JPH08256972A - 気腹装置 - Google Patents

気腹装置

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Publication number
JPH08256972A
JPH08256972A JP7112071A JP11207195A JPH08256972A JP H08256972 A JPH08256972 A JP H08256972A JP 7112071 A JP7112071 A JP 7112071A JP 11207195 A JP11207195 A JP 11207195A JP H08256972 A JPH08256972 A JP H08256972A
Authority
JP
Japan
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pressure
valve
flow rate
pneumoperitoneum
gas
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Withdrawn
Application number
JP7112071A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Sekino
直己 関野
Masahide Oyama
雅英 大山
Satoshi Takekoshi
聡 竹腰
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08256972A publication Critical patent/JPH08256972A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2次減圧器の異常を確実に検知可能にすると
同時に、流量制御部を小型で簡単な構造とする。 【構成】 気腹装置1は、第1の減圧器15及び第2の
減圧器18を経て下流側に複数のバルブを有するマニホ
ールドバルブ24を備えて構成されており、気体供給源
としてのボンベ4が接続されている。気腹装置1の下流
側の送気口金5には気腹チューブ6を介して気腹用トラ
カール7が接続されており、患者8の腹部に刺入して腹
腔内にガスを注入するようになっている。マニホールド
バルブ24は、第1ないし第5のバルブ25,26,2
7,28,29と、内部管路30,34,40とが一体
的に構成されており、各種制御を行う制御部43に電気
的に接続されている。マニホールドバルブ24の上流側
の内部管路30には第2の減圧器18の故障を検知する
圧力スイッチ31が接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気腹装置、更に詳しく
は、二酸化炭素等のガスを体内へ送気して腹部を膨らま
せ、内視鏡による腹腔内の観察や治療の際、内視鏡の視
野を確保する気腹装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば内視鏡観察下で患者の腹
腔内の医療処置をする場合には、従来から処置する腹腔
内に炭酸ガス等の気体を注入して腹部を膨らませ、処置
に必要な観察視野を確保できるようにしている。腹腔内
への気体の注入には、ガスボンベ等の気体供給源からの
気体を、減圧器や電磁弁および圧力センサ等によって圧
力制御しながら送気し、腹腔内を設定圧に保つ気腹装置
が使用される。
【0003】このような気腹装置としては、例えば米国
特許5292304号公報に開示されているように、流
量の異なる複数の気体流制御手段を選択的に組み合わせ
て流速を可変にした装置とか、或いは、実開平5−11
910号公報に開示されているように、ガス供給パイプ
に配設したバルブにより異常圧力時にガスを大気放出す
るようにした装置などが知られており、ガスの供給流量
を制御して腹腔内の圧力を所定値に保つことができるよ
うになっている。また、特公平2−14843号公報に
は、ガスの流量を算出する手段を設けた装置が開示され
ている。
【0004】また、特開平6−121770号公報に開
示されている装置では、検出した圧力値及び流量値から
管路抵抗係数を求め、この値に基づいて腹腔内の圧力値
を算出し、ガスの供給流量を制御することにより、腹腔
内の圧力を所定値に保つことができるようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
気腹装置の構成では以下のような問題点がある。前記米
国特許5292304号公報に示される装置では、電磁
バルブと流量を制限する絞り、および各電磁バルブ下流
側の配管を集合させるマニホールドとが別体で構成され
ており、部品点数が非常に多く装置が大型化してしまう
問題点がある。
【0006】また、マニホールド下流側にリリーフバル
ブが設けられているが、トラカール等の接続機器の流量
抵抗が小さい場合には、2次減圧器が故障してもリリー
フバルブが働く所定の圧力(ここでは50mmHg)には
達せず、リリーフバルブが解放されずに一度の送気で非
常に過大なガスが流れてしまうおそれがある。逆に気腹
針や流量抵抗の大きいトラカール等を接続した場合に
は、2次減圧器が故障していない通常状態でリリーフバ
ルブが作動してしまい、流量がかなり低くなってしまう
おそれがあるという問題点がある。
【0007】一方、前記実開平5−11910号公報の
気腹装置では、圧力センサにより腹腔内の異常圧力は検
知するようにしているが、2次減圧器の故障に伴う管路
圧の上昇は検知できず、減圧器故障の際にはやはり過大
なガスが流れてしまうおそれがある。
【0008】また、前記特開平6−121770号公報
の気腹装置では、電磁弁の開放毎に管路抵抗係数を求
め、その値から腹腔内の圧力を算出して所定圧に達する
と送気を停止するようになっているが、故障等により送
気中の圧力が上昇してもすぐには送気を停止することが
できないという問題点がある。
【0009】本発明は、これらの事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、2次減圧器の故障及び異常を確実
に検知し、過大なガスを送気する危険を防止すると同時
に、流量制御部を小型で簡単な構造とすることが可能な
気腹装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による気腹装置
は、気体供給源からの気体を減圧し、気腹用の挿入具を
介して生体の腹腔内に注入する装置において、前記気体
供給源から前記気腹用の挿入具に至る気体供給管路と、
前記気体供給管路の圧力を減少させる減圧手段と、前記
気体供給管路の流通状態を切り換える複数の管路切り換
え手段とを備え、前記複数の管路切り換え手段と前記気
体供給管路の一部とを一体的に構成した気体流制御構造
を有するものである。
【0011】
【作用】複数の管路切り換え手段と気体供給管路の一部
とを一体的に構成することにより、部品構成が小型かつ
簡単になる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の第1実施例に係る気腹装置の全体
構成を示した構成説明図である。
【0013】本実施例の気腹装置1は、気体供給源を接
続する接続口金2が設けられ、この接続口金2に接続ホ
ース3を介して単数もしくは複数のCO2 (二酸化炭
素)ガスが充填されている気体供給源としてのボンベ4
が接続されている。また、この気腹装置1は、気腹針や
トラカール等の気腹用挿入具を接続する送気口金5を有
しており、この送気口金5に気腹チューブ6を介して気
腹用トラカール7が接続されている。この気腹用トラカ
ール7を患者8の腹部に刺入して腹腔内にガスを注入す
るようになっている。
【0014】さらに、気腹装置1には吸引チューブ9を
閉塞/開放するピンチバルブ10が設けられている。吸
引チューブ9は、一端が前記気腹用トラカール7とは別
に患者8の腹腔内に刺入する処置用トラカール11に接
続され、他端がピンチバルブ10を経由して手術室の壁
吸引装置12に接続されており、ピンチバルブ10によ
り腹腔内のガスの吸引制御を行うようになっている。
【0015】接続口金2には、気腹装置1の内部に設け
られたボンベ圧センサ13が接続されると共に、高圧配
管14を介して第1の減圧器15が接続されている。第
1の減圧器15は、内部配管16及び閉止バルブ17を
介して、第2の減圧器18に接続されている。これらの
第1及び第2の減圧器15,18により減圧手段が構成
される。
【0016】ボンベ圧センサ13によって検出されたボ
ンベの圧力が気腹装置1の操作部19等に設けられた表
示パネルに表示され、ボンベ4のガス残量が術者に認知
されるようになっている。ボンベ4のCO2 ガスは常温
で約60barであり、これを第1の減圧器15におい
て約3barに減圧するとともに、第2の減圧器18に
おいて80mmHg程度に減圧できるようになっている。
【0017】第1の減圧器15には安全弁20が備えら
れ、故障により減圧値が所定の圧力(例えば約5ba
r)を超えてしまうような場合に、過大圧力が第2の減
圧器18に掛かることなく大気にガスを放出するように
なっている。
【0018】第2の減圧器18からのCO2 ガスを下流
側に導く内部配管21は、流量センサ22を経由して継
手23を介して複数の管路切り換え手段を備えたマニホ
ールドバルブ24に接続されている。マニホールドバル
ブ24は、管路切り換え手段としての第1のバルブ2
5,第2のバルブ26,第3のバルブ27,第4のバル
ブ28,第5のバルブ29の5つのバルブが一体的に配
設されて構成されている。継手23に連通したマニホー
ルドバルブ24の内部管路30は、第1のバルブ25,
第2のバルブ26,第3のバルブ27の上流側の管路と
して各バルブに接続されて集合しており、さらに故障検
知手段としての圧力スイッチ31が接続チューブ32及
び継手33を介してこの内部管路30に接続されてい
る。
【0019】第3のバルブ27の下流側は、内部管路3
4を介して第4のバルブ28の上流側と接続されてお
り、さらに内部管路34は継手35及び接続チューブ3
6を介して2個の圧力センサ37,38と接続されてい
る。なお、第5のバルブ29の下流側管路39は大気開
放となっている。
【0020】第1のバルブ25,第2のバルブ26及び
第4のバルブ28の下流側と第5のバルブ29の上流側
は、各バルブに接続されて集合した内部管路40により
連通しており、この内部管路40は継手41及び接続チ
ューブ42を経由して前記送気口金5に接続されてい
る。
【0021】また、前記閉止バルブ17、前記マニホー
ルドバルブ24の第1のバルブ25ないし第5のバルブ
29、及び前記流量センサ22、圧力スイッチ31、圧
力センサ37,38は、全て気腹装置1の動作制御を行
う制御部43に電気的に接続されている。また、制御部
43には、装置の操作指示を行うスイッチ等を備えた操
作部19とか、他の操作手段としてのフットスイッチ4
4などが接続されている。
【0022】図2はマニホールドバルブ24の外観構成
を示したものである。第1のバルブ25は、主にアクチ
ュエータ部25aとボディ25bとに分けられ、各部が
連結されて構成されており、マニホールドバルブのプレ
ート45に取付ネジ46によって固定される。以下第2
のバルブ26ないし第5のバルブ29も同様の構成とな
っている。
【0023】前記プレート45の内部は、図1に示す管
路形状に機械加工されて内部管路30,34,40が形
成されており、ブラケット47によって気腹装置1の筐
体のシャーシに固定される。なお、第1のバルブ25,
第2のバルブ26及び第3のバルブ27の各ボディ25
b,26b及び27bとプレート45との間には、流量
変換部材として、図示しないそれぞれ寸法の異なるオリ
フィス板が介挿されており、前記第2の減圧器18の設
定圧力80mmHgの条件のもとで、第1のバルブ25を
開くと約2L/min (リットル/分)、第2のバルブ2
6を開くと約16L/min 、そして第3のバルブ27と
第4のバルブ28を同時に開くと約8L/min の流量が
得られるようになっている。
【0024】以上のように構成された本実施例の気腹装
置1の動作を説明する。まず初めは気腹用挿入具として
気腹用トラカール7の代わりに気腹針を送気口金5に接
続して気腹動作を行う。気腹当初は、気腹針が正確に患
者8の腹腔内に穿刺されているかどうか確認されるま
で、安全のために低流量、ここでは1L/min で送気す
る。この送気動作は、術者が操作部19において可変流
量モードで1L/min を設定したり、低流量モードを選
択することによって行われる。
【0025】送気動作時には、まず閉止バルブ17が開
となると同時に、第3のバルブ27が開放され、マニホ
ールドバルブ24において中間タンクに相当する内部管
路34と接続チューブ36の配管内にボンベ4から第1
の減圧器15,第2の減圧器18を介してCO2 ガスが
充填される。このガスの充填後、第4のバルブ28が開
放操作され、内部管路34内のCO2 ガスが内部管路4
0,接続チューブ42,気腹チューブ6,及び気腹針を
順次介して患者8の腹腔内に注入される。
【0026】このCO2 ガスの注入動作に伴い、中間タ
ンクに相当する内部管路34内の圧力は次第に降下する
が、このときの圧力の降下特性が圧力センサ37および
38により測定され、この測定データに基づいて制御部
43によって腹腔内の圧力が計算される。これを降下圧
測定と呼ぶ。そして、腹腔圧が操作部19で設定した圧
力に達しない場合には、制御部43は降下圧測定に引き
続きマニホールドバルブ24の第1のバルブ25を所定
時間開放する。ここで、制御部43は平均流量が1L/
min になるように前記降下圧測定と第1のバルブ25の
開閉動作を制御する。
【0027】続いて、気腹効率を上げるために高速で送
気したい場合には、以下の操作によって行う。術者はま
ず気腹用挿入具を気腹針から気腹用トラカール7に交換
する。ここで術者が操作部19において高流量モードに
設定すると、降下圧測定に続いて制御部43はマニホー
ルドバルブ24の第2のバルブ26を開放する。このと
き、制御部43は平均流量が12L/min になるように
降下圧測定と第2のバルブ26の開閉動作を制御する。
その後、制御部43によって、腹腔圧が操作部19で設
定した圧力に近づくにつれて、第2のバルブ26の開放
から第3のバルブ27と第4のバルブ28の同時開放、
そして第1のバルブ25の開放へと徐々に流量を下げて
いくように流量制御を行う。
【0028】また、可変流量モードで流量を設定した場
合には、制御部43によって、前記第1のバルブ25な
いし第4のバルブ28の切り換えと開閉時間の制御が行
われ、ガスの供給が所定の平均流量に制御される。
【0029】つまり、高流量モードでは平均流量が12
L/min になるように、瞬間流量が最大16L/min と
なる第2のバルブ26を開閉制御し、低流量モードでは
平均流量が1L/min になるように、瞬間流量が約2L
/min となる第1のバルブ25を開閉制御する。また、
可変モードでは流量設定が6〜12L/min の場合、平
均流量が各々6〜12L/min になるように、瞬間流量
が最大16L/min となる第2のバルブ26を開閉制御
し、流量設定が2〜5L/min の場合、平均流量が各々
2〜5L/min になるように、瞬間流量が約8L/min
となる第3のバルブ27と第4のバルブ28を同時開閉
制御し、流量設定が1L/min の場合は低流量モードと
同じ動作をする。
【0030】ここで、前記第1のバルブ25ないし第4
のバルブ28は、予め制限された開放時間(例えば最大
2秒)を超えることのないように制御されるため、気腹
用トラカール7の種類(径の大小等)によっては、気体
の流れの抵抗が大きい場合には所定の平均流量が得られ
ない場合がある。
【0031】そこで、通常、可変流量モードで流量設定
2〜5L/min の場合は、気腹用トラカール7の流れ抵
抗の大小にかかわらず、第3のバルブ27と第4のバル
ブ28を同時開閉制御するが、気腹用トラカール7の流
れ抵抗が大きく所定の流量に達しない場合には、制御部
43は瞬間流量が最大16L/min となる第2のバルブ
26を開閉制御するように気体供給管路を切り換えるよ
うな構成となっていても良い。すなわち、制御部43に
おいて、接続された気腹用挿入具の流れ抵抗の大小を判
別し、この流れ抵抗に応じて、所定の流量を得るための
バルブ制御のモードを変更できるようにすることも可能
である。
【0032】なお、気腹圧力が設定圧に達している段階
で、術者がフットスイッチ44を操作すると、制御部4
3は前記ピンチバルブ10を開閉すると同時に、マニホ
ールドバルブ24の第1ないし第4のバルブを制御し
て、腹腔圧を測定しつつ送気を行う。この動作により、
高速で腹腔内のガスを換気し、レーザや電気メス等によ
って腹腔内に発生した煙を除去することもできるように
なっている。
【0033】また、測定した腹腔圧が設定圧を超過する
ような場合には、制御部43は第5のバルブ29を開放
して気腹チューブ6、接続チューブ42、及びマニホー
ルドバルブ24の内部管路40の管路圧力の変化を圧力
センサ37および38によって測定し、圧力超過が腹腔
内の過圧状態によるものか管路の閉塞によるものかを判
別できるようになっている。
【0034】ここで、圧力センサ37は測定レンジの低
いセンサを使用し、腹腔圧のように低い圧力でも精度良
く測定できるようにしている。一方、圧力センサ38は
高い管路圧でも測定できるように、圧力センサ37より
も測定レンジの高いセンサを使用している。また、この
ように圧力センサを2台備えることにより、一方の圧力
センサの故障を検知できるようになっている。
【0035】また、第2の減圧器18が故障して減圧で
きなくなり、管路内の圧力が異常に上昇した場合には、
圧力スイッチ31が作動し、制御部43は閉止バルブ1
7及びマニホールドバルブ24の全バルブを閉止して、
故障状態を操作部19等に設けられた表示パネルに表示
するようになっている。
【0036】なお、第2の減圧器18の減圧値80mmH
gに対して、圧力スイッチ31の動作設定値は高めの設
定(例えば200mmHg)になっている。これは減圧値
の変動や圧力スイッチ31の温度特性に基づく変動を考
慮して、減圧器の故障時以外には圧力スイッチ31が作
動しないようにするためである。ここで、管路圧が圧力
スイッチ31が作動しない80〜200mmHgの範囲で
は、前記圧力センサ37および38の耐圧以下であるの
で、管路圧の測定により通常通りに流量制御は可能であ
る。管路圧が200mmHgを超える段階になると、前記
圧力スイッチ31の作動によって確実に故障を検知し、
過大なガスの供給を停止する。
【0037】このように、本実施例の気腹装置では、マ
ニホールドバルブにより内部配管および気体流制御手段
を一体的に構成したことにより、小型で簡単な部品構成
とすることができる。これにより気腹装置自体を安価で
小型にすることが可能になる。また、圧力スイッチをマ
ニホールドバルブの上流側に配置したことにより、減圧
器の故障を確実に検知でき、安全性をより向上させるこ
とができる。
【0038】図3は本発明の第2実施例に係る気腹装置
の全体構成を示した構成説明図である。
【0039】本実施例は第1実施例の構成において減圧
器の故障を検知する手段の構成を変更したものである。
第2実施例の気腹装置51は、マニホールドバルブ24
の上流側に設けた圧力スイッチの部分が第1実施例と異
なるのみであり、その他の構成は第1実施例と同一であ
るので、図3において図1と同一の部材については同一
符号を付してその説明を省略する。
【0040】マニホールドバルブ24の内部管路30
は、第1のバルブ25,第2のバルブ26,第3のバル
ブ27の上流側の管路として各バルブに接続されて集合
しており、さらに圧力スイッチ31の代わりに圧力セン
サ52が設けられ、接続チューブ32及び継手33を介
してこの内部管路30に接続されている。この圧力セン
サ52は、気腹装置51の各部の動作制御を行う制御部
53に電気的に接続されている。
【0041】制御部53は、マイクロコンピュータおよ
びその周辺回路によって構成されている。制御部53は
圧力センサ52の出力を監視しており、第2の減圧器1
8が故障して減圧できなくなり、管路内の圧力が異常に
上昇した場合に、圧力センサ52の出力がソフトウェア
の条件(例えば150mmHg)を超えると、閉止バルブ
17及びマニホールドバルブ24の全バルブを閉止し
て、故障状態を操作部19等に設けられた表示パネルに
表示するようになっている。
【0042】このように本実施例の構成においても、第
1実施例と同様に減圧器の故障を確実に検知でき、安全
性を向上させることができる。本実施例では減圧器の故
障を検知する機構として圧力センサを採用しているの
で、圧力スイッチに比べて温度特性に基づく変動は小さ
くなるため、より小さな圧力の上昇でも検知することが
できる。
【0043】次に、気腹装置に設けられる流量測定手段
としての流量センサ22の構成の一例を図4及び図5を
参照して説明する。図4は流量センサの全体構成を示す
説明図、図5は流量センサの差圧管の構成を示す斜視図
である。
【0044】特公平2−14843号公報には、気腹装
置においてガスの流量を測定する手段を設けた構成が開
示されている。流量測定手段としては管路に円形絞りを
設け、絞りの前後の差圧から流量を算出する構成が挙げ
られるが、流れを大きく絞ってしまうと圧力損失が大き
くなる。従来の気腹装置は高流量を想定していないた
め、流量センサにおける圧力損失が大きくても支障はな
いが、ガスの流量を大きくしようとしたときには、圧力
損失が大きいと所望の流量を確保するためには送気圧力
を上げざるを得ず、安全性を保つために装置が大型化し
たり部品等のコストが上昇してしまう問題点がある。気
腹装置において高流量を確保するために、流量センサに
おける圧力損失を小さくするには絞り径を大きくして流
れを絞る量を少なくすれば良いが、そうすると測定誤差
が大きくなり、流量を精度良く測定できなくなる問題点
が生じる。
【0045】そこで、送気圧力を上げなくとも高流量を
確保できるように、絞りでの圧力損失を小さくしても精
度良く流量を測定できるようにした流量センサの構成例
を以下に示す。
【0046】流量センサ22は、図4及び図5に示すよ
うに、例えば内部に円形の絞り55を有する差圧発生手
段としての差圧管56と、差圧管56の絞り55の上流
側と下流側の圧力差を測定する差圧センサ57とを備え
て構成されている。差圧管56は気体供給管路中に接続
され、上流側及び下流側がそれぞれ内部配管21に連通
している。差圧管56の絞り55の上流及び下流には圧
力測定用ポート58,59が設けられ、この圧力測定用
ポート58,59に差圧センサ57が接続されている。
差圧センサ57は流量算出手段となる制御部43に電気
的に接続されている。差圧センサ57により、差圧管5
6にガスが流れたときに発生する絞り55の上流側と下
流側の圧力差、即ち圧力損失を測定し、測定結果を制御
部43に送出するようになっている。
【0047】以上のように構成された流量測定手段によ
るガス流量の測定方法について説明する。測定対象の気
体が図中左から右へ流れる場合、差圧管56内の圧力
は、絞り55のために上流側のポート58での圧力より
下流側のポート59での圧力の方が小さくなる。その差
は流量に比例して大きくなる。
【0048】絞りによる差圧から流量を求めるには、一
般に以下の計算式 V=aPx …(式1) (ただしV:流量、a:気体の特性から定まる定数、
P:差圧、x=0.5) を用いることにより、制御部43において流量を算出す
ることができる。しかし、圧力損失を小さくするために
差圧管での絞り込みを小さくすると、式1が成立しなく
なる。よって本実施例では、予め管路の特性を測定し、
その結果に合わせて式1中のxの値を装置特有の値(例
えば0.55)に置き換えて制御部43で演算すること
により、精度良く流量を算出するようにしている。
【0049】このように本実施例では、流量を算出する
際の乗数を管路の特性に合わせて置き換えることによ
り、送気圧を高くすることなく高流量を確保した上で、
精度の良い流量測定を実現できる。また、圧力損失の小
さな流量測定手段を設けたことにより、低い圧力で送気
することができるため、安全性を向上できる。
【0050】次に本発明の第3実施例を説明する。図6
は第3実施例における動作を説明するタイムチャート、
図7は図6における圧力センサの出力を拡大して示した
詳細図である。
【0051】特開平6−121770号公報には、検出
された圧力値及び流量値から管路抵抗係数を求め、この
値に基づいて腹腔内の圧力を算出し、ガスの供給流量を
制御する装置が開示されている。この装置では、電磁弁
の開放毎に管路抵抗係数を求め、その値から腹腔内の圧
力を算出して所定圧に達すると送気を停止するようにな
っている。しかしこの構成では、送気中に圧力が変化し
てもすぐに送気を停止することができずに、過大なガス
が流れてしまうおそれがある。
【0052】そこで、本実施例では、送気の途中に圧力
が急に上昇してもすぐに送気を停止することができ、特
に狭い空間にガスを送気した場合においても過大な圧力
がかかることを防止できる気腹装置の構成例を示す。
【0053】本実施例の気腹装置は、第1実施例におけ
る高流量モードでの動作を変更したものであり、装置構
成は図1に示した第1実施例のものと同様であるため、
ここでは説明を省略する。以下に第3実施例における動
作について説明する。
【0054】図6は高流量モードで送気しているときの
第2のバルブ26ないし第4のバルブ28の開閉動作、
並びに流量センサ22と圧力センサ37,38の出力を
タイムチャートで示したものである。また、図6におけ
る圧力センサの出力(一点鎖線部分)を図7に拡大して
示す。
【0055】通常の送気状態では、降下圧測定によって
求めた腹腔内の圧力が設定圧力に達していない場合に
は、平均流量が12L/min になるように、第2のバル
ブ26を開放し、所定の時間になると第2バルブ26を
閉止する。
【0056】ここで、送気を開始する時間t1 から、あ
る一定の時間t経過後の圧力センサの出力P0 を基準圧
力として、この基準圧力P0 からの圧力上昇がΔP以内
であれば通常の送気を継続する。一方、第2のバルブ2
6の開放動作中に圧力センサ37,38の出力がΔPを
越えるような場合には、その時点で制御部43は、第2
のバルブ26を閉止する。
【0057】なお、第2のバルブ26の開放直後には、
図7に示すように、過渡的に一瞬圧力が高くなるため、
この時間Tの間の圧力値は無視するようにしている。ま
た、ノイズ等の影響で、前記基準圧力値P0 が大きく変
動しないように、第2のバルブ26の開放直後から一定
時間(例えば240msec )経過後、ある時間間隔(例
えば30msec )毎に、数点の圧力値を測定し、その最
大値と最小値を省いた残りの平均値を求め、これを時間
tにおける基準圧力P0 としている。
【0058】また、圧力上昇値ΔPは、定数(例えば4
mmHg)としてもよいが、次の計算式に示すように腹腔
内の圧力の関数としてもよい。
【0059】 ΔP={(85−基準圧力P0 )/(85−腹腔圧力Px )} ×(設定圧力Ps+4.5−腹腔圧力Px ) …(式2) この式2による圧力上昇値ΔPは、管路圧の最大値、す
なわち第2の減圧器18における誤差を含めた減圧値の
最大値を85mmHgとした場合に、腹腔圧の上昇に対す
る管路内の圧力上昇を比例式により求めたものである。
【0060】なお、前述の第1実施例では、第1ないし
第5のバルブ25〜29の複数のバルブによって管路切
り換え手段が構成され、圧力センサ37,38は接続チ
ューブ36を介して第3のバルブ27と第4のバルブ2
8の中間に位置する内部管路34に接続された構成とな
っているが、第3実施例においては、管路切り換え手段
は第2のバルブ26単独の構成としてもよく、圧力セン
サ37,38が接続チューブ36を介して内部管路40
に直接接続される構成となっていてもよい。
【0061】以上のように、第3実施例では、送気途中
の管路内圧力の変化から腹腔内の圧力上昇を検知できる
ようにしたため、異常圧力上昇に対する安全性をより向
上させることができる。特に、狭い腹腔内に送気した場
合や排煙動作の最中に吸引側の機能が働かなくなるよう
な場合が生じても、過大な圧力が掛かることはなく安全
である。
【0062】[付記]以上詳述したように本発明の実施
態様によれば、以下のような構成を得ることができる。
すなわち、 (1) 気体供給源からの気体を減圧し、気腹用の挿入
具を介して生体の腹腔内に注入する気腹装置において、
前記気体供給源から前記気腹用の挿入具に至る気体供給
管路と、前記気体供給管路の圧力を減少させる減圧手段
と、前記気体供給管路の流通状態を切り換える複数の管
路切り換え手段とを備え、前記複数の管路切り換え手段
と前記気体供給管路の一部とを一体的に構成した気体流
制御構造を有することを特徴とする気腹装置。
【0063】(2) さらに、前記減圧手段の故障を検
知する故障検知手段を備え、前記減圧手段と前記複数の
管路切り換え手段との間の気体供給管路に前記故障検知
手段を配管接続したことを特徴とする付記1に記載の気
腹装置。
【0064】(3) 前記故障検知手段は、前記減圧手
段の故障により、前記気体供給管路の圧力の異常を検知
する圧力異常検知手段である付記2に記載の気腹装置。
【0065】(4) 前記気体供給管路中に比較的小さ
な圧力損失を生じる差圧発生手段を設け、この差圧発生
手段における圧力損失を基に装置特有の補正を加えて流
量を算出する流量算出手段を有することを特徴とする付
記1に記載の気腹装置。
【0066】(5) 気体供給源からの気体を減圧し、
気腹用の挿入具を介して生体の腹腔内に注入する気腹装
置において、前記気体供給源から前記気腹用の挿入具に
至る気体供給管路と、前記気体供給管路の圧力を減少さ
せる減圧手段と、前記気体供給管路の流通状態を切り換
える管路切り換え手段と、前記気体供給管路に接続され
該気体供給管路内の圧力を検知する圧力検知手段と、前
記圧力検知手段の出力を監視して、前記管路切り換え手
段の開放動作中における前記気体供給管路内のある基準
圧力値からの圧力上昇値が所定量を越えた場合に、前記
管路切り換え手段の動作を停止させる制御手段と、を備
えたことを特徴とする気腹装置。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、2
次減圧器の故障及び異常を確実に検知し、過大なガスを
送気する危険を防止すると同時に、流量制御部を小型で
簡単な構造とすることが可能な気腹装置を提供できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る気腹装置の全体構成
を示した構成説明図
【図2】マニホールドバルブの外観構成を示した正面図
【図3】本発明の第2実施例に係る気腹装置の全体構成
を示した構成説明図
【図4】流量センサの構成の一例を示す構成説明図
【図5】流量センサの差圧管の構成を示す斜視図
【図6】本発明の第3実施例に係る気腹装置の動作を説
明するタイムチャート
【図7】図6における圧力センサの出力を拡大して示し
た詳細図
【符号の説明】
1…気腹装置 4…ボンベ 6…気腹チューブ 7…気腹用トラカール 15…第1の減圧器 17…閉止バルブ 18…第2の減圧器 19…操作部 22…流量センサ 24…マニホールドバルブ 31…圧力スイッチ 37,38…圧力センサ 43…制御部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体供給源からの気体を減圧し、気腹用
    の挿入具を介して生体の腹腔内に注入する気腹装置にお
    いて、 前記気体供給源から前記気腹用の挿入具に至る気体供給
    管路と、 前記気体供給管路の圧力を減少させる減圧手段と、 前記気体供給管路の流通状態を切り換える複数の管路切
    り換え手段とを備え、 前記複数の管路切り換え手段と前記気体供給管路の一部
    とを一体的に構成した気体流制御構造を有することを特
    徴とする気腹装置。
JP7112071A 1995-01-25 1995-05-10 気腹装置 Withdrawn JPH08256972A (ja)

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