JPH08253816A - 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH08253816A
JPH08253816A JP7055473A JP5547395A JPH08253816A JP H08253816 A JPH08253816 A JP H08253816A JP 7055473 A JP7055473 A JP 7055473A JP 5547395 A JP5547395 A JP 5547395A JP H08253816 A JPH08253816 A JP H08253816A
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JP
Japan
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annealing
magnetic flux
flux density
cold rolling
finish
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JP7055473A
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English (en)
Inventor
Norito Abe
憲人 阿部
Kunihide Takashima
邦秀 高嶋
Yosuke Kurosaki
洋介 黒崎
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変圧器に用いられる超高磁束密度一方向性電
磁鋼板を安定して得る。 【構成】 Biを添加含有した超高磁束密度一方向性電
磁鋼スラブを出発材として、熱延板焼鈍、または仕上冷
延前焼鈍の冷却を平均30℃/s以上で行い、さらに仕
上冷延のパス間時効を150〜300℃の板温範囲で2
分間以上、2回以上行う。 【効果】 上記出発材と冷延方法により、製品の磁束密
度が1.92T以上2.00Tにも達し、従来にはない
超高磁束密度一方向性電磁鋼板が安定して得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランス等の鉄心とし
て用いられる{110}〈001〉方位集積度を高度に
発達させた超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板は、主にトランスその
他の電気機器の鉄心材料として使用されており、励磁特
性、鉄損特性等の磁気特性が優れていることが要求され
ている。励磁特性を表す数値としては、通常800A/m
の磁場における磁束密度B(これをB8 と以下示す)が
使用される。また鉄損特性を表す代表的数値としては、
17/50 (周波数50Hzにおいて1.7Tまで磁化させ
た時の単位kg当たりの鉄損)が用いられる。
【0003】磁束密度は鉄損特性の重要支配因子であ
り、一般的にいって磁束密度が高いほど鉄損はよい。た
だしあまり磁束密度が高くなると、二次再結晶粒が大き
くなることに起因して異常渦電流損失が大きくなり鉄損
を悪くすることがある。これに対しては、磁区制御する
ことによって二次再結晶粒に関係なく鉄損を改善するこ
とができる。また製品板厚も鉄損特性の重要支配因子で
ある。磁束密度を保ちながら板厚を薄くすることによっ
て、渦電流損失は小さくなり鉄損特性を向上させること
ができる。
【0004】一方向性電磁鋼板は製造工程の仕上焼鈍に
おいて、二次再結晶を起こさせて鋼板面に{110}、
圧延方向に〈001〉を有するいわゆるGoss組織を
発達させることによって得られる。その中でB8 ≧1.
88Tの優れた励磁特性を持つものは高磁束密度一方向
性電磁鋼板と呼ばれている。
【0005】高磁束密度一方向性電磁鋼板の代表的製造
方法としては、田口らによる特公昭40−15644号
公報、および特公昭51−13469号公報が挙げられ
る。Goss組織の二次再結晶を起こさせる主なインヒ
ビターとして前者においては、MnSおよびAlNを、
後者ではMnS,MnSe,Sb等を用いている。上記
特許に基づく製品は現在、世界的規模で生産されてい
る。特公昭40−15644号公報によればその製造方
法は、熱延板焼鈍を施した後、冷延率80〜95%の1
回冷延を行うことを特徴としている。
【0006】ところで最近、高嶋らによって、B8
1.95Tの極めて優れた励磁特性を持つ超高磁束密度
一方向性電磁鋼板が報告されている。その代表的例とし
ては、特開平6−88174号公報が挙げられる。また
その製造方法の代表的例としては、特開平6−8817
1号公報が挙げられる。いずれもスラブ中にBiを含む
ことを特徴としているが、その他は特段、田口らによる
特公昭40−15644号公報で述べられている製造方
法と変わりなく、大きな制約もない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】それにもかかわらず原
因のはっきりしない二次再結晶不良、あるいは二次再結
晶しても磁束密度が低い磁気特性不良が生じることが少
なくない。そのため、超高磁束密度一方向性電磁鋼板を
安定して製造するためには、各工程のそれぞれの条件に
対して、極めて厳しい条件を設ける必要があると考えら
れるが、どの工程にどのような条件を設ける必要がある
かがはっきりしないのが現状である。本発明は、かかる
問題を回避し、極めて磁束密度の高い一方向性電磁鋼板
の安定製造を可能にすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、次の通りである。 (1)重量%で、C :0.03〜0.15%、Si:
2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.30%、Sお
よびSeの1種または2種:0.005〜0.040
%、酸可溶性Al:0.010〜0.065%、N :
0.0030〜0.0150%、Bi:0.0005〜
0.0500%を含有し、残部Feおよび不可避的不純
物からなるスラブを出発材として加熱した後熱延し、引
き続き熱延板焼鈍の後仕上冷延、または予備冷延後焼鈍
し仕上冷延、または熱延板焼鈍後中間焼鈍を含む複数の
冷延の後に仕上冷延し、脱炭焼鈍、仕上焼鈍をする超高
磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法において、熱延板
焼鈍、または仕上冷延前焼鈍の冷却を平均30℃/s以
上で行い、さらに仕上冷延中のパス間時効を板温150
〜300℃で2分間以上、2回以上行うことを特徴とす
るB8 ≧1.92Tの超高磁束密度一方向性電磁鋼板の
製造方法。
【0009】(2)重量%で、C :0.03〜0.1
5%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.
30%、SおよびSeの1種または2種:0.005〜
0.040%、酸可溶性Al:0.010〜0.065
%、N :0.0030〜0.0150%、Sn:0.
05〜0.50%、Bi:0.0005〜0.0500
%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるス
ラブを出発材としたことを特徴とする前記(1)記載の
8 ≧1.92Tの超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製
造方法。
【0010】(3)重量%で、C :0.03〜0.1
5%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.
30%、SおよびSeの1種または2種:0.005〜
0.040%、酸可溶性Al:0.010〜0.065
%、N :0.0030〜0.0150%、Sn:0.
05〜0.50%、Cu:0.01〜0.10%、B
i:0.0005〜0.0500%を含有し、残部Fe
および不可避的不純物からなるスラブを出発材としたこ
とを特徴とする前記(1)記載のB8 ≧1.92Tの超
高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
【0011】(4)重量%で、C :0.03〜0.1
5%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.
30%、SおよびSeの1種または2種:0.005〜
0.040%、酸可溶性Al:0.010〜0.065
%、N :0.0030〜0.0150%、Sbおよび
Moの1種または2種:0.0030〜0.3%、B
i:0.0005〜0.0500%を含有し、残部Fe
および不可避的不純物からなるスラブを出発材としたこ
とを特徴とする前記(1)記載のB8 ≧1.92Tの超
高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
【0012】以下本発明の詳細について説明する。本発
明者はいわゆる超高磁束密度一方向性電磁鋼板の磁束密
度を、さらに安定して得るべく種々の研究を鋭意重ねた
結果、Biを含んだMnSおよび、またはMnSeとA
lNを主インヒビターとする超高磁束密度一方向性電磁
鋼板用スラブを出発材として加熱した後熱延し、引き続
き熱延板焼鈍の後仕上冷延、または予備冷延後焼鈍し仕
上冷延、または熱延板焼鈍後中間焼鈍を含む複数の冷延
の後に仕上冷延し、脱炭焼鈍、仕上焼鈍をする超高磁束
密度一方向性電磁鋼板の製造において、熱延板焼鈍、ま
たは仕上冷延前焼鈍の冷却を平均30℃/s以上で行
い、さらに仕上冷延中のパス間時効を板温150〜30
0℃で2分間以上、2回以上行うことによって、B8
1.92Tの極めて磁束密度の高い超高磁束密度一方向
性電磁鋼板を安定して製造することに成功した。
【0013】本発明の成分条件について説明する。Cは
0.03%未満では、熱延に先立つスラブ加熱時におい
て結晶粒が異常粒成長し、製品において線状細粒と呼ば
れる二次再結晶不良を起こすので好ましくない、一方
0.15%を超えた場合では、冷延後の脱炭焼鈍におい
て脱炭時間が長時間必要となり経済的でないばかりでな
く、脱炭が不完全となりやすく、製品での磁気時効と呼
ばれる磁性不良を起こすので好ましくない。
【0014】Siは鋼の電気抵抗を高めて鉄損の一部を
構成する渦電流損失を低減するのに極めて有効な元素で
あるが、2.5%未満では製品の渦電流損失を抑制でき
ない。また4.0%を超えた場合では、加工性が著しく
劣化して常温での冷延が困難になるので好ましくない。
【0015】Mnは二次再結晶を左右するインヒビター
と呼ばれるMnSおよび、またはMnSeを形成する重
要な元素である。0.02%未満では、二次再結晶を生
じさせるのに必要なMnSおよび、またはMnSeの絶
対量が不足するので好ましくない。一方0.30%を超
えた場合は、スラブ加熱時の固溶が困難になるばかりで
なく、熱延時の析出サイズが粗大化しやすくインヒビタ
ーとしての最適サイズ分布が損なわれて好ましくない。
【0016】Sおよび、またはSeは上掲したMnとM
nSおよび、またはMnSeを形成する重要な元素であ
る。上記範囲を逸脱すると充分なインヒビター効果が得
られないので0.005〜0.040%に限定する必要
がある。
【0017】酸可溶性Alは、高磁束密度一方向性電磁
鋼板のための主要インヒビター構成元素であり、0.0
10%未満では量的に不足してインヒビター強度が不足
するので好ましくない。一方0.065%超ではインヒ
ビターとして析出させるAlNが粗大化し、結果として
インヒビター強度を低下させるので好ましくない。
【0018】Nは上掲した酸可溶性AlとAlNを形成
する重要な元素である。上記範囲を逸脱すると充分なイ
ンヒビター効果が得られないので0.0030〜0.0
150%に限定する必要がある。
【0019】さらにSnについては薄手製品の二次再結
晶も安定して得る元素として有効であり、また二次再結
晶粒径を小さくする作用もある。この効果を得るために
は、0.05%以上の添加が必要であり、0.50%を
超えた場合にはその作用が飽和するのでコストアップの
点から0.50%以下に限定する。
【0020】CuについてはSn添加鋼の一次被膜向上
元素として有効である。0.01%未満では効果が少な
く、0.10%を超えると製品の磁束密度が低下するの
で好ましくない。
【0021】Sbおよび、またはMoについては薄手製
品の二次再結晶を安定して得る元素として有効である。
この効果を得るためには、0.0030%以上の添加が
必要であり、0.30%を超えた場合にはその作用が飽
和するのでコストアップの点から0.30%以下に限定
する。
【0022】Biは本発明である、B8 ≧1.92Tの
超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法において、そ
の出発スラブ中に必須の元素である。すなわち磁束密度
向上効果がある。0.0005%未満ではその効果が充
分に得られず、また0.0500%を超えた場合は磁束
密度向上効果が飽和するだけでなく、熱延コイルの端部
に割れが発生するので好ましくない。
【0023】次に本発明である安定製造方法について説
明する。上記のごとく成分を調整した超高磁束密度一方
向性電時鋼板製造用溶鋼は、通常の方法で鋳造する。特
に鋳造方法に限定はない。次いで通常の熱間圧延によっ
て熱延コイルに圧延される。
【0024】引き続いて、熱延板焼鈍後そして仕上冷
延、予備冷延後焼鈍し仕上冷延、または熱延板焼鈍後中
間焼鈍を含む複数の冷延によって仕上板厚に仕上げるわ
けであるが、ここで熱延板焼鈍、または仕上冷延前焼鈍
の冷却を平均30℃/s以上で行い、さらに仕上冷延中
のパス間時効を板温150〜300℃で2分間以上、2
回以上行うことを本発明の特徴としている。
【0025】冷延後は、通常の方法で連続脱炭焼鈍・一
次被膜生成剤塗布、仕上焼鈍、連続歪取り焼鈍・二次被
膜塗布および焼き付けを行う。さらに必要に応じてレー
ザー照射、溝等の磁区細分化処理を施す。
【0026】ところで特開平6−136445号公報に
よると、その製造方法においてタンデム冷延とすること
を特徴としている。ところがタンデム冷延を行った場
合、B8 ≧1.95Tの超高磁束密度が得られる製品も
あれば、そのような値は得られずに、磁気特性不良ある
いは二次再結晶不良が生じる場合もあり、安定製造に至
っていないのが現状である。
【0027】また特願平5−036738号公報では、
仕上冷延前の焼鈍後の950℃以下400℃までの冷却
を30℃/秒より遅い速度で行うことを特徴としてい
る。ところがこの場合も、B8 ≧1.95Tの超高磁束
密度が得られる製品もあれば、そのような値は得られず
に、磁区特性不良あるいは二次再結晶不良が生じる場合
もあり、安定製造には至っていないのが現状である。
【0028】しかし熱延板焼鈍、または仕上冷延前焼鈍
の冷却を平均30℃/s以上で行い、さらに仕上冷延中
のパス間時効を板温150〜300℃で2分以上、2回
以上行うことが、{110}〈001〉方位集積度の極
めて優れたB8 ≧1.92Tの一方向性電磁鋼板の安定
製造に極めて重要であることが判明した。
【0029】熱延板焼鈍、または仕上冷延前焼鈍の冷却
は、固溶C,N量の確保と強い関係がある。冷却速度を
平均30℃/s以上とすることによって固溶C,N量が
充分に確保されたため、引き続き行うパス間時効の効果
がより大きく発揮されて、{110}〈001〉方位集
積度の極めて優れたB8 ≧1.92Tの一方向性電磁鋼
板の安定製造が可能になったと考えられる。
【0030】パス間時効の重要性については、B8
1.88Tの高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造におい
ても知られており、特公昭54−13846号公報でも
述べられている。すなわち、高温冷延が時効処理とな
り、固溶Cや固溶Nが加工によって導入された転位に固
着され、組織の均質化や{110}〈001〉核の増加
を促すという効果で、B8 ≧1.88Tが得られるとい
うものである。
【0031】黒木らは特開昭52−60216号公報
で、パス間時効の条件を100〜350℃以下で1分間
以上あるいは350℃超〜600℃で1〜60秒の温
度、時間保持することを述べている。しかしBiを用い
た超高磁束密度一方向性電磁鋼板の熱延組織は、再結晶
があまり進まずにより不均一組織となり、より多く加工
組織が残存する場合がある。結晶方位学的にみると{1
10}〈001〉粒に喰われにくい{100}粒がより
多く存在して、冷延後の材質にも引き継がれている。
【0032】そのため100〜150℃では充分な効果
が得られないと考えられる。300℃以上では転位の解
放が進みすぎて効果が少ないとともに、生産性にも問題
が出てくるので好ましくない。時間、回数についても上
述した理由から、Biを用いた超高磁束密度一方向性電
磁鋼板の安定製造においては、2分間未満、1回では充
分な効果が得られないため、2分間以上、2回以上が必
要である。
【0033】またインヒビターについて考えると、Bi
を用いることによってMnSあるいはMnSe,AlN
が微細均一析出し、インヒビターが強化されている。こ
の強化によって二次再結晶開始温度はより高温側へシフ
トしている。このような状況の中で、純粋な{110}
〈001〉核だけを選択成長させるためには、その数を
二次再結晶前にできるだけ存在させておく必要がある。
【0034】そのためには高温冷延による時効処理を施
すことによって、遷移帯を増加させて{110}〈00
1〉核を増やすことが必要であると考えられ、またその
ようにすることによって、{110}〈001〉核の選
択成長をさせることが容易になり、{110}〈00
1〉方位集積度の極めて優れたB8 ≧1.92Tの安定
製造が可能となったと考えられる。
【0035】
【実施例】
(実施例1)C:0.078%、Si:3.28%、M
n:0.08%、S:0.025%、酸可溶性Al:
0.025%、N:0.0082%、Bi:0.007
8%を含有するスラブを1350℃で加熱後直ちに熱延
して2.3mm厚の熱延コイルとした。熱延コイルに95
0℃の焼鈍を施した後平均20〜40℃/sで冷却し、
1回冷延で0.220mm厚とした。この時のパス間時効
を200℃で2分間、2回行った。
【0036】引き続き850℃で脱炭焼鈍を行い、Mg
Oを主成分とする一次被膜・焼鈍分離剤を塗布後、12
00℃の仕上焼鈍を行った。水洗後、コイル長手方向、
幅方向とも中央に当たる部分より、60mm幅×300mm
長に3枚剪断し、850℃で歪取り焼鈍を行った後磁気
測定に供した。製品磁束密度を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1より明らかなように、熱延コイル焼鈍
後の冷却を平均冷却速度30℃/s以上で行った場合、
8 ≧1.92Tが安定して得られている。
【0039】比較例1と本発明例2の製品に5mmピッチ
でレーザーを照射し、磁区細分化処理を行った。その結
果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2で明らかなように、本発明材は磁束密
度が極めて高いため、磁区細分化によって0.70W/
kg以下の従来法では到底得られないような鉄損特性を得
ることができた。
【0042】(実施例2)C:0.079%、Si:
3.29%、Mn:0.08%、S:0.025%、酸
可溶性Al:0.022%、N:0.0084%、S
n:0.12%、Bi:0.0033%を含有するスラ
ブを1330℃で加熱後直ちに熱延して2.3mm厚の熱
延コイルとした。熱延コイルに950℃の焼鈍を施した
後、平均冷却速度50℃/sで冷却し、1回冷延で0.
220mm厚とした。この時のパス間時効を125℃,1
50℃,200℃,300℃,350℃で5分間、2回
とした。
【0043】引き続き850℃で脱炭焼鈍を行い、Mg
Oを主成分とする一次被膜・焼鈍分離剤を塗布後、12
00℃の仕上焼鈍を行った。水洗後、コイル長手方向、
幅方向とも中央に当たる部分より、60mm幅×300mm
長に5枚剪断し、850℃で歪取り焼鈍を行った後磁気
測定に供した。製品磁束密度を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】表3より明らかなように、150〜300
℃で冷延を行った場合、B8 ≧1.92Tが安定して得
られている。
【0046】(実施例3)C:0.078%、Si:
3.25%、Mn:0.08%、S:0.025%、酸
可溶性Al:0.033%、N:0.0084%、S
n:0.15%、Cu:0.070%を含有する溶鋼に
Biを0〜0.072%を添加含有したスラブを135
0℃で加熱後直ちに熱延して2.3mm厚の熱延コイルと
した。熱延コイルに950℃の焼鈍を施した後、平均冷
却速度100℃/sで冷却し、1回冷延で0.220mm
厚とした。この時のパス間時効を250℃で1〜5分
間、2回行った。以後の工程は実施例2と同様に行っ
た。製品磁束密度を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】表4より明らかなように、パス間時効時間
が2分間以上で冷延を行った場合、B8 ≧1.92Tが
安定して得られている。
【0049】(実施例4)C:0.078%、Si:
3.30%、Mn:0.08%、S:0.025%、酸
可溶性Al:0.033%、N:0.0084%、S
n:0.12%、Cu:0.074%を含有する溶鋼に
Biを0.010%を添加含有したスラブを1350℃
で加熱後直ちに熱延して2.0mm厚の熱延コイルとし
た。2回冷延の仕上前焼鈍を950℃で行った後、平均
冷却速度30℃/sで冷却し、0.170mm厚とした。
この時パス間温度を200℃、時効回数を1〜3回とし
た。以後の工程は実施例1と同様に行った。製品磁束密
度を表5に示す。
【0050】
【表5】
【0051】表5より明らかなように、パス間時効回数
が2回以上で冷延を行った場合、B8 ≧1.92Tが安
定して得られている。比較例2と本発明例5の製品に5
mmピッチでレーザーを照射し、磁区細分化処理を行っ
た。その結果を表6に示す。
【0052】
【表6】
【0053】表6で明らかなように、本発明材は磁束密
度が極めて高いため、磁区細分化によって0.60W/
kg以下の従来法では到底得られないような鉄損特性を得
ることができた。
【0054】(実施例5)C:0.076%、Si:
3.24%、Mn:0.08%、S:0.025%、酸
可溶性Al:0.033%、N:0.0084%、S
n:0.14%、Cu:0.074%を含有する溶鋼に
Biを0〜0.048%添加含有したスラブを1350
℃で加熱後直ちに熱延して2.3mm厚の熱延コイルとし
た。熱延コイルに950℃の焼鈍をし、2回冷延の仕上
冷延前焼鈍を950℃で行った後、平均冷却速度60℃
/sで冷却し、0.220mm厚とした。この時のパス間
温度を25〜350℃、時効回数を3回とした。
【0055】引き続き850℃で脱炭焼鈍を行い、Mg
Oを主成分とする一次被膜・焼鈍分離剤を塗布後、12
00℃の仕上焼鈍を行った。水洗後、コイル長手方向、
幅方向とも中央に当たる部分より、60mm幅×300mm
長に1枚剪断し、850℃で歪取り焼鈍を行った後磁気
測定に供した。
【0056】製品磁束密度を図1に示す。Bi量が0.
0005〜0.0500%で、かつパス間温度が150
〜300℃でB8 ≧1.92Tが安定して得られてい
る。
【0057】
【発明の効果】Biを添加含有した一方向性電磁鋼板用
スラブから得た熱延コイルを、熱延板焼鈍、または仕上
冷延前焼鈍の冷却を平均30℃/s以上で行い、さらに
仕上冷却中のパス間時効を板温150〜300℃で2分
間以上、2回以上行うと、B8≧1.92Tの極めて磁
束密度の高い製品が安定して得られるとともに、磁区細
分化処理後の鉄損特性も極めて優れており、工業的に非
常に価値の高い有益なものといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Bi含有量と仕上冷延中パス間温度とB8 の関
係を示す図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 SおよびSeの1種または2種:0.005〜0.04
    0%、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0150%、 Bi:0.0005〜0.0500%を含有し、残部F
    eおよび不可避的不純物からなるスラブを出発材として
    加熱した後熱延し、引き続き熱延板焼鈍の後仕上冷延、
    または予備冷延後焼鈍し仕上冷延、または熱延板焼鈍後
    中間焼鈍を含む複数の冷延の後に仕上冷延し、脱炭焼
    鈍、仕上焼鈍をする超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製
    造方法において、熱延板焼鈍、または仕上冷延前焼鈍の
    冷却を平均30℃/s以上で行い、さらに仕上冷延中の
    パス間時効を板温150〜300℃で2分間以上、2回
    以上行うことを特徴とするB8 ≧1.92Tの超高磁束
    密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 SおよびSeの1種または2種:0.005〜0.04
    0%、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0150%、 Sn:0.05〜0.50%、 Bi:0.0005〜0.0500%を含有し、残部F
    eおよび不可避的不純物からなるスラブを出発材とした
    ことを特徴とする請求項1記載のB8 ≧1.92Tの超
    高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量%で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 SおよびSeの1種または2種:0.005〜0.04
    0%、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0150%、 Sn:0.05〜0.50%、 Cu:0.01〜0.10%、 Bi:0.0005〜0.0500%を含有し、残部F
    eおよび不可避的不純物からなるスラブを出発材とした
    ことを特徴とする請求項1記載のB8 ≧1.92Tの超
    高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 重量%で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 SおよびSeの1種または2種:0.005〜0.04
    0%、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0150%、 SbおよびMoの1種または2種:0.0030〜0.
    3%、 Bi:0.0005〜0.0500%を含有し、残部F
    eおよび不可避的不純物からなるスラブを出発材とした
    ことを特徴とする請求項1記載のB8 ≧1.92Tの超
    高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
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