JPH08253246A - 耐油性及び耐ボイル性に優れる包装袋 - Google Patents

耐油性及び耐ボイル性に優れる包装袋

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JPH08253246A
JPH08253246A JP6086995A JP6086995A JPH08253246A JP H08253246 A JPH08253246 A JP H08253246A JP 6086995 A JP6086995 A JP 6086995A JP 6086995 A JP6086995 A JP 6086995A JP H08253246 A JPH08253246 A JP H08253246A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の包装用積層フィルムからなる耐油性及
び耐ボイル性に優れる包装袋。易接着性及び易印刷性の
機能を付与した表面改質層を少なくとも一面に有するプ
ラスチック基材並びにポリエチレン系樹脂、ポリプロピ
レン系樹脂、エチレン−ビニルエステル系共重合体樹脂
及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
樹脂からなる群から選ばれる一種である押出ラミネート
用樹脂からなる包装用積層フィルムであって、特定の表
面酸化処理工程、特定のオゾン処理工程及び特定の圧着
工程を含み、かつアンカーコート剤を使用しないで得ら
れる包装用積層フィルム。 【効果】 アンカーコート剤を使用することなく、強固
に接着された積層フィルムからなる耐油性及び耐ボイル
性に優れる包装袋を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の包装用積層フィ
ルムからなる耐油性及び耐ボイル性に優れる包装袋に関
するものである。更に詳しくは、本発明は、易接着性及
び易印刷性の機能を付与した表面改質層を少なくとも一
面に有するプラスチック基材並びにポリエチレン系樹
脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−ビニルエステル
系共重合体樹脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル系共重合体樹脂からなる群から選ばれる一種である
押出ラミネート用樹脂からなり、アンカーコート剤を使
用することなく強固に接着された包装用積層フィルムか
らなる耐油性及び耐ボイル性に優れる包装袋に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック、紙、金属箔などの異種材
料のフィルム状成形物を貼り合わせて単独では有し得な
い特性、例えば強度、ガスバリヤー性、防湿性、ヒート
シール性、外観などを補った積層フィルムを製造するこ
とは一般に行われており、こうして得られる製品は主に
包装材料などに広く使用されている。このような積層フ
ィルムを製造する方法としては、ドライラミネーション
法、ウエットラミネーション法、ホットラミネーション
法、押出ラミネーション法、共押出ラミネーション法な
どがあり、これらはその特徴に応じて適用されている。
包装材料などにおいて、基材にヒートシール層を形成す
る方法としては、コスト面で有利さをもつ押出ラミネー
ション法が広く用いられている。ヒートシール層として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合
体などのポリオレフィン系樹脂、アイオノマー樹脂など
が用いられるのが一般的であるが、コストの点からポリ
オレフィン系樹脂が遙かに大量に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの樹脂は、基材
との接着性を促進するために、予め基材上にアンカーコ
ート剤を塗布した後、その基材との接着面に溶融押出し
されるのが一般的である。アンカーコート剤としては、
有機チタネート系、有機イソシアネート系、ポリエチレ
ンイミン系などの接着剤が用いられている。これらの接
着剤は、通常トルエン、酢酸エチル、メタノール、ヘキ
サン等の有機溶剤で希釈して用いられている。
【0004】しかしながら、アンカーコート剤を用いる
これらの方法は、高価なアンカーコート剤を使用するこ
とによる製造コストの上昇の問題、アンカーコート剤の
塗布及び乾燥という煩雑な工程を必要とするという問
題、アンカーコート剤に含まれる有機溶剤の蒸発乾燥工
程時に人体に有害な有機溶剤が飛散し、作業環境及びそ
の周辺環境の衛生上の問題及び引火性の有機溶剤の使用
に伴う火災の発生の問題、有機溶剤などのアンカーコー
ト剤成分がフィルムに残留し、それに起因する臭気のた
め、該フィルムの食品包装用途、医薬・医療品包装用途
及び化粧品包装用途などへの適用を制限するという問題
などを有する。
【0005】また、これらアンカーコート剤を用いない
方法として、(a)エチレンと、(b)不飽和多塩基酸
と、(c)アクリル酸低級アルキルエステル、メタクリ
ル酸低級アルキルエステル、ビニルエステルより選ばれ
た不飽和単量体を共重合して得られたエチレン系共重合
体を溶融混練し、150℃〜330℃の温度でフィルム
状に押出し、ついで該フィルムをオゾン処理した後、こ
のオゾン処理面を接着面として基材に圧着ラミネートし
て積層体を製造することが報告されている(特開平4−
368845号公報)。しかし、これら不飽和多塩基酸
をコモノマー成分に用いた接着性の機能をもつエチレン
系共重合体を用いる方法では、製造コストの面及び低融
点成分の増加に伴い、押出ラミネート加工時のロールリ
リース性は劣り加工温度などに制約を受けるばかりでな
く、押出機内の樹脂替えなどの煩雑さを伴い好ましくな
い。
【0006】更に、エチレン−α−オレフィン共重合体
を公知のオゾン処理装置を用い、基材との接着面をオゾ
ン処理し、基材上にアンカーコート剤を塗布することな
く圧着ラミネートして積層体が製造される方法や、不飽
和カルボン酸などをポリオレフィン系樹脂にグラフト変
性した接着性樹脂を用い、共押出ラミネート装置との組
合わせで基材にノーアンカーで圧着ラミネートして積層
体を製造する方法が報告されている(コンバーテック
(8)、第36頁、1991年)。しかし、これらの方
法で得られた積層体のラミネート樹脂と基材との接着強
度は十分とはいえず、その適用範囲は制約を受ける。更
に、不飽和カルボン酸等をポリオレフィン系樹脂にグラ
フト変性した接着性樹脂を用いる方法では、共押出装置
が必要なこと及び製造コストが増大するばかりでなく、
押出機内の樹脂替え等の煩雑さを伴い好ましくない。
【0007】ところで、最近の食品包装材料は便利性を
求める消費者のニーズによって、ますますその機能を拡
大しつつあり、例えば食品を長期間保存する技術もその
一つとして挙げられる。これは、食品に含まれる雑菌類
をボイル加熱し滅菌することで食品の長期保存を可能と
するものであり、それらの処理を受ける食品を包装する
包装材料にも耐ボイル性の機能を具備したものが求めら
れている。一般に、これら食品包装材料は、その殆どが
異種材料の積層フィルムから成り立っており、いかに層
間の接着強度を高めるかが技術的課題とされている。例
えば接着強度が弱い場合はボイル処理によって層間が剥
離するなどの問題を生じる。よって、例えば、押出ラミ
ネートフィルムであれば耐熱性の機能を有するアンカー
コート剤の開発が必要であり、また、ドライラミネート
フィルムであれば耐熱性の機能を有する接着剤の開発が
求められている。また、プラスチック基材がナイロン系
樹脂の場合、ナイロン系樹脂そのものが耐防湿性に劣る
ことから接着性の低下を招くことがあり、適用範囲の制
約を受けることがある。よってナイロン基材メーカーに
はその改良が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、易接着性及び易印刷性
の機能を付与した表面改質層を少なくとも一面に有する
プラスチック基材並びにポリエチレン系樹脂、ポリプロ
ピレン系樹脂、エチレン−ビニルエステル系共重合体樹
脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体樹脂からなる群から選ばれる一種である押出ラミネー
ト用樹脂からなる包装用積層フィルムであって且つ、ア
ンカーコート剤を使用しない包装用積層フィルムからな
る耐油性及び耐ボイル性に優れる包装袋を提供する点に
存するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記の包装用積層フィルムからなる耐油性及び耐ボイル性
に優れる包装袋を提供するものである。易接着性及び易
印刷性の機能を付与した表面改質層を少なくとも一面に
有するプラスチック基材並びにポリエチレン系樹脂、ポ
リプロピレン系樹脂、エチレン−ビニルエステル系共重
合体樹脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステル系
共重合体樹脂からなる群から選ばれる一種である押出ラ
ミネート用樹脂からなる包装用積層フィルムであって、
下記(x)表面酸化処理工程、(y)オゾン処理工程及
び(z)圧着工程を含み、かつアンカーコート剤を使用
しないで得られる包装用積層フィルム。 (x)表面酸化処理工程 プラスチック基材の表面改質層に表面酸化処理を施す工
程。 (y)オゾン処理工程 押出ラミネート用樹脂を180〜340℃の温度におい
てフィルム状に溶融押出し、該フィルムのプラスチック
基材と接する面にオゾン処理を施す工程。 (z)圧着工程 表面酸化処理工程で得られたプラスチック基材の表面改
質層とオゾン処理工程で得られたフィルムのオゾン処理
面を圧着する工程。 また、本発明は、包装袋が食品包装袋である包装袋を提
供するものである。さらに、本発明は、包装袋が液体物
または湿性物に用いる包装袋を提供するものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いる易接着性及び易印刷性の機能を付与した表面改質
層を有するプラスチック基材は、少なくともプラスチッ
ク基材の一面に目的に応じた表面改質層を有するもので
あればよい。プラスチック基材としては、例えばナイロ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−ビニルアル
コール系共重合体樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポ
リイミド系樹脂及びポリアリレート系樹脂などが挙げら
れる。これらの中でもナイロン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂及び
ポリプロピレン系樹脂が好ましい。これらプラスチック
基材は該樹脂の単層体であってもよく、他の樹脂との多
層体や積層体であってもよい。更にこれらプラスチック
基材は延伸物、未延伸物であってもよい。
【0011】また、上記プラスチック基材とアルミニウ
ム箔などとの貼合品であって、プラスチック基材を接合
面に設けた積層体などが用いられる。これらの積層体の
肉厚は押出ラミネート加工が可能であれば特に制約を受
けるものではないが、好ましくは5〜200μ、更に好
ましくは10〜50μの範囲がよい。
【0012】更に、本発明で用いる易接着性及び易印刷
性の機能を付与したポリエステル系樹脂基材は、該樹脂
の単層体であってもよく、また多層体であってもよい
が、少なくともプラスチック基材の一面に目的に応じた
表面改質層をもつものであればよい。これらポリエステ
ル系樹脂基材は延伸物、未延伸物であってもよい。
【0013】また、本発明で用いる耐熱性の機能を付与
したエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂基材
は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂と耐熱
性に優れる樹脂を共押出加工などで積層したものがよ
く、押出ラミネート用樹脂との接着面がエチレン−ビニ
ルアルコール系共重合体樹脂となるものがよい。エチレ
ン−ビニルアルコール系共重合体樹脂と共押出加工で積
層される耐熱性樹脂としては、ナイロン系樹脂が挙げら
れる。
【0014】ここで、易接着性について説明する。例え
ばナイロン系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材及びポ
リプロピレン系樹脂基材であれば食品包装材料として用
いられる場合が多く、このような用途では他材料と積層
され用いられる場合が殆どである。よって、ここで云う
易接着性とは、他材料との積層工程で用いられる接着剤
やAC剤との接着性の程度をいう。
【0015】次に、易印刷性について説明する。例えば
ナイロン系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材及びポリ
プロピレン系樹脂基材であれば食品包装材料として用い
られる場合が多く、このような用途では被包装物の説明
や商品性を高めるため印刷が施されている場合が殆どで
ある。よって、ここで云う易印刷性とは、印刷インキと
の接着性の程度をいう。
【0016】次に本発明で用いられる易接着性及び易印
刷性の機能をもつプラスチック基材の表面改質層の形成
方法について説明する。
【0017】プラスチック基材の表面改質層の形成方法
としては、例えばラテックス又はエマルジョン溶液など
で改質剤をプラスチック基材に塗工したものが挙げられ
る。塗工方法としては、プラスチック基材のフィルム成
形過程、例えば逐次又は同時二軸延伸などのテンター延
伸設備のインラインで塗工されたものでもよく、また、
フィルム成形後オフラインで塗工されたものでもよい。
これら表面改質層には、例えばウレタン系化合物、ポリ
エステル系化合物、イミン系化合物及びアクリル系化合
物などが用いられる。具体的には以下に説明する。
【0018】ここで、例えばウレタン系化合物、ポリエ
ステル系化合物、イミン系化合物及びアクリル系化合物
は、プラスチック基材の片面又は両面に塗工され、耐水
性、印刷インキや金属蒸着物、磁気記録媒体などとの接
着性を向上させる目的で塗工される場合が多い。
【0019】これらの塗工方法で表面改質層を形成する
場合、該塗工厚みは制限されるものではないが、一般に
は0.1μ〜5μ前後の範囲である。
【0020】これらプラスチック基材の表面改質層の目
的は、その用途や付与する機能によって使い分けされる
が、例えばナイロン系樹脂基材であれば樹脂の性質上、
耐水性や耐防湿性が劣るため、これらの欠点を補う機能
を付与したものが挙げられる。例えば、ナイロン系樹脂
基材であればウレタン系化合物を表面改質層とすること
で接着性や耐水性の向上を図ることができる。
【0021】表面改質層が塗工方法で形成されたプラス
チック基材について具体例を用いて説明する。
【0022】例えば、ポリエステルフィルムの少なくと
も片面に、特定量の芳香族ジカルボン酸成分、エステル
形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物とグリコール成
分からなるポリエステルであって、かつ全グリコール成
分に対してビスフェノール誘導体を5〜90モル%共重
合せしめた水溶性共重合ポリエステルを易接着層とした
易接着性ポリエステルフィルムが挙げられる(特開平5
−147180号公報)。
【0023】また、ポリエステル系樹脂からなる基材フ
ィルムの、少なくとも片面に設けられた表面層を有する
ポリエステル系積層フィルムであって、該フィルムの表
面層の組成は、分岐したグリコールを構成成分として含
有する共重合ポリエステル樹脂(A)とブロック型イソ
シアネート基を含有する樹脂(B)とを主成分とするも
ので、各種インキの密着性に優れた汎用タイプのポリエ
ステル系積層フィルムが挙げられる(特開平5−261
877号公報)。
【0024】更に、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも
片面に、水不溶性ポリマーへの、水溶性で重合性二重結
合含有単量体の1種又は2種以上のグラフト化物(A)
と、全ジカルボン酸成分中に0.5〜15モル%のスル
ホン酸金属塩を有するジカルボン酸を含有する混合ジカ
ルボン酸をポリエステルのジカルボン酸成分とする水不
溶性ポリエステル共重合(B)との混合物が積層されて
なる易滑易接着性フィルムが挙げられる(特開昭63−
288750号公報)。
【0025】更にまた、ポリエステルフィルムの片面に
二種類のウレタン系化合物と硬化剤及び水の混合液を塗
布し、加熱硬化してなる耐水性、耐ブロッキング性、透
明性に優れる易接着性ポリエステルフィルムが挙げられ
る(特開平6−340049号公報)。
【0026】更にまた、未延伸または一軸方向のみに延
伸されたスルホン酸金属塩誘導体を0.05〜0.03
wt%含むポリエチレンテレフタレートフィルムの片面
を自己乳化性ポリウレタン樹脂50〜95wt%、水溶
性メラミン樹脂4.9〜45wt%およびパラトルエン
スルホン酸アンモニウム塩0.1〜5wt%からなる混
合物の水溶液でコーティング、乾燥し、続いて二軸方向
または最初の延伸方向と直角方向に延伸することにより
得られる易接着帯電防止ポリエステルフィルムが挙げら
れる(特開平3−73330号公報)。
【0027】更にまた、ポリビニルアルコール40〜8
0重量%およびイソブチレン−無水マレイン酸共重合物
60〜20重量%の組成物の水溶液を未延伸または一軸
延伸ポリエステルに塗布し、延伸して形成される厚さ
0.1〜2μmの塗布層が少なくとも片面に設けられた
各種印刷インキ、蒸着、水系糊などにきわめて優れた接
着性をもつ易接着性二軸延伸ポリエステルフィルムが挙
げられる(特開平5−310976号公報)。
【0028】また、本発明で用いる表面改質層を有する
プラスチック基材は、共押出装置などを用いて基材を構
成する主要成分とは異なる組成の原料を極めて薄い層に
して表面改質とした積層フィルムであってもよい。
【0029】例えば、このような方法で得られるプラス
チック基材としては、ポリエステル系樹脂フィルム基材
があり、具体例としては、テレフタル酸及び/又は2、
6−ナフタレンジカルボン酸を70mol%以上含むジ
カルボン酸とジヒドロキシ化合物からつくられたポリエ
ステルの層(A)の少なくとも片面にフェニルインダン
ジカルボン酸を30mol%以上含むジカルボン酸成分
とジヒドロキシ化合物からつくられたポリエステルの層
(B)を共押出しにより積層させた積層未延伸フィルム
を二軸方向に延伸し、その後80〜220℃の温度で少
なくとも一軸方向に再延伸した易接着性フィルム(特開
平6−198828号公報)などが挙げられる。
【0030】また、本発明で用いるポリエステル系樹脂
プラスチック基材は、共重合する原料の組成を変更し、
印刷性や易接着性、蒸着性を付与したプラスチック基材
であってもよい。具体的に、本発明で用いるポリエステ
ル系樹脂とは、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸のような芳香族ジカルボン酸とエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノールのような脂肪族グリコールとを重縮合させ
て得られるポリマーからなる樹脂である。該ポリマーの
代表的なものとしては、ポリエチレンテレフタレート
(PET)やポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボ
キシレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)などが例示される。また、該ポリマーはホモ
ポリマーの他に、30モル%以下の第三成分を含有した
コポリマーであってもよい。この場合、ジカルボン酸成
分として、たとえばイソフタル酸、フタル酸、テレフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、
セバシン酸及びオキシカルボン酸(たとえばp−オキシ
安息香酸など)の一種又は二種以上を用いることができ
る。グリコール成分としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールなどの
一種又は二種以上を用いることができる。
【0031】本発明で用いるプラスチック基材として
は、ウレタン系化合物を塗工してなる表面改質層を有す
るナイロン系樹脂基材またはウレタン系化合物を塗工し
てなる表面改質層を有するポリエステル系樹脂基材が好
ましい。また、本発明で用いるプラスチック基材として
は、ポリエステル系化合物を塗工してなる表面改質層を
有するナイロン系樹脂基材またはポリエステル系化合物
を塗工してなる表面改質層を有するポリエステル系樹脂
基材が好ましい。さらに、本発明で用いるプラスチック
基材としては、イミン系化合物を塗工してなる表面改質
層を有するナイロン系樹脂基材またはイミン系化合物を
塗工してなる表面改質層を有するポリエステル系樹脂基
材が好ましい。また、本発明で用いるプラスチック基材
としては、アクリル系化合物を塗工してなる表面改質層
を有するナイロン系樹脂基材またはアクリル系化合物を
塗工してなる表面改質層を有するポリエステル系樹脂基
材が好ましい。
【0032】本発明で用いるプラスチック基材には、印
刷が施されていてもよいが、これら印刷剤層は、プラス
チック基材に強固に接着固化されたものであればよく、
これらは基材の全面に形成されていてもよく、また基材
のある一部分で形成されたものであってもよい。
【0033】本発明で用いる押出ラミネート用樹脂とし
ては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エ
チレン−ビニルエステル系共重合体樹脂及びエチレン−
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体樹脂からなる群
から選ばれる一種であり、これらを単独又は二種以上の
混合物として用いることができる。更に必要に応じて、
他の樹脂を50重量%未満の範囲で混合してもよい。
【0034】ポリエチレン系樹脂の製法は限定されるも
のではなく、例えばラジカル重合法又はイオン重合法で
製造することができる。ポリエチレン系樹脂としては、
例えばラジカル重合法で製造される低密度ポリエチレン
の他、イオン重合法で製造される高密度ポリエチレン
や、エチレンとα−オレフィンとを共重合して得られる
エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。
α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1、デセン−1、オクタデセン−1などの炭素数3〜
18のα−オレフィンが用いられ、これらα−オレフィ
ンは、一種又は二種以上用いることができる。エチレン
−α−オレフィン共重合体に含まれるα−オレフィンの
含有量は、好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは
5〜15重量%である。
【0035】ポリプロピレン系樹脂の製法は限定される
ものではなく、例えばイオン重合法で製造することがで
きる。ポリプロピレン系樹脂としては、例えばプロピレ
ンのホモポリマー又は、プロピレンと、エチレンやブテ
ン−1との共重合体などのプロピレンとα−オレフィン
との共重合体などが挙げられる。なお、プロピレンと共
重合するα−オレフィンは、一種又は二種以上を用いる
ことができる。プロピレン−α−オレフィン共重合体に
含まれるα−オレフィンの含有量は、好ましくは0.1
〜40重量%、更に好ましくは1〜30重量%である。
【0036】エチレン−ビニルエステル系共重合体樹脂
及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
樹脂はラジカル重合法で製造でき、エチレンとラジカル
重合し得る単量体とを共重合して得られる。
【0037】エチレン−ビニルエステル系共重合体のビ
ニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ネオ酸ビニルなどが挙げられる。
【0038】エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系
共重合体の(メタ)アクリル酸エステルとしては、たと
えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチ
ルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸t−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのメタ
クリル酸エステルであって炭素数4〜8の不飽和カルボ
ン酸エステルなどが挙げられる。これらのコモノマーは
一種又は二種以上用いることができる。
【0039】エチレン−ビニルエステル共重合体及びエ
チレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体に含まれ
るコモノマー成分の含有量は、耐ボイル性の観点から好
ましくは20重量%以下がよく、更に好ましくは15重
量%以下がよい。
【0040】なお、加工適性の観点から、ポリエチレン
系樹脂、エチレン−ビニルエステル系共重合体樹脂及び
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体樹脂
については、190℃におけるメルトフローレート(M
FR)が1〜100g/10分の範囲にあることが好ま
しく、またポリプロピレン系樹脂については、230℃
におけるMFRが1〜100g/10分の範囲にあるこ
とが好ましい。
【0041】本発明のオゾン処理工程は、押出ラミネー
ト用樹脂を180〜340℃の温度においてフィルム状
に溶融押出し、該フィルムの少なくとも一面にオゾン処
理を施す工程である。オゾン処理は、たとえばTダイ下
エアーギャップ間に設けたノズル又はスリット状の吹出
し口からオゾンを含ませた気体(空気など)を、溶融フ
ィルムに吹き付けることにより行われる。なお、オゾン
ノズルがTダイ下に設置できない場合は、圧着ラミネー
トする直前のプラスチック基材上に吹きつけてもよい。
吹きつけるオゾンの量は、溶融フィルムの通過単位面積
に対し、1〜30mg/m2 が好ましく、更に低臭性が
問題とされる場合は2〜12mg/m2が好ましい。な
お、押出ラミネート用樹脂をフィルム状に溶融押出しす
る温度は180〜340℃、好ましくは210〜330
℃である。該温度が180℃未満では、樹脂の延展性が
不良となり、肉厚が均一な溶融薄膜を得ることが困難で
あるばかりか、プラスチック基材との接着強度が不十分
となる。一方、340℃を超えると、溶融樹脂の表面の
酸化が多くなり、臭気が悪化する。
【0042】次に、表面酸化処理工程の具体的実施態様
について説明する。
【0043】表面酸化処理工程は、具体的には、コロナ
処理工程、プラズマ処理工程、フレームプラズマ処理工
程、電子線照射処理工程、紫外線照射処理工程などによ
り実施される。
【0044】プラズマ処理工程は、アルゴン、ヘリウ
ム、クリプトン、ネオン、キセノン、水素、窒素、空気
などの単体又は混合気体をプラズマジェットで電子的に
励起せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とし
た励起不活性ガスを、プラスチック基材の表面に吹きつ
けることにより実施できる。
【0045】フレームプラズマ処理工程は、天然ガスや
プロパンを燃焼させた時に生じる火炎内のイオン化した
プラズマを、プラスチック基材の表面に吹きつけること
により実施できる。
【0046】電子線照射処理工程は、プラスチック基材
の表面に、電子線加速器により発生させた電子線を照射
することにより行われる。電子線照射装置としては、た
とえば、線状のフィラメントからカーテン状に均一な電
子線を照射できる装置「エレクトロンカーテン」(商品
名)を使用することができる。
【0047】紫外線照射処理工程は、たとえば200〜
400mμの波長の紫外線を、プラスチック基材の表面
に照射することにより実施される。
【0048】コロナ放電処理工程は、プラスチック基材
の表面改質層に10(W・分/m2)以上の処理密度で
コロナ放電処理を施す工程である。コロナ放電処理は、
例えば公知のコロナ放電処理器を用い、発生させたコロ
ナ雰囲気にプラスチック基材を通過させることにより行
われる。ここで、接着強度を高水準に維持するという観
点からは、コロナ放電密度は、30(W・分/m2 )以
上が好ましく、更に好ましくは40(W・分/m2 )以
上である。コロナ放電密度の上限は、特に限定されない
が、経済性の観点から200(W・分/m2 )以下が好
ましい。ただし、表面酸化前加熱工程及び/又は熟成工
程を用いる場合の好ましいコロナ放電密度は、10(W
・分/m2 )以上である。
【0049】ところで、市販のプラスチック基材には、
表面への印刷性の改良のため、コロナ放電処理などの表
面酸化処理が施されているものもあるが、かかる市販品
について、本発明の表面酸化処理を実施することなく用
いた場合には、本発明が目的とする十分に強固な接着力
を得ることができない。
【0050】本発明の圧着工程は、表面酸化処理工程で
得られた表面改質層を少なくとも一面にもつプラスチッ
ク基材の表面酸化処理面とオゾン処理工程で得られたフ
ィルムのオゾン処理面を接触させ、該フィルムと該プラ
スチック基材を圧着する工程である。
【0051】本発明の圧着工程には、公知の押出ラミネ
ーターを使用できる。
【0052】本発明においては、表面酸化処理工程及び
圧着工程をインラインに設け、表面酸化処理工程後のプ
ラスチック基材を直ちに圧着工程に付すことが好まし
い。このことにより、より高水準の接着強度が発現さ
れ、かつ好ましくないフィルムのブロッキングが防止さ
れる。なお、上記の「圧着工程をインラインに設け、表
面酸化処理工程後のプラスチック基材を直ちに圧着工程
に付す」とは、押出ラミネート加工において、プラスチ
ック基材の繰出し工程、表面酸化処理工程、圧着工程及
び製品巻取り工程がプラスチック基材の流れ方向に沿っ
て同一ライン上に順次設置された装置を用い、これらの
工程を速やかに一連の作業で行うことを意味する。
【0053】本発明においては、接着強度を一層向上さ
せる観点から、表面酸化処理工程の前に、表面酸化処理
工程に付すべきプラスチック基材を、40℃以上かつプ
ラスチック基材の融点以下の温度で加熱する工程である
表面酸化前加熱工程を設けることが好ましい。
【0054】加熱温度は、40℃以上かつプラスチック
基材の融点以下の温度であり、好ましくは60℃以上か
つ基材の融点より30℃低い温度以下である。ここで、
該温度はプラスチック基材の表面温度をいい、例えば接
触式温度計により測定することができる。加熱温度が低
過ぎると得られる積層フィルムにおけるプラスチック基
材と押出ラミネート用樹脂との接着強度の改善が不十分
であることがあり、一方高過ぎるとプラスチック基材の
収縮やカールなどが問題となる。プラスチック基材の加
熱は遠赤外線ヒーターや加熱ロールなどを用いることに
より最適に行われる。例えば、プラスチック基材を表面
酸化処理工程へ搬送する過程で、遠赤外線ヒーターの下
を通過させればよく、例えばプラスチック基材巾500
mmの材料であれば遠赤外線ヒーターの出力としては1
〜30KW程度のもの(複数のヒーターを用いる場合は
その合計出力)を用い、ヒーターとプラスチック基材表
面の距離を1〜30cm程度に保ち、0.05〜5秒程
度加熱すればよい。
【0055】本発明においては、接着強度を一層向上さ
せる観点から、圧着工程の後に、圧着工程で得られる積
層フィルムを、保温下、熟成する工程である熟成工程を
設けることが好ましい。
【0056】熟成温度は、通常30℃以上かつ50℃未
満であり、好ましくは40〜45℃である。熟成温度が
低過ぎる場合は接着強度の改善が不十分であることがあ
り、一方高過ぎる場合は、ラミネートした樹脂のヒート
シール性能やホットタック性能の低下を招くことがあ
る。更にラミネートフィルムがカールしたり、スリット
工程や内容物の充填工程で不都合を生じることがあり、
またラミネート樹脂が変質し、臭気問題を生じることが
ある。
【0057】熟成時間は、通常1〜120時間、好まし
くは10〜80時間である。熟成時間が短か過ぎる場合
は接着強度の改善が不十分であることがあり、一方、長
過ぎる場合は、押出ラミネートした樹脂が変質すること
があり、また生産性の点でも不利である。
【0058】熟成工程を実施するには、通常のオーブン
又は温度調整が可能な部屋を用いればよい。
【0059】本発明においては、表面酸化前加熱工程、
表面酸化処理工程、オゾン処理工程、圧着工程及び熟成
工程のすべてを組み合わせて実施することにより、一層
強固な接着強度を実現することができる。
【0060】本発明においては、プラスチック基材上に
押出ラミネートした樹脂を積層フィルムのヒートシール
層に適用することや、また積層フィルムの中間層に適用
することもできるが、それらは樹脂のもつ機能、たとえ
ば易ヒートシール性、防湿性などによって使い分けされ
る。また、本発明においては、サンドイッチ押出ラミネ
ーション法においても適用できる。
【0061】本発明の押出ラミネート用樹脂には、本発
明の効果を阻害しない範囲で、公知の添加剤、たとえば
抗酸化剤、アンチブロッキング剤、耐候剤、中和剤、難
燃剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、分散剤、顔料、有機
又は無機の充填剤などを併用してもよい。
【0062】上記各工程により得られた包装用積層フィ
ルムは、有機溶剤などのアンカーコート剤成分がフィル
ムに残留することなく、それに起因する臭気の心配がな
いばかりか、特にプラスチック基材と押出ラミネート用
樹脂との接着が良好なため耐ボイル性を有する食品包装
材料に最適である。
【0063】本発明の包装袋によって包装する食品とし
ては、例えば液体食品や湿性食品、油脂加工食品等が挙
げられる。液体食品や湿性食品としては、例えば漬物、
惣菜類や味噌などの大豆加工製品、蒲鉾、ちくわ、はん
ぺん、魚肉加工品などの水産練り製品、佃煮、煮豆類、
煮物、おでん、しゅうまいなどの調理食品、液体スー
プ、タレ、調味液、麺つゆ類などが挙げられる。油脂加
工食品としては、例えばマヨネーズなどの油脂加工製
品、ハム、ウインナーソーセージなどの蓄肉加工品など
が挙げられる。
【0064】本発明の包装袋の製造方法は、特に限定さ
れるものではなく、三方袋、スタンディングパウチ袋等
の製造方法が挙げられる。
【0065】食品包装袋に用いるプラスチック基材は、
食品の種類、形状、保存期間、輸送方法、充填方法、商
品性、使用方法などによって材料が選択される。また、
押出ラミネート用樹脂も食品包装袋に要求される性能に
よって、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系
樹脂、エチレン−ビニルエステル系共重合体樹脂、エチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂等の中
から選ばれる少なくとも一種の押出ラミネート用樹脂が
好ましい。
【0066】また、本発明の包装袋は、その効果を阻害
しない範囲で、プラスチック材料以外の包装材料、例え
ばアルミニウム箔などの金属材料などを積層し複合化す
ることもできる。
【0067】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0068】実施例及び比較例で行う測定及び評価方法
は下記のとおりである。 (1)膜接着強度の測定 15mm巾の積層フィルムを、東洋精機(株)製オートス
トレイン型引張試験機を使用して、200mm/min の引
張速度で180度剥離した時の剥離強度からその膜接着
性を評価した。
【0069】(2)破袋試験1(食用サラダオイル10
0%) 積層フィルムを幅120mmのサイズにスリットした
後、小松製作所(株)製の高速液体自動充填包装機を用
いて食用サラダオイルを充填した。その後、アルプ
(株)製の小型レトルト高圧蒸気滅菌装置を用いてボイ
ル処理を行った。更にその試料を1時間かけて徐冷した
後、小松製作所(株)製の荷重式破袋試験機を用いて耐
破袋テストを実施し評価した。テスト条件は下記のとお
りである。 充填袋の寸法:60mm×85mm 評価荷重:100kg 充填量 :19g/袋 評価時間:3分 ボイル処理 :85℃×30分
【0070】(3)破袋試験2(食用サラダオイル10
0%) 積層フィルムを幅120mmのサイズにスリットした
後、小松製作所(株)製の高速液体自動充填包装機を用
いて食用サラダオイルを充填した。その後、アルプ
(株)製の小型レトルト高圧蒸気滅菌装置を用いてボイ
ル処理を行った。更にその試料を1時間かけて徐冷した
後、小松製作所(株)製の荷重式破袋試験機を用いて耐
破袋テストを実施し評価した。テスト条件は下記のとお
りである。 充填袋の寸法:60mm×85mm 評価荷重:100kg 充填量 :19g/袋 評価時間:3分 ボイル処理 :95℃×30分
【0071】実施例1 基材と接する側の押出ラミネート用樹脂を低密度ポリエ
チレン(LDPE;住友化学工業社製スミカセンL58
16 MFR10g/10分、密度0.917g/cm
3 )、シーラント層を線状低密度ポリエチレン(LLD
PE;住友化学工業社製スミカセンαCS8026 M
FR10g/10分、密度0.914g/cm3 )と
し、それぞれを、口径65mmφの押出機2台で溶融混
練し、マルチスロットタイプのTダイからそれぞれの樹
脂温度を305℃、290℃、フィルム幅450mm、
ラミネート層の厚みをそれぞれ30μ(合計60μ)、
ラミネート速度を80m/分で押出して溶融薄膜とな
し、次いで該溶融薄膜の基材との接着面に、ダイ下30
mmの位置に設けたノズルから15(g/Nm3 )の濃
度でオゾンを含む空気を1.5(Nm3 /hr)の条件
で吹き付けることにより、該溶融薄膜の基材との接着面
をオゾン処理した。この時のオゾン処理量は溶融フィル
ムの通過単位面積に対し、10.4( mg/m2 )であ
った。次いで、押出ラミネーターのインラインに設けた
コロナ放電装置によって、ウレタン系物質が塗工され接
着性及び耐水性の改良された表面改質層を有する東洋紡
績社製の二軸延伸ナイロン基材(N7030タイプ、2
5μ)に処理密度103(W・分/m2 )でコロナ処理
した。次いで、表面改質された表面改質層を有する二軸
延伸ナイロンフィルムにオゾン処理工程で得られた溶融
フィルムを圧着ラミネートした。本実施例で得られたラ
ミネート物のポリエチレン膜とONyフィルム基材間の
接着強度を測定したところ、剥離不可であった。結果を
表1に示す。
【0072】実施例2 基材を易接着性の改良された東洋紡績社製の二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレート(T4100タイプ、12
μ)、基材と接する側の押出ラミネート用樹脂をエチレ
ン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA;住友化
学工業社製アクリフト WH302 MFR7g/10
分、密度0.93g/cm3 )、ラミネート層の厚みを
それぞれ20μ、40μ(合計60μ)に変更した以外
は、実施例1と同様に行った。本実施例で得られたラミ
ネート物のポリエチレン膜とPETフィルム基材間の接
着強度を測定したところ、基材切れの強度であった。結
果を表1に示す。
【0073】実施例3 基材を耐熱性が改良されたクラレ社製の二軸延伸EVO
H(EF−RTタイプ)に変更した以外は、実施例1と
同様に行った。本実施例で得られたラミネート物のポリ
エチレン膜とEVOHフィルム基材間の接着強度を測定
したところ、剥離不可であった。結果を表1に示す。
【0074】比較例1 コロナ処理、オゾン処理及び熟成処理を施さない以外
は、実施例1と同様に行った。本比較例で得られたラミ
ネート物のポリエチレン膜とONyフィルム基材間の接
着強度を測定したが5(g/15mm)であった。結果
を表2に示す。
【0075】比較例2 オゾン処理及び熟成処理を施さない以外は、実施例1と
同様に行った。本比較例で得られたラミネート物のポリ
エチレン膜とONyフィルム基材間の接着強度を測定し
たが80(g/15mm)であった。結果を表2に示
す。
【0076】比較例3 コロナ処理、オゾン処理及び熟成処理を施さない以外
は、実施例2と同様に行った。本比較例で得られたラミ
ネート物のポリエチレン膜とPETフィルム基材間の接
着強度を測定したが90(g/15mm)であった。結
果を表2に示す。
【0077】比較例4 オゾン処理及び熟成処理を施さない以外は、実施例2と
同様に行った。本比較例で得られたラミネート物のポリ
エチレン膜とPETフィルム基材間の接着強度を測定し
たが170(g/15mm)であった。結果を表2に示
す。
【0078】比較例5 コロナ処理及び熟成処理を施さない以外は、実施例2と
同様に行った。本比較例で得られたラミネート物のポリ
エチレン膜とPETフィルム基材間の接着強度を測定し
たが220(g/15mm)であった。結果を表3に示
す。
【0079】比較例6 コロナ処理、オゾン処理及び熟成処理を施さない以外
は、実施例3と同様に行った。本比較例で得られたラミ
ネート物のポリエチレン膜とEVOHフィルム基材間の
接着強度を測定したが40(g/15mm)であった。
結果を表3に示す。
【0080】比較例7 オゾン処理及び熟成処理を施さない以外は、実施例3と
同様に行った。本比較例で得られたラミネート物のポリ
エチレン膜とEVOHフィルム基材間の接着強度を測定
したが50(g/15mm)であった。結果を表3に示
す。
【0081】
【表1】 ─────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 ─────────────────────────────── 基材 ONy PET EVOH 押出ラミネート樹脂1 LD EMMA LD 押出ラミネート樹脂2 LL LL LL 加工条件 樹脂1温度 ℃ 305 295 305 樹脂2温度 ℃ 290 290 290 速度 m/分 80 80 80 樹脂1厚み μ 30 20 30 樹脂2厚み μ 30 40 30 コロナ放電処理 処理密度 W・分/m2 103 103 103 オゾン処理 処理量 mg/m2 10 10 10 熟成処理 温度 ℃ 45 45 45 時間 hr 48 48 48 評価 膜接着強度(g/15mm) 剥離不可 基材切れ 剥離不可 破袋試験1(85℃、オイル) − 無 − 破袋試験2(95℃、オイル) 無 − 無 ───────────────────────────────
【0082】
【表2】 ─────────────────────────────────── 比 較 例 1 2 3 4 ─────────────────────────────────── 基材 ONy ONy PET PET 押出ラミネート樹脂1 LD LD EMMA EMMA 押出ラミネート樹脂2 LL LL LL LL 加工条件 樹脂1温度 ℃ 305 305 295 295 樹脂2温度 ℃ 290 290 290 290 速度 m/分 80 80 80 80 樹脂1厚み μ 30 30 20 20 樹脂2厚み μ 30 30 40 40 コロナ放電処理 処理密度 W・分/m2 − 103 − 103 オゾン処理 処理量 mg/m2 − − − − 熟成処理 温度 ℃ − − − − 時間 hr − − − − 評価 膜接着強度(g/15mm) 5 80 90 170 破袋試験1(85℃、オイル) 破袋 破袋 破袋 破袋 破袋試験2(95℃、オイル) − − − − ───────────────────────────────────
【0083】
【表3】 ────────────────────────────── 比 較 例 5 6 7 ────────────────────────────── 基材 PET EVOH EVOH 押出ラミネート樹脂1 EMMA LD LD 押出ラミネート樹脂2 LL LL LL 加工条件 樹脂1温度 ℃ 295 305 305 樹脂2温度 ℃ 290 290 290 速度 m/分 80 80 80 樹脂1厚み μ 20 30 30 樹脂2厚み μ 40 30 30 コロナ放電処理 処理密度 W・分/m2 − − 103 オゾン処理 処理量 mg/m2 10 − − 熟成処理 温度 ℃ − − − 時間 hr − − − 評価 膜接着強度(g/15mm) 220 40 50 破袋試験1(85℃、オイル) 破袋 破袋 破袋 破袋試験2(95℃、オイル) − − − ──────────────────────────────
【0084】プラスチック基材 ONy : 二軸延伸ナイロン、東洋紡社製 N70
30 タイプ25μ PET : 二軸延伸ポリエステル、東洋紡績社製
T4100タイプ12μ EVOH : 二軸延伸エチレン−ビニルアルコール共
重合体 EF−RTタイプ15μ 押出ラミネート樹脂 LD : スミカセン L5816、MFR10g
/10 、密度0.917g/cm3 LL : スミカセンα CS8026、MFR1
0g/10分、密度0.914g/cm3 加工条件 樹脂1温度 ℃ : 押出ラミネート樹脂1の加工温度 樹脂2温度 ℃ : 押出ラミネート樹脂2の加工温度 樹脂1厚み μ : 押出ラミネート樹脂1の加工厚み 樹脂2厚み μ : 押出ラミネート樹脂2の加工厚み
【0085】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
アンカーコート剤を使用することなく、強固に接着され
た包装用積層フィルムからなる、耐油性及び耐ボイル性
に優れた包装袋が提供できる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の包装用積層フィルムからなる耐油性
    及び耐ボイル性に優れる包装袋。易接着性及び易印刷性
    の機能を付与した表面改質層を少なくとも一面に有する
    プラスチック基材並びにポリエチレン系樹脂、ポリプロ
    ピレン系樹脂、エチレン−ビニルエステル系共重合体樹
    脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合
    体樹脂からなる群から選ばれる一種である押出ラミネー
    ト用樹脂からなる包装用積層フィルムであって、下記
    (x)表面酸化処理工程、(y)オゾン処理工程及び
    (z)圧着工程を含み、かつアンカーコート剤を使用し
    ないで得られる包装用積層フィルム。 (x)表面酸化処理工程 プラスチック基材の表面改質層に表面酸化処理を施す工
    程。 (y)オゾン処理工程 押出ラミネート用樹脂を180〜340℃の温度におい
    てフィルム状に溶融押出し、該フィルムのプラスチック
    基材と接する面にオゾン処理を施す工程。 (z)圧着工程 表面酸化処理工程で得られたプラスチック基材の表面改
    質層とオゾン処理工程で得られたフィルムのオゾン処理
    面を圧着する工程。
  2. 【請求項2】プラスチック基材が、ナイロン系樹脂、ポ
    リエステル系樹脂基材またはエチレン−ビニルアルコー
    ル系共重合体樹脂基材である請求項1記載の包装袋。
  3. 【請求項3】易接着性及び易印刷性の機能を付与した表
    面改質層が、ウレタン系化合物、ポリエステル系化合
    物、イミン系化合物及びアクリル系化合物からなる請求
    項1記載の包装袋。
  4. 【請求項4】プラスチック基材が、ウレタン系化合物を
    塗工してなる表面改質層を有するナイロン系樹脂基材ま
    たはウレタン系化合物を塗工してなる表面改質層を有す
    るポリエステル系樹脂基材である請求項1記載の包装
    袋。
  5. 【請求項5】プラスチック基材が、ポリエステル系化合
    物を塗工してなる表面改質層を有するナイロン系樹脂基
    材またはポリエステル系化合物を塗工してなる表面改質
    層を有するポリエステル系樹脂基材である請求項1記載
    の包装袋。
  6. 【請求項6】プラスチック基材が、イミン系化合物を塗
    工してなる表面改質層を有するナイロン系樹脂基材また
    はイミン系化合物を塗工してなる表面改質層を有するポ
    リエステル系樹脂基材である請求項1記載の包装袋。
  7. 【請求項7】プラスチック基材が、アクリル系化合物を
    塗工してなる表面改質層を有するナイロン系樹脂基材ま
    たはアクリル系化合物を塗工してなる表面改質層を有す
    るポリエステル系樹脂基材である請求項1記載の包装
    袋。
  8. 【請求項8】表面酸化処理工程がコロナ放電処理であっ
    て、コロナ放電密度が10(w・分/m2 )以上である
    請求項1記載の包装袋。
  9. 【請求項9】表面酸化処理工程がコロナ放電処理であっ
    て、コロナ放電密度が30(w・分/m2 )以上である
    請求項1記載の包装袋。
  10. 【請求項10】表面酸化処理工程及び圧着工程をインラ
    インに設け、表面改質層を有するプラスチック基材を直
    ちに圧着工程に付す請求項1記載の包装袋。
  11. 【請求項11】圧着工程の後に、得られる積層フィルム
    に、保温下、熟成処理を施す工程を有する請求項1記載
    の包装袋。
  12. 【請求項12】熟成温度が30℃以上かつ50℃未満で
    ある請求項11記載の包装袋。
  13. 【請求項13】包装袋が食品包装袋である請求項1〜1
    2のいずれかに記載の包装袋。
  14. 【請求項14】包装袋が液体物または湿性物に用いる包
    装袋である請求項1〜12のいずれかに記載の包装袋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003266621A (ja) * 2002-03-19 2003-09-24 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 多層ポリエステルシート及び成形品
CN112011076A (zh) * 2020-08-10 2020-12-01 江门市玛斯特包装有限公司 一种表面粗糙的包装袋及其制备方法
KR20220148559A (ko) * 2021-04-29 2022-11-07 롯데알미늄 주식회사 친환경 인쇄 및 가공 기술을 적용한 친환경 포장재 제조기술

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