂及び剥離
を生じる。また、生成温度が異なるためPyCの粒径の大
きさが異なり低温と高温とで生成されたPyC層との間に
隙間を生じ、ますます剥離しやすくなる傾向がある。し
かるに本発明に於いては、同一生成温度でPyCの含浸及
びPyC被膜形成の反応を一段で行うことにより上記難点
が生ぜず、その結果黒鉛基材とPyC被膜の機械的かみ合
わせを強固にさせ得るものでありこの事実は本発明者に
よりはじめて見出されたことである。
本発明に於いて黒鉛基材内部へのPyCの含浸深さは所
期の目的を達成させる為に100μm以上が好ましい。こ
れに達しないと黒鉛基材とPyC被膜との機械的かみ合わ
せの強度が低下する傾向がある。そしてPyC膜厚として
は黒鉛基材のCTEが0.5〜3.0×10-6/℃の範囲内ではPyC
膜厚は5〜250μm程度であることが望ましい。この膜
厚があまりにも大きくなり過ぎると加熱−冷却のサイク
ルを急速に行うと亀裂もしくは剥離を生じる傾向があ
り、黒鉛基材が露出し被膜形成の効果が不十分となる場
合がある。また逆にあまり膜厚が小さくなりすぎると被
膜形成に基づく所期の効果が充分に発揮され難い。また
本発明者による先の出願たる特願昭60−98291号によれ
ば黒鉛基材のCTEが0.5〜3.0×10-6/℃で、そのPyC被覆
せしめる膜厚が20〜250μmであることが望ましいとな
っているが、本発明に於けるPyCを黒鉛基材内部へ含浸
せしめることにより、耐熱衝撃性等の特性が更に向上す
る為、PyCを5μm程度被覆せしめることにより、ただ
単に20μmのPyC被膜を形成せしめたものと比較して同
等以上の効果を発揮するものである。また、黒鉛基材の
CTEが3.0〜6.0×10-6/℃と大きい範囲内では、PyC膜厚
は5〜60μmであることが望ましい。PyCを黒鉛基材内
部に含浸することにより、黒鉛基材とPyC被膜の機械的
かみ合わせが向上するにもかかわらず、約60μmを越え
る範囲でPyC被覆せしめると加熱−冷却の際に黒鉛基材
とPyC被膜とのCTE差によりPyC膜の亀裂及び剥離を生じ
る傾向にある。
以上を要約すると黒鉛基材のCTEは0.5〜6.0×10-6/℃
の範囲内が好ましく、その時のPyC膜厚は特に黒鉛基材
のCTEが、0.5〜3.0×10-6/℃の範囲内では5〜250μm
程度、CTEが3.0〜6.0×10-6/℃の範囲内では5〜60μm
程度であることが好ましい。
尚、上記特公昭47−1003号や特公昭51−13754号と本
発明とを比較した場合、特に注目すべきことは本発明に
於いて使用する黒鉛基材は、高純度黒鉛であることであ
る。高純度黒鉛を使用することにより基材からの不純物
の影響が少なく、PyC膜厚を上記2つの発明ではPyCより
も薄く出来ることである。従ってPyC被覆に要する時間
が短縮出来、即ち、製造コストを安く出来るという利点
をもっている。
本発明に於いては上記PyC被膜形成に際しては、その
黒鉛結晶基底面即ち炭素6角網面を基材表面に選択的に
配向させることが好ましい。この様に平行に配向させる
ことにより、PyC密度が大きく、より緻密になり、それ
に伴い、黒鉛結晶の結合が強固になる。即ち黒鉛のC−
C共有結合がより強固になり、プラズマCVD法によって
エピタキシャル成長をさせる際のプラズマ照射によるス
パッタリングでのカーボン粉離脱をより有効に抑制しう
る。この耐スパッタリング特性はPyCが緻密になればな
程顕著になる。この特定の配向性を有せしめる為にはPy
C被膜形成時の温度を調整することにより容易に達成出
来、1000〜1300℃又は1700〜2200℃に温度を設定して、
PyCを生成せしめることにより効果的に上記所定の配向
性を有する被膜が形成出来る。この点をより明らかとす
るために本発明者の研究による次の新事実を示す。即ち
(002)回折線の強度をもって選択的配向度の目安とし
て、PyC生成温度とこれ等の関係を研究した結果、下記
第1表のようになった。
この結果から生成温度が1400〜1600℃ではPyC密度が
小さく、そしてX線回折強度が弱く、異方性の小さいPy
C膜が形成されるのに対し、1100〜1300℃及び1700〜220
0℃ではPyC密度が大きく、そしてX線回折強度が強く異
方性の大きいPyC膜が基材黒鉛上に選択的に配向してい
ることが判明する。この様な事実に基づき本発明では耐
スパッタリング性を向上させる点に於いて上記温度範
囲、すなわち密度1.99g/cm3以上の緻密な熱分解炭素に
なるように設定する。
このような傾向は、その他の条件により若干左右さ
れ、上記温度範囲がかならず厳密に調整されなければな
らないというものではなく、例えば使用する炭化水素ガ
スの濃度や、減圧度を適宜に選択することにより、その
濃度範囲として若干巾をもたせることが出来る。
ここで特開昭60−103087号によれば、「異方性の小さ
いアモルファスなPyCを被覆することによりPyC膜の亀裂
及び剥離を防止する」。と開示されているが、本発明に
於いてはCTEが0.5〜6.0×10-6/℃の黒鉛基材を用い、先
ずPyCを基材内部に表面から100μm以上の深さまで含浸
し、更にその上にPyC被膜を形成することにより、機械
的かみ合わせが強固になり、PyC膜の亀裂及び剥離を防
止出来る為、異方性の小さいアモルファスなPyCを被覆
する必要がない。また、第1表から明らかな様に異方性
の小さいアモルファスなPyCは、密度が小さく分子間の
結合が弱い為、スパッタリングによりカーボン粉の離脱
が起こりやすくなり、その効果は小さい。このように13
00℃以下、1700℃以上の異方性が大きく、緻密なPyCが
特にプラズマCVD法によるエピタキシャル成長の際に好
ましいものである。尚、溶融金属との濡れ性に関して
は、上記温度範囲に限定されることなく優れているもの
である。
本発明に於いて形成するPyC被膜のPyC自体は、従来か
ら良く知られているものであり、炭素質材料例えばC3H8
等の炭化水素ガスもしくは炭化水素化合物等を熱分解す
ることにより生成する炭素であることもまた良く知られ
ている。
本発明に於いて上記PyC被膜を黒鉛基材の表面に形成
させる方法自体は何等限定されず、上記所定の要件を有
するPyC被膜が形成される限り何等その方法は限定され
るものではなく、各種の形成方法がいずれも適用出来
る。
尚、黒鉛自体は元来、溶融金属に濡れにくい性質を有
するが、本発明に於いてPyC被覆せしめることにより、
その濡れにくい性質が更に向上し、エピタキシャル成長
用として極めて好都合な性質となる。
本発明の特徴の一つである金属と黒鉛材料の濡れ性に
関して試験した結果を次に示す。
即ち、等方性高密度黒鉛、及びPyC被覆黒鉛の夫々に
ついてその溶融金属との接触角を測定して濡れ性を調べ
た。黒鉛は元来ほとんどの溶融金属に濡れにくい性質を
有すが、Si、Al等の炭化物生成性金属は黒鉛をよく濡ら
すことが知られている。そこでPyC被膜の濡れにくい性
質を評価する為に試験片に金属Siを用いて以下の試験を
行った。
金属試料は寸法5×5×5mmの立方体に切断した金属
シリコンを用い、CTEが4.4×10-6/℃で嵩比重が1.86
〔−〕、寸法が30×t3mmの等方性高密度黒鉛、及びこ
の黒鉛上に1100℃〜2200℃の温度で生成させたPyC被覆
黒鉛(膜厚約30μm)の夫々の上に上記の金属試料を置
き、N2ガス雰囲気の電気炉により1450℃に昇温させ20分
間保持させた。そ時の最大接触角を角度読取器を用いて
測定した。
この結果、従来品たる等方性高密度黒鉛と金属Siとの
接触角は0゜、つまり完全に濡れた状態であったのに対
し本発明のPyC被覆黒鉛は生成温度に関係なく、約115゜
の接触角をもち金属との濡れ性に関して著しく性能が向
上していた。また、PyC被覆せしめることにより、溶融
金属に対して不浸透性となり、黒鉛表面のポアの中に溶
融金属が浸入して黒鉛が膨張したり、割れを生じたりす
る欠点をも補うものであった。
上記の溶融金属に濡れにくいことと不浸透性の緻密な
表層を形成する優れた性質の相乗効果により液相エピタ
キシャル成長用のルツボとして充分に効果を発揮すると
言える。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれ等の例に限定されるものではない。
実施例1 使用した基材である黒鉛ルツボ、黒鉛プレートの特性
は次の様なものであった。
CTE;2.3×10-6/℃、5.6×10-6/℃(室温〜400℃) 嵩比重:1.56(CTEが2.3の黒鉛)、 1.84(CTEが5.6の黒鉛) 異方比;1.02、1.02 灰分;20ppm< 寸法;ODφ60×IDφ50×l50mmルツボ、50×50×t10mm
プレート (OD:外径、ID:内径) 上記の黒鉛基材を1250℃に加熱してC3H8ガスを32/m
in(S.T.P.)、H2ガスを68/min(S.T.P.)の流速で流
し炉内圧を25Torrに保持して、PyCを黒鉛基材内部に約1
20μm含浸させた後、PyC被膜を形成させた。被膜の厚
さは生成時間を変えて第2表(CTEが2.3の黒鉛基材の場
合)、第3表(CTEが5.6の黒鉛基材の場合)それぞれに
示す膜厚に調整した。
ここでPyC含浸及び被覆は第1図の装置を使用し、こ
の黒鉛基材を第1図に示す通り、試料置き台の上にセッ
トして行った。加熱方法は黒鉛ヒーターの抵抗加熱によ
り行い、C3H8ガス、H2ガスは第1図に示す通り、試料室
の下から導入し、上へと排出した。但し第1図中(1)
は真空容器、(2)はガスは排出管、(3)は断熱材、
(4)は黒鉛ヒーター、(5)は黒鉛サセプター、
(6)は断熱材載置台、(7)は黒鉛サポートポスト、
(8)はガス導入管、(9)は試料載置台、(10)は試
料、(11)はガス排気管を示す。
上記実施例1で得られたPyC被覆黒鉛材料について各
種物性を測定した。
<金属Siとの反応性> 上記の方法で得られたPyC被覆黒鉛ルツボに金属Siを
入れ、高周波炉で1550℃まで加熱し、Siを溶融させ、1
時間反応させた。試料数は夫々5ケである。
<耐スパッタリング特性> また同じく実施例1で得られたPyC被覆黒鉛プレート
を用いて耐スパッタリング特性を調べた 市販のイオンビーム・スパッタリング装置を使用して
下記の条件で試験行った。
ビーム引き出し電圧;2000V ビーム電流;85mA 真空度;1.5×10-5Torr スパッタリングガス;Arガス スパッタリング時間;1時間 <急熱急冷試験> 実施例1で得られたPyC被覆黒鉛ルツボを用いて急熱
急冷試験を行った。即ち5分間に1400℃に加熱した黒鉛
ルツボを、次に、水中に投じてPyC被膜の剥離状況を調
べた。試料数は夫々5ケである。
<不浸透性> 上記の黒鉛ルツボ、プレートと同時にφ10×20mmの寸
法に加工した黒鉛基材を入れ、同様の方法でPyC被覆
し、水銀圧入法により平均細孔半径を測定し、不浸透性
の評価を行った。これ等の結果を第2及び第3表に示
す。
第2、第3表より黒鉛基材のCTEが0.5〜3.0×10-6/℃
の範囲内ではPyC被覆せしめる膜厚は5〜250μm程度、
CTEが3.0〜6.0×10-6/℃の範囲内では5〜60μm程度
が、カーボン微粉が飛散せず、溶融金属と濡れず、また
耐スパッタリング特性に優れている等、所期の目的を達
成する上で極めて効果的であることがわかる。
実施例2 下記第4表に示すように、CTEを変えた黒鉛基材を実
施例1と同じ条件で45μmのPyCを被覆して急熱急冷試
験を行った。この結果を第4表に示す。
第4表よりPyCを被覆する上で剥離や亀裂を生じない
0.5〜6.0×10-6/℃の範囲のCTEをもつ黒鉛基材を使用す
るのがよいことがわかる。
以上より、C3H8ガス等の炭化水素ガスもしくは炭化水
素化合物を高純度の等方性黒鉛基材上で熱分解せしめて
成るエピタキシャル成長用黒鉛材料は高純度で低スパッ
タリング性、不浸透性でカーボン微粉の飛散しない優れ
た黒鉛材料であると言える。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明材料を製造する際に使用する装置の一例
を示す図面である。 1……真空容器 2……ガス排出管 3……断熱材 4……黒鉛ヒーター 5……黒鉛サセプター 6……断熱材載置台 7……黒鉛サポートポスト 8……ガス導入管 9……試料載置台 10……試料 11……ガス排気管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室温から400℃までの熱膨張係数が0.5×10
    -6/℃〜6.0×10-6/℃及び全灰分量が20ppm以下の高純度
    の等方性黒鉛基材の表面上に、全灰分量が20ppm以下の
    高純度、且つ水銀圧入法で測定した平均細孔半径が0.1
    μmを超えず、密度が1.99g/cm3以上の不浸透性の緻密
    な熱分解炭素を被覆して被膜を形成せしめるか、又は/
    及び前記等方性黒鉛基材の内部に前記熱分解炭素を浸透
    せしめて成るエピタキシャル成長用黒鉛材料。
  2. 【請求項2】等方性黒鉛基材表面上に形成した上記熱分
    解炭素被膜に於ける黒鉛結晶基底面が基材表面にほぼ平
    行に選択的に配向していることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載のエピタキシャル成長用黒鉛材料。
  3. 【請求項3】等方性黒鉛基材表面上に形成した上記熱分
    解炭素被膜の厚みが5〜250μmである特許請求の範囲
    第1項又は第2項に記載のエピタキシャル成長用黒鉛材
    料。
JP61222481A 1986-09-19 1986-09-19 エピタキシヤル成長用黒鉛材料 Expired - Lifetime JPH0825838B2 (ja)

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