JPH0825517A - ローラの製造方法 - Google Patents

ローラの製造方法

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JPH0825517A
JPH0825517A JP15840794A JP15840794A JPH0825517A JP H0825517 A JPH0825517 A JP H0825517A JP 15840794 A JP15840794 A JP 15840794A JP 15840794 A JP15840794 A JP 15840794A JP H0825517 A JPH0825517 A JP H0825517A
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JP
Japan
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roller
mold
tube
manufacturing
film
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Application number
JP15840794A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Oba
浩幸 大羽
Koichi Okuda
幸一 奥田
Kazuo Suzuki
一雄 鈴木
Akira Hayakawa
亮 早川
Tatsunori Ishiyama
竜典 石山
Takuya Tsujimoto
卓哉 辻本
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム定着器の加圧ローラとして用いた場
合に、紙送り速度の変動や小サイズの転写材を用いた場
合の紙シワ等の発生を防止できる優れた画像定着用のロ
ーラ、特に高弾性チューブを被覆した加圧ローラの製造
方法を提供する。 【構成】 円筒状の内面を有する型内に、溶融もしくは
溶解した樹脂を塗布してチューブを製膜し、前記型内に
芯部材を配置して弾性材を注入し、脱型することを特徴
とする目的のローラ製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は未定着画像を記録材面に
定着させる画像定着用のローラ、特に高弾性チューブを
被覆した加圧ローラの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば画像の加熱定着等のための
記録材の加熱装置としては、所定の温度に維持された加
熱ローラと、弾性層を有して前記加熱ローラに圧接する
加圧ローラによって記録材を挟持搬送しつつ加熱する熱
ローラ方式が多用されている。また、この他にもフラッ
シュ加熱方式、オーブン加熱方式、熱板加熱方式等の種
々の方式・構成のものが知られており、また実用されて
いる。
【0003】最近では、このような方式に代わって、固
定支持された加熱体と、該加熱体に対向圧接しつつ搬送
される耐熱性フィルム(定着フィルム)と、該フィルム
を介して記録材を加熱体に密着させる加圧部材を有し、
加熱体の熱をフィルムを介して記録材へ付与することに
より記録材面に形成、担持されている未定着画像を記録
材面に加熱定着させる方式・構成の定着装置(フィルム
加熱方式)が提案されている。
【0004】このようなフィルム加熱方式の定着器にお
いては、加熱体として低熱容量加熱体を用いることがで
きる。このため、従来の接触加熱方式である熱ローラ方
式、ベルト加熱方式等に比較して省電力、及びウエイト
タイムの短縮化(クイックスタート)が可能となる。ま
た、その他にも従来の加熱定着方式の欠点を解決できる
利点を有する非常に効果的なものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記のフ
ィルム加熱方式の定着器を用いた場合には、転写部と定
着部との間で記録材の搬送が安定せず、転写部と定着部
との距離を短くすることができないという欠点があっ
た。
【0006】即ち、加圧ローラを駆動させて、定着フィ
ルム及び記録材を搬送するタイプの加熱定着装置におい
ては、加圧ローラの温度が上昇すると、ゴム部の熱膨張
により外径が拡大するという問題が起こる。
【0007】通常は、回転数を一定にして加圧ローラを
回転駆動させているので、加圧ローラが高温の場合は低
温の場合よりも記録材の搬送速度が速くなってしまう。
従って定着部に記録材が到達すると定着が記録材を引っ
張ることとなり、この影響により画像の伸び並びに紙後
端の画像欠けの問題が発生する。また反対に上記現象を
見込んで定着部の記録材搬送速度を初期段階から遅く設
定しておくと、加圧ローラの温度がまだ低い時点では上
記搬送部で記録材が不要なループを形成し、転写後の記
録材分離方向や定着への記録材入射角度等が不安定とな
るため、転写分離時の画像の飛散り、定着部でのオフセ
ット、更には周辺部材に紙表面が擦すれて画像の汚れ等
が発生する。また、厚い記録材を通紙した場合には転写
部でのブレが生じてしまう。
【0008】以上のような現象を解決するためには、温
度の変化による前記加圧ローラの外径変化を小さくする
必要があり、例えば本発明者らの先願(特願平5-354637
号)に記載されるように、前記加圧ローラとして表面に
高弾性チューブを被覆した加圧ローラを用いる場合は問
題ないが、後からチューブを被覆する方法ではチューブ
を被覆する際に、チューブを半径方向に引延ばし一時的
に外径を大きくすることができない場合は被覆するのが
困難となる。
【0009】高弾性チューブはこの引延ばしの際大きな
力を必要とし、また高弾性のものは伸びが小さいのでチ
ューブを被覆することが極めて困難である。
【0010】また、チューブを先に作成し、該チューブ
に弾性体を注入してローラを製造する方法では、チュー
ブが延びて型内に密着することにより形状が決まるもの
であるが、高弾性チューブでは延びが少ないため型内に
密着しないので形状を正確に形成することができない。
【0011】本発明の目的は、上記の諸問題点を解消
し、ローラ表面に高弾性チューブを被覆することによっ
て、転写部と定着部間の記録材の搬送が安定し、また転
写部と定着部間の距離が短縮され、更には加熱定着装置
においても加圧ローラの温度上昇の少ない、ゴム部熱膨
張による外径拡大の起こることのない、優れた画像定着
用ローラの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下に示
す本発明によって達成される。即ち本発明は、未定着画
像を記録材面に定着させる画像定着用ローラの製造方法
において、円筒状の内面を有する型内に、溶融もしくは
溶解した樹脂を塗布してチューブ状被覆層を製膜し、前
記型内に芯部材を配置して弾性材を注入し脱型すること
を特徴とする、ローラの製造方法を開示するものであ
る。
【0013】また本発明は、未定着画像を記録材面に定
着させる画像定着用ローラの製造方法において、加熱装
置を具備した円筒状の内面を有する型内に、該型の内径
より小なる径を有する熱可塑性チューブを配置して、加
熱しつつエアー等で前記チューブの内外の差圧を発生さ
せ、前記型の内面に密着させて、前記型内に芯部材を配
置し、弾性材を前記型内に注入して脱型することを特徴
とする、ローラの製造方法をも開示するものである。
【0014】本発明は、上記の諸問題点を解消すべくな
されたものであり、特に、 円筒状の内面を有する型内に、溶融もしくは溶解した
樹脂を塗布してチューブを製膜し、前記型内に芯部材を
配置し、弾性材を注入し、脱型することを特徴とするロ
ーラの製造方法、及び、 加熱装置を具備した円筒状の内面を有する型内に該型
の内径より小さい径を有する熱可塑性チューブを配置
し、該チューブの融点近傍まで加熱しつつ、エアー等で
前記チューブの内圧を高めて前記型の内面に密着させ、
前記型内に芯部材を配置し、弾性材を前記型内に注入し
て、脱型することを特徴とするローラの製造方法であ
る。
【0015】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明するが、本発明がこれらによって何ら限定される
ものではない。
【0016】実施例1 図1〜7は本実施例1のローラの製造方法を示す図であ
る。円筒状の内面を有する型10の内面に、溶融もしく
は溶解した樹脂1を塗布する(図1参照)。型10は内
面が円筒状でさえあれば、外形は筒型(図2参照)でも
箱型(図3参照)でも何れも使用することができる。ま
た、型10は2個以上の部材に分割できるものでも、ま
た、できないものでも何れも使用可能であるが、分割可
能なものを用いて樹脂を塗布すると継ぎ目にバリが発生
するため、本実施例では、型10の外形が筒型で、分割
不能なタイプのものを用いた。
【0017】樹脂としては耐熱性があり200℃までの
高温で高い弾性率を有するもの例えばフィーラーを配合
しない、又はガラス、シリカ、炭酸カルシウム、酸化
鉄、ガラスファイバー、ウィスカー等のフィーラーを配
合したPTFE,PFA,FEP等のフッ素樹脂、ポリ
イミド、PPS、PEEK、PES、PAI(ポリアミ
ドイミド)を用いるが、とりわけ弾性率が100kg/
mm2 以上のものが望ましい。これらの樹脂を溶融又は
溶剤中に溶解し型内面にスプレー、ディッピング等の方
法により塗布、乾燥或いは焼成することにより型内面に
密着した高弾性チューブを作成する。
【0018】本発明においは、熱硬化性のポリイミド樹
脂をN−メチルピロリドン等の溶剤で溶解したものをデ
ィッピング法により型内面に塗布し溶剤を乾燥後、高温
で焼成し硬化させてチューブを作成した。熱硬化ポリイ
ミド樹脂は高温で溶解もせず、弾性等が非常に優れてい
るからである。
【0019】次にチューブ1を型10に密着させた状態
で台12に固定する。台12には、弾性材3を注入する
ための注入孔11が具備されている(図4参照)。チュ
ーブ1内に芯部材2をセットする。芯部材2の材料とし
ては、例えば、鉄、ステンレススチール、アルミニウム
等の金属及びその合金等を使用することができる。本実
施例では、芯部材2としてアルミニウムを使用した。ま
た、型1の上部は蓋15により被覆しておく(図5参
照)。注入孔11より弾性材3を注入する。弾性材3と
しては、例えば、フッ素ゴム、シリコンゴム等の高耐熱
ゴムを使用することができるが、好ましくは発泡材料を
用いる。本実施例では弾性材3としてシリコンゴムを用
いた(図6参照)。この場合、芯部材2の表面及びチュ
ーブ1の内面には接着剤を塗布した。尚、本実施例では
弾性材3を下部から注入する方法について説明したが、
台12に注入孔11を設けずに、蓋15に注入孔を設け
て、弾性材3を注入する方法も実施することができる
(図7参照)。
【0020】弾性材3を発泡架橋させ、台12及び型1
0より脱型し、次いでポリイミドチューブの外表面に接
着剤を塗布、乾燥後スプレー、ディピング等の方法によ
り耐熱性と離型性を有する材料、例えばPFA,PTF
E,FEP等のフッ素樹脂、フッ素ゴム、シリコンゴ
ム、シリコン樹脂等を塗布、乾燥又は焼成して離型層を
形成させる。これはトナー等の付着を防止するためであ
る。
【0021】上記のように本実施例のローラの製造方法
によって、高弾性チューブを被覆したローラを製造する
ことができる。
【0022】実施例2 本実施例では、実施例1と同様の型を用いて、先ず耐熱
性及び離型性を有する材料、例えば、PFA,PTF
E,FEP等のフッ素樹脂、フッ素ゴム、シリコンゴ
ム、シリコン樹脂等を型10の内面に塗布する。ここで
は、水、PFA、アクリル樹脂、界面活性材を混合した
ディスパージョン塗料を型10の内面に塗布して乾燥す
る。その後、350℃で焼成すると、PFAのチューブ
が型10の内面に形成される。この層は離型性が高く、
トナー等の付着を防止する効果を有する。形成されたチ
ューブ層(1層目)の内面には接着剤を塗布する。
【0023】次に、耐熱性を有し、且つ200℃までの
高温で高い弾性率を有するもの、例えばフィラーを配合
しない、又はガラス、シリカ、炭酸カルシウム、酸化鉄
等のフィラーを配合したPTFE,PFA,FEP等の
フッ素樹脂、ポリイミド、PPS、PEEK,PES,
PAI等を、溶融又は溶解し、型面内にスプレー、又は
デッピング等の方法により塗布し、乾燥、或いは焼成す
ることにより型10内に密着した2層目のチューブを作
成する。
【0024】本実施例では熱硬化性のポリイミド樹脂を
N−メチルピロリドン等の溶剤で溶解したものをディッ
ピング法により型面内に塗布し、溶剤を乾燥後、300
℃の高温で焼成、硬化させ、複合チューブを作成した。
上記のようなチューブの製造工程では、外層としてPF
A、内層として熱硬化性ポリイミドを用いた2層の複合
層のチューブを例示して説明したが、この方法を繰り返
すことにより3層以上の複合層を有するチューブを作成
することが可能なことは明らかである。
【0025】形成された複合層のチューブの内面に接着
剤を塗布した後、芯部材を配置して弾性材を注入し、発
泡、架橋、脱型する工程は実施例1と同様であるが、実
施例1の場合には、離型層を設ける際にシリコンゴムを
高温(300℃以上)に曝すため、シリコンゴムの劣化
が避けられないのに対し、本実施例では、離型層及び高
弾性層のチューブを先に作成しておき、最後にシリコン
ゴムを発泡架橋するので、300℃以上の高温に曝され
ることがなく、シリコンゴムが劣化することもない。
【0026】実施例3 図9〜13は本実施例3のローラの製造方法を示す図で
ある。加熱装置33を具備した円筒状の内面を有する内
型30の内面に、外径が内型30の内径より小さく先端
が閉じている熱可塑性樹脂のチューブ21を配置する
(図9参照)。加熱装置33としては、例えば、抵抗導
電体に通電した際に発生する熱を利用する方法、気体、
液体、固体の燃料を燃焼した際に発生する熱を利用する
方法等を使用することができる。本実施例では、ニクロ
ム線を使用した。内型30は前記加熱装置を具備するた
め、内型30の外側に外型31が配置されている。外型
31の外部形状は実施例1と同様に、筒型のものでも箱
型のものでも何れも使用することができる。
【0027】また別個に作成したチューブを用いるた
め、継ぎ目を有する型であってもバリが発生しないので
最後にローラを脱型する際の利便性を考慮して、内型3
0と外型31との分離が可能であり、且つ内型30が2
個以上の部材に分割できるものが好ましい。本実施例で
は、外型31の形状が箱型で、内型30は円筒の母線に
沿って2分割可能なものを用いた。その概念図を図10
に示す。チューブの材質は耐熱性、離型性に優れた高弾
性率を有する樹脂、例えば配合フィラー入りのPFA,
PTFE,FEP等を使用することができる。本実施例
ではガラスファイバーを配合たPFAチューブを用い
た。
【0028】加熱装置33を作動させ高温で、エアー等
を用いてチューブの内圧を高くするか、或いは外圧を低
くするかしてチューブ21を膨らませ、内型30の内面
に密着させる。加熱はチューブ21の融点近傍まで行
う。本実施例では300℃まで加熱した(図11参
照)。冷却後、チューブ21内に芯部材22を配置す
る。芯部材としては実施例1と同様のものを使用するこ
とができる。本実施例では芯部材22としてアルミニウ
ムを用いた。また、内型30の上部には注入孔32を具
備した蓋35を配置する。芯部材22の表面とチューブ
21の内面に接着剤を塗布した。この場合、塗布面の濡
れ性が低い場合には、濡れ性を高める工程、例えば表面
粗さを粗くしたり、コロナ放電により表面を劣化させる
等の処理を必要とする。チューブ21の上部より、弾性
材23を注入する。弾性材23は、実施例1で使用した
ものと同様のものを使用することができる。本実施例で
は弾性材23としてシリコンゴムを用いた(図12参
照)。尚、本実施例においては、チューブ21の閉端部
を下側にして、チューブ21の上部より弾性材23を注
入する方法を用いることもできる(図13参照)。弾性
材23発泡、架橋させ、内型30と外型31を分離し、
ローラを内型30より脱型するとローラは完成する。
【0029】本実施例においては、塗布装置のような特
別な装置を用いることもなく、また溶剤も使用すること
がないので、作業性に優れ極めて容易に高弾性チューブ
を被覆したローラを製造することができる。
【0030】実施例4 本実施例では、実施例3と同様の型を用いて、複合層チ
ューブを被覆したローラの製造方法を示す。実施例3と
同様の方法により、内型30の内面に、外径が内型30
の内径より小さい、耐熱性、離型性に優れた材料、例え
ば、PFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂、フッ素
ゴム、シリコンゴム、シリコン樹脂等の熱可塑性チュー
ブを配置する。次に実施例3と同様の方法により、内型
30を加熱し、チューブを内型に密着させ、閉じている
先端をカットする。
【0031】次に耐熱性を有し、且つ200℃までの高
温で高い弾性率を有するもの、例えば、フィラーを配合
しない、又はガラス、シリカ、炭酸カルシウム、酸化鉄
等のフィラーを配合したPTFE、PFA、FEP等の
フッ素樹脂、ポリイミド、PPS、PEEK、PES、
PAI等で作成したチューブを先に密着させたチューブ
の内側にセットする。再び内型30加熱し、チューブを
密着させて、閉じている先端をカットする。
【0032】本実施例では、最初にPFAチューブを、
次いで熱可塑性ポリイミドチューブを使用して、密着さ
せる際には300℃まで加熱した。尚、この手順を繰り
返すことにより、3層以上の複合層チューブの製造が可
能であることは言うまでもない。実施例3と同様、複合
層チューブの内側に芯部材22をセットし、接着剤を塗
布後、弾性材23を注入し、発泡、架橋してローラを製
造する。この方法によれば、高弾性複合層チューブを被
覆したローラを極めて容易に製造することができる。
【0033】本発明のローラの製造方法によって製造し
たローラを、定着装置の加圧ローラに使用した場合の例
を以下に説明する。図8は本発明による加圧ローラの応
用例を示すための説明図で、テンションレスフィルム加
熱方式定着装置の概要模式図である。図8において41
は、樹脂製の横長ステーであり、フィルム43の内面ガ
イド部材と、ヒータ42の支持体とを兼ねている。
【0034】43はエンドレスの耐熱性フィルムであ
り、ヒータ42を含むステー41に外嵌させてある。こ
のエンドレスの耐熱性フィルム43の内周長とヒータ4
2を含むステー41の外周長はフィルム43の方を例え
ば3mm程度大きくしてあり、従ってフィルム43はヒ
ータ42を含むステー41に対して周長が余裕をもって
ルーズに外嵌している。フィルム43は熱容量を小さく
してクイックスタート性を向上させるために、フィルム
43の膜厚は、総厚100μm以下、好ましくは60μ
m以下、20μm以上の耐熱性、離型性、強度、耐久性
等を有する単層、或いは複合層フィルムを使用すること
ができる。
【0035】44はヒータ42との間でフィルム43を
挟んで定着ニップ部を形成し、フィルムを駆動する回転
体としての加圧ローラ(圧接ローラ、バックアップロー
ラ)であり、中心軸45に外装したシリコンゴム等の離
型性の良いゴム弾性体からなるローラ部46とからな
り、中心軸45の左右端部をそれぞれ左右不図示の軸受
部材に回転自在に軸受け支持させてある。
【0036】転写材P上のトナーを定着させるために、
ヒータ42を発熱させて転写材Pをニップ部Nを通過さ
せていくと、発生する熱により加圧ローラ44が熱膨張
を起こし、外径が大きくなる。この装置は、加圧ローラ
44で駆動されているため、加圧ローラ44の外径が変
化することは、転写材Pの搬送スピードが変わることを
意味する。搬送スピードが速すぎると、定着が転写を引
張り、画像歪みを生じ、また逆に遅すぎると、転写−定
着間にループができ、未定着のトナーが他の部材と擦す
れて、画像汚れを発生する。
【0037】本実施例において作製したローラは、ポリ
イミドのチューブが被覆されているので、非常に高弾性
且つ低熱膨張率の表面を有しており、温度の変化による
ローラ外径の変化は極く僅かであり、上記の搬送スピー
ドの変化を極めて小さくすることができ、上記のような
種々の問題を生ずることがない。
【0038】以下、図14に基づいてそのメカニズムを
説明する。弾性体44bが熱膨張すると高弾性層44c
を押し上げる力FB が発生し、これにより高弾性層44
cを周方向に伸ばそうとする力FC が発生する。この場
合、高弾性層44cの熱膨張率が小さく、且つ弾性率が
非常に高いと、高弾性層44cが伸びないため、弾性体
44bの膨張も押えられる。
【0039】弾性体44bは発泡、或いは非発泡ゴムの
何れでもよく、また図15に示すように、弾性体44b
中に長手方向に貫通する空孔Kをいくつか設けてもよ
い。特に発泡処理等を施しておくと、弾性体の膨張力を
減ずることができるので、弾性体44bの肉厚を増やし
たり、高弾性層44cの厚みを減らしたりしても、温度
による径変化を防止することができ、加圧ローラの硬度
を下げてニップ幅を増加させることにより、より定着性
を向上させることができる。
【0040】また、転写材Pの幅がローラの幅よりも狭
い場合、転写材Pが通過する部分としない部分とでは、
温度差を生ずるため、両部分の外径差により、紙シワ等
が発生していたが、本実施例のローラの場合、芯部材4
4aが熱伝導率の高いアルミニウムであるため、転写材
が通過しない温度の高い部分から、転写材が通過する温
度の低い部分への熱移動が促進され、また、ローラはポ
リイミドのチューブで被覆されているので、上記のよう
に、転写材Pが通過する部分としない部分とのローラの
外径差も非常に小さく、転写材Pのシワ等も発生しな
い。
【0041】このメカニズムを図16に基づいて説明す
る。加圧ローラ44の弾性材44bの幅よりも転写材P
の幅が狭い場合、加圧ローラの転写材Pが通過する部分
(図中44bの中央部)では、加圧ローラに当接したヒ
ータ(不図示)の熱を転写材Pが奪うので、加圧ローラ
の転写材Pが通過しない部分(図中44bの左右両端
部)に比べて相対的に温度が低くなる。
【0042】加圧ローラ44のチューブの弾性率が低い
場合には、温度の変化による加圧ローラの径変化が大き
いので、転写材Pが通過する部分と通過しない部分とで
加圧ローラの径が異なってしまう。加圧ローラがこのよ
うな状態で加圧ローラに弾性材44の幅の全域に亘る転
写材を通すと、加圧ローラの外径差に起因するスピード
差によって紙シワが発生するに至る。一方、加圧ローラ
を高弾性層(チューブ)44cが被覆していると、加圧
ローラは径変化が小さくなるので、転写材が通過する部
分と通過しない部分との径段差が小さくなるため、シワ
を防止することができる。
【0043】上記のような加圧ローラの製造方法におい
ては、チューブの弾性率の大きさ如何に関わらず使用す
ることができる。更に他の帯電ローラ、転写ローラ、現
像ローラ等を製造するために用いることのできる各種ロ
ーラの製造一般にも広く使用することができるのは明か
である。
【0044】
【発明の効果】上記のように本発明によって、単層及び
/又は複合層の高弾性チューブを被覆したローラを容易
に製造することができる。更には得られたローラを加熱
装置の加圧ローラとして使用すると、搬送スピードの変
化が極めて小さく、また転写材の幅がローラの幅よりも
狭い場合でも紙シワの発生することがない。この優れた
ローラ製造方法は各種ローラの製造一般にも広く使用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る型に樹脂を塗布した段階を示す
模式断面図。
【図2】実施例1に係る筒状の外形を有する型の概念
図。
【図3】実施例1に係る箱状の外形を有する型の概念
図。
【図4】実施例1に係る型を台上に配置した段階を示す
模式断面図。
【図5】実施例1に係るチューブに芯部材を配置した段
階を示す模式断面図。
【図6】実施例1に係るチューブに弾性材を注入した段
階を示す模式断面図。
【図7】実施例1に係る弾性材を上部から注入する実施
形態を示す模式断面図。
【図8】実施例1に係る作製ローラを応用した加熱定着
装置の一例を示す模式図。
【図9】実施例3に係るチューブを内型に配置した段階
を示す模式断面図。
【図10】実施例3に係る内型と外型の関係を示す概念
図。
【図11】実施例3に係るチューブを膨らませた段階を
示す模式断面図。
【図12】実施例3に係るチューブに弾性材を注入した
段階を示す模式断面図。
【図13】実施例3に係る弾性材を下部から注入する実
施形態を示す模式断面図。
【図14】実施例3に係るローラの部分構成説明図。
【図15】実施例3に係るローラの構成を示す模式斜視
図。
【図16】実施例3に係るメカニズムの説明図。
【符号の説明】
1,21,44c チューブ(樹脂、高弾性体) 2,22,44a 芯部材 3,23,44b 弾性材 10 型 11,32 弾性材注入孔 12 台 15,35 蓋 30 内型 31 外型 33 加熱装置 41 ステー 42 ヒータ 43 フィルム 44 加圧ローラ 45 中心軸 46 ローラ部 K 空孔 N ニップ部 P 転写材 T トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 亮 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 石山 竜典 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 辻本 卓哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未定着画像を記録材面に定着させる画像
    定着用ローラの製造方法において、円筒状の内面を有す
    る型内に、溶融もしくは溶解した樹脂を塗布してチュー
    ブ状被覆層を製膜し、前記型内に芯部材を配置して弾性
    材を注入し脱型することを特徴とする、ローラの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ローラが、加圧ローラであることを
    特徴とする、請求項1記載のローラの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記樹脂が、ポリイミドからなることを
    特徴とする、請求項1記載のローラの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記芯部材が、アルミニウムからなるこ
    とを特徴とする、請求項1記載のローラの製造方法。
  5. 【請求項5】 未定着画像を記録材面に定着させる画像
    定着用ローラの製造方法において、加熱装置を具備した
    円筒状の内面を有する型内に、該型の内径より小なる径
    を有する熱可塑性チューブを配置して、加熱しつつエア
    ー等で前記チューブの内外の差圧を発生させ、前記型の
    内面に密着させて、前記型内に芯部材を配置し、弾性材
    を前記型内に注入して脱型することを特徴とする、ロー
    ラの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ローラが、加圧ローラであることを
    特徴とする、請求項5記載のローラの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性チューブが、熱可塑性ポリ
    イミドからなることを特徴とする、請求項5記載のロー
    ラの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記芯部材が、アルミニウムからなるこ
    とを特徴とする、請求項5記載のローラの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016026928A (ja) * 2014-07-03 2016-02-18 キヤノン株式会社 立体物造形装置、記録装置、転写方法、転写用押圧部材、および転写体
JP2017207642A (ja) * 2016-05-19 2017-11-24 日星電気株式会社 加圧ローラ

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