JPH0825825B2 - 炭化けい素コーティング黒鉛製品及びその製造方法 - Google Patents

炭化けい素コーティング黒鉛製品及びその製造方法

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JPH0825825B2 JP2053156A JP5315690A JPH0825825B2 JP H0825825 B2 JPH0825825 B2 JP H0825825B2 JP 2053156 A JP2053156 A JP 2053156A JP 5315690 A JP5315690 A JP 5315690A JP H0825825 B2 JPH0825825 B2 JP H0825825B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、シリコンウエハ等の半導体ウエハに熱処理
や拡散処理等を施す際に、サセプター、ボート等として
用いられる炭化けい素コーティング黒鉛製品及びその製
造方法に関する。
[従来の技術] 従来、この種の炭化けい素コーティング黒鉛製品は、
熱伝導性がよく高周波誘導加熱により均一に加熱できる
と共に、耐熱衝撃性に優れ、かつ高純度化が可能である
黒鉛が基材として用いられるが、黒鉛は多孔質であり、
吸蔵したガスを半導体ウエハの処理中に放出するのを防
止するため、例えば第6図に示すように、黒鉛基材11に
CVD(化学蒸着)法等の気相成長法により炭化けい素(S
iC)の柱状結晶からなる炭化けい素膜12を形成して構成
されている。
図中13は炭化けい素の微結晶からなる初期層で、通
常、CVD法による炭化けい素膜12の形成に先立って形成
される。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の炭化けい素コーティング黒
鉛製品においては、半導体ウエハの処理に伴うヒートサ
イクル(例えば、常温1200℃)の繰り返しによる熱応
力によって炭化けい素膜の結晶粒界に沿ってクラックを
生じ、炭化けい素膜の剥離を早期に生ずる問題がある。
そこで、本発明は、黒鉛基材と炭化けい素膜との熱
的、機械的なマッチングに優れ、寿命を大幅に延ばし得
る炭化けい素コーティング黒鉛製品及びその製造方法の
提供を目的とする。
[課題を解決するための手段] 前記課題を解決するため、第1の発明は、黒鉛基材に
気相成長法による炭化けい素膜を形成してなる炭化けい
素コーティング黒鉛製品において、黒鉛基材の表面に、
炭化けい素が点在する表層部のSiC−C層と、けい素及
び炭化けい素の微結晶が混在するSi−SiC層と、炭化け
い素膜との3層のみが、この順に積層されているもので
ある。
又、第2の発明は、第1の発明の炭化けい素コーティ
ング黒鉛製品を製造する方法であり、黒鉛基材に炭化け
い素膜を気相成長法により形成するに際し、予め黒鉛基
材にけい素膜を気相成長法により形成し、これを30Torr
以下の雰囲気圧にてけい素の融点以上の温度で熱処理し
た後、これに炭化けい素膜を気相成長法により形成する
方法である。
[作用] 上記手段においては、炭化けい素膜の柱状結晶の粒界
に沿って厚さ方向に生じたクラックは、ケイ素と炭化け
い素とが混在するSi−SiC層によってその進展を妨げら
れ、かつSiC−C層及びSi−SiC層は、黒鉛基材に対する
炭化けい素膜の足付(アンカー)として機能する。
けい素膜は、厚さが3μm以上となることが好まし
く、それにより、炭化けい素膜の寿命を一層延ばし得
る。
けい素膜の熱処理は、けい素(Si)の融点(760Torr
において1414℃)以上の温度とすることにより、Si−Si
C層上に微結晶の炭化けい素からなるSiC層が積層され、
クラックの進展防止に一層効果がある。熱処理温度が、
けい素の融点未満であると、黒鉛基材に対するけい素の
浸透が起こらず、けい素膜が炭化し、炭化けい素となっ
て剥離してSiC−C層及びSi−SiC層は生成されず、熱処
理後は、面荒れが著しい。
けい素膜の熱処理は、アルゴンガス等の不活性ガス中
で行うことが好ましく、その雰囲気圧を30Torrとするこ
とにより、上記熱処理温度と相俟って黒鉛基材に対する
けい素の浸透が良好となり、30Torrを超えると黒鉛基材
に対するけい素の浸透が生じにくい。
なお、熱処理の雰囲気圧は、ガスの発生により、0.02
Torr以下に保つことが難しい。
上記熱処理の時間は、ほとんど必要がないが、長時間
行っても特に問題を生じない。昇温速度は、速ければ速
いほど多数の結晶核の発生をもたらすので好ましい。
炭化けい素膜は、その全表面積の50%以上が短軸径80
μm以下の半球状をなす結晶集合組織(ペブル構造)に
より形成されることが好ましく、このためには、200Tor
r〜常圧(700〜760Torr)の雰囲気圧での気相成長法に
よるのが好ましい。
これは、短軸径80μm以下の半球状をなす結晶集合組
織の占める面積が、炭化けい素膜全表面積の50%未満に
なると、表面粗さが大きくなり、かつ半導体ウエハ等と
の接触面積が小さくなる一方、半球状をなす結晶集合組
織の短軸径が80μmを超えると、同様に表面粗さが大き
くなり、かつ半導体ウエハ等との接触面積が小さくなる
ためである。半球状をなす結晶集合組織の短軸径は、50
μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以下であ
る。
又、炭化けい素膜を気相成長させる雰囲気圧が、常圧
を超えた加圧状態であると、炭化けい素膜の生成が困難
となる一方、200Torr未満であると、炭化けい素膜の生
成が遅くなると共に、半球状をなす結晶集合組織の短軸
径が大きくなるためである。
上記好ましい態様の炭化けい素膜の表面粗さは、10μ
m以下となる。
ここで、炭化けい素膜の表面における半球状をなす結
晶集合組織とは、例えばCVD法により炭化けい素の柱状
結晶を成長させる場合において、放射状に成長した炭化
けい素の結晶集合組織をいう。又、短軸径とは、この結
晶集合組織の底面に内接する円の直径をいう。
なお、けい素膜の形成に先立って、所望形状に加工さ
れた黒鉛基材に、高温下でハロゲン化ガス又はハロゲン
化水素ガスを用いて純化処理を施しておくことが好まし
い。
[実施例] 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1〜8 黒鉛基材を縦10mm、横10mm、長さ50mmの角柱状に加工
し、2000℃の温度下でHClガスを用いて純化処理した
後、CVD法によりけい素膜(膜厚、実施例1,2,5,6:20μ
m、実施例3,4,7,8:3μm)を形成した。
CVD条件は、次の通りである。
原料ガス:SiCl4 2/分 H2 107/分 温 度:1200℃ 時 間:25分(20μm)、4分(3μm) 雰囲気圧:常圧 ついで、けい素膜を形成した黒鉛基材をそれぞれ第1
表に示す温度及び雰囲気圧で熱処理した。
なお、第1表中、熱処理雰囲気圧が0.1Torrとあるの
は、ガスの発生により雰囲気圧が変動したため、雰囲気
圧を0.05Torr〜0.1Torrの間に調整したものである。
熱処理の他の条件は、次の通りである。
保持時間:30分 雰囲気:アルゴンガス中 昇温速度:12℃/分 この熱処理によって、けい素が溶融して黒鉛基材中に
浸透し、かつ基材の黒鉛と反応し、いずれの実施例のも
のも、第1図、第2図に示すように、黒鉛基材1の表層
部に炭化けい素が点在するSiC−C層2と、このSiC−C
層2の上に未反応のけい素及び炭化けい素の微結晶が混
在するSi−SiC層3が形成される一方、実施例5〜8の
ものは、炭化けい素の再結晶により、第2図に示すよう
に、Si−SiC層3の上に更に炭化けい素の微結晶からな
るSiC層4が形成された。
SiC−C層2は、光学顕微鏡によって断面観察し、
又、Si−SiC層3及びSiC層4は、光学顕微鏡による断面
観察並びに浸透型電子顕微鏡(TEM)により透過像を観
察したところ、それぞれの層の厚さは、平均値を示す第
1表のようになった。
上記熱処理後、CVD法により柱状結晶からなる膜厚60
μmの炭化けい素膜5を形成し、角柱状の炭化けい素コ
ーティング黒鉛製品を得た。
CVD条件は、次の通りである。
原料ガス:SiCl4 0.9/分 C3H8 1/分 H2 7/分 温 度:1250℃ 雰囲気圧:600Torr 反応時間:45分 第1図、第2図において6は上記CVD法による炭化け
い素膜5の形成に先立って形成された炭化けい素の微結
晶からなる初期層である。この初期層6と前記SiC層4
との間には、連続性が見られない。初期層6は、Si−Si
C層3等と同様に透過型電子顕微鏡によって観察され、
その厚さは、平均値を示す第1表のようになった。
なお、初期層6は、最外層の炭化けい素膜5と何等相
違するものでなく、又、上記炭化けい素の再結晶により
得られるSiC層4も最外層の炭化けい素膜5と実質的に
同等のものである。
各実施例による製品を1200℃の温度に保たれたアルゴ
ンガス雰囲気の炉内に入れ、30分保持した後、それぞれ
の製品を25℃の温度に保たれた水中に浸漬して急冷する
ヒートサイクルテストを行い、クラック発生までの回数
及び剥離までの回数を調べたところ、第1表に示すよう
になった。
クラックの発生は、走査型電子顕微鏡(SEM)により
観察し、2μm以上のマイクロクラックの存在を発生と
みなした。
又、剥離の発生は、炭化けい素膜の亀裂を目視観察し
た。
なお、クラック及び剥離の観察は、ヒートサイクルテ
スト5回おきに行った。
比較例1〜8 実施例1〜8と同一寸法の黒鉛基材に純化処理を同様
に施した後、比較例1〜7は、実施例1〜8と同一の条
件でCVD法によりけい素膜(膜厚、比較例1,2,3,5,7:20
μm、比較例4,6:3μm)を形成し、比較例8は、けい
素膜を形成しなかった。
ついで、けい素膜を形成した比較例1〜7の黒鉛基材
をそれぞれ第2表に示す温度及び雰囲気圧で、他は実施
例1〜8と同一の条件で熱処理し、比較例8のものに
は、熱処理を施さなかった。
なお、第2表中、熱処理雰囲気圧が0.1Torrとあるの
は、ガスの発生により雰囲気圧が変動したため、雰囲気
圧を0.05Torr〜0.1Torrの間に調整したものである。
この結果、比較例1,2は、けい素の浸透が起こらず、
けい素膜が炭化してSiCとなって剥離し、面荒れが著し
かったため、熱処理後のCVD法による炭化けい素膜を形
成することができなかった。
比較例3〜7は、熱処理によってけい素と黒鉛が反応
し、炭化けい素の微結晶(SiC層)が形成されたが、け
い素が黒鉛基材中に浸透して基材の黒鉛と反応した層
(SiC−C層、Si−SiC層)は見られず、熱処理後の角柱
材の表面は荒れていた。又、比較例3〜6に形成された
SiC層には、けい素も若干含有されていた。
SiC層の厚さは、光学顕微鏡により断面を観察したと
ころ、平均値を示す第2表のようになった。
そして、比較例3〜7及び熱処理を施さなかった比較
例8のものに、実施例1〜8と同一の条件でCVD法によ
り膜厚60μmの炭化けい素膜を形成し、同様のヒートサ
イクルテストを行い、クラック発生までの回数及び剥離
までの回数を調べたところ、第2表に示すようになっ
た。
従って、黒鉛基材に対する炭化けい素膜の形成に先立
って、膜厚3μm以上のけい素膜を形成し、これを30To
rr以下の雰囲気圧にてけい素の融点以上の温度で熱処理
することにより、黒鉛基材の表面に、炭化けい素が点在
する表層部のSiC−C層と、けい素及び炭化けい素の微
結晶が混在するSi−SiC層と、炭化けい素膜との3層の
みが、この順に積層されていることによって、クラック
発生までの回数及び剥離までの回数を比較例の2倍以上
とし得ることがわかる。
実施例9〜26 黒鉛基材を直径100mm、厚さ5mmの円板状に加工し、20
00℃の温度下でHClガスを用いて純化処理した後、CVD法
によりけい素膜(膜厚、実施例9〜20:3μm、実施例21
〜26:20μm)を形成した。
CVD条件は、次の通りである。
原料ガス:SiCl4 2/分 H2 107/分 温 度:1200℃ 時 間:4分(3μm)、25分(20μm) 雰囲気圧:常圧 ついで、、けい素膜を形成した黒鉛基材をそれぞれ第
3表に示す温度で熱処理した。
熱処理他の条件は、次の通りである。
保持時間:30分 雰囲気:アルゴンガス中 雰囲気圧:実施例9〜14;10Torr、実施例15〜26;0.1〜
0.05Torr(ガスの発生により変動する。) 昇温速度:12℃/分 この熱処理によって、けい素が溶融して、黒鉛基材中
に浸透し、かつ基材の黒鉛と反応し、いずれの実施例の
ものも、黒鉛基材の表層部に炭化けい素が点在するSiC
−C層と、このSiC−C層の上に未反応のけい素及び炭
化けい素の微結晶が混在するSi−SiC層が形成される一
方、実施例12〜14、18〜20及24〜26のものは、炭化けい
素の再結晶により、Si−SiC層の上に更に炭化けい素の
微結晶からなるSiC層が形成された。
これらの層は、光学顕微鏡及び透過型電子顕微鏡によ
って観察され、各層の合計の厚さは、平均値を示す第3
表のようになった。
上記熱処理後、第3表に示す雰囲気圧下で反応時間を
変化させCVD法により膜厚100μmの炭化けい素膜を形成
し、円板状の炭化けい素コーティング黒鉛製品を得た。
CVD条件は、次の通りである。
原料ガス:SiCl4 0.9/分 C3H8 1/分 H2 7/分 温 度:1250℃ 各炭化けい素コーティング黒鉛製品の表面粗さ(非接
触式の測定による)並びに短軸径80μm以下、50μm以
下及び20μm以下の半球状をなす結晶集合組織の炭化け
い素膜全表面積に占める割合A、B及びCは、それぞれ
第3表に示すようになった。
結晶集合組織は、走査型電子顕微鏡により観察した。
実施例25の炭化けい素コーティング黒鉛製品の表面に
おける結晶構造の電子顕微鏡写真を第3図に示す。図中
7で示すようにピントのボヤけているところが結晶集合
組織である。
又、実施例26の炭化けい素コーティング黒鉛製品の表
面における結晶構造の電子顕微鏡写真を第4図に示す。
図中8で示す1つ1つが単位結晶であり、結晶集合組織
はほとんど見受けられない。
比較例9〜17 黒鉛基材を直径100mm、厚さ5mmの円板状に加工し、20
00℃の温度下でHClガスを用いて純化処理した後、比較
例9〜13は、実施例15〜26と同様の条件でCVDZ法により
けい素膜(膜厚、比較例9,10,13:20μm、比較例11,12:
3μm)を形成し、比較例14〜17は、けい素膜を形成し
なかった。
ついで、けい素膜を形成した比較例9〜12の黒鉛基材
をそれぞれ第4表に示す温度で、他は実施例15〜26と同
様の条件で熱処理した。
この結果、比較例9〜12のものには、けい素が溶融し
て黒鉛基材中に浸透し、かつ基材の黒鉛と反応し、黒鉛
基材の表層部に炭化けい素が点在するSiC−C層と、こ
のSiC−C層の上に未反応のけい素及い炭化けい素の微
結晶が混在するSi−SiC層が形成される一方、比較例10,
12のものは、炭化けい素の再結晶により、Si−SiC層の
上に更に炭化けい素の微結晶からなるSiC層が形成され
た。
これら各層の合計の厚さは、平均値を示す第4表に示
すようになった。
一方、比較例13の黒鉛基材は、熱処理温度1600℃、熱
処理雰囲気圧300Torrで、他は実施例15〜26と同様の条
件で熱処理した。この熱処理によって比較例13のものに
は、けい素と黒鉛が反応し、炭化けい素の微結晶層が形
成された。この層は、均一なものではなく、表面は荒れ
ていた。層の厚さは、平均値を示す第4表のようになっ
た。
なお、けい素膜を形成しない比較例14〜17には、熱処
理を施さなかった。
比較例9〜13においては熱処理後、比較例14〜17にお
いては熱処理を施さずに、第4表に示す雰囲気圧下で実
施例15〜26と同様の条件で反応時間を変化させCVD法に
より膜厚100μmの炭化けい素膜を形成し、円板状の炭
化けい素コーティング黒鉛製品を得た。
各炭化けい素コーティング黒鉛製品の表面粗さ並びに
短軸径80μm以下、50μm以下及び20μm以下の半球状
をなす結晶集合組織の炭化けい素膜全表面積に占める割
合A、B及びCは、それぞれ第4表に示すようになっ
た。
比較例13は、炭化けい素の柱状結晶が均一に成長せ
ず、結晶集合組織を観察するのは困難であった。
比較例15の炭化けい素コーティング黒鉛製品の表面に
おける結晶構造の電子顕微鏡写真を第5図に示す。図中
9で示すのが半球状をなす結晶集合組織である。
従って、実施例1〜8の場合と同様に、黒鉛基材に対
する炭化けい素膜の形成に先立って、膜厚3μm以上の
けい素膜を形成し、これを30Torr以下の雰囲気圧にてけ
い素の融点以上の温度で熱処理して、黒鉛基材の表面
に、炭化けい素が点在する表層部のSiC−C層と、けい
素及び炭化けい素の微結晶が混在するSiC−SiC層との2
層を、この順に形成し、かつ気相成長法による炭化けい
素膜の形成を200Torr〜常圧の雰囲気圧下で行い、炭化
けい素膜全表面積の50%以上を短軸径80μm以下の半球
状をなす結晶集合組織により形成することによって、ク
ラック発生までの回数及び剥離までの回数を倍増し、か
つ炭化けい素膜の表面粗さを10μm以下として製品自体
の寸法精度を高め得ると共に、半導体ウエハ等に接触し
た際にその表面に損傷を与えることがなく、又半導体ウ
エハ等に対する均熱的な熱伝導性を大幅に向上し得る。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、炭化けい素膜の柱状結
晶の粒界に沿って厚さ方向に生じたクラックは、これよ
り粒径の小さいけい素と炭化けい素とが混在するSi−Si
C層によってその進展を妨げられ、かつSiC−C層及びSi
−SiC層が黒鉛基材に対する炭化けい素膜のアンカーと
して機能するので、黒鉛基材と炭化けい素膜との熱的、
機械的なマッチングに優れ、炭化けい素コーティング黒
鉛製品の寿命を従来に比して飛躍的に高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の実施例を示し、第1図及び第
2図は実施例1〜4及び実施例5〜8に係る炭化けい素
コーティング黒鉛製品の要部の断面図、第3図及び第4
図は実施例25及び実施例26に係る炭化けい素コーティン
グ黒鉛製品の表面における結晶構造の電子顕微鏡写真、
第5図は比較例15の炭化けい素コーティング黒鉛製品の
表面における結晶構造の電子顕微鏡写真、第6図は従来
の炭化けい素コーティング黒鉛製品の要部の断面図であ
る。 1……黒鉛基材、2……SiC−C層 3……Si−SiC層、4……SiC層 5……柱状結晶からなる炭化けい素膜 6……初期層、7……結晶集合組織 8……単位結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角谷 雅之 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番地 東芝セラミックス株式会社小国製造所内 (72)発明者 泉妻 宏治 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番地 東芝セラミックス株式会社小国製造所内 (72)発明者 伊藤 幸夫 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番地 東芝セラミックス株式会社小国製造所内 (56)参考文献 特公 昭48−1804(JP,B1)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】黒鉛基材に気相成長法による炭化けい素膜
    を形成してなる炭化ケイ素コーティング黒鉛製品におい
    て、黒鉛基材の表面に、炭化けい素が点在する表層部の
    SiC−C層と、けい素及び炭化けい素の微結晶が混在す
    るSi−SiC層と、炭化けい素膜との3層のみが、この順
    に積層されていることを特徴とする炭化けい素コーティ
    ング黒鉛製品。
  2. 【請求項2】黒鉛基材に炭化けい素膜を気相成長法によ
    り形成するに際し、予め黒鉛基材にけい素膜を気相成長
    法により形成し、これを30Torr以下の雰囲気圧にてけい
    素の融点以上の温度で熱処理した後、これに炭化けい素
    膜を気相成長法により形成することを特徴とする炭化け
    い素コーティング黒鉛製品の製造方法。
JP2053156A 1990-03-05 1990-03-05 炭化けい素コーティング黒鉛製品及びその製造方法 Expired - Fee Related JPH0825825B2 (ja)

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