JPH08255341A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH08255341A
JPH08255341A JP5947295A JP5947295A JPH08255341A JP H08255341 A JPH08255341 A JP H08255341A JP 5947295 A JP5947295 A JP 5947295A JP 5947295 A JP5947295 A JP 5947295A JP H08255341 A JPH08255341 A JP H08255341A
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magnetic
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JP5947295A
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Masayuki Nakamura
雅幸 中村
Atsushi Suzuki
敦 鈴木
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録媒体にとって過酷な環境下である高
温低湿下放置しても潤滑剤層の厚さの減少及びCSS耐
久性の低下が抑えられた磁気記録媒体を製造する方法の
提供。 【構成】 本発明の磁気記録媒体の製造方法は、気相重
合により潤滑剤層を磁性層上に形成した磁気記録媒体
を、30〜100℃、50〜98%RHに1時間以上放
置することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の製造方
法に関するものであり、更に詳しくは、磁気記録媒体に
とって過酷な環境下である高温低湿下に放置しても潤滑
剤層の厚さの減少及びCSS耐久性の低下が抑えられた
磁気記録媒体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクや磁気テープ等の磁気記録
媒体は、一般に、支持体上に磁性層を設け、該磁性層上
に又は該磁性層上に設けられた保護層上に潤滑剤層を設
けてなる。該潤滑剤層は、磁気記録媒体の表面摩擦係数
を低減し、耐久性を高める作用を有する。該潤滑剤層
は、一般に、パープルオロポリエーテル等のフッ素系炭
化水素潤滑剤をディップコーティング等の塗布手段によ
り塗布することによって形成される。
【0003】近年の記録密度の増大に伴い、グライドハ
イト(GHT)特性を満足しつつ、耐久性が一層向上し
た磁気記録媒体が要求されており、かかる要求を満足す
べく、上記塗布法による潤滑剤層に代えて、気相重合に
より形成された種々の潤滑剤層を使用することが提案さ
れている。例えば、特開平4−186524号公報に
は、潤滑剤層として、レーザー光を用いた気相重合法に
より形成されたフッ素系重合体から成る潤滑剤層を用い
ることによって、耐久性が向上した磁気記録媒体が記載
されている。
【0004】また、特開平6−322011号公報に
は、フッ素置換オレフィンガスにレーザー光を照射する
ことによって、潤滑剤層として有用なフッ素含有高分子
薄膜を製造する方法が記載されている。
【0005】しかしながら、上述の気相重合により形成
された潤滑剤層は、磁気記録媒体にとって過酷な環境下
である高温低湿下(例えば、40〜60℃、50%RH
以下)に24時間以上放置すると、その厚さの減少が見
られ、CSS(コンタクト・スタート・ストップ)耐久
性が急速に低下してしまうという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、磁気記録媒体にとって過酷な環境下である高温低湿
下に放置しても潤滑剤層の厚さの減少及びCSS耐久性
の低下が抑えられた磁気記録媒体を製造する方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、潤滑剤層の形成後に、
該潤滑剤層を特定条件下にエージングさせることによっ
て、高温低湿下においても潤滑剤層の厚さの減少を抑制
し得ることを知見した。
【0008】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
であり、気相重合により潤滑剤層を磁性層上に形成した
磁気記録媒体を、30〜100℃、50〜98%RH下
に1時間以上放置することを特徴とする磁気記録媒体の
製造方法を提供することにより、上記目的を達成したも
のである。
【0009】本発明の方法によって製造された磁気記録
媒体の潤滑剤層が、高温低湿下に放置されてもその厚さ
の減少が抑制される理由については必ずしも明らかでは
ないが、該潤滑剤層を30〜100℃、50〜98%R
H下に1時間以上放置することによって、該潤滑剤層を
構成する分子と磁性層表面(磁性層上に保護層が設けら
れているときには該保護層表面)との結合が強固になっ
たことに起因すると考えられる。また、上記潤滑剤層を
構成する分子の構造が変化したことに起因するとも考え
られる。
【0010】本発明の方法によって製造された磁気記録
媒体は、例えば、磁気ドラムや磁気テープとして有用で
あるが、特に固定ディスク等の磁気ディスクとして有用
である。
【0011】本発明の磁気記録媒体の製造方法において
は、まず、気相重合により潤滑剤層を磁性層上に形成し
た磁気記録媒体を製造する。次いで、該磁気記録媒体
を、30〜100℃、50〜98%RH下に1時間以上
放置するエージング工程を行う。これによって、磁気記
録媒体にとって過酷な環境下である高温低湿下において
も上記潤滑剤層の厚さの減少を抑制することができる。
温度が30℃に満たないとエージングを行わないものと
同等の性能しか得られず、100℃を超えると潤滑剤層
の飛散による減少がエージング中に起こる。また、相対
湿度が50%に満たないとエージングを行わないものと
同等の性能しか得られず、98%を超えると磁気記録媒
体の表面に水分が結露して性能が悪化する。また、放置
する時間が1時間に満たないとエージングによる効果が
ない。
【0012】上記潤滑剤層を形成した後、上記エージン
グするまでの放置時間は、特に制約されないが、早い時
期、例えば、上記潤滑剤層を形成した後1週間以内にエ
ージングを行うことが好ましい。
【0013】上記エージングの雰囲気に特に制限はな
い。一般には、空気中においてエージングを行うことが
簡便である。好ましくは窒素やヘリウム等の不活性ガス
雰囲気下でエージングを行う。
【0014】上記エージングは好ましくは、40〜70
℃、60〜80%RH下に3〜12時間行い、更に好ま
しくは、不活性ガス雰囲気下で40〜70℃、60〜8
0%RH下に3〜12時間行う。
【0015】上記エージングを行うに際しては、周囲温
度及び湿度から目標とする温度及び湿度まで徐々に温度
及び湿度を上げていき、目標とする温度及び湿度に到達
した時点で所定の時間放置する。所定時間放置後、温度
及び湿度を徐々に下げていき周囲温度及び湿度にまで戻
すことが好ましい。この場合、温度の上昇と湿度の上昇
とは連動していてもよく、又は連動していなくてもよ
い。例えば、温度のみを先に目標とする値に到達せしめ
た後に、湿度を目標とする値に到達せしめてもよい。ま
た、同様に、温度の降下と湿度の降下とは連動していて
もよく、又は連動していなくてもよい。
【0016】なお、上記エージングは、1回のみ行って
もよく、また必要に応じて複数回行ってもよい。
【0017】上述の通り、上記潤滑剤層は、気相重合に
より形成されたものである。上記気相重合により形成さ
れた潤滑剤層としては、例えば、特開平4−18652
4号公報に記載されているような、ヘキサフルオロプレ
ピレンや2,3−パーフルオロブテン等を光酸化重合し
たりプラズマ重合して形成された潤滑剤層を挙げること
ができる。また、上記気相重合により形成された潤滑剤
層の別の例としては、特開平6−220185号公報に
記載されているような、パーフルオロエチレンやパーフ
ルオロプロピレンのようなフッ素置換オレフィンガスに
レーザー光を照射することにより形成されたフッ素含有
高分子薄膜から成る潤滑剤層を挙げることができる。
【0018】特に好ましい潤滑剤層は、フッ化炭素系化
合物と酸素とを重合させて潤滑剤層を形成する第1の重
合工程と、水蒸気を導入した後、真空条件下で気相重合
を行い、フッ化炭素系化合物と酸素とを重合させて潤滑
剤層を形成する第2の重合工程とを、順次行うことから
成る気相重合により形成されたものである(以下、第1
の気相重合法という)。
【0019】上記の第1及び第2の重合工程において行
われる気相重合について以下に説明する。上記気相重合
とは、フッ化炭素系化合物と上記酸素とを気相にガス状
態で保持した系で重合を行い、重合反応を気相のみで生
ぜしめる重合方法を意味する。重合に際して採用するこ
とができる手法としては、例えば、プラズマ重合や光C
VD(ケミカル・ベーパー・デポジション)等のCVD
を採用することができるが、本発明においては、装置・
設備が簡単なもので済む点から光CVDが好ましく採用
される。
【0020】上記光CVDにより重合を行う場合には、
レーザ光を被析出物表面には直接照射せず、フッ化炭素
系化合物と酸素との混合ガス中にのみ照射して行うこと
が好ましい。
【0021】上記光CVDの際に用いることができる光
源としては、例えば紫外線及び赤外線が挙げられる。こ
こで、赤外線を光源とする赤外レーザによる反応は、基
本的に振動励起による反応であるから、本質的に熱反応
と同じであり、サイドリアクションが生じて目的物以外
の生成物が生成し、形成する上記潤滑剤層の構造制御が
困難となる場合がある。これに対して、紫外線を光源と
する紫外レーザは、電子励起により重合反応を起こすも
のであり、反応の選択性が良く、更には、熱反応の関与
が極めて低いため、サイドリアクションの生じるおそれ
が低い。従って、上記光CVDの際に用いる光源として
は、紫外線を用いることが好ましく、具体的には、例え
ば193nmのエキシマレーザ光等を好ましく用いるこ
とができる。
【0022】また、上記気相重合を行う際における被析
出物(即ち、潤滑剤層が設けられるべき磁気記録媒体)
の温度は10〜90℃に設定されていることが好まし
く、更には15〜50℃であることが好ましい。上記範
囲外であると上記潤滑剤層が形成されない場合があるの
で、上記範囲内とすることが好ましい。
【0023】次に、上記の第1及び第2の重合工程につ
いて、図1を参照して更に具体的に説明する。ここで図
1は、上記潤滑剤層の形成に好ましく用いられる光反応
用のチャンバーを示す模式図である。
【0024】図1に示す光反応用のチャンバー1は、そ
の上方の左右両側面に設けられたレーザ光を透過するレ
ーザ透過窓2と、下部に設けられた磁気記録媒体として
の磁気ディスク3を一定間隔をおいて立設させることが
できる媒体設置部材4と、上記チャンバー1の上部に設
けられたチャンバー内部の減圧及び大気解放を行うため
のバルブ5とを有する。
【0025】そして、上記の第1の重合工程に際して
は、先ず、上記バルブ5を真空ポンプ(図示せず)に接
続して、一旦、チャンバー1内を減圧して真空(例え
ば、1×10- 5 〜1Torr)にした後、フッ化炭素
系化合物及び酸素を導入して後述する真空条件とする。
次に、エキシマレーザ光等を磁気ディスク3上部とチャ
ンバー天井との間の中央を透過し且つ該磁気ディスク3
には当たらないように、図1に示す矢印方向に照射す
る。ここで、上記真空条件とは、真空状態のチャンバー
1内にフッ化炭素系化合物と酸素とを導入した状態を意
味し、この状態におけるチャンバー1内の圧力は、5〜
200Torrとすることが好ましい。また、上記チャ
ンバー1においては、上記潤滑剤層が、磁気ディスク3
の全面にわたって均一に形成されるようにするために、
上記媒体設置部材4は、各磁気ディスク3をその円周方
向に向けて回転させることができるようになされてい
る。
【0026】なお、上記の第1の重合工程は、1回のみ
行ってもよく、又は数回繰り返されてもよい。
【0027】次いで、上記の第2の重合工程に際して
は、上記の第1の重合工程の終了後、上記バルブ5を大
気開放して、該第1の重合工程における上記真空条件を
大気圧条件に戻して、チャンバー1内に水蒸気を導入し
た後、上記の第1の重合工程と同様に、減圧して真空に
した後、フッ化炭素系化合物及び酸素を導入して上記真
空条件とし、エキシマレーザー光等を照射する。ここ
で、第2の重合工程における「真空条件」も、上記の第
1の重合工程における「真空条件」と同じである。
【0028】また、本発明において、上記の水蒸気の導
入は、上述の如く、上記チャンバー1を大気圧条件とす
ることにより大気を導入して行うことが好ましい。この
際導入される大気の相対湿度は、30〜90%であるこ
とが好ましく、40〜80%であることが更に好まし
い。
【0029】なお、上記の第2の重合工程も、数回繰り
返されてもよい。更に、上記の第2の重合工程の後に、
再度上記の第1の重合工程を行うこともできる。
【0030】上記フッ化炭素系化合物としては、炭素−
炭素二重結合を有するものが好ましく、特に好ましく
は、下記一般式(I)〜(III) で表される化合物から成
る群から選択される。 CF2 =CFRf 1 ・・・・(I) (式中、Rf 1 は、フッ素原子、パーフルオロアルキル
基、パーフルオロアルケニル基、部分フッ素化アルキル
基、部分フッ素化アルケニル基、パーフルオロアリール
基又は部分フッ素化アリール基を示す) CF2 =C(Rf 2)(Rf 3)・・・・(II) (式中、Rf 2 及びRf 3 は、同一の又は異なる水素原
子、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオ
ロアルケニル基、部分フッ素化アルキル基、部分フッ素
化アルケニル基、パーフルオロアリール基又は部分フッ
素化アリール基を示す) CF2 =CFO(Rf 4)・・・・(III) (式中、Rf 4 は、フッ素原子、パーフルオロアルキル
基、パーフルオロアルケニル基、部分フッ素化アルキル
基、部分フッ素化アルケニル基、パーフルオロアリール
基、部分フッ素化アリール基又はパーフルオロアルコキ
シアルキル基を示す)
【0031】上記フッ化炭素系化合物は、それぞれ単独
で用いてもよく又は2種以上を混合して用いてもよい。
2種以上用いる場合には、上記一般式(I)〜(III) の
何れか一つの範疇から2種以上を選択して用いてもよく
又は上記一般式(I)〜(III) のうちの少なくとも2つ
の範疇からそれぞれ1種以上を選択して用いてもよい。
【0032】上記一般式(I)において、好ましいパー
フルオロアルキル基としては、パーフルオロメチル基
(CF3 −)、パーフルオロヘプチル基(C5 11−)
及びパーフルオロヘキシル基(C6 13−)が挙げら
れ;好ましいパーフルオロアルケニル基としては、パー
フルオロエチニル基(CF2 =CF−)が挙げられ;好
ましい部分フッ素化アルキル基としては、1H−パーフ
ルオロブチル基(C4 8H−)が挙げられ;好ましい
部分フッ素化アルケニル基としては、−CF2 −CF=
CH2 が挙げられ;好ましいパーフルオロアリール基と
しては、パーフルオロベンジル基(−CF2 −C6 5)
が挙げられ;そして、好ましい部分フッ素化アリール基
としては、−CFH−C6 5 及び−CF2 −C6 5
が挙げられる。
【0033】従って、一般式(I)で表される化合物の
うち、好ましいものとしては、テトラフルオロエチレン
(CF2 =CF2)、ヘキサフルオロプロペン(CF2
CFCF3)、パーフルオロヘプテン−1(CF2 =CF
5 11)、6H−パーフルオロヘキセン−1(CF2
=CFC4 8 H)、パーフルオロオクテン−1(CF
2 =CFC6 13)、ヘキサフルオロ−1,3−ブタジ
エン(CF2 =CFCF=CF2)、3−(ペンタフルオ
ロフェニル)ペンタフルオロプロペン−1(CF2 =C
FCF2 6 5)、CF2 =CFCHF−C6 5 、C
2 =CFCF 2 −C6 5 、CF2 =CFCF2 CF
=CH2 等が挙げられる。
【0034】上記一般式(II)において、好ましいパー
フルオロアルキル基としては、上記一般式(I)におけ
るものの他にCF3 CF2 −が挙げられ;好ましいパー
フルオロアルケニル基としては、上記一般式(I)にお
けるものの他に−CF2 −CF=CF2 が挙げられ;好
ましい部分フッ化アルキル基としては−CF2 H及び−
CF2 CF2 Hが挙げられ;好ましい部分フッ化アルケ
ニル基としては、上記一般式(I)におけるものの他に
−CF=CH2 が挙げられ;そして、好ましいパーフル
オロアリール基及び部分フッ素化アリール基としては、
上記一般式(I)におけるものと同様のものが挙げられ
る。
【0035】従って、一般式(II)で表される化合物の
うち、好ましいものとしては、CF 2 =C(CF3)2
CF2 =CH2 、CF2 =CHF、CF2 =CHC
3 、CF2 =CHCF2 CF3 、CF2 =CHCF=
CF2 、CF2 =CHCF2 CF=CF2 、CF2 =C
HCF2 H、CF2 =CHCF2 CF2 H、CF2 =C
HCF2 CF=CH2 、CF2 =CHCF=CH2 、C
2 =CHCFH−C6 5 、CF2 =CHCF2 −C
6 5 等が挙げられる。
【0036】上記一般式(III)において、好ましいパー
フルオロアルキル基及びパーフルオロアルケニル基とし
ては、上記一般式(II)におけるものと同様のものが挙
げられ;好ましい部分フッ素化アルキル基としては、−
CF2 H、−CF2 CF2 H及び−C4 8 Hが挙げら
れ;好ましい部分フッ素化アルケニル基、パーフルオロ
アリール基及び部分フッ素化アリール基としては、上記
一般式(II)におけるものと同様のものが挙げられ;そ
して、好ましいパーフルオロアルコキシアルキル基とし
ては、−CF2 CF(CF3)OC3 7 が挙げられる。
【0037】従って、一般式(III)で表される化合物の
うち、好ましいものとしては、CF 2 =CFOCF3
CF2 =CFOC5 11、CF2 =CFOC6 13、C
2=CFOCF2 CF3 、CF2 =CFOCF=CF
2 、CF2 =CFOCF2 CF=CF2 、CF2 =C4
8 H、CF2 =CFOCF2 H、CF2 =CFOCF
2 CF2 H、CF2 =CFOCF2 −CF=CH2 、C
2 =CFOCF=CH2 、CF2 =CFOCF2 −C
6 5 、CF2 =CFOCFH−C6 5 、CF2 =C
FOCF2 −C6 5 、CF2 =CFOCF2 CF(C
3)OC3 7等が挙げられる。
【0038】上記フッ化炭素系化合物と酸素との使用割
合は、上記フッ化炭素系化合物/酸素(モル比)が、好
ましくは1/0.5〜1/100であり、更に好ましく
は1/1〜1/10であり、最も好ましくは1/2〜1
/8である。上記使用割合が1/100より低いと、上
記気相重合におけるレーザー光等の吸収効率が低下して
重合が十分に進行しない場合があり、上記使用割合が1
/0.5より高いと、重合体中のエーテル結合量が低下
して得られる潤滑剤層の耐久特性が低下する場合がある
ので、上記範囲内とするのが好ましい。
【0039】上記フッ化炭素系化合物と酸素との気相重
合により得られた重合体は、主として−(CF2 O)−
の構造単位を有する重合体であり、その分子量は、好ま
しくは500〜30000である。
【0040】上記重合体の構造は必ずしも明確ではない
が、例えば、下記構造式で示される重合体等が推定され
る。 X-(CF2 O) l -(CF2 CF2 CF2 O) m -(CF(
CF3)CFO) n X' 〔ここで、l、m及びnは、正の整数を示し(但し、
l》m、l》n)、X及びX’は、同一の又は異なるア
ルコール、エーテル結合、エステル結合又はウレタン結
合等を含む末端部を示す。〕 上記重合体における上記−(CF2 O)−の構造単位の
含有率は、全構造単位中70%以上であることが好まし
く、例えば、上記構造式で表される重合体においては
〔l/(l+m+n)〕×100が70%以上であるこ
とが好ましい。
【0041】なお、上記第1及び第2の重合工程におい
て使用される上記フッ化炭素系化合物は、同一でもよく
又は異なっていてもよい。特に、上記第1の重合工程に
おいて使用される上記フッ化炭素系化合物が上記一般式
(I)で表される化合物である場合には、上記第2の重
合工程において使用される上記フッ化炭素系化合物も上
記一般式(I)で表される化合物であることが好まし
い。同様に、上記第1の重合工程において使用される上
記フッ化炭素系化合物が上記一般式(II)又は(III)で
表される化合物である場合には、上記第2の重合工程に
おいて使用される上記フッ化炭素系化合物もそれぞれ上
記一般式(II)又は(III)で表される化合物であること
が好ましい。最も好ましくは、上記第1及び第2の重合
工程において使用される上記フッ化炭素系化合物は同じ
ものである。
【0042】上記第1の重合工程によれば、主として、
磁性層上(磁性層上に保護層が設けられている場合には
該保護層上)に固着された固定層が形成される。また、
上記第2の重合工程によれば、主として、上記固定層上
にフリー層が形成される。従って、上記第1の重合工程
においてもフリー層が形成されることがあり、上記第2
の重合工程においても固定層が形成されることがある。
【0043】ここで、上記固定層とは、上記保護層に化
学的又は物理的に強固に固着されている層を意味し、例
えば商品名「フロン113」等のフッ素系溶媒を用いて
洗浄しても洗い流されない層のことをいう。一方、上記
フリー層とは、上記フッ素系溶媒を用いて洗浄した場合
に洗い流されてしまう層のことをいう。このように、本
発明の製造方法において形成される好ましい潤滑剤層
は、磁性層上(磁性層上に保護層が設けられている場合
には該保護層上)に固着された固定層と該固定層上に形
成されたフリー層とから成る。
【0044】上記固定層の厚さ(重さ)と上記フリー層
の厚さ(重さ)との比は、フリー層の厚さ(重さ)/固
定層の厚さ(重さ)が好ましくは1/10〜10/1、
更に好ましくは2/5〜5/1である。
【0045】上記固定層の厚さは、5〜30Åであるこ
とが好ましい。厚さが5Å未満であると、上記潤滑剤層
の耐摩耗性が不十分で耐久性が低下し、厚さ30Åを超
えると、上記固定層の構造が乱れて上記潤滑剤層の耐摩
耗性が低下するので上記範囲内とすることが好ましい。
【0046】上記フリー層の厚さは、2〜80Åである
ことが好ましい。厚さが2Å未満であると、上記潤滑剤
層の耐久性が不十分で、厚さが80Åを超えると、上記
潤滑剤層の摩擦係数が増大するので上記範囲内とするこ
とが好ましい。
【0047】このように、本発明の製造方法において形
成される好ましい潤滑剤層では、上記フリー層の厚さを
従来のフリー層の厚さ(8〜20Å)よりも厚くして
も、磁気記録媒体表面の摩擦係数が高くならない(吸着
しにくい)ものであるため、上記フリー層の厚さは、従
来の磁気記録媒体におけるフリー層の厚さよりも厚くす
ることができる。
【0048】上記固定層及び上記フリー層からなる上記
潤滑剤層の厚さは、好ましくは5〜200Åであるが、
10〜100Åであると潤滑効果が高く、スペーシング
ロスが抑えられるので特に好ましい。上記潤滑剤層の厚
さを、20〜80Å、特に20〜50Åとすると上記効
果が顕著となるので一層好ましい。上記厚さが200Å
を超えるとスペーシングロスが大きくなり、上記厚さが
5Å未満であると潤滑効果が乏しくなるので、上記範囲
内であることが好ましい。
【0049】本発明においては、上記第1の気相重合法
に加えて、上記潤滑剤層を下記の方法によって形成する
第2の気相重合法を用いることも好ましい。即ち、上記
第2の気相重合法においては、上記潤滑剤層を、1〜1
0Torrの水の共存下でフッ化炭素系化合物と酸素と
を気相重合させて形成する。
【0050】上記気相重合の際に反応系に1〜10To
rrの水が共存することによって、形成される潤滑剤層
の膜厚を大きくすることができ、しかも、膜厚の制御も
容易となり、生産性が一層向上する。水の量が1Tor
rに満たないと1回の工程で生成する成膜厚が薄く非効
率的であり、10Torrを超えると成膜が過剰になる
と同時に、膜厚の均一性も悪くなるので、上記範囲内と
することが好ましい。。更に好ましい水の量は、2〜6
Torrである。
【0051】また、系に導入される上記フッ化炭素系化
合物の圧力は、好ましくは0.5〜50Torrであ
り、更に好ましくは1〜20Torrである。一方、系
に導入される酸素の圧力は、好ましくは1〜150To
rrであり、更に好ましくは3〜70Torrである。
【0052】上記工程は、1回のみ行ってもよく、又は
必要に応じて複数回行ってもよい。特に好ましくは、以
下に述べるように、第1の重合工程及び第2の重合工程
の少なくとも2回の工程を行う。
【0053】即ち、上記方法において特に好ましくは、
1〜10Torrの水の共存下で上記フッ化炭素系化合
物と酸素とを気相重合させて潤滑剤層を形成する第1の
重合工程と、反応系を真空にした後、1〜10Torr
の水の共存下で上記フッ化炭素系化合物と酸素とを気相
重合させて潤滑剤層を形成する第2の重合工程とを順次
行う。かかる工程を行うことによって、固定層とフリー
層とからなる潤滑剤層を形成することが一層容易とな
る。
【0054】そして、上記の第1の重合工程に際して
は、上記第1の気相重合法と同様に、図1に示す如く、
先ず、上記バルブ5を開放して上記チャンバー1を真空
ポンプ(図示せず)に接続し、一旦、上記チャンバー1
内を減圧(好ましくは1×10 -5〜1Torr、特に好
ましくは1×10-2〜0.1Torr)した後、上記チ
ャンバー1内に1〜10Torr(好ましくは2〜6T
orr)の水を導入し、更に、上記フッ化炭素系化合物
(好ましくは1〜20Torr)及び酸素(好ましくは
3〜70Torr)を導入して真空条件とする。次に、
エキシマレーザ光等を磁気ディスク支持体3上部とチャ
ンバ天井との間の中央を透過し且つ該磁気ディスク支持
体3には当たらないように、図1に示す矢印方向に照射
する。ここで、上記真空条件とは、好ましくは1×10
-5〜1Torr(特に好ましくは1×10-2〜0.1T
orr)の反応容器内に、1〜10Torr(好ましく
は2〜6Torr)の水並びに上記フッ化炭素系化合物
(好ましくは1〜20Torr)及び酸素(好ましくは
3〜70Torr)を導入した状態を意味し、この状態
における上記チャンバー1内の圧力は、好ましくは5〜
200Torrであり、更に好ましくは10〜100T
orrである。
【0055】なお、上記の第1の重合工程は、数回繰り
返されてもよい。
【0056】次いで、上記の第2の重合工程に際して
は、上記の第1の重合工程の終了後、上記チャンバー1
内を排気して反応系を真空(好ましくは1×10-5〜1
Torr、特に好ましくは1×10-2〜0.1Tor
r)にした後、1〜10Torr(好ましくは2〜6T
orr)の水を導入し、更に、上記フッ化炭素系化合物
(好ましくは1〜20Torr)及び酸素(好ましくは
3〜70Torr)を導入して真空条件とし、エキシマ
レーザー光等を照射する。ここで、上記の第2の重合工
程における「真空条件」も、上記の第1の重合工程にお
ける「真空条件」と同じである。
【0057】上記の第2の重合工程も、数回繰り返され
てもよい。更に、上記の第2の重合工程の後に、再度上
記の第1の重合工程を行うこともでき、或いは、第3の
重合工程、第4の重合工程等を行うこともできる。
【0058】なお、上記第2の気相重合法において、特
に詳述しなかった点については、上記第1の気相重合法
に関して詳述した説明が適宜適用される。
【0059】本発明においては、上記潤滑剤層は、磁性
層上に直接形成してもよく、或いは、磁性層上に設けら
れた他の層(例えば、上記磁性層を保護するための保護
層)上に形成してもよい。以下に、これら磁性層及び保
護層について説明する。
【0060】まず、上記磁性層について説明する。上記
磁性層は、公知の磁性材料を用いて公知の方法により形
成することができる。例えば、CoCr、CoNi、C
oCrX、CoNiX及びCoWX(ここで、Xは、T
a、Pt、Au、Ti、V、Cr、Ni、W、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Li、Si、B、
Ca、As、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、A
g、Sb及びHf等からなる群より選ばれる1種又は2
種以上の金属を示す)等で表されるCoを主成分とする
Co系の磁性合金等の1種又は2種以上から成る金属薄
膜型の磁性層を用いることができる。該磁性層は、好ま
しくは、フィジカル・ベーパー・デポジション法(PV
D)により形成することができる。上記磁性層の厚さは
20〜50nmであることが好ましいが、かかる範囲に
は限定されない。
【0061】次に、上記保護層について説明する。上記
保護層は、公知の材料を用いてPVDやCVD等の公知
の方法により形成することができる。例えば、特開昭5
3−76013号公報や特公昭55−29500号公報
に記載されているようなポリ珪酸やSiO2 から成る保
護層及び特開昭62−97123号公報に記載されてい
るようなSiCから成る保護層を用いることができる。
【0062】特に好ましい保護層は、特開平6−258
40号公報に記載されているようなガラス状炭素又は水
素化されたガラス状炭素から成る保護層;特開平5−2
17156号公報に記載されているようなガラス状炭素
及びケイ素の複合材料から成る保護層;特開平6−11
9639号公報に記載されているようなガラス状炭素、
ケイ素及び酸素の複合材料から成る保護層;特開平5−
225555号公報及び特開平5−225557号公報
に記載されているようなガラス状炭素を含む複数の層か
ら成る保護層;特開平5−282661号公報、特開平
6−203367号公報、特開平6−251358号公
報及び特開平6−251359号公報に記載されている
ようなガラス状炭素と炭化物形成能を有する元素とから
成る保護層;並びに特開平2−40129号公報に記載
されているような窒化ホウ素から成る保護層等が挙げら
れる。
【0063】なお、上記磁性層を支持するための支持体
としては、従来公知のものを特に制限なく用いることが
できる。例えば、上記支持体としては、磁性支持体と非
磁性支持体との何れをも用いることができるが、一般的
には非磁性支持体が用いられる。
【0064】上記非磁性支持体としては、例えば、ガラ
ス状カーボン等のカーボン、強化ガラス、結晶化ガラ
ス、アルミニウム及びアルミニウム合金(例えば、Ni
P−Al等)、チタン及びチタン合金、セラミックス、
樹脂、並びにこれらの複合材料から成る基板が用いられ
る。これらの中でも、ガラス状カーボンから成る基板
は、耐熱性、軽量性等の点において特に優れたものであ
り、本発明において特に好ましく用いることができる。
【0065】上記支持体には、必要に応じて、各種のテ
クスチャ処理を施してもよい。かかるテクスチャ処理と
しては、例えば、研磨テープや研磨砥粒を用いての処
理、酸によるエッチング処理、熱酸化や陽極酸化処理、
シリケート化合物をスピンコートにより表面析出させる
処理、プラズマアッシングあるいは金属をスパッタリン
グして表面に凹凸を形成するスパッタテクスチャ等によ
る粗面化処理等を挙げることができる。
【0066】また、上記テクスチャ表面には、必要に応
じてCrやCr合金の下地層を設けて、上記支持体と上
記磁性層との密着性を高めることもできる。
【0067】なお、本発明の方法においては、上記諸工
程の他に、必要に応じて、磁気記録媒体の製造方法とし
て公知の諸工程を特に制限なく行うことができる。
【0068】
【実施例】以下、実施例により本発明の方法を更に詳細
に説明する。しかしながら、かかる実施例は本発明の範
囲を何ら制限するものではない。
【0069】〔実施例1〕密度1.5g/cm3 のガラ
ス状カーボン製のディスク支持体(サイズ1.8イン
チ、厚さ25ミル)を研磨し、中心線平均粗さRaを
1.0nmにした。次いで、Arガス圧2mTorr、
上記ディスク支持体の温度225℃の条件で、DCマグ
ネトロンスパッタリングにより、厚さ40nmのAl−
10wt%Si合金層を設け、Raが1.8nmのテクス
チャ層を得た。
【0070】次いで、Al−Si合金のテクスチャー層
上にArガス圧2mTorr、ディスク支持体温度25
0℃の条件で、DCマグネトロンスパッタリングにより
5nm厚さのアモルファスカーボンからなる第1の下地
層を設けた。さらにDCマグネトロンスパッタリングに
よりArガス雰囲気中で厚さ100nmのTiからなる
第2の下地層と厚さ50nmのCrからなる第3の下地
層を設け、その上に、厚さ40nmのCoCrPt系の
磁性層を設けた。
【0071】上記ディスク支持体をインライン型スパッ
タ装置のチャンバー内に配置し、該チャンバー内を真空
にした後に、Ar(分圧1.9mTorr)及びメタン
(分圧0.1mTorr)を導入し、黒鉛をターゲット
としてスパッタリングを行い、上記磁性層上に厚さ15
nmの水素化カーボン材から成る保護層を設けた。な
お、スパッタリングの間、上記ディスク支持体を180
℃に維持した。
【0072】上記保護層が形成されたディスク支持体
を、CVD装置である図1に示す光反応用のチャンバー
1内に所定の間隔を設けて図1に示すように並列配置
し、チャンバー1内を5×10-2Torrに排気した
後、分圧が10Torrのヘキサフルオロプロペン(C
3 CF=CF2)と分圧が60Torrの酸素とを導入
し、ArFエキシマレーザ(波長193nm)からのレ
ーザ光(パワー150mJ、繰り返し速度2Hz)を1
2.5分間かけて1500パルス照射し、第1の重合工
程を1度行った。
【0073】次いで、チャンバー1をリークして湿度6
0%の大気を導入し、大気圧条件にした。この後、再
び、チャンバー1内を5×10-2Torrに排気した
後、分圧が10Torrのヘキサフルオロプロペンと分
圧が60Torrの酸素とを導入し、上記レーザを1
2.5分間かけて1500パルス照射し、第2の重合工
程を1度行った。その結果、上記保護層上に厚さ2nm
の潤滑剤層を設けた。なお、上記レーザはディスク支持
体に直接照射されないよう、図1に示す矢印方向に向け
て照射した。また、上記光CVDに際して、ディスク支
持体の温度は室温(22℃)とした。その結果、上記保
護層の表面に化学結合により重合体分子が固着されてな
る固定層(厚さ1.7nm)と、該固定層上に形成され
たフリー層(厚さ5.5nm)とからなる潤滑剤層(厚
さ7.2nm)が形成された。
【0074】次いで、この磁気ディスクを温度及び湿度
が調節可能なチャンバー内に設置し、該チャンバー内を
25℃から60℃まで1時間かけて上昇させ且つ50%
RHから80%RHまで2時間かけて上昇させた。そし
て、上記チャンバー内をこの条件下(60℃、80%R
H)に保ち、この状態で上記磁気ディスクを6時間放置
しエージングした。6時間経過後、上記チャンバー内を
周囲温度及び湿度まで徐々に降下させた。このようにし
て、本発明の方法による磁気記録媒体が製造された。
【0075】上記磁気記録媒体の特性を調べるために、
上記チャンバー内を80℃、5%RHの高温低湿条件下
に保ち、この状態で上記磁気ディスクを7日間放置し
た。7日間経過後、上記チャンバー内を周囲温度及び湿
度まで徐々に戻し、上記磁気ディスクを取り出し、上記
磁気ディスクにおける潤滑剤層の厚さを測定すると共
に、上記磁気ディスクのGHT特性及びCSS耐久性を
以下の手順により測定した。その結果を表1に示す。
【0076】<GHT特性>PROQUIP社製MG1
50Tを用い、50%スライダヘッドを用いて行った。
1.2マイクロインチの浮上高さの通過率が90%以上
のものをS、通過率が50〜90%のものをA、通過率
が30〜50%のものをB、通過率が30%以下のもの
をCで表示した。
【0077】<CSS耐久性>Al2 3 ・TiCスラ
イダヘッド(重量3.5g)を用い、浮上量2.8マイ
クロインチ、磁気ディスクの回転数4500rpmで5
秒間駆動、5秒間停止のサイクルを2万回繰り返して行
った後の静摩擦係数を測定した。
【0078】〔実施例2〕厚さ6.1nmの潤滑剤層
(固定層:1,7nm、フリー層:4.4nm)を形成
した以外は、実施例1と同様の操作にて磁気ディスクを
作製した。次いで、かかる磁気ディスクについて実施例
1と同様のエージングを行った。その後、上記磁気ディ
スクを、実施例1と同様の高温低湿条件下に7日間放置
後、実施例1と同様の操作にて、上記磁気ディスクの潤
滑剤層の厚さ並びに上記磁気ディスクのGHT特性及び
CSS耐久性を測定した。その結果を表1に示す。
【0079】〔実施例3〕厚さ6.5nmの潤滑剤層
(固定層:1.6nm、フリー層:4.9nm)を形成
した以外は、実施例1と同様の操作にて磁気ディスクを
作製した。次いで、かかる磁気ディスクについて実施例
1と同様のエージングを行った。その後、上記磁気ディ
スクを、実施例1と同様の高温低湿条件下に7日間放置
後、実施例1と同様の操作にて、上記磁気ディスクの潤
滑剤層の厚さ並びに上記磁気ディスクのGHT特性及び
CSS耐久性を測定した。その結果を表1に示す。
【0080】〔実施例4〕ガラス状カーボン製のディス
ク支持体に代えて強化ガラス製のディスク支持体を用
い、厚さ7.0nmの潤滑剤層(固定層:1.7nm、
フリー層:5.3nm)を形成した以外は、実施例1と
同様の操作にて磁気ディスクを作製した。次いで、かか
る磁気ディスクについて実施例1と同様のエージングを
行った。その後、上記磁気ディスクを、実施例1と同様
の高温低湿条件下に7日間放置後、実施例1と同様の操
作にて、上記磁気ディスクの潤滑剤層の厚さ並びに上記
磁気ディスクのGHT特性及びCSS耐久性を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0081】〔実施例5〕ガラス状カーボン製のディス
ク支持体に代えてNiP−Al製のディスク支持体を用
い、厚さ6.2nmの潤滑剤層(固定層:1.8nm、
フリー層:4.4nm)を形成した以外は、実施例1と
同様の操作にて磁気ディスクを作製した。次いで、かか
る磁気ディスクについて実施例1と同様のエージングを
行った。その後、上記磁気ディスクを、実施例1と同様
の高温低湿条件下に7日間放置後、実施例1と同様の操
作にて、上記磁気ディスクの潤滑剤層の厚さ並びに上記
磁気ディスクのGHT特性及びCSS耐久性を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0082】〔比較例1〕実施例1と同様の操作にて磁
気ディスクを作製した。次いで、該磁気ディスクを、実
施例1と同様の高温低湿条件下に7日間放置後、実施例
1と同様の操作にて、該磁気ディスクの潤滑剤層の厚さ
並びに該磁気ディスクのGHT特性及びCSS耐久性を
測定した。その結果を表1に示す。なお、本比較例の磁
気ディスクはエージングされていない。
【0083】〔比較例2〕実施例2と同様の操作にて磁
気ディスクを作製した。次いで、該磁気ディスクを、実
施例2と同様の高温低湿条件下にて7日間放置後、実施
例2と同様の操作にて、該磁気ディスクの潤滑剤層の厚
さ並びに該磁気ディスクのGHT特性及びCSS耐久性
を測定した。その結果を表1に示す。なお、本比較例の
磁気ディスクはエージングされていない。
【0084】〔比較例3〕実施例4と同様の操作にて磁
気ディスクを作製した。次いで、該磁気ディスクを、実
施例4と同様の高温低湿条件下に7日間放置後、実施例
4と同様の操作にて、該磁気ディスクの潤滑剤層の厚さ
並びに該磁気ディスクのGHT特性及びCSS耐久性を
測定した。その結果を表1に示す。なお、本比較例の磁
気ディスクはエージングされていない。
【0085】〔比較例4〕実施例5と同様の操作にて磁
気ディスクを作製した。次いで、該磁気ディスクを、実
施例5と同様の高温低湿条件下に7日間放置後、実施例
5と同様の操作にて、該磁気ディスクの潤滑剤層の厚さ
並びに該磁気ディスクのGHT特性及びCSS耐久性を
測定した。その結果を表1に示す。なお、本比較例の磁
気ディスクはエージングされていない。
【0086】
【表1】
【0087】表1の結果から明らかな通り、本発明の方
法に従うエージングを行った磁気ディスク(実施例1〜
5)においては、磁気記録媒体にとって過酷な環境下で
ある高温低湿条件下(80℃、5%RH)に7日間放置
後でも潤滑剤層の厚さは最大でも7%以しか減少せず、
しかもGHT特性及びCSS耐久性に優れたものであっ
た。これに対して、上記エージングを行わなかった磁気
ディスク(比較例1〜4)においては、潤滑剤層の厚さ
は最大で35%も減少し、その結果CSS耐久性が極め
て低下した。このように、本発明の製造方法によれば、
潤滑剤層の厚さの減少が抑制され、耐久性に優れた磁気
記録媒体が得られることが分かった。
【0088】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体の製造方法によれ
ば、磁気記録媒体にとって過酷な環境下である高温低湿
下に放置しても潤滑剤層の厚さの減少及びCSS耐久性
の低下が抑えられた磁気記録媒体が得られる。更に、上
記潤滑剤層を光CVDにて形成することによって、潤滑
剤層の厚さの減少及びCSS耐久性の低下が一層抑えら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の製造方法における潤滑
剤層の形成に用いられる反応容器の一例としての光反応
用チャンバーを示す模式図である。
【符号の説明】
1 チャンバー 2 レーザー透過窓 3 磁気ディスク 4 媒体設置部材 5 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/71 G11B 5/71

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相重合により潤滑剤層を磁性層上に形
    成した磁気記録媒体を、30〜100℃、50〜98%
    RH下に1時間以上放置することを特徴とする磁気記録
    媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記気相重合が、フッ化炭素系化合物と
    酸素とを重合させて潤滑剤層を形成する第1の重合工程
    と、水蒸気を導入した後、真空条件下で気相重合を行
    い、フッ化炭素系化合物と酸素とを重合させて潤滑剤層
    を形成する第2の重合工程とを、順次行うことから成
    る、請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記の水蒸気の導入を、上記の第1の重
    合工程の終了後、該第1の重合工程における真空条件を
    大気圧条件下に戻すことにより行う、請求項2記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 上記フッ化炭素系化合物が、下記一般式
    (I)〜(III)で表される化合物から成る群から選択さ
    れる、請求項2記載の磁気記録媒体。 CF2 =CFRf 1 ・・・・(I) (式中、Rf 1 は、フッ素原子、パーフルオロアルキル
    基、パーフルオロアルケニル基、部分フッ素化アルキル
    基、部分フッ素化アルケニル基、パーフルオロアリール
    基又は部分フッ素化アリール基を示す) CF2 =C(Rf 2)(Rf 3)・・・・(II) (式中、Rf 2 及びRf 3 は、同一の又は異なる水素原
    子、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオ
    ロアルケニル基、部分フッ素化アルキル基、部分フッ素
    化アルケニル基、パーフルオロアリール基又は部分フッ
    素化アリール基を示す) CF2 =CFO(Rf 4)・・・・(III) (式中、Rf 4 は、フッ素原子、パーフルオロアルキル
    基、パーフルオロアルケニル基、部分フッ素化アルキル
    基、部分フッ素化アルケニル基、パーフルオロアリール
    基、部分フッ素化アリール基又はパーフルオロアルコキ
    シアルキル基を示す)
  5. 【請求項5】 上記潤滑剤層を40〜70℃、60〜8
    0%RH下に3〜12時間放置する、請求項1記載の製
    造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6855370B2 (en) 2001-05-04 2005-02-15 E. I. Du Pont De Nemours And Company Fluoropolymer interlayer dielectric by chemical vapor deposition

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6855370B2 (en) 2001-05-04 2005-02-15 E. I. Du Pont De Nemours And Company Fluoropolymer interlayer dielectric by chemical vapor deposition

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