JPH0825557A - 不燃性ポリ塩化ビニル被覆鋼板 - Google Patents

不燃性ポリ塩化ビニル被覆鋼板

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JPH0825557A
JPH0825557A JP18048994A JP18048994A JPH0825557A JP H0825557 A JPH0825557 A JP H0825557A JP 18048994 A JP18048994 A JP 18048994A JP 18048994 A JP18048994 A JP 18048994A JP H0825557 A JPH0825557 A JP H0825557A
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勝美 神田
Yoshio Hayashi
芳夫 林
Yukiharu Fujii
行治 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不燃性と意匠性、加工性あるいはさらに耐汚
染性、耐溶剤性、美観等の特性が優れるポリ塩化ビニル
被覆鋼板を提供する。 【構成】 鋼板上に接着剤を介して、第1層に炭酸カル
シウムを含むポリ塩化ビニル皮膜、第2層にポリ塩化ビ
ニル皮膜をもち、あるいはさらに第3層に上塗り樹脂と
第1層と第2層の間あるいは第2層と第3層の間に印刷
層をもつポリ塩化ビニル被覆鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不燃性ポリ塩化ビニル
被覆鋼板に関し、さらに詳しくは、防火用建材の分野に
適用できる不燃性ポリ塩化ビニル被覆鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニル被覆鋼板は金属板上に接
着剤を介してポリ塩化ビニル皮膜が被覆されており、耐
候性、耐食性、加工性、意匠性に優れているため、建
材、弱電、家電、自動車、容器、雑貨、家具等の分野で
広く用いられている。ポリ塩化ビニル被覆鋼板は、通常
の塗装鋼板に比べて皮膜厚が厚く、ポリ塩化ビニル皮膜
にエンボス加工を施すことができるため意匠性が高く評
価されている。ポリ塩化ビニル被覆鋼板が建材、例えば
ドア材、内装材、屋根材等に用いられる場合、不燃性が
要求される場合がある。この場合、建築基準法第2条第
9号に定められている不燃材の認定が必要である。
【0003】ポリ塩化ビニル樹脂はそれ自体が難燃性で
あることから、ポリ塩化ビニル被覆鋼板はポリ塩化ビニ
ル皮膜の厚みが100μm以下のものは建築基準法第2
条第9号に定められた試験に合格し、不燃第1051号
として通則認定を受けている。
【0004】しかしながら、ポリ塩化ビニル皮膜の膜厚
が100μmでは深いエンボスが入らないので意匠性に
制約を受け、ポリ塩化ビニル被覆鋼板の特徴である優れ
たエンボス性を得るにはポリ塩化ビニル皮膜の厚みは1
00μm以上必要である。したがって、建材等の分野で
は、不燃性と良好なエンボス性すなわち意匠性を兼ね備
えたポリ塩化ビニル被覆鋼板が強く求められている。ま
た、建築基準法第2条第9号に定められた燃焼試験には
鋼板の厚みが影響を及ぼし、ポリ塩化ビニル皮膜の膜
厚、仕様を一定にした場合、鋼板の厚みが薄くなる程不
燃性に不利な条件になる。建材等の分野に使用されるポ
リ塩化ビニル被覆鋼板の鋼板の厚みは通常0.5〜1.
6mmであり、この範囲での不燃性が強く求められる。
【0005】通常のポリ塩化ビニル被覆鋼板のポリ塩化
ビニル皮膜の厚みを100μm以上としてエンボス性を
向上した場合、建築基準法第2条第9号に定められた基
材試験および表面試験に合格することができない。ま
た、単にポリ塩化ビニル皮膜中の可塑剤量を減少すると
燃焼試験には合格するが、成形加工時にポリ塩化ビニル
皮膜の割れなどが生じて加工性が著しく低下するため、
プレコ−ト鋼板としての特性がそこなわれる。
【0006】従来、ポリ塩化ビニル樹脂等に不燃性を付
与する方法としては、アンチモン酸化物、金属水酸化
物、ほう酸金属塩等の難燃剤、炭酸カルシウム、珪酸カ
ルシウム、タルク、マイカ等の充填剤を添加する方法が
試みられており、例えば、特開昭57−47340、特
開昭57−54054号公報等の提案がある。
【0007】しかし、これらの難燃剤、充填剤を配合し
たポリ塩化ビニル樹脂は不燃性は優れているが、ポリ塩
化ビニル被覆鋼板に用いた場合、成形加工時に皮膜の加
工部が白化して意匠性の著しい低下が認められ、また、
皮膜が脆くなる。したがって、不燃性と良好なエンボス
性すなわち意匠性を兼ね備えたポリ塩化ビニル被覆鋼板
を得るためには、ポリ塩化ビニル皮膜への難燃剤、充填
剤の配合だけでは困難である。
【0008】一方、ポリ塩化ビニル被覆鋼板が防火用の
内装建材として用いられる場合、皮膜の耐汚染性、耐溶
剤性あるいは美観が強く要求される場合がある。しか
し、ポリ塩化ビニル皮膜は可塑剤を含むため、他の塗装
鋼板に比べて、これらの特性が劣るので改善することが
必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のポリ塩化ビニル
鋼板を不燃材として使用する場合、ポリ塩化ビニル皮膜
の厚みは100μm以下にする必要があり、この膜厚で
はエンボス性が劣るため意匠性に限界がある。また、単
にポリ塩化ビニル皮膜中の可塑剤量を減少させたり、難
燃剤、充填剤を配合して皮膜の厚みを100μm以上に
した場合、不燃性は向上するが、成形時の加工性が著し
く劣り、プレコ−ト鋼板としての機能がそこなわれる。
そこで、不燃性と意匠性及び加工性とを兼ね備えたポリ
塩化ビニル被覆鋼板が必要である。また、ポリ塩化ビニ
ル被覆鋼板が防火用の内装建材として用いられる場合、
皮膜の耐汚染性、耐溶剤性の改善が必要である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋼板上に接着
剤を介して、第1層として、ポリ塩化ビニル樹脂100
重量部に対して炭酸カルシウムを70〜100重量部配
合した膜厚70〜150μmのポリ塩化ビニル皮膜と、
さらにその上に第2層として、ポリ塩化ビニル100重
量部に対し可塑剤を15〜25重量部含む膜厚30〜1
50μmのポリ塩化ビニル皮膜をもち、かつ第1層と第
2層のポリ塩化ビニル皮膜の膜厚の合計が100〜25
0μmであり、あるいはさらに第3層として膜厚0.3
〜25μmのアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂あるいはフッ素樹脂皮膜をもち第1層と第2層の
間あるいは第2層と第3層の間に印刷層をもつことを特
徴とする意匠性及び加工性に優れる不燃性ポリ塩化ビニ
ル被覆鋼板に関する。すなわち、本発明は、ポリ塩化ビ
ニル皮膜の可塑剤量、炭酸カルシウムの配合、膜厚、皮
膜構成について鋭意工夫をして、意匠性及び加工性に優
れる不燃性ポリ塩化ビニル被覆鋼板を見い出したもので
ある。以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】本発明のポリ塩化ビニル被覆鋼板に使用さ
れる鋼板としては、冷延鋼板をはじめとして、冷延鋼板
に亜鉛めっき、クロムめっき、錫めっき、ニッケルめっ
き、あるいはこれらの金属の合金めっき、並びに多層め
っき等を行い、さらにクロメ−ト処理、リン酸塩処理等
の化成処理を施した鋼板を使用することが可能であり、
その目的、用途に応じて任意に選択できる。また、目的
に応じて、ステンレス鋼板、アルミニウム板あるいは銅
板等を鋼板の代わりとして用いることもできる。鋼板の
厚みについては特に制限されないが、建築基準法第2条
第9号に定められた燃焼試験には鋼板の厚みが影響し、
鋼板の厚みが薄くなる程厳しい条件となる。したがっ
て、本発明においては、鋼板の厚みは0.5mm以上が
好ましい。
【0012】鋼板とポリ塩化ビニル皮膜の接着剤として
は、一般に用いられているアクリル系、ポリエステル系
等の公知の接着剤が使用可能である。接着剤の塗布量は
1〜10g/m2が好ましい。
【0013】ポリ塩化ビニル皮膜に用いるポリ塩化ビニ
ル樹脂は、懸濁重合あるいは乳化重合等の製造方法で製
造されているものであればよく、通常のポリ塩化ビニル
被覆鋼板に用いられているものが使用できる。
【0014】また、ポリ塩化ビニル皮膜に配合される可
塑剤としては一般に用いられているフタル酸ジオクチル
エステル、トリメリット酸トリオクチルエステル、トリ
メリット酸トリイソデシルエステル、アジピン酸ジオク
チルエステル、セバチン酸ジオクチルエステル、セバチ
ン酸ジイソデシルエステル、アゼライン酸ジオクチルエ
ステル、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等が使
用可能である。配合量は、第1層のポリ塩化ビニル皮膜
についてはポリ塩化ビニル100重量部に対し15〜3
5重量部の配合が望ましい。15重量部より少ないと加
工性が悪くなり、35重量部より多くなると不燃性が悪
くなるので好ましくない。第2層のポリ塩化ビニル皮膜
については、ポリ塩化ビニル100重量部に対して可塑
剤量は15〜25重量部が望ましい。15重量部より少
ないと加工性が悪くなり、25重量部より多いと不燃性
が悪くなるので好ましくない。
【0015】第1層のポリ塩化ビニル皮膜に配合される
炭酸カルシウムはポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対
し70〜100重量部が望ましい。70重量部より少な
いと皮膜の不燃性が劣り、配合した効果が見られない。
また、100重量部より多くなるとポリ塩化ビニルとし
ての機械的特性を損なわれ、成形加工時に第2層のポリ
塩化ビニル皮膜との密着性が悪くなるので好ましくな
い。また、炭酸カルシウムの他に珪酸カルシウム、タル
ク、マイカ等の充填剤あるいはアンチモン酸化物、金属
水酸化物、ほう素化合物、モリブデン化合物、酸化錫等
の難燃剤を少量配合してもさしつかえない。しかし、第
2層のポリ塩化ビニル皮膜には、炭酸カルシウムだけで
なく、前述した充填剤、難燃剤等を配合すると、加工
性、意匠性等の特性が低下するので好ましくない。ま
た、第1層と第2層の間に印刷層を形成する場合、第2
層は着色顔料等を含まない透明なポリ塩化ビニル皮膜が
望ましい。
【0016】また、第1層あるいは第2層のポリ塩化ビ
ニル皮膜中に通常のポリ塩化ビニル皮膜に用いられる安
定剤、顔料、改質剤、UV吸収剤、耐候助剤等を配合す
ることが可能である。
【0017】本発明のポリ塩化ビニル皮膜の厚みは、第
1層は70〜150μm、第2層は30〜150μm
で、かつ第1層と第2層を合計した厚みは100〜25
0μmが望ましい。第1層の厚みと第2層の厚みの合計
が100μm未満の時はエンボス性が劣るので好ましく
ない。また、第1層の厚みと第2層の厚みの合計が25
0μmを越えると不燃性が悪くなるので好ましくない。
建築基準法第2条第9号に定められた燃焼試験には鋼板
の厚みが影響し、鋼板の厚みが0.5mmより厚くなる
と第1層と第2層を合計した厚みを250μm以上にす
ることも可能である。
【0018】本発明の第3層としては、膜厚0.3〜2
5μmのアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂あるいはフッ素樹脂を用いることができる。これらの
樹脂層を形成することにより、耐汚染性、耐溶剤性を向
上させることが可能である。膜厚が0.3μm未満にな
るとこれらの樹脂層の効果が見られなくなり、また、2
5μmを越えると不燃性、エンボス性が劣るので好まし
くない。また、第3層は、目的に応じて、前述した樹脂
の混合物あるいはそれぞれの樹脂を重ね合わせて適用す
ることもできる。
【0019】また、本発明の第1層と第2層の間あるい
は第2層と第3層の間に印刷層を形成することにより、
意匠性、美観をさらに向上することができる。印刷に用
いられるインキは特に制約を受けないが、第1層、第2
層あるいは第3層との密着性に優れるインキが好まし
い。目的に応じて、1〜4版の印刷を行うことができ
る。
【0020】本発明のポリ塩化ビニル被覆鋼板を製造す
る方法としては、フィルム積層法あるいはゾル法、ある
いはこれらの2方法を組み合わせた方法のいずれの方法
でも製造可能である。
【0021】フィルム積層法においては、第1層及び第
2層に相当する2種類のポリ塩化ビニルフィルムをカレ
ンダ−法あるいは押し出し法で製造して準備し、鋼板の
上に接着剤層を介して順次積層することが可能であり、
また、第1層及び第2層に相当する2種類のポリ塩化ビ
ニルフィルムをあらかじめ貼り合わせたフィルムを接着
剤層を介して積層することも可能である。この場合、フ
ィルムを鋼板に積層する前あるいは積層後いずれの工程
においても表面にエンボスを施すことができる。
【0022】ゾル法においては、鋼板の上に接着剤層を
介して第1層のゾルを塗布後、加熱によるゲル化を行
い、さらにこの上に第2層のゾルを塗布後、加熱による
ゲル化を行った後にエンボス加工をして製造することが
できる。また、鋼板の上に接着剤層を介して第1層のゾ
ルを塗布後、加熱によるゲル化を行い、さらにこの上に
第2層のポリ塩化ビニルフィルムを積層した後にエンボ
ス加工を行って製造することもできる。
【0023】印刷層を形成する場合、ポリ塩化ビニルフ
ィルムを作成した後、鋼板に積層される前あるい積層し
た後、いずれの工程でもさしつかえない。また、第3層
の形成は、フィルム法ではフィルムを鋼板に積層する前
あるいは積層した後、いずれの工程においてもよく、ゾ
ル法においては第1層及び第2層形成後に行うことが可
能であり、エンボス加工を施す前に行うことが望まし
い。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0025】実施例1〜4 めっき量10g/m2で後処理としてCr量が20mg
/m2のクロメ−ト処理を施した板厚0.5mmの電気
亜鉛めっき鋼板の表面に、加熱硬化タイプのアクリル系
接着剤を6.4g/m2塗布した後、 ガスオ−ブンにて
板温220℃で焼き付けを行い、直ちに、表1に示すポ
リ塩化ビニルフィルムを積層した後、表面にエンボス加
工(砂目のエンボス;エンボスロ−ルの表面粗度Ra=
50μm)を施してポリ塩化ビニル被覆鋼板を作製し
た。なお、表1の配合は重量部で示す。
【0026】不燃性、加工性、白化性及びエンボス加工
性を評価した。なお、不燃性及びその他の試験は次に示
す方法により行った。
【0027】(1)不燃性 建築基準法第2条第9号により定められた基材試験と表
面試験により合否を判定した。基材試験および、表面試
験の合格基準は以下の通りである。 基材試験の合格基準 炉内温度が740℃から760℃の間に調整された加熱
炉中に試験体を20分間挿入し、その間炉内温度が挿入
前の温度のプラス50℃を越えないこと。 表面試験の合格基準 試験体をはじめに副熱源で3分間加熱したのち、さらに
主熱源を加えて7分間加熱し、合計で10分間加熱し以
下の条件を満たせば合格である。 1)防火上有害な変形、避難上著しく有害なガスの発生
等がないこと。 2)試験体の全厚にわたる溶融、試験体の裏面に達する
亀裂で、当該裏面の亀裂の幅が全厚の板厚の10分の1
以上であるもの等がないこと。 3)加熱終了後30秒以上残炎がないこと。 4)試験体の排気温度曲線が標準温度曲線をこえないこ
と。 5)単位面積当たりの発煙係数CAが30以下であるこ
と。 〔評価〕 ○:合格 ×:不合格
【0028】(2)加工性、白化性 作成したポリ塩化ビニル被覆鋼板を−5℃から10℃の
間においてデュポン衝撃試験(1kg、50cm)を行
い、加工部の皮膜の割れ及び白化の程度を5点法で評価
した。 〔評価〕 5(良好)← →(不良)1
【0029】(3)エンボス性 作成したポリ塩化ビニル被覆鋼板のエンボス性を目視に
より評価した。 〔評価〕 ○:良好 ×:不良
【0030】表2に示すように、本発明の実施例1〜4
のポリ塩化ビニル被覆鋼板は、ポリ塩化ビニル皮膜の膜
厚が100μm以上で加工性、白化特性、エンボス性に
優れ、かつ、不燃性に優れており、建築基準法第2条第
9号に定められた基材試験、表面試験に合格した。
【0031】実施例5〜8 実施例1〜4と同様な電気亜鉛めっき鋼板の表面に、実
施例と同様な方法で接着剤を塗布した後、ガスオ−ブン
にて板温220℃で焼き付けを行い、直ちに、その上層
に表3に示す構成で第1層及び第2層のポリ塩化ビニル
フィルムの積層、印刷あるいは第3層の皮膜の形成を行
った後、表面にエンボス加工(砂目のエンボス;エンボ
スロ−ルの表面粗度Ra=50μm)を施してポリ塩化
ビニル被覆鋼板を作製した。なお、表3の配合は重量部
で示す。
【0032】また、表3に示した第3層に用いた樹脂は
次に示す構成とした。 A:熱可塑性アクリル樹脂(膜厚5μm) B:外層;フッ素樹脂(膜厚3μm) 内層;アクリル樹脂(膜厚2μm) C:ポリエステル樹脂(膜厚25μm)
【0033】得られたポリ塩化ビニル被覆鋼板を実施例
1〜4に示した方法と同様な方法により、不燃性、加工
性、白化性及びエンボス加工性を評価した。また、次に
示す方法により、耐汚染性と耐溶剤性を評価した。 耐汚染性:油性マジックインキ(黒)で皮膜表面に描画
後、24時間後にエタノ−ルで清拭を行い、マジックイ
ンキの除去性を評価した。 〔評価〕 ○:良好 △:やや不良 ×:不良 耐溶剤性:メチルエチルケトンに24時間浸漬した後の
皮膜表面の変色、ふくれの発生の程度を評価した。 〔評価〕 ○:良好 △:やや不良 ×:不良
【0034】表4に示すように、実施例5〜8のポリ塩
化ビニル被覆鋼板は、ポリ塩化ビニル皮膜の膜厚が10
0μm以上で加工性、白化特性、エンボス性、美観、耐
汚染性、耐溶剤性に優れ、かつ、不燃性に優れており、
建築基準法第2条第9号に定められた基材試験、表面試
験に合格した。
【0035】比較例1〜4 実施例と同様な電気亜鉛めっき鋼板の表面に、実施例と
同様な方法で接着剤を塗布した後、ガスオ−ブンにて板
温220℃で焼き付けを行い、直ちに、その上層に表5
に示す単層のポリ塩化ビニルフィルムを積層した後、表
面にエンボス加工(砂目のエンボス;エンボスロ−ルの
表面粗度Ra=50μm)を施してポリ塩化ビニル被覆
鋼板を作製した。なお、表5の配合は重量部で示す。
【0036】得られたポリ塩化ビニル被覆鋼板を実施例
1〜4に示した方法と同様な方法により、不燃性、加工
性、白化性及びエンボス加工性を評価した。表6に示す
ように、比較例1〜4のポリ塩化ビニル被覆鋼板には、
加工性、白化特性、エンボス性等の特性と不燃性を同時
に満足するものはなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明は、意匠性、加工性、耐汚染性、
耐溶剤性等の特性に優れ、かつ不燃性に優れたポリ塩化
ビニル被覆鋼板を提供することができる。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 1/94 V

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板上に公知の接着剤を介し、第1層と
    してポリ塩化ビニル100重量部に対して可塑剤を15
    〜35重量部と炭酸カルシウムを70〜100重量部含
    む膜厚70〜150μmのポリ塩化ビニル皮膜とさらに
    その上に第2層としてポリ塩化ビニル100重量部に対
    し可塑剤を15〜25重量部含む膜厚30〜150μm
    のポリ塩化ビニル皮膜をもち、かつ第1層と第2層のポ
    リ塩化ビニル皮膜の膜厚の合計が100〜250μmで
    あることを特徴とする不燃性ポリ塩化ビニル被覆鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼板上に公知の接着剤を介し、第1層と
    してポリ塩化ビニル100重量部に対して可塑剤を15
    〜35重量部と炭酸カルシウムを70〜100重量部含
    む膜厚70〜150μmのポリ塩化ビニル皮膜とさらに
    その上に第2層としてポリ塩化ビニル100重量部に対
    し可塑剤を15〜25重量部含む膜厚30〜150μm
    のポリ塩化ビニル皮膜をもち、かつ第1層と第2層のポ
    リ塩化ビニル皮膜の膜厚の合計が100〜250μmで
    あり、さらに第3層として膜厚0.3〜25μmのアク
    リル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂あるいはフ
    ッ素樹脂皮膜をもつことを特徴とする不燃性ポリ塩化ビ
    ニル被覆鋼板。
  3. 【請求項3】 鋼板上に公知の接着剤を介し、第1層と
    してポリ塩化ビニル100重量部に対して可塑剤を15
    〜35重量部と炭酸カルシウムを70〜100重量部含
    む膜厚70〜150μmのポリ塩化ビニル皮膜とさらに
    その上に第2層としてポリ塩化ビニル100重量部に対
    し可塑剤を15〜25重量部含む膜厚30〜150μm
    の透明なポリ塩化ビニル皮膜をもち、かつ第1層と第2
    層のポリ塩化ビニル皮膜の膜厚の合計が100〜250
    μmであって第1層と第2層の間に印刷層をもつことを
    特徴とする不燃性ポリ塩化ビニル被覆鋼板。
  4. 【請求項4】 鋼板上に公知の接着剤を介し、第1層と
    してポリ塩化ビニル100重量部に対して可塑剤を15
    〜35重量部と炭酸カルシウムを70〜100重量部含
    む膜厚70〜150μmのポリ塩化ビニル皮膜とさらに
    その上に第2層としてポリ塩化ビニル100重量部に対
    し可塑剤を15〜25重量部含む膜厚30〜150μm
    の透明なポリ塩化ビニル皮膜をもち、かつ第1層と第2
    層のポリ塩化ビニル皮膜の膜厚の合計が100〜250
    μmであって第1層と第2層のポリ塩化ビニル皮膜の間
    に印刷層をもち、さらに第3層として膜厚0.3〜25
    μmのアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂
    あるいはフッ素樹脂皮膜をもつことを特徴とする不燃性
    ポリ塩化ビニル被覆鋼板。
  5. 【請求項5】 鋼板上に公知の接着剤を介し、第1層と
    してポリ塩化ビニル100重量部に対して可塑剤を15
    〜35重量部と炭酸カルシウムを70〜100重量部含
    む膜厚70〜150μmのポリ塩化ビニル皮膜とさらに
    その上に第2層としてポリ塩化ビニル100重量部に対
    し可塑剤を15〜25重量部含む膜厚30〜150μm
    のポリ塩化ビニル皮膜をもち、かつ第1層と第2層のポ
    リ塩化ビニル皮膜の膜厚の合計が100〜250μmで
    あり、さらに第3層として膜厚0.3〜25μmのアク
    リル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂あるいはフ
    ッ素樹脂皮膜をもち、第2層と第3層の間に印刷層をも
    つことを特徴とする不燃性ポリ塩化ビニル被覆鋼板。
JP18048994A 1994-07-11 1994-07-11 不燃性ポリ塩化ビニル被覆鋼板 Expired - Fee Related JP3056376B2 (ja)

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