JPH07186318A - 蒸着フィルム - Google Patents

蒸着フィルム

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JPH07186318A
JPH07186318A JP5331179A JP33117993A JPH07186318A JP H07186318 A JPH07186318 A JP H07186318A JP 5331179 A JP5331179 A JP 5331179A JP 33117993 A JP33117993 A JP 33117993A JP H07186318 A JPH07186318 A JP H07186318A
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JP
Japan
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layer
film
resin
vapor
heat
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Application number
JP5331179A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Hidaka
和弘 日高
Hirotaka Tsuchiya
博隆 土屋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒートシール性を有し、ヒートシール性、保
香性およびバリヤー性に優れた積層包材の形成材料に好
適に利用可能な蒸着フィルムを提供する。 【構成】 ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹
脂、ポリカーボネート(PC)樹脂およびポリアリレー
トのいずれかよりなる基材層2とヒートシール性ポリエ
ステル樹脂層3とからなる共押出フィルム4における基
材層2に金属または無機酸化物の蒸着層5を形成し、あ
るいはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポ
リカーボネート(PC)樹脂およびポリアリレートのい
ずれかよりなる中間層9の少なくとも一方の面にヒート
シール性ポリエステル層3を形成し、他方の面に金属ま
たは無機酸化物の蒸着層5を形成して蒸着フィルム1と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸着フィルムに関し、さ
らに詳しくは保香性およびヒートシール性に優れたもの
であって積層包材の形成材料として好適に用いることの
できる蒸着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばアルミ(Al)蒸着層を有する
蒸着フィルムは、各種食品等の包装材料形成素材として
広く用いられている。この蒸着フィルムとしては、従来
より種々のものが知られており、具体的には、二軸延伸
ポリエステルフィルムの片面に金属または無機酸化物の
蒸着層を有する蒸着フィルム、未延伸ポリプロピレン
(CPP)フィルムの片面に金属または無機酸化物の蒸
着層を有する蒸着フィルムなどが知られている。
【0003】一方、このような蒸着フィルムを用いてな
る積層包材は、例えばスナック菓子類、ジュース等の飲
料類等の各種食品あるいは医薬品などの包装材料として
広く用いられている。具体的には、ガスバリヤー性、機
械適性、シール強度等の点から、外層側から内層側の順
に、延伸ポリプロピレン(OPP)/ポリエチレン(P
E)/Al蒸着延伸ポリエチレンテレフタレート(Al
蒸着OPET)/ポリエチレン/未延伸ポリプロピレン
(CPP)の5層構成からなる積層包材あるいは外層側
から内層側の順に、延伸ポリプロピレン(OPP)/ポ
リエチレン(PE)/Al蒸着未延伸ポリプロピレン
(Al蒸着CPP)の3層構成からなる積層包材などが
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
二軸延伸ポリエステルフィルムの片面に金属または無機
酸化物の蒸着層を有する従来の蒸着フィルムにおいて
は、蒸着フィルム自体にヒートシール性がないという問
題がある。
【0005】したがって、そのような蒸着フィルムを用
いて構成された積層包材においては、ヒートシール性を
付与するために蒸着フィルムとは別にヒートシール層を
設ける必要があり、層構成が複雑になって包材コストが
かさむという問題がある。しかも、蒸着フィルムとは別
にヒートシール層を設ける場合、ヒートシール層はオレ
フィン系樹脂により形成されるため、内容物の保香性に
劣るという問題が生じる。
【0006】一方、例えば未延伸ポリプロピレン(CP
P)フィルムの片面に金属または無機酸化物の蒸着層を
有する従来の蒸着フィルムを用いて構成された積層包材
に充填包装機でテンションをかけると、蒸着層が形成さ
れているベースフィルムの伸びにより蒸着層にクラック
が発生し、バリヤー性の低下を招くことがあるという問
題がある。
【0007】本発明はかかる事情に基づいてなされたも
のであり、本発明の目的は、ヒートシール性を有し、ヒ
ートシール性、保香性およびバリヤー性に優れた積層包
材の形成材料に好適に利用可能な蒸着フィルムを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成は、金属または無機酸化物の蒸着層を
有する蒸着フィルムにおいて、ポリブチレンテレフタレ
ート(PBT)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂お
よびポリアリレートのいずれかよりなる基材層とヒート
シール性ポリエステル樹脂層とからなる共押出フィルム
における前記基材層に金属または無機酸化物の蒸着層が
形成されていることを特徴とする蒸着フィルムであり、
金属または無機酸化物の蒸着層を有する蒸着フィルムに
おいて、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、
ポリカーボネート(PC)樹脂およびポリアリレートの
いずれかよりなる中間層の少なくとも一方の面にヒート
シール性ポリエステル層が形成され、他方の面に金属ま
たは無機酸化物の蒸着層が形成されていることを特徴と
する蒸着フィルムである。
【0009】
【作用】本発明の蒸着フィルムは、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹
脂およびポリアリレートのいずれかよりなる基材層とヒ
ートシール性ポリエステル樹脂層とからなる共押出フィ
ルムにおける基材層に金属または無機酸化物の蒸着層が
形成されているものである。ここで、ヒートシール性ポ
リエステル層は保香性に優れているとともに良好なヒー
トシール性を有するため、この蒸着フィルム自体も良好
なヒートシール性質をもつことになる。しかも、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリカーボネー
ト(PC)樹脂およびポリアリレートのいずれかよりな
る基材層は伸びにくい性質をもつため、たとえばこの蒸
着フィルムを用いてなる積層包材を充填包装機械にかけ
た際にテンションがかかっても蒸着層にクラックが生じ
にくく、バリヤー性の低下を招くことがない。したがっ
て、この蒸着フィルムは積層包材の形成材料として優れ
た適性を有している。
【0010】また、本発明の蒸着フィルムは、金属また
は無機酸化物の蒸着層を有する蒸着フィルムにおいて、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリカー
ボネート(PC)樹脂およびポリアリレートのいずれか
よりなる中間層の少なくとも一方の面にヒートシール性
ポリエステル層が形成され、他方の面に金属または無機
酸化物の蒸着層を有するものである。すなわち、この蒸
着フィルムはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹
脂、ポリカーボネート(PC)樹脂およびポリアリレー
トのいずれかよりなる中間層の一方の面にヒートシール
性ポリエステル層を有し、他方の面に金属または無機酸
化物の蒸着層を有するものである場合と、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)樹脂、ポリカーボネート(P
C)樹脂およびポリアリレートのいずれかよりなる中間
層の両面にヒートシール性ポリエステル層を有し、該ヒ
ートシール性ポリエステル層の一方の面に金属または無
機酸化物からなる蒸着層が形成されているものである場
合とがある。ここで、ヒートシール性ポリエステル層
は、前述の通り、保香性に優れているとともに良好なヒ
ートシール性を有するため、この蒸着フィルム自体も良
好なヒートシール性をもつことになる。しかも、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリカーボネー
ト(PC)樹脂およびポリアリレートのいずれかよりな
る中間層は伸びにくい性質をもつため、たとえばこの蒸
着フィルムを用いてなる積層包材を充填包装機械にかけ
た際にテンションがかかっても蒸着層にクラックが生じ
にくく、バリヤー性の低下を招くことがない。したがっ
て、この蒸着フィルムもまた積層包材の形成材料として
優れた適性を有している。
【0011】
【実施例】次に、本発明の蒸着フィルムについて、図面
を参照してさらに具体的に説明する。
【0012】図1は本発明の蒸着フィルムの一例を示す
断面図である。図1に示すように、この蒸着フィルム1
は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリ
カーボネート(PC)樹脂およびポリアリレートのいず
れかよりなる基材層2とヒートシール性ポリエステル樹
脂層3とからなる共押出フィルム4における基材層2に
金属または無機酸化物の蒸着層5が形成されている。
【0013】基材層2はポリブチレンテレフタレート
(PBT)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂および
ポリアリレートのいずれかにより形成されている。ここ
で、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリ
カーボネート(PC)樹脂およびポリアリレートは、い
ずれも伸びにくい性質をもつので、この蒸着フィルムに
テンションがかかった場合にも蒸着層5にクラックが生
じにくい。基材層2をポリブチレンテレフタレート(P
BT)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂およびポリ
アリレートのいずれにより形成するかは、この基材層2
の一方の面に形成されるヒートシール性ポリエステル層
3を形成するヒートシール性ポリエステル樹脂との接着
性を考慮して決定すればよい。
【0014】このような基材層2の厚さは、通常、5〜
30μm程度であり、好ましくは5〜15μmである。
この基材層2の一方の面にはヒートシール性ポリエステ
ル層3が形成されている。
【0015】ヒートシール性ポリエステル層3は、保香
性およびヒートシール性に優れる層であり、ヒートシー
ル性をもつヒートシール性ポリエステル樹脂により形成
されている。
【0016】ヒートシール性ポリエステル樹脂として
は、たとえばガラス転移温度40℃以上の非晶性〜低結
晶性の飽和ポリエステル樹脂が好ましいものとして挙げ
られる。
【0017】ここで、ガラス転移温度40℃以上の非晶
性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂は、結晶化度が1
0%以下である非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹
脂であり、例えば、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジ
アルコール成分と、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族
ジカルボン酸、あるいはテレフタル酸、イソフタル酸、
ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などの
ジカルボン酸成分との共縮合重合によって得られるもの
である。さらに具体的には、例えば、エチレングリコー
ルとテレフタル酸、エチレングリコールとイソフタル酸
とテレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジメタノール
とエチレングリコールとテレフタル酸、プロピレングリ
コールとイソフタル酸とテレフタル酸等の組み合わせの
共縮合重合体からなるポリエステル樹脂、あるいは前述
のテレフタル酸とエチレングリコールとをベース原料と
してポリエステル樹脂を重合する際に、酸成分の一部に
例えばトリメリット酸等の3価のカルボン酸を用いた
り、あるいはアルコール成分の一部にトリメチロールプ
ロパン等の3価のアルコールを用いたり、さらには、ア
ルコール成分の一部と酸成分の一部とに3価のアルコー
ルと3価のカルボン酸を用いる等して得られるポリエス
テル樹脂が挙げられる。
【0018】なお、前記ポリエステル樹脂の酸成分にお
ける脂肪族ジカルボン酸成分の含有割合は10重量%未
満であることが好ましい。この割合が10重量%以上で
あると、そのようなポリエステル樹脂からなるヒートシ
ール性ポリエステル層はその保香性能が十分ではなくな
ることがある。
【0019】また、ガラス転移温度が40℃以上である
非晶性〜低結晶性の前記飽和ポリエステル樹脂以外のヒ
ートシール性ポリエステル樹脂としては、例えば「メリ
ネックス850 」(ICIジャパン社製)、「P72,7
4」(東レ社製)、「エスティナ321 」(セキスイ社
製)等の現在上市されているヒートシール性ポリエステ
ルなどが挙げられる。
【0020】ヒートシール性ポリエステル層3の厚さ
は、通常、5〜30μm程度であり、好ましくは5〜1
5μmである。これらの基材層2とヒートシール性ポリ
エステル層3とからなる共押出しフィルム4は、基材層
2を形成するポリブチレンテレフタレート(PBT)樹
脂、ポリカーボネート(PC)樹脂およびポリアリレー
トのいずれかと、ヒートシール性ポリエステル樹脂との
共押出しにより一体に形成されている。
【0021】共押出しフィルム4の厚さは用途により相
違するので一様に決定することは困難であるが、通常は
15〜50μm程度であり、好ましくは15〜25μm
程度である。なお、基材層2およびヒートシール性ポリ
エステル層3の各層の形成材料は溶融粘度および押出温
度が類似したものを用いることが望ましい。
【0022】共押出しフィルム4を構成する基材層2に
は、金属または無機酸化物が蒸着されてなる蒸着層5が
形成されている。蒸着層5は、主にガスや水蒸気の外部
からの流入を防止する機能乃至作用を有する層であり、
この蒸着層5を形成する金属または無機酸化物として
は、たとえば、アルミニウム(Al)、酸化ケイ素(S
iOx )、酸化アルミニウム(Al 2 3 )などが挙げ
られる。これらの金属または無機酸化物は、この蒸着フ
ィルムの用途、目的等に応じて適当なものを選定するこ
とができる。すなわち、バリヤー性の他に遮光性が要求
される用途には、例えばアルミニウム(Al)を用いれ
ばよいし、バリヤー性の他に透明性が要求される用途に
は、例えば酸化ケイ素(SiOx )を用いればよい。
【0023】蒸着層5の厚さは、通常、20〜150n
m程度、好ましくは30〜150nm程度であり、蒸着
方法としては例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法などが挙げられる。
【0024】このようにして形成される蒸着フィルム1
は、それ自体がヒートシール性を有するものであり、各
種包装材料の形成素材として好適に利用可能である。具
体的には、たとえば図2に示すように、この蒸着フィル
ム1における蒸着層5に、たとえば延伸樹脂フィルム層
6を積層することにより積層包材を形成することができ
る。
【0025】延伸樹脂フィルム層6は、この積層包材に
耐熱性、強度等の機械適性および印刷適性を付与する作
用乃至機能を有する層であり、この実施例では、貼り合
わせ層7を介して蒸着層5に積層されている。
【0026】貼り合わせ層7は、蒸着フィルム1におけ
る蒸着層5と延伸樹脂フィルム層6とを貼り合わせる作
用乃至機能を有する層であり、例えば押出し加工により
形成されている。
【0027】貼り合わせ層7の形成材料としては、たと
えばエチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)樹
脂、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂、エチレン・
アクリル酸共重合体(EAA)樹脂などが挙げられる。
これらは、蒸着フィルム1における蒸着面のクラックの
発生を防止するために、できるだけ低温で押出し可能な
樹脂、具体的には、250℃の温度で押出し可能な樹脂
を選択して使用することが望ましい。
【0028】この貼り合わせ層7の厚さは、通常、10
〜30μm程度である。そして、この貼り合わせ層7に
は、例えばオゾン(O3 )処理などの表面処理を施した
後、アンカーコート剤を塗布して形成されたアンカーコ
ート剤層8を介して延伸樹脂フィルム層6を積層するの
が望ましい。
【0029】アンカーコート剤層8を形成するアンカー
コート剤としては、たとえばポリエチレンイミンなどが
挙げられる。このアンカーコート剤の塗布量は、通常、
0.01〜5g/m2 程度であり、好ましくは0.1〜
2g/m2 である。
【0030】延伸樹脂フィルム層6の形成材料として
は、たとえば、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)、2
軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、2軸延
伸ナイロン(ON)、2軸延伸ポリビニルアルコール
(OPVA)などが挙げられる。これらのなかでも、好
ましいのは2軸延伸ポリプロピレン(OPP)である。
【0031】この延伸樹脂フィルム層6の厚さは、通
常、10〜50μm、好ましくは10〜30μm程度で
ある。以上のようにして構成される積層包材は、たとえ
ば三方シール、ピロー包装等の形態で食品包装用パウ
チ、医薬品用包材などの用途に好適に使用可能である。
【0032】次に、本発明の蒸着フィルムの他の一例に
ついて説明する。図3は本発明の蒸着フィルムの他の一
例を示す断面図である。図3に示すように、この蒸着フ
ィルム1´は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)
樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂およびポリアリレ
ートのいずれかよりなる中間層9の少なくとも一方の面
にヒートシール性ポリエステル層3が形成され、他方の
面に金属または無機酸化物の蒸着層5が形成されてなる
ものである。
【0033】ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹
脂、ポリカーボネート(PC)樹脂およびポリアリレー
トのいずれかよりなる中間層9の厚さは、通常、5〜2
0μm、好ましくは5〜10μm程度である。
【0034】この中間層9の一方の面もしくは両面に
は、ヒートシール性ポリエステル層3が形成されてい
る。このヒートシール性ポリエステル層3を形成するヒ
ートシール性ポリエステルについては、前述の通りであ
る。
【0035】中間層9の一面もしくは両面に形成される
ヒートシール性ポリエステル層3の厚さは、通常、5〜
20μm、好ましくは5〜10μm程度である。金属ま
たは無機酸化物の蒸着層5は、ヒートシール性ポリエス
テル層3が中間層9の一方の面に形成されている場合に
は、その中間層9におけるヒートシール性ポリエステル
層3が形成されている面とは反対側の面に形成される。
また、ヒートシール性ポリエステル層3が中間層9の両
面に形成されている場合には、ヒートシール性ポリエス
テル層3に金属または無機酸化物の蒸着層5が形成され
る。
【0036】蒸着層5の形成材料および厚さについては
前述のとおりである。このようにして形成される蒸着フ
ィルム1´も前述の蒸着フィルム1と同様にそれ自体が
ヒートシール性を有するものであり、例えば延伸樹脂フ
ィルム層6を蒸着層5に積層することにより前述の蒸着
フィルム1と同様に積層包材として好適に利用可能であ
る。
【0037】次に、本発明の蒸着フィルムを用いた積層
包材についてのO2 バリヤー性、H 2 Oバリヤー性およ
び保香性能についての測定実験例を示す。 (実験例1)ヒートシール性を有するヒートシール性ポ
リエステル樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、「シ
ーラーPT X150」)とポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)樹脂[三菱化成(株)製、「NOVADUR 502
0」]とを厚さの比1:1で共押し出し成膜し、厚さ2
0μmのポリエステル/ポリブチレンテレフタレート共
押出しフィルムを得た。次に、この共押出しフィルムに
おけるポリブチレンテレフタレート面に真空蒸着法によ
りアルミ蒸着を施し、厚さ50nmの蒸着層を形成して
蒸着フィルムを得た。
【0038】次に、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピ
レン(OPP)フィルムの片面にポリエチレンイミンを
アンカーコートしつつ供給する一方、上記のアルミ蒸着
フィルムを蒸着面が接着面となるように供給し、エチレ
ン・メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂(三井デュ
ポンポリケミカル社製、「ニュークレル AN42115C 」)
を上記2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム面側
にオゾン処理を行いながら押し出し接着することによ
り、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(厚さ
20μm)/エチレン・メタクリル酸共重合体(EMA
A)樹脂層(厚さ15μm)/Al蒸着層(厚さ50n
m)/ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂層
(厚さ10μm)/ヒートシール性ポリエステル(厚さ
10μm)からなるアルミ蒸着ポリエステルシーラント
フィルムを得た。
【0039】このアルミ蒸着ポリエステルシーラントフ
ィルムについて、O2 透過性、H2O透過性および保香
性を測定した。結果を表1に示す。なお、O2 透過性、
2 O透過性および保香性の測定方法は、それぞれ次の
通りである。
【0040】O2 透過性; 常温常圧下でアルミ蒸着ポ
リエステルシーラントフィルムの酸素透過量を測定し
た。尚、この測定には、MOCON 社製「OXTRAN」を使用し
た。
【0041】H2 O透過性; 40℃、90% RHの雰囲気
中でアルミ蒸着ポリエステルシーラントフィルムの水蒸
気透過量を測定した。尚、この測定には、MOCON 社製
「PARMATRAN 」を使用した。
【0042】保香性; アルミ蒸着ポリエステルシーラ
ントフィルムについて5cm ×5cm の切片を作成し、オレ
ンジエッセンスの雰囲気中にて温度97℃で1週間静置
し、ガスクロマトグラフィーによりフレーバーの主成分
であるd−リモネンの定量測定を行った。尚、測定結果
は比較実験例1の包装材料についての測定結果を100
とした場合の相対値で示した。
【0043】
【表1】 (実験例2)前記実験例1において、ポリブチレンテレ
フタレート(PBT)樹脂[三菱化成(株)製、「NOVA
DUR 5020」]に代えてポリカーボネート樹脂[三菱瓦斯
化学(株)製、「ユーピロンE−2000」]を用いて共押
出しフィルムを作成したほかは、前記実験例1と同様に
してアルミ蒸着ポリエステルシーラントフィルムを作成
し、得られたアルミ蒸着ポリエステルシーラントフィル
ムについて、O2 透過性、H2 O透過性および保香性を
測定した。結果を表1に示す。 (実験例3)前記実験例1において、ヒートシール性を
有するヒートシール性ポリエステル樹脂(三井デュポン
ポリケミカル社製、「シーラーPT X150」)に代
えてガラス転移温度40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽
和ポリエステル樹脂(イーストマンコダック社製、「P
ET−G6763」を用いて共押出しフィルムを作成したほ
かは、前記実験例1と同様にしてアルミ蒸着ポリエステ
ルシーラントフィルムを作成し、得られたアルミ蒸着ポ
リエステルシーラントフィルムについて、O2透過性、
2 O透過性および保香性を測定した。結果を表1に示
す。 (実験例4)前記実験例2において、厚さの比が1:1
である厚さ20μmのポリエステル/ポリカーボネート
共押出しフィルムに代えて厚さの比が1:1:1である
厚さ20μmのポリエステル/ポリカーボネート/ポリ
エステル共押出しフィルムを作成するとともに、アルミ
蒸着層に代えて酸化ケイ素(SiOx )蒸着層を形成し
たほかは、前記実験例2と同様にしてシリカ蒸着ポリエ
ステルシーラントフィルムを作成し、得られたシリカ蒸
着ポリエステルシーラントフィルムについて、O2 透過
性、H2 O透過性および保香性を測定した。結果を表1
に示す。 (実験例5)前記実験例4において、ヒートシール性を
有するヒートシール性ポリエステル樹脂(三井デュポン
ポリケミカル社製、「シーラーPT X150」)に代
えてガラス転移温度40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽
和ポリエステル樹脂(イーストマンコダック社製、「P
ET−G6763」)を用いて共押出しフィルムを作成した
ほかは、前記実験例4と同様にしてシリカ蒸着ポリエス
テルシーラントフィルムを作成し、得られたシリカ蒸着
ポリエステルシーラントフィルムについて、O 2 透過
性、H2 O透過性および保香性を測定した。結果を表1
に示す。 (実験例6)前記実験例5において、ポリカーボネート
樹脂[三菱瓦斯化学(株)製、「ユーピロンE−200
0」]に代えてポリアリレート樹脂[ユニチカ(株)
製、「U−ポリマーU−1060」]を用いて共押出しフィ
ルムを作成するとともに、シリカ蒸着層に代えてアルミ
蒸着層を形成したほかは、前記実験例5と同様にしてア
ルミ蒸着ポリエステルシーラントフィルムを作成し、得
られたアルミ蒸着ポリエステルシーラントフィルムにつ
いて、O2 透過性、H2 O透過性および保香性を測定し
た。結果を表1に示す。 (実験例7)前記実験例5において、ポリカーボネート
樹脂[三菱瓦斯化学(株)製、「ユーピロンE−200
0」]に代えてポリブチレンテレフタレート(PBT)
樹脂[三菱化成(株)製、「NOVADUR 5020」]を用いて
共押出しフィルムを作成したほかは、前記実験例5と同
様にしてアルミ蒸着ポリエステルシーラントフィルムを
作成し、得られたアルミ蒸着ポリエステルシーラントフ
ィルムについて、O2 透過性、H2 O透過性および保香
性を測定した。結果を表1に示す。 (比較実験例1)内層側から外層側の順に、未延伸ポリ
プロピレン(CPP)層(厚さ20μm)/ポリエチレ
ン(PE)層(厚さ15μm)/Al蒸着ポリエチレン
テレフタレート(Al蒸着PET)層(厚さ12μm)
/ポリエチレン(PE)層(厚さ15μm)/延伸ポリ
プロピレン(OPP)層(厚さ20μm)からなる5層
積層構成の包装材料を作成し、この包装材料について、
前記実験例1と同様にしてO2 透過性、H2 O透過性お
よび保香性を測定した。結果を表1に示す。 (比較実験例2)内層側から外層側の順に、Al蒸着未
延伸ポリプロピレン(Al蒸着CPP)層(厚さ20μ
m)/ポリエチレン(PE)層(厚さ15μm)/延伸
ポリプロピレン(OPP)層(厚さ20μm)からなる
3層積層構成の包装材料を作成し、この包装材料につい
て、前記実験例1と同様にしてO2 透過性、H2 O透過
性および保香性を測定した。結果を表1に示す。
【0044】結果の検討 表1から明らかなように、本発明の蒸着フィルムを用い
てなる実験例1〜実験例7の包装材料は比較実験例1お
よび比較実験例2の包装材料(従来品)に比べてヒート
シール性を保持したままバリヤー性および保香性が優れ
ていることが確認された。
【0045】
【発明の効果】以上に詳述したとおり、本発明の蒸着フ
ィルムは、ヒートシール性を有するヒートシール性ポリ
エステル樹脂と特定の樹脂とを組み合わせた構成とした
ので、本発明によれば、ヒートシール性、機械適性、シ
ール強度等の特性を有するのみならず、バリヤー性およ
び保香性に優れ、たとえばこの蒸着フィルムを用いてな
る積層包材を充填包装機械にかけた際にテンションがか
かっても蒸着層にクラックが生じにくく、バリヤー性の
低下を招くことがなくて積層包材の形成材料として優れ
た特性を有する蒸着フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸着フィルムの一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の蒸着フィルムを用いて形成した積層包
材の層構成の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の蒸着フィルムの他の一例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1…蒸着フィルム 2…基材層2 3…ヒートシール性ポリエステル樹脂層 4…共押出フィルム 5…蒸着層 9…中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/20 A 9271−4K // B29C 47/06 9349−4F B29K 67:00 69:00 B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属または無機酸化物の蒸着層を有する
    蒸着フィルムにおいて、ポリブチレンテレフタレート
    (PBT)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂および
    ポリアリレートのいずれかよりなる基材層とヒートシー
    ル性ポリエステル樹脂層とからなる共押出フィルムにお
    ける前記基材層に金属または無機酸化物の蒸着層が形成
    されていることを特徴とする蒸着フィルム。
  2. 【請求項2】 金属または無機酸化物の蒸着層を有する
    蒸着フィルムにおいて、ポリブチレンテレフタレート
    (PBT)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂および
    ポリアリレートのいずれかよりなる中間層の少なくとも
    一方の面にヒートシール性ポリエステル層が形成され、
    他方の面に金属または無機酸化物の蒸着層が形成されて
    いることを特徴とする蒸着フィルム。
JP5331179A 1993-12-27 1993-12-27 蒸着フィルム Pending JPH07186318A (ja)

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