JP3399721B2 - 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法

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JP3399721B2
JP3399721B2 JP26868495A JP26868495A JP3399721B2 JP 3399721 B2 JP3399721 B2 JP 3399721B2 JP 26868495 A JP26868495 A JP 26868495A JP 26868495 A JP26868495 A JP 26868495A JP 3399721 B2 JP3399721 B2 JP 3399721B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランス等の鉄心
として用いられる{110}<001>方位集積度を高
度に発達させた超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板は、主にトランスその
他の電気機器の鉄心材料として使用されており、励磁特
性、鉄損特性等の磁気特性が優れていることが要求され
ている。励磁特性を表す数値としては、通常800A/
mの磁場における磁束密度B(以下これをB8 と示す)
が使用される。また鉄損特性を表す代表的数値として
は、W17/50 (周波数50Hzにおいて1.7Tまで磁
化させた時の単位Kgあたりの鉄損)が用いられる。
【0003】磁束密度は鉄損特性の重要支配因子であ
り、一般的にいって磁束密度が高いほど鉄損はよい。た
だしあまり磁束密度が高くなると、二次再結晶粒が大き
くなることに起因して異常渦電流損失が大きくなり鉄損
を悪くすることがある。これに対しては、磁区制御する
ことによって二次再結晶粒に関係なく鉄損を改善するこ
とができる。また製品板厚も鉄損特性の重要支配因子で
ある。磁束密度を保ちながら板厚を薄くすることによっ
て、渦電流損失は小さくなり鉄損特性を向上させること
ができる。
【0004】一方向性電磁鋼板は製造工程の仕上焼鈍に
おいて、二次再結晶を起こさせて鋼板面に{110}、
圧延方向に<001>を有するいわゆるGoss組織を
発達させることによって得られる。その中でB8 ≧1.
88Tの優れた励磁特性を持つものは高磁束密度一方向
性電磁鋼板と呼ばれている。
【0005】高磁束密度一方向性電磁鋼板の代表的製造
方法としては、田口らによる特公昭40−15644号
公報、および特公昭51−13469号公報が挙げられ
る。Goss組織の二次再結晶を起こさせる主なインヒ
ビターとして、前者においてはMnS及びAlNを、後
者ではMnS,MnSe,Sb等を用いている。上記特
許に基づく製品は現在、世界的規模で生産されている。
特公昭40−15644号公報によればその製造方法
は、熱延板焼鈍を施した後、冷延率80〜95%の一回
冷延を行うことを特徴としている。
【0006】ところで最近、高嶋らによって、B8
1.94Tの極めて優れた励磁特性を持つ超高磁束密度
一方向性電磁鋼板が報告されている。その代表的例とし
ては、特開平6−88174号公報が挙げられる。また
その製造方法の代表的例としては、特開平6−8817
1号公報が挙げられる。いずれもスラブ中にBiを含む
ことを特徴としているが、その他は特段、田口らによる
特公昭40−15644号公報で述べられている製造方
法と変わりなく、大きな制約もない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】それにもかかわらず原
因のはっきりしない二次再結晶不良、あるいは二次再結
晶しても磁束密度が低い磁気特性不良が生じることが少
なくない。そのため、超高磁束密度一方向性電磁鋼板を
安定して製造するためには、各工程のそれぞれの条件に
対して、極めて厳しい条件を設ける必要があると考えら
れるが、どの工程にどのような条件を設ける必要がある
かはっきりしないのが現状である。本発明は、かかる問
題を回避し、極めて磁束密度の高い一方向性電磁鋼板の
安定製造を可能にすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、次の通りである。 1)重量%で、 C :0.03〜0.15%、Si:2.5〜4.0
%、Mn:0.02〜0.30%、S,Seの少なくと
も1種:0.005〜0.040%、
sol.Al:0.010〜0.065%、N:0.00
30〜0.0150%、Bi:0.0005〜0.05
00%、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物から
なるスラブを出発材として加熱した後熱延し、さらに熱
延板焼鈍後仕上げ冷延する工程、予備冷延後焼鈍し仕上
冷延する工程、あるいは熱延板焼鈍後中間焼鈍を含む複
数の冷延を行う工程の何れかの工程によって製品板厚に
仕上げた後に、脱炭焼鈍し、仕上げ焼鈍をする超高磁束
密度一方向性電磁鋼板の製造方法において、仕上焼鈍に
おける雰囲気中の窒素濃度と鋼板の昇温温度を下式に示
す範囲とすることを特徴とするB8 ≧1.94Tの超高
磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。 250<(100−窒素濃度(%))×昇温速度(℃/h)<1125
【0009】2)重量%で、C :0.03〜0.15
%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.3
0%、S,Seの少なくとも1種:0.005〜0.0
40%、 sol.Al:0.010〜
0.065%、N :0.0030〜0.0150%、
Sn:0.05〜0.50%、Bi:0.0005〜
0.0500%を含有し、残部Feおよび不可避的不純
物からなるスラブを出発材とすることを特徴とする前記
1)記載の超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
【0010】3)重量%で、C :0.03〜0.15
%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.3
0%、S,Seの少なくとも1種:0.005〜0.0
40%、 sol.Al:0.010〜
0.065%、N :0.0030〜0.0150%、
Sn:0.05〜0.50%、Cu:0.01〜0.1
0%、Bi:0.0005〜0.0500%を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなるスラブを出発材
とした前記1)記載のB8 ≧1.94Tの超高磁束密度
一方向性電磁鋼板の製造方法。
【0011】4)重量%で、C :0.03〜0.15
%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.3
0%、S,Seの少なくとも1種:0.005〜0.0
40%、 sol.Al:0.010〜
0.065%、N :0.0030〜0.0150%、
Sb,Moの少なくとも1種:0.0030〜0.3
%、 Bi:0.0005〜0.0500%を
含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラブ
を出発材とした前記1)記載のB8 ≧1.94Tの超高
磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
【0012】以下本発明の詳細について説明する。本発
明者は、いわゆる超高磁束密度一方向性電磁鋼板の磁束
密度を更に安定して得るべく、仕上げ焼鈍条件に着目し
て種々の研究を鋭意重ねた結果、Biを含んだMnSお
よび、またはMnSeとAlNを主インヒビターとする
超一方向性電磁鋼板用スラブを出発材として加熱した後
熱延し、さらに熱延板焼鈍後仕上げ冷延する工程、予備
冷延後焼鈍し仕上げ冷延する工程、あるいは熱延板焼鈍
後中間焼鈍を含む複数の冷延を行う工程の何れかの工程
で製品板厚に仕上げた後に、脱炭焼鈍し、仕上げ焼鈍を
する超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法におい
て、仕上げ焼鈍における雰囲気中の窒素濃度と鋼板の昇
温速度を下式に示す範囲とすることによって、B8
1.94Tの極めて磁束密度の高い超高磁束密度一方向
性電磁鋼板を安定して製造することに成功した。 250<(100−窒素濃度(%))×昇温速度(℃/h)<1125
【0013】
【発明の実施の形態】本発明成分条件について説明す
る。Cは0.03%未満では、熱延に先立つスラブ加熱
時において結晶粒が異常粒成長し、製品において線状細
粒と呼ばれる二次再結晶不良を起こすので好ましくな
い。一方、0.15%を超えた場合は、冷延後の脱炭焼
鈍において脱炭時間が長時間必要となり経済的でないば
かりでなく、脱炭が不完全となり易く、製品での磁気時
効と呼ばれる磁性不良を起こすので好ましくない。
【0014】Siは鋼の電気抵抗を高めて鉄損の一部を
構成する渦電流損失を低減するのに極めて有効な元素で
あるが、2.5%未満では製品の渦電流損失を抑制でき
ない。また4.0%を超えた場合は、加工性が著しく劣
化して常温での冷延が困難になるので好ましくない。
【0015】Mnは二次再結晶を左右するインヒビター
と呼ばれるMnS,MnSeを形成する重要な元素であ
る。0.02%未満では、二次再結晶を生じさせるのに
必要なMnS,MnSeの絶対量が不足するので好まし
くない。一方、0.30%を超えた場合は、スラブ加熱
時の固溶が困難になるばかりでなく、熱延時の析出サイ
ズが粗大化し易くインヒビターとしての最適サイズ分布
が損なわれて好ましくない。
【0016】S,Seはこれらのうちの1種又は2種を
含有し、上掲したMnとMnS,MnSeを形成する重
要な元素である。上記範囲を逸脱すると充分なインヒビ
ター効果が得られないので、0.005〜0.040%
に限定する必要がある。
【0017】sol.(酸可溶性)Alは、高磁束密度一方
向性電磁鋼板のための主要インヒビター構成元素であ
り、0.010%未満では量的に不足してインヒビター
強度が不足するので好ましくない。一方、0.065%
超ではインヒビターとして析出させるAlNが粗大化
し、結果としてインヒビター強度を低下させるので好ま
しくない。
【0018】Nは上掲したsol.AlとAlNを形成する
重要な元素である。上記範囲を逸脱すると充分なインヒ
ビター効果が得られないので、0.0030〜0.01
50%に限定する必要がある。
【0019】さらにSnについては、薄手製品の二次再
結晶を安定して得る元素として有効であり、また二次再
結晶粒を小さくする作用もある。この効果を得るために
は、0.05%以上の添加が必要であり、0.50%を
超えた場合にはその作用が飽和するので、コストアップ
の点から0.50%以下に限定する。
【0020】Cuについては、Sn添加鋼の一次被膜向
上元素として有効である。0.01%未満では効果が少
なく、0.10%を超えると製品の磁束密度が低下する
ので好ましくない。
【0021】Sb,Moは、薄手製品の二次再結晶を安
定して得る元素として有効である。この効果を得るため
には、0.0030%以上の添加が必要であり、0.3
0%を超えた場合にはその作用が飽和するので、コスト
アップの点から0.30%以下に限定する。
【0022】Biは本発明であるB8 ≧1.94Tの超
高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法において、その
出発スラブ中に必須の元素である。すなわち磁束密度向
上効果がある。0.0005%未満ではその効果が充分
に得られず、また0.0500%を超えた場合は磁束密
度向上効果が飽和するだけでなく、熱延コイルの端部に
割れが発生するので好ましくない。
【0023】次に、本発明である超高磁束密度一方向性
電磁鋼板の製造方法について説明する。上記の如く成分
を調整した超高磁束密度一方向性電磁鋼板製造用溶鋼
は、通常の方法で鋳造する。特に鋳造方法に限定はな
い。次いで通常の熱間圧延によって熱延コイルに圧延さ
れる。
【0024】引き続いて、熱延板焼鈍後仕上げ冷延する
工程、予備冷延後焼鈍し仕上冷延する工程、あるいは熱
延板焼鈍後中間焼鈍を含む複数の冷延を行う工程の何れ
かの工程によって仕上板厚にする。冷延後に連続脱炭焼
鈍を行い、一次皮膜生成剤を塗布して仕上焼鈍を行うわ
けであるが、ここで仕上焼鈍における雰囲気中の窒素濃
度と鋼板の昇温速度を下式に示す範囲とすることを本発
明は特徴としている。 250<(100−窒素濃度(%))×昇温速度(℃/h)<1125
【0025】仕上げ焼鈍後は、連続歪取焼鈍を行い、二
次皮膜生成剤を塗布して焼き付けを行う。更に必要に応
じてレーザー照射、溝形成等の磁区細分化処理を施す。
【0026】図1に、C:0.078%、Si:3.2
8%、Mn:0.08%、S:0.025%、sol.A
l:0.025%、N:0.0082%、Bi:0.0
076%を含有するスラブを出発材として、熱延、熱延
板焼鈍、冷延し、窒素と水素の混合ガス雰囲気中で仕上
焼鈍を行ったときの、仕上焼鈍時の雰囲気中の窒素濃度
と鋼板の昇温速度と製品磁束密度B8 の関係を示す。 窒素濃度と昇温速度を250<(100−窒素濃度
(%))×昇温速度(℃/h)<1125に制御すること
によって、B8 ≧1.94Tが安定して得られている
ことが分かる。
【0027】ここで、スラブ中にSn、Cu、Sb、M
oが含有していてもこれらの結果の傾向は変わらない。
また、鋼板の昇温速度の上限は特に限定されるものでは
ない。しかし、仕上焼鈍はコイル状態で行われるため、
あまり速く昇温すると温度偏差が生じやすい。このた
め、100℃/h以下で昇温することが望ましい。
【0028】図2に、C:0.078%、Si:3.2
8%、Mn:0.08%、S:0.025%、sol.A
l:0.025%、N:0.0082%を含有し、Bi
を含有しないスラブを出発材として、熱延、熱延板焼
鈍、冷延し、窒素と水素の混合ガス雰囲気中で仕上焼鈍
を行ったときの、仕上焼鈍時の雰囲気中の窒素濃度と鋼
板の昇温速度と製品磁束密度B8 の関係を示す。Biを
含有しない場合、製品の磁束密度B8 は1.94T未満
であり、またBi含有鋼とは異なった条件下に、最適条
件があることが分かる。
【0029】図1の結果について、本発明者らは以下の
ように考えている。すなわち溶鋼成分にBiを含んだ場
合、Biを含まない場合に比べて仕上焼鈍時に窒化がさ
れにくくなる。そこで窒素濃度を上げたり、昇温速度を
下げて在炉時間を延ばしたりして積極的に窒化を行い、
AlN量を確保することによって、{110}<001
>粒、あるいはその結晶方位に極めて近い結晶粒だけを
優先的に成長させることができたと考えている。
【0030】したがって仕上焼鈍時の(100−窒素濃
度(%))×昇温速度(℃/h)≧1125では、必要な
AlN量を確保できないため、{110}<001>
粒、あるいはその結晶方位に極めて近い結晶粒だけを優
先的に成長させることができない二次再結晶不良とな
る。また、(100−窒素濃度(%))×昇温速度(℃
/h)≦250では必要以上の窒化が生じて、{110}
<001>集積度の劣ったB8 <1.94Tの製品とな
【0031】
【実施例】
[実施例1]C:0.076%、Si:3.23%M
n:0.08%S:0.025%、sol.Al:0.02
5%、N:0.0082%、Bi:0.0078%を含
有するスラブを1350℃で加熱後直ちに熱延して2.
3mm厚の熱延コイルとした。熱延コイルに1050℃の
焼鈍を施した後、一回冷延で0.220mm厚とした。引
き続き脱炭焼鈍を行い、MgOを主成分とする一次皮膜
生成剤・焼鈍分離剤を塗布した後、窒素と水素の混合ガ
ス雰囲気中で1200℃の仕上焼鈍を行った。この時の
雰囲気中の窒素濃度は25%、鋼板の昇温速度は3〜2
5℃/hとした。仕上焼鈍後水洗し、850℃で歪取り焼
鈍を行った後、磁気測定に供した。製品磁束密度を表1
に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1より明らかなように、250<(10
0−窒素濃度(%))×昇温速度(℃/h)<1125
制御することによって、B8 ≧1.94Tが安定して得
られていることがわかる。さらに、比較例1と本発明例
2の製品に5mmピッチでレーザーを照射し、磁区細分化
処理を行った。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2で明らかなように、本発明材は磁束密
度が極めて高いため、磁区細分化によって0.70W/kg
以下の従来法では到底得られないような鉄損特性を得る
ことができた。
【0036】[実施例2]C:0.079%、Si:
3.27%、Mn:0.08%、S:0.026%、so
l.Al:0.022%、N:0.0084%、Sn:
0.13%、Bi:0.0123%を含有するスラブを
1330℃で加熱後直ちに熱延して2.3mm厚の熱延コ
イルとした。その後熱延コイルを酸洗し、1.75mmに
予備冷延、1100℃の焼鈍を施した後、0.220mm
厚とした。引き続き脱炭焼鈍を行い、MgOを主成分と
する一次皮膜生成剤・焼鈍分離剤を塗布した後、窒素と
水素の混合ガス雰囲気中で1200℃の仕上焼鈍を行っ
た。この時の雰囲気中の窒素濃度は0〜90%、鋼板の
昇温速度は15℃/hとした。仕上焼鈍後水洗し、850
℃で歪取り焼鈍を行った後、磁気測定に供した。製品磁
束密度を表1に示す。
【0037】
【表3】
【0038】表3から明らかなように、250<(10
0−窒素濃度(%))×昇温速度(℃/h)<1125
制御することによって、B8 ≧1.94Tが安定して得
られていることがわかる。
【0039】[実施例3]C:0.079%、Si:
3.25%、Mn:0.08%、S:0.025%、so
l.Al:0.033%、N:0.0084%、Sn:
0.15%、Cu:0.070%を含有する溶鋼にBi
を0.0100%添加含有したスラブを1350℃で加
熱後直ちに熱延して2.3mm厚の熱延コイルとした。そ
の後熱延コイルに1000℃の焼鈍を施した後、中間焼
鈍を含む二回冷延法で0.170mm厚とした。以後の工
程は実施例1と同様に行った。製品磁束密度を表4に示
す。
【0040】
【表4】
【0041】表4より明らかなように、250<(10
0−窒素濃度(%))×昇温速度(℃/h)<1125
制御することによって、B8 ≧1.94Tが安定して得
られていることがわかる。
【0042】[実施例4]実施例3の脱炭焼鈍コイルに
MgOを主成分とする一次皮膜生成剤・焼鈍分離剤を塗
布した後、1200℃の仕上焼鈍を行った。この時の雰
囲気中の窒素濃度は0〜95%、鋼板の昇温速度は20
℃/hとした。以後の工程は実施例1と同様に行った。製
品磁束密度を表5に示す。
【0043】
【表5】
【0044】表5より明らかなように、250<(10
0−窒素濃度(%))×昇温速度(℃/h)<1125
制御することによって、B8 ≧1.94Tが安定して得
られていることがわかる。
【0045】[実施例5]C:0.078%、Si:
3.30%、Mn:0.08%、Se:0.025%、
sol.Al:0.033%、N:0.0084%、Sb:
0.20%、Mo:0.010%を含有する溶鋼にBi
を0.0200%添加含有したスラブを1350℃で加
熱後直ちに熱延して2.0mm厚の熱延コイルとした。二
回冷延の仕上前焼鈍を950℃で行った後、0.220
mmとした。以後の工程は実施例1と同様に行った。製品
磁束密度を表6に示す。
【0046】
【表6】
【0047】表6より明らかなように、250<(10
0−窒素濃度(%))×昇温速度(℃/h)<1125
制御することによって、B8 ≧1.94Tが安定して得
られていることがわかる。
【0048】
【発明の効果】Biを添加含有した一方向性電磁鋼板用
スラブから得た熱延コイルを、熱延板焼鈍後仕上げ冷延
する工程、予備冷延後焼鈍し仕上冷延する工程、あるい
は熱延板焼鈍後中間焼鈍を含む複数の冷延を行う工程の
何れかの工程によって製品板厚に仕上げた後に、脱炭焼
鈍し、仕上げ焼鈍をする超高磁束密度一方向性電磁鋼板
の製造方法において、仕上焼鈍における雰囲気中の窒素
濃度と鋼板の昇温温度を下式に示す範囲で行うと、B8
≧1.94Tの極めて磁束密度の高い製品が安定して得
られるとともに、磁区細分化処理後の鉄損特性も極めて
優れており、工業的に非常に価値の高い有益なものとい
える。 250<(100−窒素濃度(%))×昇温速度(℃/h)<1125
【図面の簡単な説明】
【図1】Bi含有鋼の仕上焼鈍における雰囲気中の窒素
濃度と鋼板の昇温温度と製品磁束密度B8 を示す図面で
ある。
【図2】Bi未含有鋼の仕上焼鈍における雰囲気中の窒
素濃度と鋼板の昇温温度と製品磁束密度B8 を示す図面
である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−166305(JP,A) 特開 平6−184640(JP,A) 特開 平4−187721(JP,A) 特開 昭55−47324(JP,A) 特開 平7−97631(JP,A) 特開 平6−264145(JP,A) 特開 平6−172939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/12 C21D 9/46 501 C22C 38/00 303 C22C 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 S,Seの少なくとも1種:0.005〜0.040
    %、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0150%、 Bi:0.0005〜0.0500% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラ
    ブを出発材として加熱した後熱延し、さらに熱延板焼鈍
    後仕上げ冷延する工程、予備冷延後焼鈍し仕上冷延する
    工程、あるいは熱延板焼鈍後中間焼鈍を含む複数の冷延
    を行う工程の何れかの工程によって製品板厚に仕上げた
    後に、脱炭焼鈍し、仕上げ焼鈍をする超高磁束密度一方
    向性電磁鋼板の製造方法において、仕上焼鈍における雰
    囲気中の窒素濃度と鋼板の昇温温度を下式に示す範囲と
    することを特徴とするB8 ≧1.94Tの超高磁束密度
    一方向性電磁鋼板の製造方法。 250<(100−窒素濃度(%))×昇温速度(℃/h)<1125
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 S,Seの少なくとも1種:0.005〜0.040
    %、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0150%、 Sn:0.05〜0.50%、 Bi:0.0005〜0.0500% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラ
    ブを出発材とした請求項1記載のB8 ≧1.94Tの超
    高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量%で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 S,Seの少なくとも1種:0.005〜0.040
    %、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0150%、 Sn:0.05〜0.50%、 Cu:0.01〜0.10%、 Bi:0.0005〜0.0500% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラ
    ブを出発材とした請求項1記載のB8 ≧1.94Tの超
    高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 重量%で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 S,Seの少なくとも1種:0.005〜0.040
    %、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0150%、 Sb,Moの少なくとも1種:0.0030〜0.3
    %、 Bi:0.0005〜0.0500% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラ
    ブを出発材とした請求項1記載のB8 ≧1.94Tの超
    高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
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