JP4210373B2 - ラミネートチューブ用原反 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬品、化粧品、その他化学物質の容器として用いられるラミネートチューブ製造用の原反に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近ではチューブ容器として無機酸化物を蒸着したプラスチックフィルムが使用される場合も多いが、特に医薬品の場合には、完璧なガスバリヤ性と共に遮光性を要求される場合があり、基材としてAl箔を用いたラミネートチューブが最も適したものとされている。
【0003】
ラミネートチューブの胴体部は、平板状のラミネート原反を筒巻きにして、重ね合せ端部を熱溶着して作成されるため、端部において重なり合う最外層と最内層は、一般的には同一系の材料が用いられる。最内層は内容物との接触に対する化学的安定性や熱シール性、加工性等の面からポリオレフィン系プラスチック、特にはポリエチレンが用いられる。したがって、最外層にもポリエチレンが使用されている。
【0004】
基材兼バリヤー層として最適なAl箔と、最内層(及び最外層)として最適なポリエチレンとは普通単味同士では接着しないので、この両者を貼り合せて実用上十分な強度を得るためには両者の間になんらかの接着層を介在させる必要がある。最も好ましい接着層としては、エチレン−カルボン酸共重合体(EMAAあるいはEAA)が良く知られ、これはラミネートチューブ用原反においてAl箔とポリエチレン層の間に介在させる接着層としては極く一般的に使用されている。別の接着層として、例えば2液反応型等の接着剤を用いる場合があるが、この方法では初期接着強度こそ出るものの、内容成分の浸透、攻撃による影響を受け易く、特に溶剤系成分を多く含む内容物を充填すると、接着層が破壊されてデラミを起す場合が多い。
【0005】
上記内容物の浸透は最内層および接着層を透過し、Al箔層の界面で止まり、そこに滞留すると考えられている。その結果、上記の通り比較的接着しにくいAl箔と接着層の間の界面が侵され、最終的にはこの部分でデラミを起す。
Al箔と接着層の間の耐内容成分接着性を向上させる手段は以前から考えられているが、未だ従来の方法では十分な効果には至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ラミネートチューブにおけるAl箔と内側接着層との界面の保護を計り、浸透性の強い内容物であってもデラミを起さないようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルミ箔を芯材とし、その両面にエチレン−カルボン酸共重合体よりなる接着層を介してポリエチレン層を形成し、そのチューブの内面側に相当する面の上記接着層とポリエチレン層との間に、エチレンビニルアルコール共重合樹脂を芯にしたポリエチレンとの共押出シートを介在せしめたことを特徴とするラミネートチューブ用原反である。
【0008】
上記エチレンビニルアルコール共重合樹脂を芯にしたポリエチレンとの共押出シートは耐薬品性を示し、Al箔に対して第2のバリヤー層として作用する。したがって、Al箔と接着層の接合界面への浸透成分の影響を軽減し、最も重要なこの部分でのデラミを防止する。そうするとこの第2のバリヤー層とポリエチレン層との界面で浸透成分の強い滞留が起り、当該部位のデラミが起り易くなるのではと考えられるが、第2のバリヤー層の両面には共押出し法によって予じめポリエチレンを貼り合せてあるので、第2のバリヤー層とポリエチレンとのデラミは防止される。又、芯のエチレンビニルアルコール共重合樹脂とその両面のポリエチレンとは共押出し法によったため、その界面は微細に入り組んだものとなり、それらの結合も強固となっている。もちろん、必要に応じてエチレンビニルアルコール共重合樹脂とポリエチレンとの間にこの両者をより強固に接着するための接着層を介在させるとさらに効果的である。さらにこの共押出しのシートを二軸延伸するとバリヤー性がより高められる。
【0009】
この効果に関しては様々な試験結果に基づくものであるが、第2のバリヤー層はAl箔ほど完全な遮断性を持たないので、いくつかの成分が僅かずつではあるが第2のバリヤー層を透過するためAl箔と接着層との接合界面の様な強力な滞留は生じず、各層への剥離作用は、段階を経て緩和されていると考えられる。
そして、最内層のポリエチレンは、特別の処理無しで押出しコートできる上、その場合、同種の材料の熱溶着による貼り合せとなるので、この部分が剥離を起こすようなことはない。
【0010】
共押出しシートはエチレンビニルアルコール共重合樹脂の両面のポリエチレンとのそれぞれの間にナイロン層を介在させたシートであっても良い。ナイロン層を介在させることによってさらに耐薬品性が向上する。
【0011】
又、チューブ外面側に相当するポリエチレン層は、着色ポリエチレン層あるいは着色ポリエチレン層の最外層に透明或いは半透明のポリエチレン層とすると、Al芯材の地色をカバーして任意の模様を形成することができる。又、逆に透明か半透明のポリエチレン層として故意にAlの地色を利用した装飾効果をもたらすこともできる。
さらに外面側接着層の面にポリエチレンテレフタレート層を介在せしめることも有効である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施例並びに比較例に基づいて本発明を説明する。
各例の層構成を示すと下記のとおりである。
【0013】
実施例1
最内層としてL−LDPEを用いて最外層側から下記の層構成をとった。
PE/着色PE/EMAA/Al/EMAA/共押出しシート(PE−EVOH−PE)/L−LDPE
実施例2
外層側の接着層EMMAと着色PEとの間にPEとPETの層を介在させたものである。
PE/着色PE/PE/PET/EMAA/Al/EMAA/共押出しシートの二軸延伸したもの(PE/Ny/EVOH/Ny/PE)/L−LDPE
比較例1
PE/白色PE/PE/EMMA/Al/EMMA/PE
この層構成はAl箔とシーラント層であるPE層とをEMAAによって接着したものである。
【0014】
比較例2
PE/白色PE/PE/EMAA/Al/PET/(エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体)/PE
Al箔の内層側に、耐浸透成分遮断性に優れるPET層を設け、Al箔を保護する。さらにPET層とシーラント層であるPE層との接着層として、エチレングリシジルメタクリレート共重合樹脂を用いることによって、浸透成分の影響によるPET層とPE層の間のデラミを防いでいる。特に消炎ちん痛剤用原反として用いられている。
【0015】
比較例3
PE/白色PE/PE/EMAA/Al/酸変性PE/PE
Al箔とシーラント層であるPE層との接着層として、無水マレイン酸変成線状PE系樹脂を用いることによって、浸透成分の影響によるAl箔とPE層の間のデラミを防いでいる。特ににきび薬用原反として用いられている。
【0016】
上記実施例並びに比較例の各原反を用いて直径20mmのラミネートチューブを作成し、表1に示す4種類の内容物を充填してシールし、40℃,75%RHの恒温、恒湿槽内で6ケ月保存して、デラミ、変色、その他腐食等の有無を確認した。結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
上記表1に示した結果から明らかなとおり、本発明の実施例のものは4種類すべての内容物に対して課題を解決できたが、比較例のものとはある特定の内容物に関しては課題を解決し、あるいは多少有効であるが、いずれも効果を発揮できる成分には選択性があり、万能ではない。又、特に比較例2,3の特殊接着性樹脂を用いたものはラミネート加工が技術的に難しく、特殊な加工方法を採らなければ十分な接着効果を発揮できないため、原反製造における作業面とそれに伴うコストに問題が残されていた。これに対して実施例のものは通常のラミネート加工で製造することが可能で特に困難性はない。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、両面をPEとした共押出シートを用いて耐浸透性を向上しているので、ラミネート加工上はなんら特殊な工程を経る必要はなく、作業性は通常のラミネート加工と遜色がない。そして、共押出しシートの中心にあるEVOHは優れた耐浸透成分バリヤー性を持つと共に、炭化水素系成分、エステル系成分に対する非吸着性(非収着性)にも優れている。したがって、ビタミンE、リモネン等を含む食品、医薬品、化粧品等、各種内容物に対して有効である。
Claims (5)
- アルミ箔を芯材とし、その両面にエチレン−カルボン酸共重合体よりなる接着層を介してポリエチレン層を形成し、そのチューブの内面側に相当する面の上記接着層とポリエチレン層との間に、エチレンビニルアルコール共重合樹脂を芯にしたポリエチレンとの共押出しシートを介在せしめてなり、該共押出しシートが、芯と両面のポリエチレンとの間にそれぞれナイロンを介在せしめ、二軸延伸したものであることを特徴とするラミネートチューブ用原反。
- チューブの外面側に相当するポリエチレン層は、着色ポリエチレン層である請求項1記載のラミネートチューブ用原反。
- 前記着色ポリエチレン層の最外層を透明或いは半透明のポリエチレン層とした請求項2記載のラミネートチューブ用原反。
- 外層側の接着層面にポリエチレンテレフタレート層を介在せしめてなる請求項1〜3のいずれかに記載のラミネートチューブ用原反。
- 前記ポリエチレンがL−LDPEであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラミネートチューブ用原反。
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