JPH08258211A - 医療用液体容器用プラスチックフィルム及びその製造方法 - Google Patents

医療用液体容器用プラスチックフィルム及びその製造方法

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JPH08258211A
JPH08258211A JP7086056A JP8605695A JPH08258211A JP H08258211 A JPH08258211 A JP H08258211A JP 7086056 A JP7086056 A JP 7086056A JP 8605695 A JP8605695 A JP 8605695A JP H08258211 A JPH08258211 A JP H08258211A
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豊明 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 延伸ポリアミド、延伸ポリプロピレン又は延
伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにより層厚が1
0〜100μmのコア層1を形成し、コア層1の一面に
アンカー剤2を0.05〜1g/m2塗布して乾燥した
後に、接着性樹脂により層厚が3〜500μmの接着性
樹脂層3を積層し、熱溶融したポリエチレン又はポリプ
ロピレンを押し出しラミネートして、又は接着性樹脂の
押し出しラミネートと同時にポリエチレン又はポリプロ
ピレンフィルムをサンドラミネートして層厚が20〜3
500μmのシーラント層4を形成して医療用液体容器
用プラスチックフィルムAを製造する。 【効果】 本発明の医療用液体容器用プラスチックフィ
ルムは、押し出しラミネート加工時の接着剤の使用量を
低減することができ、積層した層間の接着強度も強く、
100〜140℃の加熱によっても有機物の溶出がほと
んどなく、内容液充填後に熱殺菌処理を施す医療用液体
容器の形成材料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、輸液、薬液又は血液用
バッグ等の医療用液体容器の形成材料として好適に使用
される医療用液体容器用プラスチックフィルム及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、輸液、薬液、血液用バッグ等の医療用液体容器とし
ては、ガラスビン、ポリエチレンやポリプロピレン等の
ブロー成形ビン又はポリ塩化ビニル製バッグなどが使用
されているが、これらの医療用液体容器には、以下のよ
うな様々な問題がある。
【0003】即ち、ガラスビンは、破損し易く、また、
使用時に空気流入孔が必要なために異物や雑菌等が混入
する可能性があり、更に、硬質であるために廃棄しにく
い等の問題がある。また、ブロー成形ビンは、安価で強
度は強いが、廃棄しにくいという欠点がある。ポリ塩化
ビニル製バッグは、多量の可塑剤や残留塩化ビニルモノ
マーを含有するために、これらが内容液中に溶出すると
いう、衛生上の問題があり、また、廃棄時に有害ガスを
発生する等の環境面での問題も生じている。
【0004】近年、上記の問題点を解決するために種々
の提案がなされており、例えば特開昭62−50211
2号及び同62−502113号公報には、これらの問
題点を解決する無菌可撓性容器のためのフィルムラミネ
ートについて記載されている。このフィルムラミネート
により形成された容器は、透明性に優れ、軟質材料を使
用しているため廃棄に場所をとらず、衛生性に優れ、ま
た水蒸気バリア性、酸素バリア性に優れているという等
の多くの利点を有するものであるが、医療用液体容器の
形成材料として用いる場合、内容液充填後に熱殺菌処理
を行うとラミネート処理に際して使用された接着剤が内
容液中に多量に溶出してしまうために、無菌充填方式し
か採用できないという問題がある。
【0005】一方、ポリアミドフィルムやポリエチレン
テレフタレートフィルムに直接ポリエチレン又はポリプ
ロピレンを押し出しラミネートしたプラスチックフィル
ムは、層間接着性が十分でなく、熱殺菌処理に耐えるこ
とができない。また、ポリアミドフィルムやポリエチレ
ンテレフタレートフィルムにアンカー剤又は接着性樹脂
のどちらか一方を使用してポリエチレンやポリプロピレ
ンを押し出しラミネートしたプラスチックフィルムも十
分な接着力を得ることはできず、熱殺菌処理を施すこと
ができないという欠点がある。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、熱殺菌処理を施しても積層した層間のデラミネーシ
ョンがなく、且つ内容液中への有機物の溶出も少なく、
衛生性にも優れる医療用液体容器用プラスチックフィル
ム及びその製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、コア層と、該コア層上に押し出しラミネー
ト又はサンドラミネートされてなるシーラント層とを備
えた医療用液体容器用プラスチックフィルムであって、
上記コア層とシーラント層とは、コア層の一面に塗布さ
れたアンカー剤と、その塗布面に積層された接着性樹脂
とにより接着されてなることを特徴とする医療用液体容
器用プラスチックフィルムを提供する。なお、コア層を
延伸ポリアミド、延伸ポリプロピレン又は延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルムにより形成されてなるもの
とし、シーラント層をポリエチレン又はポリプロピレン
により形成されてなるものとすれば、より好適である。
【0008】更に、上記医療用液体容器用プラスチック
フィルムの製造方法として、コア用樹脂フィルムにより
コア層を形成し、そのコア層の少なくとも一面にアンカ
ー剤を塗布し、その塗布面に接着性樹脂を積層した後
に、加熱溶融したシーラント用樹脂を押し出しラミネー
トしてシーラント層を形成することを特徴とする医療用
液体容器用プラスチックフィルムの製造方法、及びコア
用樹脂フィルムによりコア層を形成し、そのコア層の少
なくとも一面にアンカー剤を塗布し、その塗布面に加熱
溶融した接着性樹脂を押し出しラミネートすると共に、
シーラント用樹脂フィルムをサンドラミネートしてシー
ラント層を形成することを特徴とする医療用液体容器用
プラスチックフィルムの製造方法を提供する。ここで、
特に、アンカー剤の塗布量を0.05〜1g/m2
し、接着性樹脂をその層の厚さが3〜500μmとなる
ように積層すると、より好適である。
【0009】
【作用】本発明のプラスチックフィルムは、コア層にシ
ーラント層を押し出しラミネートするにあたり、アンカ
ー剤を加熱融着の補助剤として用いる。そして、アンカ
ー剤のみでは、コア層とシーラント層との膜接着強度が
低下するので、従来より押し出しラミネート加工に際し
て使用されている接着性樹脂を併用することにより、コ
ア層・シーラント層間強度を十分に持たせることができ
る。
【0010】従って、このフィルムは100〜140℃
程度に加熱してもシーラント層がコア層から剥離するこ
とがないのみならず、接着剤のみを使用した従来のラミ
ネート加工によるプラスチックフィルムに比べて溶出す
る有機物の量が低減するので、上記のように内容液充填
後に熱殺菌(100〜140℃)処理が必要な医療用液
体容器の形成材料として有用である。ここで、アンカー
剤の塗布量を0.05〜1g/m2とし、接着性樹脂を
その層の厚さが3〜500μmとなるように積層する
と、本発明のプラスチックフィルムにおいて押し出しラ
ミネート加工時に使用される接着剤としての総塗布量は
従来の押し出しラミネート加工に際して使用される接着
剤の塗布量の1/10〜1/30となるので、より好適
である。
【0011】ここで、コア用樹脂フィルムは、通常ラミ
ネートフィルムの基材として使用されているものであれ
ばその種類は特に限定されるものではないが、延伸ポリ
アミド、延伸ポリプロピレン又は延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルムによりコア層を形成すると、運搬・
保存時の実用強度が増し、また、コシがあるため自立袋
(スタンディングパウチ)とすることが可能となる。
【0012】また、シーラント用樹脂としては、使用さ
れる接着性樹脂と押し出しラミネート又はサンドラミネ
ートできるものであれば、その種類は特に限定されるも
のではないが、シーラント層をポリエチレン又はポリプ
ロピレンにより形成すると、これらの材料は押し出し機
により容易に加熱溶融してフィルム状に押し出され、ま
た、これらのフィルムは加熱溶融した接着性樹脂と容易
に接着し、アンカー剤等を介してコア層に接着するの
で、押し出しラミネート加工又はサンドラミネート加工
による本発明のプラスチックフィルムを容易に得ること
ができる。
【0013】なお、コア層の厚さを10〜100μmと
し、シーラント層の厚さを20〜3500μmとする
と、各層を形成するプラスチックフィルムの特性を発揮
するのに好適な層厚となり、また、医療用液体容器の形
成材料として利用するにあたり、強度や可撓性等に優れ
るプラスチックフィルムとなる。
【0014】本発明の医療用液体容器用プラスチックフ
ィルムは、各プラスチックフィルム単層では十分に満足
することができないフィルム特性を兼備することができ
るという多層ラミネートフィルムとしての特性を持ち、
上記のように100〜140℃程度の加熱によっても層
間の剥離もなく、有機物の溶出もほとんどない。このよ
うなプラスチックフィルムにより形成された医療用液体
容器は、医療用液体容器としての要求特性、例えば強度
に優れ、廃棄に場所をとらず、有毒ガスの発生もなく、
衛生性に優れ、また水蒸気バリア性、酸素バリア性に優
れている等の要求特性を兼備するのみならず、耐熱姓に
も優れ、加熱により有機物が内容液中に溶出することも
ないので、特に内容液充填後に熱殺菌処理が採用される
ことが多い、輸液、薬液又は血液用バッグ等の液体容器
として好適なものである。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例と比較例と
に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例に制限さ
れるものではない。
【0016】図1は本発明の実施例を説明するための医
療用液体容器用プラスチックフィルムの縦断面概略図で
ある。このプラスチックフィルムAは、コア層1と、コ
ア層1の一面(図中では下面)に塗布乾燥されたアンカ
ー剤2と、その塗布面に積層された接着性樹脂層3と、
押し出しラミネート又はサンドラミネートされてなるシ
ーラント層4とを備えている。
【0017】本実施例のコア層1は、延伸ポリアミド
(ONy)、延伸ポリプロピレン(OPP)又は延伸ポ
リエチレンテレフタレート(OPET)フィルムにより
形成されているが、これらのフィルムに限定されること
なく、通常ラミネートフィルムの基材として用いられい
る樹脂フィルムにより形成されていれば良く、また、ア
ルミ蒸着等の金属蒸着、シリカ蒸着(SiOx蒸着)、
サランコート等が施されていても良い。
【0018】ここでコア層1の層厚は、10〜100μ
mであることが好ましく、より好ましくは12〜50μ
mである。10μm未満では医療用液体容器の形成材料
として必要な強度等が得られない場合があり、100μ
mを超えるとプラスチックフィルムAに良好な可撓性が
得られない場合がある。
【0019】本実施例では、アンカー剤2としてイソシ
アネート(ウレタン)系の接着剤を用いるが、本発明の
アンカー剤としては、これに限定されることなく従来公
知のものを使用することができ、例えばポリエチレン・
イミン等のイミン系、有機チタネート系、ポリエステル
系等の接着剤を、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、P
DC、水、メタノール等の溶剤でさらに希釈(例えばイ
ソシアネート系アンカー剤をトルエンで固形分50%物
を4〜5%に希釈)したものが好適に用いられる。
【0020】本実施例の接着性樹脂層3は、モディック
(三菱化学社製:商品名)をアンカー剤2に積層したも
のであるが、接着性樹脂層3の形成材料は接着性樹脂と
して従来より押し出しラミネート加工に際して使用され
ているものであれば良く、このような接着性樹脂として
例えば無水酸変性オレフィン、EVA、EAA、EM
A、EMAA、IR、E−EA−MAH等を挙げること
ができ、具体的には上記モディックの他にアドマー(三
井石油化学社製:商品名)、ボンドファースト(住友化
学社製:商品名)、デクソン(エクソン社製:商品名)
等が挙げられる。この接着性樹脂層3の層厚は、3〜5
00μmであることが好ましく、特に5〜100μmと
するとより好適である。3μm未満であると、膜接着強
度(コア層1とシーラント層4との接着性)が十分に得
られない場合があり、500μmを超えるとアンカー剤
との併用による接着剤の使用量低減効果が十分に得られ
ない場合がある。
【0021】本実施例のシーラント層4は、ポリエチレ
ン又はポリプロピレンにより形成されたものであるが、
このシーラント層4を形成する材質(シーラント材)
は、熱溶融可能で押し出し機からフィルム状に押し出さ
れるものか、又は予めフィルム状に成膜されてアンカー
剤層2及び接着性樹脂層3を介してコア層1に接着し得
るもの、即ちポリオレフィン類であればその種類は問わ
ないが、これらの中でもポリエチレン又はポリプロピレ
ンが好適に使用される。ここでシーラント層4の層厚
は、20〜3500μmであることが好ましく、より好
ましくは40〜1000μmである。20μm未満では
医療用液体容器の形成材料として必要な強度等が得られ
ない場合があり、3500μmを超えるとプラスチック
フィルムAに良好な可撓性が得られない場合がある。
【0022】上記構成のプラスチックフィルムAは、以
下のようにして製造することができる。
【0023】まず、上記延伸樹脂によりコア層1を形成
し、そのコア層1の一面に上記アンカー剤2を塗布乾燥
する。ここで、アンカー剤2の塗布量は、0.05〜1
g/m2とすることが好ましく、特に0.1〜0.5g
/m2とするとより好適である。0.05g/m2未満で
あると膜接着強度(コア層1とシーラント層4との接着
性)が十分に得られない場合があり、1g/m2を超え
ると上記接着性樹脂との併用による接着剤の使用量低減
効果が十分に得られない場合がある。
【0024】次に、第1の方法としては、アンカー剤2
の表面を熱風又は加熱により乾燥した後に、上記接着性
樹脂を加熱溶融して押し出し、コア層1のアンカー剤2
塗布面に積層して接着性樹脂層3とし、その後、この接
着性樹脂層3の上面に加熱溶融した上記シーラント用樹
脂を押し出し、アンカー剤2及び接着性樹脂層3を介し
てコア層1にラミネートしてシーラント層4を形成し、
医療用液体容器用プラスチックフィルムAを得る。また
第2の方法としては、アンカー剤2の表面を熱風又は加
熱により乾燥した後に、上記接着性樹脂を加熱溶融して
押し出し、これと同時に予めシーラント材により成膜し
ておいたシーラント用フィルムをサンドラミネートして
シーラント層4を形成し、医療用液体容器用プラスチッ
クフィルムAを得る。
【0025】なお、本発明の医療用液体容器用プラスチ
ックフィルムは、上記のようにコア層1とシーラント層
4を各一層として形成したものに限られず、これらを繰
り返し積層しても良く、またコア層1の両面にシーラン
ト層4を上記と同様にして積層しても良い。
【0026】このようにして得られた医療用液体容器用
プラスチックフィルムAは、これを形成材料として、例
えば輸液用バッグを作製することができる。この場合、
例えばプラスチックフィルムAを適宜大きさに裁断し、
コア層1が容器外側となるように重ね合わせた後、内容
液(ここでは輸液)用のキャップ付きなどの注入部を設
け、その注入部が開口している以外は四周が密閉された
偏平の長方形袋状となるようにヒートシール等の手段に
よりバッグを作製し、輸液を上記注入部から注入してキ
ャップを締めるなどの手段により輸液をバッグ内に密閉
収納し、これを例えば100〜140℃で10分〜2時
間加熱する熱殺菌処理を施して、輸液の保存、運搬に使
用することができる。
【0027】[実施例1〜3、比較例1〜3]次に、上
記医療用液体容器用プラスチックフィルムAを表1に示
す構成で上述した手順により作製して、実施例1〜3、
比較例1〜3のプラスチックフィルムを得、各プラスチ
ックフィルムを日本薬局方第12改正に記載された「輸
液用プラスチック容器試験法」に準拠した溶出物試験を
行った。結果を表1に併記する。
【0028】なお、表1のシーラント材において、「フ
ィルム」は上記製造方法の第2の方法によりラミネート
され、「押し出し」は上記製造方法の第1の方法により
ラミネートされたことを意味する。溶出物試験 プラスチックフィルムにより内容面積が約1200cm
2となるように袋を作製し、水で洗った後、室温で乾燥
した。この袋の中に水200mlを正確に加えて密封し
た後、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で1時間加熱
し、その後、滅菌器から袋を取り出して室温になるまで
放置し、この内容液を試験液とした。なお、比較例2、
3については、プラスチックフィルムを切断し、表面積
の合計が約1200cm2となるように切断片を集め、
更にこれらを長さ約5cm、幅約0.5cmの大きさに
細断し、上記と同様にして水洗、乾燥した後、内容積が
約300mlの硬質ガラス製容器に入れ、水200ml
を正確に加えて適当な栓で密封した後、上記と同様にし
て試験液を調製した。
【0029】別に水につき、同様の方法で空試験液を調
製した。試験液及び空試験液につき、次の試験を行っ
た。
【0030】<過マンガン酸カリウム還元性物質>試験
液20mlを共栓三角フラスコに採り、0.01N過マ
ンガン酸カリウム液20.0ml及び希硫酸1mlを加
え、3分間煮沸し、冷後、これにヨウ化カリウム0.1
0gを加えて密栓し、振り混ぜて10分間放置した後、
0.01Nチオ硫酸ナトリウム液で滴定した(指示薬:
デンプン試液5滴)。別に空試験液20.0mlを用
い、同様に操作し、試験液と空試験液との0.01N過
マンガン酸カリウム液の消費量の差を求めた。
【0031】<蒸発残留物>試験液20mlを水浴上で
蒸発乾固し、残留物を105℃で1時間乾燥し、その量
を測定した。
【0032】<紫外吸収スペクトル>試験液につき、空
試験液を対照とし、吸光度測定法により波長220nm
以上241nm未満における吸光度及び波長241nm
以上350nm以下における吸光度を測定した。
【0033】
【表1】
【0034】表1の結果によれば、本発明の医療用液体
容器用プラスチックフィルムは熱殺菌処理によっても有
機物等の溶出がほとんどなく、医療用液体容器の形成材
料として有用であることが認められる。それに対して、
通常のウレタン系の接着剤を用い、ドライラミネート加
工により得られたプラスチックフィルム(比較例1)、
ポリエチレン多層プラスチックフィルム(比較例2)、
ポリエチレン単層プラスチックフィルム(比較例3)の
うち、特に比較例1の場合は接着剤に起因する溶出物が
多く、比較例2、3の場合は日本薬局方の規格値は満足
するものの、それ自体にバリア性がないばかりではな
く、コシもないために自立袋とすることができない等の
実用上の問題が認められた。
【0035】なお、層厚12μmの延伸PET層にイソ
シアネート系アンカー剤を0.3g/m2塗布し、ポリ
エチレンを加熱溶融して層厚50μmのシーラント層を
形成したプラスチックフィルムについても上記溶出物試
験を行ったが、このフィルムは加熱によりデラミネーシ
ョンが生じてしまった。
【0036】
【発明の効果】本発明の医療用液体容器用プラスチック
フィルムによれば、コア層にシーラント層をラミネート
するに際してアンカー剤と接着性樹脂を併用して積層す
るので、押し出しラミネート加工の際に使用する接着剤
の総量を低減することができるのみならず、積層した層
間の接着強度も強く、100〜140℃の加熱によって
も有機物の溶出がほとんどないので、内容液を充填して
から熱殺菌処理を施す輸液、薬液、血液用バッグ等の医
療用液体容器の形成材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の医療用液体容器用プラスチックフィ
ルムの縦断面概略図である。
【符号の説明】
A 医療用液体容器用プラスチックフィルム 1 コア層 2 アンカー剤 3 接着性樹脂層 4 シーラント層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア層と、該コア層上に押し出しラミネ
    ート又はサンドラミネートされてなるシーラント層とを
    備えた医療用液体容器用プラスチックフィルムであっ
    て、上記コア層とシーラント層とは、コア層の一面に塗
    布されたアンカー剤と、その塗布面に積層された接着性
    樹脂とにより接着されてなることを特徴とする医療用液
    体容器用プラスチックフィルム。
  2. 【請求項2】 上記コア層は、延伸ポリアミド、延伸ポ
    リプロピレン又は延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
    ルムにより形成されてなることを特徴とする請求項1記
    載の医療用液体容器用プラスチックフィルム。
  3. 【請求項3】 上記シーラント層は、ポリエチレン又は
    ポリプロピレンにより形成されてなることを特徴とする
    請求項1又は2記載の医療用液体容器用プラスチックフ
    ィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエチレンが直鎖状低密度ポリエチレ
    ンである請求項3記載の医療用液体容器用プラスチック
    フィルム。
  5. 【請求項5】 上記コア層は、その層の厚さが10〜1
    00μmであり、上記シーラント層は、その層の厚さが
    20〜3500μmであることを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれか1項記載の医療用液体容器用プラスチッ
    クフィルム。
  6. 【請求項6】 コア用樹脂フィルムによりコア層を形成
    し、そのコア層の少なくとも一面にアンカー剤を塗布
    し、その塗布面に接着性樹脂を積層した後に、加熱溶融
    したシーラント用樹脂を押し出しラミネートしてシーラ
    ント層を形成することを特徴とする医療用液体容器用プ
    ラスチックフィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 コア用樹脂フィルムによりコア層を形成
    し、そのコア層の少なくとも一面にアンカー剤を塗布
    し、その塗布面に加熱溶融した接着性樹脂を押し出しラ
    ミネートすると共に、シーラント用樹脂フィルムをサン
    ドラミネートしてシーラント層を形成することを特徴と
    する医療用液体容器用プラスチックフィルムの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 上記アンカー剤の塗布量を0.05〜1
    g/m2とし、上記接着性樹脂を、その層の厚さが3〜
    500μmとなるように積層することを特徴とする請求
    項6又は7記載の医療用液体容器用プラスチックフィル
    ムの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006134645A1 (ja) 2005-06-15 2006-12-21 Fujimori Kogyo Co., Ltd. 複室包装体
JP2008179110A (ja) * 2007-01-26 2008-08-07 Dainippon Printing Co Ltd 滅菌バック用積層体および滅菌バック
WO2011049031A1 (ja) 2009-10-20 2011-04-28 株式会社細川洋行 プラスチックフィルム及び輸液バッグ

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